JP3594730B2 - 腕装着型携帯用電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサユニットなどの外部装置を機器本体に接続するためのコネクタ機構を有する腕装着型携帯用電子機器に関するものである。さらに詳しくは、コネクタ機構に対する水の侵入による影響を防止するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コネクタ機構を備えた電子機器としては、たとえば、血液の量の変化を光学的に検出し、その検出結果(脈波信号)に基づいて脈波数などを計測する脈波計測装置がある。この脈波計測装置では、LED(発光ダイオード)などの発光素子と、フォトダイオードやフォトトランジスタなどの受光素子とを備えるセンサユニットを指などに取り付け、LEDから照射した光のうち指など(血管)から反射してきた光をフォトトランジスタで受光し、その受光信号をケーブルおよびコネクタ機構を介して機器本体に入力するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような脈波計測装置については、近年、ジョギング中やマラソン中の脈拍数などを計測できるものが望まれている。ここに、本願発明者は、機器本体をリストバンドによって腕に装着する腕装着型脈波計測装置などといった腕装着型携帯用電子機器を提案するものである。
【0004】
しかしながら、このような腕装着型携帯用電子機器では、折角、携帯可能にしても、コネクタ機構を備える限り、屋外での使用に制約がある。すなわち、機器本体側のコネクタ部を覆うようにコネクタ部材を装着したときに、そこに水が触れると、コネクタ部とコネクタ部材との間に水が侵入し、端子間がショートするという問題点がある。また、コネクタ部とコネクタ部材とは、狭い隙間を介して対向する状態にあるため、毛管現象によって隙間の奥にまで入り込んだ水は、腕を振った位では容易に出ない。このため、ショートが発生するたびにコネクタ部からコネクタ部材を外して水を丁寧に拭き取らないと、ショート状態から復帰できないという問題点がある。
【0005】
かかる問題点に鑑みて、本発明の課題は、センサユニットなどの外部装置を機器本体にコネクタ機構を介して接続する構造にしても、コネクタ部分において、水の侵入による影響を受けにくい腕装着型携帯用電子機器を提供することにある。
【0008】
本発明では、時刻情報などを表示するための表示部を備える機器本体と、
該機器本体を腕に装着するためのリストバンドと、前記機器本体に信号を入力するためのコネクタ機構とを有する腕装着型携帯用電子機器において、
前記コネクタ機構は、前記機器本体の端部表面において第1の端子群を備えるコネクタ部と、該コネクタ部に装着されたときに前記第1の端子群にそれぞれ電気的接続する第2の端子群を備えるコネクタ部材とを備え、
前記コネクタ部材と前記コネクタ部との間には、前記端子群の形成領域内に侵入した水を外部に導く排水経路を備え、前記排水経路は、その出口に至るまでは屈曲しながら延びているとともに、前記排水経路の途中位置には、前記端子群の形成領域の側よりも低い位置に排水室を有しており、前記出口の隙間は前記排水室の隙間より狭くなっていることを特徴とする。
【0009】
このように構成した腕装着型携帯用電子機器では、端子群の形成領域に水が侵入したとしても、水は、排水経路を通って機器本体から排出される。ここで、排水経路は屈曲しながら出口に延びているので、端子群の形成領域から排出されつつある水は、端子群の形成領域に戻りにくい。しかも、排水経路は出口部分で隙間が狭くなっているので、そこからは水が侵入しにくい。また、このように構成すると、端子群の形成領域に水が侵入したとしても、侵入した水は、腕装着型携帯用電子機器を装着した腕を振るうちにまず端子群の形成領域から排水室に排出され、しかる後に出口から排出される。ここで、排水室は、端子群の形成領域の側よりも低い位置にあるので、排水室に溜まった水はそこから端子群の形成領域の側に戻ることがない。従って、端子間でのショートが発生しにくく、かつ、ショートが発生しても簡単に回復する。
【0011】
本発明において、前記排水経路は、前記端子群の形成領域から腕時計における3時および9時の方向に延びていることが好ましい。
【0012】
このように構成すると、腕装着型携帯用電子機器をリストバンドで腕に装着して腕を振ると、機器本体は、時計における3時および9時の方向に振られることになる。従って、端子群の形成領域に侵入した水は、3時および9時の方向に延びる排水経路を通って排出されやすい。
【0013】
本発明において、前記コネクタ機構は、前記コネクタ部材を前記コネクタ部上でスライドさせたときに該コネクタ部上に前記コネクタ部材が装着された状態を保持する係合機構を備えている場合には、前記第1および第2の端子群のうちの一方側の端子群は、穴の内部で進退可能な進退ピンとして形成され、他方側の端子群の周囲には前記コネクタ部上で前記コネクタ部材を装着方向にスライドさせたときに前記端子群同士が接続しあうまで前記進退ピンの先端が摺動しながら登る斜面部を備えることが好ましい。
【0014】
本発明において、スライド式のコネクタ機構を用いたにもかかわらず、コネクタ部材とコネクタ部との間に凸条壁や排水経路を設けると、それらの凹凸が邪魔になって端子群同士の接続の邪魔になる。しかし、本発明では、進退ピンとして構成した端子が接続する端子周辺には斜面部を設けてあるため、進退ピンは、先端が斜面部上を摺動しながら登って、対応する端子と接続する。それ故、コネクタ部材とコネクタ部との間に凸条壁や排水経路を設け、かつ、スライド式のコネクタ機構を用いた場合でも、端子群同士の接続がスムーズである。
【0019】
本発明に係る腕装着型携帯用電子機器において、前記コネクタ機構は、前記コネクタ部材を前記コネクタ部上でスライドさせたときに該コネクタ部上に前記コネクタ部材が装着された状態を保持する係合機構を備える場合には、前記第1の端子群および前記第2の端子群には、前記コネクタ部材のスライド方向に沿って複数列に配置されているとともに、各端子間において当該スライド方向に対して直交する方向にずれた位置に形成された端子群が含まれていることが好ましい。
【0020】
このように構成すると、コネクタ部材をコネクタ部上をスライドさせても、対応しない端子同士が接触するということがない。また、コネクタ部の形成面積が狭くても、端子同士を離した位置に配置できるので、コネクタ部材とコネクタ部との間に水が侵入した場合でも、端子間でショートが発生しにくい。
【0021】
本発明において、前記コネクタ部および前記コネクタ部材の互いに対向する面のうちの少なくとも一方の面では、前記端子群の形成位置を取り巻く端子周り領域における水の接触角が該端子周り領域の周辺領域における水の接触角に比較して大きいことが好ましい。
【0022】
すなわち、水滴を素材上に垂らしたときの水滴の径と高さとに基づいて、以下の式
Θ = 2 tan−1・(h/r)
Θ:接触角
h:水滴の高さ
r:水滴の半径
から得られる接触角Θは、素材上の液体が素材表面となす角に相当するので、液体の濡れ性(親水性)、撥水性(疏水性)の目安となる。ここに、本発明では、端子周り領域とその周辺領域とを比較すれば、端子周り領域は撥水性を有しているのに対して、その周辺領域は親水性を有しているため、コネクタ部とコネクタ部材との隙間に水が入り込んでも、端子近くの水は、端子周り領域から退けられ、周辺領域に引き寄せられる。従って、端子間でショートが発生しない。また、たとえ一時的にショート状態になっても、コネクタ部分を振る位の動作でショート状態から簡単に復帰する。それ故、雨がかかっても端子間のショートが発生しにくく、一時的にショート状態になっても、腕を振る位の簡単な動作でショート状態から復帰するので、屋外で使用するのに適している。
【0023】
本発明では、コネクタ部およびコネクタ部材の互いに対向する面の双方で、端子周り領域における水の接触角が、その周辺領域における水の接触角に比較して大きいことが好ましい。コネクタ部およびコネクタ部材の対向する面の双方において、端子周り領域における水の接触角がその周辺領域における水の接触角に比較して大きい方が、ショートの発生をより確実に防止できるとともに、ショート状態から復帰しやすいからである。
【0024】
本発明では、端子周り領域における水の接触角と、この端子周り領域の周辺領域における水の接触角との差が約50°以上であることが好ましい。
【0025】
このようなコネクタ構造は、端子周り領域に撥水化処理を施す一方、周辺領域には、親水化処理を施すことが好ましい。端子周り領域または周辺領域の一方だけについて、コネクタ部またはコネクタ部材を構成する素材を改質するよりは、端子周り領域に撥水化処理を施し、周辺領域に親水化処理を施すことにより、これらの領域間における水の接触角の差を大きくできるからである。
【0026】
また、コネクタ部またはコネクタ部材の互いに対向する面自身が端子間のショートを防止する構造としては、コネクタ部およびコネクタ部材の互いに対向する面のうちの少なくとも一方の面では、油脂が付着した状態で評価したとき、端子群の形成位置を取り巻く端子周り領域における水の接触角が、この端子周り領域の周辺領域における水の接触角に比較して大きくなるように構成してもよい。
【0027】
このように構成すると、コネクタ部およびコネクタ部材は、手で扱われることから、それに手が触れて油脂(指紋)がついたとき、端子周り領域における水の接触角がその周辺領域における水の接触角に比較して大きいと、ショートの発生をより確実に防止できるとともに、ショート状態から復帰させやすい。それ故、一時的にショート状態になっても、腕を振る位の簡単な動作でショート状態から復帰するので、屋外でのランニング中の脈波を計測するのに適している。
【0028】
ここで、コネクタ部およびコネクタ部材の互いに対向する面の双方で、油脂が付着した状態で評価したとき、端子周り領域における水の接触角が、この端子周り領域の周辺領域における水の接触角に比較して大きいことが好ましい。
【0029】
本発明では、油脂が付着した状態において水の接触角に上記のような差を生じさせるには、たとえば、端子周り領域を平滑面で構成し、この端子周り領域の周辺領域を凹凸面で構成する。凹凸の有無を利用して接触角の差を設ける場合には、コネクタ部およびコネクタ部材を成形するときの金型に対して加工を施しておくだけでよいからである。
【0030】
このように構成した腕装着型携帯用電子機器では、さらに、前記コネクタ部材に接続するケーブルと、該ケーブルおよび前記コネクタ部材を介してセンサの検出結果を前記機器本体に入力するセンサユニットとを設けるとともに、該センサユニットに、生体に向けて光を照射する発光素子と、生体から届く光を検出する受光素子とを設けることによって、脈波計測装置を構成できる。この場合には、前記センサユニットが前記ケーブルを介して前記受光素子の受光結果を前記機器本体に入力すると、該機器本体は、前記表示部において脈拍数などを表示するように構成する。
【0031】
なお、本発明において、腕時計における何時方向とは、あくまで機器本体の方向を意味しており、機器本体上での表示が指針式であることを意味するものでない。
【0032】
【発明の実施の形態】
図面に基づいて、本発明の実施例を説明する。
【0033】
実施例1
(全体構成)
図1は、本例の腕装着型携帯用電子機器(腕装着型脈波計測装置)の使用状態を示す説明図である。なお、本例の説明において、腕時計における何時方向とは、あくまで機器本体の方向を意味し、機器本体上での表示が指針式であることを意味するものでない。
【0034】
図1において、本例の腕装着型携帯用電子機器1は、腕時計構造を有する機器本体10と、この機器本体10に接続されるケーブル20と、このケーブル20の先端側に設けられたセンサユニット30とから大略構成されている。機器本体10には、腕時計における12時方向から腕に巻きついてその6時方向で固定されるリストバンド12が設けられ、このリストバンド12によって、機器本体10は、腕に着脱自在である。センサユニット30は、光学ユニット300と、このユニットとは別体のセンサ固定用バンド40とから構成されている。このセンサ固定用バンド40は、伸縮性を有するサポータ状であるが、内層に発泡ゴム層を有しているため、指に嵌めたときに伸びたとしても遮光性を維持する。また、センサ固定用バンド40は、サポータ状であるため、適正なサイズのものを指に嵌めれば、それだけで光学ユニット300を適正な押しつけ力をもって指に押し当てることが可能である。
【0035】
(機器本体の構成)
図2は、本例の腕装着型携帯用電子機器の機器本体を、リストバンドやケーブルなどを外した状態で示す平面図、図3は、この機器本体の底面図、図4は、この機器本体を腕時計の6時の方向からみたときの説明図、図5は、この機器本体の3時方向からの側面図である。
【0036】
図2において、機器本体10は、樹脂製の時計ケース11を備えており、この時計ケース11の表面側には、現在時刻や日付に加えて、脈拍数などの脈波情報などをデジタル表示する液晶表示装置13(表示部)が構成されている。時計ケース11の内部には、センサユニット30による検出結果(脈波信号)に基づいて脈拍数の変化などを表示するために、検出信号に対する信号処理などを行なうデータ処理回路50が内蔵され、このデータ処理回路50および液晶表示装置13によって、情報表示手段60が構成されている。また、データ処理回路50には計時回路も構成されているため、情報表示手段60は、通常時刻、ラップタイム、スプリットタイムなども液晶表示装置13に表示可能である。なお、時計ケース11の外周部には、時刻合わせや表示モードの切り換えなどを行なうためのボタンスイッチ111〜115が構成されている。時計ケース11の表面には、ボタンスイッチ116、117が構成されている。
【0037】
腕装着型携帯用電子機器1の電源は、時計ケース11に内蔵されている電池59であり、ケーブル20は、電池59からセンサユニット30に電力を供給するとともに、センサユニット30の検出結果を時計ケース11内のデータ処理回路50に入力している。なお、電池59に対して腕時計における9時の方向に配置されているのは、報知音を発生させるための圧電素子58である。
【0038】
図2および図3からわかるように、本例では、時計ケース11が横長であることを利用して、時計ケース11の内部には、電源としての偏平な電池59と、ブザー用の偏平な圧電素子58とが面方向に並んで配置されている。従って、機器本体10を薄型化できる。また、図4に示すように、電池蓋118を外してユーザ自身によって電池59の交換を行なえる構造を構成できる。これらの電子部品のうち、比較的重い電池59は、機器本体10の中心位置Cに対して3時の方向に偏った位置に配置されている。これに対して、比較的軽い圧電素子58は、中心位置Cに対して9時の方向に偏った位置に配置されている。このため、機器本体10の3時および9時の方向における重心位置Gは、中心位置Cに対して3時の方向に偏った位置にあり、この重心位置が偏っている側にリストバンド12が接続している。従って、機器本体10を腕に安定した状態で装着できる。なお、圧電素子58および電池59の表面側には、データ処理回路50が構成されたアナログ回路用基板501およびデジタル回路用基板502が重なるように配置され、その表面側に液晶表示装置13が重なるように配置されている。液晶表示装置13の表面側には、カバーガラス131が被せられている。
【0039】
(機器本体の回り止め防止構造)
図5において、時計ケース11の外周部うち、12時の方向には、リストバンド12の端部に取り付けられた止め軸17を保持するための連結部171が形成されている。時計ケース11の外周部うち、6時の方向には、留め具62が取り付けられた受け部18が構成され、留め具62は、腕に巻かれたリストバンド12の途中位置を保持している。
【0040】
機器本体10の6時の方向において、電池蓋118などが取り付けられている平坦な裏面部119の縁から受け部18に至る部分は、時計ケース11と一体に成形されて裏面部119に対して約115°の角度をなす回転止め部108になっている。従って、本例の腕装着型携帯用電子機器1をリストバンド12によって機器本体10が左の手首L(腕)の上面部L1(手の甲の側)に位置するように装着したとき、時計ケース11の裏面部119は、手首Lの上面部L1に密着する一方、回転止め部108は、腕の橈骨Rの側の側面部L2に接した状態になる。この状態で、機器本体10の裏面部119は、皮膚を介して腕の橈骨Rと尺骨Uを跨ぐ感じにある一方、回転止め部108と裏面部119との屈曲部分109は、腕の橈骨Rに対峙する状態となる。
【0041】
このように、回転止め部108と裏面部119とは、約115°という解剖学的に理想的な角度をなしているため、図5に示す状態から、機器本体10を矢印Aの方向に、すなわち、機器本体10を手首Lの周りに手前側から向こう側に回そうとしても、回転止め部108は、手首Lの側面部L2に接した状態のまま、それ以上ずれない。逆に、機器本体10を矢印Bの方向に、すなわち、機器本体10を手首Lの周りに手前側に回そうとしても、機器本体10の裏面部119は、手首Lの上面部L1に接した状態のまま、それ以上ずれない。また、機器本体10は、手首Lの周りに完全に密着した状態になく、手首Lの表面との間に適度な隙間があるので、回転止め部108を設けても、装着感が損なわれることがない。さらに、裏面部119および回転止め部108によって腕の回りの片側2ヵ所で回転を規制するだけである。このため、腕が細くても、裏面部119および回転止め部108は、確実に腕に接するので、回転止め効果が確実に得られる一方、腕が太くても窮屈な感じがない。
【0042】
なお、裏面部119と回転止め部108とがなす角度は、約105°から約125°の範囲に設定すれば、機器本体10が腕の周りを回ることを防止できることが確認できている。また、腕装着型脈波検出装置1は、機器本体10が手首Lの下面部L3(掌の側)に位置するように装着してもよく、この場合には、機器本体10の回転止め部108は、腕の尺骨Uの側の側面部L4に当接した状態になる。この状態でも、機器本体10は、矢印Aまたは矢印Bのいずれの方向に力を加えても不必要に回転しない。
【0043】
(センサユニットの構成)
図6において、光学ユニット300は、そのケース体としてのセンサ枠301に裏蓋302が被されてその内部が部品収納空間になっている。センサ枠301の上面部分には、ガラス板304(フィルタ)で光透過窓が形成されている。センサ枠301の内部には、ガラス板304に対向するように回路基板305が配置されている。回路基板305には、LED31(発光ダイオード)、フォトトランジスタ32(受光素子)、およびトランジスタ(図示せず。)などの電子部品が実装されており、LED31およびフォトトランジスタ32は、それぞれ発光面および受光面をガラス板304の方に向けている。
【0044】
本例では、LED31として、InGaN系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDを用いてあり、その発光スペクトルは、図7に示すように、450nmに発光ピークを有し、その発光波長領域は、350nmから600nmまでの範囲にある。かかる発光特性を有するLED31に対応させて、本例では、フォトトランジスタ32として、GaAsP系(ガリウム−砒素−リン系)のフォトトランジスタを用いてあり、その素子自身の受光波長領域は、図8に示すように、主要感度領域が300nmから600nmまでの範囲にある。なお、GaAsP系のフォトトランジスタは、300nm以下にも感度領域がある。ここで、フォトトランジスタ32として、素子にフィルタを付加したセンサユニットを用いることもあり、かかるセンサユニットの受光波長領域は、たとえば図9に示すように、主要感度領域が400nmから550nmまでの範囲にある。これらのLED31およびフォトトランジスタ32は、消費電力が比較的小さいので、本例の腕装着型携帯用電子機器1のように、計時機能と脈波計測機能を1つの小型電池で駆動する場合でも、連続稼働時間が長い。
【0045】
再び図6において、光学ユニット300は、指表面に対してガラス板304が向くように固定されるため、LED31およびフォトトランジスタ32は、それぞれの発光面および受光面を指の表面に向けた状態になる。従って、LED31から指に向けて光を照射すると、生体(血管)から反射してきた光をフォトトランジスタ32が受光し、その受光結果(脈波信号)を、光学ユニット300がケーブル20を介して機器本体10に入力すると、機器本体10では、脈波信号から脈拍数が求められる。
【0046】
(データ処理回路の構成)
すなわち、図10には、時計ケースの内部に構成されたデータ処理回路の機能の一部をブロック図で示すように、データ処理回路50において、脈波信号変換部51は、センサユニット30からケーブル20を介して入力された信号をデジタル信号に変換して脈波信号記憶部52に出力するようになっている。脈波信号記憶部52は、デジタル信号に変換された脈波データを記憶しておくRAMである。脈波信号演算部53は、脈波信号記憶部52に記憶されている信号を読み出してそれに周波数分析(高速フーリエ変換)を行ない、その結果を脈波成分抽出部54に入力するようになっている。脈波成分抽出部54は、脈波信号演算部53の出力信号(スペクトル)から脈波成分を特定、抽出して脈拍数演算部55に出力する。この脈拍数演算部55は、入力された脈波の周波数成分により脈拍数を演算し、その結果を液晶表示装置13に出力するようになっている。
【0047】
(コネクタ機構の全体構成)
図11は、コネクタ部にコネクタピースを装着した状態を腕時計における3時の方向から見た拡大図である。
【0048】
本例の腕装着型携帯用電子機器1を日常生活において通常の腕時計と同様に扱えるように、図1に示すように、ケーブル20およびセンサユニット30は、機器本体10の6時の方向に位置する端部の表面側で着脱できるようになっている。すなわち、図11において、機器本体10の端部のうち、6時の方向において、回転止め部108として延設されている部分の表面側には、ポリカーボネート樹脂製のコネクタ部70が構成され、そこには、ケーブル20の端部に構成されたポリカーボネート樹脂製のコネクタピース80(コネクタ部材)を装着できるようになっている。ここで、コネクタ部70は、機器本体10の端部のうち、6時の方向に位置する端部の表面に構成され、コネクタ部70は、機器本体10から3時の方向に張り出さないので、手首を自由に動かすことができる。また、コネクタ部70は、機器本体10から3時および9時の方向に張り出さないため、利用者が転んだときでも手がコネクタ部70にぶつからない。このため、利用者にとって、安全であるとともに、コネクタ部70が破損しない。それ故、機器本体10に対してセンサユニット30などの外部装置をコネクタ機構を介して接続する構造にしてその使い勝手を高めたときでも、高い信頼性を維持することができる。このような効果は、コネクタ部70を腕時計における12時の方向に構成しても奏するが、本例では、コネクタ部70を6時の方向に構成してあるので、機器本体10を腕に装着したとき、コネクタ部70は、手前側に位置するので、ケーブル20をより簡単に着脱できる。
【0049】
このコネクタ部70およびコネクタピース80を利用したコネクタ機構において、コネクタ部70とコネクタピース80との間で行なわれる電気的な接続は、図12に示すとおりである。
【0050】
図12において、機器本体10の側に構成されているコネクタ部70には、端子751〜757(第1の端子群)が構成されている。これらの端子751〜757に対応して、コネクタピース80には、電極部831〜837(第2の端子群)が構成されている。そのうち、端子752は、電極部832を介してLED31に第2の駆動電圧VDDを供給するためのプラス端子である。端子753は、電極部833を介してLED31のマイナス電位とされる端子である。端子754は、電極部834を介してフォトトランジスタ32に駆動用の定電圧VREGを供給するための端子である。端子751は、電極部831を介してフォトトランジスタ32のエミッタ端子からの信号が入力される端子である。端子756は、電極部836を介してフォトトランジスタ32のコレクタ端子からの信号が入力される端子である。端子755は、電極部835を介してコネクタピース80をコネクタ部70に装着したか否かを検出するための信号が入力される端子である。電極部837は、センサユニット30において人体にアースを落としており、端子757と電極部837とが電気的に接続したとき、VDDをグランド線とすることによって、電極部831〜電極部836をシールドするようになっている。
【0051】
コネクタピース80では、LED31の端子間(電極部832、833の間)に対して、第1のキャパシタC1(容量素子)、および第1のスイッチSW1が介挿されている。このスイッチSW1は、コネクタピース80をコネクタ部70から外したときに閉状態になって、LED31に対して第1のキャパシタC1を並列接続させ、コネクタピース80をコネクタ部70に装着したときに開状態になる。同様に、フォトトランジスタ32の端子間(電極部834、836)に対しては、第2のキャパシタC2(容量素子)、および第2のスイッチSW2が介挿されている。このスイッチSW2は、コネクタピース80をコネクタ部70から外したときに閉状態になって、フォトトランジスタ32に対して第2のキャパシタC2を並列接続させ、コネクタピース80をコネクタ部70に装着したときに開状態になる。
【0052】
(ショート検出手段の構成)
また、機器本体10には、コネクタピース80をコネクタ部70に装着した状態で、それらの隙間に水が侵入したことに起因して端子間および電極間でショートが発生しているか否かを検出するためのショート検出機構がデータ処理回路50に構成されている。すなわち、センサ駆動信号により、LED31およびフォトトランジスタ32による脈波計測モードに切り換わったとき、端子753、751(LED31およびフォトトランジスタ32からの信号入力端子)からマルチプレクサ56を介してA/Dコンバータ57(脈波信号変換部51)に順次入力される信号に基づいて、データ処理回路50は、端子753、751の電位を検出し、その電位レベルから、端子753(電極部833)とLED31に第2の駆動電圧VDDを印加するための端子752(電極部832)とがショート状態にあるか否かを検出するようになっている。また、データ処理回路50は、端子751(電極部831)とフォトトランジスタ32に定電圧VREGを印加するための端子754(電極部834)とがショート状態にあるか否かについても検出するようになっている。このような検出結果は、液晶表示装置13に表示されるようになっている。
【0053】
(コネクタ機構の構造)
このような構成のコネクタ部70にコネクタピース80を着脱するコネクタ機構の構成を、図13〜図17も参照して説明する。
【0054】
図13は、ケーブルの端部に構成されたコネクタピースの構成を示す拡大図、図14は、このコネクタピースに形成されている電極部および凹部を示す平面図、図15は、機器本体側のコネクタ部の拡大図、図16は、このコネクタ部に形成されている電極部および凹部を示す平面図、図17は、コネクタ部に対してコネクタピースを結合させた状態を示す縦断面図である。
【0055】
図13において、コネクタピース80には、その両側から張り出して下方に向けて突き出た一対の突出部81、82が形成されている。これらの突出部81、82の下端部では、その内側に向かって4個の係合片811、812、821、822(第2の係合用突起群)が突き出ている。コネクタピース80の下面部801(コネクタ面)には、7つの電極部831〜837(第2の端子群)が形成されており、その周囲には環状の凸条部841〜847が形成されている。
【0056】
ここで、コネクタピース80をコネクタ部70に装着する際には、後述するとおり、コネクタピース80をコネクタ部70に被せた後、矢印Qの方向(腕時計における6時の方向から12時の方向)にコネクタピース80をスライドさせるが、かかるスライド方向(矢印Qの方向)に沿って、図14に示すように、電極部831〜836は、電極部833、831、835と、電極部832、834、836との2列に形成されている。また、いずれの列でも、各電極部831〜836は、コネクタピース80のスライド方向(矢印Qの方向)に対して直交する方向にずれるように斜めに配置されている。さらに、コネクタピース80の下面部801には、機器本体10にケーブル20を接続したときの静電気の影響を防止するための回路をスイッチングする2本の作動ピン838、839が形成されている。これらの作動ピン838、839は、その取付け構造については図17を参照して後述するとおり、コネクタ部70からコネクタピース80を外した状態で先端がコネクタピース80の下面部801から突出した状態にある。
【0057】
図15に示すように、機器本体10のコネクタ部70には、その側面部に、外側に張り出す係合部71、72、73、74(第1の係合用突起群)が形成されている。従って、コネクタピース80は、コネクタ部70に以下のようにして装着することができる。まず、コクネタピース80の突出部81、82がコネクタ部70の係合部71、72、73、74の外側に位置し、かつ、係合部71と係合部72との間、および係合部73と係合部74との間に、コネクタピース80の係合片811、821が位置するように、コネクタピース80をコネクタ部70に被せる。次に、係合片811、821が係合部71と係合部72との間、および係合部73と係合部74との間をそれぞれ通り抜けるように、コネクタピース80をコネクタ部70に向けて押し付ける(コネクタピース80をコネクタ部70に装着するための第1の動作)。しかる後に、矢印Qの方向(コネクタピース80の装着方向、機器本体10の6時の方向から12時の方向)にコネクタピース80をスライドさせる(コネクタピース80をコネクタ部70に装着するための第2の動作)。その結果、係合部71、73の下に係合片811、821が潜り込む。また、係合部72、74の下に係合片812、822が潜り込む。従って、係合片811、821、812、822は、コネクタピース80の下面部801との間に係合部71、72、73、74をそれぞれ保持する状態になるので、コネクタピース80は、コネクタ部70に簡単に、かつ、確実に装着される。
【0058】
逆に、コネクタピース80をコネクタ部70から外すときには、コネクタピース80を逆に矢印Rの方向(腕時計における12時の方向から6時の方向)にスライドさせる。その結果、係合片811、821は、係合部71と係合部72との間、および係合部73と係合部74との間に位置するまで戻る。従って、コネクタピース80をそのまま持ち上げれば、コネクタピース80は、コネクタ部70から簡単に、かつ、確実に外れる。
【0059】
このようにして、コネクタピース80をコネクタ部70上でスライドさせたときに係合してコネクタ部70上にコネクタピース80が装着された状態を保持するとともに、この状態からコネクタピース80を逆の方向(矢印Rの方向)にスライドさせたときに係合状態が解除される係合機構900が構成されている。かかる構成の係合機構は、少ない部品でありながら、係合が確実である。
【0060】
ここで、各端子751〜756は、図16に示すように、電極部831〜836と同様、コネクタピース80のスライド方向(矢印Qの方向)に沿って、端子753、751、755と、端子752、754、756の2列に形成されている。また、いずれの列でも、各端子751〜756は、電極部831〜836と同様、コネクタピース80のスライド方向(矢印Qの方向)に対して直交する方向にずれるように斜め配置されている。従って、コネクタピース80をコネクタ部70に装着すると、7つの電極部831〜837に対して、7つの端子751〜757がそれぞれ電気的に接続するので、センサユニット30での計測結果をケーブル20を介して機器本体10に入力することが可能となる。
【0061】
(ストッパー機構の構成)
図15からわかるように、係合部71〜74には、側面から見ると、矢印Qの方向の側に垂直壁711、721、731、741が形成されている。従って、コネクタピース80をコネクタ部70に装着するときに、コネクタピース80を矢印Qの方向にスライドさせると(第1の動作)、係合片811、812、821、822は、垂直壁711、721、731、741にそれぞれ当接し、コネクタピース80をコネクタ部70の装着位置で停止させる。従って、垂直壁711、721、731、741は、コネクタピース80に対する第1のストッパーとして機能するようになっている。
【0062】
逆に、コネクタピース80をコネクタ部70から外すために矢印Rの方向にスライドさせると、係合片811、821は、それぞれ係合部72、74の垂直壁721、741の裏側に当接し、コネクタピース80をコネクタ部70の元の位置で停止させる。従って、垂直壁721、741の裏側は、コネクタピース80に対する第2のストッパーとして機能するようになっている。
【0063】
それ故、利用者は、コネクタ部70に対してコネクタピース80を手探りでも簡単に着脱することができる。また、利用者は、誤って過大な力をかけることがないので、コネクタ部70などが破損しない。
【0064】
(端子および電極部の構造)
コネクタ部70において、端子751〜757は、いずれも、コネクタ部70に形成された孔761〜767の内部に配置されており、それらのうちの端子754(電極部834)、作動ピン839、および端子753(電極部833)の形成位置を通る位置で切断したときの断面が、図17に表れている。
【0065】
図17において、コネクタピース80は、内部に回路基板85を収容可能な外装ケース805に蓋材806を被せた構造になっている。蓋材806には、孔863、864が形成され、その下方側の開口縁に沿って環状の凸条部843、844が形成されている。孔863、864の内部には電極部833、834が配置されている。電極部833は、ねじ881によって固定されている。電極部834は、回路基板85と蓋材806との間に挟まれた状態で固定されている。電極部833、834の周りには、防水パッキン873、874が装着されている。電極部833、834は、コネクタピース80の内部に配置された回路基板85の回路パターン上に電気的接続されている。かかる電極構造は、電極部833、834以外の電極部831、832、835、836、837も基本的には同様である。なお、回路基板85の回路パターン上には、ケーブル20の芯線がハンダ付けにより電気的接続されている。
【0066】
(クリック機構の構成)
コネクタ部70では、その凹部に蓋材706を被せた構造になっている。蓋材706には孔763、764が形成されている。これらの孔763、764の内部において、端子753、754は、先端を孔763、764から突出させた状態となるように進退可能な進退ピンとして配置されている。各端子753、754の基部側に形成された鍔部783、784に対しては、コイルばね773、774が配置されている。このため、これらのコイルばね773、774によって、端子753、754は、孔763、764から突出する方向に向けて付勢されている。但し、鍔部分783、784の外径は、孔763、764の内径よりも大きいので、端子753、754が孔763、764から抜け出てしまうことはない。かかる端子構造は、端子753、754以外の端子751、752、755、756、757も基本的には同様である。
【0067】
このように構成した端子構造において、コネクタピース80をコネクタ部70とを装着するときには、コネクタピース80をコネクタ部70上でスライドさせるため、端子753、754は、コネクタピース80の環状の凸条部843、844をコイルばね773、774に付勢されながら乗り越えて、電極部833、834に対して確実に接続する。このように、凸条部843、844、端子753、754、およびコイルばね773、774をそのまま利用して、クリック機構が構成されているので、コネクタピース80をコネクタ部70に確実に装着できる。なお、かかるクリック機構を構成するには、本例とは逆に、コネクタピース80の側に進退ピンを利用した端子を設け、コネクタ部70の側に凸条部を設けてもよい。
【0068】
(スイッチ機構の構成)
コネクタピース80の蓋材806には、孔869が形成されている。この孔869の内部には、作動ピン839が配置されている。この作動ピン839は、先端を孔869から突出させた状態となるように孔869の内部で進退可能な状態にある。作動ピン839の基部に形成された鍔部899に対しては、板ばね状のスイッチばね89が配置されている。スイッチばね89は、その先端部885によって作動ピン839を孔869から突出する方向に向けて付勢している。但し、鍔部分899の外径は、孔869の内径よりも大きいので、作動ピン839は、孔869から抜け出ることがない。スイッチばね89は、その基部が電極部833の上端面にねじ881によって止められた状態で、電極部833に電気的接続している。
【0069】
ここで、スイッチばね89の先端部885には、作動ピン839の基部に接する当接部と、そこから側方に張り出した部分に形成された接点とが形成されている。この接点は、回路基板85の回路パターンに電気的接続している。この回路パターンは、その図示を省略するが、第1のキャパシタC1と電極部833との間に介挿されている。
【0070】
従って、作動ピン839は、コネクタピース80をコネクタ部70から外した状態では、図17に実線で示すように、スイッチばね89に押されて先端が孔869から突出し、この状態では、スイッチばね89の接点は、回路基板85の回路パターンに電気的接続した状態にある。すなわち、図12において、矢印で表す作動ピン839の動きに連動して、第1のスイッチSW1が閉じて、第1のキャパシタC1は、LED31に電気的に並列接続している状態にある。よって、静電気によって高い電位にあるものが電極部832、833に触れても、その電荷は、第1のキャパシタC1に蓄積されるので、LED31は、破損しない。
【0071】
これに対して、コネクタピース80をコネクタ部70に装着すると、作動ピン839は、図17に二点鎖線で示すように、孔869の内部に引っ込む方向に移動するので、スイッチばね89を変形させる。このようにスイッチばね89が変形したとき、その接点は、回路基板85の回路パターンから浮き上がるので、電気的接続が絶たれた状態となる。従って、図12において、コネクタピース80をコネクタ部70に装着したときには、第1のスイッチSW1は、開いた状態になるので、脈波を計測可能な回路構成になる。しかも、第1のキャパシタC1に電荷が蓄積されていても、この電荷は、電極部832、833、および端子752、753を介して放電しないので、コネクタ部70および機器本体10に内蔵されている各回路が破損しない。
【0072】
このような構成のスイッチ機構は、フォトトランジスタ32に対しても構成されているが、その構成は、LED31に対するスイッチ機構と同様、作動ピン838およびスイッチばねを利用したものであるため、その説明を省略する。
【0073】
(コネクタ部とコネクタピースとの間の構造)
このように構成したコネクタ部70およびコネクタピース80において、それらの間の構造は、以下のようになっている。
【0074】
図17からわかるように、コネクタピース80において、係合機構900の一部を構成する突出部81、82は、コネクタ部70の形成領域よりも3時および9時の方向に張り出し、かつ、コネクタ部70周囲の表面との隙間を狭めており、ガード部として、コネクタ部70とコネクタピース80との間に水が侵入することを防止している。
【0075】
図11、図13および図14に示すように、コネクタピース80には、コネクタピース80をコネクタ部70に装着したときにコネクタピース80における機器本体10の側(12時の方向)およびその反対側(6時の方向)で張り出すガード部808、809が形成され、これらのガード部808、809も、コネクタ部70周囲の表面との隙間を狭めることによってコネクタ部70とコネクタピース80との間に水が侵入することを防止している。
【0076】
図17からわかるように、コネクタ部70とコネクタピース80との間では、端子群の周囲におけるコネクタ部70とコネクタピース80との隙間をその周辺領域におけるコネクタ部70とコネクタピース80との隙間よりも狭くする凸条壁が構成されている。すなわち、コネクタピース80の下面部801には凹部800が形成され、コネクタ部70の上面部701には凹部700が形成され、そこには広い隙間G1が構成されている。これに対して、コネクタ部70の上面部701のうち、端子751〜757の周りには凸条壁751A〜757Aが形成され、コネクタピース80の下面部801には、前述したとおり、電極部831〜837の周りに、クリック機構を構成する凸条部841〜847が形成されている。また、コネクタピース80では、作動ピン838、839の周囲にも凸条部848、849が構成されている。このため、端子群(端子751〜757、電極部831〜837、作動ピン838、839)の周囲におけるコネクタ部70とコネクタピース80との隙間G2は、その周辺領域における隙間G1よりも狭くなっている。また、凸条部841〜849、および凸条壁751A〜757Aは、いずれも外周側で広く開口するような形状になっている。
【0077】
このような構造のコネクタピース80において、12時から6時の方向を見ると、電極部831、834、835、836、837は、凹部800が形成されている分だけ突出した状態にある。そこで、本例では、コネクタピース80をコネクタ部70の上でスライドさせたときに、端子751、754、755、756、757が電極部831、834、835、836、837に接続しやすいように、図13および図14に示すように、電極部831、834、835、836、837の12時の側には、端子751、754、755、756、757(進退ピン)の先端が摺動しながら登る斜面部831B、834B、835B、836B、837Bがそれぞれ形成されている。
【0078】
ここで、コネクタピース80の凹部800は、図13および図14に示すように、その下面部801において各電極部831〜837の間に割り込むように構成されている。一方、コネクタ部70の凹部700は、図15および図16に示すように、その中心部から縦方向(6時および12時の方向)には上面部701の縁近くにまで延びているだけであるが、横方向(3時および9時の方向)には、上面部701からはみ出てさらに外周側にまで延びている。このため、図17からわかるように、コネクタピース80とコネクタ部70との間には、3時の方向に延びる排水経路Wが構成され、同様に、9時の方向にも排水経路Wが構成されている。排水経路Wは、コネクタピース80およびコネクタ部70に形成されている段差によって出口W1に至るまではコネクタピース80の突出部81、82の内側で屈曲しながら延びている。
【0079】
排水経路Wの途中位置には排水室WRが形成され、この排水室WRは、段差によって端子群の形成領域の側よりも低い位置に形成されている状態にある。ここで、排水室WRの隙間G3は隙間G1よりも広いので、端子群の形成領域に水が侵入したとしても、侵入した水は、腕装着型携帯用電子機器1を装着した腕を振るうちにまず端子群の形成領域から排水室WRに排出され、しかる後に出口W1から排出される。しかも、排水室WRは端子群の形成領域の側よりも低い位置にあるので、排水室WRに溜まった水は、端子群の形成領域の側に戻ることがない。さらに、排水室WRと端子群の形成領域との境界部分における隙間G4は、排水室WRの隙間G3よりも狭いことからも、排水室WRに溜まった水は端子群の形成領域の側に戻ることがない。
【0080】
また、排水経路Wの出口W1は、コネクタピース80の突出部81、82の下端部に形成されている狭い隙間G5によって構成されている。
【0081】
ここで、隙間G2、隙間G1、隙間G4、隙間G3、および隙間G5は、それぞれ0.25mm、2.06mm、0.95mm、2.5mm、0.5mmに設定されている。
【0082】
(動作)
このように構成した腕装着型携帯用電子機器1の動作を、図1および図6を参照して簡単に説明する。
【0083】
まず、図1において、腕装着型携帯用電子機器1を通常の腕時計として用いる場合には、ケーブル20およびセンサユニット30を機器本体10のコネクタ部70で外した状態で、機器本体10をリストバンド12で腕に装着する。このとき、コネクタ部70には、コネクタピース80と同じ係合機構900を備えるコネクタカバーを装着し、コネクタ部70を保護する。
【0084】
一方、腕装着型携帯用電子機器1を用いてランニング中の脈拍数を計測する場合には、コネクタピース80をコネクタ部70に装着して、ケーブル20を機器本体10に接続した後、機器本体10をリストバンド12で腕に装着する。また、センサユニット30(光学ユニット300のガラス板304)をセンサ固定用バンド40によって指に密着させた後、ランニングを行なう。
【0085】
この状態で、図6に示すように、LED31から指に向けて光を照射すると、この光が血管に届いて血液中のヘモグロビンによって一部が吸収され、一部が反射する。指(血管)から反射してきた光は、フォトトランジスタ32によって受光され、その受光量変化は、血液の脈波によって生じる血量変化に対応する。すなわち、血量が多いときには、反射光が弱くなる一方、血量が少なくなると、反射光が強くなる。従って、反射光強度の変化をフォトトランジスタ32で監視すれば、脈拍などを検出できる。かかる検出を行なうために、図10に示したデータ処理回路50では、フォトトランジスタ32(センサユニット30)から入力された信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号に周波数分析などを行なって脈拍数を演算する。そして、演算により求めた脈拍数を液晶表示装置13に表示させ、腕装着型携帯用電子機器1を脈拍計として用いる。
【0086】
再び、図6において、LED31から発せられた光は、その一部が矢印Cで示すように指を通って血管にまで到達するので、血液中のヘモグロビンからの反射光が矢印Dで示すようにフォトトランジスタ32に届く。この経路で受光された光量が生体反射量である。また、LED31から発せられた光は、その一部が矢印Eで示すように指表面で反射してフォトトランジスタ32に届く。この経路で受光された光量が皮膚反射量である。さらに、LED31から発せられた光、および血管から反射した光の一部は、矢印F、Gで示すように、指内で吸収、または分散して、フォトトランジスタ32に届かない。
【0087】
また、センサユニット30では、発光波長領域が350nmから600nmまでの範囲にあるLED31と、受光波長領域が300nmから600nmまでの範囲のフォトトランジスタ32とを用いているので、その重なり領域である約300nmから約600nmまでの波長領域における検出結果に基づいて生体情報を表示する。かかるセンサユニット30を用いれば、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指を導光体としてフォトトランジスタ32(受光部)にまで到達しない一方、300nm以下の光は、皮膚表面でほとんど吸収される。従って、検出結果は、外光の影響を受けることなく、発光部の光のみに基づく約300nmから約600nmまでの波長領域の検出結果から生体情報を計測することができる。なお、外光の影響を受けることなく、脈波情報を得るという観点からすれば、LED31として、発光波長領域が300nmから700nmまでの範囲のものを用い、フォトトランジスタ32として、受光波長領域が700nm以下のものを用いてもよい。
【0088】
(実施例1の主な効果)
以上のとおり、本例の腕装着型携帯用電子機器1では、センサユニット30から延びるケーブル20に対しては、このケーブル20を機器本体10に接続した状態および機器本体10から外した状態に切換可能なコネクタ機構(コネクタ部70およびコネクタピース80)を設けてある。このため、センサユニット30およびケーブル20を機器本体10から外せば、通常の腕時計として用いることができるので、便利である。
【0089】
ここで、コネクタピース80とコネクタ部70との隙間は、凹部700、800、凸条部841〜849、および凸条壁751A〜757Aによって、端子群(端子751〜757、電極部831〜837、作動ピン838、839)の周囲で狭く、その周辺領域で広くなっている。また、凸条部841〜849、および凸条壁751A〜757Aは、いずれも外周側で広く開口するように構成されている。従って、端子群の形成領域内に水が侵入しても、水は端子群にまで到達しにくいので、端子間でショートが発生しにくい。また、たとえショートが発生したとしても、機器本体10を軽く振るだけで、端子群に付着していた水は、広い隙間G1の周辺部分に散るので、ショート状態から簡単に復帰する。
【0090】
また、コネクタピース80とコネクタ部70との間には、端子群の形成領域内に侵入した水を外部に導く広い隙間からなる排水経路Wが形成されているため、端子群の形成領域に水が侵入したとしても、機器本体10を軽く振るだけで、水は排水経路Wを通って機器本体10から排出される。このとき、排水経路Wは屈曲しながら出口W1に延びているので、端子群の形成領域から排出されつつある水は、端子群の形成領域に戻りにくい。さらに、排水経路Wは、出口W1で隙間が狭くなっているので、そこからは水が侵入しにくい。さらに、排水経路Wは、腕時計における3時および9時の方向に延びているため、腕装着型携帯用電子機器1をリストバンド12で腕に装着した状態でジョギングなどを行うと、腕の振りに連動して、機器本体10は時計における3時および9時の方向に振られることになる。従って、端子群の形成領域に侵入した水は、排水経路Wを通って排出されやすい。しかも、排水経路Wの途中位置には端子群の形成領域の側よりも低い位置に排水室WRが形成されているので、端子群の形成領域に侵入した水は、腕装着型携帯用電子機器1を装着した腕を振るうちにまず排水室WRに排出され、そこから出口W1から排出される。しかも、排水室WRは端子群の形成領域の側よりも低い位置にあるので、排水室WRに溜まった水は端子群の形成領域の側に戻ることがない。それ故、端子間でのショートが発生しにくく、かつ、ショートが発生しても簡単に回復する。
【0091】
コネクタピース80とコネクタ部70との隙間において、12時から6時の方向を見ると、電極部831、834、835、836、837は、凹部800が形成されている分だけ突出した状態にあるが、電極部831、834、835、836、837の12時の側には、端子751、754、755、756、757(進退ピン)の先端が摺動しながら登る斜面部831B、834B、835B、836B、837Bがそれぞれ形成されている。このため、コネクタピース80とコネクタ部70との間に、凹部700、800、凸条部841〜847、および排水経路Wなどに起因する凹凸があって、かつ、スライド式のコネクタ機構を用いた場合でも、端子群同士の接続がスムーズである。
【0092】
さらに、コネクタピース80に突出部81、82およびガード部808、809を設け、これらのガード部によって、コネクタ部70を広く覆っているため、コネクタピース80との間に水が侵入しにくい。特に、マラソン途中で給水したときには、コネクタピース80とコネクタ部70との間には6時の方向から水が入りやすいが、この場合でも、コネクタピース80に対する機器本体10側にガード部808、809があるので、そこからは水が侵入しにくい。
【0093】
また、端子751〜756、および電極部831〜836は、コネクタピース80のスライド方向に沿って2列に配置され、かつ、このスライド方向に直交する方向に、各端子間および各電極間の位置が斜めにずれているので、コネクタピース80をコネクタ部70の上でスライドさせても、対応しない端子751〜756と電極部831〜836とが接触するということがない。しかも、コネクタ部70の形成面積を狭くしても、端子同士および電極部同士を離れた位置に配置できるので、コネクタピース80とコネクタ部70との間に水が侵入した場合でも、端子間および電極間がショートしにくい。また、駆動電圧がかかる端子752、754および電極部832、834などについては、特に、離れるように配置してあるため、コネクタピース80とコネクタ部70との間にたとえ水が侵入しても、異なる電位の端子同士および電極部同士の間では、特にトラッキングが発生しない。このため、LED31やフォトトランジスタ32に過電圧がかかることがない。
【0094】
さらにまた、本例の腕装着型携帯用電子機器1では、LED31の発光波長領域が350nmから600nmまでの範囲にあり、フォトトランジスタ32の受光波長領域は、主要感度領域が300nmから600nmまでの範囲にある。一方、フォトトランジスタ32として、素子とフィルタとを組み合わせたユニットを用いたときの受光波長領域は、400nmから550nmまでの範囲にある。従って、図1に示したように、簡単な遮光状態で脈波を計測しても、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、後述するとおり、指を導光体としてフォトトランジスタ32(受光部)にまで到達せず、検出には影響を与えない波長領域の光だけが、指を導光体として通ってくる。従って、本例では、指の露出部分に外光があたっても、脈波の検出結果には外光の影響が及ばないので、幅の狭いセンサ固定用バンド40で検出部を遮光するセンサユニット30を用いることができる。それ故、本例のような小さなセンサユニット30であれば、指の根元に装着した状態で手を握ることができるので、ランニングに支障がない。また、センサユニット30を指の根元に装着すると、ケーブル20が短くて済むので、ケーブル20は、ランニング中に邪魔にならない。それ故、本例の腕装着型携帯用電子機器1は、ランニング中の脈拍数などを計測するのに適している。
【0095】
また、掌から指先までの体温の分布を計測すると、寒いときには、指先の温度が著しく低下するのに対し、指の根元の温度は比較的低下しない。すなわち、寒いときでも、指の根元では、血流が著しく低下しない。従って、指の根元にセンサユニット30を装着すれば、寒い日に屋外でランニングしたときでも、脈拍数などを正確に計測できる。
【0096】
さらに、約300nmから約700nmまでの波長領域の光を利用して、脈波情報を得ているので、血量変化に基づく脈波信号のS/N比が高い。
【0097】
これらの理由を以下に説明する。
【0098】
まず、外光の影響を受けにくい理由を、図18(a)を参照して説明する。図18(a)には、光の波長と、皮膚の光透過度との関係を示してある。この図において、折れ線aは、波長が200nmの光における透過特性を示している。折れ線bは、波長が300nmの光における透過特性を示している。折れ線cは、波長が500nmの光における透過特性を示している。折れ線dは、波長が700nmの光における透過特性を示している。折れ線eは、波長が1μmの光における透過特性を示している。
【0099】
この図から明らかなように、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指を透過しにくい傾向にあるため、外光がセンサ固定用バンド40で覆われていない指の部分に照射されても、図6に点線Xで示すように、指を通ってフォトトランジスタ32まで届かない。それ故、本例のように、700nm以下の光を検出光として用いれば、指を大掛かりに覆わなくても必要最小限の範囲を覆うだけで、外光の影響を抑えることができるので、本例の腕装着型携帯用電子機器1は、屋外での使用が可能である。なお、300nmより低波長領域の光は、皮膚表面でほとんど吸収されるので、受光波長領域を700nm以下としても、実質的な受光波長領域は、300nm〜700nmとなる。
【0100】
これに対し、880nm付近に発光ピークを有するLEDと、シリコン系のフォトトランジスタとを用いると、その受光波長範囲は、図19に示すように、350nmから1200nmまでの範囲に及ぶ。従って、従来の光学系(検出装置)では、外光のうち、図6に矢印Yで示すように、指を導光体として受光部にまで容易に届いてしまう1μmの波長の光、すなわち、図18(a)の折れ線eで示す光による検出結果に基づいて脈波を検出しているので、外光の変動に起因する誤検出が起こりやすい。
【0101】
次に、本例の腕装着型携帯用電子機器1では、脈波信号のS/N比が高い理由を、図18(b)を参照して説明する。図18(b)は、光の波長と各種のヘモグロビンの吸光特性との関係を示す説明図である。
【0102】
図18(b)には、酸素と未結合のヘモグロビンの吸光特性を曲線Hbで示してあり、酸素と結合しているヘモグロビンの吸光特性を曲線HbO2 で示してある。これらの曲線が示すように、血液中のヘモグロビンは、波長が300nmから700nmまでの光に対する吸光係数が大きく、従来の検出光である波長が880nmの光に対する吸光係数に比して数倍〜約100倍以上大きい。従って、本例のように、ヘモグロビンの吸光特性に合わせて、吸光係数が大きい波長領域(300nmから700nm)の光を検出光として用いると、その検出値は、血量変化に感度よく変化するので、血量変化に基づく脈波の検出率(S/N比)が高い。
【0103】
なお、光学ユニットとしては、図20に示すように、540nmから570nmまでの範囲に主要発光領域を有するGaP系のLEDと、受光感度特性を図21に示すように、200nmから700nm近くまでの範囲に感度領域を有するGaAsP系のフォトトランジスタを用いてもよい。
【0104】
実施例2
本例の腕装着型携帯用電子機器(腕装着型脈波計測装置)は、実施例1と基本的な構成が同じであり、コネクタピース80およびコネクタ部70の表面状態のみが相違する。従って、共通する機能を有する部分については、同じ符合を付して、それらの説明を省略する。
【0105】
(コネクタピースの電極面の構造)
図22は、本例の腕装着型携帯用電子機器において、そのコネクタ機構を構成するコネクタピースを、凹凸部分などを省略して示す説明図である。
【0106】
図22において、本例でも、コネクタピース80の下面部801には、7つの電極部831〜837(第2の端子群)が形成されている。コネクタピース80をコネクタ部70に装着する際には、実施例1と同様、コネクタピース80をコネクタ部70に被せた後、矢印Qの方向にコネクタピース80をスライドさせるが、かかるスライド方向(矢印Qの方向)に沿って、電極部831〜836は、2列に形成され、かつ、各列の電極部831〜836は、コネクタピース80のスライド方向(矢印Qの方向)に対して直交する方向にずれ、斜めに配置されている。
【0107】
ここで、コネクタピース80の下面部801のうち、電極部837の形成位置を取り巻く端子周り領域802、電極部833、831、835の形成位置を取り巻く端子周り領域802、および電極部832、834、836の形成位置を取り巻く端子周り領域802は、水の接触角が約85°以上となるように撥水化処理が施されている。これに対して、端子周り領域802の周辺領域803は、水の接触角が約75°以下、好ましくは、約35°以下になるように親水化処理が施されている。
【0108】
このような親水化処理としては、電極部831〜837の周りに、界面活性剤を含有する親水シートを貼る方法、コネクタピース80自体を構成する樹脂表面にプラズマ処理を施す方法などがある。一方、撥水化処理としては、フッ素系のコーティング剤などを塗布する方法、塗料を塗布する方法、撥水性のテープを貼る方法などがある。また、端子周り領域802における水の接触角をその周辺領域803における水の接触角に比較して大きくするという観点からすれば、コネクタピース80自体を比較的撥水性の高い樹脂で構成する一方、周辺領域803に対して親水化処理のみを行なう方法もある。逆に、アクリル系などの親水性を有するモノマーをABS樹脂表面にグラフト重合処理した親水化処理済みABS樹脂でコネクタピース80を構成する一方、端子周り領域802に対して撥水化処理を行なう方法もある。
【0109】
ここに、コネクタ部70やコクネタピース80を構成するポリカーボネート系樹脂素材、撥水化および親水化のための各方法を講じたときの接触角(計測値およびその平均値)、およびその耐久性を意味する指紋付着後の接触角(計測値およびその平均値)を比較した結果を表1に示す。指紋が付着した状態は、油脂(脂肪酸のグリセリンエステル)を付着することにより再現してある。
【0110】
【表1】
Figure 0003594730
【0111】
表1に示すように、各種の処理によって接触角が変化するが、撥水化処理のうち、旭硝子社製の商品名サイトップをコーティングした場合には、引っ掻いたときの耐久性の面で特に優れている。また、各の親水化処理のうち、アクリル系などの親水性を有するモノマーをABS樹脂表面にグラフト重合処理した親水化処理済みABS樹脂は、耐磨耗性の面で特に優れている。
【0112】
(コネクタ部の端子面の構造)
図23に示すように、コネクタ部70において、各端子751〜756は、電極部831〜836と同様、コネクタピース80のスライド方向(矢印Qの方向)に沿って2列に形成され、いずれの列でも、各端子751〜756は、コネクタピース80のスライド方向(矢印Qの方向)に対して直交する方向にずれるように斜め配置されている。
【0113】
ここで、コネクタ部70の上面部701のうち、端子751〜757の形成位置を取り巻く端子周り領域702は、水の接触角が85°以上となるように撥水化処理が施されている。これに対して、端子周り領域702の周辺領域703は、水の接触角が約75°以下、好ましくは、約35°以下になるように親水化処理が施されている。
【0114】
コネクタピース80の場合と同様、親水化処理としては、端子751〜757の形成位置の周りに、界面活性剤を含有する親水シートを貼る方法、コネクタ部70自体を構成する樹脂表面にプラズマ処理を施す方法などがある。一方、撥水化処理としては、フッ素系のコーティング剤などを塗布する方法、塗料を塗布する方法、撥水性のテープを貼る方法などがある。また、端子周り領域702における水の接触角をその周辺領域703における水の接触角に比較して大きくするという観点からすれば、コネクタ部70自体を比較的撥水性の高い樹脂で構成する一方、周辺領域703に対して親水化処理のみを行なう方法もある。逆に、アクリル系などの親水性を有するモノマーをABS樹脂表面にグラフト重合処理した親水化処理済みABS樹脂でコネクタ部70を構成する一方、端子周り領域702に対して撥水化処理を行なう方法もある。
【0115】
(実施例2の効果)
このように構成した腕装着型携帯用電子機器1において、コネクタ部70にコネクタピース80を装着すると、コネクタ部70の上面部701とコネクタピース80の下面部801とは、狭い隙間を介して対向する状態になる。このため、コネクタ部分に水に触れると、毛管現象によって水が隙間内の奥にまで入り込む。ここに、コネクタ部70の上面部701では、各端子751〜757の形成位置を取り巻く端子周り領域702における水の接触角は、その周辺領域703における水の接触角に比較して大きい。また、コネクタピース80の下面部801では、各電極部831〜837の形成位置を取り巻く端子周り領域802における水の接触角は、その周辺領域803における水の接触角に比較して大きい。すなわち、端子周り領域702、802とその周辺領域703、803とを相対比較すれば、端子周り領域702、802は、撥水性を有しているのに対して、その周辺領域703、803は、親水性を有している。従って、コネクタ部70とコネクタピース80との隙間に水が入り込んでも、各端子751〜757および各電極部831〜837の近くおいて、 水は、端子周り領域702、802から退けられ、周辺領域703、803に引き寄せられるため、各端子751〜757の間、および各電極部831〜837の間でショートが発生しにくい。また、たとえ一時的にショート状態になっても、腕を振る位の簡単な動作で各端子751〜757および各電極部831〜837の近くから水を簡単に除去できるので、ショート状態から簡単に復帰する。それ故、本例の腕装着型携帯用電子機器1では、多少の雨がかかっても端子間のショートが発生しにくく、一時的にショート状態になっても、早期に、かつ簡単に復帰させることができるので、屋外において、ランニング中の脈波を計測するのに適している。
【0116】
しかも、本例の腕装着型携帯用電子機器1では、コネクタ部70およびコネクタピース80の対向する上面部701および下面部801の双方において、端子周り領域702、802における水の接触角が、その周辺領域703、803における水の接触角に比較して大きいので、ショートの発生をより確実に防止できるとともに、ショート状態から簡単に復帰する。
【0117】
たとえば、図22および図23に示したコネクタ部70およびコネクタピース80について、各コネクタ面を平坦に構成したものを用いて、表2に示す試料1、2について耐ショート性能および回復性能を試験した。その結果を表2に示す。
【0118】
ここで、試料1は、コネクタ部70の端子周り領域702に旭硝子社製の商品名サイトップのコーティングによって撥水化処理を行うとともに、その周辺領域703に親水処理としてプラズマ処理を施し、コネクタピース80の端子周り領域802には日本油脂社製の商品名モディパーF200のコーティングによって撥水化処理を行い、その周辺領域803は、コネクタピース80を構成する素材(三菱瓦斯化学社製の商品名ユーピロン:ポリカーボネート樹脂)自身の接触角を有する試料である。
【0119】
試料2は、コネクタ部70の端子周り領域702には日本油脂社製の商品名モディパーF200のコーティングによって撥水化処理を行うとともに、その周辺領域703には、親水シートを貼り、コネクタピース80の端子周り領域802には旭硝子社製の商品名サイトップのコーティングによって撥水化処理を行い、その周辺領域803には、親水シートを貼った試料である。
【0120】
【表2】
Figure 0003594730
【0121】
試料1では、端子周り領域702は、水の接触角が96.0°であり、その周辺領域703は、水の接触角が75.1°であり、端子周り領域802は、水の接触角が101.5°であり、周辺領域803は、水の接触角が83.3°である。従って、試料1において、端子周り領域702、802は、周辺領域703、803に比して、水の接触角が約10°から約25°大きい。
【0122】
これに対して、試料2では、端子周り領域702は、水の接触角が101.5°であり、端子周り領域802は、水の接触角が96.0°であり、周辺領域703、803は、水の接触角が14.1°である。従って、試料2において、端子周り領域702、802は、周辺領域703、803に比して、水の接触角が約80°から約85°大きい。
【0123】
なお、試料1、2では、コネクタ面の対向距離が0.56mmである。
【0124】
この評価では、コネクタ部70およびコネクタピース80と同様な構造のコネクタ単体を、まず、5%の食塩水に下端側(端子751、754の側の縁)だけ浸漬した後、引上げ、しかる後に、試料1、2について、端子751と端子754との間の抵抗値、端子751と端子752との間の抵抗値を計測した。その結果、いずれの端子間でも、抵抗値が無限大であり、ショート状態にないことが確認できた。
【0125】
また、コネクタ部70およびコネクタピース80と同じ構造のコネクタ単体を、5%の食塩水に完全に浸漬した後、引上げ、その直後および3分経過した後の試料1、2について、端子751と端子754との間の抵抗値、端子751と端子752との間の抵抗値を計測した。その結果、表2に示すように、抵抗値が数百kΩまで低下し、ショート状態となる。但し、試料1、2のいずれにおいても、コネクタ部分の下端側にティッシュペーパーを押し当てるだけで、ショート状態から復帰することが確認できた。
【0126】
さらに、本例では、コネクタ部70およびコネクタピース80において、端子周り領域702、802には撥水化処理を施し、周辺領域703、803には親水化処理を施すことにより、これらの領域間における水の接触角の差を大きくしてある。それ故、各端子751〜756の間、および各電極部831〜836の間でショートが発生しない。また、たとえ一時的にショート状態になっても、腕装着型携帯用電子機器1を振る位の動作で、各端子751〜756および各電極部831〜836の近くから水を簡単に除去できるので、ショート状態から簡単に復帰する。
【0127】
また、図22および図23に示したコネクタ部70およびコネクタピース80について、各コネクタ面を平坦に構成したものを用いて、表3に示す各試料について耐ショート性能および回復性能を検討した。
【0128】
試料3は、コネクタ部70の端子周り領域702に日本油脂社製の商品名モディパーF200のコーティングによって撥水化処理を行うとともに、コネクタピース80の端子周り領域802に旭硝子社製の商品名サイトップのコーティングによって撥水化処理を行い、周辺領域703、803は、コネクタ部70およびコネクタピース80を構成する素材(三菱瓦斯化学社製の商品名ユーピロン:ポリカーボネート樹脂)自身の接触角を有する試料である。
【0129】
試料4は、コネクタ部70の端子周り領域702に日本油脂社製の商品名モディパーF200のコーティングによって撥水化処理を行うとともに、コネクタピース80の端子周り領域802に旭硝子社製の商品名サイトップのコーティングによって撥水化処理を行い、さらに、周辺領域703、803に親水シートを貼った試料である。
【0130】
試料5は、コネクタ部70の端子周り領域702に旭硝子社製の商品名サイトップのコーティングによって撥水化処理を行うとともに、周辺領域703に親水シートを貼り、コネクタピース80は、三菱瓦斯化学社製の商品名ユーピロン(ポリカーボネート樹脂)のままである。
【0131】
【表3】
Figure 0003594730
【0132】
試料3では、端子周り領域702は、水の接触角が101.5°であり、端子周り領域802は、水の接触角が96.0°であり、周辺領域703、803は、水の接触角が83.3°である。従って、試料3において、端子周り領域702、802は、周辺領域703、803に比して、水の接触角が約10°から約20°大きい。
【0133】
試料4では、端子周り領域702は、水の接触角が101.5°であり、端子周り領域802は、水の接触角が96.0°であり、周辺領域703、803は、水の接触角が14.1°である。従って、試料4において、端子周り領域702、802は、周辺領域703、803に比して、水の接触角が約80°から約85°大きい。
【0134】
試料5では、端子周り領域702は、水の接触角が96.0°であり、周辺領域703は、水の接触角が14.1°である。一方、コネクタピース80の側では、端子周り領域802および周辺領域803は、水の接触角が83.3°である。
【0135】
なお、試料3、5では、コネクタ面間距離は、0.6mmである。これに対して、試料4については、コネクタ面間距離を0.6mmとしたもの、および0.3mmとしたものについて評価してある。
【0136】
この評価では、図24(a)に示すように、コネクタ部70およびコネクタピース80と略同じ構造で、コネクタ面が平坦なコネクタ単体を、まず、5%の食塩水に完全に浸漬した後、図24(b)に示すように、引上げ、しかる後に、図24(c)および図24(d)に示すように、約6cmの落差をもって自由落下させる動作を繰り返したとき、電極部834と電極部835との間(端子754と端子755との間)の抵抗値が無限大になるまでに必要な落下回数を測定する。その結果は、表3に示すとおりである。
【0137】
表3に示すように、上記の試験を20回ずつ繰り返し行い、その平均値を比較したところ、端子周り領域702、802に撥水化処理を施し、周辺領域703、803に親水化処理を施した試料4において、コネクタ面間距離を0.6mmとしたものでは、1.8回の落下でショート状態から復帰し、コネクタ面間距離を0.3mmとしたものでは、2.5回の落下でショート状態から復帰する。また、コネクタ部70の端子周り領域702に旭硝子社製の商品名サイトップのコーティングによって撥水化処理を行うとともに、周辺領域703に親水シートを貼った試料5では、3.1回の落下でショート状態から復帰する。これに対して、端子周り領域702、802だけについてコネクタ部70またはコネクタピース80を構成する素材を改質した試料3では、9.8回の落下でショート状態から復帰するものの、試料4、5よりはその復帰に手間がかかる。
【0138】
また、コネクタ面間距離が0.6mm同士のものを比較すると、試料4は、試料3に比較して5%食塩水に浸漬した直後の抵抗値が大きいこと、すなわちショート状態になりにくいことも確認できた。
【0139】
なお、評価試験を繰り返し行なった結果、端子周り領域702、802における水の接触角と、その周辺領域703、803における水の接触角との差については、約50°以上であれば、端子間のショートが著しく発生しにくく、また、一時的にショート状態になっても、簡単に復帰することが確認できている。
【0140】
また、上記の親水化処理および撥水化処理のいずれをも行わない試料と、上記の親水化処理および撥水化処理の双方を行った試料とについて、食塩水に完全に浸漬した後、引き上げたときにすぐに抵抗値が無限大になるときの隙間寸法の下限値を検討したところ、親水化処理および撥水化処理のいずれをも行わない試料では隙間寸法の下限値が約2.2mmであるのに対して、親水化処理および撥水化処理の双方を行った試料では隙間寸法の下限値が約1.6mmである。このような評価からも、親水化処理および撥水化処理の双方を行った試料では、狭い隙間であっても水がすぐに排出されることがわかるとともに、約2mm以上の隙間であれば、隙間に入った水がスムーズに排出されることがわかる。
【0141】
実施例3
実施例2では、初期状態において、端子周り領域702、802と周辺領域703、803の間において、水の接触角が異なるように構成したが、本例では、コネクタ部70やコネクタピース80を頻繁に手で触れた後でも、端子間および電極間でショートが発生しにくいように構成してある。
【0142】
本例では、基本的な構成が実施例1、2と同様であるため、対応する部分には、同じ符号を付してその構造などの説明を省略する。本例では、図22に示すコネクタピース80の下面部801、および図23に示すコネクタ部70の上面部701において、各領域を同じ材質としたまま、端子周り領域702、802を平滑面で構成し、周辺領域703、803を細かな凹凸面で構成してある。
【0143】
このように構成した腕装着型携帯用電子機器1のコネクタ構造において、初期段階では、端子周り領域702、802と、周辺領域703、803との間には、水の接触角に差がないか、あるいは、実施例2とは逆に、端子周り領域702、802の方が周辺領域703、803よりも水の接触角がわずかに小さい場合もあるが、その表面に指紋が付着した場合には、平滑面からなる端子周り領域702、802は、凹凸面からなる周辺領域703、803に比して水の接触角が大きくなる。すなわち、各領域に指紋が付着した状態を再現する目的に、油脂(たとえば、脂肪酸のグリセリンエステル)を付着させると、後に詳述するとおり、凹凸面で構成した周辺領域703、803の方が、平滑面で構成した端子周り領域702、802よりも、水の接触角が小さい。
【0144】
ここに、凹凸面としては、各種の形態があるが、本例では、周辺領域703、803を構成する凹凸面として、いわゆるシボを粗く形成した面、細かなシボを形成した面、筋目を形成した面について、成形直後(初期状態)、および油脂を付着させた後の水の接触角を測定した。一方、端子周り領域702、802を構成する平滑面として、略鏡面に近い平滑面について、成形直後(初期状態)、および油脂を付着させた後の水の接触角を測定した。それらの測定結果を表4に示す。なお、基材としては、通常のポリカーボネート樹脂、およびフッ素含有のポリカーボネート樹脂を用いた。
【0145】
【表4】
Figure 0003594730
【0146】
その結果、表4から明らかなように、いずれの樹脂においても、初期的には、必ずしも凹凸面の方が水の接触角が小さいといえないが、油脂を付着させた後の状態で比較すると、鏡面に比較して、凹凸面の方が水の接触角として10°〜20°程小さい。特に、凹凸面のうち細かなシボを形成した面は、水の濡れ性が最もよい。
【0147】
このように、腕装着型携帯用電子機器1を使用するうちに、コネクタ部70およびコネクタピース80に手の油が付着すると、端子周り領域702、802は、撥水性を発揮してくるのに対して、その周辺領域703、803は、親水性を発揮してくるといえる。この状態では、コネクタ部70とコネクタピース80との隙間に水が入り込んでも、各端子751〜756および各電極部831〜836の近くにおいて、水は、端子周り領域702、802から退けられ、周辺領域703、803に引き寄せられる。それ故、各端子751〜756の間、および各電極部831〜836の間でショートが発生しにくい。また、たとえ一時的にショート状態になっても、腕を振る位の動作によって、各端子751〜756および各電極部831〜836の近くから水を簡単に除去できるので、ショート状態から簡単に復帰する。
しかも、かかるコネクタ構造のように、接触角に差をつけるのに凹凸の有無を利用した場合には、コネクタ部70およびコネクタピース80を成形するときの金型に加工を施しておくだけでよいという利点がある。
【0148】
なお、筋目を構成した面では、筋目を横切る方向よりは、筋目に沿う方向に水滴が1割程度延びた状態になる。従って、かかる濡れ性の異方性を利用した構造として、たとえば、周辺領域703、803には、端子周り領域702、802に対して同心円状の筋目を形成し、端子周り領域702、802への水の侵入を防いでもよい。また、凹凸面としては、シボ面、筋目の他にも、梨地模様を付した面でもよい。
【0149】
実施例2、3の変形例
また、実施例2のような各処理と、実施例3のような面形状を組み合わせることによって、初期的および経時的(油脂・指紋が付着した以降)のいずれの場合においても、端子周り領域702、802における水の接触角が、周辺領域703、803における水の接触角に比較して大きいように構成すれば、初期的にも経時的にもショートが発生せず、また、ショートが発生しても簡単に復帰させることのできるコネクタ構造を実現できる。
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、このように構成した腕装着型携帯用電子機器では、端子群の形成領域に水が侵入したとしても、水は、排水経路を通って機器本体から排出される。ここで、排水経路は屈曲しながら出口に延びているので、端子群の形成領域から排出されつつある水は、端子群の形成領域に戻りにくい。しかも、排水経路は出口部分で隙間が狭くなっているので、そこからは水が侵入しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した腕装着型携帯用電子機器の使用状態を示す説明図である。
【図2】図1に示す腕装着型携帯用電子機器の機器本体の平面図である。
【図3】図1に示す腕装着型携帯用電子機器の機器本体の底面図である。
【図4】図1に示す腕装着型携帯用電子機器の機器本体を腕時計の6時の方向からみたときの説明図である。
【図5】図1に示す腕装着型携帯用電子機器の機器本体を腕時計の3時の方向からみたときの側面図である。
【図6】図1に示す腕装着型携帯用電子機器において、センサユニットを指に装着した状態を示す説明図である。
【図7】図1に示す腕装着型携帯用電子機器に用いたInGaN系青色LEDの発光スペクトルを示す説明図である。
【図8】図1に示す腕装着型携帯用電子機器に用いたInGaP系フォトトランジスタの受光特性を示す説明図である。
【図9】図1に示す腕装着型携帯用電子機器に用いたフィルタ付きのフォトトランジスタユニットの受光特性を示す説明図である。
【図10】図1に示す腕装着型携帯用電子機器のデータ処理回路の機能を示すブロック図である。
【図11】図1に示す腕装着型携帯用電子機器のコネクタ機構を腕時計における3時の方向からみたときの拡大図である。
【図12】図1に示す腕装着型携帯用電子機器のコネクタ部分における電気的な接続関係を示す説明図である。
【図13】図11に示すコネクタ機構に用いたコネクタピース(センサユニット側のコネクタ部分)の構造を示す説明図である。
【図14】図13に示すコネクタピースの平面図である。
【図15】図11に示すコネクタ機構に用いたコネクタ部(機器本体側のコネクタ部分)の構造を示す説明図である。
【図16】図15に示すコネクタ部の平面図である。
【図17】図13に示すコネクタピースを図15に示すコネクタ部に装着した状態を示す断面図である。
【図18】(a)は、光の波長と皮膚の光透過度との関係を示すグラフ図、(b)は、光の波長と各種のヘモグロビンの吸光特性との関係を示す説明図である。
【図19】従来の腕装着型携帯用電子機器に用いたシリコン系のフォトトランジスタの受光特性を示す説明図である。
【図20】図1に示す腕装着型携帯用電子機器に用いたGaP系のLEDの発光スペクトルを示す説明図である。
【図21】図1に示す腕装着型携帯用電子機器に用いたGaAsP系フォトトランジスタの受光特性を示す説明図である。
【図22】本発明の実施例2、3に係る腕装着型携帯用電子機器におけるコネクタ部分のうち、センサユニット側のコネクタ部の構造を示す斜視図である。
【図23】本発明の実施例2、3に係る腕装着型携帯用電子機器におけるコネクタ部分のうち、センサユニット側のコネクタ部の構造を示す斜視図である。
【図24】(a)〜(d)は、本発明の実施例2、3に係る腕装着型携帯用電子機器おいて、コネクタ部分の耐ショート性能、およびショート状態からの復帰性能に関する試験方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・腕装着型携帯用電子機器
10・・・機器本体
12・・・リストバンド
13・・・液晶表示装置
20・・・ケーブル
30・・・センサユニット
31・・・LED
32・・・フォトトランジスタ
40・・・センサ固定用バンド
50・・・データ処理回路
70・・・コネクタ部
80・・・コネクタピース
300・・・光学ユニット
700・・・コネクタ部の上面部の凹部
702、802・・・端子周り領域
703、803・・・周辺領域
751〜757・・・端子(第1の端子群)
751A〜757A・・・端子周囲の凸条壁
800・・・コネクタピースの下面部の凹部
808、809・・・ガード部
81、82・・・突出部(ガード部)
831〜837・・・電極部(第2の端子群)
831B、834B〜837B・・・斜面部
838、839・・・作動ピン
841〜847・・・電極部周囲の突条部(凸条壁)
900・・・係合機構
W・・・排水経路
W1・・・排水経路の出口
WR・・・排水室

Claims (11)

  1. 時刻情報などを表示するための表示部を備える機器本体と、
    該機器本体を腕に装着するためのリストバンドと、前記機器本体に信号を入力するためのコネクタ機構とを有する腕装着型携帯用電子機器において、
    前記コネクタ機構は、前記機器本体の端部表面において第1の端子群を備えるコネクタ部と、該コネクタ部に装着されたときに前記第1の端子群にそれぞれ電気的接続する第2の端子群を備えるコネクタ部材とを備え、
    前記コネクタ部材と前記コネクタ部との間には、前記端子群の形成領域内に侵入した水を外部に導く排水経路を備え、前記排水経路は、その出口に至るまでは屈曲しながら延びているとともに、前記排水経路の途中位置には、前記端子群の形成領域の側よりも低い位置に排水室を有しており、前記出口の隙間は前記排水室の隙間より狭くなっていることを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  2. 請求項において、前記排水経路は、前記端子群の形成領域から腕時計における3時および9時の方向に延びていることを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  3. 請求項1または2のいずれかの項において、前記コネクタ機構は、前記コネクタ部材を前記コネクタ部上でスライドさせたときに該コネクタ部上に前記コネクタ部材が装着された状態を保持する係合機構を備え、
    前記第1および第2の端子群のうちの一方側の端子群は、穴の内部で進退可能な進退ピンとして形成され、他方側の端子群の周囲には、前記コネクタ部上で前記コネクタ部材を装着方向にスライドさせたときに前記端子群同士が接続するまで前記進退ピンの先端が摺動しながら登る斜面部を備えることを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  4. 請求項において、前記コネクタ機構は、前記コネクタ部材を前記コネクタ部上でスライドさせたときに該コネクタ部上に前記コネクタ部材が装着された状態を保持する係合機構を備え、
    前記第1の端子群および前記第2の端子群には、前記コネクタ部材のスライド方向に沿って複数列に配置されているとともに、各端子間において当該スライド方向に対して直交する方向にずれた位置に形成された端子群が含まれていることを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  5. 請求項1ないしのいずれかの項において、前記コネクタ部および前記コネクタ部材の互いに対向する面のうちの少なくとも一方の面では、前記端子群の形成位置を取り巻く端子周り領域における水の接触角が該端子周り領域の周辺領域における水の接触角に比較して大きいことを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  6. 請求項において、前記コネクタ部および前記コネクタ部材の互いに対向する面の双方で、前記端子周り領域における水の接触角が該端子周り領域の周辺領域における水の接触角に比較して大きいことを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  7. 請求項5または6のいずれかの項において、前記端子周り領域は撥水化処理が施され、前記周辺領域は親水化処理が施されていることにより、前記端子周り領域における水の接触角が該端子周り領域の周辺領域における水の接触角に比較して大きいことを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  8. 請求項1ないしのいずれかの項において、前記コネクタ部および前記コネクタ部材の互いに対向する面のうちの少なくとも一方の面では、油脂を付着した状態で評価したとき、前記端子群の形成位置を取り巻く端子周り領域における水の接触角が該端子周り領域の周辺領域における水の接触角に比較して大きいことを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  9. 請求項において、前記コネクタ部および前記コネクタ部材の互いに対向する面の双方で、油脂を付着した状態で評価したとき、前記端子周り領域における水の接触角が該端子周り領域の周辺領域における水の接触角に比較して大きいことを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  10. 請求項または10において、前記端子周り領域は平滑面で構成され、該端子周り領域の周辺領域は凹凸面で構成されていることにより、油脂を付着した状態で評価したとき、前記端子周り領域における水の接触角が該端子周り領域の周辺領域における水の接触角に比較して大きいことを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
  11. 請求項1ないし10のいずれかの項において、さらに、前記コネクタ部材に接続するケーブルと、該ケーブルおよび前記コネクタ部材を介してセンサの検出結果を前記機器本体に入力するセンサユニットとを有し、該センサユニットは、生体に向けて光を照射する発光素子と、生体から届く光を検出する受光素子とを備え、前記センサユニットが前記受光素子の受光結果を前記機器本体に入力することにより、該機器本体は、前記表示部において脈波の計測結果を表示するように構成されていることを特徴とする腕装着型携帯用電子機器。
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