JPH09301784A - 多孔質吸音材の製造方法 - Google Patents

多孔質吸音材の製造方法

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JPH09301784A
JPH09301784A JP14798296A JP14798296A JPH09301784A JP H09301784 A JPH09301784 A JP H09301784A JP 14798296 A JP14798296 A JP 14798296A JP 14798296 A JP14798296 A JP 14798296A JP H09301784 A JPH09301784 A JP H09301784A
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清之 中川
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晋 平林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた吸音特性と圧縮強度との両者を満足させ
得る多孔質吸音材を得ることのできる製造方法を提供す
る。 【解決手段】ケイ酸質原料、石灰質原料を主原料とする
連続気泡を有する多孔質吸音材の製造方法において、発
泡材として金属アルミニウム粉末を添加するとともに連
続気泡形成用として界面活性剤および増粘剤を使用する
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は、ケイ酸カルシウム
水和物を主成分とする多孔質吸音材の製造方法に関し、
詳しくは優れた吸音特性を有し、かつ高強度、高耐久性
を有する多孔質吸音材を得ることができる多孔質吸音材
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、内部に連続気泡を有するケイ
酸カルシウム水和物系多孔質吸音材およびその製造方法
は公知である。その代表的なものとして、特開昭52−
37403号公報などで開示している多孔質吸音材およ
びその製造方法がある。この製造方法は、一般にプレフ
ォーム方式またはミックスフォーム方式と称されるもの
で、次のような方法である。
【0003】プレフォーム方式は、気泡を原料スラリー
とは別に製造して、それを原料スラリーに添加してその
スラリーを発泡させる方法であり、起泡剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩やノニルフエノール
テトラエチレンオキサイドエーテル硫酸エステル等の界
面活性剤を使用し、水および空気と撹拌して微細な気泡
体を有し、この気泡体をケイ酸質原料、石灰質原料およ
び水を混合して得た原料スラリーと混合・撹拌する。し
かる後にそのスラリーを型枠に流し込んでオートクレー
ブで養生することによって硬化せしめる方法である。ま
た、ミックスフォーム方式は、原料スラリーに起泡剤で
ある界面活性剤を添加して混合・撹拌することにより原
料スラリーを起泡させ、しかる後にそれを型枠に流し込
んでオートクレーブで養生して硬化させる方法である。
【0004】さらに、他の方法として、特開昭52−8
0325号公報で開示している製造方法がある。この方
法は発泡剤として金属アルミニウム粉末を用い、その金
属アルミニウム粉末を原料スラリーの中で化学反応させ
る方法で、ケイ酸質原料、石灰質原料、増粘剤、金属ア
ルミニウム粉末のすべてを同時に水と混合・撹拌して1
次原料スラリーと成し、これを型枠に流し込んで発泡を
終了させた後に、オートクレーブで養生して硬化させる
方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のプレフォーム方
式またはミックスフォーム方式によって得られた多孔質
吸音材は、吸音材の内部に多数個の連続気泡を有するた
め、それなりの優れた吸音特性は得られるが、図3に示
すように、形成される気泡が均一で小さく、また気泡の
形状が眞球に近くて配置がランダムであるため、特に4
00HZ以上の周波数帯域での吸音特性ではまだ不十分
であるという問題点がある。
【0006】また、特開昭52−80325号公報のよ
うに、金属アルミニウム粉末をすべての原料と同時に混
合して1次スラリーの中で金属アルミニウム粉末を化学
反応および発泡させる方法では、その原因は明確でない
が、連続気泡の形成が少なくなり優れた吸音特性を有す
る多孔質吸音材は得られないという問題点がある。その
欠点を補うため金属アルミニウム粉末の添加量を増やし
ても、隣接する気泡同士が合体し、大きな独立気泡が形
成されてしまうのみで、吸音特性を向上させる連続気泡
が得られない。
【0007】一方、ケイ酸カルシウム水和物系多孔質吸
音材は、一般に材料の強度が小さいため他の素材との複
合化などにおいて、その取扱い上においてその強度向上
が望まれる。この強度を向上させるためには気泡以外の
固体層を多くする必要があるが、以上のケイ酸カルシウ
ム水和物系多孔質吸音材の製造方法においては、固体層
を多くすると必然的に気泡が少なくなって吸音特性の低
い多孔質吸音材しか得られず、優れた吸音特性と圧縮強
度との両者を満足させ得ることはできないという問題点
もあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、こ
れらの問題を解決するために鋭意研究した結果、発泡材
として金属アルミニウム粉末を用い、連続気泡形成材と
して界面活性剤を用いることによって、従来の問題点が
解決され、優れた吸音特性と圧縮強度の両者を満足させ
得るケイ酸カルシウム水和物系多孔質吸音材が得られる
ことを見出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明の第1発明はケイ酸質原
料、石灰質原料、発泡剤を水と混合・撹拌してスラリー
を得、該スラリーを発泡させ、かつ連続気泡を形成させ
た後にオートクレーブで養生する多孔質吸音材の製造方
法において、前記スラリーに発泡剤として金属アルミニ
ウム粉末を添加するとともに連続気泡形成用として界面
活性剤および増粘剤を使用する方法である。
【0010】第2発明はケイ酸質原料および石灰質原料
を主原料とし連続気泡を有する多孔質吸音材の製造方法
において、先ずケイ酸質原料、石灰質原料および増粘剤
を水と混合・撹拌して1次スラリーと成し、次いでこの
1次スラリーに発泡材として金属アルミニウム粉末を添
加するとともに連続気泡形成用として界面活性剤を添加
し混合して2次スラリーと成し、しかる後この2次スラ
リーを型枠に流し込んだ後に発泡させ、これをオートク
レーブで養生することによって硬化せしめる方法であ
る。
【0011】
【発明の実施の態様】以下、本発明の実施の態様につい
て詳述する。第1発明において重要なことは、スラリー
に発泡剤としての金属アルミニウム粉末と連続気泡形成
用としての界面活性剤および増粘剤の3種を添加するこ
とである。
【0012】第2発明は、先ずケイ酸質原料、石灰質原
料および増粘剤の3つの原料を水と十分混合して1次ス
ラリーと成す。次にこの1次スラリーに金属アルミニウ
ム粉末と界面活性剤とを添加し混合して2次スラリーと
成す。この段階では2次スラリーはまだ実質的な発泡は
起こらないようにする。続いて2次スラリーを型枠に流
し込む。2次スラリーの実質的な発泡はこの型枠に流し
込まれた後に起るようにする。しかる後に半硬化体にな
ったものをピアノ線などで所望の大きさ、形状に切断
し、最後にオートクレーブで養生することによって硬化
せしめることにより多孔質吸音材とする。
【0013】この第2発明で重要なことは、金属アルミ
ニウム粉末と界面活性剤の添加タイミング、すなわちケ
イ酸質原料、石灰質原料および増粘剤の3つの原料を水
と混合して1次スラリーと成した後に添加すること、さ
らに2次スラリーの実質的な発泡は混合程度を調整して
型枠に流し込んだ後に起こさせることである。このよう
な方法を採ることによって、図1および図2に示すよう
に連続気泡が一定方向を向いており、かつ気泡も大きい
特異な多孔質吸音材が得られ、より優れた吸音特性を有
するようになる。
【0014】なお、1次スラリーに対して界面活性剤と
金属アルミニウム粉末を混合する際は、同時でもどちら
が先でも良い。しかし、混合中にあまり激しくまた長時
間撹拌するとその2次スラリーが起泡したり、反応し過
ぎて水平方向に連続気泡ができなくなり、優れた吸音特
性や圧縮強度を有する多孔質吸音材が得られなくなる。
したがって、界面活性剤と金属アルミニウム粉末の混合
は、2次スラリーが起泡しない程度に適度な均一性を有
する程度とすることが望ましい。
【0015】次に各本発明に適用される各原料および添
加物について詳述する。本発明に適用される主原料は、
ケイ酸質原料、石灰質原料であり、添加剤としては増粘
剤、金属アルミニウム粉末、界面活性剤であり、必要に
応じて骨材又は補強材を用いる。ケイ酸質原料として
は、石英、クリストバライトなどの非晶質シリカ鉱物、
珪砂、フライアッシュ、スラグ、シリカフュームなどの
一種類あるいは二種類以上の混合物が使用される。
【0016】石灰質原料としては、生石灰、消石灰、普
通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、
中庸熱ポルトランドセメント、シリカセメント、高炉セ
メント、フライアッシュセメントなどの一種類あるいは
二種類以上の混合物が使用できるが、発泡の安定性、半
可塑化までの硬化時間の短縮化を考慮すると、好ましく
は、普通、早強、中庸熱などのポルトランドセメントが
よい。これらの主原料の粉末度は、空気透過型粉末測定
法(ブレーン法)による値で、2000〜5000cm2
/gが好ましい。
【0017】なお、ケイ酸質原料および石灰質原料は、
水和反応およびオートクレーブ養生による水熱反応によ
って、CSHゲル、トバモライト、ゾノトライト、フォ
ッシャジャナイトなどのケイ酸カルシウム水和物にな
り、バインダーの機能を果たす。本発明に使用される主
反応生成物は上記ケイ酸カルシウム水和物のうちどれで
も良く、かつこれら水和物の2種以上が混在していても
良いが、強度・耐久性・耐熱性・生産性などを考慮すれ
ば、好ましくはトバモライトがよい。
【0018】また、上記のケイ酸質原料および石灰質原
料の一部として、あらかじめ、水和反応が進行して半可
塑性になった材料となったものや、あるいは軽量気泡コ
ンクリート(ALC)の製造工程で発生する半可塑性物
を解砕しスラリーとしたものを、置換して使用すること
もできる。これら半可塑性物の解砕スラリーは、金属ア
ルミニウム粉末による発泡を安定させる機能と、セメン
トの水和反応を促進させる機能がある。しかしながら、
この解砕スラリーの置換量は、強度および吸音特性低下
防止の面で40%以下、好ましくは20%以下がよい。
【0019】金属アルミニウム粉末は、その添加量が吸
音材の比重に影響し、結果的に吸音率に影響するため、
ケイ酸質原料および石灰質原料の総重量の0.07〜
0.15%とすることが好ましい。
【0020】界面活性剤としては、石灰等のアルカリ雰
囲気に対してその機能を低下させることのない材料を選
定する。例えば、高級アルコール硫酸エステル系、ポリ
オキシチレンアルキルエーテル系、高級アルコール硫酸
ナトリウム系があるが、好ましくは高級アルコール硫酸
エステル系がよい。その界面活性剤の添加量は、使用す
る界面活性剤の持つ特性によって変化するが、優れた吸
音特性、気泡膜の強度面、気泡の連続化、撹拌中の原料
の凝集防止などの点から1〜5%の範囲が最も好まし
い。
【0021】なお、同様な原料を用いて製造するALC
の製造工程においても、その発泡上下部の比重差を低減
し気泡形状を球状にするため、また発泡工程での速度調
整のために、種々の界面活性剤が使用されることが知ら
れているが、その添加量は、多くてもケイ酸質原料およ
び石灰質原料の総重量の0.1%である。これに対し、
本発明における界面活性剤の望ましい添加量が、1〜5
%と非常に多いのは気泡の連続化のメカニズムをより確
実に実現するためである(詳細は後述)。
【0022】増粘剤としては、メチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール等が好ましい。その添加量は、気泡と
気泡の間の原料粒子や水の移動抵抗を大きくし、気泡の
合体を防ぐとともに気泡の連続性を付与するという面
で、固形原料の0.2〜0.5重量%の範囲が好まし
い。また、増粘剤は界面活性剤の影響で著しく低下する
スラリー粘度を調整する働き、及び連続気泡形成のため
の物質移動の抑制の働きをする。
【0023】これらの原料以外に、養生中の硬化を調整
するため、あるいは水熱反応の促進のために、石膏、ア
ルミナセメント、アルミナ、アルカリ質などを適量混入
することが出来る。しかしながら、これらの物資は、多
量に使用すると反応を阻害する恐れもあるため、上記ケ
イ酸質原料および石灰質原料の全重量に対し、石膏では
10%以下、アルミナでは20%以下、アルカリ物質は
5%以下とするのが好ましい。
【0024】本発明における水量は公知の水量が適用さ
れるが、混合スラリーの粘度、発泡速度、半可塑化の速
度などに影響し、結果的に吸音特性や各種物性に影響す
るため、ケイ酸質原料および石灰質原料の全原料に対し
60〜85%が好ましく、より好ましくは70〜80%
である。
【0025】混合・撹拌方法は、上述した原料、添加剤
および水を均一に混合されれば一般的なミキサーが利用
できる。また切断は硬化せしめた吸音材のケーキをピア
ノ線などで所望の大きさ、形状に切断するが、他の方法
で切断しても構わない。最後のオートクレーブ養生の条
件は、170℃〜200℃でその飽和蒸気圧で3〜8時
間の養生が好ましい。
【0026】本発明において、金属アルミニウム粉末、
界面活性剤および増粘剤が吸音材に必要な気泡の連続性
を生じる作用は明確ではないが、次のような理由による
ものと推測される。金属アルミニウム粉末は、型枠に流
し込んだ後アルカリと反応し水素ガスを発生させる。こ
の水素ガスはスラリーの粘度およびスラリー中に存在す
る微小粒子がシェルを生成することによって安定した気
泡を生成する。同時に、気泡膜に対しては界面活性剤、
増粘剤等高分子が気泡を安定にしている。気泡の形成が
増加するにしたがって、気泡同士が隣接するようにな
る。気泡と気泡とにはさまれた壁からは、原料粒子およ
び水が移動し、合体しようとする。しかしながら、界面
活性剤および増粘剤の高分子によって強力な気泡膜が気
泡−気泡間に形成する。この気泡膜は、本製造工程の半
可塑状態での材料の観察から確認ができる。
【0027】金属アルミニウム粉末の発泡剤を使用した
泡形成は、前述したプレフォーム方式やミックスフォー
ム方式による気泡とは異なり、後者の気泡がほぼ真球を
呈するのに対し、前者の気泡には方向性がある。すなわ
ち、アルミニウムの反応によってスラリー中で発生した
気泡は、その下で起こる発泡によって上に持ち上げら
れ、この時の流れ抵抗によって水平方向に膨らんだ形状
となる。このことによって、気泡−気泡間の接触は水平
方向で多くなる。よって、上述の気泡膜は水平方向に形
成する。この気泡膜は次第に消失するが、同時に硬化が
進行しているため、気泡は合体せずそのままの状態を保
持する。気泡膜は、その後のオートクレーブ養生で完全
に消失する。したがって、以上の過程で形成する気泡
は、発泡方向に対して垂直な方向に連続性が非常に高
く、かつ安定している。
【0028】気泡の連続化のためには、一般に空隙量を
多くするのが常套手段であるが、本発明は、極端な比重
低下をさせずに、気泡同士の連続性に方向性を持たせる
ことで、吸音特性並びに圧縮強度の両面に優れた材料を
製造することが可能となるのである。そのためには、上
述したように主原料に対して金属アルミニウム粉末、界
面活性剤および増粘剤の添加とその添加タイミングが不
可欠な要素であり、いずれの要素が欠けても本発明の目
的は達成されない。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例について
述べる。 [実施例1]ケイ酸質原料としてケイ石粉末48重量
部、石灰質原料として早強セメント48重量部、石膏4
重量部から成る固形分に対してALCの半可塑性物10
重量部と水80重量部を加え、さらにこれに増粘剤とし
てメチルセルロース0.35重量部を添加して混合し2
分撹拌して1次スラリーを得た。次にこの1次スラリー
に金属アルミニウム粉末0.12重量部と高級アルコー
ル硫酸エステル系界面活性剤2重量部を同時に添加して
均一に混合し2次スラリーを得た。続いてこの2次スラ
リーを型枠に流し込んで徐々に発泡させて判硬化状態の
ケーキを得た。しかる後に、このケーキをピアノ線で1
0cm×60cm×60cmの大きさに切断し、次の条
件下でオートクレーブで養生し完全に硬化させ、多孔質
吸音材を得た。その多孔質吸音材の断面を走査型電子顕
微鏡で撮影した拡大写真を図1および図2に示した。
【0030】養生温度:180℃ 養生圧力:10気
圧 養生時間:4時間 この多孔質吸音材を乾燥させ、さらにφ9cm厚さ7c
mに切り出して試験体を作り、JIS A 1406に準拠して垂
直入射吸音率を測定した。その結果、表1から明らかな
ように、中心周波数(HZ)500以上の吸音率がかな
り優れていた。さらに、前記吸音材を10cm×10c
m×10cmに切り出して試験体を作り、圧縮強度を測
定した(試験装置:インストロン社製圧縮試験機)結
果、その試験体の圧縮強度は2.0MPa であった。
【0031】[実施例2]ケイ酸質原料としてケイ石粉
末36重量部、石灰質原料として早強セメント60重量
部、界面活性剤として高級アルコール硫酸エステル系界
面活性剤3重量部にした以外は実施例1と同じ方法にて
多孔質吸音材を製造し、垂直入射吸音率を測定した。そ
の結果、表1に示すように実施例1と同様に中心周波数
(HZ)500以上の吸音率が優れていた。また実施例
1と同様に圧縮強度を測定したところ、1.8MPa で
あった。
【0032】[比較例1]ケイ酸質原料としてケイ石粉
末48重量部、石灰質原料として早強セメント48重量
部、石膏4重量部から成る固形分に対してALCの半可
塑性物10重量部と水80重量部を加え、さらにこれに
増粘剤0.35重量部と金属アルミニウム粉末1.2重
量部を添加して混合し2分撹拌して、ある程度発泡が進
んでいるスラリーを得た。次にこのスラリーを型枠に流
し込んで、更に発泡させて半硬化状態のケーキを得た。
しかる後に、実施例1と同様な方法と条件下で多孔質吸
音材を得た。
【0033】この多孔質吸音材を実施例1と同一方法で
垂直入射吸音率を測定した結果、表1から明らかなよう
に、すべての中心周波数(HZ)において、吸音率がか
なり低かった。この結果から、界面活性剤を添加せず
に、しかも型枠に流し込む以前に発泡を起こさせると、
優れた吸音率は得られないことが分かる。
【0034】[比較例2]起泡剤として高級アルコール
硫酸エステル系界面活性剤0.7重量部にした以外は実
施例1と同じ方法で多孔質吸音材を製造し、垂直入射吸
音率を測定した。その結果、表1から明らかなように、
比較例1より若干高くなっているものの、すべての中心
周波数(HZ)において実施例1および2よりもまだ低
かった。この結果から、界面活性剤の添加量も重要であ
ることが分かる。
【0035】[比較例3]使用原料およびその配合比に
ついては実施例1と全く同じであるが、界面活性剤の添
加を他の原料(ケイ酸質原料、石灰質原料、石膏4重量
部、ALCの半可塑性物、水、増粘剤)の混合・撹拌と
同時に行って多孔質吸音材を製造した。その吸音材の垂
直入射吸音率を実施例1と同一方法で測定した結果、表
1から明らかなように、比較例2よりもやや高い程度
で、実施例1および2よりも低かった。 この結果か
ら、界面活性剤と金属アルミニウム粉末の両者を添加し
ても、その添加のタイミングが本発明と異なると優れた
吸音率は得られないことが分かる。
【0036】[比較例4]ケイ酸質原料としてケイ石粉
末65重量部、石灰質原料として早強セメント35重量
部からなる固形分に対して、水60重量部と高級アルコ
ール硫酸エステル系界面活性剤1.5重量部および増粘
剤としてメチルセルロース0.35重量部をミキサーに
入れ2分間攪拌して起泡させ、次いでケイ石粉末65重
量部、早強セメント35重量部を添加してさらに攪拌
し、ミックスフォーム方式により製造した。その吸音材
の垂直入射吸音率を実施例1と同一方法で測定した結
果、表1から明らかなように、500から2000HZ
において実施例1および2よりも低かった。さらに、実
施例1と同様に圧縮強度を測定したところ1.0MPa
となり、実施例1および2よりも低い結果となった。こ
の結果から、界面活性剤によるミックスフォーム方式に
よる製造では、吸音率および材料強度とも不十分であっ
た。
【0037】 表 1 垂直入射吸音率 中心周波数 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 250 0.49 0.48 0.24 0.33 0.37 0.54 500 0.79 0.76 0.20 0.36 0.38 0.51 1000 0.72 0.74 0.21 0.35 0.41 0.60 2000 0.76 0.75 0.23 0.34 0.46 0.65
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、特に中位以上の中心周
波数(HZ)において優れた吸音特性を有し、かつ同時
に圧縮強度などの材料強度においても優れている多孔質
吸音材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって得られた多孔質吸音
材の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した写真(倍率:8
倍)。
【図2】図1の写真の拡大写真(倍率:27倍)。
【図3】従来の製造方法によって得られた多孔質吸音材
の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した写真(倍率:27
倍)。
フロントページの続き (72)発明者 平林 晋 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 小野 田エー・エル・シー株式会社開発研究所内 (72)発明者 城代 利彦 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 小野 田エー・エル・シー株式会社開発研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケイ酸質原料、石灰質原料、発泡剤を水と
    混合・撹拌してスラリーを得、該スラリーを発泡させ、
    かつ連続気泡を形成させた後にオートクレーブで養生す
    る多孔質吸音材の製造方法において、前記スラリーに発
    泡剤として金属アルミニウム粉末を添加するとともに連
    続気泡形成用として界面活性剤および増粘剤を使用する
    ことを特徴とする多孔質吸音材の製造方法。
  2. 【請求項2】ケイ酸質原料および石灰質原料を主原料と
    し連続気泡を有する多孔質吸音材の製造方法において、
    先ずケイ酸質原料、石灰質原料および増粘剤を水と混合
    ・撹拌して1次スラリーと成し、次いでこの1次スラリ
    ーに発泡材として金属アルミニウム粉末を添加するとと
    もに連続気泡形成用として界面活性剤を添加し混合して
    2次スラリーと成し、しかる後この2次スラリーを型枠
    に流し込んだ後に発泡させ、これをオートクレーブで養
    生することによって硬化せしめることを特徴とする多孔
    質吸音材の製造方法。
  3. 【請求項3】連続気泡形成用として界面活性剤を1〜5
    %添加する請求項1または2記載の多孔質吸音材の製造
    方法。
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JP2011201752A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Clion Co Ltd 軽量気泡コンクリートの製造方法
CN102603352A (zh) * 2012-03-14 2012-07-25 武汉理工大学 一种现场快速施工的吸音材料及其制备方法
CN116514571A (zh) * 2022-12-21 2023-08-01 咸阳陶瓷研究设计院有限公司 一种利用锂渣制备无机吸音材料的方法

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