JP3554085B2 - 脈波情報計測装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、脈拍数などの脈波情報を計測、表示するための脈波情報計測装置に関するものであり、更に詳しくは、その脈波信号検出部の構造技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
脈拍数などの脈波情報を計測、表示可能な脈波情報計測装置のうち、光学式のものでは、LEDから指表面に向けて光を照射する一方、指(血管)から反射してきた光をフォトトランジスタで受光することにより、血量変化を受光量の変化として検出し、その検出結果に基づいて脈拍数などを計測するようになっている。このような脈波情報計測装置では、図29(a)、(b)に示すように、LED31C、31D、及びフォトトランジスタ32C、32Dの表面側に透光板34C、34Dが配置され、この透光板34C、34Dの外側表面341C、341Dに指を押し当てて脈波信号を検出する。ここで、透光板34C、34Dの周囲を基準面361C、361Dとしたときに、透光板34C、34Dの外側表面341C、341Dは、この基準面361C、361Dと同一面上にあるか、あるいは、基準面361C、361Dよりも引っ込んだ位置にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の脈波情報計測措置では、脈波信号の検出感度が低く、特に、ランニング中の脈拍数の監視など、携帯しながら用いたときの感度やデータの信頼性が低いという問題点がある。かかる問題点について、本願発明者は、その理由を検討したところ、透光板34C、34Dの外側表面341C、341Dと指との密着性が十分でないという結論に到達した。
【0004】
ここに、本発明の課題は、生体表面と透光板との密着性を高めることによって、検出感度やデータの信頼性が高い脈波情報計測装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、生体表面に向けて光を発する発光素子、該発光素子が発した光のうち生体の側から反射してくる光を受光可能な受光素子、及び該受光素子及び前記発光素子の表面側に配置され、外側表面に生体表面が密着した状態とされる透光板を備える脈波信号検出部と、前記受光素子の受光結果に基づいて脈波情報を求めるデータ処理部と、該データ処理部が求めた前記脈波情報を表示するための表示部を備える装置本体とを有する脈波情報計測装置において、前記脈波信号検出部における前記透光板の周囲の外側表面を基準面としたときに、前記透光板の外側表面は、前記基準面から突出した位置にあり、前記脈波信号検出部における前記透光板の周囲の外側表面には、該透光板を生体表面に密着させたときに生体表面に接触する人体アース用端子を有し、前記人体アース用端子の外側表面は、前記透光板の外側表面より低い位置まで前記基準面から突出した位置にあることを特徴とする。
【0006】
本発明において、透光板の外側表面は、平坦面で構成することができる。また、透光板の外側表面は、凸面で構成することもできる。
【0008】
本発明において、さらに、装置本体を腕に取り付けるためのリストバンドと、装置本体から延び、先端部に脈波信号検出部がセンサユニットとして構成されたケーブルと、透光板の外側表面と生体表面とが密着した状態となるようにセンサユニットを生体に取り付けるためのユニット固定手段と設ければ、ランニング中の脈拍数などを検出できる腕装着型脈波情報計測装置として構成できる。
【0009】
【作用】
本発明に係る脈波情報計測装置において、発光素子及び受光素子を覆う透光板の外側表面は、透光板の周囲の部分よりも突出した構造になっているため、生体表面は、透光板の外側表面の全体に密着した状態となる。また、携帯時に用いたときなど、生体が透光板を押す力が変化しても、密着状態は安定したままである。しかも、透光板の外側表面が突出している分だけ、生体を押し当てたとき、血管中で滞留している血をこの部分から押し退けるため、受光素子で検出した信号には、滞留する血の影響が少ない。それ故、受光素子の脈波信号に対する検出感度が高いとともに、得られたデータの信頼性が高い。
【0010】
透光板の外側表面を平坦面で構成した場合には、生体を透光板の外側表面全体に均等に密着させることができる。一方、透光板の外側表面を凸面に構成した場合には、透光板の外側表面に軽く生体を当てるだけで、透光板に押圧力がかかるので、生体表面と透光板の外側表面との密着性を高めることができる。
【0011】
センサユニットにおいて、人体アース用端子の外側表面もその周囲の部分から突出している場合には、生体を透光板に押し当てたとき、生体は人体アース用端子に確実に接触する。この場合でも、人体アース用端子の外側表面は、透光板の外側表面よりも低い位置にあるので、生体と透光板の外側表面とが密着するのを妨げない。
【0012】
【実施例】
図面に基づいて、本発明の一実施例を説明する。
【0013】
(全体構成)
図1は、本例の腕装着型脈波情報計測装置の使用状態を示す説明図である。
【0014】
図1において、本例の腕装着型脈波情報計測装置1(脈波情報計測装置)は、腕時計構造を有する装置本体10と、この装置本体10に接続されるケーブル20と、このケーブル20の先端側に設けられたセンサユニット30(脈波信号検出部)とから大略構成されている。装置本体10には、腕時計における12時方向から腕に巻きついてその6時方向で固定されるリストバンド12が設けられ、このリストバンド12によって、装置本体10は、腕に着脱自在である。センサユニット30は、センサ固定用バンド40(ユニット固定手段)によって人差し指(生体)の根元から指関節までの間に装着されている。
【0015】
(装置本体の構成)
図2は、本例の腕装着型脈波情報計測装置の装置本体を、リストバンドやケーブルなどを外した状態で示す平面図、図3は、腕装着型脈波情報計測装置を3時の方向からみた側面図である。
【0016】
図2において、装置本体10は、樹脂製の時計ケース11(本体ケース)を備えており、この時計ケース11の表面側には、現在時刻や日付に加えて、脈拍数などの脈波情報などをデジタル表示する液晶表示装置13(表示部)が構成されている。時計ケース11の内部には、センサユニット30による検出結果(脈波信号)に基づいて脈拍数の変化などを液晶表示装置13で表示するために、検出信号に対する信号処理を行なうデータ処理回路50が構成されている。データ処理回路50には、計時回路も構成されているため、通常時刻、ラップタイム、スプリットタイムなども液晶表示装置13に表示可能である。
【0017】
時計ケース11の外周部には、時刻合わせや表示モードの切り換えなどを行なうためのボタンスイッチ111〜115が構成され、 時計ケース11の表面には、ボタンスイッチ116、117が構成されている。腕装着型脈波情報計測装置1の電源は、時計ケース11に内蔵されているボタン形の電池59であり、ケーブル20は、電池59からセンサユニット30に電力を供給するとともに、センサユニット30の検出結果を時計ケース11内のデータ処理回路50に入力している。
【0018】
腕装着型脈波情報計測装置1では、その機能を増やすにともなって、装置本体10を大型化する必要があるが、装置本体10には、腕に装着されるという制約があるため、装置本体10を腕時計における6時及び12時の方向に向けては拡大できない。そこで、本例では、装置本体10には、3時及び9時の方向における長さ寸法が6時及び12時の方向における長さ寸法よりも長い横長の時計ケース11を用いてある。但し、リストバンド12は、3時の方向側に偏った位置で接続しているため、リストバンド12からみると、腕時計における9時の方向に大きな張出部分101を有するが、かかる大きな張出部分は、3時の方向にはない。従って、横長の時計ケース11を用いたわりには、手首を自由に曲げることができ、かつ、転んでも手の甲を時計ケース11にぶつけることがない。
【0019】
時計ケース11の内部において、電池59に対して9時の方向には、ブザー用の偏平な圧電素子58が配置されている。電池59は、圧電素子58に比較して重いため、装置本体10の重心位置は、3時の方向に偏った位置にある。この重心が偏っている側にリストバンド12が接続しているので、装置本体10を腕に安定した状態で装着できる。また、電池59と圧電素子58とを面方向に配置してあるため、装置本体10を薄型化できるとともに、図3に示すように、裏面部119に電池蓋118を設けることによって、ユーザーは、電池59を簡単に交換できる。
【0020】
(装置本体の回り止め防止構造)
図3において、時計ケース11の12時の方向には、リストバンド12の端部に取り付けられた止め軸121を保持するための連結部105が形成されている。時計ケース11の6時の方向には、腕に巻かれたリストバンド12が長さ方向の途中位置で折り返されるとともに、この途中位置を保持するための留め具122が取り付けられる受け部106が形成されている。
【0021】
装置本体10の6時の方向において、裏面部119から受け部106に至る部分は、時計ケース11と一体に成形されて裏面部119に対して約115°の角度をなす回転止め部108になっている。すなわち、リストバンド12によって装置本体10を左の手首L(腕)の上面部L1(手の甲の側)に位置するように装着したとき、時計ケース11の裏面部119は、手首Lの上面部L1に密着する一方、回転止め部108は、橈骨Rのある側面部L2に当接する。この状態で、装置本体10の裏面部119は、橈骨Rと尺骨Uを跨ぐ感じにある一方、回転止め部108と裏面部119との屈曲部分109から回転止め部108にかけては、橈骨Rに当接する感じになる。このように、回転止め部108と裏面部119とは、約115°という解剖学的に理想的な角度をなしているため、装置本体10を矢印Aの方向に、また、装置本体10を矢印Bの方向に回そうとしても、装置本体10は、それ以上不必要にずれない。また、裏面部119及び回転止め部108によって腕の回りの片側2ヵ所で装置本体10の回転を規制するだけである。このため、腕が細くても、裏面部119及び回転止め部108は確実に腕に接するので、回転止め効果が確実に得られる一方、腕が太くても窮屈な感じがない。
【0022】
(センサユニットの構成)
図4は、本例の腕装着型脈波情報計測装置に用いたセンサユニットの平面図、図5は、図4のI−I′線における断面図、図6は、図4のII−II′線における断面図、図7は、図4の III−III ′線における断面図である。
【0023】
図4において、センサユニット30は、そのケース体としてのセンサ枠36の内側に部品収納空間300が構成され、この部品収納空間300の内部には、回路基板35が配置されている。回路基板35には、LED31、フォトトランジスタ32、ダイオード391、及びトランジスタ392などの電子部品が実装されている。また、センサユニット30には、ブッシュ393によってケーブル20の端部が固定され、ケーブル20の各配線は、回路基板35のパターン上にはんだ付けされている。ここで、センサユニット30は、ケーブル20が指の根元側から装置本体10の側に引き出されるようにして指に取り付けられる。従って、LED31及びフォトトランジスタ32は、指の長さ方向に沿って配列されることになり、そのうち、LED31は指の先端側に位置し、フォトトランジスタ32は指の根元の方に位置する。
【0024】
図5からわかるように、部品収納空間300は、センサ枠36の裏側に裏蓋302が被されることによって構成されている。センサ枠36の上面部分(実質的な脈波信号検出部)には、ガラス板からなる透光板34によって光透過窓が形成され、この透光板34に対向するように回路基板35が部品収納空間300内で固定されている。従って、LED31及びフォトトランジスタ32は、それぞれ発光面及び受光面を透光板34の方に向けている。このため、透光板34の外側表面341(指表面との接触面/センサ面)に指表面を密着させると、LED31は、指表面の側に向けて光を発するとともに、フォトトラジスタ32は、LED31が発した光のうち指の側から反射してくる光を受光可能である。
【0025】
図5、図6及び図7に示すように、透光板34の周囲を取り巻くセンサ枠36の外側表面361を基準面とすると、透光板34の外側表面341は、基準面(センサ枠36の外側表面361)よりも突出した位置にある。
【0026】
また、図6に示すように、透光板34の周囲には、透光板34と指とを密着させたときに指表面に接触する2本の人体アース用端子38がねじ306によってセンサ枠301に固定されている。ここで、2本の人体アース用端子38は、透光板34を挟むようにその両側に配置されている。なお、人体アース用端子38の周りには、パッキン394が嵌められている。
【0027】
ここで、人体アース用端子38も、図6からわかるように、基準面(センサ枠36の外側表面361)から突出している。但し、人体アース用端子38の外側表面381(指表面との接触面)は、基準面(センサ枠36の外側表面361)からみれば、透光板34の外側表面341よりも低い位置にある。
【0028】
本例では、LED31として、InGaN系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDを用いてあり、その発光スペクトルは、図8に示すように、450nmに発光ピークを有し、その発光波長領域は、350nmから600nmまでの範囲にある。かかる発光特性を有するLED31に対応させて、本例では、フォトトランジスタ32として、GaAsP系(ガリウム−砒素−リン系)のフォトトランジスタを用いてあり、その素子自身の受光波長領域は、図9に示すように、主要感度領域が300nmから600nmまでの範囲にあって、300nm以下にも感度領域がある。ここで、フォトトランジスタ32として、素子にフィルタを付加したセンサユニットを用いることもあり、このようなセンサユニットの受光波長領域の一例は、図10に示すように、主要感度領域が400nmから550nmまでの範囲にある。
【0029】
このように構成したセンサユニット30において、図11に示すように、センサ固定用バンド40を指の根元に装着すると、LED31及びフォトトランジスタ32は、それぞれの発光面及び受光面を指表面に向いた状態になる。この状態で、LED31が指に向けて光を照射すると、生体(血管)から反射してきた光をフォトトランジスタ32が受光し、その受光結果(脈波信号)を、ケーブル20を介して装置本体10に入力すると、装置本体10では、脈波信号から脈拍数が求められる。
【0030】
(データ処理回路の構成)
すなわち、図12に、時計ケースの内部に構成されたデータ処理回路の機能の一部をブロック図で示すように、データ処理回路50において、脈波信号変換部51は、センサユニット30からケーブル20を介して入力された信号をデジタル信号に変換して脈波信号記憶部52に出力するようになっている。脈波信号記憶部52は、デジタル信号に変換された脈波データを記憶しておくRAMである。脈波信号演算部53は、脈波信号記憶部52に記憶されている信号を読み出してそれに周波数分析を行ない、その結果を脈波成分抽出部54に入力するようになっている。脈波成分抽出部54は、脈波信号演算部53からの入力信号から脈波成分を抽出して脈拍数演算部55に出力し、この脈拍数演算部55は、入力された脈波の周波数成分により脈拍数を演算し、その結果を液晶表示装置13に出力するようになっている。
【0031】
(ケーブルと装置本体との接続構造)
本例の腕装着型脈波情報計測装置1では、通常の腕時計と同様に扱えるように、図1に示すように、ケーブル20は、装置本体10の6時の方向に位置する端部の表面側で着脱できるようになっている。すなわち、図3に示したように、装置本体10の6時の方向において、回転止め部108として延設されている部分の表面側には、コネクタ部70が構成され、そこには、ケーブル20の端部に構成されたコネクタピース80を装着できるようになっている。従って、コネクタ部70は、利用者からみると手前側にあり、操作が簡単である。また、コネクタ部70は、装置本体10から3時の方向に張り出さないので、利用者は、ランニング中に手首を自由に動かすことができるとともに、ランニング中に転んでも手の甲がコネクタ部70にぶつからない。
【0032】
コネクタ部70及びコネクタピース80(コネクタ手段)において行なわれる電気的な接続は、図13に示すとおりである。
【0033】
図13において、装置本体10の側に構成されているコネクタ部70には、端子751〜756(第1の端子群)が構成されており、これらの端子751〜756に対応して、コネクタピース80には、電極部831〜836(第2の端子群)が構成されている。そのうち、端子752は、電極部832を介してLED31に第2の駆動電圧VDDの供給するためのプラス端子、端子753は、電極部833を介してLED31のマイナス電位とされる端子、端子754は、電極部834を介してフォトトランジスタ32のコレクタ端子に駆動用の定電圧VREGを供給するための端子、端子751は、電極部831を介してフォトトランジスタ32のエミッタ端子からの信号が入力される端子、端子755は、電極部835を介してコネクタピース80をコネクタ部70に装着したか否かを検出するための信号が入力される端子である。
【0034】
電極部836は、図4及び図6に示した人体アース用端子38を介して、センサユニット30において人体にアースを落としており、端子756と電極部836とが電気的に接続したとき、VDDをグランド線とすることによって、電極部831〜836をシールドするようになっている。
【0035】
コネクタピース80では、LED31の端子間(電極部832、833の間)に対して、第1のキャパシタC1、及び第1のスイッチSW1が介挿されている。このスイッチSW1は、コネクタピース80をコネクタ部70から外したときに閉状態になって、LED31に対して第1のキャパシタC1を並列接続させ、コネクタピース80をコネクタ部70に装着したときに開状態になる。同様に、フォトトランジスタ32の端子間(電極部831、834)に対しては、第2のキャパシタC2、及び第2のスイッチSW2が介挿されている。このスイッチSW2は、コネクタピース80をコネクタ部70から外したときに閉状態になって、フォトトランジスタ32に対して第2のキャパシタC2を並列接続させ、コネクタピース80をコネクタ部70に装着したときに開状態になる。
【0036】
コネクタ部70及びコネクタピース80の構造を、図14〜図17を参照して詳述する。
【0037】
図14は、ケーブルの端部に構成されたコネクタピースの構成を示す拡大図、図15は、装置本体側のコネクタ部の拡大図、図16は、コネクタ部に対してコネクタピースを結合させた状態を示す縦断面図である。
【0038】
図14において、コネクタピース80の下面部801には、その両側で下方に向けて張り出す一対の突出部81、82が形成されている。これらの突出部81、82の下端部では、その内側に向かって4個の係合片811、812、821、822(第2の係合用突起群)が突き出ている。
【0039】
コネクタピース80の下面部801には、6つの電極部831、832、833、834、835、836(第2の端子群)が形成されており、その周囲には環状の凸条部841、842、843、844、845、846が形成されている。ここで、コネクタピース80をコネクタ部70に装着する際には、後述するとおり、コネクタピース80をコネクタ部70に被せた後、矢印Qの方向にコネクタピース80をスライドさせるが、かかるスライド方向(矢印Qの方向)に沿って、電極部831〜836は、電極部831、832、833と、電極部834、835、836との2列に形成されている。また、いずれの列でも、各電極部831〜836は、コネクタピース80のスライド方向(矢印Qの方向)に対して直交する方向にずれるように斜めに配置されている。
【0040】
さらに、コネクタピース80の底面部には、装置本体10にケーブル20を接続したときの静電気の影響を防止するための回路をスイッチングする2本の作動ピン837、838が形成されている。これらの作動ピン837、838は、コネクタピース80をコネクタ部70から外した状態では、先端がコネクタピース80の下面部801から突出した状態にある。
【0041】
一方、図15に示すように、コネクタ部70には、外側に張り出す係合部71、72、73、74(第1の係合用突起群)が形成されている。従って、コネクタピース80の突出部81、82がコネクタ部70の係合部71、72、73、74の外側に位置し、かつ、係合部71と係合部72との間、及び係合部73と係合部74との間に、コネクタピース80の係合片811、821が位置するように、コネクタピース80をコネクタ部70に被せた後、係合片811、821が係合部71と係合部72との間、及び係合部73と係合部74との間をそれぞれ通り抜けるように、コネクタピース80をコネクタ部70に向けて押し付け、しかる後に、矢印Qの方向にコネクタピース80をスライドさせると、係合部71、73の下に係合片811、821が潜り込む。また、係合部72、74の下に係合片812、822が潜り込む。その結果、係合片811、821、812、822は、コネクタピース80の下面部801との間に係合部71、72、73、74をそれぞれ保持する状態になり、コネクタピース80は、コネクタ部70に簡単に、かつ、確実に装着される。
【0042】
このようにして、コネクタピース80をコネクタ部70上で矢印Qの方向にスライドさせたときに係合するとともに、この状態からコネクタピース80を逆の方向(矢印Rの方向)にスライドさせたときに係合状態が解除される係合機構700が構成されている。かかる構成の係合機構は、少ない部品でありながら、係合が確実である。また、コネクタピース80をコネクタ部70上で6時の方向から12時の方向に向けてスライドさせたとき、装置本体10に加わる力は、回転止め部108によって、装置本体10がより回転しにくい向きである。従って、コネクタピース80を装着するときも、装置本体10は、手首の周りを回転しないので、装着が簡単である。
【0043】
ここで、各端子751〜756は、電極部831〜836と同様、コネクタピース80のスライド方向(矢印Qの方向)に沿って、端子751、752、753と、端子754、755、756の2列に形成されている。また、いずれの列でも、各端子751〜756は、電極部831〜836と同様、コネクタピース80のスライド方向(矢印Qの方向)に対して直交する方向にずれるように斜め配置されている。従って、コネクタピース80をコネクタ部70に装着すると、コネクタピース80の6つの電極部831〜836に対して、コネクタ部70の6つの端子751〜756がそれぞれ電気的に接続し、センサユニット30での計測結果をケーブル20を介して装置本体10に入力することが可能となる。
【0044】
なお、端子751〜756、及び電極部831〜836は、コネクタピース80のスライド方向に沿って2列に配置され、かつ、このスライド方向に直交する方向に、各端子間及び各電極間の位置が斜めにずれているので、コネクタピース80をコネクタ部70の上でスライドさせても、対応しない端子751〜756と電極部831〜836とが接触するということがない。また、コネクタ部70の形成面積を狭くしても、端子同士及び電極部同士を離れた位置に配置できるので、コネクタピース80とコネクタ部70との間に水が侵入した場合でも、端子間及び電極間がショートしにくい。また、駆動電圧がかかる端子752、754、756、及び電極部832、834、836については、特に、離れるように配置してあるため、異なる電位の端子同士及び電極部同士の間では、トラッキングが発生しない。
【0045】
(ストッパー機構の構成)
図15からわかるように、係合部71〜74には、矢印Qの方向の側に垂直壁711、721、731、741が形成されている。従って、コネクタピース80をコネクタ部70に装着するときに、コネクタピース80を矢印Qの方向にスライドさせると(第2の動作)、係合片811、812、821、822は、垂直壁711、721、731、741にそれぞれ当接し、コネクタピース80をコネクタ部70の装着位置で停止させる。すなわち、垂直壁711、721、731、741は、コネクタピース80に対する第1のストッパーとして機能する。逆に、コネクタピース80をコネクタ部70から外すために矢印Rの方向にスライドさせると、係合片811、821は、それぞれ係合部72、74の垂直壁721、741の裏側に当接し、コネクタピース80をコネクタ部70の元の位置で停止させる。すなわち、垂直壁721、741の裏側は、コネクタピース80に対する第2のストッパーとして機能する。
【0046】
(端子及び電極部の構造)
コネクタ部70において、端子751〜756は、いずれも、コネクタ部70に形成された孔761、762、763、764、765、766の内部に配置されており、そのうちの端子753、756、作動ピン838、及び電極部833、836の形成位置を通る位置で切断したときの断面が、図16に表れている。
【0047】
図16において、コネクタピース80は、内部に回路基板85を収容可能な外装ケース805に蓋材806を被せた構造になっている。蓋材806には、孔863、866が形成され、その下方側の開口縁に沿って環状の凸条部843、846が形成されている。孔863、866の内部には、電極部833、836が配置されている。電極部833は、ねじ881によって固定され、電極部836は、回路基板85と蓋材806とに挟まれて固定されている。電極部833、836に対しては、防水パッキン873、876が装着されている。電極部833、836は、コネクタピース80の内部に配置された回路基板85の回路パターン上に電気的接続されている。かかる電極構造は、電極部833、836以外の電極部831、832、834、835も同様である。なお、回路基板85の回路パターン上には、ケーブル20の芯線もハンダ付けにより電気的接続されている。
【0048】
(クリック機構の構成)
コネクタ部70では、その凹部に蓋材706を被せた構造になっている。蓋材706には孔763、766が形成されている。これらの孔763、766の内部において、端子753、756は、先端を孔763、766から突出させた状態となるように進退可能な進退ピンとして配置されている。各端子753、756の基部側に形成された鍔部783、786に対しては、コイルばね773、776が配置されており、これらのコイルばね773、776によって、端子753、756は、孔763、766から突出する方向に向けて付勢されている。但し、鍔783、786の外径は、孔763、766の内径よりも大きいので、端子753、756が孔763、766から抜け出てしまうことはない。かかる端子構造は、端子753、756以外の端子751、752、754、755も同様である。
【0049】
コネクタピース80をコネクタ部70上に装着するときには、コネクタピース80をコネクタ部70上でスライドさせるため、端子753、756は、コネクタピース80の環状の凸条部843、846をコイルばね773、776に付勢されながら乗り越えて、電極部833、836に対して確実に接続する。また、かかる凸条部843、846、端子753、756、及びコイルばね773、776をそのまま利用してクリック機構が構成されているので、コネクタピース80をコネクタ部70に確実に装着できる。なお、かかるクリック機構を構成するには、本例とは逆に、コネクタピース80の側に進退ピンを利用した端子を設け、コネクタ部70の側に凸条部を設けてもよい。
【0050】
(スイッチ機構の構成)
コネクタピース80の蓋材806には、孔868が形成されており、この孔868には、作動ピン838が配置されている。この作動ピン838は、先端を孔868から突出させた状態となるように孔868の内部で進退可能な状態にある。作動ピン838の基部に形成された鍔部898に対しては、板ばね状のスイッチばね88が配置されている。スイッチばね88は、その先端部885によって作動ピン838を孔868から突出する方向に向けて付勢している。但し、鍔898の外径は、孔868の内径よりも大きいので、作動ピン838は、孔868から抜け出ることがない。スイッチばね88は、その基部が電極部833の上端面にねじ881によって止められ、電極部833に電気的接続している。ここで、スイッチばね88の先端部885には、その図示を省略するが、作動ピン838の基部に接する当接部と、そこから側方に張り出した部分に形成された接点とが形成されている。この接点は、回路基板85の回路パターンに電気的に接続し、回路パターンは、第1のキャパシタC1と電極部833との間に介挿されている。
【0051】
従って、コネクタピース80をコネクタ部70に装着しない状態では、図16に実線で示すように、作動ピン838は、スイッチばね88に押されて先端が孔868から突出し、図13において、第1のスイッチSW1が閉じて、第1のコンデンサC1は、LED31に並列に電気的接続している状態にある。従って、静電気によって高い電位にあるものが電極部832、833に触れても、その電荷は、第1のコンデンサC1に蓄積されるので、LED31は、破損しない。これに対して、コネクタピース80をコネクタ部70に装着すると、作動ピン838は、図16に二点鎖線で示すように、孔868の内部に引っ込む方向に移動してスイッチばね88を二点鎖線で示すように変形させる。その結果、図13において、第1のスイッチSW1は、開いた状態になるので、脈波を計測可能な回路構成になる。このとき、第1のコンデンサC1に電荷が蓄積されていても、この電荷は、電極部832、833、及び端子752、753を介して、コネクタ部70及び装置本体10に内蔵されている各回路には放電しない。
【0052】
スイッチ機構は、フォトトランジスタ32にも構成されているが、その構成は、LED31に対するスイッチ機構と同様であるため、その説明を省略する。
【0053】
(動作)
このように構成した腕装着型脈波情報計測装置1の動作を、図1及び図11を参照して簡単に説明する。
【0054】
まず、図1において、腕装着型脈波情報計測装置1を通常の腕時計として用いる場合には、ケーブル20及びセンサユニット30を装置本体10のコネクタ部70で外し、コネクタ部70には、所定のコネクタカバーを装着する。このコネクタカバーとしては、コネクタピース80と同じ構成のものを用いることができる。但し、コネクタカバーには、電極部などが不要である。
腕装着型脈波情報計測装置1を用いてランニング中の脈拍数を計測する場合には、コネクタピース80をコネクタ部70に装着して、ケーブル20を装置本体10に接続した後、装置本体10をリストバンド12で腕に装着する。また、センサユニット30をセンサ固定用バンド40によって指の根元に密着させた状態でランニングを行なう。このように、センサユニット30を指の根元に装着すると、ケーブル20が短くて済むので、ケーブル20は、ランニング中に邪魔にならない。また、掌から指先までの体温の分布を計測すると、寒いときには、指先の温度が著しく低下するのに対し、指の根元の温度は比較的低下しない。従って、指の根元にセンサユニット30を装着すれば、寒い日に屋外でランニングしたときでも、脈拍数などを正確に計測できる。
【0055】
この状態で、図11に示すように、LED31から指に向けて光を照射すると、この光が血管に届いて血液中のヘモグロビンによって一部が吸収され、一部が反射する。指(血管)から反射してきた光は、フォトトランジスタ32によって受光され、その受光量変化が血量変化(血液の脈波)に対応する。すなわち、血量が多いときには、反射光が弱くなる一方、血量が少なくなると、反射光が強くなるので、反射光強度の変化を検出すれば、脈拍数などを計測できる。かかる計測を行なうために、図12に示したデータ処理回路50は、フォトトランジスタ32(センサユニット30)から入力された信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号に周波数分析などを行なって脈拍数を演算する。そして、演算により求めた脈拍数を液晶表示装置13に表示させる。
【0056】
図11において、LED31から発せられた光は、その一部が矢印Cで示すように指を通って血管にまで到達し、血液中のヘモグロビンからの反射光が矢印Dで示すようにフォトトランジスタ32に届く。なお、LED31から発せられた光は、その一部が矢印Eで示すように指表面で反射してフォトトランジスタ32に届く。また、LED31から発せられた光、及び血管から反射した光の一部は、矢印F、Gで示すように、指内で吸収、又は分散してフォトトランジスタ32に届かない。
【0057】
本例では、発光波長領域が350nmから600nmまでの範囲にあるLED31と、受光波長領域が300nmから600nmまでの範囲のフォトトランジスタ32とを用いてあり、その重なり領域である約300nmから約600nmまでの波長領域における検出結果に基づいて生体情報を表示する。かかるセンサユニット30を用いれば、外光が指の露出部分にあたっても、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指を導光体としてフォトトランジスタ32(受光部)にまで到達しない。
【0058】
その理由を、図17を参照して説明する。図17(a)は、光の波長と、皮膚の光透過度との関係を示すグラフであり、折れ線aは、波長が200nmの光における透過特性、折れ線bは、波長が300nmの光における透過特性、折れ線cは、波長が500nmの光における透過特性、折れ線dは、波長が700nmの光における透過特性、折れ線eは、波長が1μmの光における透過特性を示す。この図から明らかなように、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、指を透過しにくい傾向にあるため、外光がセンサ固定用バンド40で覆われていない指の部分に照射されても、図11に点線Xで示すように、指を通ってフォトトランジスタ32まで届かない。これに対し、880nm付近に発光ピークを有するLEDと、シリコン系のフォトトランジスタとを用いると、その受光波長範囲は、350nmから1200nmまでの範囲に及ぶ。すなわち、図11に矢印Yで示すように、指を導光体として受光部にまで容易に届いてしまうような1μmの波長の光(図17(a)の折れ線eで示す光)による検出結果に基づいて脈波を検出すると、外光の変動に起因する誤検出が起こりやすい。
【0059】
なお、外光の影響を受けることなく、脈波情報を得るという観点からすれば、たとえば、図18に示すように、540nmから570nmまでの範囲に主要発光領域を有するGaP系のLEDと、受光感度特性を図19に示すように、200nmから700nm近くまでの範囲に感度領域を有するGaP系のフォトトランジスタを用いてもよい。
【0060】
さらに、約300nmから約700nmまでの波長領域の光を利用して、脈波情報を得ているので、血量変化に基づく脈波信号のS/N比が高い。すなわち、図17(b)には、酸素と未結合のヘモグロビンの吸光特性を曲線Hbで示し、酸素と結合しているヘモグロビンの吸光特性を曲線HbO2 で示してあるように、血液中のヘモグロビンは、波長が300nmから700nmまでの光に対する吸光係数が大きく、従来の検出光である波長が880nmの光に対する吸光係数に比して数倍〜約100倍以上大きい。従って、本例のように、ヘモグロビンの吸光特性に合わせて、吸光係数が大きい波長領域(300nmから700nm)の光を検出光として用いると、その検出値は、血量変化に感度よく変化するので、血量変化に基づく脈波の検出率(S/N比)が高い。
【0061】
(実施例の主な効果)
このようにして、本例の腕装着型脈波情報計測装置1は、ランニング中の脈拍数を計測できるなど、その携帯に便利であるとともに、感度および計測結果の信頼性が高い。すなわち、図20(a)に示すように、本例のセンサユニット30において、透光板34の外側表面341は、基準面(センサ枠36の外側表面361)よりも突出した位置にあるため、指表面は、透光板34の外側表面341の全体に均等に密着した状態となる。また、この状態は、指の位置がややずれても、透光板34の外側表面341の全体に均等に密着した状態のままである。これに対して、図20(b)に示すように、従来の構造では、透光板34Dの外側表面341Dを引っ込めてあるため、指を透光板34Dに被せても、透光板34Dの隅部分を覆うことができない。このように、指で覆われない隅部分では、空気の層が介在するため、脈波信号を検出できない。また、従来の構造では、指の位置がややずれただけでも、透光板34Dと指の間の広い範囲にわたって空気の層が介在する状態になってしまうので、携帯中に指が動くと、感度が著しく低下する。
【0062】
さらに、本例のセンサユニット30では、透光板34の外側表面341が突出している分だけ、図21に示すように、血管中で滞留している血液(図21において白丸で示す。)を側方に退けるため、かかる滞留している血液の影響が小さいともいえる。すなわち、フォトトランジスタ32で検出した信号には、滞留する血液による信号成分と、流れている血液による信号成分とが含まれており、脈拍数は、流れている血液による信号成分から求まる。これに対して、滞留する血液による信号成分は、検出した信号のバックグランド(雑音)であるため、本例のように、滞留している血液を押し退けた状態で計測した方が感度が高いといえる。
【0063】
かかる効果は、図22ないし図27に示す検討結果から確認できている。
【0064】
まず、図22及び図23には、図20(b)に示したように、透光板34Dの外側表面341Dを基準面から0.2mm引っ込めた構造のセンサユニット(従来例)において、指表面への加重(押圧力)と、検出した信号に含まれる交流成分(実線P1、P3)及び直流成分(実線P2、P4)のレベルとの関係を評価した結果を示してある。ここで、図22及び図23には、繰り返し行った実験のうち、2回の実験結果を示してある。
【0065】
この評価において、交流成分(AC)は、血管中の血液の流れに基づく信号であり、脈波信号に相当する。これに対して、直流成分(DC)は、外乱その他の原因に基づく信号である。従って、検出した信号において交流成分が占める比率が大である程、感度が高いといえる。
【0066】
そこで、図22に示す結果に基づいて直流成分に対する交流成分の比率を求め、この比率とセンサユニットの指表面への加重との関係を図24に示す。
【0067】
その結果、比較例に係るセンサユニットでは、まず、図22及び図23に示すように、大きな加重をかけても、交流成分のレベルは6mV前後と低い。また、図24に示すように、約110gf以上の加重をかけなければ、直流成分に対する交流成分の比率が高くならない。
【0068】
一方、図25及び図26には、図20(a)に示したように、透光板34の外側表面341を基準面から0.25mm突出させた構造のセンサユニット30(実施例)において、指表面への加重(押圧力)と、検出した信号に含まれる交流成分(実線P5、P7)及び直流成分(実線P6、P8)との関係を示してある。なお、図25及び図26には、繰り返し行った実験のうち、2回の実験結果を示してある。また、図25に示す結果に基づいて直流成分に対する交流成分の比率を求め、この比率とセンサユニット30の指表面への加重との関係を図27に示す。
【0069】
その結果、本例のセンサユニット30では、図25及び図26に示すように、比較的小さな加重をかけるだけで、交流成分のレベルは、7mV以上に達し、かつ、そのレベルは安定している。また、図25及び図27に示すように、30gf〜230gfの加重をかければ、直流成分に対する交流成分の比率が大きくて安定していること、すなわち、感度が高いことも確認できた。
【0070】
それ故、本例のセンサユニット30は、従来のセンサユニットと相違して、安定した高い感度を得るにも、指に対してセンサユニット30を押し当てる力が小さくて済み、装着したときの違和感がない。
【0071】
さらに、本例のセンサユニット30では、図20(a)に示したように、人体アース用端子38の外側表面381が基準面(センサ枠36の外側表面361)から突出しているので、指表面は、人体アース用端子38に確実に接触する。この場合でも、人体アース用端子38の外側表面381は、透光板34の外側表面341よりも低い位置にあるので、指表面が透光板34の外側表面341に密着するのを妨げることがない。
【0072】
また、人体アース用端子38は、透光板34を挟むようにその両側に配置されているため、透光板34から指が多少ずれても、指と人体アース用端子38とは確実に接触したままである。
【0073】
(その他の実施例)
なお、本例では、透光板34の外側表面341は、平坦面になっているが、それに代えて、図28に示すように、透光板34Aの外側表面341Aを凸面に構成してもよい。この場合には、透光板34Aの外側表面341Aに軽く指を当てるだけで、透光板34Aには、押圧力がかかるので、指表面と透光板34Aの外側表面341Aとの密着性を高めることができる。
【0074】
また、本例では、腕装着型であることから、ケーブル20の先端部にセンサユニット30(脈波信号検出部)を設けたが、装置本体10の表面部自身に脈波信号検出部を一体に構成してもよい。
【0075】
さらに、本例では、指表面において脈波を計測したが、生体のその他の表面部位、たとえば手首、耳たぶなどの皮膚表面などにおいて脈波を計測しても、本例と同様な効果を奏する。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る脈波情報計測装置において、発光素子及び受光素子を覆う透光板の外側表面は、透光板の周囲の部分よりも突出している。従って、本発明によれば、生体表面は、透光板の外側表面の全体に密着した状態となる。また、携帯時に用いたときなど、生体が透光板を押す力が変化しても、密着状態は安定したままである。しかも、透光板の外側表面が突出している分だけ、生体を押し当てたとき、血管中の滞留血をこの部分から押し退けるため、受光素子で検出した信号には、滞留血の影響が少ない。それ故、受光素子の脈波信号に対する検出感度が高いとともに、得られたデータの信頼性が高い。さらに、安定した高い感度を得るにも、生体に対して透光板を押し当てる力が小さくて済み、装着したときの違和感がない。この場合、人体アース用端子の外側表面は、透光板の外側表面よりも低い位置にあるので、生体と透光板の外側表面とが密着するのを妨げない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る腕装着型脈波情報計測装置の全体構成、及び使用状態を示す説明図である。
【図2】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置の装置本体の平面図である。
【図3】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置の装置本体を腕時計の3時の方向からみたときの説明図である。
【図4】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置に用いたセンサユニットの平面図である。
【図5】図4のI−I′線における断面図である。
【図6】図4のII−II′線における断面図である。
【図7】図4の III−III ′線における断面図である。
【図8】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置に用いたInGaN系青色LEDの発光スペクトルを示す説明図である。
【図9】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置に用いたInGaP系フォトトランジスタの受光特性を示す説明図である。
【図10】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置に用いたフィルタ付きのフォトトランジスタユニットの受光特性を示す説明図である。
【図11】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置に用いたセンサユニットをバンドによって指に装着した状態を示す説明図である。
【図12】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置のデータ処理回路の機能を示すブロック図である。
【図13】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置のコネクタ部における電気的な接続関係を示す説明図である。
【図14】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置のコネクタ部分に用いたコネクタピースの構造を示す説明図である。
【図15】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置のコネクタ部分に用いたコネクタ部の構造を示す説明図である。
【図16】図14に示すコネクタピースを図15に示すコネクタ部に装着した状態を示す断面図である。
【図17】(a)は、光の波長と皮膚の光透過度との関係を示すグラフ図、(b)は、光の波長と各種のヘモグロビンの吸光特性との関係を示す説明図である。
【図18】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置に用いることのできるGaP系のLEDの発光スペクトルを示す説明図である。
【図19】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置に用いることのできるGaAsP系フォトトランジスタの受光特性を示す説明図である。
【図20】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置のセンサユニットにおいて、指と透光板との密着性を向上する効果を説明するための説明図である。
【図21】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置のセンサユニットにおいて、フォトトランジスタが検出する信号から滞留血の影響を小さくする効果を説明するための説明図である。
【図22】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置のうち、比較例として、透光板を基準面から0.2mm引っ込ませた構造のセンサユニットにおいて、指へのセンサユニットの押圧力と、フォトトランジスタが検出する交流信号及び直流信号の大きさとの関係を評価した結果を示すグラフである。
【図23】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置のうち、比較例として、透光板を基準面から0.2mm引っ込ませた構造のセンサユニットにおいて、図22に示す評価と同じ内容で行った別の実験から得た結果(指へのセンサユニットの押圧力と、フォトトランジスタが検出する交流信号及び直流信号の大きさとの関係)を示すグラフである。
【図24】図22に示す結果から、指へのセンサユニットの押圧力と、フォトトランジスタが検出した交流信号の直流信号に対する比との関係を求めた結果を示すグラフである。
【図25】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置のうち、実施例として、透光板を基準面から0.25mm突出させた構造のセンサユニットにおいて、指へのセンサユニットの押圧力と、フォトトランジスタが検出する交流信号及び直流信号の大きさとの関係を示すグラフである。
【図26】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置のうち、実施例として、透光板を基準面から0.25mm突出させた構造のセンサユニットにおいて、図25に示す評価と同じ内容で行った別の実験から得た結果(指へのセンサユニットの押圧力と、フォトトランジスタが検出する交流信号及び直流信号の大きさとの関係)を示すグラフである。
【図27】図25に示す結果から、指へのセンサユニットの押圧力と、フォトトランジスタが検出した交流信号の直流信号に対する比との関係を求めた結果を示すグラフである。
【図28】図1に示す腕装着型脈波情報計測装置に用いた別のセンサユニットの断面図である。
【図29】(a)は、従来の脈波情報計測装置に用いたセンサユニットの断面図、(b)は、別のセンサユニットの断面図である。
【符号の説明】
1・・・腕装着型脈波情報計測装置(脈波情報計測装置)
10・・・装置本体
12・・・リストバンド
13・・・液晶表示装置(表示部)
20・・・ケーブル
30・・・センサユニット(脈波信号検出部)
31・・・LED
32・・・フォトトランジスタ
34・・・透光板
36・・・センサ枠
38・・・人体アース用端子
40・・・センサ固定用バンド(ユニット固定手段)
50・・・データ処理回路
70・・・コネクタ部
80・・・コネクタピース
300・・・部品収納空間
341・・・透光板の外側表面(指表面との接触面)
361・・・センサ枠の外側表面(基準面)
381・・・人体アース用端子の外側表面(指表面との接触面)
Claims (4)
- 生体表面に向けて光を発する発光素子、該発光素子が発した光のうち生体の側から反射してくる光を受光可能な受光素子、及び該受光素子及び前記発光素子の表面側に配置され、外側表面に生体表面が密着した状態とされる透光板を備える脈波信号検出部と、前記受光素子の受光結果に基づいて脈波情報を求めるデータ処理部と、該データ処理部が求めた前記脈波情報を表示するための表示部を備える装置本体とを有する脈波情報計測装置において、
前記脈波信号検出部における前記透光板の周囲の外側表面を基準面としたときに、前記透光板の外側表面は、前記基準面から突出した位置にあり、
前記脈波信号検出部における前記透光板の周囲の外側表面には、該透光板を生体表面に密着させたときに生体表面に接触する人体アース用端子を有し、
前記人体アース用端子の外側表面は、前記透光板の外側表面より低い位置まで前記基準面から突出した位置にあることを特徴とする脈波情報計測装置。 - 請求項1において、前記透光板の外側表面は、平坦面であることを特徴とする脈波情報計測装置。
- 請求項1において、前記透光板の外側表面は、凸面であることを特徴とする脈波情報計測装置。
- 請求項1ないし3のいずれかの項において、さらに、前記装置本体を腕に取り付けるためのリストバンドと、前記装置本体から延び、先端部に前記脈波信号検出部がセンサユニットとして構成されたケーブルと、前記透光板の外側表面と生体表面とが密着した状態となるように前記センサユニットを生体に取り付けるためのユニット固定手段と有することを特徴とする脈波情報計測装置。
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