JPH09299145A - 歯ブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯間部の歯垢の除去を効果的にし、かつ歯ブ
ラシの植毛部の見た目の特徴や印象付けを強くて楽しさ
を付与する。 【解決手段】 植毛束１をハンドル２のヘッド部２₁ に
複数配列して植毛部３を形成し、該植毛部３の植毛束１
の少なくとも一つに先端が鋭角になった突部１₁が様々
な方向に向く略星形或いは周囲に鋭角突部分を配置した
毛束断面形状を持った植毛束１を備えたことで、先端が
鋭角状になった突部分が様々な方向に向くので、ロール
法やスクラブ法・バス法などに代表されるような、一定
方向の動きを主体とする刷掃法だけでなく、自由な刷掃
法やこれらのミックス磨きなどにも対応して、凹凸のあ
る部分、特に歯頸部や歯間部の窪みや咬合面に毛束が入
りやすくなり汚れの除去効率が向上するとともに、特異
な輪郭付けが明確にでき、植毛部の見た目の特徴付けや
楽しさを付与できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、歯間部及び歯の平
滑面の清掃に適した口腔清掃用ブラシ、特に歯みがきの
際に歯間部の歯垢除去を効果的にできる歯ブラシに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、歯ブラシの植毛部としてはナイ
ロンなどの合成樹脂毛や豚毛などの天然毛の各種刷毛が
使い分けられて、植毛束形状としては主に断面円形孔に
円形に集束され、刷毛先の刷掃面は種々の形状にカット
されていることが知られている。即ち、歯や歯茎の刷掃
効果を高めるために、使用される刷毛の刷毛素材の硬
さ、（硬質毛または軟質毛）や材質（天然毛、合成毛）
や刷毛毛束先端のカット形状、集束形状、植毛形態など
の種々の要素について研究され、多様な形態のものが提
案されている。これは植毛穴に用毛を平線で打ち込む定
法によって作製するため、特に、植毛束形状としては、
長方形、楕円形としたり（実開昭５６−５８２２７
号）、非円形や横長の植毛形状に収束すること（実開昭
６３−１６３６３４号）があった。また、最近では、所
定の毛束断面形状に揃えた毛束の末端を溶融し、これを
ブラシ基台部分に融着固定するか、若しくは、毛束末端
の溶融後に、ブラシ部を成形する金型内へ配置し、次い
でブラシ基台部を成形するインモールド方式が開発さ
れ、植毛ヘッドのほぼ全長にわたる帯状に集束すること
（実開昭６３−９９５２７号公報）、並びに内角が９０
度以下の角部を持った形状としたもの（実開平６−５７
２３０号公報）があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の毛束断面形状、
特に、主流となっている円形では凹凸歯面への毛束進入
が満足されないことが多く、他の形状であっても、緩や
かな曲面であることにより毛束進入が充分でないか、角
があるとしても一定方向の動きにしか対応していなかっ
た。さらに、円形断面の毛束では、植毛部の見た目の変
化が少なく、輪郭付けもぼけてせいぜい用毛色の変化や
径の大小差などによる特徴付けが主で、外観上特別変っ
たところがなく奇抜性がなく独自の商品イメージを消費
者に与えることができないし購買意欲もわかないなどの
問題があった。本発明では、これら従来の欠点を排除し
ようとするもので、凹凸のある面を刷掃し歯牙の汚れや
歯間部の歯垢の除去を効果的に行うと共に、特異な輪郭
付けが明確にでき、他の商品との識別化を明瞭にし植毛
部の見た目の特徴付けや楽しさが付与され、特に子供が
使用する時に楽しく使用できる歯ブラシを構成簡単で安
価な形態で提供することを目的としたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、植毛束をハン
ドルのヘッド部に複数配列して植毛部を形成し、該植毛
部の植毛束の少なくとも一つに先端が鋭角になった突部
が様々な方向に向く略星形、或いは周囲に鋭角突部分を
配置した毛束断面形状を持った植毛束を備えたものであ
る。

【０００５】そしてこの発明の歯ブラシは、星形或い
は、周囲に鋭角突部分を配置した形状をしている毛束を
植毛部の外周部に位置するようにしたことにより、突部
分が他の毛束に邪魔されることなく歯の凹凸面に最初に
接触し、歯頸部や歯間部の窪みや咬合面に毛束が入りや
すくなり、汚れの除去効率が向上する形態（請求項２）
に構成することができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】この発明にかかる歯ブラシは、毛
束断面形状を略星形あるいは、周囲に鋭角突部分を配置
した形状とすることにより、先端が鋭角状になった突部
分が様々な方向に向くので、ロール法やスクラブ法・バ
ス法などに代表されるような、一定方向の動きを主体と
する刷掃法だけでなく、自由な刷掃法やこれらのミック
ス磨きなどにも対応して、凹凸のある部分、特に歯頸部
や歯間部の窪みや咬合面に毛束が入りやすくなり汚れの
除去効率が向上する。また、星形或いは、周囲に鋭角突
部分を配置した形状をしている毛束を植毛部の外周部に
位置するようにしたことにより、突部分が他の毛束に邪
魔されることなく歯の凹凸面に最初に接触し、歯頸部や
歯間部の窪みや咬合面に毛束が入りやすくなり汚れの除
去効率が向上する形態で使用することができる。

【０００７】さらに、星形或いは、周囲に鋭角突部分を
配置した形状の突部分の大きさを不揃いとし、大きな突
部分が植毛部の外周方向を向くようにしたことにより、
外周へ向いている突部分では、他の毛束に邪魔されるこ
となく凹凸面に最初に接触し、歯頸部や歯間部の窪みや
咬合面に毛束が入りやすくなり汚れの除去効率が向上す
ると同時に、毛束のそれ以外の方向では、互いの毛束の
突部分に制約されずに、適度な植毛間隔と植毛密度のブ
ラシ部を構成できるため、平滑部分には、ブラシ中央部
分が適応でき、凹凸部分と平滑部分の両方に適したバラ
ンスの良い清掃力と使用性を得ることができる。

【０００８】

【実施例】本発明の実施例を図１乃至図２の例で説明す
ると、植毛束１をハンドル２のヘッド部２₁ に複数配列
して植毛部３を形成し、該植毛部３の植毛束１の少なく
とも一つに先端が鋭角になった突部１₁ が様々な方向に
向く略星形或いは周囲に鋭角突部分を配置した毛束断面
形状を持った植毛束１を備えた歯ブラシとしてある。

【０００９】この場合、前記植毛部３に円形植毛穴に植
設した円形毛束４を混在する形態とし、前記植毛束１の
略星形の毛束断面形状を持った植毛束１が、植毛部３の
毛束配列の外周或いは一個所にまとめて複数配列するの
がよく、この星形の鋭角突部１₁ が他の毛束例えば、円
形毛束４に邪魔されることなく歯の凹凸面に最初に接触
し歯頸部や歯間部の窪みや咬合面に毛先が入りやすくな
り汚れや歯垢の除去効率が大巾に向上できるものとなる
し、歯肉のマッサージ効果もあげることができるものと
なる。

【００１０】即ち、図２に示す如く突部１₁ のある星形
植毛束１をヘッド部２₁ の先端部位にまとめて配列し、
残り毛束を円形毛束４で植毛部３を形成したり（図２
ａ）、植毛部３の先端及び後端に星形植毛束１を配列
し、両サイドに適宜間隔に星形植毛束１を必要に応じ、
円形毛束４中に混在配列したり（図２ｂ）、或いは星形
植毛束１の配列の中間部の一部に円形毛束４を混在させ
た形態（図２ｃ及び図２ｄ）とすることができるが、略
星形の毛束断面形状をもった植毛束１のみをヘッド部２
₁ に融着固定或いはインモールドで植設したタイプとす
ることもできる（図２ｅ）。

【００１１】なお、前記星形植毛束１を前記円形毛束４
と混在させる組み合せる形態では、植毛部３の先端側或
いは後端側に一つ或いは二、三つ横方向或いは縦方向に
並べて配列し自他商品の識別若しくは商品イメージを独
特のものとすることもできるが、毛束の列、行数、穴数
星形毛束と円形毛束の組み合わせなど植毛部全体をブラ
シの設計によって適宜選択できる。

【００１２】また、前記毛束断面図形状については、図
３に示すような突部を連続させた星形植毛束１とし、そ
の組み合わせに用いられる毛束を円形毛束４としたが、
それ以外の毛束の断面は必ずしも円形だけでなく公知の
毛束断面形状と組み合わせることも可能であり、突起部
分の大きさ不揃いの断面形状では、星形で代表した毛束
の一部ないし全部の毛束が、植毛部３の一番近い外周部
の方向を向いている状態でもよい。特に星形植毛束１の
突部１₁ と谷部との大小差を種々変えたり、突部１₁ の
大きさを不揃いした列とすることもできるし、突部１₁
の数や巾或いは刷毛の高さの比率も突部と谷部とで異な
らしめることも考慮される。

【００１３】図４の具体例では植毛束１の断面形状を円
形周囲に鋭角突部分１₁ を一つ或いは複数配置したもの
で、該鋭角突部１₁ の大きさや巾を同一にするのに限ら
ず、いろいろ変えて独自のイメージを植毛部に与えるよ
うにしたもので、ハンドル２のヘッド部２₁ に各種のパ
ターンに配列して植毛部３を構成し、さらに他の断面形
状の植毛束１を組み合せて用いられるのは前例と同様で
ある。これらの突部分の大きさが不揃いの場合、大きな
突部分１₁ が植毛部３の外周方向に向いているように植
毛するのがよく、適度な回転角度間隔をもって突部分が
設定され、様々な方向の刷掃に最適に対応でき、かつ、
毛束あるいは植毛穴を形づける金型が複雑にならずに容
易に作製できる。

【００１４】なお、毛束断面形状を略星形或いは、円形
の周囲に鋭角の突部分を配置した形状とする場合、突部
分あるいは凹部分の角部を、金型作製の都合等により、
星形の特徴を失わない程度に曲面とすることは許容され
る。また、星形の毛束は１束のみ（例えば、先端部や後
端部）でも良いが、望ましくは複数設置し、その場合、
毛束ごとの突部分の大きさや向きは、必ずしもすべて同
一である必要はない。略星形あるいは、円形の周囲に突
部分を配置した形状をしている毛束を、少なくとも植毛
部の外周部に位置するようにし、突部分の数は、略星形
にあっては１毛束あたり３〜８とし、円形の周囲に鋭角
の突部分を配置した形状にあっては、１〜８とするのが
よい。

【００１５】本発明では次に示す特徴的な構成をも含ま
れている。 前記先端が鋭角になった突部が、すべて連続するか或
いは円弧の一部分が含まれる形状にし、大きな突部が植
毛部の外周方向を向いている歯ブラシ。 前記植毛束が、星形あるいは、円形の周囲に鋭角の突
部分を配置した形状の突部分の大きさを不揃いとし、大
きな突部分が植毛部の外周方向を向くようにした歯ブラ
シ。 前記植毛束が、先端が鋭角になった突部のあるもので
あって、突部分の数は略星形にあっては１毛束あたり３
〜８とし、円形の周囲に鋭角の突部分を配置した形状に
あっては、１〜８とした歯ブラシ。

【００１６】

【発明の効果】本発明は、植毛束をハンドルのヘッド部
に複数配列して植毛部を形成し、該植毛部の植毛束の少
なくとも一つに先端が鋭角になった突部が様々な方向に
向く略星形、或いは周囲に鋭角突部分を配置した毛束断
面形状を持った植毛束を備えたことにより、凹凸のある
面を刷掃し歯牙の汚れや歯間部の歯垢の除去を効果的に
行うと共に、特異な輪郭付けが明確にでき、他の商品と
の識別化を明瞭にし植毛部の見た目の特徴付けや楽しさ
が付与され、特に子供が使用する時に楽しく使用できる
し、植毛束の先端が鋭角状になった突部分が様々な方向
に向くので、ロール法やスクラブ法・バス法などに代表
させるような、一定方向の動きを主体とする刷掃法だけ
でなく、自由な刷掃法やこれらのミックス磨きなどにも
対応して、凹凸のある部分、特に歯頸部や歯間部の窪み
や咬合面に毛束が入りやすくなり汚れの除去効率が向上
する。また、植毛束が星形あるいは、円形の周囲に鋭角
の突部分を配置した形状をしている毛束を植毛部の外周
部に位置するようにしたことにより、星形の突部分が他
の毛束に邪魔されることなく凹凸面に最初に接触し、歯
頸部や歯間部の窪みや咬合面に毛束が入りやすくなり汚
れの除去効率が向上し、適度な回転角度間隔をもって突
部分が設定され、様々な方向の刷掃に最適に対応でき、
かつ、毛束あるいは植毛穴を形づける金型が複雑になら
ずに容易に作製できるほか、さらに、星形あるいは、円
形の周囲に星形の突部分を配置した形状の突部分の大き
さを不揃いとし、大きな突部分が植毛部の外周方向を向
くようにしたことにより、外周へ向いている突部分で
は、他の毛束に邪魔されることなく凹凸面に最初に接触
し、歯頸部や歯間部の窪みや咬合面に毛束が入りやすく
なり汚れの除去効率が向上すると同時に、毛束のそれ以
外の方向では、互いの毛束の突部分に制約されずに、適
度な植毛間隔と植毛密度のブラシ部を構成できるため、
平滑部分には、ブラシ中央部分が適応でき、凹凸部分と
平滑部分の両方に適したバランスのよい清掃力と使用性
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の一部を示し、（ａ）はその植
毛部の平面図、（ｂ）はその側面図である。

【図２】本発明の他の実施例の一部を示し、（ａ）〜
（ｅ）はそれぞれ植毛部の平面図である。

【図３】さらに、本発明で用いられる植毛束の断面形状
を示し、（ａ）〜（ｇ）はそれぞれの平面図及び側面図
である。

【図４】また、本発明の他の例の植毛束の断面形状を示
し、（ａ）〜（ｆ）はそれぞれの平面図である。

【符号の説明】

１ 植毛束 １₁ 実部 ２ ハンドル ２₁ ヘッド部 ３ 植毛部 ４ 円形毛束

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 植毛束をハンドルのヘッド部に複数配列
   して植毛部を形成し、該植毛部の植毛束の少なくとも一
   つに先端が鋭角になった突部が様々な方向に向く略星
   形、或いは周囲に鋭角突部分を配置した毛束断面形状を
   持った植毛束を備えたことを特徴とする歯ブラシ。
2. 【請求項２】 前記植毛束の略星形の毛束断面形状を持
   った植毛束が、複数植毛部毛束配列の外周囲、或いは一
   箇所にまとめて配列されている請求項１記載の歯ブラ
   シ。