JP3187509B2 - 発泡剤並びに発泡剤を用いた軽量気泡コンクリート及びその製造方法 - Google Patents

発泡剤並びに発泡剤を用いた軽量気泡コンクリート及びその製造方法

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • C04B28/04Portland cements

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、発泡剤並びに発泡剤
を用いた軽量気泡コンクリート及びその製造方法に関
し、特にコンクリート品質の有利な向上を図ろうとする
ものである。
【0002】
【従来の技術】オートクレーブ養生で製造される軽量気
泡コンクリートすなわちALC(Autoclaved Lightweig
ht Concrete)は、軽いだけでなく、断熱耐火性や加工性
に優れることから、外装材や屋根材として広く使用され
ている。かかるALCは、一般的に、Alを発泡剤として
原料スラリーに投入し、半硬化状態とした後、オートク
レーブ中にて高温、高圧下で養生することによって製造
される。上記の製造工程中、Alと水が反応することによ
って水素(H2)が発生するが、この水素でスラリー中に気
泡を導入し、体積膨張を生じさせて多孔質のケークとす
ることにより、軽量化が達成される。しかしながら、上
記の方法では、一般に水素の発生量及び発泡径の制御が
極めて困難であった。
【0003】そこで、水素の発生量及び気泡径を制御す
る方法として、特開昭55-75960号公報では、アルカリ金
属又はアルカリ土類金属の亜硝酸塩もしくは硝酸塩をス
ラリーに添加し、水素ガスを各イオン(亜硝酸、硝酸イ
オン)でアンモニアにすることによって水素ガス量を調
節する方法が、また特開昭55-75961号公報では、アルキ
ルアミンをスラリーに添加し、Al粒子の表面に被膜を形
成することによって水素ガスの生成反応を抑制する方法
がそれぞれ提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の方
法では、Al粒子の表面に被膜を形成するのに手間がかか
るだけでなく、気泡が比重の小さい水素ガスであるた
め、気泡の分布に偏りが見られ、均質な硬化体となりに
くいところに問題を残していた。この発明は、上記の問
題を有利に解決するもので、効果的に発生ガス量及び気
泡径を制御して均質な硬化体とすることができる発泡剤
を、かかる発泡剤を用いた軽量気泡コンクリート及びそ
の製造方法と共に提案することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】さて発明者らは、上記の
問題を解決すべく鋭意研究した結果、窒化アルミニウム
(AlN)を発泡剤として使用することにより、発生ガス
量及び気泡径を簡単に制御することができ、ひいては均
質な硬化体を得ることができることの知見を得た。この
発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0006】すなわちこの発明は、窒化アルミニウム粉
末単体又は窒化アルミニウム粉末にアルミニウム粉末を
90wt%(以下単に%で示す)以下の範囲で添加配合した
混合粉末からなる軽量気泡コンクリート製造用発泡剤で
ある。上記の発泡剤において、窒化アルミニウム粉末及
びアルミニウム粉末の粒径は0.1 〜30μm 程度であるこ
とが望ましい。
【0007】またこの発明は、窒化アルミニウム粉末単
体又は窒化アルミニウム粉末にアルミニウム粉末を90%
以下の範囲で添加配合した混合粉末により発泡させて多
孔質とした軽量気泡コンクリートである。
【0008】さらにこの発明は、少なくとも石灰質原料
と珪酸質原料とを含むコンクリートの原料スラリーに、
発泡剤として、窒化アルミニウム粉末単体又は窒化アル
ミニウム粉末にアルミニウム粉末を90%以下の範囲で添
加配合した混合粉末を添加混合し、該スラリーを発泡さ
せて多孔質のケークとしたのち、オートクレーブ養生し
たことを特徴とする軽量気泡コンクリートの製造方法で
ある。ここに原料スラリーに対する発泡剤の配合割合
は、0.01〜0.5 %程度とするのが好ましい。
【0009】
【作用】この発明において、窒化アルミニウム(AlN)
を発泡剤の主成分として使用する理由は、AlNが水と反
応するとアンモニアガスが発生し、このアンモニアガス
によってコンクリート中に効果的に気泡を導入できるか
らである。またコンクリートの硬化反応においては、水
酸化カルシウムが残存し、この水酸化カルシウムはコン
クリートの強度低下を引き起こす。しかしながら、AlN
と水が反応する際、アンモニアと共に水酸化アルミニウ
ムが発生するため、強塩基(pH>11)条件下にて水酸
化カルシウムが水酸化アルミニウムと反応し、水酸化カ
ルシウムをカルシウムアルミネート水和物に変えること
ができるので、コンクリートの強度低下を防止できると
いう効果がある。
【0010】AlN粒子の粒径は、 0.1〜30μm (望まし
くは1〜15μm )程度の微粒とすることが好ましい。と
いうのは、粒径が 0.1μm 未満では反応が急速に進むた
め、気泡導入の制御が困難となり、一方30μm を超える
と反応が鈍くなるだけでなく、気泡が大きくなって、効
果的な微小気泡の導入ができなくなるからである。また
AlN粒子にAl粒子を添加して使用する場合、Al粒子の添
加配合量は90%以下(望ましくは50〜70%)に抑制する
ことが肝要である。というのは添加配合量が90%を超え
ると、Alの発泡効果が大きくなり、発泡量の制御が難し
くなるからである。
【0011】なおこの発明で使用するAlN粒子は、熱処
理(> 300℃ in Air)などにより粒子表面が Al2O3層で
被われていることが望ましい。というのは Al2O3層は耐
酸性であり、アルカリに対しても難溶であるが、層厚が
薄いと反応速度は遅いけれども十分に溶解する。そして
Al2O3層溶出後は、AlNと水が接して両者が反応し、気
泡を形成するアンモニアガス(NH3) を発生する。ここに
かかる Al2O3層の溶出反応速度が遅いことを有効に活用
し、AlNと水が接するまでの時間、つまり発泡ガスの発
生時間を制御することにより均一な硬化体を製造するす
ることが可能となる。ここにかかる Al2O3被覆層の好適
厚みは、0.01〜5μm より望ましくは 0.1〜2μm 程度
である。
【0012】次に、軽量気泡コンクリートの製造方法に
ついて説明する。まずコンクリートの原料については、
とくに限定されることはなく、通常この用途に使用され
るものはいずれもが適合する。ただし原料スラリーに対
する発泡剤の配合割合は、0.01〜0.5 %(望ましくは0.
03〜0.3 %)程度とすることが好ましい。というのは0.
01%未満では発泡ガス量が少なく、コンクリート製品を
軽量化できず、一方 0.5%を超えると気泡同士が集合し
て連続気泡を生じ、コンクリート製品の強度が低下する
からである。
【0013】つぎにオートクレーブ条件については、温
度:150 〜220 ℃、時間:2〜20h程度が好ましい。か
くして、発生ガス量及び気泡径が適切に制御された均質
な硬化体からなる軽量発泡コンクリートが得られるので
ある。
【0014】
【実施例】
実施例1 生石灰、普通ポルトランドセメント、珪砂及び水を重量
比で10:40:50:70の割合で配合して均一な原料スラリ
ーを調整した。次にこの原料スラリーに、空気中にて 6
00℃に10時間放置したAlN粉末(平均粒径10μm 、 Al2
O3層の厚み1μm )を0.10%添加し、均一に分散させた
のち、方形型枠に注入した。発泡終了後、40℃にて5時
間養生した。かくして得られた硬化体の各部位での比重
ばらつきは0.03であった。また導入された気泡の大きさ
及び分布は、硬化体各部位で均一であった。ついで、 1
80℃, 10気圧のオートクレーブ中で6時間養生すること
により、軽量発泡コンクリートを得た。
【0015】実施例2 生石灰、普通ポルトランドセメント、珪砂及び水を重量
比で10:40:50:70の割合で配合して均一な原料スラリ
ーを調整した。次にこの原料スラリーに、空気中にて 6
00℃に10時間放置したAlN粉末(平均粒径10μm 、 Al2
O3層の厚み1μm )と粒径15μm のAl粉末をそれぞれ、
0.04%, 0.06%添加し、均一に分散させたのち、方形型
枠に注入した。発泡終了後、40℃にて5時間養生した。
かくして得られた硬化体の各部位での比重ばらつきは0.
03であった。また導入された気泡の大きさ及び分布は、
硬化体各部位で均一であった。ついで、 180℃, 10気圧
のオートクレーブ中で6時間養生することにより、軽量
発泡コンクリートを得た。
【0016】比較例1 発泡剤として、酸化処理したAl粉末(粒径15μm )を使
用すること以外は、実施例1と同様にして軽量発泡コン
クリートを製造した。得られた比較例の圧縮強度及び比
重ばらつきについて調べた結果を、実施例1,2と比較
して表1に示す。
【表1】 同表よた明らかなように、この発明に従い得られた軽量
発泡コンクリートは、従来法により得られた比較例に比
べ、比重ばらつきはもとよりのこと、圧縮強度にも優れ
ていた。
【0017】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、強度を低下
させることなしに、発生ガス量、気泡径を簡単に制御す
ることができ、ひいては均一なコンクリート硬化体を得
ることができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウム粉末単体又は窒化アル
    ミニウム粉末にアルミニウム粉末を90wt%以下の範囲で
    添加配合した混合粉末からなる軽量気泡コンクリート製
    造用発泡剤。
  2. 【請求項2】 窒化アルミニウム粉末及びアルミニウム
    粉末の粒径が 0.1〜30μm である請求項1記載の発泡
    剤。
  3. 【請求項3】 窒化アルミニウム粉末単体又は窒化アル
    ミニウム粉末にアルミニウム粉末を90wt%以下の範囲で
    添加配合した混合粉末により発泡させて多孔質とした軽
    量気泡コンクリート。
  4. 【請求項4】 少なくとも石灰質原料と珪酸質原料とを
    含むコンクリートの原料スラリーに、発泡剤として、窒
    化アルミニウム粉末単体又は窒化アルミニウム粉末にア
    ルミニウム粉末を90wt%以下の範囲で添加配合した混合
    粉末を添加混合し、該スラリーを発泡させて多孔質のケ
    ークとしたのち、オートクレーブ養生することを特徴と
    する軽量気泡コンクリートの製造方法。
  5. 【請求項5】 原料スラリーに対する発泡剤の配合割合
    が、0.01〜0.5 wt%である請求項4記載の軽量気泡コン
    クリートの製造方法。
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