JPH09299341A - 腕装着型携帯用電子機器 - Google Patents

腕装着型携帯用電子機器

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JPH09299341A
JPH09299341A JP12064696A JP12064696A JPH09299341A JP H09299341 A JPH09299341 A JP H09299341A JP 12064696 A JP12064696 A JP 12064696A JP 12064696 A JP12064696 A JP 12064696A JP H09299341 A JPH09299341 A JP H09299341A
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尚昭 安川
Akira Shinpo
晃 真保
Hiroyuki Odagiri
博之 小田切
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センサユニットなどの外部装置を機器本体に
コネクタ機構を介して接続する構造にしても、コネクタ
部分において水の侵入による影響を受けにくい腕装着型
携帯用電子機器を提供すること。 【解決手段】 腕装着型携帯用電子機器1では、機器本
体10をリストバンドで腕に装着する一方、センサユニ
ットから延びるケーブル20は、コネクタピース80お
よびコネクタ部70からなるコネクタ機構を介して接続
される。コネクタピース80とコネクタ部70との隙間
は、端子群の周囲で狭く、その周辺領域で広い。コネク
タピース80とコネクタ部70との間には、端子群の形
成領域内に侵入した水を外部に導く広い隙間からなる排
水経路Wが3時および9時の方向に屈曲しながら延びて
いる。コネクタ機構内に水が侵入しても、腕を振るだけ
で、水は周辺に散るので、ショート状態から簡単に復帰
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサユニットな
どの外部装置を機器本体に接続するためのコネクタ機構
を有する腕装着型携帯用電子機器に関するものである。
さらに詳しくは、コネクタ機構に対する水の侵入による
影響を防止するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コネクタ機構を備えた電子機器として
は、たとえば、血液の量の変化を光学的に検出し、その
検出結果(脈波信号)に基づいて脈波数などを計測する
脈波計測装置がある。この脈波計測装置では、LED
(発光ダイオード)などの発光素子と、フォトダイオー
ドやフォトトランジスタなどの受光素子とを備えるセン
サユニットを指などに取り付け、LEDから照射した光
のうち指など(血管)から反射してきた光をフォトトラ
ンジスタで受光し、その受光信号をケーブルおよびコネ
クタ機構を介して機器本体に入力するようになってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような脈波計測装
置については、近年、ジョギング中やマラソン中の脈拍
数などを計測できるものが望まれている。ここに、本願
発明者は、機器本体をリストバンドによって腕に装着す
る腕装着型脈波計測装置などといった腕装着型携帯用電
子機器を提案するものである。
【0004】しかしながら、このような腕装着型携帯用
電子機器では、折角、携帯可能にしても、コネクタ機構
を備える限り、屋外での使用に制約がある。すなわち、
機器本体側のコネクタ部を覆うようにコネクタ部材を装
着したときに、そこに水が触れると、コネクタ部とコネ
クタ部材との間に水が侵入し、端子間がショートすると
いう問題点がある。また、コネクタ部とコネクタ部材と
は、狭い隙間を介して対向する状態にあるため、毛管現
象によって隙間の奥にまで入り込んだ水は、腕を振った
位では容易に出ない。このため、ショートが発生するた
びにコネクタ部からコネクタ部材を外して水を丁寧に拭
き取らないと、ショート状態から復帰できないという問
題点がある。
【0005】かかる問題点に鑑みて、本発明の課題は、
センサユニットなどの外部装置を機器本体にコネクタ機
構を介して接続する構造にしても、コネクタ部分におい
て、水の侵入による影響を受けにくい腕装着型携帯用電
子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の第1の形態では、時刻情報などを表示す
るための表示部を備える機器本体と、該機器本体を腕に
装着するためのリストバンドと、前記機器本体に信号を
入力するためのコネクタ機構とを有する腕装着型携帯用
電子機器において、前記コネクタ機構は、前記機器本体
の端部表面において第1の端子群を備えるコネクタ部
と、該コネクタ部に装着されたときに前記第1の端子群
にそれぞれ電気的接続する第2の端子群を備えるコネク
タ部材とを備え、該コネクタ部材および前記コネクタ部
は、前記端子群の周囲における前記コネクタ部材と前記
コネクタ部との隙間をその周辺領域における前記コネク
タ部材と前記コネクタ部との隙間よりも狭くする凸条壁
を備えていることを特徴とする。すなわち、コネクタ部
材とコネクタ部との間の隙間は、前記端子群の周囲で狭
く、その周辺部分では広い。
【0007】このように構成した腕装着型携帯用電子機
器では、端子群の形成領域に水が侵入しても、端子群に
まで水が届きにくいので、ショートが発生しにくい。ま
た、ショートが発生したとしても、機器本体を軽く振る
だけで、端子群に付着していた水は、広い隙間を有する
周辺部分に移動するので、ショート状態から簡単に復帰
する。
【0008】本発明の第2の形態では、時刻情報などを
表示するための表示部を備える機器本体と、該機器本体
を腕に装着するためのリストバンドと、前記機器本体に
信号を入力するためのコネクタ機構とを有する腕装着型
携帯用電子機器において、前記コネクタ機構は、前記機
器本体の端部表面において第1の端子群を備えるコネク
タ部と、該コネクタ部に装着されたときに前記第1の端
子群にそれぞれ電気的接続する第2の端子群を備えるコ
ネクタ部材とを備え、該コネクタ部材と前記コネクタ部
との間には、前記端子群の形成領域内に侵入した水を外
部に導く広い隙間からなる排水経路を備え、該排水経路
は、その出口に至るまでは屈曲しながら延びているとと
もに、出口部分では隙間が狭くなっていることを特徴と
する。
【0009】このように構成した腕装着型携帯用電子機
器では、端子群の形成領域に水が侵入したとしても、水
は、排水経路を通って機器本体から排出される。ここ
で、排水経路は屈曲しながら出口に延びているので、端
子群の形成領域から排出されつつある水は、端子群の形
成領域に戻りにくい。しかも、排水経路は出口部分で隙
間が狭くなっているので、そこからは水が侵入しにく
い。
【0010】本発明において、前記排水経路の途中位置
には、前記端子群の形成領域の側よりも低い位置に排水
室を有していることが好ましい。このように構成する
と、端子群の形成領域に水が侵入したとしても、侵入し
た水は、腕装着型携帯用電子機器を装着した腕を振るう
ちにまず端子群の形成領域から排水室に排出され、しか
る後に出口から排出される。ここで、排水室は、端子群
の形成領域の側よりも低い位置にあるので、排水室に溜
まった水はそこから端子群の形成領域の側に戻ることが
ない。従って、端子間でのショートが発生しにくく、か
つ、ショートが発生しても簡単に回復する。
【0011】本発明において、前記排水経路は、前記端
子群の形成領域から腕時計における3時および9時の方
向に延びていることが好ましい。
【0012】このように構成すると、腕装着型携帯用電
子機器をリストバンドで腕に装着して腕を振ると、機器
本体は、時計における3時および9時の方向に振られる
ことになる。従って、端子群の形成領域に侵入した水
は、3時および9時の方向に延びる排水経路を通って排
出されやすい。
【0013】本発明において、前記コネクタ機構は、前
記コネクタ部材を前記コネクタ部上でスライドさせたと
きに該コネクタ部上に前記コネクタ部材が装着された状
態を保持する係合機構を備えている場合には、前記第1
および第2の端子群のうちの一方側の端子群は、穴の内
部で進退可能な進退ピンとして形成され、他方側の端子
群の周囲には前記コネクタ部上で前記コネクタ部材を装
着方向にスライドさせたときに前記端子群同士が接続し
あうまで前記進退ピンの先端が摺動しながら登る斜面部
を備えることが好ましい。
【0014】本発明において、スライド式のコネクタ機
構を用いたにもかかわらず、コネクタ部材とコネクタ部
との間に凸条壁や排水経路を設けると、それらの凹凸が
邪魔になって端子群同士の接続の邪魔になる。しかし、
本発明では、進退ピンとして構成した端子が接続する端
子周辺には斜面部を設けてあるため、進退ピンは、先端
が斜面部上を摺動しながら登って、対応する端子と接続
する。それ故、コネクタ部材とコネクタ部との間に凸条
壁や排水経路を設け、かつ、スライド式のコネクタ機構
を用いた場合でも、端子群同士の接続がスムーズであ
る。
【0015】本発明の第3の形態では、時刻情報などを
表示するための表示部を備える機器本体と、該機器本体
を腕に装着するためのリストバンドと、前記機器本体に
信号を入力するためのコネクタ機構とを有する腕装着型
携帯用電子機器において、前記コネクタ機構は、前記機
器本体の端部表面において第1の端子群を備えるコネク
タ部と、該コネクタ部に装着されたときに前記第1の端
子群にそれぞれ電気的接続する第2の端子群を備えるコ
ネクタ部材とを備え、該コネクタ部材は、前記コネクタ
部の形成領域よりも外周側に張り出すガード部を備え、
該ガード部は、該コネクタ部周囲の表面との隙間を狭め
ることによって、前記コネクタ部と前記コネクタ部材と
の間に水が侵入することを防止していることを特徴とす
る。
【0016】このように構成した腕装着型携帯用電子機
器では、コネクタ部材から張り出すガード部は、コネク
タ部の形成領域の周囲から水が侵入することを防止する
ため、端子間でのショートが発生しにくい。
【0017】本発明において、前記コネクタ機構は、前
記コネクタ部材を前記コネクタ部上でスライドさせたと
きに該コネクタ部上に前記コネクタ部材が装着された状
態を保持する係合機構を備えている場合には、該係合機
構は、たとえば、前記コネクタ部を両側から挟むように
して張り出す前記コネクタ部材のガード部に構成するこ
とができる。
【0018】本発明において、前記ガード部は、前記コ
ネクタ部材を前記コネクタ部に装着したときに前記コネ
クタ部材における前記機器本体側およびその反対側から
張り出すように構成されていることが好ましい。
【0019】本発明の第1ないし第3の形態に係る腕装
着型携帯用電子機器において、前記コネクタ機構は、前
記コネクタ部材を前記コネクタ部上でスライドさせたと
きに該コネクタ部上に前記コネクタ部材が装着された状
態を保持する係合機構を備える場合には、前記第1の端
子群および前記第2の端子群には、前記コネクタ部材の
スライド方向に沿って複数列に配置されているととも
に、各端子間において当該スライド方向に対して直交す
る方向にずれた位置に形成された端子群が含まれている
ことが好ましい。
【0020】このように構成すると、コネクタ部材をコ
ネクタ部上をスライドさせても、対応しない端子同士が
接触するということがない。また、コネクタ部の形成面
積が狭くても、端子同士を離した位置に配置できるの
で、コネクタ部材とコネクタ部との間に水が侵入した場
合でも、端子間でショートが発生しにくい。
【0021】本発明において、前記コネクタ部および前
記コネクタ部材の互いに対向する面のうちの少なくとも
一方の面では、前記端子群の形成位置を取り巻く端子周
り領域における水の接触角が該端子周り領域の周辺領域
における水の接触角に比較して大きいことが好ましい。
【0022】すなわち、水滴を素材上に垂らしたときの
水滴の径と高さとに基づいて、以下の式 Θ = 2 tan-1・(h/r) Θ:接触角 h:水滴の高さ r:水滴の半径 から得られる接触角Θは、素材上の液体が素材表面とな
す角に相当するので、液体の濡れ性(親水性)、撥水性
(疏水性)の目安となる。ここに、本発明では、端子周
り領域とその周辺領域とを比較すれば、端子周り領域は
撥水性を有しているのに対して、その周辺領域は親水性
を有しているため、コネクタ部とコネクタ部材との隙間
に水が入り込んでも、端子近くの水は、端子周り領域か
ら退けられ、周辺領域に引き寄せられる。従って、端子
間でショートが発生しない。また、たとえ一時的にショ
ート状態になっても、コネクタ部分を振る位の動作でシ
ョート状態から簡単に復帰する。それ故、雨がかかって
も端子間のショートが発生しにくく、一時的にショート
状態になっても、腕を振る位の簡単な動作でショート状
態から復帰するので、屋外で使用するのに適している。
【0023】本発明では、コネクタ部およびコネクタ部
材の互いに対向する面の双方で、端子周り領域における
水の接触角が、その周辺領域における水の接触角に比較
して大きいことが好ましい。コネクタ部およびコネクタ
部材の対向する面の双方において、端子周り領域におけ
る水の接触角がその周辺領域における水の接触角に比較
して大きい方が、ショートの発生をより確実に防止でき
るとともに、ショート状態から復帰しやすいからであ
る。
【0024】本発明では、端子周り領域における水の接
触角と、この端子周り領域の周辺領域における水の接触
角との差が約50°以上であることが好ましい。
【0025】このようなコネクタ構造は、端子周り領域
に撥水化処理を施す一方、周辺領域には、親水化処理を
施すことが好ましい。端子周り領域または周辺領域の一
方だけについて、コネクタ部またはコネクタ部材を構成
する素材を改質するよりは、端子周り領域に撥水化処理
を施し、周辺領域に親水化処理を施すことにより、これ
らの領域間における水の接触角の差を大きくできるから
である。
【0026】また、コネクタ部またはコネクタ部材の互
いに対向する面自身が端子間のショートを防止する構造
としては、コネクタ部およびコネクタ部材の互いに対向
する面のうちの少なくとも一方の面では、油脂が付着し
た状態で評価したとき、端子群の形成位置を取り巻く端
子周り領域における水の接触角が、この端子周り領域の
周辺領域における水の接触角に比較して大きくなるよう
に構成してもよい。
【0027】このように構成すると、コネクタ部および
コネクタ部材は、手で扱われることから、それに手が触
れて油脂(指紋)がついたとき、端子周り領域における
水の接触角がその周辺領域における水の接触角に比較し
て大きいと、ショートの発生をより確実に防止できると
ともに、ショート状態から復帰させやすい。それ故、一
時的にショート状態になっても、腕を振る位の簡単な動
作でショート状態から復帰するので、屋外でのランニン
グ中の脈波を計測するのに適している。
【0028】ここで、コネクタ部およびコネクタ部材の
互いに対向する面の双方で、油脂が付着した状態で評価
したとき、端子周り領域における水の接触角が、この端
子周り領域の周辺領域における水の接触角に比較して大
きいことが好ましい。
【0029】本発明では、油脂が付着した状態において
水の接触角に上記のような差を生じさせるには、たとえ
ば、端子周り領域を平滑面で構成し、この端子周り領域
の周辺領域を凹凸面で構成する。凹凸の有無を利用して
接触角の差を設ける場合には、コネクタ部およびコネク
タピースを成形するときの金型に対して加工を施してお
くだけでよいからである。
【0030】このように構成した腕装着型携帯用電子機
器では、さらに、前記コネクタ部材に接続するケーブル
と、該ケーブルおよび前記コネクタ部材を介してセンサ
の検出結果を前記機器本体に入力するセンサユニットと
を設けるとともに、該センサユニットに、生体に向けて
光を照射する発光素子と、生体から届く光を検出する受
光素子とを設けることによって、脈波計測装置を構成で
きる。この場合には、前記センサユニットが前記ケーブ
ルを介して前記受光素子の受光結果を前記機器本体に入
力すると、該機器本体は、前記表示部において脈拍数な
どを表示するように構成する。
【0031】なお、本発明において、腕時計における何
時方向とは、あくまで機器本体の方向を意味しており、
機器本体上での表示が指針式であることを意味するもの
でない。
【0032】
【発明の実施の形態】図面に基づいて、本発明の実施例
を説明する。
【0033】実施例1 (全体構成)図1は、本例の腕装着型携帯用電子機器
(腕装着型脈波計測装置)の使用状態を示す説明図であ
る。なお、本例の説明において、腕時計における何時方
向とは、あくまで機器本体の方向を意味し、機器本体上
での表示が指針式であることを意味するものでない。
【0034】図1において、本例の腕装着型携帯用電子
機器1は、腕時計構造を有する機器本体10と、この機
器本体10に接続されるケーブル20と、このケーブル
20の先端側に設けられたセンサユニット30とから大
略構成されている。機器本体10には、腕時計における
12時方向から腕に巻きついてその6時方向で固定され
るリストバンド12が設けられ、このリストバンド12
によって、機器本体10は、腕に着脱自在である。セン
サユニット30は、光学ユニット300と、このユニッ
トとは別体のセンサ固定用バンド40とから構成されて
いる。このセンサ固定用バンド40は、伸縮性を有する
サポータ状であるが、内層に発泡ゴム層を有しているた
め、指に嵌めたときに伸びたとしても遮光性を維持す
る。また、センサ固定用バンド40は、サポータ状であ
るため、適正なサイズのものを指に嵌めれば、それだけ
で光学ユニット300を適正な押しつけ力をもって指に
押し当てることが可能である。
【0035】(機器本体の構成)図2は、本例の腕装着
型携帯用電子機器の機器本体を、リストバンドやケーブ
ルなどを外した状態で示す平面図、図3は、この機器本
体の底面図、図4は、この機器本体を腕時計の6時の方
向からみたときの説明図、図5は、この機器本体の3時
方向からの側面図である。
【0036】図2において、機器本体10は、樹脂製の
時計ケース11を備えており、この時計ケース11の表
面側には、現在時刻や日付に加えて、脈拍数などの脈波
情報などをデジタル表示する液晶表示装置13(表示
部)が構成されている。時計ケース11の内部には、セ
ンサユニット30による検出結果(脈波信号)に基づい
て脈拍数の変化などを表示するために、検出信号に対す
る信号処理などを行なうデータ処理回路50が内蔵さ
れ、このデータ処理回路50および液晶表示装置13に
よって、情報表示手段60が構成されている。また、デ
ータ処理回路50には計時回路も構成されているため、
情報表示手段60は、通常時刻、ラップタイム、スプリ
ットタイムなども液晶表示装置13に表示可能である。
なお、時計ケース11の外周部には、時刻合わせや表示
モードの切り換えなどを行なうためのボタンスイッチ1
11〜115が構成されている。時計ケース11の表面
には、ボタンスイッチ116、117が構成されてい
る。
【0037】腕装着型携帯用電子機器1の電源は、時計
ケース11に内蔵されている電池59であり、ケーブル
20は、電池59からセンサユニット30に電力を供給
するとともに、センサユニット30の検出結果を時計ケ
ース11内のデータ処理回路50に入力している。な
お、電池59に対して腕時計における9時の方向に配置
されているのは、報知音を発生させるための圧電素子5
8である。
【0038】図2および図3からわかるように、本例で
は、時計ケース11が横長であることを利用して、時計
ケース11の内部には、電源としての偏平な電池59
と、ブザー用の偏平な圧電素子58とが面方向に並んで
配置されている。従って、機器本体10を薄型化でき
る。また、図4に示すように、電池蓋118を外してユ
ーザ自身によって電池59の交換を行なえる構造を構成
できる。これらの電子部品のうち、比較的重い電池59
は、機器本体10の中心位置Cに対して3時の方向に偏
った位置に配置されている。これに対して、比較的軽い
圧電素子58は、中心位置Cに対して9時の方向に偏っ
た位置に配置されている。このため、機器本体10の3
時および9時の方向における重心位置Gは、中心位置C
に対して3時の方向に偏った位置にあり、この重心位置
が偏っている側にリストバンド12が接続している。従
って、機器本体10を腕に安定した状態で装着できる。
なお、圧電素子58および電池59の表面側には、デー
タ処理回路50が構成されたアナログ回路用基板501
およびデジタル回路用基板502が重なるように配置さ
れ、その表面側に液晶表示装置13が重なるように配置
されている。液晶表示装置13の表面側には、カバーガ
ラス131が被せられている。
【0039】(機器本体の回り止め防止構造)図5にお
いて、時計ケース11の外周部うち、12時の方向に
は、リストバンド12の端部に取り付けられた止め軸1
7を保持するための連結部171が形成されている。時
計ケース11の外周部うち、6時の方向には、留め具6
2が取り付けられた受け部18が構成され、留め具62
は、腕に巻かれたリストバンド12の途中位置を保持し
ている。
【0040】機器本体10の6時の方向において、電池
蓋118などが取り付けられている平坦な裏面部119
の縁から受け部18に至る部分は、時計ケース11と一
体に成形されて裏面部119に対して約115°の角度
をなす回転止め部108になっている。従って、本例の
腕装着型携帯用電子機器1をリストバンド12によって
機器本体10が左の手首L(腕)の上面部L1(手の甲
の側)に位置するように装着したとき、時計ケース11
の裏面部119は、手首Lの上面部L1に密着する一
方、回転止め部108は、腕の橈骨Rの側の側面部L2
に接した状態になる。この状態で、機器本体10の裏面
部119は、皮膚を介して腕の橈骨Rと尺骨Uを跨ぐ感
じにある一方、回転止め部108と裏面部119との屈
曲部分109は、腕の橈骨Rに対峙する状態となる。
【0041】このように、回転止め部108と裏面部1
19とは、約115°という解剖学的に理想的な角度を
なしているため、図5に示す状態から、機器本体10を
矢印Aの方向に、すなわち、機器本体10を手首Lの周
りに手前側から向こう側に回そうとしても、回転止め部
12は、手首Lの側面部L2に接した状態のまま、それ
以上ずれない。逆に、機器本体10を矢印Bの方向に、
すなわち、機器本体10を手首Lの周りに手前側に回そ
うとしても、機器本体10の裏面部119は、手首Lの
上面部L1に接した状態のまま、それ以上ずれない。ま
た、機器本体10は、手首Lの周りに完全に密着した状
態になく、手首Lの表面との間に適度な隙間があるの
で、回転止め部108を設けても、装着感が損なわれる
ことがない。さらに、裏面部119および回転止め部1
08によって腕の回りの片側2ヵ所で回転を規制するだ
けである。このため、腕が細くても、裏面部119およ
び回転止め部108は、確実に腕に接するので、回転止
め効果が確実に得られる一方、腕が太くても窮屈な感じ
がない。
【0042】なお、裏面部119と回転止め部108と
がなす角度は、約105°から約125°の範囲に設定
すれば、機器本体10が腕の周りを回ることを防止でき
ることが確認できている。また、腕装着型脈波検出装置
1は、機器本体10が手首Lの下面部L3(掌の側)に
位置するように装着してもよく、この場合には、機器本
体10の回転止め部108は、腕の尺骨Uの側の側面部
L4に当接した状態になる。この状態でも、機器本体1
0は、矢印Aまたは矢印Bのいずれの方向に力を加えて
も不必要に回転しない。
【0043】(センサユニットの構成)図6において、
光学ユニット300は、そのケース体としてのセンサ枠
301に裏蓋302が被されてその内部が部品収納空間
になっている。センサ枠301の上面部分には、ガラス
板304(フィルタ)で光透過窓が形成されている。セ
ンサ枠301の内部には、ガラス板304に対向するよ
うに回路基板305が配置されている。回路基板305
には、LED31(発光ダイオード)、フォトトランジ
スタ32(受光素子)、およびトランジスタ(図示せ
ず。)などの電子部品が実装されており、LED31お
よびフォトトランジスタ32は、それぞれ発光面および
受光面をガラス板304の方に向けている。
【0044】本例では、LED31として、InGaN
系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDを用
いてあり、その発光スペクトルは、図7に示すように、
450nmに発光ピークを有し、その発光波長領域は、
350nmから600nmまでの範囲にある。かかる発
光特性を有するLED31に対応させて、本例では、フ
ォトトランジスタ32として、GaAsP系(ガリウム
−砒素−リン系)のフォトトランジスタを用いてあり、
その素子自身の受光波長領域は、図8に示すように、主
要感度領域が300nmから600nmまでの範囲にあ
る。なお、GaAsP系のフォトトランジスタは、30
0nm以下にも感度領域がある。ここで、フォトトラン
ジスタ32として、素子にフィルタを付加したセンサユ
ニットを用いることもあり、かかるセンサユニットの受
光波長領域は、たとえば図9に示すように、主要感度領
域が400nmから550nmまでの範囲にある。これ
らのLED31およびフォトトランジスタ32は、消費
電力が比較的小さいので、本例の腕装着型携帯用電子機
器1のように、計時機能と脈波計測機能を1つの小型電
池で駆動する場合でも、連続稼働時間が長い。
【0045】再び図6において、光学ユニット300
は、指表面に対してガラス板304が向くように固定さ
れるため、LED31およびフォトトランジスタ32
は、それぞれの発光面および受光面を指の表面に向けた
状態になる。従って、LED31から指に向けて光を照
射すると、生体(血管)から反射してきた光をフォトト
ランジスタ32が受光し、その受光結果(脈波信号)
を、光学ユニット300がケーブル20を介して機器本
体10に入力すると、機器本体10では、脈波信号から
脈拍数が求められる。
【0046】(データ処理回路の構成)すなわち、図1
0には、時計ケースの内部に構成されたデータ処理回路
の機能の一部をブロック図で示すように、データ処理回
路50において、脈波信号変換部51は、センサユニッ
ト30からケーブル20を介して入力された信号をデジ
タル信号に変換して脈波信号記憶部52に出力するよう
になっている。脈波信号記憶部52は、デジタル信号に
変換された脈波データを記憶しておくRAMである。脈
波信号演算部53は、脈波信号記憶部52に記憶されて
いる信号を読み出してそれに周波数分析(高速フーリエ
変換)を行ない、その結果を脈波成分抽出部54に入力
するようになっている。脈波成分抽出部54は、脈波信
号演算部53の出力信号(スペクトラム)から脈波成分
を特定、抽出して脈拍数演算部55に出力する。この脈
拍数演算部55は、入力された脈波の周波数成分により
脈拍数を演算し、その結果を液晶表示装置13に出力す
るようになっている。
【0047】(コネクタ機構の全体構成)図11は、コ
ネクタ部にコネクタピースを装着した状態を腕時計にお
ける3時の方向から見た拡大図である。
【0048】本例の腕装着型携帯用電子機器1を日常生
活において通常の腕時計と同様に扱えるように、図1に
示すように、ケーブル20およびセンサユニット30
は、機器本体10の6時の方向に位置する端部の表面側
で着脱できるようになっている。すなわち、図11にお
いて、機器本体10の端部のうち、6時の方向におい
て、回転止め部108として延設されている部分の表面
側には、ポリカーボネート樹脂製のコネクタ部70が構
成され、そこには、ケーブル20の端部に構成されたポ
リカーボネート樹脂製のコネクタピース80(コネクタ
部材)を装着できるようになっている。ここで、コネク
タ部70は、機器本体10の端部のうち、6時の方向に
位置する端部の表面に構成され、コネクタ部70は、機
器本体10から3時の方向に張り出さないので、手首を
自由に動かすことができる。また、コネクタ部70は、
機器本体10から3時および9時の方向に張り出さない
ため、利用者が転んだときでも手がコネクタ部70にぶ
つからない。このため、利用者にとって、安全であると
ともに、コネクタ部70が破損しない。それ故、機器本
体10に対してセンサユニット30などの外部装置をコ
ネクタ機構を介して接続する構造にしてその使い勝手を
高めたときでも、高い信頼性を維持することができる。
このような効果は、コネクタ部70を腕時計における1
2時の方向に構成しても奏するが、本例では、コネクタ
部70を6時の方向に構成してあるので、機器本体10
を腕に装着したとき、コネクタ部70は、手前側に位置
するので、ケーブル20をより簡単に着脱できる。
【0049】このコネクタ部70およびコネクタピース
80を利用したコネクタ機構において、コネクタ部70
とコネクタピース80との間で行なわれる電気的な接続
は、図12に示すとおりである。
【0050】図12において、機器本体10の側に構成
されているコネクタ部70には、端子751〜757
(第1の端子群)が構成されている。これらの端子75
1〜757に対応して、コネクタピース80には、電極
部831〜837(第2の端子群)が構成されている。
そのうち、端子752は、電極部832を介してLED
31に第2の駆動電圧VDDを供給するためのプラス端
子である。端子753は、電極部833を介してLED
31のマイナス電位とされる端子である。端子754
は、電極部834を介してフォトトランジスタ32に駆
動用の定電圧VREGを供給するための端子である。端
子751は、電極部831を介してフォトトランジスタ
32のエミッタ端子からの信号が入力される端子であ
る。端子756は、電極部836を介してフォトトラン
ジスタ32のコレクタ端子からの信号が入力される端子
である。端子755は、電極部835を介してコネクタ
ピース80をコネクタ部70に装着したか否かを検出す
るための信号が入力される端子である。電極部837
は、センサユニット30において人体にアースを落とし
ており、端子757と電極部837とが電気的に接続し
たとき、VDDをグランド線とすることによって、電極
部831〜電極部836をシールドするようになってい
る。
【0051】コネクタピース80では、LED31の端
子間(電極部832、833の間)に対して、第1のキ
ャパシタC1(容量素子)、および第1のスイッチSW
1が介挿されている。このスイッチSW1は、コネクタ
ピース80をコネクタ部70から外したときに閉状態に
なって、LED31に対して第1のキャパシタC1を並
列接続させ、コネクタピース80をコネクタ部70に装
着したときに開状態になる。同様に、フォトトランジス
タ32の端子間(電極部834、836)に対しては、
第2のキャパシタC2(容量素子)、および第2のスイ
ッチSW2が介挿されている。このスイッチSW2は、
コネクタピース80をコネクタ部70から外したときに
閉状態になって、フォトトランジスタ32に対して第2
のキャパシタC2を並列接続させ、コネクタピース80
をコネクタ部70に装着したときに開状態になる。
【0052】(ショート検出手段の構成)また、機器本
体10には、コネクタピース80をコネクタ部70に装
着した状態で、それらの隙間に水が侵入したことに起因
して端子間および電極間でショートが発生しているか否
かを検出するためのショート検出機構がデータ処理回路
50に構成されている。すなわち、センサ駆動信号によ
り、LED31およびフォトトランジスタ32による脈
波計測モードに切り換わったとき、端子753、751
(LED31およびフォトトランジスタ32からの信号
入力端子)からマルチプレクサ56を介してA/Dコン
バータ57(脈波信号変換部51)に順次入力される信
号に基づいて、データ処理回路50は、端子753、7
51の電位を検出し、その電位レベルから、端子753
(電極部833)とLED31に第2の駆動電圧VDD
を印加するための端子752(電極部832)とがショ
ート状態にあるか否かを検出するようになっている。ま
た、データ処理回路50は、端子751(電極部83
1)とフォトトランジスタ32に定電圧VREGを印加
するための端子754(電極部834)とがショート状
態にあるか否かについても検出するようになっている。
このような検出結果は、液晶表示装置13に表示される
ようになっている。
【0053】(コネクタ機構の構造)このような構成の
コネクタ部70にコネクタピース80を着脱するコネク
タ機構の構成を、図13〜図17も参照して説明する。
【0054】図13は、ケーブルの端部に構成されたコ
ネクタピースの構成を示す拡大図、図14は、このコネ
クタピースに形成されている電極部および凹部を示す平
面図、図15は、機器本体側のコネクタ部の拡大図、図
16は、このコネクタ部に形成されている電極部および
凹部を示す平面図、図17は、コネクタ部に対してコネ
クタピースを結合させた状態を示す縦断面図である。
【0055】図13において、コネクタピース80に
は、その両側から張り出して下方に向けて突き出た一対
の突出部81、82が形成されている。これらの突出部
81、82の下端部では、その内側に向かって4個の係
合片811、812、821、822(第2の係合用突
起群)が突き出ている。コネクタピース80の下面部8
01(コネクタ面)には、7つの電極部831〜837
(第2の端子群)が形成されており、その周囲には環状
の凸条部841〜847が形成されている。
【0056】ここで、コネクタピース80をコネクタ部
70に装着する際には、後述するとおり、コネクタピー
ス80をコネクタ部70に被せた後、矢印Qの方向(腕
時計における6時の方向から12時の方向)にコネクタ
ピース80をスライドさせるが、かかるスライド方向
(矢印Qの方向)に沿って、図14に示すように、電極
部831〜836は、電極部833、831、835
と、電極部832、834、836との2列に形成され
ている。また、いずれの列でも、各電極部831〜83
6は、コネクタピース80のスライド方向(矢印Qの方
向)に対して直交する方向にずれるように斜めに配置さ
れている。さらに、コネクタピース80の下面部801
には、機器本体10にケーブル20を接続したときの静
電気の影響を防止するための回路をスイッチングする2
本の作動ピン838、839が形成されている。これら
の作動ピン838、839は、その取付け構造について
は図17を参照して後述するとおり、コネクタ部70か
らコネクタピース80を外した状態で先端がコネクタピ
ース80の下面部801から突出した状態にある。
【0057】図15に示すように、機器本体10のコネ
クタ部70には、その側面部に、外側に張り出す係合部
71、72、73、74(第1の係合用突起群)が形成
されている。従って、コネクタピース80は、コネクタ
部70に以下のようにして装着することができる。ま
ず、コクネタピース80の突出部81、82がコネクタ
部70の係合部71、72、73、74の外側に位置
し、かつ、係合部71と係合部72との間、および係合
部73と係合部74との間に、コネクタピース80の係
合片811、821が位置するように、コネクタピース
80をコネクタ部70に被せる。次に、係合片811、
821が係合部71と係合部72との間、および係合部
73と係合部74との間をそれぞれ通り抜けるように、
コネクタピース80をコネクタ部70に向けて押し付け
る(コネクタピース80をコネクタ部70に装着するた
めの第1の動作)。しかる後に、矢印Qの方向(コネク
タピース80の装着方向、機器本体10の6時の方向か
ら12時の方向)にコネクタピース80をスライドさせ
る(コネクタピース80をコネクタ部70に装着するた
めの第2の動作)。その結果、係合部71、73の下に
係合片811、821が潜り込む。また、係合部72、
74の下に係合片812、822が潜り込む。従って、
係合片811、821、812、822は、コネクタピ
ース80の下面部801との間に係合部71、72、7
3、74をそれぞれ保持する状態になるので、コネクタ
ピース80は、コネクタ部70に簡単に、かつ、確実に
装着される。
【0058】逆に、コネクタピース80をコネクタ部7
0から外すときには、コネクタピース80を逆に矢印R
の方向(腕時計における12時の方向から6時の方向)
にスライドさせる。その結果、係合片811、821
は、係合部71と係合部72との間、および係合部73
と係合部74との間に位置するまで戻る。従って、コネ
クタピース80をそのまま持ち上げれば、コネクタピー
ス80は、コネクタ部70から簡単に、かつ、確実に外
れる。
【0059】このようにして、コネクタピース80をコ
ネクタ部70上でスライドさせたときに係合してコネク
タ部70上にコネクタピース80が装着された状態を保
持するとともに、この状態からコネクタピース80を逆
の方向(矢印Rの方向)にスライドさせたときに係合状
態が解除される係合機構900が構成されている。かか
る構成の係合機構は、少ない部品でありながら、係合が
確実である。
【0060】ここで、各端子751〜756は、図16
に示すように、電極部831〜836と同様、コネクタ
ピース80のスライド方向(矢印Qの方向)に沿って、
端子753、751、755と、端子752、754、
756の2列に形成されている。また、いずれの列で
も、各端子751〜756は、電極部831〜836と
同様、コネクタピース80のスライド方向(矢印Qの方
向)に対して直交する方向にずれるように斜め配置され
ている。従って、コネクタピース80をコネクタ部70
に装着すると、7つの電極部831〜837に対して、
7つの端子751〜757がそれぞれ電気的に接続する
ので、センサユニット30での計測結果をケーブル20
を介して機器本体10に入力することが可能となる。
【0061】(ストッパー機構の構成)図15からわか
るように、係合部71〜74には、側面から見ると、矢
印Qの方向の側に垂直壁711、721、731、74
1が形成されている。従って、コネクタピース80をコ
ネクタ部70に装着するときに、コネクタピース80を
矢印Qの方向にスライドさせると(第1の動作)、係合
片811、812、821、822は、垂直壁711、
721、731、741にそれぞれ当接し、コネクタピ
ース80をコネクタ部70の装着位置で停止させる。従
って、垂直壁711、721、731、741は、コネ
クタピース80に対する第1のストッパーとして機能す
るようになっている。
【0062】逆に、コネクタピース80をコネクタ部7
0から外すために矢印Rの方向にスライドさせると、係
合片811、821は、それぞれ係合部72、74の垂
直壁721、741の裏側に当接し、コネクタピース8
0をコネクタ部70を元の位置で停止させる。従って、
垂直壁721、741の裏側は、コネクタピース80に
対する第2のストッパーとして機能するようになってい
る。
【0063】それ故、利用者は、コネクタ部70に対し
てコネクタピース80を手探りでも簡単に着脱すること
ができる。また、利用者は、誤って過大な力をかけるこ
とがないので、コネクタ部70などが破損しない。
【0064】(端子および電極部の構造)コネクタ部7
0において、端子751〜757は、いずれも、コネク
タ部70に形成された孔761〜767の内部に配置さ
れており、それらのうちの端子754(電極部83
4)、作動ピン839、および端子753(電極部83
3)の形成位置を通る位置で切断したときの断面が、図
17に表れている。
【0065】図17において、コネクタピース80は、
内部に回路基板85を収容可能な外装ケース805に蓋
材806を被せた構造になっている。蓋材806には、
孔863、864が形成され、その下方側の開口縁に沿
って環状の凸条部843、844が形成されている。孔
863、864の内部には電極部833、834が配置
されている。電極部833は、ねじ881によって固定
されている。電極部834は、回路基板85と蓋材80
7との間に挟まれた状態で固定されている。電極部83
3、834の周りには、防水パッキン873、874が
装着されている。電極部833、834は、コネクタピ
ース80の内部に配置された回路基板85の回路パター
ン上に電気的接続されている。かかる電極構造は、電極
部833、834以外の電極部831、832、83
5、836、837も基本的には同様である。なお、回
路基板85の回路パターン上には、ケーブル20の芯線
がハンダ付けにより電気的接続されている。
【0066】(クリック機構の構成)コネクタ部70で
は、その凹部に蓋材706を被せた構造になっている。
蓋材706には孔763、764が形成されている。こ
れらの孔763、764の内部において、端子753、
754は、先端を孔763、764から突出させた状態
となるように進退可能な進退ピンとして配置されてい
る。各端子753、754の基部側に形成された鍔部7
83、784に対しては、コイルばね773、774が
配置されている。このため、これらのコイルばね77
3、774によって、端子753、754は、孔76
3、764から突出する方向に向けて付勢されている。
但し、鍔部分783、784の外径は、孔763、76
4の内径よりも大きいので、端子753、754が孔7
63、764から抜け出てしまうことはない。かかる端
子構造は、端子753、754以外の端子751、75
2、755、756、757も基本的には同様である。
【0067】このように構成した端子構造において、コ
ネクタピース80をコネクタ部70とを装着するときに
は、コネクタピース80をコネクタ部70上でスライド
させるため、端子753、754は、コネクタピース8
0の環状の凸条部843、844をコイルばね773、
774に付勢されながら乗り越えて、電極部833、8
34に対して確実に接続する。このように、凸条部84
3、844、端子753、754、およびコイルばね7
73、774をそのまま利用して、クリック機構が構成
されているので、コネクタピース80をコネクタ部70
に確実に装着できる。なお、かかるクリック機構を構成
するには、本例とは逆に、コネクタピース80の側に進
退ピンを利用した端子を設け、コネクタ部70の側に凸
条部を設けてもよい。
【0068】(スイッチ機構の構成)コネクタピース8
0の蓋材806には、孔869が形成されている。この
孔869の内部には、作動ピン839が配置されてい
る。この作動ピン839は、先端を孔869から突出さ
せた状態となるように孔869の内部で進退可能な状態
にある。作動ピン839の基部に形成された鍔部899
に対しては、板ばね状のスイッチばね89が配置されて
いる。スイッチばね89は、その先端部885によって
作動ピン839を孔869から突出する方向に向けて付
勢している。但し、鍔部分899の外径は、孔869の
内径よりも大きいので、作動ピン839は、孔869か
ら抜け出ることがない。スイッチばね89は、その基部
が電極部833の上端面にねじ881によって止められ
た状態で、電極部833に電気的接続している。
【0069】ここで、スイッチばね89の先端部885
には、作動ピン839の基部に接する当接部と、そこか
ら側方に張り出した部分に形成された接点とが形成され
ている。この接点は、回路基板85の回路パターンに電
気的接続している。この回路パターンは、その図示を省
略するが、第1のキャパシタC1と電極部833との間
に介挿されている。
【0070】従って、作動ピン839は、コネクタピー
ス80をコネクタ部70から外した状態では、図17に
実線で示すように、スイッチばね89に押されて先端が
孔869から突出し、この状態では、スイッチばね89
の接点は、回路基板85の回路パターンに電気的接続し
た状態にある。すなわち、図12において、矢印で表す
作動ピン839の動きに連動して、第1のスイッチSW
1が閉じて、第1のキャパシタC1は、LED31に電
気的に並列接続している状態にある。よって、静電気に
よって高い電位にあるものが電極部832、833に触
れても、その電荷は、第1のキャパシタC1に蓄積され
るので、LED31は、破損しない。
【0071】これに対して、コネクタピース80をコネ
クタ部70に装着すると、作動ピン839は、図17に
二点鎖線で示すように、孔869の内部に引っ込む方向
に移動するので、スイッチばね89を変形させる。この
ようにスイッチばね89が変形したとき、その接点は、
回路基板85の回路パターンから浮き上がるので、電気
的接続が絶たれた状態となる。従って、図12におい
て、コネクタピース80をコネクタ部70に装着したと
きには、第1のスイッチSW1は、開いた状態になるの
で、脈波を計測可能な回路構成になる。しかも、第1の
キャパシタC1に電荷が蓄積されていても、この電荷
は、電極部832、833、および端子752、753
を介して放電しないので、コネクタ部70および機器本
体10に内蔵されている各回路が破損しない。
【0072】このような構成のスイッチ機構は、フォト
トランジスタ32に対しても構成されているが、その構
成は、LED31に対するスイッチ機構と同様、作動ピ
ン838およびスイッチばねを利用したものであるた
め、その説明を省略する。
【0073】(コネクタ部とコネクタピースとの間の構
造)このように構成したコネクタ部70およびコネクタ
ピース80において、それらの間の構造は、以下のよう
になっている。
【0074】図17からわかるように、コネクタピース
80において、係合機構900の一部を構成する突出部
81、82は、コネクタ部70の形成領域よりも3時お
よび9時の方向に張り出し、かつ、コネクタ部70周囲
の表面との隙間を狭めており、ガード部として、コネク
タ部70とコネクタピース80との間に水が侵入するこ
とを防止している。
【0075】図11、図13および図14に示すよう
に、コネクタピース80には、コネクタピース80をコ
ネクタ部70に装着したときにコネクタピース80にお
ける機器本体10の側(12時の方向)およびその反対
側(6時の方向)で張り出すガード部808、809が
形成され、これらのガード部808、809も、コネク
タ部70周囲の表面との隙間を狭めることによってコネ
クタ部70とコネクタピース80との間に水が侵入する
ことを防止している。
【0076】図17からわかるように、コネクタ部70
とコネクタピース80との間では、端子群の周囲におけ
るコネクタ部70とコネクタピース80との隙間をその
周辺領域におけるコネクタ部70とコネクタピース80
との隙間よりも狭くする凸条壁が構成されている。すな
わち、コネクタピース80の下面部801には凹部80
0が形成され、コネクタ部70の上面部701には凹部
700が形成され、そこには広い隙間G1が構成されて
いる。これに対して、コネクタ部70の上面部701の
うち、端子751〜757の周りには凸条壁751A〜
757Aが形成され、コネクタピース80の下面部80
1には、前述したとおり、電極部831〜837の周り
に、クリック機構を構成する凸条部841〜847が形
成されている。また、コネクタピース80では、作動ピ
ン838、839の周囲にも凸条部848、849が構
成されている。このため、端子群(端子751〜75
7、電極部831〜837、作動ピン838、839)
の周囲におけるコネクタ部70とコネクタピース80と
の隙間G2は、その周辺領域における隙間G1よりも狭
くなっている。また、凸条部841〜849、および凸
条壁751A〜757Aは、いずれも外周側で広く開口
するような形状になっている。
【0077】このような構造のコネクタピース80にお
いて、12時から6時の方向を見ると、電極部831、
832、835、836、837は、凹部800が形成
されている分だけ突出した状態にある。そこで、本例で
は、コネクタピース80をコネクタ部70の上でスライ
ドさせたときに、端子751、753、755、75
6、757が電極部831、833、835、836、
837に接続しやすいように、図13および図14に示
すように、電極部831、833、835、836、8
37の12時の側には、端子751、752、755、
756、757(進退ピン)の先端が摺動しながら登る
斜面部831B、832B、835B、836B、83
7Bがそれぞれ形成されている。
【0078】ここで、コネクタピース80の凹部800
は、図13および図14に示すように、その下面部80
1において各電極部831〜837の間に割り込むよう
に構成されている。一方、コネクタ部70の凹部700
は、図15および図16に示すように、その上面部70
1において、その中心部から縦方向(6時および12時
の方向)には上面部701の縁近くにまで延びているだ
けであるが、横方向(3時および9時の方向)には、上
面部701からはみ出てさらに外周側にまで延びてい
る。このため、図17からわかるように、コネクタピー
ス80とコネクタ部700との間には、3時の方向に延
びる排水経路Wが構成され、同様に、9時の方向にも排
水経路Wが構成されている。排水経路Wは、コネクタピ
ース80およびコネクタ部700に形成されている段差
によって出口W1に至るまではコネクタピース80の突
出部81、82の内側で屈曲しながら延びている。
【0079】排水経路Wの途中位置には排水室WRが形
成され、この排水室WRは、段差によって端子群の形成
領域の側よりも低い位置に形成されている状態にある。
ここで、排水室WRの隙間G3は隙間G1よりも広いの
で、端子群の形成領域に水が侵入したとしても、侵入し
た水は、腕装着型携帯用電子機器1を装着した腕を振る
うちにまず端子群の形成領域から排水室WRに排出さ
れ、しかる後に出口W1から排出される。しかも、排水
室WRは端子群の形成領域の側よりも低い位置にあるの
で、排水室WRに溜まった水は、端子群の形成領域の側
に戻ることがない。さらに、排水室WRと端子群の形成
領域との境界部分における隙間G4は、排水室WRの隙
間G3よりも狭いことからも、排水室WRに溜まった水
は端子群の形成領域の側に戻ることがない。
【0080】また、排水経路Wの出口W1は、コネクタ
ピース80の突出部81、82の下端部に形成されてい
る狭い隙間G5によって構成されている。
【0081】ここで、隙間G2、隙間G1、隙間G4、
隙間G3、および隙間G5は、それぞれ0.25mm、
2.06mm、0.95mm、2.5mm、0.5mm
に設定されている。
【0082】(動作)このように構成した腕装着型携帯
用電子機器1の動作を、図1および図6を参照して簡単
に説明する。
【0083】まず、図1において、腕装着型携帯用電子
機器1を通常の腕時計として用いる場合には、ケーブル
20およびセンサユニット30を機器本体10のコネク
タ部70で外した状態で、機器本体10をリストバンド
12で腕に装着する。このとき、コネクタ部70には、
コネクタピース80と同じ係合機構900を備えるコネ
クタカバーを装着し、コネクタ部70を保護する。
【0084】一方、腕装着型携帯用電子機器1を用いて
ランニング中の脈拍数を計測する場合には、コネクタピ
ース80をコネクタ部70に装着して、ケーブル20を
機器本体10に接続した後、機器本体10をリストバン
ド12で腕に装着する。また、光学ユニット300のガ
ラス板304をセンサ固定用バンド40によって指に密
着させた後、ランニングを行なう。
【0085】この状態で、図6に示すように、LED3
1から指に向けて光を照射すると、この光が血管に届い
て血液中のヘモグロビンによって一部が吸収され、一部
が反射する。指(血管)から反射してきた光は、フォト
トランジスタ32によって受光され、その受光量変化
は、血液の脈波によって生じる血量変化に対応する。す
なわち、血量が多いときには、反射光が弱くなる一方、
血量が少なくなると、反射光が強くなる。従って、反射
光強度の変化をフォトトランジスタ32で監視すれば、
脈拍などを検出できる。かかる検出を行なうために、図
10に示したデータ処理回路50では、フォトトランジ
スタ32(センサユニット30)から入力された信号を
デジタル信号に変換し、このデジタル信号に周波数分析
などを行なって脈拍数を演算する。そして、演算により
求めた脈拍数を液晶表示装置13に表示させ、腕装着型
携帯用電子機器1を脈拍計として用いる。
【0086】再び、図6において、LED31から発せ
られた光は、その一部が矢印Cで示すように指を通って
血管にまで到達するので、血液中のヘモグロビンからの
反射光が矢印Dで示すようにフォトトランジスタ32に
届く。この経路で受光された光量が生体反射量である。
また、LED31から発せられた光は、その一部が矢印
Eで示すように指表面で反射してフォトトランジスタ3
2に届く。この経路で受光された光量が皮膚反射量であ
る。さらに、LED31から発せられた光、および血管
から反射した光の一部は、矢印F、Gで示すように、指
内で吸収、または分散して、フォトトランジスタ32に
届かない。
【0087】また、センサユニット30では、発光波長
領域が350nmから600nmまでの範囲にあるLE
D31と、受光波長領域が300nmから600nmま
での範囲のフォトトランジスタ32とを用いているの
で、その重なり領域である約300nmから約600n
mまでの波長領域における検出結果に基づいて生体情報
を表示する。かかるセンサユニット30を用いれば、外
光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光
は、指を導光体としてフォトトランジスタ32(受光
部)にまで到達しない一方、300nm以下の光は、皮
膚表面でほとんど吸収される。従って、検出結果は、外
光の影響を受けることなく、発光部の光のみに基づく約
300nmから約600nmまでの波長領域の検出結果
から生体情報を計測することができる。なお、外光の影
響を受けることなく、脈波情報を得るという観点からす
れば、LED31として、発光波長領域が300nmか
ら700nmまでの範囲のものを用い、フォトトランジ
スタ32として、受光波長領域が700nm以下のもの
を用いてもよい。
【0088】(実施例1の主な効果)以上のとおり、本
例の腕装着型携帯用電子機器1では、センサユニット3
0から延びるケーブル20に対しては、このケーブル2
0を機器本体10に接続した状態および機器本体10か
ら外した状態に切換可能なコネクタ機構(コネクタ部7
0およびコネクタピース80)を設けてある。このた
め、センサユニット30およびケーブル20を機器本体
10から外せば、通常の腕時計として用いることができ
るので、便利である。
【0089】ここで、コネクタピース80とコネクタ部
70との隙間は、凹部700、800、凸条部841〜
849、および凸条壁751A〜757Aによって、端
子群(端子751〜757、電極部831〜837、作
動ピン838、839)の周囲で狭く、その周辺領域で
広くなっている。また、凸条部841〜849、および
凸条壁751A〜757Aは、いずれも外周側で広く開
口するように構成されている。従って、端子群の形成領
域内に水が侵入しても、水は端子群にまで到達しにくい
ので、端子間でショートが発生しにくい。また、たとえ
ショートが発生したとしても、機器本体10を軽く振る
だけで、端子群に付着していた水は、広い隙間G1の周
辺部分に散るので、ショート状態から簡単に復帰する。
【0090】また、コネクタピース80とコネクタ部7
0との間には、端子群の形成領域内に侵入した水を外部
に導く広い隙間からなる排水経路Wが形成されているた
め、端子群の形成領域に水が侵入したとしても、機器本
体10を軽く振るだけで、水は排水経路Wを通って機器
本体10から排出される。このとき、排水経路Wは屈曲
しながら出口W1に延びているので、端子群の形成領域
から排出されつつある水は、端子群の形成領域に戻りに
くい。さらに、排水経路Wは、出口W1で隙間が狭くな
っているので、そこからは水が侵入しにくい。さらに、
排水経路Wは、腕時計における3時および9時の方向に
延びているため、腕装着型携帯用電子機器1をリストバ
ンド12で腕に装着した状態でジョギングなどを行う
と、腕の振りに連動して、機器本体10は時計における
3時および9時の方向に振られることになる。従って、
端子群の形成領域に侵入した水は、排水経路Wを通って
排出されやすい。しかも、排水経路Wの途中位置には端
子群の形成領域の側よりも低い位置に排水室WRが形成
されているので、端子群の形成領域に侵入した水は、腕
装着型携帯用電子機器1を装着した腕を振るうちにまず
排水室WRに排出され、そこから出口W1から排出され
る。しかも、排水室WRは端子群の形成領域の側よりも
低い位置にあるので、排水室WRに溜まった水は端子群
の形成領域の側に戻ることがない。それ故、端子間での
ショートが発生しにくく、かつ、ショートが発生しても
簡単に回復する。
【0091】コネクタピース80とコネクタ部70との
隙間において、12時から6時の方向を見ると、電極部
831、832、835、836、837は、凹部80
0が形成されている分だけ突出した状態にあるが、電極
部831、832、835、836、837の12時の
側には、端子751、752、755、756、757
(進退ピン)の先端が摺動しながら登る斜面部831
B、832B、835B、836B、837Bがそれぞ
れ形成されている。このため、コネクタピース80とコ
ネクタ部70との間に、凹部700、800、凸条部8
41〜847、および排水経路Wなどに起因する凹凸が
あって、かつ、スライド式のコネクタ機構を用いた場合
でも、端子群同士の接続がスムーズである。
【0092】さらに、コネクタピース80に突出部8
1、82およびガード部808、809を設け、これら
のガード部によって、コネクタ部70を広く覆っている
ため、コネクタピース80との間に水が侵入しにくい。
特に、マラソン途中で給水したときには、コネクタピー
ス80とコネクタ部70との間には12時の方向から水
が入りやすいが、この場合でも、コネクタピース80に
対する機器本体10側(12時の方向)にガード部80
8があるので、そこからは水が侵入しにくい。
【0093】また、端子751〜756、および電極部
831〜836は、コネクタピース80のスライド方向
に沿って2列に配置され、かつ、このスライド方向に直
交する方向に、各端子間および各電極間の位置が斜めに
ずれているので、コネクタピース80をコネクタ部70
の上でスライドさせても、対応しない端子751〜75
6と電極部831〜836とが接触するということがな
い。しかも、コネクタ部70の形成面積を狭くしても、
端子同士および電極部同士を離れた位置に配置できるの
で、コネクタピース80とコネクタ部70との間に水が
侵入した場合でも、端子間および電極間がショートしに
くい。また、駆動電圧がかかる端子752、754およ
び電極部832、834などについては、特に、離れる
ように配置してあるため、コネクタピース80とコネク
タ部70との間にたとえ水が侵入しても、異なる電位の
端子同士および電極部同士の間では、特にトラッキング
が発生しない。このため、LED31やフォトトランジ
スタ32に過電圧がかかることがない。
【0094】さらにまた、本例の腕装着型携帯用電子機
器1では、LED31の発光波長領域が350nmから
600nmまでの範囲にあり、フォトトランジスタ32
の受光波長領域は、主要感度領域が300nmから60
0nmまでの範囲にある。一方、フォトトランジスタ3
2として、素子とフィルタとを組み合わせたユニットを
用いたときの受光波長領域は、400nmから550n
mまでの範囲にある。従って、図1に示したように、簡
単な遮光状態で脈波を計測しても、外光に含まれる光の
うち、波長領域が700nm以下の光は、後述するとお
り、指を導光体としてフォトトランジスタ32(受光
部)にまで到達せず、検出には影響を与えない波長領域
の光だけが、指を導光体として通ってくる。従って、本
例では、指の露出部分に外光があたっても、脈波の検出
結果には外光の影響が及ばないので、幅の狭いセンサ固
定用バンド40で検出部を遮光するセンサユニット30
を用いることができる。それ故、本例のような小さなセ
ンサユニット30であれば、指の根元に装着した状態で
手を握ることができるので、ランニングに支障がない。
また、センサユニット30を指の根元に装着すると、ケ
ーブル20が短くて済むので、ケーブル20は、ランニ
ング中に邪魔にならない。それ故、本例の腕装着型携帯
用電子機器1は、ランニング中の脈拍数などを計測する
のに適している。
【0095】また、掌から指先までの体温の分布を計測
すると、寒いときには、指先の温度が著しく低下するの
に対し、指の根元の温度は比較的低下しない。すなわ
ち、寒いときでも、指の根元では、血流が著しく低下し
ない。従って、指の根元にセンサユニット30を装着す
れば、寒い日に屋外でランニングしたときでも、脈拍数
などを正確に計測できる。
【0096】さらに、約300nmから約700nmま
での波長領域の光を利用して、脈波情報を得ているの
で、血量変化に基づく脈波信号のS/N比が高い。
【0097】これらの理由を以下に説明する。
【0098】まず、外光の影響を受けにくい理由を、図
18(a)を参照して説明する。図18(a)には、光
の波長と、皮膚の光透過度との関係を示してある。この
図において、折れ線aは、波長が200nmの光におけ
る透過特性を示している。折れ線bは、波長が300n
mの光における透過特性を示している。折れ線cは、波
長が500nmの光における透過特性を示している。折
れ線dは、波長が700nmの光における透過特性を示
している。折れ線eは、波長が1μmの光における透過
特性を示している。
【0099】この図から明らかなように、外光に含まれ
る光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指を透
過しにくい傾向にあるため、外光がセンサ固定用バンド
40で覆われていない指の部分に照射されても、図6に
点線Xで示すように、指を通ってフォトトランジスタ3
2まで届かない。それ故、本例のように、700nm以
下の光を検出光として用いれば、指を大掛かりに覆わな
くても必要最小限の範囲を覆うだけで、外光の影響を抑
えることができるので、本例の腕装着型携帯用電子機器
1は、屋外での使用が可能である。なお、300nmよ
り低波長領域の光は、皮膚表面でほとんど吸収されるの
で、受光波長領域を700nm以下としても、実質的な
受光波長領域は、300nm〜700nmとなる。
【0100】これに対し、880nm付近に発光ピーク
を有するLEDと、シリコン系のフォトトランジスタと
を用いると、その受光波長範囲は、図19に示すよう
に、350nmから1200nmまでの範囲に及ぶ。従
って、従来の光学系(検出装置)では、外光のうち、図
6に矢印Yで示すように、指を導光体として受光部にま
で容易に届いてしまう1μmの波長の光、すなわち、図
18(a)の折れ線eで示す光による検出結果に基づい
て脈波を検出しているので、外光の変動に起因する誤検
出が起こりやすい。
【0101】次に、本例の腕装着型携帯用電子機器1で
は、脈波信号のS/N比が高い理由を、図18(b)を
参照して説明する。図18(b)は、光の波長と各種の
ヘモグロビンの吸光特性との関係を示す説明図である。
【0102】図18(b)には、酸素と未結合のヘモグ
ロビンの吸光特性を曲線Hbで示してあり、酸素と結合
しているヘモグロビンの吸光特性を曲線HbO2 で示し
てある。これらの曲線が示すように、血液中のヘモグロ
ビンは、波長が300nmから700nmまでの光に対
する吸光係数が大きく、従来の検出光である波長が88
0nmの光に対する吸光係数に比して数倍〜約100倍
以上大きい。従って、本例のように、ヘモグロビンの吸
光特性に合わせて、吸光係数が大きい波長領域(300
nmから700nm)の光を検出光として用いると、そ
の検出値は、血量変化に感度よく変化するので、血量変
化に基づく脈波の検出率(S/N比)が高い。
【0103】なお、光学ユニットとしては、図20に示
すように、540nmから570nmまでの範囲に主要
発光領域を有するGaP系のLEDと、受光感度特性を
図21に示すように、200nmから700nm近くま
での範囲に感度領域を有するGaAsP系のフォトトラ
ンジスタを用いてもよい。
【0104】実施例2 本例の腕装着型携帯用電子機器(腕装着型脈波計測装
置)は、実施例1と基本的な構成が同じであり、コネク
タピース80およびコネクタ部70の表面状態のみが相
違する。従って、共通する機能を有する部分について
は、同じ符合を付して、それらの説明を省略する。
【0105】(コネクタピースの電極面の構造)図22
は、本例の腕装着型携帯用電子機器において、そのコネ
クタ機構を構成するコネクタピースを、凹凸部分などを
省略して示す説明図である。
【0106】図22において、本例でも、コネクタピー
ス80の下面部801には、7つの電極部831〜83
7(第2の端子群)が形成されている。コネクタピース
80をコネクタ部70に装着する際には、実施例1と同
様、コネクタピース80をコネクタ部70に被せた後、
矢印Qの方向にコネクタピース80をスライドさせる
が、かかるスライド方向(矢印Qの方向)に沿って、電
極部831〜836は、2列に形成され、かつ、各列の
電極部831〜836は、コネクタピース80のスライ
ド方向(矢印Qの方向)に対して直交する方向にずれ、
斜めに配置されている。
【0107】ここで、コネクタピース80の下面部80
1のうち、電極部837の形成位置を取り巻く端子周り
領域802、電極部833、831、835の形成位置
を取り巻く端子周り領域802、および電極部832、
834、836の形成位置を取り巻く端子周り領域80
2は、水の接触角が約85°以上となるように撥水化処
理が施されている。これに対して、端子周り領域802
の周辺領域803は、水の接触角が約75°以下、好ま
しくは、約35°以下になるように親水化処理が施され
ている。
【0108】このような親水化処理としては、電極部8
31〜837の周りに、界面活性剤を含有する親水シー
トを貼る方法、コネクタピース80自体を構成する樹脂
表面にプラズマ処理を施す方法などがある。一方、撥水
化処理としては、フッ素系のコーティング剤などを塗布
する方法、塗料を塗布する方法、撥水性のテープを貼る
方法などがある。また、端子周り領域802における水
の接触角をその周辺領域803における水の接触角に比
較して大きくするという観点からすれば、コネクタピー
ス80自体を比較的撥水性の高い樹脂で構成する一方、
周辺領域803に対して親水化処理のみを行なう方法も
ある。逆に、アクリル系などの親水性を有するモノマー
をABS樹脂表面にグラフト重合処理した親水化処理済
みABS樹脂でコネクタピース80を構成する一方、端
子周り領域802に対して撥水化処理を行なう方法もあ
る。
【0109】ここに、コネクタ部70やコクネタピース
80を構成するポリカーボネート系樹脂素材、撥水化お
よび親水化のための各方法を講じたときの接触角(計測
値およびその平均値)、およびその耐久性を意味する指
紋付着後の接触角(計測値およびその平均値)を比較し
た結果を表1に示す。指紋が付着した状態は、油脂(脂
肪酸のグリセリンエステル)を付着することにより再現
してある。
【0110】
【表1】
【0111】表1に示すように、各種の処理によって接
触角が変化するが、撥水化処理のうち、旭硝子社製の商
品名サイトップをコーティングした場合には、引っ掻い
たときの耐久性の面で特に優れている。また、各の親水
化処理のうち、アクリル系などの親水性を有するモノマ
ーをABS樹脂表面にグラフト重合処理した親水化処理
済みABS樹脂は、耐磨耗性の面で特に優れている。
【0112】(コネクタ部の端子面の構造)図23に示
すように、コネクタ部70において、各端子751〜7
56は、電極部831〜836と同様、コネクタピース
80のスライド方向(矢印Qの方向)に沿って2列に形
成され、いずれの列でも、各端子751〜756は、コ
ネクタピース80のスライド方向(矢印Qの方向)に対
して直交する方向にずれるように斜め配置されている。
【0113】ここで、コネクタ部70の上面部701の
うち、端子751〜757の形成位置を取り巻く端子周
り領域702は、水の接触角が85°以上となるように
撥水化処理が施されている。これに対して、端子周り領
域702の周辺領域703は、水の接触角が約75°以
下、好ましくは、約35°以下になるように親水化処理
が施されている。
【0114】コネクタピース80の場合と同様、親水化
処理としては、端子751〜757の形成位置の周り
に、界面活性剤を含有する親水シートを貼る方法、コネ
クタ部70自体を構成する樹脂表面にプラズマ処理を施
す方法などがある。一方、撥水化処理としては、フッ素
系のコーティング剤などを塗布する方法、塗料を塗布す
る方法、撥水性のテープを貼る方法などがある。また、
端子周り領域702における水の接触角をその周辺領域
703における水の接触角に比較して大きくするという
観点からすれば、コネクタ部70自体を比較的撥水性の
高い樹脂で構成する一方、周辺領域703に対して親水
化処理のみを行なう方法もある。逆に、アクリル系など
の親水性を有するモノマーをABS樹脂表面にグラフト
重合処理した親水化処理済みABS樹脂でコネクタ部7
0を構成する一方、端子周り領域702に対して撥水化
処理を行なう方法もある。
【0115】(実施例2の効果)このように構成した腕
装着型携帯用電子機器1において、コネクタ部70にコ
ネクタピース80を装着すると、コネクタ部70の上面
部701とコネクタピース80の下面部801とは、狭
い隙間を介して対向する状態になる。このため、コネク
タ部分に水に触れると、毛管現象によって水が隙間内の
奥にまで入り込む。ここに、コネクタ部70の上面部7
01では、各端子751〜757の形成位置を取り巻く
端子周り領域702における水の接触角は、その周辺領
域703における水の接触角に比較して大きい。また、
コネクタピース80の下面部801では、各電極部83
1〜837の形成位置を取り巻く端子周り領域802に
おける水の接触角は、その周辺領域803における水の
接触角に比較して大きい。すなわち、端子周り領域70
2、802とその周辺領域703、803とを相対比較
すれば、端子周り領域702、802は、撥水性を有し
ているのに対して、その周辺領域703、803は、親
水性を有している。従って、コネクタ部70とコネクタ
ピース80との隙間に水が入り込んでも、各端子751
〜757および各電極部831〜837の近くおいて、
水は、端子周り領域702、802から退けられ、周辺
領域703、803に引き寄せられるため、各端子75
1〜757の間、および各電極部831〜837の間で
ショートが発生しにくい。また、たとえ一時的にショー
ト状態になっても、腕を振る位の簡単な動作で各端子7
51〜757および各電極部831〜837の近くから
水を簡単に除去できるので、ショート状態から簡単に復
帰する。それ故、本例の腕装着型携帯用電子機器1で
は、多少の雨がかかっても端子間のショートが発生しに
くく、一時的にショート状態になっても、早期に、かつ
簡単に復帰させることができるので、屋外において、ラ
ンニング中の脈波を計測するのに適している。
【0116】しかも、本例の腕装着型携帯用電子機器1
では、コネクタ部70およびコネクタピース80の対向
する上面部701および下面部801の双方において、
端子周り領域702、802における水の接触角が、そ
の周辺領域703、803における水の接触角に比較し
て大きいので、ショートの発生をより確実に防止できる
とともに、ショート状態から簡単に復帰する。
【0117】たとえば、図22および図23に示したコ
ネクタ部70およびコネクタピース80について、各コ
ネクタ面を平坦に構成したものを用いて、表2に示す試
料1、2について耐ショート性能および回復性能を試験
した。その結果を表2に示す。
【0118】ここで、試料1は、コネクタ部70の端子
周り領域702に旭硝子社製の商品名サイトップのコー
ティングによって撥水化処理を行うとともに、その周辺
領域703に親水処理としてプラズマ処理を施し、コネ
クタピース80の端子周り領域802には日本油脂社製
の商品名モディパーF200のコーティングによって撥
水化処理を行い、その周辺領域803は、コネクタピー
ス80を構成する素材(三菱瓦斯化学社製の商品名ユー
ピロン:ポリカーボネート樹脂)自身の接触角を有する
試料である。
【0119】試料2は、コネクタ部70の端子周り領域
702には日本油脂社製の商品名モディパーF200の
コーティングによって撥水化処理を行うとともに、その
周辺領域703には、親水シートを貼り、コネクタピー
ス80の端子周り領域802には旭硝子社製の商品名サ
イトップのコーティングによって撥水化処理を行い、そ
の周辺領域803には、親水シートを貼った試料であ
る。
【0120】
【表2】
【0121】試料1では、端子周り領域702は、水の
接触角が96.0°であり、その周辺領域703は、水
の接触角が75.1°であり、端子周り領域802は、
水の接触角が101.5°であり、周辺領域803は、
水の接触角が83.3°である。従って、試料1におい
て、端子周り領域702、802は、周辺領域703、
803に比して、水の接触角が約10°から約25°大
きい。
【0122】これに対して、試料2では、端子周り領域
702は、水の接触角が101.5°であり、端子周り
領域802は、水の接触角が96.0°であり、周辺領
域703、803は、水の接触角が14.1°である。
従って、試料2において、端子周り領域702、802
は、周辺領域703、803に比して、水の接触角が約
80°から約85°大きい。
【0123】なお、試料1、2では、コネクタ面の対向
距離が0.56mmである。
【0124】この評価では、コネクタ部70およびコネ
クタピース80と同様な構造のコネクタ単体を、まず、
5%の食塩水に下端側(端子751、754の側の縁)
だけ浸漬した後、引上げ、しかる後に、試料1、2につ
いて、端子751と端子754との間の抵抗値、端子7
51と端子752との間の抵抗値を計測した。その結
果、いずれの端子間でも、抵抗値が無限大であり、ショ
ート状態にないことが確認できた。
【0125】また、コネクタ部70およびコネクタピー
ス80と同じ構造のコネクタ単体を、5%の食塩水に完
全に浸漬した後、引上げ、その直後および3分経過した
後の試料1、2について、端子751と端子754との
間の抵抗値、端子751と端子752との間の抵抗値を
計測した。その結果、表2に示すように、抵抗値が数百
kΩまで低下し、ショート状態となる。但し、試料1、
2のいずれにおいても、コネクタ部分の下端側にティッ
シュペーパーを押し当てるだけで、ショート状態から復
帰することが確認できた。
【0126】さらに、本例では、コネクタ部70および
コネクタピース80において、端子周り領域702、8
02には撥水化処理を施し、周辺領域703、803に
は親水化処理を施すことにより、これらの領域間におけ
る水の接触角の差を大きくしてある。それ故、各端子7
51〜756の間、および各電極部831〜836の間
でショートが発生しない。また、たとえ一時的にショー
ト状態になっても、腕装着型携帯用電子機器1を振る位
の動作で、各端子751〜756および各電極部831
〜836の近くから水を簡単に除去できるので、ショー
ト状態から簡単に復帰する。
【0127】また、図22および図23に示したコネク
タ部70およびコネクタピース80について、各コネク
タ面を平坦に構成したものを用いて、表3に示す各試料
について耐ショート性能および回復性能を検討した。
【0128】試料3は、コネクタ部70の端子周り領域
702に日本油脂社製の商品名モディパーF200のコ
ーティングによって撥水化処理を行うとともに、コネク
タピース80の端子周り領域802に旭硝子社製の商品
名サイトップのコーティングによって撥水化処理を行
い、周辺領域703、803は、コネクタ部70および
コネクタピース80を構成する素材(三菱瓦斯化学社製
の商品名ユーピロン:ポリカーボネート樹脂)自身の接
触角を有する試料である。
【0129】試料4は、コネクタ部70の端子周り領域
702に日本油脂社製の商品名モディパーF200のコ
ーティングによって撥水化処理を行うとともに、コネク
タピース80の端子周り領域802に旭硝子社製の商品
名サイトップのコーティングによって撥水化処理を行
い、さらに、周辺領域703、803に親水シートを貼
った試料である。
【0130】試料5は、コネクタ部70の端子周り領域
702に旭硝子社製の商品名サイトップのコーティング
によって撥水化処理を行うとともに、周辺領域703に
親水シートを貼り、コネクタピース80は、三菱瓦斯化
学社製の商品名ユーピロン(ポリカーボネート樹脂)の
ままである。
【0131】
【表3】
【0132】試料3では、端子周り領域702は、水の
接触角が101.5°であり、端子周り領域802は、
水の接触角が96.0°であり、周辺領域703、80
3は、水の接触角が83.3°である。従って、試料3
において、端子周り領域702、802は、周辺領域7
03、803に比して、水の接触角が約10°から約2
0°大きい。
【0133】試料4では、端子周り領域702は、水の
接触角が101.5°であり、端子周り領域802は、
水の接触角が96.0°であり、周辺領域703、80
3は、水の接触角が14.1°である。従って、試料4
において、端子周り領域702、802は、周辺領域7
03、803に比して、水の接触角が約80°から約8
5°大きい。
【0134】試料5では、端子周り領域702は、水の
接触角が96.0°であり、周辺領域703は、水の接
触角が14.1°である。一方、コネクタピース80の
側では、端子周り領域802および周辺領域803は、
水の接触角が83.3°である。
【0135】なお、試料3、5では、コネクタ面間距離
は、0.6mmである。これに対して、試料4について
は、コネクタ面間距離を0.6mmとしたもの、および
0.3mmとしたものについて評価してある。
【0136】この評価では、図24(a)に示すよう
に、コネクタ部70およびコネクタピース80と略同じ
構造で、コネクタ面が平坦なコネクタ単体を、まず、5
%の食塩水に完全に浸漬した後、図24(b)に示すよ
うに、引上げ、しかる後に、図24(c)および図24
(d)に示すように、約6cmの落差をもって自由落下
させる動作を繰り返したとき、電極部834と電極部8
35との間(端子754と端子755との間)の抵抗値
が無限大になるまでに必要な落下回数を測定する。その
結果は、表3に示すとおりである。
【0137】表3に示すように、上記の試験を20回ず
つ繰り返し行い、その平均値を比較したところ、端子周
り領域702、802に撥水化処理を施し、周辺領域7
03、803に親水化処理を施した試料4において、コ
ネクタ面間距離を0.6mmとしたものでは、1.8回
の落下でショート状態から復帰し、コネクタ面間距離を
0.3mmとしたものでは、2.5回の落下でショート
状態から復帰する。また、コネクタ部70の端子周り領
域702に旭硝子社製の商品名サイトップのコーティン
グによって撥水化処理を行うとともに、周辺領域703
に親水シートを貼った試料5では、3.1回の落下でシ
ョート状態から復帰する。これに対して、端子周り領域
702、802だけについてコネクタ部70またはコネ
クタピース80を構成する素材を改質した試料3では、
9.8回の落下でショート状態から復帰するものの、試
料4、5よりはその復帰に手間がかかる。
【0138】また、コネクタ面間距離が0.6mm同士
のものを比較すると、試料4は、試料3に比較して5%
食塩水に浸漬した直後の抵抗値が大きいこと、すなわち
ショート状態になりにくいことも確認できた。
【0139】なお、評価試験を繰り返し行なった結果、
端子周り領域702、802における水の接触角と、そ
の周辺領域703、803における水の接触角との差に
ついては、約50°以上であれば、端子間のショートが
著しく発生しにくく、また、一時的にショート状態にな
っても、簡単に復帰することが確認できている。
【0140】また、上記の親水化処理および撥水化処理
のいずれをも行わない試料と、上記の親水化処理および
撥水化処理の双方を行った試料とについて、食塩水に完
全に浸漬した後、引き上げたときにすぐに抵抗値が無限
大になるときの隙間寸法の下限値を検討したところ、親
水化処理および撥水化処理のいずれをも行わない試料で
は隙間寸法の下限値が約2.2mmであるのに対して、
親水化処理および撥水化処理の双方を行った試料では隙
間寸法の下限値が約1.6mmである。このような評価
からも、親水化処理および撥水化処理の双方を行った試
料では、狭い隙間であっても水がすぐに排出されること
がわかるとともに、約2mm以上の隙間であれば、隙間
に入った水がスムーズに排出されることがわかる。
【0141】実施例3 実施例2では、初期状態において、端子周り領域70
2、802と周辺領域703、803の間において、水
の接触角が異なるように構成したが、本例では、コネク
タ部70やコネクタピース80を頻繁に手で触れた後で
も、端子間および電極間でショートが発生しにくいよう
に構成してある。
【0142】本例では、基本的な構成が実施例1、2と
同様であるため、対応する部分には、同じ符号を付して
その構造などの説明を省略する。本例では、図22に示
すコネクタピース80の下面部801、および図23に
示すコネクタ部70の上面部701において、各領域を
同じ材質としたまま、端子周り領域702、802を平
滑面で構成し、周辺領域703、803を細かな凹凸面
で構成してある。
【0143】このように構成した腕装着型携帯用電子機
器1のコネクタ構造において、初期段階では、端子周り
領域702、802と、周辺領域703、803との間
には、水の接触角に差がないか、あるいは、実施例2と
は逆に、端子周り領域702、802の方が周辺領域7
03、803よりも水の接触角がわずかに小さい場合も
あるが、その表面に指紋が付着した場合には、平滑面か
らなる端子周り領域702、802は、凹凸面からなる
周辺領域703、803に比して水の接触角が大きくな
る。すなわち、各領域に指紋が付着した状態を再現する
目的に、油脂(たとえば、脂肪酸のグリセリンエステ
ル)を付着させると、後に詳述するとおり、凹凸面で構
成した周辺領域703、803の方が、平滑面で構成し
た端子周り領域702、802よりも、水の接触角が小
さい。
【0144】ここに、凹凸面としては、各種の形態があ
るが、本例では、周辺領域703、803を構成する凹
凸面として、いわゆるシボを粗く形成した面、細かなシ
ボを形成した面、筋目を形成した面について、成形直後
(初期状態)、および油脂を付着させた後の水の接触角
を測定した。一方、端子周り領域702、802を構成
する平滑面として、略鏡面に近い平滑面について、成形
直後(初期状態)、および油脂を付着させた後の水の接
触角を測定した。それらの測定結果を表4に示す。な
お、基材としては、通常のポリカーボネート樹脂、およ
びフッ素含有のポリカーボネート樹脂を用いた。
【0145】
【表4】
【0146】その結果、表4から明らかなように、いず
れの樹脂においても、初期的には、必ずしも凹凸面の方
が水の接触角が小さいといえないが、油脂を付着させた
後の状態で比較すると、鏡面に比較して、凹凸面の方が
水の接触角として10°〜20°程小さい。特に、凹凸
面のうち細かなシボを形成した面は、水の濡れ性が最も
よい。
【0147】このように、腕装着型携帯用電子機器1を
使用するうちに、コネクタ部70およびコネクタピース
80に手の油が付着すると、端子周り領域702、80
2は、撥水性を発揮してくるのに対して、その周辺領域
703、803は、親水性を発揮してくるといえる。こ
の状態では、コネクタ部70とコネクタピース80との
隙間に水が入り込んでも、各端子751〜756および
各電極部831〜836の近くにおいて、水は、端子周
り領域702、802から退けられ、周辺領域703、
803に引き寄せられる。それ故、各端子751〜75
6の間、および各電極部831〜836の間でショート
が発生しにくい。また、たとえ一時的にショート状態に
なっても、腕を振る位の動作によって、各端子751〜
756および各電極部831〜836の近くから水を簡
単に除去できるので、ショート状態から簡単に復帰す
る。しかも、かかるコネクタ構造のように、接触角に差
をつけるのに凹凸の有無を利用した場合には、コネクタ
部70およびコネクタピース80を成形するときの金型
に加工を施しておくだけでよいという利点がある。
【0148】なお、筋目を構成した面では、筋目を横切
る方向よりは、筋目に沿う方向に水滴が1割程度延びた
状態になる。従って、かかる濡れ性の異方性を利用した
構造として、たとえば、周辺領域703、803には、
端子周り領域702、802に対して同心円状の筋目を
形成し、端子周り領域702、802への水の侵入を防
いでもよい。また、凹凸面としては、シボ面、筋目の他
にも、梨地模様を付した面でもよい。
【0149】実施例2、3の変形例 また、実施例2のような各処理と、実施例3のような面
形状を組み合わせることによって、初期的および経時的
(油脂・指紋が付着した以降)のいずれの場合において
も、端子周り領域702、802における水の接触角
が、周辺領域703、803における水の接触角に比較
して大きいように構成すれば、初期的にも経時的にもシ
ョートが発生せず、また、ショートが発生しても簡単に
復帰させることのできるコネクタ構造を実現できる。
【0150】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る腕装
着型携帯用電子機器では、コネクタ部材とコネクタ部と
の隙間は、それらの形成された凸条壁によって、端子群
の周囲で狭く、その周辺領域で広くなっている。従っ
て、端子群の形成領域に水が侵入しても、端子群にショ
ートが発生しにくいとともに、たとえショートが発生し
たとしても、機器本体を軽く振るだけで、端子群に付着
していた水は、隙間の広い周辺部分に移動するので、シ
ョート状態から簡単に復帰する。
【0151】また、コネクタ部材とコネクタ部との間に
は、端子群の形成領域内に侵入した水を外部に導く広い
隙間からなる排水経路が形成されているため、端子群の
形成領域に水が侵入したとしても、機器本体を軽く振る
だけで、水は、排水経路を通って機器本体から排出され
る。このとき、排水経路は屈曲しながら出口に延びてい
るので、端子群の形成領域から排出されつつある水は、
端子群の形成領域に戻りにくい。さらに、排水経路は、
出口で隙間が狭くなっているので、そこからは水が侵入
しにくい。ここで、排水経路が腕時計における3時およ
び9時の方向に延びている場合には、腕装着型携帯用電
子機器をリストバンドで腕に装着した状態で腕を振る
と、機器本体は、時計における3時および9時の方向に
振られることになる。従って、端子群の形成領域に侵入
した水を排水経路を通って排出しやすい。また、排水経
路の途中位置の低い位置に排水室が形成されている場合
には、端子群の形成領域に侵入した水は、腕装着型携帯
用電子機器を装着した腕を振るうちに排水室にすばやく
排出されるとともに、排水室に溜まった水は、端子群の
形成領域の側に戻ることがない。それ故、端子間でのシ
ョートが発生しにくく、かつ、ショートが発生しても簡
単に回復する。
【0152】また、端子群の周囲に進退ピンの先端が摺
動しながら登る斜面部をそれぞれ形成した場合には、コ
ネクタ部材とコネクタ部との間に凸条壁や排水経路など
の凹凸を設け、かつ、スライド式のコネクタ機構を用い
たときでも、端子群同士の接続がスムーズである。
【0153】さらに、コネクタ部材にはガード部を設
け、このガード部によって、コネクタ部を広く覆ってい
るため、コネクタ部材との間に水が侵入しにくい。それ
故、端子間でのショートが発生しにくい。特に、マラソ
ン途中で給水したときなど、コネクタ部材とコネクタ部
との間には機器本体の側から水が入りやすい。この場合
でも、本発明では、コネクタピースをコネクタ部に装着
したときにコネクタ部材に対する機器本体側(12時の
方向)にガード部があるので、機器本体の表面側に水が
被っても、コネクタ部とコネクタピースとの間に水が侵
入しにくい。
【0154】第1の端子群、および第2の端子群がコネ
クタ部材のスライド方向に沿って複数列に配置され、か
つ、このスライド方向に直交する方向に、各端子間で位
置がずれている場合には、コネクタ部材をコネクタ部上
をスライドさせても、対応しない端子同士が接触すると
いうことがない。また、コネクタ部の形成面積を狭くし
ても、端子同士を離すことができるので、コネクタ部材
とコネクタ部との間に水が侵入した場合でも、端子間が
ショートしない。
【0155】また、コネクタ構造において、端子群の形
成位置を取り巻く端子周り領域における水の接触角が、
該端子周り領域の周辺領域における水の接触角に比較し
て大きい場合には、端子周り領域とその周辺領域とを比
較すれば、端子周り領域は、撥水性を有し、その周辺領
域は、親水性を有しているといえる。従って、コネクタ
部とコネクタ部材との隙間に水が入り込んでも、端子近
くの水は、端子周り領域から退けられ、周辺領域に引き
寄せられるので、端子間でショートが発生しにくい。ま
た、一時的にショート状態になっても、コネクタ部分を
振る位の簡単な動作でショート状態から簡単に復帰す
る。
【0156】コネクタ部およびコネクタ部材の対向する
面の双方において、端子周り領域における水の接触角
が、その周辺領域における水の接触角に比較して大きい
場合には、ショートの発生をより確実に防止できるとと
もに、ショート状態から復帰しやすい。
【0157】端子周り領域または周辺領域の一方だけに
ついて、コネクタ部またはコネクタ部材を構成する素材
を改質するよりは、端子周り領域には撥水化処理を施
し、周辺領域には親水化処理を施す方が、これらの領域
間における水の接触角の差を大きくできるので、ショー
トの発生をより確実に防止できるとともに、ショート状
態から復帰しやすい。
【0158】本発明において、油脂を付着させた状態に
おいて、水の接触角が異なるようにした場合には、コネ
クタ部およびコネクタ部材に油脂(指紋)がついたとき
でも、端子周り領域における水の接触角が、その周辺領
域における水の接触角に比較して大きいので、ショート
の発生をより確実に防止できるとともに、ショート状態
から復帰しやすい。
【0159】かかる接触角の差を設けるにあたって、凹
凸の有無を利用した場合には、コネクタ部およびコネク
タピースを成形するときの金型に対して加工を施してお
くだけでよいという利点がある。
【0160】かかるコネクタ構造を腕装着型携帯用電子
機器に設けた場合には、雨がかかっても端子間のショー
トが発生しにくく、一時的にショート状態になっても、
腕を振る位の簡単な動作で復帰するので、屋外におい
て、ランニング中の脈波を計測するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した腕装着型携帯用電子機器の使
用状態を示す説明図である。
【図2】図1に示す腕装着型携帯用電子機器の機器本体
の平面図である。
【図3】図1に示す腕装着型携帯用電子機器の機器本体
の底面図である。
【図4】図1に示す腕装着型携帯用電子機器の機器本体
を腕時計の6時の方向からみたときの説明図である。
【図5】図1に示す腕装着型携帯用電子機器の機器本体
を腕時計の3時の方向からみたときの側面図である。
【図6】図1に示す腕装着型携帯用電子機器において、
センサユニットを指に装着した状態を示す説明図であ
る。
【図7】図1に示す腕装着型携帯用電子機器に用いたI
nGaN系青色LEDの発光スペクトルを示す説明図で
ある。
【図8】図1に示す腕装着型携帯用電子機器に用いたI
nGaP系フォトトランジスタの受光特性を示す説明図
である。
【図9】図1に示す腕装着型携帯用電子機器に用いたフ
ィルタ付きのフォトトランジスタユニットの受光特性を
示す説明図である。
【図10】図1に示す腕装着型携帯用電子機器のデータ
処理回路の機能を示すブロック図である。
【図11】図1に示す腕装着型携帯用電子機器のコネク
タ機構を腕時計における3時の方向からみたときの拡大
図である。
【図12】図1に示す腕装着型携帯用電子機器のコネク
タ部分における電気的な接続関係を示す説明図である。
【図13】図11に示すコネクタ機構に用いたコネクタ
ピース(センサユニット側のコネクタ部分)の構造を示
す説明図である。
【図14】図13に示すコネクタピースの平面図であ
る。
【図15】図11に示すコネクタ機構に用いたコネクタ
部(機器本体側のコネクタ部分)の構造を示す説明図で
ある。
【図16】図15に示すコネクタ部の平面図である。
【図17】図13に示すコネクタピースを図15に示す
コネクタ部に装着した状態を示す断面図である。
【図18】(a)は、光の波長と皮膚の光透過度との関
係を示すグラフ図、(b)は、光の波長と各種のヘモグ
ロビンの吸光特性との関係を示す説明図である。
【図19】従来の腕装着型携帯用電子機器に用いたシリ
コン系のフォトトランジスタの受光特性を示す説明図で
ある。
【図20】図1に示す腕装着型携帯用電子機器に用いた
GaP系のLEDの発光スペクトルを示す説明図であ
る。
【図21】図1に示す腕装着型携帯用電子機器に用いた
GaAsP系フォトトランジスタの受光特性を示す説明
図である。
【図22】本発明の実施例2、3に係る腕装着型携帯用
電子機器におけるコネクタ部分のうち、センサユニット
側のコネクタ部の構造を示す斜視図である。
【図23】本発明の実施例2、3に係る腕装着型携帯用
電子機器におけるコネクタ部分のうち、センサユニット
側のコネクタ部の構造を示す斜視図である。
【図24】(a)〜(d)は、本発明の実施例2、3に
係る腕装着型携帯用電子機器おいて、コネクタ部分の耐
ショート性能、およびショート状態からの復帰性能に関
する試験方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・腕装着型携帯用電子機器 10・・・機器本体 12・・・リストバンド 13・・・液晶表示装置 20・・・ケーブル 30・・・センサユニット 31・・・LED 32・・・フォトトランジスタ 40・・・センサ固定用バンド 50・・・データ処理回路 70・・・コネクタ部 80・・・コネクタピース 300・・・光学ユニット 700・・・コネクタ部の上面部の凹部 702、802・・・端子周り領域 703、803・・・周辺領域 751〜757・・・端子(第1の端子群) 751A〜757A・・・端子周囲の凸条壁 800・・・コネクタピースの下面部の凹部 808、809・・・ガード部 81、82・・・突出部(ガード部) 831〜837・・・電極部(第2の端子群) 831B、834B〜837B・・・斜面部 838、839・・・作動ピン 841〜847・・・電極部周囲の突条部(凸条壁) 900・・・係合機構 W・・・排水経路 W1・・・排水経路の出口 WR・・・排水室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田切 博之 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコー電子工業株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時刻情報などを表示するための表示部を
    備える機器本体と、該機器本体を腕に装着するためのリ
    ストバンドと、前記機器本体に信号を入力するためのコ
    ネクタ機構とを有する腕装着型携帯用電子機器におい
    て、 前記コネクタ機構は、前記機器本体の端部表面において
    第1の端子群を備えるコネクタ部と、該コネクタ部に装
    着されたときに前記第1の端子群にそれぞれ電気的接続
    する第2の端子群を備えるコネクタ部材とを備え、 該コネクタ部材および前記コネクタ部は、前記端子群の
    周囲における前記コネクタ部材と前記コネクタ部との隙
    間をその周辺領域における前記コネクタ部材と前記コネ
    クタ部との隙間よりも狭くする凸条壁を備えていること
    を特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  2. 【請求項2】 時刻情報などを表示するための表示部を
    備える機器本体と、該機器本体を腕に装着するためのリ
    ストバンドと、前記機器本体に信号を入力するためのコ
    ネクタ機構とを有する腕装着型携帯用電子機器におい
    て、 前記コネクタ機構は、前記機器本体の端部表面において
    第1の端子群を備えるコネクタ部と、該コネクタ部に装
    着されたときに前記第1の端子群にそれぞれ電気的接続
    する第2の端子群を備えるコネクタ部材とを備え、 該コネクタ部材と前記コネクタ部との間には、前記端子
    群の形成領域内に侵入した水を外部に導く広い隙間から
    なる排水経路を備え、該排水経路は、その出口に至るま
    では屈曲しながら延びているとともに、出口部分では隙
    間が狭くなっていることを特徴とする腕装着型携帯用電
    子機器。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記排水経路の途中
    位置には、前記端子群の形成領域の側よりも低い位置に
    排水室を有していることを特徴とする腕装着型携帯用電
    子機器。
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、前記排水経
    路は、前記端子群の形成領域から腕時計における3時お
    よび9時の方向に延びていることを特徴とする腕装着型
    携帯用電子機器。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの項におい
    て、前記コネクタ機構は、前記コネクタ部材を前記コネ
    クタ部上でスライドさせたときに該コネクタ部上に前記
    コネクタ部材が装着された状態を保持する係合機構を備
    え、 前記第1および第2の端子群のうちの一方側の端子群
    は、穴の内部で進退可能な進退ピンとして形成され、他
    方側の端子群の周囲には、前記コネクタ部上で前記コネ
    クタ部材を装着方向にスライドさせたときに前記端子群
    同士が接続するまで前記進退ピンの先端が摺動しながら
    登る斜面部を備えることを特徴とする腕装着型携帯用電
    子機器。
  6. 【請求項6】 時刻情報などを表示するための表示部を
    備える機器本体と、該機器本体を腕に装着するためのリ
    ストバンドと、前記機器本体に信号を入力するためのコ
    ネクタ機構とを有する腕装着型携帯用電子機器におい
    て、 前記コネクタ機構は、前記機器本体の端部表面において
    第1の端子群を備えるコネクタ部と、該コネクタ部に装
    着されたときに前記第1の端子群にそれぞれ電気的接続
    する第2の端子群を備えるコネクタ部材とを備え、 該コネクタ部材は、前記コネクタ部の形成領域よりも外
    周側に張り出すガード部を備え、該ガード部は、該コネ
    クタ部周囲の表面との隙間を狭めることによって前記コ
    ネクタ部と前記コネクタ部材との間に水が侵入すること
    を防止していることを特徴とする腕装着型携帯用電子機
    器。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記コネクタ機構
    は、前記コネクタ部材を前記コネクタ部上でスライドさ
    せたときに該コネクタ部上に前記コネクタ部材が装着さ
    れた状態を保持する係合機構を備え、該係合機構は、前
    記コネクタ部を両側から挟むようにして張り出す前記コ
    ネクタ部材のガード部に構成されていることを特徴とす
    る腕装着型携帯用電子機器。
  8. 【請求項8】 請求項6において、前記ガード部は、前
    記コネクタ部材を前記コネクタ部に装着したときに前記
    コネクタ部材における前記機器本体側およびその反対側
    から張り出すように構成されていることを特徴とする腕
    装着型携帯用電子機器。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、または6において、前記
    コネクタ機構は、前記コネクタ部材を前記コネクタ部上
    でスライドさせたときに該コネクタ部上に前記コネクタ
    部材が装着された状態を保持する係合機構を備え、 前記第1の端子群および前記第2の端子群には、前記コ
    ネクタ部材のスライド方向に沿って複数列に配置されて
    いるとともに、各端子間において当該スライド方向に対
    して直交する方向にずれた位置に形成された端子群が含
    まれていることを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかの項にお
    いて、前記コネクタ部および前記コネクタ部材の互いに
    対向する面のうちの少なくとも一方の面では、前記端子
    群の形成位置を取り巻く端子周り領域における水の接触
    角が該端子周り領域の周辺領域における水の接触角に比
    較して大きいことを特徴とする腕装着型携帯用電子機
    器。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記コネクタ部
    および前記コネクタ部材の互いに対向する面の双方で、
    前記端子周り領域における水の接触角が該端子周り領域
    の周辺領域における水の接触角に比較して大きいことを
    特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  12. 【請求項12】 請求項10または11において、前記
    端子周り領域における水の接触角と該端子周り領域の周
    辺領域における水の接触角との差が約50°以上である
    ことを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  13. 【請求項13】 請求項10ないし12のいずれかの項
    において、前記端子周り領域は撥水化処理が施され、前
    記周辺領域は親水化処理が施されていることにより、前
    記端子周り領域における水の接触角が該端子周り領域の
    周辺領域における水の接触角に比較して大きいことを特
    徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし9のいずれかの項にお
    いて、前記コネクタ部および前記コネクタ部材の互いに
    対向する面のうちの少なくとも一方の面では、油脂を付
    着した状態で評価したとき、前記端子群の形成位置を取
    り巻く端子周り領域における水の接触角が該端子周り領
    域の周辺領域における水の接触角に比較して大きいこと
    を特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  15. 【請求項15】 請求項14において、前記コネクタ部
    および前記コネクタ部材の互いに対向する面の双方で、
    油脂を付着した状態で評価したとき、前記端子周り領域
    における水の接触角が該端子周り領域の周辺領域におけ
    る水の接触角に比較して大きいことを特徴とする腕装着
    型携帯用電子機器。
  16. 【請求項16】 請求項14または15において、前記
    端子周り領域は平滑面で構成され、該端子周り領域の周
    辺領域は凹凸面で構成されていることにより、油脂を付
    着した状態で評価したとき、前記端子周り領域における
    水の接触角が該端子周り領域の周辺領域における水の接
    触角に比較して大きいことを特徴とする腕装着型携帯用
    電子機器。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16のいずれかの項に
    おいて、さらに、前記コネクタ部材に接続するケーブル
    と、該ケーブルおよび前記コネクタ部材を介してセンサ
    の検出結果を前記機器本体に入力するセンサユニットと
    を有し、該センサユニットは、生体に向けて光を照射す
    る発光素子と、生体から届く光を検出する受光素子とを
    備え、前記センサユニットが前記受光素子の受光結果を
    前記機器本体に入力することにより、該機器本体は、前
    記表示部において脈波の計測結果を表示するように構成
    されていることを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
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