JPH09299254A - 魔法瓶 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】栓部材を何等着脱することなく、外容器に栓部
材を取付けた状態のままで飲料を直接内容器に注入する
ことができ、注入操作性の大幅な向上を図ることができ
る魔法瓶の提供を目的とする。 【解決手段】外容器２の内部に内容器３を備え、外容器
２の上方開口部４に栓部材５が取付けられた魔法瓶１で
あって、上記栓部材５には外方から飲料Ａを直接内容器
３に注入を許容する注入通路１９が形成されたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えばコーヒ、
紅茶、日本茶などの各種飲料を保温、保冷状態に貯溜す
るような魔法瓶に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述例の飲料の一例としてコーヒ
マシンに仕立てられたコーヒを貯溜する容器としては、
図７に示すようなサーブ用ポットがある。すなわち、上
端一側に注ぎ部７１を備えたポット本体７２を設け、こ
のポット本体７２の上方開口部７３にはツマミ７４を有
する蓋７５が着脱可能に取付けられる一方、上方開口部
７３と対応するポット本体７２のネック部７６外周には
リング部材７７を介して取手７８を取付けたものであ
る。

【０００３】このサーブ用ポットにおいて上述のコーヒ
マシンからのコーヒをポット本体７２の内部に貯溜する
には、一旦蓋７５を取外し、開放された上方開口部７３
からコーヒポット本体７２の内部に貯溜した後に、再び
蓋７５を装着し、しかる後、必要時に蓋７５の櫛歯状の
開口７９からの内部のコーヒを注出するものであって、
飲料注入時に蓋７５を取外し、取付け操作する必要があ
るため、その操作性が極めて悪い問題点があった。この
ことは図７に示したサーブ用ポットに限らず従前の魔法
瓶にあっても同様の問題点があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項１記
載の発明は、栓部材を何等着脱することなく、外容器に
栓部材を取付けた状態のままで飲料を直接内容器に注入
することができ、注入操作性の大幅な向上を図ることが
できる魔法瓶の提供を目的とする。

【０００５】この発明の請求項２記載の発明は、上記請
求項１記載の発明の目的と併せて、飲料注入時に飲料が
注入通路上部から溢流するのを効率的に防止すると共
に、注出時の円滑な飲料注出を確保することができる魔
法瓶の提供を目的とする。

【０００６】この発明の請求項３記載の発明は、上記請
求項１もしくは２記載の発明の目的と併せて、ノーマル
時には内部に貯溜された飲料の蒸気、冷気が外部に逃げ
るの防止し、注出時には確実な飲料注出を達成すること
ができる魔法瓶の提供を目的とする。

【０００７】この発明の請求項４記載の発明は、上記請
求項１，２もしくは３記載の発明の目的と併せて、内部
の飲料を注出する時、魔法瓶それ自体を比較的大きく傾
けても、栓部材の注入通路から飲料が逆流（流出）する
のを確実に阻止することができる魔法瓶の提供を目的と
する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明の請求項１記載
の発明は、外容器の内部に内容器を備え、外容器の上方
開口部に栓部材が取付けられた魔法瓶であって、上記栓
部材には外方から飲料を直接内容器に注入を許容する注
入通路が形成された魔法瓶であることを特徴とする。

【０００９】この発明の請求項２記載の発明は、上記請
求項１記載の発明の構成と併せて、上記栓部材における
注入通路上部に凹状の飲料一時貯溜部が形成されると共
に、栓部材の止着時に該栓部材の注出部と外容器の注ぎ
部とを対向させた魔法瓶であることを特徴とする。

【００１０】この発明の請求項３記載の発明は、上記請
求項１もしくは２記載の発明の構成と併せて、上記栓部
材の下部に、ノーマル時に外容器の上方開口部を閉塞
し、飲料注出時に飲料に押されて上方開口部と注ぎ部と
を連通する可動内蓋が設けられた魔法瓶であることを特
徴とする。

【００１１】この発明の請求項４記載の発明は、上記請
求項１，２もしくは３記載の発明の構成と併せて、上記
栓部材の注入通路には、開口部が注ぎ部と反対側に指向
する通路部材が設けられた魔法瓶であることを特徴とす
る。

【００１２】

【発明の作用及び効果】この発明の請求項１記載の発明
によれば、上述の栓部材に注入通路を形成したので、こ
の栓部材を何等着脱することなく、外容器の上方開口部
に栓部材を取付けた状態のままで飲料を外方から直接内
容器に注入することができ、この結果、注入操作性の大
幅な向上を図ることができる効果がある。

【００１３】この発明の請求項２記載の発明によれば、
上記請求項１記載の発明の効果と併せて、上述の注入通
路上部に凹状の飲料一時貯溜部を形成したので、飲料注
入時に飲料が注入通路上部から溢流するを、この一時貯
溜部にて効率的に防止することができ、さらに栓部材の
止着時に該栓部材の注出部を外容器の注ぎ部とが対向す
るので、注出時の円滑な飲料注出を確保することができ
る効果がある。

【００１４】この発明の請求項３記載の発明によれば、
上記請求項１もしくは２記載の発明の効果と併せて、上
述の可動内蓋はノーマル時に外容器の上方開口部を閉塞
するので、このノーマル時に内部に貯溜された飲料の蒸
気、冷気が外部に逃げるのを防止することができ、また
上述の可動内蓋は飲料注出時に飲料に押されて上方開口
部と注ぎ部とを連通するので、確実な飲料注出を達成す
ることができる効果がある。

【００１５】この発明の請求項４記載の発明によれば、
上記請求項１，２もしくは３記載の発明の効果と併せ
て、上述の注入通路にはその開口部が注ぎ部と反対側に
指向する通路部材を設けたので、飲料の注出時に魔法瓶
それ自体を比較的大きく傾けても、栓部材の注入通路か
ら飲料が逆流（流出）するのを確実に阻止することがで
きる効果がある。

【００１６】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は魔法瓶を示し、図１、図２において、こ
の魔法瓶１は合成樹脂製の外容器２と、この外容器２の
内部に配置されたガラス製二重構造の保温、保冷作用を
奏する内容器３と、外容器２の上方開口部４（詳しくは
該開口部４近傍上部の栓螺合部）に着脱可能に螺合され
た合成樹脂製の栓部材５とを備えている。

【００１７】上述の外容器２は、内部に内容器３保持用
の複数のリブ６…を備えた本体７と、この本体７の下方
開口部に対して螺合固定された底蓋８と、この底蓋８の
中央に螺合されて内容器３を保持するアジャスタ部材９
と、一側に注ぎ部１０が他側に取手１１が一体形成され
た上部部材１２との三部材に分割形成されて、成形の容
易化を達成し、上部部材１２の環状係止片１３を本体７
の上部開口縁に圧入固定すると共に、取付手段としての
ビス１７を用いて取手１１の下部と本体７とを固定して
いる。

【００１８】また上述の内容器３における上端開口部３
ａと外容器２の上方開口部４周縁のフランジ部１５下面
との間にはリング状のシール部材１６を介設して、シー
ル性を確保している。ここで上述の上端開口部３ａは外
容器２の上方開口部４と上下方向に一致すべく構成され
ている。

【００１９】上述の栓部材５は図３に示す如くその外周
にネジ部１７が一体形成され、外容器２における上部部
材１２の対応部に少なくとも部分的に形成された螺合突
起（図示せず）に対して着脱可能に螺合され、この栓部
材５の止着完了時には図２に示す如く同部材５のスカー
ト部５ａ開放端としての注出部１８と外容器２の注ぎ部
１０とが対向する。

【００２０】しかも、上述の栓部材５には外方からコー
ヒその他の飲料を直接内容器３内に注入許容する注入通
路１９が形成され、この通路１９の上部には半球凹状に
窪む飲料一時貯溜部２０が連通形成されている。

【００２１】上述の注入通路１９を構成する通路壁とし
ての円筒部２１の外周には、ノーマル時にその自重によ
り下動して外容器２の上方開口部４を閉塞（図２参照）
し、飲料注出時に図６に示す如く飲料Ａに押されて上方
開口部４と注ぎ部１０とを連通する円盤状の可動内蓋２
２（図４参照）を配設している。この可動内蓋２２は図
４に示す如くフランジ部２２ａと筒軸部２２ｂとを備
え、筒軸部２２ｂを上述の円筒部２１の外周に装着する
ことで、円滑な上下動を得るように構成している。

【００２２】また上述の円筒部２１の下端には、図２、
図４に示す如く、その開口部２３が注ぎ部１０と反対側
に指向するようにＬ字状に屈曲形成された通路部材２４
を固定して、可動内蓋２２の抜止めを図ると共に、この
通路部材２４の内部を上述の注入通路１９に連通させて
いる。この実施例では上述の通路部材２４の上端に、内
外のリング２５，２６間に平面視で十文字状のスポーク
２７を張架したフランジ状体２８が一体形成されている
が、このフランジ状体２８は必須構成ではない。

【００２３】一方、上述の栓部材５の上部に設けられた
上蓋開閉支点としての支軸２９には合成樹脂製の上蓋３
０を開閉可能に取付けている。而して、この上蓋３０下
面にはリング状のシール部材３１を固着して、このシー
ル部材３１で栓部材５上面と上蓋３０下面との間をシー
ルすべく構成する一方、上述の上蓋３０の下面中央に突
設させた突起３２の下端にはシール部材３３を取付け
て、上蓋３０の閉時に該シール部材３３で注入通路１９
の上端を封止すべく構成している。上述の上蓋３０と栓
部材５との間には樹脂固有の弾性力を利用して離脱可能
に両者５，３０を係合する凹凸軽合部（図示せず）が形
成されると共に、栓部材５側には上蓋開操作用の窪部３
４を形成している。ここで、上述の上蓋３０の開閉構造
は上述の支軸２９を用いる構成に代えて、両者５，３０
間を樹脂薄片で連結するような他の開閉構造であっても
よく、上蓋３０の開閉支点は注ぎ部１０側であってもよ
い。

【００２４】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下作用を説明する。上記構成の魔法瓶１にコーヒ
マシンからのコーヒ等の飲料Ａを注入する場合には、図
２に示す閉状態の上蓋３０を図５に示す如く開放する
と、注入通路１９により栓部材５の内外が連通されてい
るので、従来のように栓部材５を何等着脱することはな
く、外容器２に栓部材５を取付けた状体のままで飲料Ａ
を各要素２０，１９，２４，２３を介して外方から直接
内容器３に注入することができる。この結果、注入操作
性の大幅な向上を図ることができる効果がある。

【００２５】また、上述の注入通路１９の上部に凹状の
飲料一時貯溜部２０を形成したので、飲料注入時に飲料
Ａが注入通路１９上部から溢流するを、この一時貯溜部
２０にて効率的に防止することができ、さらに栓部材５
の止着完了時に該栓部材５の注出部１８を外容器２の注
ぎ部１０とが対向するので、注出時の円滑な飲料注出を
確保することができる効果がある。

【００２６】さらに、上述の可動内蓋２２はノーマル時
に図５に示すように外容器２の上方開口部４を閉塞する
ので、このノーマル時に内部に貯溜された飲料Ａの蒸
気、冷気（香り、風味を含む）が外部に逃げるのを防止
することができ、また上述の可動内蓋２２は飲料注出時
（図６参照）に飲料Ａに押されて上方開口部４と注ぎ部
１０とを連通するので、確実な飲料注出を達成すること
ができる効果がある。

【００２７】加えて、上述の注入通路１９にはその開口
部２３が注ぎ部１０と反対側に指向する通路部材２４を
設けたので、飲料Ａの注出時に取手１１を把持して魔法
瓶１それ自体を図６に示すように比較的大きく傾けて
も、栓部材５の注入通路１９から内部の飲料Ａが逆流
（流出）するのを確実に阻止することができる効果があ
る。

【００２８】また上述の飲料注出時にあっては閉成され
た上蓋３０側の２つのシール部材３３，３１により注入
通路１９の上端部と、一時貯溜部２０の開口側周縁とが
それぞれシールされているので、図６の如く魔法瓶１そ
れ自体を傾けても、内部の飲料Ａが逆流するのを所謂２
重シール構成にてより一層確実に防止することができる
効果があり、この２重シール構成は飲料注出時の逆流防
止のみならず、ノーマル時における魔法瓶１内の飲料の
蒸気、冷気（香り、風味を含む）が外部に逃げるのを防
止することもできる。

【００２９】なお、上記実施例で開示した各部材の材質
およびデザインは一例であって、これに限定されるもの
ではなく、請求項１〜３においては円筒部２１に抜け止
めピンを用いて可動内蓋２２の抜け止めを図る構成と成
してもよい。また魔法瓶１内に保温、保冷する飲料とし
ては例示したコーヒの他に紅茶、日本茶などの他の飲料
であってもよく、或はホットウイスキ等のアルコール類
であってもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の魔法瓶を示す側面図。

【図２】 本発明の魔法瓶を示す断面図。

【図３】 栓部材の拡大図。

【図４】 可動内蓋および通路部材の斜視図。

【図５】 飲料注入時の説明図。

【図６】 飲料注出時の説明図。

【図７】 従来のサーブ用ポットを示す断面図。

【符号の説明】

２…外容器 ３…内容器 ４…上方開口部 ５…栓部材 １０…注ぎ部 １８…注出部 １９…注入通路 ２０…飲料一時貯溜部 ２２…可動内蓋 ２３…開口部 ２４…通路部材

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外容器の内部に内容器を備え、外容器の上
   方開口部に栓部材が取付けられた魔法瓶であって、上記
   栓部材には外方から飲料を直接内容器に注入を許容する
   注入通路が形成された魔法瓶。
2. 【請求項２】上記栓部材における注入通路上部に凹状の
   飲料一時貯溜部が形成されると共に、栓部材の止着時に
   該栓部材の注出部と外容器の注ぎ部とを対向させた請求
   項１記載の魔法瓶。
3. 【請求項３】上記栓部材の下部に、ノーマル時に外容器
   の上方開口部を閉塞し、飲料注出時に飲料に押されて上
   方開口部と注ぎ部とを連通する可動内蓋が設けられた請
   求項１もしくは２記載の魔法瓶。
4. 【請求項４】上記栓部材の注入通路には、開口部が注ぎ
   部と反対側に指向する通路部材が設けられた請求項１，
   ２もしくは３記載の魔法瓶。