JP4187489B2 - 歯ブラシ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本のブリッスルを束ねてなる毛束が植毛台に複数植設されている歯ブラシに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
歯ブラシは、複数本のブリッスルを束ねてなる毛束を、例えば植毛台の植毛面に設けられた複数の植毛孔に平線を打ち込んだり熱で融着させる方法等によって植設固定することにより形成されるものである。また、歯ブラシは、前歯、奥歯等の歯の種類や、歯間部、歯面部、歯頸部等の歯の部位に応じた適切な刷掃を効率良く行って歯垢等を効果的に除去できるように、また刷掃時に良好な感触が得られるように、毛束の配置やブリッスルの毛先の形状等に様々な工夫がなされている。
【0003】
一方、奥歯や前歯等の複数の歯の種類や、歯間部、歯面部、歯頸部等の複数の歯の部位に対して、一本の歯ブラシで適切な刷掃を行ってゆくことができるように、各歯の種類や部位の刷掃に適した外観形態(統一された特徴)が異なる複数の毛束群を植毛台に植設した歯ブラシが種々開発されている。
【0004】
しかしながら、外観形態が異なる複数の毛束群を一本の歯ブラシに植設する場合(例えば、特許文献1参照)、これらの複数の毛束群の配置やブリッスルの植毛密度等が適切でないと、他の毛束群との関係で、歯ブラシ全体の歯垢除去効果が却って損なわれることになる。
【0005】
例えば、植毛台の植毛面に、先端部領域と、該先端部領域の後方部分を歯ブラシの軸方向に沿った3つの帯状領域に分けた際の中央帯状領域と、該中央帯状領域の両側の一対の外側帯状領域との4つの領域を有する歯ブラシの場合、中央帯状領域の主ブリッスルの断面積の総和の該中央帯状領域の面積に対する割合(中央帯状領域における植毛密度)が高すぎると、主ブリッスルが歯間部の入り口で密集状態になって歯間部の奥深くまで到達しにくくなり、十分な歯垢除去効果が得られない。
【0006】
一方、中央帯状領域の主ブリッスルの断面積の総和の全主ブリッスルの断面積の総和に対する割合(中央帯状領域における主ブリッスル断面積率)が低すぎると、先端部領域と外側帯状領域には主ブリッスルが多いが中央帯状領域にだけ主ブリッスルが少ない状態になる。したがって、歯ブラシの真ん中に毛が少ない空白部分ができ、磨いたと思っても磨き残しが多くなるなどの問題が生じる。
【0007】
本発明は、歯ブラシ全体の歯垢除去効果を損なうことなく、外観形態(統一された特徴)が異なる複数の毛束群による各歯の種類や部位に応じた刷掃を効率良く行うことのできる歯ブラシを提供することを目的とする。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−149815号公報
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数本のブリッスルを束ねてなる毛束が植毛台の植毛面に複数植設されている歯ブラシであって、前記植毛台に植設された前記複数本のブリッスルの先端を平坦な面に当接させて前記植毛台の後側から300gの荷重を垂直に負荷しつつ刷掃した際に前記平坦な面に先端が接触するブリッスルを主ブリッスルとし、且つ前記植毛台の植毛面は、先端部領域と、該先端部領域の後方部分を歯ブラシの軸方向に沿った3つの帯状領域に分けた際の中央帯状領域と、該中央帯状領域の両側の一対の外側帯状領域との4つの領域を有しており、前記先端部領域に植設された先端毛束群、前記中央帯状領域に植設された中央毛束群、前記各外側帯状領域に植設された外側毛束群は、各々統一された特徴を備えていると共に、前記先端毛束群と前記中央毛束群と前記各外側毛束群とは、その統一された特徴が相違しており、且つ前記中央毛束群を構成する各中央主ブリッスルの断面積の総和の前記中央帯状領域の面積に対する割合(中央帯状領域における植毛密度=(中央主ブリッスルの断面積の総和)/(中央帯状領域の面積)×100(%))が5〜25%であると共に、前記各中央主ブリッスルの断面積の総和の前記植毛面に植設された全主ブリッスルの断面積の総和に対する割合(中央帯状領域における主ブリッスル断面積率=(中央主ブリッスルの断面積の総和)/(全主ブリッスルの断面積の総和)×100(%))が30〜80%である歯ブラシを提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0010】
ここで、本願において、「主ブリッスル」は、図3(a),(b)にモデル化して示すように、植毛台50に植設された複数本のブリッスル51の先端を平坦な面52に当接させて植毛台50の後側から300gの荷重Pを垂直に負荷しつつ刷掃した際に、平坦な面52に先端が接触するブリッスル51aを意味するものである。したがって、ブリッスルのうち、300gの荷重Pが垂直に負荷されて植毛台50が変位sだけ移動してもその先端が平坦な面52に当接しない、最も長いブリッスル51aとの毛丈の段差dが変位sよりも大きいブリッスル51bを除いて考える趣旨である。
【0011】
また、本願において、「統一された特徴」とは、毛束の先端形状(毛束をカットした面やブリッスルを揃えた面の角度や曲率)、毛束の横断面形状、毛束の傾倒方向や傾倒角度、毛束の太さ、毛束の植毛高さ、長軸短軸がある横断面形状を有する毛束の軸方向、ブリッスルの先端形状、ブリッスルのかたさ理論値の平均等を特徴として統一されていることを意味するものであり、毛束群が全体で一つの形(例えば同心円状や山の形等)に形成されている場合も含まれる。
【0012】
また、各特徴には優先順位があり、最も優先順位が高いのは、毛束群が全体で一つの形に形成されている場合で、次いで毛束の先端形状、毛束の傾倒方向や傾倒角度、毛束の植毛高さ、毛束の太さ、長軸短軸がある横断面形状を有する毛束の軸方向、ブリッスルのかたさ理論値の平均、ブリッスルの先端形状と続くことになる。したがって、一つの毛束に複数の「統一された特徴」が存在する場合は、当該毛束は、より優先順位の高い特徴を有する毛束群の方に含まれることになる。
【0013】
なお、このような各毛束群の「統一された特徴」の相違は、主として奥歯や前歯等の複数の歯の種類や、歯間部、歯面部、歯頸部等の複数の歯の部位に対して各々適切な刷掃を行ってゆくための、各毛束群が備える特有の機能の相違によるものである。
【0014】
さらに、本願において、植毛台の植毛面における先端部領域、中央帯状領域、外側帯状領域は、各領域に植設される先端毛束群、中央毛束群、外側毛束群を構成する毛束のうちの、他の毛束群と隣接する位置に配置される各一対の毛束の外周間の植毛面における中点を結んで得られる線分によって区画される領域である。また中央帯状領域の面積は、このような線分によって先端部領域、及び外側帯状領域と区画される領域の面積を意味するものである。
【0015】
さらにまた、本願において、中央帯状領域における植毛密度とは、前記中央毛束群を構成する主ブリッスルである各中央主ブリッスルの断面積の総和の前記中央帯状領域の面積に対する割合をいい、中央帯状領域における主ブリッスル断面積率は、前記各中央主ブリッスルの断面積の総和の前記植毛面に植設された全主ブリッスルの断面積の総和に対する割合をいう。
【0016】
そして、本発明の歯ブラシによれば、先端部領域に植設された先端毛束群と、中央帯状領域に植設された中央毛束群と、各外側帯状領域に植設された外側毛束群は、これらの毛束群の機能等に応じてその「統一された特徴」が異なっており、且つ中央帯状領域における植毛密度が5〜25%、中央帯状領域における主ブリッスル断面積率が30〜80%となっているので、各毛束群によって、異なる歯の種類や異なる歯の部位に対して各々効率良く刷掃を行ってゆくことが可能になると共に、中央帯状領域における植毛密度と主ブリッスル断面積率の双方がいずれも低くならないように、先端部領域と各外側帯状領域における主ブリッスルの量がコントロールされていることにより、歯間部の奥深くまで主ブリッスルの先端が到達し、且つ歯間部だけでなく平滑面までも主ブリッスルが万遍なく効率的に接触するという作用によって、歯ブラシ全体の歯垢除去効果を向上させることが可能になる。
【0017】
中央帯状領域における植毛密度を5〜25%としたのは、植毛密度が5%よりも小さいと、中央帯状領域の毛の感触が極端に頼りなくなってしまい、それを補うためにブリッスルを太くすると逆に痛くて磨けなくなってしまうおそれがるためであり、植毛密度が25%よりも大きいと、後述する比較例1で示すように、中央帯状領域における主ブリッスル断面積率が高くても歯間部にブリッスルが入りにくくなって十分な歯垢除去効果が得られないからである。
【0018】
また、中央帯状領域における主ブリッスル断面積率を30〜80%としたのは、主ブリッスル断面積率が30%よりも小さいと、後述する比較例2,3で示すように、中央帯状領域における植毛密度が低くても中央帯状領域における主ブリッスル断面積率も低くなりすぎるため刷掃効率が上がらず、十分な歯垢除去効果が得られないからであり、主ブリッスル断面積率が80%よりも大きいと、先端部領域と外側帯状領域の主ブリッスルが少くなりすぎて、各領域の特徴を十分に発揮できなくなるためである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1(a),(b)に示す本発明の好ましい一実施形態に係る歯ブラシ10は、把持部(図示せず)と植毛台11とこれらを連結する首部12とからなる歯ブラシ本体の植毛台11に形成した複数の植毛孔13a,13b,13c,13dに、複数本のブリッスル14a,14b,14c,14dを束ねてなる毛束(タフト)15a,15b,15c,14dを各々植毛(植設)することによって構成されている。
【0020】
本実施形態の歯ブラシ10によれば、歯ブラシ本体は、例えばポリプロピレン、ABS樹脂等の合成樹脂からなる公知のもので、その植毛台11の平坦な植毛面は、先端の略1/4の領域を占める先端部領域16と、この先端部領域16の後方部分を歯ブラシ10の軸方向Xに沿った3つの帯状領域17,18に分けた際の中央帯状領域17と、中央帯状領域17の両側の一対の外側帯状領域18との4つの領域を有している。
【0021】
そして、先端部領域16には、長軸が1.5mm、短軸が0.8mmのトラック円形状の第1植毛孔13aが5箇所に、同じく長軸が1.5mm、短軸が0.8mmのトラック円形状の第2植毛孔13bが7箇所に各々が形成されている(合計12箇所)。また中央帯状領域17には、歯ブラシ10の軸方向Xと平行な短軸が0.8mm、これと垂直な長軸が3.0mmのトラック円形状の第3植毛孔13cが5箇所に形成されている。さらに、各外側帯状領域18には、歯ブラシ10の軸方向Xと平行な長軸が2.2mm、これと垂直な短軸が0.8mmのトラック円形状の第4植毛孔13dが各々8箇所、合計16箇所に形成されている。
【0022】
また、先端部領域16における12箇所の植毛孔13a,13bのうちの5箇所の第1植毛孔13aには、図1(a)において黒塗りで略示される第1毛束15aが、7箇所の第2植毛孔13bには、白塗りで略示される第2毛束15bが各々植毛されている。また中央帯状領域17における5箇所の第3植毛孔13cには、陰線を描いて略示される第3毛束15cが、各外側帯状領域18における8箇所の4植毛孔13dには、歯ブラシ10の軸方向Xに片寄せた丸を描いて略示される第4毛束15dが各々植毛されている。
【0023】
なお、本実施形態によれば、植毛台11の植毛面における先端部領域16、中央帯状領域17、外側帯状領域18は、各領域に植設される先端毛束群19A、中央毛束群19B、外側毛束群19Cを構成する毛束15a,15b,15c,15dのうちの、他の毛束群と隣接する位置に配置される各一対の毛束15b,15c,15dの外周間の植毛面における中点を結んで得られる線分20に相当する、他の毛束群と隣接する位置に配置される各一対の植毛孔13b,13c,13dの外周間の中点を結んで得られる線分20によって区画される領域である。
【0024】
また、各毛束15a,15b,15c,15dを構成するブリッスル14a,14b,14c,14dは、ナイロン等の合成樹脂からなる例えば6〜9milの太さを有するフィラメント材であって、これを例えば十数本〜数十本束ねることによって各毛束15a,15b,15c,15dが形成されることになる。
【0025】
本実施形態によれば、先端部領域16に植設される第1毛束15aは、太さが9mil(0.229mm)の先端第1ブリッスル14aを15本束ねて構成されており、各先端第1ブリッスル14aは植毛面から11.0〜12.0mmの毛丈(植毛台11の先端側の第1毛束15aを構成する先端第1ブリッスル14aから順番に11.5mm、12.0mm、11.5mm、11.0mmの毛丈)で植毛されている。また、第2毛束15bは、太さが8mil(0.203mm)の先端第2ブリッスル14bを19本束ねて構成されており、各先端第2ブリッスル14bは植毛面から10.5〜11.5mmの毛丈(植毛台11の先端側の第2毛束15bを構成する先端第2ブリッスル14bから順番に11.5mm、11.0mm、10.5mmの毛丈)で植毛されている。
【0026】
すなわち、本実施形態によれば、5箇所の第1毛束15aと7箇所の第2毛束15bとからなる先端部領域16における毛束群19Aの全体の上端ブラシ面は、植毛台11の先端側から2列目の2つの第1毛束15a(毛丈12.0mm)が最も高くなった、歯ブラシ10の側方から視て山型の形状を形成している(図1(b)参照)。そして先端部領域16に植設された5箇所の第1毛束15aと7箇所の第2毛束15bは、何れも、植毛台11の植毛面と垂直な方向に対して5度の角度で歯ブラシ10の軸方向Xの先端側に傾倒して植設されている。
【0027】
また、本実施形態によれば、中央帯状領域17に植設される第3毛束15cは、太さが9mil(0.229mm)の中央ブリッスル14cを38本束ねて構成されており、各中央ブリッスル14cは植毛面から11.5mmの毛丈で植毛されている。また各外側帯状領域18に植設される第4毛束15dは、太さが7mil(0.178mm)の外側ブリッスル14dを48本束ねて構成されており、各外側ブリッスル14dは植毛面から9.0〜11.5mmの毛丈で植毛されている。
【0028】
そして、中央帯状領域17に植設された5箇所の第3毛束15cは、何れも、植毛台11の植毛面と垂直な方向に対して10度の角度で歯ブラシ10の軸方向Xの先端側に傾倒して植設されている。また各外側帯状領域18に植設された各々8箇所の第4毛束15dのうち先端に位置する各1箇所の第4毛束15dは、植毛台11の植毛面と垂直な方向に対して10度の角度で歯ブラシ10の軸方向Xの先端側に傾倒して植設されている。
【0029】
さらに、本実施形態によれば、上記第4毛束15dは、図1(b)のA部にその上面図及び側面図を拡大して示すように、最も高い毛丈(11.5mm)の8本の外側ブリッスル14dから、最も低い毛丈(9.0mm)の外側ブリッスル14dに亘って、先端形状が凹状の湾曲形状となるように外側ブリッスル14dの毛丈を順次低くした状態で植毛されるものであり、これによって、植毛台11の後側から300gの荷重を垂直に負荷しつつ刷掃した際に、毛丈の長い方の21本の外側ブリッスル14dのみの先端が平坦な面に当接して、当該21本の外側ブリッスル14dのみが主ブリッスルを構成することになる。
【0030】
上述のように各毛束15a,15b,15c,15dが植毛台11に植毛されていることにより、本実施形態の歯ブラシ10によれば、毛丈の短い方の27本の外側ブリッスル14dを除いて、各毛束15a,15b,15c,15dを構成するブリッスル14a,14b,14c,14dは、植毛台11に植設された複数本のブリッスルの先端を平坦な面に当接させて植毛台11の後側から300gの荷重を垂直に負荷しつつ刷掃した際に平坦な面に先端が接触するブリッスルである主ブリッスルとなっている。
【0031】
また、本実施形態によれば、上述のように各毛束15a,15b,15c,15dが植毛台11に植毛されていることにより、先端部領域16に植設された5箇所の第1毛束15aと7箇所の第2毛束15bは、その横断面形状、傾倒角度等が略同様となっていると共に、全体で一つの山形を形成していることから、統一された特徴を有する毛束15a,15bの集合としてひとまとまりの先端毛束群19Aを構成することになる。
【0032】
また中央帯状領域17に植設される5箇所の第3毛束15cは、その横断面形状、毛束の傾倒方向、傾倒角度等が同様となっていることから、統一された特徴を有する毛束15cの集合としてひとまとまりの中央毛束群19Bを構成することになる。さらに各外側帯状領域18に植設される各々8箇所の第4毛束15dは、その先端形状(ブリッスルを揃えた面の曲率)、横断面形状等が同様となっていることから、統一された特徴を有する毛束15dの集合としてひとまとまりの外側毛束群19Cを各々構成することになる。
【0033】
そして、これらの先端毛束群19A、中央毛束群19B、外側毛束群19Cは、各毛束群19A,19B,19Cを構成する毛束15a,15b,15c,15dがその横断面形状、傾倒角度等において明らかに異なっていることから、明確に区別できる異なる外観形態を有することになる。
【0034】
さらに、本実施形態によれば、上述のように各毛束15a,15b,15c,15dが植毛台11に植毛されていることにより、中央毛束群19Bを構成する各中央主ブリッスル14cの断面積の総和は7.8mm2となり、中央帯状領域17の面積は45mm2であることから、中央毛束群19Bを構成する各中央主ブリッスル14cの断面積の総和の中央帯状領域17の面積に対する割合である中央帯状領域17における植毛密度は、17.2%となる。また先端毛束群19Aを構成する先端第1主ブリッスル14a及び先端第2主ブリッスル14aの断面積の総和は7.4mm2、各外側毛束群19Cを構成する外側主ブリッスル14dの断面積の総和は4.2mm2(合計8.4mm2)であることから、各中央主ブリッスル14cの断面積の総和の植毛面に植設された全主ブリッスル14a,14b,14c,14dの断面積の総和に対する割合である中央帯状領域における主ブリッスル断面積率は、33.1%となる。
【0035】
なお、本実施形態によれば、先端部領域16の面積は37mm2であることから、先端毛束群19Aを構成する各先端主ブリッスル14a,14bの断面積の総和の先端部領域16の面積に対する割合である先端部領域16における植毛密度は、19.9%となっており、また各外側帯状領域18の面積は36.5mm2であることから、各外側毛束群19Cを構成する各先端主ブリッスル14dの断面積の総和の各外側帯状領域18の面積に対する割合である外側帯状領域18における植毛密度は、11.4%となっている。
【0036】
そして、本実施形態の歯ブラシ10によれば、歯ブラシ全体の歯垢除去効果を損なうことなく、統一された特徴が異なる複数の毛束群19A,19B,19Cによる前歯、奥歯等の各歯の種類や、歯間部、歯面部、歯頸部等の各歯の部位に応じた刷掃を効率良く行うことが可能になる。すなわち、本実施形態の歯ブラシ10によれば、先端部領域16に植設された、特に奥歯の奥の刷掃に寄与する先端毛束群19Aと、中央帯状領域17に植設された、特に歯間部や平滑面の刷掃に寄与する中央毛束群19Bと、各外側帯状領域18に植設された、特に中央毛束群19Bの歯間部への誘導と歯ぐきのマッサージに寄与する外側毛束群19Cは、これらの毛束群19A,19B,19Cの機能等に応じてその統一された特徴が異なっており、且つ中央帯状領域17における植毛密度が17.2%、中央帯状領域17における主ブリッスル断面積率が33.1%となっているので、各毛束群19A,19B,19Cによって、異なる歯の種類や異なる歯の部位に対して各々効率良く刷掃を行ってゆくことが可能になる。
【0037】
また、中央帯状領域17における植毛密度と主ブリッスル断面積率の双方がいずれも低くならないように、先端部領域16と各外側帯状領域18における主ブリッスル14a,14b,14dの量がコントロールされていることにより、歯間部の奥深くまで主ブリッスルの先端が到達し、且つ歯間部だけでなく平滑面までも主ブリッスルが万遍なく効率的に接触するという作用によって、歯ブラシ全体の歯垢除去効果を効率良く向上させることが可能になる。
【0038】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、植毛台における植毛孔の形状や配置、各毛束を構成するブリッスルの太さ、本数等は上記各実施形態のものに限定されるものではない。また、歯ブラシの植毛台に先端毛束群と中央毛束群と外側毛束群のみを植設する必要は必ずしもなく、例えば中央帯状領域と外側帯状領域の後方に、さらに他の毛束又は毛束群が植設されていても良い。
【0039】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により、本発明の歯ブラシをさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
〔実施例1〕
上記実施形態の歯ブラシ10と同様の構成を有する歯ブラシを実施例1の歯ブラシとして、後述の歯垢除去率のモデル試験によって歯垢除去率の評価を行った。評価の結果を図5に示す。
【0041】
〔比較例1〕
図4に示すように、先端部領域30に植設される先端毛束群34Aの9箇所の先端毛束35aと、中央帯状領域31に植設される中央毛束群34Bの7箇所の中央毛束35bと、各外側帯状領域32に植設される各外側毛束群34Cの7箇所の外側毛束35cとを、同図に示すよう配置した歯ブラシを比較例1の歯ブラシとして、後述の歯垢除去率のモデル試験によって歯垢除去率の評価を行った。評価の結果を図5に示す。
【0042】
なお、比較例1の歯ブラシによれば、各先端毛束35aが植設される先端植毛孔36aは、長軸が1.5mm、短軸が0.8mmのトラック円形状を有しており、これらの先端植毛孔36aには、太さが8mil(0.203mm)のブリッスルを24本束ねてなる先端毛束35aが11mmの毛丈で各々植毛されている。また各中央毛束35bが植設される中央植毛孔36bは、長軸が4.5mm、短軸が0.8mmのトラック円形状を有しており、これらの中央植毛孔36bには、太さが7mil(0.178mm)のブリッスルを127本束ねてなる先端毛束35bが11mmの毛丈で各々植毛されている。
【0043】
さらに、各外側毛束35cが植設される外側植毛孔36cは、長軸が1.5mm、短軸が0.8mmのトラック円形状を有しており、これらの外側植毛孔36cには、太さが8mil(0.203mm)のブリッスルを24本束ねてなる外側先端毛束35cが11mmの毛丈で各々植毛されている。また比較例1の歯ブラシによれば、中央帯状領域31及び外側帯状領域32の後方の後端部領域33の5箇所の後端植毛孔36dには、外側毛束35cと同様の形状の後端毛束35dが植設されていて、後端毛束群34Dを形成している。
【0044】
そして、比較例1の歯ブラシによれば、中央毛束群34Bを構成する各中央主ブリッスルの断面積の総和は17.1mm2となり、中央帯状領域31の面積は56mm2であることから、中央毛束群34Bを構成する各中央主ブリッスルの断面積の総和の中央帯状領域31の面積に対する割合である中央帯状領域31における植毛密度は、30.5%となっている。また先端毛束群34Aを構成する各先端主ブリッスルの断面積の総和は6.7mm2、各外側毛束群34C及び後端毛束群34Dを構成する各外側主ブリッスル及び各後端主ブリッスルの断面積の総和は14.2mm2であることから、各中央主ブリッスルの断面積の総和の植毛面に植設された全主ブリッスルの断面積の総和に対する割合である中央帯状領域32におけるブリッスル断面積率は、45.0%となっている。
【0045】
〔比較例2,3〕
市販品Aを比較例2の歯ブラシとし、市販品Bを比較例3の歯ブラシとして、各々について中央帯状領域における植毛密度と、中央帯状領域における主ブリッスル断面積率とを算出すると共に、後述の歯垢除去率のモデル試験によって歯垢除去率の評価を行った。評価の結果を図5に示す。なお、中央帯状領域における植毛密度については、市販品Aでは8.6%、市販品Bでは21.6%だった。また中央帯状領域における主ブリッスル断面積率については、市販品Aでは18.7%、市販品Bでは22.7%だった。
【0046】
〔歯垢除去率のモデル試験〕
図2に示すように、R4の曲面同士を向き合わせたアルミブロックによる歯間部モデル21を作成し、この歯間部モデル21の表面に歯垢モデルとしてビデオテープ磁性層22を取り付けた。ビデオテープとして、西友プライベートブランドの「S’RIBBON」スタンダードタイプ(120分、型番3T−120SR)」を使用した。作成した歯間部モデル21に対して、ブラッシングマシーンを用いて実施例1の歯ブラシ、及び比較例1〜3の歯ブラシの各々による刷掃を行った。
【0047】
刷掃条件は、荷重300g、速度120rpm、振幅30mm、回数120回とし、ハミガキとして研磨促進剤であるアパガードMプラス(商品名、サンギ社製)を使用した。2πR×幅5mmの領域を歯間部の評価領域23とし、刷掃後にビデオテープ磁性層22を展開して、デジタルカメラで撮影すると共に画像解析した。画像解析によって、評価領域23において磁性層が剥がれて白くなった部分の面積の比率を計算し、歯間部における歯垢除去率とした。評価結果を図5の円内に示す。
【0048】
図5に示す評価結果によれば、本発明に係る実施例1の歯ブラシは、歯間部の歯垢の除去効果について、比較例1〜3の歯ブラシと比較して極めて高い評価が得られることが判明する。
【0049】
【発明の効果】
本発明の歯ブラシによれば、歯ブラシ全体の歯垢除去効果を損なうことなく、統一された特徴が異なる複数の毛束群による各歯の種類や部位に応じた刷掃を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る歯ブラシの要部を示す略示平面図、(b)は同側面図及び部分拡大図である。
【図2】歯垢除去率のモデル試験の説明図である。
【図3】(a),(b)は、植毛台の後側から300gの荷重Pを垂直に負荷しつつ刷掃した際に、平坦な面に先端が接触する主ブリッスルの説明図である。
【図4】比較例1の歯ブラシの要部を示す略示平面図である。
【図5】歯垢除去率のモデル試験の評価結果を示すチャートである。
【符号の説明】
10 歯ブラシ
11 植毛台
12 首部
13a 第1植毛孔
13b 第2植毛孔
13c 第3植毛孔
13d 第4植毛孔
14a 先端第1主ブリッスル
14b 先端第2主ブリッスル
14c 中央主ブリッスル
14d 外側主ブリッスル
15a 第1毛束
15b 第2毛束
15c 第3毛束
15d 第4毛束
16 先端部領域
17 中央帯状領域
18 外側帯状領域
19A 先端毛束群
19B 中央毛束群
19C 外側毛束群
20 先端部領域と中央帯状領域と外側帯状領域を区画する線分
X 歯ブラシの軸方向

Claims (1)

  1. 複数本のブリッスルを束ねてなる毛束が植毛台の植毛面に複数植設されている歯ブラシであって、
    前記植毛台に植設された前記複数本のブリッスルの先端を平坦な面に当接させて前記植毛台の後側から300gの荷重を垂直に負荷しつつ刷掃した際に前記平坦な面に先端が接触するブリッスルを主ブリッスルとし、且つ前記植毛台の植毛面は、先端部領域と、該先端部領域の後方部分を歯ブラシの軸方向に沿った3つの帯状領域に分けた際の中央帯状領域と、該中央帯状領域の両側の一対の外側帯状領域との4つの領域を有しており、
    前記先端部領域に植設された奥歯の奥の刷掃に寄与する先端毛束群、前記中央帯状領域に植設された歯間部や平滑面の刷掃に寄与する中央毛束群、前記各外側帯状領域に植設された前記中央毛束群の歯間部への誘導と歯ぐきのマッサージに寄与する外側毛束群は、各々統一された特徴を有する毛束の集合としてひとまとまりの毛束群を構成すると共に、前記先端毛束群と前記中央毛束群と前記各外側毛束群とは、各々統一された特徴を明確に区別できる異なる外観形態を有しており、
    且つ前記中央帯状領域における植毛密度が5〜25%であると共に、前記中央帯状領域における主ブリッスル断面積率が30〜80%である歯ブラシ。
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