JPH09301712A - 包接化合物及びその製造法 - Google Patents

包接化合物及びその製造法

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JPH09301712A
JPH09301712A JP8147980A JP14798096A JPH09301712A JP H09301712 A JPH09301712 A JP H09301712A JP 8147980 A JP8147980 A JP 8147980A JP 14798096 A JP14798096 A JP 14798096A JP H09301712 A JPH09301712 A JP H09301712A
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compound
iron
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ion
ions
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JP8147980A
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English (en)
Inventor
Toichiro Izawa
登一郎 井澤
Masayuki Goto
正幸 後藤
Michio Takayanagi
岐夫 高柳
Yoshinori Yamaguchi
祥範 山口
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OOTAKE SERAMU KK
OTAKE SERAMU KK
Original Assignee
OOTAKE SERAMU KK
OTAKE SERAMU KK
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Abstract

(57)【要約】 鉄系触媒を改善し、化学活性が安定に維持でき、経時変
化を少なくでき、活性形態を向上させる包接化合物及び
その製造法を提供する。 【解決手段】 膨潤性雲母又はスメクタイトの層状化合
物ゾルと鉄イオンの水溶液とを混合した懸濁液のpHをア
ルカリに調整し反応し、層状化合物の層間に鉄ヒドロキ
シイオンを配位して得たイオン交換体に、さらに層間に
アルコール等の有機物を複合配位して得たイオン交換−
有機物複合体を濾過精製し、これにさらにフェノール樹
脂等の有機高分子を配合して得られた粉末をそのまま又
は成形し、ついでこれをアルゴン還流下で加熱し層間有
機物の燃焼による還元作用により、層間にFeからFe
Oの範囲の鉄化合物を配位固定して包接化合物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、層状化合物の層間
に触媒活性をもつ鉄化合物を配位固定した包接化合物及
びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、化学反応では、石油化学や有機合
成等数多くの化学反応に触媒が利用されている。なかで
も鉄化合物は有用な触媒のひとつとして知られている。
【0003】鉄化合物は、鉄の金属塩(例えば硫酸塩や
硝酸塩)を触媒として用いることがある。しかし、これ
ら金属塩の反応は一過性であり、また大気中の水分と反
応し加水分解を起こし経時的に変質し失活する等の理由
から、一般的には金属塩を化学処理する等して活性化し
たα−Fe2O3、γ−Fe2O3や Fe3O4等の酸化物が鉄系触媒
として利用されている。
【0004】鉄酸化物は、触媒として一定の活性を示す
が、バルク固体であり、触媒形態が露出されていること
から経時的に変化し易く、また低温での活性度が少ない
という欠点がある。また、鉄酸化物に活性を付与するた
めには、還元または原子価制御等の複雑な化学処理技術
を必要とするのである。
【0005】さらに、鉄を鉄イオンとして層状化合物の
層間に配位したイオン交換体を触媒として用いることも
ある。この鉄イオン交換体は、鉄酸化物ほど複雑な処理
工程を必要とせず合成できるが、使用の際、加熱下で層
状化合物間から鉄イオンが脱離し易く、触媒としての活
性維持に問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明はこれ
らの鉄系触媒を改善し、化学活性が安定に維持でき、経
時変化を少なくできると共に、活性形態を向上させる包
接化合物及びその製造法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明の包接化
合物は、膨潤性雲母又はスメクタイトから成る層状化合
物の層間にFeからFeOの範囲の鉄化合物を配位固定
した構成である。また、製造法発明は、鉄イオンの水溶
液と層状化合物ゾルを混合した懸濁液のpHをアルカリに
調整し反応し、膨潤性雲母又はスメクタイトから成る層
状化合物の層間に鉄ヒドロキシイオンを配位して得たイ
オン交換体を濾過精製した粉末に、有機高分子を配合
し、そのまま又は成形し、ついでこれを加熱し有機高分
子の燃焼による還元作用により、層間にFeからFeO
の範囲の鉄化合物を配位固定することを特徴とする製造
法である。なお、該イオン交換体にさらに層間に有機物
を複合配位して得たイオン交換−有機物複合体を成形
し、或いはイオン交換−有機物複合体に有機高分子を配
合し成形し、これらの成形体を加熱してもよく、成形体
の加熱をアルゴン還流下で行なってもよい。
【0008】本発明でホスト材として用いる層状化合物
は、膨潤性雲母又はスメクタイトであり、特に膨潤性雲
母は、一般式W1/31.0(X、Y)2.53.0(Si4O10
(OH、F)2 〔Wは層間イオンでNa+またはLi+、X及
びYは6配位イオンでX:Mg2+、Y:Li+を示す〕で示
される層状化合物である。この層状化合物は、一般に膨
潤性合成マイカ系鉱物といわれ、代表的なものは次の示
性式で表される。 NaMg2.5(Si4O10)(OH、F)2 〔Na−テ
トラシリシックマイカ〕 NaまたはLi Mg2Li(Si4O10)(OH、F)
〔Na、Li−テニオライト〕 Na1/3またはLi1/3Mg2・2/3Li1/3(Si4O10)(O
H、F)〔Na、Li−ヘクトライト〕 また、結晶水が(OH-)で構成されるものは水熱法
で、(F-)で構成されるものは溶融法で夫々合成され
ている。
【0009】スメクタイトは、一般式W0.20.6(X、
Y)2.03.0(Z4O10)(OH)2n2O 〔Wは層間
イオンでNa+,K+、またはCa2+,Mg2+、X及びYは6配位
イオンでX:Mg2+、Y:Al3+、Zは4配位イオンでSi4+,
Al3+を示す〕で示される天然粘土鉱物の層状化合物であ
る。代表的なものに、モンモリロナイトNa1/3(Al
5/3Mg1/3)Si410(OH)2・nH2O、バイデラ
イトNa1/3Al2(Al1/3Si11/310)(OH)2
nH2O、サポナイトNa1/3Mg3(Al1/3Si11/3
10)(OH)2・nH2O等がある。
【0010】これら層状化合物の結晶構造は、単位層ケ
イ酸四面体−八面体(中心6配位)−ケイ酸四面体の3
層格子の電荷平衡から遊離するカチオンが層間イオンと
して配位する。本発明に用いる層状化合物は層間結合が
弱く、加水エネルギーが強いことにより水和膨潤性を示
す。そして、層間は層間イオンがイオン交換性を示し、
また双極子能物質をインターカレーション反応により配
位する反応性をもっている。
【0011】層状化合物のC.E.Cは、例えば、W1
型のテトラシリシックマイカで230〜250ミリ当量
/100グラムマイカ、W1/3型ヘクトライカで100
〜110ミリ当量/100グラムマイカであり、スメク
タイトのそれは60〜120ミリ当量/100グラムで
ある。また、層間の配位水は200゜C以上で脱水し、
膨潤性雲母は800゜C以上で、スメクタイトは700
゜C以上で結晶構造が分解し始める。合成された膨潤性
雲母は、天然鉱物に比べ純度が高く、また耐熱性が向上
する特徴を有している。本発明はこの層間の反応性を応
用したものである。
【0012】本発明では、ホスト層状化合物にゲスト鉄
化合物を配位し、或いは鉄化合物と有機物を複合配位し
た層状化合物をさらに還元処理することを特徴としてい
る。還元処理は、配合する有機高分子または層間に配位
複合する有機物の焼成によるCOもしくはCO2の還元
作用を得るものである。
【0013】ここで有機高分子を用いるのは、鉄化合物
を配位或いは鉄化合物と有機物を複合配位した層状化合
物に配合し成形し、加熱することにより層状化合物の外
部から還元作用を得るためである。本発明に用いる有機
高分子は、炭素量が多く、炭化しやすい高分子材料から
選ばれる。例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、フル
フリール系樹脂等から選ばれる。フェノール樹脂の挙動
は、80〜90゜C域で流動性となり、110゜C域の
温度で徐々に分解を始め炭化する。分解過程は複雑であ
るが、炭化する際に、CO等の発生をともなうことから
還元材として有用である。
【0014】ここで有機物を用いるのは、加熱により層
状化合物の層間内部から還元作用を得るためである。層
間に配位させる有機物としては、インターカレーション
により層間配位することが可能な極性物を用いる。これ
ら有機物としては、多価アルコール化合物、アミン類、
アルコール、アミノ酸類、芳香族類がある。例えば、多
価アルコール化合物であるグリセリンは、融点18゜
C、沸点290゜Cのアルコール性水酸基をもつ炭素化
合物であり、分解揮散する際にCO等の発生をともなう
ことから還元材として有用である。
【0015】また本発明製造法において、層状化合物の
層間イオンをイオン交換させる仕組みは、鉄金属塩の水
溶液に層状化合物の粉末又は1〜3%ゾルを加えた懸濁
液に1〜3N−NaOH水溶液を加え、懸濁液のpHを
水酸化物形成領域のアルカリ性に保持し、鉄イオンをヒ
ドロキシカチオン(M2(OH)2Y−X(H2O)X、
Yは金属Mの原子価数)として層状化合物の層間にイオ
ン交換するものである。なお、鉄金属塩の濃度は反応に
用いる層状化合物のC.E.Cにより決定する。また、
イオン交換反応は、30〜60分間の撹拌で行われる
が、イオン交換を数回或いは撹拌時間を長くすることに
よって反応はより進行する。ついで、この懸濁液を濾過
精製した後乾燥し、粉末イオン交換体(以下、粉末生成
物という)を得る。
【0016】イオン交換体の層間に有機物を複合配位さ
せるためには、適度な粘度に調整した有機物溶液に前記
粉末生成物を加え、30〜60分間撹拌反応した後、こ
れを濾過精製し、乾燥し、粉末イオン交換−有機物複合
体(以下、粉末複合生成物という)を得る。これはイオ
ン交換反応の過程で懸濁液に有機物を加え反応させても
よい。
【0017】ついで得られた粉末生成物又は粉末複合生
成物に有機高分子を加え混練成形し、或いは粉末複合生
成物のみを成形した成形体を、加熱炉により大気中或い
はアルゴン還流中で加熱処理し包接化合物を得る。ここ
で、配合する有機高分子の量については特に限定するも
のではないが、有機高分子の配合量が少ないと十分な還
元作用を得ることができなくなることから、その配合量
は粉末生成物又は粉末複合生成物100重量部に対し5
〜10重量部とすることが妥当である。また、加熱温度
は配合する有機物及び有機高分子の分解温度以上で行う
ものであるが、層状化合物の層間配位水が脱水する20
0゜C以上で、結晶構造が分解し始める700〜800
゜C以下とすることがよい。
【0018】本発明の方法による層状化合物と鉄化合物
の反応は、分子レベル量つまりは量子サイズ効果を兼ね
備えた超微粒体物質であることから比表面積は大きく、
加熱還元処理により層間隔が収縮した包接化合物形態と
なっても25m2/g以上の大きな比表面積を保持し、
気体との反応に効果を発揮する。
【0019】また、鉄化合物は配位した層間有機物及び
配合した有機高分子の燃焼による還元作用により、Fe
からFeOにわたる範囲の不安定化合物が形成され強い
活性点を発現し、これは触媒活性を示すものである。さ
らに、層間の鉄化合物は加熱還元処理において、層間隔
が収縮されるので層間に一定の化学結合で配位固定され
るため鉄化合物の脱離防止をしている。本発明の包接化
合物は、用途に応じて、粉末、顆粒等の粉粒体、或いは
ラッシヒリンク、ハニカム等の造形体として使用される
のである。
【0020】
【発明の実施の形態】層状化合物の層間域のイオン交換
能やインターカーレション等の化学反応性を利用し、そ
の層間に分子レベル、つまりは量子サイズのFeからFeO
の範囲の鉄化合物を配位固定するのであり、層状化合物
は、膨潤性雲母又はスメクタイトである。また、製造法
では、鉄イオンの水溶液と層状化合物ゾルを混合した懸
濁液のpHをアルカリに調整し反応し、膨潤性雲母又はス
メクタイトの層状化合物の層間に鉄ヒドロキシイオンを
配位して得たイオン交換体を濾過精製した粉末に、有機
高分子を配合し、これをそのまま又は成形し、ついでこ
れを加熱し有機高分子の燃焼による還元作用により、層
間にFeからFeOの範囲の鉄化合物を配位固定するのであ
る。この際、該イオン交換体にさらに層間に有機物を複
合配位して得たイオン交換−有機物複合体を成形し、或
いはイオン交換−有機物複合体に有機高分子を配合し成
形し、これらの成形体を加熱してもよく、成形体の加熱
をアルゴン還流下で行なってもよい。
【0021】
【実施例1】硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)の0.
2mol/1水溶液1000mlに、250〜325メッシュに
粉砕したNa−テトラシリシックマイカ15gを撹拌し
ながら投入して約3分間撹拌した後、3N−NaOH水
溶液を撹拌しながら徐々に滴下して懸濁液のpHを7.
5〜8.5の間に調整し、1時間撹拌した。この懸濁液
をグラスフィルター(17G−4)を用いて濾過洗浄し
た後、固形分を60゜Cにて乾燥した。得られた乾燥固
形分100重量部にフェノール樹脂(大日本インキ化学
工業株式会社製)10重量部を配合混練し、成形圧30
Kg/cm2 でプレス成形し、15×80×10mmの成形体
を得た。ついでこの成形体を加熱炉により80゜C/hr
で400゜Cまで昇温し、400゜Cで3時間保持した
後、加熱炉内で徐冷し生成物を得た。さらに、Na−テ
トラシリシックマイカに替えて250〜325メッシュ
に粉砕したモンモリロナイト15gを用いた実施例1b
として同一方法で生成物を得た。
【0022】これらの生成物を粉末X線回析、示差熱分
析、熱重量分析及びメスバウァー分光分析等により検討
した結果、本実施例の生成物はいずれも層状化合物の層
間隔が収縮し、その層間にFeからFe0にいたる不定
比鉄化合物が配位固定されている包接化合物であること
が確認された。また、B.E.T法により測定した結
果、比表面積は25m2/gであった。
【0023】
【実施例2】硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)の0.
2mol/500ml水溶液に、250〜325メッシュに
粉砕したNa−テトラシリシックマイカ15g/500
mlゾルを撹拌しながら投入して約3分間撹拌した後、3
N−NaOH水溶液を撹拌しながら徐々に滴下して懸濁
液のpHを7.5〜8.5の間に調整し、1時間撹拌し
た。この懸濁液をグラスフィルター(17G−4)を用
いて濾過洗浄した後、固形分を60゜Cにて乾燥した。
ついで、この固形分を、30%の純水で希釈したグリセ
リン水溶液300mlに撹拌しながら徐々に投入し、30
分間撹拌反応した後、この混合溶液をグラスフィルター
(17G−4)を用いて濾過洗浄し、固形分を60゜C
にて乾燥した。得られた乾燥固形分を成形圧30Kg/cm
2 でプレス成形し、15×80×10mmの成形体を得
た。ついでこの成形体を加熱炉により80゜C/hrで4
00゜Cまで昇温し、400゜Cで2時間保持した後、
加熱炉内で徐冷し生成物を得た。
【0024】この生成物を粉末X線回析、示差熱分析、
熱重量分析及びメスバウァー分光分析等により検討した
結果、本実施例の生成物は層状化合物の層間隔が収縮
し、その層間にFeからFe0にいたる不定比鉄化合物
が配位固定されている包接化合物であることが確認され
た。
【0025】
【実施例3】硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)の0.
1mol/1水溶液1000mlに、250〜325メッシュに
粉砕したNa−ヘクトライト15gを撹拌しながら投入
して約3分間撹拌した後、3N−NaOH水溶液を撹拌
しながら徐々に滴下して懸濁液のpHを7.5〜8.5
の間に調整し、1時間撹拌した。この懸濁液をグラスフ
ィルター(17G−4)を用いて濾過洗浄した後、固形
分を60゜Cにて乾燥した。ついでこの固形分を、30
%の純水で希釈したグリセリン水溶液300mlに撹拌し
ながら徐々に投入し、30分間撹拌した後、この混合溶
液をグラスフィルター(17G−4)を用いて濾過洗浄
し、固形分を室温下で風乾した。得られた乾燥固形分1
00重量部にフェノール樹脂(大日本インキ化学工業株
式会社製)10重量部を配合混練し、成形圧30Kg/cm
2 でプレス成形し、15×80×10mmの成形体を得
た。ついでこの成形体を加熱炉により80゜C/hrで4
00゜Cまで昇温し、400゜Cで3時間保持した後、
加熱炉内で徐冷し生成物を得た。この生成物を粉末X線
回析、示差熱分析、熱重量分析及びメスバウァー分光分
析等により検討した結果、本実施例の生成物は層状化合
物の層間隔が収縮し、その層間にFeからFe0にいた
る不定比鉄化合物が配位固定されている包接化合物であ
ることが確認された。
【0026】
【実施例4】硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)の0.
2mol/500ml水溶液に、250〜325メッシュに
粉砕したLi−テニオライト15/500mlゾルを撹拌
しながら投入して約3分間撹拌した後、3N−NaOH
水溶液を撹拌しながら徐々に滴下して懸濁液のpHを
7.5〜8.5の間に調整し、1時間撹拌した。この懸
濁液をグラスフィルター(17G−4)を用いて濾過洗
浄した後、固形分を60゜Cにて乾燥した。得られた乾
燥固形分100重量部にフラン樹脂(大日本インキ化学
工業株式会社製)5重量部を配合混練し、成形圧30Kg
/cm2 でプレス成形し、15×80×10mmの成形体を
得た。ついでこの成形体を15×40×10mmに半裁
し、内規寸法70×50×10mmの99%のアルミナ磁
器製トレイ(以下、アルミナトレイという)に載せ、こ
のアルミナトレイを内径100 Φmm×250mm石英管(以
下、反応管という)の中央に載せた後、加熱炉にセット
し、反応管内にアルゴンガス(ドライ)を送入しながら
80゜C/hrで昇温し、600゜Cまで昇温し、600
゜Cで2時間保持した後反応管内で徐冷し生成物を得
た。この生成物を粉末X線回析、示差熱分析、熱重量分
析及びメスバウァー分光分析等により検討した結果、本
実施例の生成物は層状化合物の層間隔が収縮し、その層
間にFeからFe0にいたる不定比鉄化合物が配位固定
されている包接化合物であることが確認された。
【0027】
【実施例5】硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)の0.
2mol/1水溶液1000mlに、250〜325メッシュに
粉砕したNa−テニオライト15gを撹拌しながら投入
して約3分間撹拌した後、3N−NaOH水溶液を撹拌
しながら徐々に滴下して懸濁液のpHを7.5〜8.5
の間に調整し、1時間撹拌した。この懸濁液をグラスフ
ィルター(17G−4)を用いて濾過洗浄した後、固形
分を60゜Cにて乾燥した。ついでこの固形分を、10
%の純水で希釈したエチレングリコールに撹拌しながら
徐々に投入し、30分間撹拌反応した後、この混合溶液
をグラスフィルター(17G−4)を用いて濾過洗浄
し、固形分を室温下で風燥した。得られた乾燥固形分を
成形圧30Kg/cm2 でプレス成形し、15×80×10
mmの成形体を得た。ついでこの成形体を15×40×1
0mmに半裁し、前記のアルミナトレイに載せ、このアル
ミナトレイを反応管の中央に載せた後、加熱炉にセット
し、反応管内にアルゴンガス(ドライ)を送入しながら
80゜C/hrで400゜Cまで昇温し、400゜Cで2
時間保持した後反応管内で徐冷し生成物を得た。この生
成物を粉末X線回析、示差熱分析、熱重量分析及びメス
バウァー分光分析等により検討した結果、本実施例の生
成物は層状化合物の層間隔が収縮し、その層間にFeか
らFe0にいたる不定比鉄化合物が配位固定されている
包接化合物であることが確認された。
【0028】
【実施例6】硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)の0.
2mol/1水溶液1000mlに、250〜325メッシュに
粉砕したNa−テニオライト15gを撹拌しながら投入
して約3分間撹拌した後、3N−NaOH水溶液を撹拌
しながら徐々に滴下して懸濁液のpHを7.5〜8.5
の間に調整し、1時間撹拌した。この懸濁液をグラスフ
ィルター(17G−4)を用いて濾過洗浄した後、固形
分を60゜Cにて乾燥した。ついでこの固形分を、10
%の純水で希釈したエチレングリコールに撹拌しながら
徐々に投入し、30分間撹拌反応した後、この混合溶液
をグラスフィルター(17G−4)を用いて濾過洗浄
し、固形分を室温下で風燥した。得られた乾燥固形分1
00重量部にフラン樹脂(大日本インキ化学工業株式会
社製)5重量部を配合混練し、成形圧30Kg/cm2 でプ
レス成形し、15×80×10mmの成形体を得た。つい
でこの成形体を15×40×10mmに半裁し、前記のア
ルミナトレイに載せ、このアルミナトレイを反応管の中
央に載せた後、加熱炉にセットし、反応管内にアルゴン
ガス(ドライ)を送入しながら80゜C/hrで600゜
Cまで昇温し、600゜Cで2時間保持した後反応管内
で徐冷し生成物を得た。この生成物を粉末X線回析、示
差熱分析、熱重量分析及びメスバウァー分光分析等によ
り検討した結果、本実施例の生成物は層状化合物の層間
隔が収縮し、その層間にFeからFe0にいたる不定比
鉄化合物が配位固定されている包接化合物であることが
確認された。
【0029】実施例2乃至実施例6で得た包接化合物を
B.E.T法により測定したところ、比表面積は25〜
38m2/gであった。また、実施例1乃至実施例6で得
た包接化合物について以下の評価を行った。試料を1.5
〜2mmに粉砕したペレットの3gを、内径15Φmm×2
00mmのパイレックス製ガラス管(以下、カラムとい
う)に充填し、このカラムを温度センサーと共に、外側
に発熱体をセットした内径20Φmm×180mmのパイレ
ックス製ガラス管中にセットした。ついで発熱体を通し
加温及び温度調整しながらカラム内に0.5%に空気で希
釈(5000ppm)した一酸化炭素ガス(ドライ)を300m
l/分で送入した。カラムより排出するガスを採取し、
ガスクロマトグラフ分析機を用い、一酸化炭素ガス濃度
を測定した。また、カラムに送入するガスを相対湿度5
0%の水分を含む一酸化炭素ガス(5000ppm)に替えて
同様に測定を行った。その結果を表1に示す。さらに、
実施例1乃至実施例6で得た包接化合物の夫々に磁石
(Nd−Fe−B磁石)を近づけたところ引き付き強度
に差はあったが、すべての試料が引き付いたことからこ
れらは磁気的性質を有するものであった。
【0030】
【表1】
【0031】なお、夫々の実施例2乃至実施例4で用い
た層状化合物のマイカを、実施例2bでモンモリロナイ
ト、実施例3bでバイデライト、実施例4bでサポナイ
トの層状化合物に替えて夫々の実施例と同一方法で包接
化合物を得、この試料を同様にして各測定を行ったとこ
ろ夫々表1と同様な結果が得られた。
【0032】
【発明の効果】本発明の請求項1の包接化合物は、触媒
効果に優れ、活性物質の脱離による経時変化を起こし難
く高い化学活性を長期にわたり保持できるのである。請
求項2では、安定した触媒効果が得られるのであり、請
求項3でも安定した触媒効果が得られるのである。ま
た、請求項4の包接化合物の製造法では、触媒効果に優
れ、活性物質の脱離による経時変化を起こし難く高い化
学活性を長期にわたり保持できる包接化合物が得られる
もので、特に層状化合物の外部から容易に還元作用を得
ることができ、請求項5では層状化合物の内部から容易
に還元作用を得ることができ、請求項6では層状化合物
の外部及び内部から容易に還元作用を得ることができ、
請求項7では包接化合物の均質化が図れるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 祥範 愛知県瀬戸市塩草町136番地 オオタケセ ラム株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨潤性雲母又はスメクタイトから成る層
    状化合物の層間にFeからFeOの範囲の鉄化合物を配
    位固定したことを特徴とする包接化合物。
  2. 【請求項2】 膨潤性雲母は、一般式W1/31.0(X、
    Y)2.53.0(Si4O10)(OH、F)2 〔Wは層間イ
    オンでNa+またはLi+、X及びYは6配位イオンでX:Mg
    2+、Y:Li+を示す〕で示される層状化合物である請求
    項1の包接化合物。
  3. 【請求項3】 スメクタイトは、一般式W0.2
    0.6(X、Y)2.03.0(Z4O10)(OH)2n2
    〔Wは層間イオンでNa+,K+、またはCa2+,Mg2+、X及び
    Yは6配位イオンでX:Mg2+、Y:Al3+、Zは4配位イ
    オンでSi4+,Al3+を示す〕で示される層状化合物である
    請求項1の包接化合物。
  4. 【請求項4】 鉄イオンの水溶液と層状化合物ゾルを混
    合した懸濁液のpHをアルカリに調整し反応し、膨潤性雲
    母又はスメクタイトから成る層状化合物の層間に鉄ヒド
    ロキシイオンを配位して得たイオン交換体を濾過精製し
    た粉末に、有機高分子を配合し、そのまま又は成形し、
    ついでこれを加熱し有機高分子の燃焼による還元作用に
    より、層間にFeからFeOの範囲の鉄化合物を配位固
    定することを特徴とする包接化合物の製造法。
  5. 【請求項5】 鉄イオンの水溶液と層状化合物ゾルを混
    合した懸濁液のpHをアルカリに調整し反応し、膨潤性雲
    母又はスメクタイトから成る層状化合物の層間に鉄ヒド
    ロキシイオンを配位して得たイオン交換体に、さらに層
    間に有機物を複合配位して得たイオン交換−有機物複合
    体を濾過精製した粉末をそのまま又は成形し、ついでこ
    れを加熱し層間有機物の燃焼による還元作用により、層
    間にFeからFeOの範囲の鉄化合物を配位固定するこ
    とを特徴とする包接化合物の製造法。
  6. 【請求項6】 イオン交換−有機物複合体に有機高分子
    を配合し、これをそのまま又は成形し、これを加熱する
    請求項5の包接化合物の製造法。
  7. 【請求項7】 成形体の加熱をアルゴン還流下で行う請
    求項4又は請求項5又は請求項6の包接化合物の製造
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013533842A (ja) * 2010-07-02 2013-08-29 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 金属架橋柱状化ケイ酸塩化合物とその製造方法

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