JPH0930124A - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光情報記録媒体及びその製造方法

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JPH0930124A
JPH0930124A JP7255582A JP25558295A JPH0930124A JP H0930124 A JPH0930124 A JP H0930124A JP 7255582 A JP7255582 A JP 7255582A JP 25558295 A JP25558295 A JP 25558295A JP H0930124 A JPH0930124 A JP H0930124A
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recording medium
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plastic substrate
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JP7255582A
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Yujiro Kaneko
裕治郎 金子
Katsuyuki Yamada
勝幸 山田
Koji Deguchi
浩司 出口
Yuuki Nakamura
有希 中村
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 C/Nや消去比が高く、多数回の繰り返しオ
ーバーライトが可能な相変化形光情報記録媒体を提供す
る。 【構成】 プラスチック基板上に少なくとも、Ag、I
n、Sb、Teを主な構成元素とする相変化形記録層を
設けた光情報記録媒体において、該相変化形記録層に含
有しているN、Oの量をそれぞれx,y(atom%)
とすると、1≦x≦3かつy≦3であることを特徴とす
る光情報記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光情報記録媒体及びその
製造方法に関し、詳しくは、特に光ビームを照射するこ
とにより記録層材料に相変化を生じさせ、情報の記録、
再生を行い、かつ書換えが可能であって光メモリー関連
機器に応用される相変化形光情報記録媒体、及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁波、特にレーザービームの照射によ
る情報の記録、再生及び消去可能な光メモリー媒体の一
つとして、結晶−非結晶相間、あるいは結晶−非結晶相
間の転移を利用する、いわゆる相変化形光情報記録媒体
がよく知られている。この相変化形光情報記録媒体は、
特に光磁気メモリーでは困難な単一ビームによるオーバ
ーライトが可能であり、ドライブ側の光学系も単純であ
ることなどから、最近その研究開発が活発に行われるよ
うになっている。
【0003】その代表的な例として、USP35304
41に開示されているように、Ge−Te、Ge−Te
−Sn、Ge−Te−S、Ge−Se−S、Ge−Se
−Sb、Ge−As−Se、In−Te、Se−Te、
Se−Asなどのいわゆるカルコゲン系合金材料が挙げ
られる。また安定性、高速初期化などの向上を目的に、
Ge−Te系にAu(特開昭61−219692号公
報)、Sn及びAu(特開昭61−270190号公
報)、Pb(特開昭62−19490号公報)などを添
加した材料の提案や、記録/消去の繰り返し性能向上を
目的にGe−Te−Se−Sb、Ge−Te−Sbの組
成比を特定した材料(特開昭62−73438号公報)
の提案などもなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
も相変化形書換え可能メモリー媒体として要求される諸
特性のすべてを満足しうるものではなかった。特にオー
バーライト時の消し残りによる消去比低下の防止、なら
びに繰り返し記録回数の向上が解決すべき最重要課題と
なっている。本発明の目的は、上記従来技術の実状に鑑
みてなされたもので、C/N、消去比、繰り返しオーバ
ーライト回数、寿命を向上させた光情報記録媒体及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
達成するためにいろいろな角度から光情報記録媒体につ
いて研究検討を行ってきたが、以前より提案してきた高
C/N、高消去比が得られるAg、In、Sb、Teを
構成元素とした相変化形記録層(以下、単に「記録層」
と記すことがある)(特開平2−232779号公報)
に含有されるNとOの量を特定化することによって、さ
らに繰り返しオーバーライト特性が向上することを見出
した。本発明はそれに基づいてなされたものである。
【0006】即ち、本発明の第一は、プラスチック基板
上に少なくとも、Ag、In、Sb、Teを主な構成元
素とする相変化形記録層を設けた光情報記録媒体におい
て、該相変化形記録層に含有しているN、Oの量をそれ
ぞれx,y(atom%)とすると、1≦x≦3かつy
≦3であることを特徴とするものである。
【0007】本発明の第二は、前記第一の発明の光情報
記録媒体の製造方法であって、特に記録層に含有される
酸素の量を3atom%以下にコントロールする手段と
して、プラスチック基板上に少なくとも、記録層を形成
する前に、該プラスチック基板中に含まれる水分を除去
することを目的として、大気圧中60℃以上にてベーキ
ングを行うことを特徴とするものである。
【0008】本発明の第三は、前記第一の発明の光情報
記録媒体の別の製造方法であって、特に記録層に含有さ
れる酸素の量を3atom%以下にコントロールする手
段として、プラスチック基板上に少なくとも、記録層を
形成する前に真空中に30分以上放置しておくことを特
徴とするものである。
【0009】本発明の第四は、前記第一の発明の光情報
記録媒体の別の製造方法であって、特に記録層に含有さ
れる酸素の量を2atom%以下にコントロールする手
段として、プラスチック基板上に少なくとも、記録層を
形成する前に、記録層への酸素の混入量を低減すること
を目的として、プラスチック基板の表面をスパッタリン
グによるエッチングを行うことを特徴とするものであ
る。そのときのエッチングは、Ar、N2の少なくとも
一種以上を導入し、1〜8×10E−1Paの雰囲気中
で行うのが望ましい。
【0010】本発明の第五は、前記第一の発明の光情報
記録媒体の別の製造方法であって、特に記録層に含有さ
れる酸素の量を3atom%以下にコントロールする手
段として、記録層を形成する際に、該相変化形記録層へ
の酸素の混入量を低減することを目的として、記録層成
膜時の酸素分圧を2×10E−1Pa以下とすることを
特徴とするものである。
【0011】本発明の第六は、前記第一の発明の光情報
記録媒体の別の製造方法であって、特に記録層に含有さ
れる酸素の量を3atom%以下にコントロールする手
段として、記録層を形成する際に、記録層への酸素の混
入量を低減することを目的として、記録層を成膜する際
に用いるスパッタリング用ターゲット材に含まれる酸素
の量が500ppm以下とすることを特徴とするもので
ある。
【0012】本発明の第七は前記第一の発明の光情報記
録媒体における相変化形記録層が、両面から誘電体膜に
よる保護層によって被覆された構成になっていることを
特徴とするものである。このときの保護層は酸化膜であ
り、その保護層に含有される酸素の量が10atom%
以下であるのが望ましい。
【0013】以下、本発明をさらに詳細に説明する。図
1は本発明の光情報記録媒体の代表的な一例の概略断面
図である。この図面において、1はプラスチック基板、
2は第一保護層、3は記録層、4は第二保護層、5は反
射放熱層を表している。
【0014】本発明の光情報記録媒体における基板1と
しては、ガラスが破損しやすく高価であることや、プリ
グループの形成が容易でないため、射出形成によって得
られるプラスチック基板を用いるのが有効である。具体
的なプラスチック基板の材料としては、ポリカーボネー
ト(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、
アモルファスポリオレフィン(APO)等が挙げられる
が、その中でも耐熱性があり、射出成形時の転写性が良
いポリカーボネート(PC)がもっとも実用的である。
これらの基板はディスク形状をしており、厚みは0.6
〜1.2mm程度が適当である。
【0015】本発明の光情報記録媒体において記録層は
主たる構成元素がAg、In、Sb、Teであり、その
中に窒素(N)と酸素(O)を含んでいる。ところで、
本発明者らは先にAg、In、Sb、Teからなる材料
が高C/N、高消去比が得られる相変化形記録材料(特
開平4−232779号公報)として知られていること
を指摘した。これらAg、In、Sb、Te系記録層の
安定状態(未記録部)は、電子顕微鏡観察、電子線回
折、X線回折を行った結果から、結晶相の化学量論組成
あるいはそれに近いAgSbTe2と少なくともInと
Sbからなるアモルファス相が混合状態で存在している
ことがわかっている。その混合状態は化学量論組成ある
いはそれに近いAgSbTe2結晶相中に少なくともI
nとSbからなるアモルファス相が分散した状態、ある
いは少なくともInとSbからなるアモルファス相中に
AgSbTe2結晶相が分散した状態あるいはこれらが
混在した状態をとることができる。
【0016】アモルファス相は一般に等方性の高い構造
を持つといわれている。一方、AgSbTe2も等方向
的な結晶構造である立法晶構造を持つため、例えばレー
ザー光により高温から急冷されたアモルファス相となる
際(記録→準安定状態への転移)には高速で均一な相変
化がおこり、物理的、化学的にばらつきの少ないアモル
ファス相となる。このアモルファス相の微細な構造は解
析が困難であり、詳細は不明であるが、例えばアモルフ
ァス相の化学量論組成あるいはそれに近いAgSbTe
2と少なくともInとSbからなるアモルファス相の組
み合わせ、又は全く別の単一アモルファス相になってい
ると考えられる。
【0017】また、逆にこのような均一性の高いアモル
ファス相から等方向的な結晶構造への転移において(消
去→安定状態への転移)は結晶化も均一に起こり、従っ
て消去比は非常に高いものとなる。また混在状態ではサ
イズ効果による融点効果が起こるため、比較的低い温度
では相転移を起こすことができる。即ち、記録媒体とし
ては記録感度が向上する。このような混合状態はAgI
nTe2とSbとを原材料で用いることにより作成する
ことができる。
【0018】成膜時の記録膜は、原材料の化学構造を反
映しAgInTe2とSbのアモルファス相になってい
ると考えられる。これは結晶化転移点(190〜200
℃)付近の温度で熱処理を施すことによりAgInTe
2とSbの結晶相が得られることで確認できる。このよ
うな記録膜を適当なパワーのレーザー光、又は熱等によ
り初期化することにより、初めて微細な化学量論組成あ
るいはそれに近いAgSbTe2と少なくともInとS
bからなるアモルファス相の均一な混相を作成すること
ができる。すなわちAg、In、Sb、Teを少なくと
も含む系において、成膜時の記録膜に対して初期化プロ
セスとして置換反応を起こさせ、構造変化させることに
より適切な構造を得ることができる。このプロセスは成
膜時の記録膜を加熱し、融解あるいはそれに近い活性な
状態にし、その後適切な冷却速度で冷却することからな
るものである。冷却速度が早過ぎれば記録膜はアモルフ
ァス構造となり、逆に遅すぎると好ましい微細な混相構
造とはならず、In、Sbからなる相も結晶化する。
【0019】本発明では、高寿命、及び繰り返しオーバ
ーライト特性に向上を目的に、これらAg、In、S
b、Teに窒素(N)を添加している。NはAg、I
n、Sb、Teの少なくとも1つの元素と化合物を形成
していたり、或いは、N単体で存在していたりする。記
録層中のN含有量が増加すると、屈折率(n)が小さく
なり、一方、吸収係数(k)は大きくなる(図2、図
3)。そのためディスク化したときの反射率等は大きく
変化する(図4)。また、記録層中のN含有量には適正
範囲が存在する。N含有量をx(atom%)とする
と、1≦x≦3が適正範囲である。
【0020】このように一定量のNを含有させた記録層
を形成する手段のひとつとして、スパッタリングが挙げ
られるが、具体的にはAg、In、Sb、Teの各金属
末を混合して焼結させたものをスパッタリング用ターゲ
ット材とし、ArガスとN2ガスを導入しながらスパッ
タリングを行う方法が適している。また本発明では、記
録層中の酸素(O)の含有量も規定している。具体的に
はO含有量をy(atom%)とすると、y≦3が適正
範囲である。OはNと同様に含有量が増加すると、屈折
率(n)が小さくなり、吸収係数(k)は大きくなる。
また、結晶状態からアモルファス状態へ転移する速度
(転移速度)も遅くなる。しかしNと異なって増加すれ
ばするほど寿命が短くなり、また繰り返しオーバーライ
ト特性も悪化する、したがって、O含有量は3atom
%以下でなければならない。
【0021】このように記録層中に含有される酸素の量
を3atom%以下にコントロールする手段としては、
プラスチック基板上に少なくとも、記録層を形成する前
に、該プラスチック基板中に含まれる水分を除去するこ
とを目的として、大気圧中60℃以上にてベーキングを
行う方法がある。つまり、PC等のプラスチック基板は
吸湿性が高く、射出成形後数十分放置しただけで多くの
水分を含んでしまう。そのまま真空槽にいれてスパッタ
リングを行うと、プラスチック基板中の水分がOとなっ
て記録層中に取り込まれてしまう。したがって真空槽に
いれる前に、大気中でベーキングを行って脱水しておく
ことが重要である。ベーキング条件とPC基板1枚あた
りの脱水量との関係を図6に示す。図6から、ベーキン
グは60℃以上にて行うと効果的である。
【0022】また記録層に含有される酸素の量を3at
om%以下にコントロールする別の手段として、プラス
チック基板上に少なくとも、記録層を形成する前に真空
中に30分以上放置しておく方法がある。真空中での放
置は、ベーキングと同様にプラスチック基板の脱水が目
的である。放置時間と真空槽内の真空圧との関係を図7
に示す。図7から、放置時間は30分以上が効果的であ
る。
【0023】また記録層に含有される酸素の量を3at
om%以下にコントロールする別の手段として、プラス
チック基板上に少なくとも、記録層を形成する前に、記
録層への酸素の混入量を低減することを目的として、プ
ラスチック基板の表面をスパッタリングによるエッチン
グを行う方法がある。エッチングは、やはり同様にプラ
スチック基板の脱水が目的である。その時のエッチング
は、Ar、N2の少なくとも一種以上を導入し、1〜8
×10E−1Pa雰囲気中で行う。
【0024】また記録層に含有される酸素の量を3at
om%以下にコントロールする別の手段として、記録層
を形成する際に、該相変化形記録層への酸素の混入量を
低減することを目的として、記録層成膜時の酸素分圧を
2×10E−2Pa以下とする方法がある。
【0025】また記録層を形成する前に、該相変化形記
録層への酸素の混入量を低減することを目的として、該
相変化形記録層を成膜する際に用いるスパッタリング用
ターゲット材に含まれる酸素の量が500ppm以下と
する方法がある。
【0026】本発明の光情報記録媒体では、プラスチッ
ク基板1上にまず第一保護層2を設ける。そして記録層
3を形成した後、さらに第二保護層4を設ける。ディス
ク化した後に記録層を外部からの酸素等から保護するた
めに、誘電体膜のような保護層で両面から被覆する必要
がある。従って、この第一保護層2及び第二保護層4は
基板1からの水や酸素の浸入を防ぎ、それ自身の耐食性
が高く、かつ記録層3との反応性が小さな材料でなけれ
ばならない。
【0027】これら保護層の具体的な材料としては、S
iO、SiO2、Al23、MgO、ZrO2等の金属酸
化物、Si34、AlN、TiN、BN、ZrN等の金
属窒素化物、ZnS、In25、TaS4等の金属硫化
物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrC等
の炭化物やダイヤモンドカーボン、或いはそれらの混合
物が一般に知られている(特公平4−74785号公
報)。
【0028】しかしまた一方で、繰り返しオーバーライ
トが行われる際、記録層3には、結晶化とアモルファス
化が短時間で繰り返し行われるため熱的ダメージが蓄積
され、第一保護層2や第二保護層4と記録層3との界面
で部分的な剥離を生じやすくなる。従って、これら保護
層2、4は繰り返しオーバーライトを良好にするために
プラスチック基板1や記録層3との密着力が大きい材料
を選ぶことが重要である。したがって本発明では第一保
護層2及び第二保護層4用材料として、10atom%
以下である酸化膜を用いている。第一保護層2の膜厚は
100〜300nm、第二保護層4の膜厚は5〜200
nmが好ましい。
【0029】本発明の光情報記録媒体では、第二保護層
4の上に反射放熱層5を設ける。この反射放熱層5は反
射層と放熱層の二つの役割を兼ね備えていなければなら
ないため、反射率が高く、かつ熱伝導性率がある程度高
い材料で形成される。具体的にはAl、Au、Ag等の
金属材料またはその合金を用いることができ、その中で
もTi、Si、Cr等が1〜3重量%含有したAl合金
が適している。反射放熱層5の膜厚としては、30〜3
00nm、好ましくは50〜200nmである。30n
mよりも薄くなると反射放熱層の機能を果たさなくな
り、逆に300nmよりも厚くなると記録感度の低下を
きたしたり、界面剥離を生じやすくなる。
【0030】実際に、本発明の光情報記録媒体をつくる
際には、保護層及び反射放熱層についてはスパッタリン
グ、イオンプレーティング等の物理蒸着法、プラズマC
VDのような化学蒸着法等の方法によって形成すること
ができる。但し、本発明の光情報記録媒体は、これまで
説明してきたような各種の層を有するものに限定される
ものではなく、例えば反射放熱層等の上に有機保護膜を
設けてもよく、またそれらを接着剤によって張り合わせ
てもよい。
【0031】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0032】実施例1 直径120mm、厚さ1.2mmのプリグループ付きP
C基板を予め大気中で80℃、2時間でプリベークした
後、スパッタ装置の真空槽内にセットして2時間放置し
た。その後Arガスを導入し、圧力を2×10E−1P
aに調整して基板ホルダーに300WのRFパワーを投
入することによってPC基板のエッチングを120秒行
った。その後、PC基板を隣の真空槽に搬送し、同じく
Arガスにて圧力を2×10E−1Paに調整し、(Z
nS)80(SiO220の第一保護層を180nm厚に
形成した。さらに同様な方法によってAg8.8In19.0
Sb46.4Te25.8の組成のターゲット材(酸素含有量2
00ppm)を用い、Ar:110SCCM、N2:2
SCCMを導入して圧力を2×10E−1Pa(その時
のO分圧:1×10E−2Pa)に調整し、スパッタリ
ングによってAgInSbTe膜を20nm厚に形成し
た。そのときのNの含有量は1atom%、O含有量は
1atom%である。その後第二保護層である(Zn
S)80(SiO220膜を25nm厚に形成した。最後
に反射放熱層としてAl合金膜を100nm厚に形成し
た後、真空槽から大気中へ搬出し、本発明の光情報記録
媒体を得た。
【0033】実施例2〜16及び比較例1〜4 ベーキング、真空放置、エッチングの有無や、ターゲッ
ト中のO量、それらのために変化する膜中O量、及び膜
中N量は表1に示すとおりとし、その他は実施例1と同
様にして実施例2〜16と比較例1〜4の光情報記録媒
体を得た。なお、これら実施例1〜16及び比較例1〜
4の光情報記録媒体は、いずれも反射放熱層上にさらに
アクリル系紫外線硬化樹脂からなる有機保護膜をスピナ
ーによって5〜10μmに塗布し、UV硬化させた。上
記で作成した20種の光情報記録媒体の線速は2.4m
/sとし、C/N、消去比、繰り返しオーバーライト回
数、寿命(10年以上ありを○、未満を×とした)を表
2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、AgInSb
Te系記録膜の中のN、Oの含有量を規定することによ
って、C/N、消去比、繰り返しオーバーライト回数、
寿命が飛躍的に向上する。請求項2の発明によれば、プ
ラスチック基板を大気中60℃以上でベーキングを行う
ことによって、AgInSbTe系記録膜の中のOの含
有量を低減することができ、繰り返しオーバーライト回
数、寿命が飛躍的に向上する。請求項3の発明によれ
ば、プラスチック基板を真空中に30分以上放置するこ
とによって、AgInSbTe系記録膜の中のOの含有
量を低減することができ、繰り返しオーバーライト回
数、寿命が飛躍的に向上する。請求項4の発明によれ
ば、プラスチック基板の表面をスパッタリングによるエ
ッチングを行うことによって、AgInSbTe系記録
膜の中のOの含有量を低減することができ、繰り返しオ
ーバーライト回数、寿命が飛躍的に向上する。請求項5
の発明によれば、プラスチック基板の表面を特定の条件
でのスパッタリングによるエッチングを行うことによっ
て、AgInSbTe系記録膜の中のOの含有量を低減
することができ、繰り返しオーバーライト回数、寿命が
飛躍的に向上する。請求項6の発明によれば、記録層成
膜時の酸素分圧を特定化することによって、AgInS
bTe系記録膜の中のOの含有量を低減することがで
き、繰り返しオーバーライト回数、寿命が飛躍的に向上
する。請求項7の発明によれば、記録層成膜時に用いる
スパッタリングターゲット材に含まれるOの量を特定化
することによって、AgInSbTe系記録膜の中のO
の含有量を低減することができ、繰り返しオーバーライ
ト回数、寿命が飛躍的に向上する。請求項8の発明によ
れば、記録層を両面から誘電体膜による保護層によって
被覆することによって、AgInSbTe系記録膜の中
のOの含有量を低減することができ、繰り返しオーバー
ライト回数、寿命が飛躍的に向上する。請求項9の発明
によれば、記録層を両面から特定量のOを含む酸化膜で
被覆することによって、AgInSbTe系記録膜の中
のOの含有量を低減することができ、繰り返しオーバー
ライト回数、寿命が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体の一例の断面図。
【図2】記録層のN含有量とn(屈折率)との関係を表
わした図。
【図3】記録層のN含有量とk(吸収係数)との関係を
表わした図。
【図4】記録層のN含有量と反射率との関係を表わした
図。
【図5】記録層のN含有量と転移線速度との関係を表わ
した図。
【図6】ベーキング条件とPC基板1枚当たりの脱水量
との関係を表わした図。
【図7】プラスチック基板の真空中での放置時間と真空
槽内の真空圧との関係を表わした図。
【符号の説明】 1 プラスチック基板 2 第一保護層 3 記録層 4 第二保護層 5 反射放熱層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 有希 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック基板上に少なくとも、A
    g、In、Sb、Teを主な構成元素とする相変化形記
    録層を設けた光情報記録媒体において、該相変化形記録
    層に含有しているN、Oの量をそれぞれx,y(ato
    m%)とすると、1≦x≦3かつy≦3であることを特
    徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 該プラスチック基板上に少なくとも、請
    求項1の相変化形記録層を形成する前に、該プラスチッ
    ク基板中に含まれる水分を除去することを目的として、
    大気圧中60℃以上にてベーキングを行うことを特徴と
    する光情報記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 該プラスチック基板上に少なくとも、請
    求項1の相変化形記録層を形成する前に、該プラスチッ
    ク基板中に含まれる水分を除去することを目的として、
    真空中に30分以上放置しておくことを特徴とする光情
    報記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 該プラスチック基板上に少なくとも、請
    求項1の相変化形記録層を形成する前に、該相変化形記
    録層へのOの混入量を低減することを目的として、該プ
    ラスチック基板の表面をスパッタリングによるエッチン
    グを行うことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 該プラスチック基板の表面をスパッタリ
    ングによるエッチングを行う際、Ar、N2の少なくと
    も一種以上を導入し、1〜8×10E−1Paの雰囲気
    中で行うことを特徴とする請求項4記載の光情報記録媒
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】 該プラスチック基板上に少なくとも、請
    求項1の相変化形記録層を形成する際に、該相変化形記
    録層へのOの混入量を低減することを目的として、該相
    変化形記録層成膜時の酸素分圧を2×10E−2Pa以
    下とすることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 該プラスチック基板上に少なくとも、請
    求項1の相変化形記録層を形成する前に、該相変化形記
    録層への酸素の混入を低減することを目的として、該相
    変化形記録層を成膜する際に用いるスパッタリング用タ
    ーゲット材に含まれる酸素の量が500ppm以下とす
    ることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 該相変化形記録層が、両面から誘電体膜
    による保護層によって被覆された構成になっていること
    を特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 該保護層が酸化膜であり、該保護層に含
    有されるOの量が10atom%以下であることを特徴
    とする請求項8記載の光情報記録媒体。
JP7255582A 1995-05-12 1995-09-07 光情報記録媒体及びその製造方法 Pending JPH0930124A (ja)

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