JP2002102078A - 飲料用容器の栓体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器内の飲料が大量に流れ出ることがなく、
容器内に熱い飲料を入れても蓋部材が勢いよく飛び跳ね
ない。 【解決手段】 容器本体２の口部に着脱自在に取り付け
られる筒状の飲み口部材４と、飲み口部材４にヒンジ軸
５を介して結合されて飲み口部材４の上部開口を開閉す
る蓋部材６と、蓋部材６を開方向に付勢するスプリング
７と、飲み口部材４のヒンジ軸５と対向する位置に設け
られて蓋部材を閉状態に保持するロック部材８とを備
え、飲み口部材４は、上部開口周壁のロック部材側に形
成された飲み口４３と、飲み口側が低くヒンジ軸側が高
い底壁４４と、底壁４４のヒンジ軸とロック部材とを結
ぶ線上の飲み口側に形成された液通孔４５及びヒンジ軸
側に形成された空気孔４６とを有し、蓋部材６は、液通
孔４５及び空気孔４６を密閉するシール部材６３を備え
た内栓６２を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、蓋をワンタッチで
開いて容器本体内の飲料を直接飲むタイプの飲料用容器
の栓体に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、特開平９−２９９２５３号公報
に開示された栓体は、容器本体の口部に着脱自在に取り
付けられる筒状の飲み口部材と、該飲み口部材にヒンジ
軸を介して結合されて飲み口部材の上部開口を開閉する
蓋部材と、該蓋部材を開方向に付勢するスプリングと、
前記飲み口部材のヒンジ軸と対向する位置に設けられて
前記蓋部材を閉状態に保持するロック部材とを備えてお
り、飲み口部材には、容器本体内に開口する入口から上
部開口に至る出口間に注液通路が形成されている。この
栓体は、ロック部材を押すと蓋部材が開き、飲み口部材
の上部開口周壁に唇をつけて容器内の飲料を直接飲むこ
とができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の構造
では、注液通路の入口径が大きいところから、特に乗物
に乗って容器本体を傾けて飲もうとすると、振動等によ
って容器内の飲料が大量に流れ出て、衣服を汚すおそれ
がある。また、容器内に熱い飲料を入れた場合、注液通
路の入口面積が広いため、入口を塞ぐ蓋部材の内栓にか
かる圧力が大きくなり、ロック部材を押したときに、蓋
部材が勢いよく飛び跳ねることがある。さらに、蓋部材
にかかる圧力に対応するため、ロック部材の強度、精度
が要求される。

【０００４】そこで本発明は、容器内の飲料が大量に流
れ出ることがなく、容器内に熱い飲料を入れても蓋部材
が勢いよく飛び跳ねない飲料用容器の栓体を提供するこ
とを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明は、容器本体の口部に着脱自在に取り付け
られる筒状の飲み口部材と、該飲み口部材にヒンジ軸を
介して結合されて飲み口部材の上部開口を開閉する蓋部
材と、該蓋部材を開方向に付勢するスプリングと、前記
飲み口部材のヒンジ軸と対向する位置に設けられて前記
蓋部材を閉状態に保持するロック部材とを備えた飲料用
容器の栓体において、前記飲み口部材は、上部開口周壁
のロック部材側に形成された飲み口と、該飲み口側が低
くヒンジ軸側が高い底壁と、該底壁の前記ヒンジ軸と前
記ロック部材とを結ぶ線上の飲み口側に形成された液通
孔及びヒンジ軸側に形成された空気孔とを有し、前記蓋
部材は、前記液通孔及び空気孔を密閉するシール部材を
備えた内栓を有していることを特徴としている。また、
前記飲み口は、その最上縁が飲み口部材上部周壁の最上
位に形成されていることが好ましい。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を金属製二重断熱構
造の飲料用容器の栓体に適用した一実施形態例を図面に
基づいて、さらに詳細に説明する。片手で持てる大きさ
の飲料用容器１は、断熱構造の容器本体２と、該容器本
体２の口部に着脱可能に装着される栓体３とで構成され
ている。容器本体２は、上部を開口した金属製の内容器
２１及び外容器２２の上端同士を一体に接合したもの
で、両容器２１，２２間に真空断熱構造の断熱部２３を
有している。また、容器本体２の口部外周には、栓体３
を螺着するネジ部２４が形成されている。

【０００７】栓体３は、容器本体２の口部に着脱自在に
取り付けられる筒状の飲み口部材４と、該飲み口部材４
の上部開口を開閉する蓋部材６とを備えている。飲み口
部材４は、有底筒状に形成された栓体受部４１と、該栓
体受部４１を組み付けた容器本体２への取付部４２とで
構成されている。該取付部４２の一側には、前記蓋部材
６がヒンジ軸５を介して結合され、ヒンジ軸５に巻き掛
けられたトーションスプリング７にて開方向に付勢され
ている。トーションスプリング７は、蓋部材６を閉状態
から１８０度以上回動してその位置で保持するスプリン
グ力を有している。また、取付部４２のヒンジ軸５と径
方向に対向する位置には、蓋部材６の先端を係止して蓋
部材６を閉状態に保持するロック部材８が設けられてい
る。

【０００８】栓体受部４１は、上部開口周壁のロック部
材８側に、ロック部材８側の周壁をヒンジ軸５側の周壁
よりも高くして形成した飲み口４３を有している。この
飲み口４３は、その最上縁が上部周壁の最上位に形成さ
れている。また、胴部下部内側に、飲み口４３側が低く
ヒンジ軸５側が高い底壁４４を有している。この底壁４
４には、前記ヒンジ軸５と前記ロック部材８とを結ぶ線
上の飲み口４３側に液通孔４５が、ヒンジ軸５側に空気
孔４６がそれぞれ形成され、底壁４４から上部開口の間
を液流路４７としている。さらに、胴部下部外周に容器
本体２の口部内周壁に密着するパッキン４８を設けてい
る。取付部４２内周には、前記容器本体２のネジ部２４
に螺合するネジ部４９が形成されている。

【０００９】蓋部材６は、栓体受部４１の上部開口を覆
う蓋部６１と、該蓋部６１に設けられて液流路４７に挿
入される内栓６２とを有し、内栓６２にはシール部材６
３が備えられている。該シール部材６３は、液流路４７
の上部開口近傍内周壁に密着する流出側シール部６４
と、前記液通孔４５を上方から密閉する流入側シール部
６５と、前記空気孔４６を上方から密閉する空気孔シー
ル部６６を一体形成したものである。蓋部６１の先端に
は、前記ロック部材８に係止される係止爪６７とロック
部材８のロックリング８１が係合する係合片６８とが形
成されている。

【００１０】ロック部材８は、上部に係止部８２を下部
に押動部８３を有し、中間部を取付部４２に設けた水平
方向の支軸８４にて回動可能に支持され、支軸８４に巻
き掛けられたスプリング８５にて係止部８２を常時閉方
向に付勢されている。

【００１１】このように構成された栓体３は、図２に示
される閉状態からロック部材８の押動部８３を径方向内
側へ押すと、ロック部材８の係止部８２が径方向外側へ
開き、係止部８２と蓋部材６の係止爪６７との係合が解
除され、蓋部材６は、図１，３に示されるように、トー
ションスプリング７の付勢力にて上方に回動して開き、
飲み口４３に唇をつけて飲料用容器１を傾けることによ
り、容器本体２内の飲料を液通孔４５から飲み口４３を
介して直接飲むことができる。

【００１２】この際に、飲み口４３の最上縁が栓体受部
４１の上部周壁の最上位に形成されているので、飲み口
４３としての視認性が向上する。また、蓋部材６の裏面
が顔に当たらず衛生的である。さらに、液通孔４５から
飲み口４３までの距離があるため、飲料が急にでてくる
ことがなく、安心感を与えることができる。しかも、乗
物に乗って飲料を飲む際に、振動等によって飲料用容器
１が揺れても、液通孔４５の開口面積が狭いことと液通
孔４５から飲み口４３までの距離があるから、飲料が大
量に流れ出ることがない。また、容器本体２内に熱い飲
料を入れた場合に、液通孔４５の開口面積が従来に比べ
て狭いから、蓋部材６の内栓６２にかかる圧力が小さ
く、蓋部材６を開ける際に蓋部材６が勢いよく飛び跳ね
ることがない。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の飲料用容
器の栓体は、容器本体の口部に着脱自在に取り付けられ
る筒状の飲み口部材と、飲み口部材にヒンジ軸を介して
結合される蓋部材と、蓋部材を開方向に付勢するスプリ
ングと、飲み口部材のヒンジ軸と対向する位置に設けら
れて蓋部材を閉状態に保持するロック部材とを備え、飲
み口部材は、上部開口周壁のロック部材側に形成された
飲み口と、飲み口側が低くヒンジ軸側が高い底壁と、底
壁のヒンジ軸とロック部材とを結ぶ線上の飲み口側に形
成された液通孔及びヒンジ軸側に形成された空気孔とを
有し、蓋部材は、液通孔及び空気孔を密閉するシール部
材を備えた内栓を有しているので、液通孔から飲み口ま
での距離があるため、飲料が急にでてくることがなく、
安心感を与えることができる。しかも、乗物に乗って飲
料を飲む際に、振動等によって飲料用容器が揺れても、
液通孔の開口面積が狭いことと液通孔から飲み口までの
距離があるから、飲料が大量に流れ出ることがない。ま
た、容器本体内に熱い飲料を入れた場合に、液通孔の開
口面積が従来に比べて狭いから、蓋部材にかかる圧力が
小さく、蓋部材を開ける際に蓋部材が勢いよく飛び跳ね
ることがない。また、飲み口の最上縁を飲み口部材上部
周壁の最上位に形成することにより、飲み口の視認性が
向上するとともに、飲料を飲む際に蓋部材の裏面が顔に
当たらず衛生的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の栓体を開いた状態の断面図

【図２】 同じく閉じた状態の断面図

【図３】 同じく開いた状態の平面図

【符号の説明】

１…飲料用容器、２…容器本体、３…栓体、４…飲み口
部材、４１…飲み口部、４２…取付部、４３…飲み口、
４４…底壁、４５…液通孔、４６…空気孔、５…ヒンジ
軸、６…蓋部材、６１…蓋部、６２…内栓、６３…シー
ル部材、７…トーションスプリング、８…ロック部材

フロントページの続き (72)発明者 初本 邦生 東京都港区西新橋１丁目16番７号 日本酸 素株式会社内 (72)発明者 三浦 育男 東京都港区西新橋１丁目16番７号 日本酸 素株式会社内 Ｆターム(参考） 3E084 AA02 AA12 AA22 AB01 BA03 CA01 DA01 DB12 DB14 FA06 FB01 GA06 GB04 GB06 GB22 GB26 HB03 HD04 KA01 KB01 LA18 LB02 4B002 AA01 AA13 BA05 BA06 BA07 BA16 CA13 CA15 CA32 CA34

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体の口部に着脱自在に取り付けら
   れる筒状の飲み口部材と、該飲み口部材にヒンジ軸を介
   して結合されて飲み口部材の上部開口を開閉する蓋部材
   と、該蓋部材を開方向に付勢するスプリングと、前記飲
   み口部材のヒンジ軸と対向する位置に設けられて前記蓋
   部材を閉状態に保持するロック部材とを備えた飲料用容
   器の栓体において、前記飲み口部材は、上部開口周壁の
   ロック部材側に形成された飲み口と、該飲み口側が低く
   ヒンジ軸側が高い底壁と、該底壁の前記ヒンジ軸と前記
   ロック部材とを結ぶ線上の飲み口側に形成された液通孔
   及びヒンジ結合部側に形成された空気孔とを有し、前記
   蓋部材は、前記液通孔及び空気孔を密閉するシール部材
   を備えた内栓を有していることを特徴とする液体容器の
   栓体。
2. 【請求項２】 前記飲み口は、その最上縁が飲み口部材
   上部周壁の最上位に形成されていることを特徴とする請
   求項１記載の液体容器の栓体。