JPH09298674A - 色再現方法 - Google Patents

色再現方法

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JPH09298674A
JPH09298674A JP8109893A JP10989396A JPH09298674A JP H09298674 A JPH09298674 A JP H09298674A JP 8109893 A JP8109893 A JP 8109893A JP 10989396 A JP10989396 A JP 10989396A JP H09298674 A JPH09298674 A JP H09298674A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多くの準備工数を要することなく簡単かつ高
精度に任意の色を色再現する。 【解決手段】 RGBの各色について、複数の信号値が
設定された後に色パッチを表示し(110〜114)、
各色パッチの色を測定し、各色パッチの色の三刺激値
(Xml,Yml,Zml)を得る(116)。次に、最大発
光時の三刺激値及び最小発光時の三刺激値をバイアス値
として記憶した後に(118、120)、発光強度yml
を演算してスプライン補間のためのスプライン関数のパ
ラメータを求める(122、124)。求めたスプライ
ン関数のパラメータを用い全ての信号値についての相対
的な発光強度を演算した後、信号値と発光強度との対応
を表すテーブルを生成しメモリに記憶する(126、1
28)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色再現方法にかか
り、特に、多色印刷や多色表示等をするときに所定の色
を再現する色再現方法に関する。
【0002】
【従来の技術】物体表面や原画像等の色は、周知のよう
にCIE標準のXYZ表色系の3刺激値(X,Y,Z)
で表される色度で表すことができ、色度図上で標準的に
特定できる。この3刺激値X,Y,Zは、物体等からの
反射または透過光の分光分布が測定できれば、求め得る
ことも知られている。
【0003】近年、例えば、デザイン業務の分野ではデ
ザイン評価のため、デザイナが所望する色を忠実に再現
できる色再現技術の必要性が叫ばれている。すなわち、
コンピュータを用いてデザイン業務等を行う場合には、
デザイナが所望する任意の色度や測定等によって得られ
た色、及びそれらの色を含む画像等を、正確にCRTデ
ィスプレイ(以下、CRTという)へ表示したり、ハー
ドコピー装置を用いて正確に色再現する必要がある。
【0004】また、近年の情報通信網の発展に伴い、遠
隔地間で画像や色を表す情報を授受することも可能にな
ってきており、その場合には双方のCRTにおいて同一
の(色や画像を表す)情報を同一の色として表示する必
要がある。
【0005】図1には、加法混色のプロセスによるCR
Tに任意の色を表示させる一般的な方法を示した。この
方法では、任意の三刺激値(X,Y,Z)で表される色
度10は、CRTの赤緑青(以下、RGBという。)各
蛍光体の色度を用いた行列式による変換処理12によっ
てRGBの発光強度14へ変換され、この後にCRTの
デバイス値である信号値18へ変換される。この発光強
度14から信号値18への変換処理16には、発光強度
と信号値(例えば印加電圧)との関係を示すモデル式を
用いて変換する方法(R.S.Berns,R.J.Motta and M.E.Go
rzynski,CRTColorimetry.Part1: Theory and Practi
ce,COLOR research and application Vol.18(No.5),pp.
299- 314,1993 参照)や、ルックアップテーブル(以
下、LUTという)を用いて変換する方法(D.L.Post a
nd C.S.Calhoun,An evaluation ofmethods for produci
ng specific colors on CRTs,Proceedings of the Huma
n Factors Society 31st Annual Meeting,pp.1276-128
0,1987、参照)がある。この信号値18をCRTディス
プレイシステム(CRTとD/A変換器を組み合わせた
システム、以下CRTシステムという)へ入力させるこ
とにより、任意の三刺激値(X,Y,Z)で表される色
度の表示が可能になる。
【0006】CRTで任意の色度の色を色再現するため
には、信号値と蛍光体の発光強度との関係として、各信
号値に対応した蛍光体の発光強度を全て把握する必要が
ある。しかし、全ての信号値について蛍光体の発光強度
を測定することは、膨大な測定点数となるので現実的で
はない。このため、CRTの特性を予めモデル化し、少
数の測定点からそのモデル式のパラメータを求め、測定
点以外の信号値に対する蛍光体の発光強度については、
モデル式の計算値から求めることが多い。
【0007】発光強度から信号値への変換にモデル式を
用いた方法を適用する場合には、CRTのRGB各蛍光
体の色度は、予めRGB各蛍光体を最大発光させ、その
色度を色度計で計測する。また、発光強度から信号値へ
の変換処理のためのモデル式は、一般的に各単色毎に以
下に示す(1)式で表すことができる。
【0008】
【数1】
【0009】ただし、Y :発光輝度 Yo:信号値0の時の発光輝度 Yc:信号値最大の時の発光輝度 D :任意の信号値 γ :CRTのガンマ特性値
【0010】上記の(1)式のガンマ特性値γは、RG
Bの各単色について予め複数の信号値での発光強度を測
定し、その測定値から予め求める。このようにCRTの
特性がモデル化されたモデル式を用いて測定点以外の信
号値に対する蛍光体の発光強度を求めることができる。
【0011】一方、発光強度と信号値との関係をLUT
で表わす場合には、各単色について予め複数の信号値で
の発光強度を測定し、その測定値を線形補間することに
より、任意の信号値に対する発光強度を求める。このよ
うに、モデル式を用いる方法に代えて、測定点以外の信
号値に対する蛍光体の発光強度を、測定したデータの直
線補間で求める方法がある。この場合には、モデル式の
精度等を考慮する必要がなく、必ずしも理想的な挙動を
示さない実際のCRTシステムでも、信号値と蛍光体の
発光強度との関係を表現することができる。
【0012】また、減法混色のプロセスによるハードコ
ピー装置で任意の色度のハードコピーを作成する場合に
は、発光強度に対応するデータを求めることが困難なた
め、図2に示すように一般的に信号値と色度の関係を表
した最小二乗法による色予測式や3次元LUT等の変換
処理20によって、任意の色度10は、例えば、シア
ン、マゼンタ、イエロー、及びブラック(以下、CMY
Kという。)信号値22に変換される。なお、減法混色
ではCMYの各々の組み合わせからK色に相当する色を
生じさせることもできるため、信号値としてK色を除外
したCMYのみで信号値を構成することもできる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】CRTで任意の色度の
色を色再現する場合には、CRTシステムがガンマ特性
値を用いたモデル式で正確に表現できるならば、(1)
式のγ値は、信号値0、信号値最大及びこれら2つの信
号値を除く任意の1信号値から求めることができる。
【0014】しかしながら、ガンマ特性値を用いたモデ
ル式でCRTシステムの発光強度・信号値特性を正確に
は表現できない。その原因として、D/A変換器の変換
特性やCRTの映像信号値・印加電圧変換特性が線形で
ないこと等が考えられる。
【0015】すなわち、実際のCRTでは理論通りの挙
動を示さないことが多い。例えば、RGB色の各々を所
定の信号値で単色表示した場合と、RGB各色を所定の
信号値で同時に表示する混色表示した場合とでは、同一
の信号値であるにも拘わらず各色の発光強度が異なる場
合がある。この場合には単色表示された色を測定するこ
とによって求めた発光強度・信号値特性では高精度に色
再現することができない。すなわち、RGB各色を単色
表示したときに得た三刺激値の各々を合成(加算)した
三刺激値と、RGB各色を混色表示したときに得た三刺
激値とが不一致となり、単色表示と混色表示の不整合と
いう現象が生じる(加法混色の不整合)。例えば、信号
値を127としたとき、以下の(2)式に示すように、
RGB各色毎に単色表示させて測定した三刺激値を加算
した三刺激値は、RGB各色を同一の信号値で混色表示
させて測定した三刺激値と一致しないことがある。
【0016】 (Xa ,Ya ,Za ) ≠(X1 ,Y1 ,Z1 )+(X2 ,Y2 ,Z2 )+(X3 ,Y3 ,Z3 ) ・・・(2) 但し、(Xa,Ya,Za):(Ra,Ga,Ba)=(127,127,12
7) のときの三刺激値 (X1,Y1,Z1):(Ra,G0,B0)=(127, 0, 0) のと
きの三刺激値 (X2,Y2,Z2):(R0,Ga,B0)=( 0,127, 0) のと
きの三刺激値 (X3,Y3,Z3):(R0,G0,Ba)=( 0, 0,127) のと
きの三刺激値
【0017】また、発光強度・信号値特性にはCRTの
特性だけでなくD/A変換器の特性も影響するため、ガ
ンマ特性値を用いたモデル式のみでは表現できない。従
って、CRTで色再現する場合、従来のモデル式を利用
した色再現方法ではモデル化された特性と現実の特性に
乖離があるため、その正確さに限界があり、かつモデル
化された特性と現実の特性の乖離が大きい領域( 輝度
域) において色再現精度が極端に悪化することがあっ
た。
【0018】さらには、複数のCRTの色を一致させる
場合には、各CRTの白色が一致するようにCRTシス
テム自体を調整し、その上で各CRTシステムの特性を
計測・補正するが、白色を調整する簡易的かつ一般的な
方法としてはD/A変換器の特性を調整することが多
い。このようにD/A変換器の特性を調整すると、発光
強度・信号値特性は上記のモデル式から大きく乖離する
ことになる。
【0019】このため、モデル式を利用する場合には、
多数の信号値の発光強度を測定し、最小二乗法等の統計
的手法によってγ値を決定している。このことにより、
発光強度・信号値特性を表現する上で若干の精度向上が
認められるが、モデル式自体が現実の現象と乖離したも
のであるため、その精度には限界がある。
【0020】一方、線形補間とLUTを変換処理に用い
る方法では、精度は発光強度と信号値の対応を求めた測
定点の数に依存している。従って、精度を向上させるた
めには、測定点数を多くすることが必須であり、多くの
測定工数を要することになる。CRTやハードコピー装
置の特性は経時変化を伴うため、頻繁に測定を行ってそ
のときの装置の特性を反映して色再現しなければならな
いが、この測定等の多大な準備工数は高精度な色再現を
維持する上で大きな障害となる。また、多数のCRTや
ハードコピー装置が稼働しているオフィス等では、各装
置の準備工数が多くなると、全ての装置の色再現精度を
維持することが困難になる。
【0021】また、ハードコピー装置で色再現する場合
には、CRTで色再現する場合と異なり、色生成の元と
なるインクの特性をモデル式で表現することが困難であ
ると共に、非線形性が強い。このため、線形補間を利用
する方法で十分な精度を得るためには、多数の測定を行
わなければならない。
【0022】本発明は、上記事実を考慮して、多くの準
備工数を要することなく簡単かつ高精度に任意の色を色
再現できる色再現方法を得ることが目的である。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明の色再現方法は、所定色として
第1の表色系で表された色情報値を第1の表色系と異な
る第2の表色系で表されたデバイス値に変換して該デバ
イス値に応じた色を出力することによって該所定色を再
現する色再現装置に、前記第2の表色系の色毎に予め定
めた複数のデバイス値を入力し、出力された複数の各色
を測色し、該測色値に基づいて前記色再現装置において
出力されるべき色の強度情報値を各々求め、求めた前記
デバイス値と前記強度情報値との複数の対応に基づい
て、該複数の対応を含み、かつ該複数の対応以外のデバ
イス値と強度情報値との対応が、デバイス値または強度
情報値を大きさ順に並べたときの隣合う対応のうちデバ
イス値が小さい一方の対応のデバイス値からデバイス値
が大きい他方の対応のデバイス値までの間の何れかのデ
バイス値と、強度情報値が小さい一方の対応の強度情報
値から強度情報値が大きい他方の対応の強度情報値まで
の間の何れかの強度情報値とに対応するように、前記デ
バイス値と前記強度情報値の間の変換特性を、前記第2
の表色系の各色毎に求め、求めた変換特性を用いて任意
の前記所定表色系の各色の色情報値を前記デバイス値に
変換する。
【0024】請求項2に記載の発明の色再現方法は、所
定色として第1の表色系で表された色情報値を第1の表
色系と異なる第2の表色系で表されたデバイス値に変換
して該デバイス値に応じた色を出力することによって該
所定色を再現する加法混色による色再現装置に、前記第
2の表色系の色毎に所定値の単色のデバイス値を入力
し、出力された各色を測色すると共に、前記第2の表色
系の各色を予め定めたデバイス値による混色のデバイス
値を複数入力し、出力された複数の各色を測色し、前記
単色のデバイス値による測色値及び混色のデバイス値に
よる測色値に基づいて、混色のデバイス値の各々に対応
して前記色再現装置において出力されるべき色の強度情
報値を各々求め、求めた前記デバイス値と前記強度情報
値との複数の対応に基づいて、該複数の対応を含み、か
つ該複数の対応以外のデバイス値と強度情報値との対応
が、デバイス値または強度情報値を大きさ順に並べたと
きの隣合う対応のうちデバイス値が小さい一方の対応の
デバイス値からデバイス値が大きい他方の対応のデバイ
ス値までの間の何れかのデバイス値と、強度情報値が小
さい一方の対応の強度情報値から強度情報値が大きい他
方の対応の強度情報値までの間の何れかの強度情報値と
に対応するように、前記デバイス値と前記強度情報値の
間の変換特性を、前記第2の表色系の各色毎に求め、求
めた変換特性を用いて任意の前記所定表色系の各色の色
情報値を前記デバイス値に変換する。
【0025】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の色再現方法であって、前記変換特性は、前記
デバイス値と強度情報値の対応からスプライン関数を定
め、当該スプライン関数を用いて求めることを特徴とす
る。
【0026】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3の何れか1項に記載の色再現方法であって、前記
予め複数求めるデバイス値と強度情報値の対応は、得ら
れる強度情報値の間隔が略均等になる対応を用いること
を特徴とする。
【0027】請求項1の発明では、第1の表色系で表さ
れた色情報値を第1の表色系と異なる第2の表色系で表
されたデバイス値に変換して該デバイス値に応じた色を
出力することによって、色再現装置が所定色を再現して
出力する。この色再現装置には、CRT等の表示装置や
カラープリンタ等の印刷装置がある。第1の表色系とし
ては、周知の三刺激値XYZで表された表色系があり、
第1の表色系と異なる第2の表色系としては、表示装置
等に使用されているRGBによる表色系や印刷関係に使
用されているYMCKによる表色系がある。また、デバ
イス値には、表示装置に画像を表示させるためのデジタ
ルの信号値や印刷装置からプリントを出力させるための
デジタルの信号値がある。この色再現装置に、第2の表
色系の色毎に予め定めた複数のデバイス値を入力し、出
力された複数の各色を測色する。この測色値に基づいて
色再現装置において出力されるべき色の強度情報値を各
々求める。この強度情報値には、CRT等の表示装置で
は発光強度や輝度があり、カラープリンタ等の印刷装置
では出力結果の色を判断するための色差やLab値や所
定表色系の値がある。
【0028】これら求めた複数のデバイス値と強度情報
値との対応に基づいて、該複数の対応を含んだデバイス
値と強度情報値の間の変換特性を第2の表色系の各色毎
に求める。この該複数の対応以外のデバイス値と強度情
報値との対応は、デバイス値または強度情報値を大きさ
順に並べたときの隣合う対応のうちデバイス値が小さい
一方の対応のデバイス値からデバイス値が大きい他方の
対応のデバイス値までの間の何れかのデバイス値と、強
度情報値が小さい一方の対応の強度情報値から強度情報
値が大きい他方の対応の強度情報値までの間の何れかの
強度情報値とに対応するように、デバイス値と強度情報
値の間の変換特性を求める。これにより、デバイス値と
強度情報値との変換特性は、単調増加の関係を有するこ
ととなる。従って、デバイス値と強度情報値との対応に
ついて、隣合う対応の関係から補間することによって、
その隣合う対応の間の対応を求めることができる。この
変換特性は、前記のように単調増加の関係になるため、
請求項3にも記載したように、前記変換特性は、前記デ
バイス値と強度情報値の対応からスプライン関数を定
め、当該スプライン関数を用いて求めることができる。
【0029】従って、求めた変換特性を用いれば、予め
求めた対応にない第1の表色系の任意の各色の色情報値
をデバイス値に変換できる。このように、モデル式を用
いることなく、任意の色の色情報値をデバイス値に変換
できるので、モデル式と実際のものとの乖離による精度
が悪化することがない。また、隣合う対応間の対応を求
めるのに線形補間を用いていないので、少数の測定デー
タから高い精度を実現することが可能である。また、予
め求めた複数の対応を含んで色情報値とデバイス値との
間の変換特性を求めているので、常に予め求めた複数の
対応を有することとなり、求める精度の管理が容易とな
る。さらに、強度情報値またはデバイス値を大きさ順に
並べたとき隣り合う対応の間の強度情報値とデバイス値
との関係が隣り合う各強度情報値及び各デバイス値の中
間の値となるように、強度情報値とデバイス値との間の
変換特性を求めている。従って、各対応における変化量
(例えば、微分値)は正または負の何れかになるため、
周知の補間方法、例えばスプライン補間で生じる振動現
象が発生することなく、安定した結果を得ることができ
る。
【0030】請求項2の発明では、所定色として第1の
表色系で表された色情報値を第1の表色系と異なる第2
の表色系で表されたデバイス値に変換して該デバイス値
に応じた色を出力することによって、所定色を加法混色
による色再現装置で再現して出力する。この加法混色に
よる色再現装置は、CRT等の表示装置が知られてい
る。色再現装置に、第2の表色系の色毎に所定値の単色
のデバイス値を入力し、出力された各色を測色する。こ
れと共に、第2の表色系の各色を予め定めたデバイス値
による混色のデバイス値を複数入力し、出力された複数
の各色を測色する。これにより、単色のデバイス値によ
る測色値と混色のデバイス値による測色値を得ることが
できる。また、加法混色では3×3の行列を用いて発光
強度等の強度情報値から色度等を予測可能なことが知ら
れている。すわなち、各色について最高強度での三刺激
値を要素とする3×3の行列に強度情報値を積算すれば
測定値である色度等になる。このため、3×3の逆行列
を用いれば、測定値を積算することで強度情報値である
発光強度等を求めることができる。従って、単色のデバ
イス値による測色値を用いて混色のデバイス値による測
色値から色再現装置において出力されるべき色の各単色
毎の強度情報値、例えば発光強度を求めることができ
る。
【0031】そこで、単色のデバイス値による測色値及
び混色のデバイス値による測色値に基づいて、混色のデ
バイス値の各々に対応して色再現装置において出力され
るべき色の強度情報値、例えば発光強度を各々求める。
これにより、混色の特性が考慮された各単色のデバイス
値と強度情報値との対応を求めたことになる。求めたデ
バイス値と強度情報値との複数の対応に基づいて、前記
説明したように該複数の対応を含みかつ、求めたデバイ
ス値と強度情報値との複数の対応に基づいて、複数の対
応を含み、かつ複数の対応以外のデバイス値と強度情報
値との対応が、デバイス値または強度情報値を大きさ順
に並べたときの隣合う対応のうちデバイス値が小さい一
方の対応のデバイス値からデバイス値が大きい他方の対
応のデバイス値までの間の何れかのデバイス値と、強度
情報値が小さい一方の対応の強度情報値から強度情報値
が大きい他方の対応の強度情報値までの間の何れかの強
度情報値とに対応するように、デバイス値と強度情報値
の間の変換特性を、第2の表色系の各色毎に求める。こ
れにより、色情報値とデバイス値との変換特性は、単調
増加の関係を有することとなる。従って、色情報値とデ
バイス値との対応について、隣合う対応の関係から補間
することによって、その隣合う対応の間の対応を求める
ことができる。この変換特性は、前記のように単調増加
の関係になるため、請求項2にも記載したように、色情
報値とデバイス値とからスプライン関数を定め、当該ス
プライン関数を用いて求めることができる。
【0032】従って、混色により出力した場合の測定値
からデバイス値と強度情報値との特性を求めることによ
り、必要な測定数が減少し、かつ、特に無彩色近傍の色
情報値を用いる場合には、混色により発光強度等の強度
情報値が変化するようなディスプレイシステムにおいて
も良好な色再現を実現することができる。
【0033】なお、前記色再現方法では、前記予め複数
求めるデバイス値と強度情報値の対応は、請求項4に記
載したように、得られる強度情報値の間隔が略均等にな
る対応を用いることができる。これによって、色を知覚
する系に対して略均等な測定値からデバイス値と強度情
報値の対応が求まり、測定値の冗長性を回避でき、か
つ、測定値の間隔が疎であることによる精度悪化を防止
することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例を詳細に説明する。
【0035】[原理]まず、任意の色についての色再現
の原理について説明する。
【0036】図3には、色を表す信号値によるCRTの
表示から色(色度)が知覚されるまでの色再現のプロセ
スを示した。
【0037】コンピュータ上で表現される色は、R色の
光強度を制御する信号値( 以下、R信号値) 、G色の光
強度を制御する信号値( 以下、G信号値) 及びB色の光
強度を制御する信号値( 以下、B信号値) で表されるこ
とが多い。これらR信号値、G信号値及びB信号値から
なるデジタルの信号値30はD/A変換器の処理である
変換プロセス32によってアナログの映像信号34に変
換される。この映像信号34は、CRTに入力され、C
RT内の図示しない電気回路における処理である回路プ
ロセス36によって電子線の強度38に変換される。C
RTでは蛍光体に強度38に応じた電子線が照射され、
蛍光体における発光プロセス40によって照射された電
子線の強度に応じた発光がなされる。従って、CRTで
は、RGB色の各蛍光体が、各々の発光強度42で発光
する。これら各蛍光体の発光は、同時に発光することに
よって周知のように視覚によって混色(知覚プロセス4
4)されて、色(色度)46として知覚される。ここ
で、これらの蛍光体は、発光強度に関わらず色味が一定
であることが知られている。従って、蛍光体の電子線の
強度に応じた発光は、色空間内において一定のベクトル
の方向でスカラー量のみが変化することと表現できる。
【0038】上記の色再現のプロセスは、図4に示すよ
うに、信号値30が強度情報値としての蛍光体の発光強
度42へ変換されるまでの変換プロセス48と、各蛍光
体が同時に発光強度42で発光することによって混色さ
れて色( 色度) 46として知覚されるまでの知覚プロセ
ス44とに大別できる。
【0039】変換プロセス48は、原理的にはRGBに
ついて、各々独立に存在する。従って、変換プロセス4
8は、信号値と蛍光体の発光強度との関係を各色毎に把
握することによって、信号値から蛍光体の発光強度を予
測することや、蛍光体の発光強度から信号値を予測する
ことが可能になる。
【0040】一方、知覚プロセス44は、上記説明した
各蛍光体の色味が一定であること及び加法混色理論を利
用して、3×3の行列を用いた計算により、蛍光体の発
光強度から知覚される色度を予測することや、色度から
蛍光体の発光強度を予測することができる。従って、信
号値から色度を予測することや色度から信号値を予測す
ることができる。
【0041】図5にはカラーハードコピー装置における
色再現のプロセスを示した。なお、ここでは、印画色材
としてCMYKの染料を使用する熱昇華型ハードコピー
装置を例にして説明する。
【0042】コンピュータからプリンタへは、CMYK
各色材の信号が出力される。これらの信号値31はD/
A変換装置でアナログ電圧に変換される処理と、その電
圧により印画ヘッドを発熱させる処理である印画ヘッド
の変換プロセス33によって、発熱温度35に変換され
る。この印画ヘッドによる発熱温度35は、熱昇華型ハ
ードコピー装置では昇華型インクフィルムが加熱されて
色材(染料)が昇華して紙に転写される処理である変換
プロセス37によって色材転写量39に変換される。こ
の印画ヘッドの発熱強度(温度)に対応する転写される
色材の量は、昇華型インクフィルムの温度・色材(染
料)転写量特性により定まる。転写された色材(染料)
は半透明であるため、各色色材(染料)が重ねられるこ
とにより得られる色は減法混色であり、周知のように視
覚(または測定器)によって(減法混色プロセス)、色
(色度)46として知覚される。この減法混色において
は、各色の色材(または染料)転写量と知覚される色と
の間には線形関係が成立せず、その関係は複雑である。
また、実際には、例えば、CMYKの順で印画する装置
において、Mを印字する事によってCの色材(染料)が
Mのインクフィルムへ逆転写するという現象も発生する
ため、解析的なモデル化を行うことが不可能である。な
お、オフセット印刷等の面積印画法である網点による減
法混色については、ある程度、解析的なモデル化が可能
であるが、ここでは一般的な減法混色を対象とする。
【0043】このような装置で高精度な色再現を実現す
るためには、印画結果の色度を予測した上でCMYKの
信号値を決定する必要があり、図6に示すように、CM
YKの信号値と色度との関係を把握しなければならな
い。そのためには、統計的手法や3次元空間で補間する
方法が用いられている。この関係が把握することによっ
て、任意の色度値から、その色度を実現するCMYKの
信号値を予測することができる。
【0044】[第1実施の形態]次に、本発明の第1実
施の形態を説明する。本実施の形態は、CRTに単色表
示させたときの測定データを用いて色再現する場合の一
例である。
【0045】図7に示すように、本実施の形態の色再現
装置は、CRTシステム50、マイクロコンピュータ5
2、及びプローブ56を有する色測定装置54から構成
されている。マイクロコンピュータ52には色測定装置
54が接続されており、マイクロコンピュータ52はC
RTシステム50に接続されている。マイクロコンピュ
ータ52は、CPU52A,ROM52B,RAM52
C、後述するテーブル及び処理ルーチンを記憶するため
のメモリ52D、入出力装置(I/O)52Eを備えて
おり、これらはデータやコマンドの授受を可能とするバ
ス52Fが接続されている。この入出力装置52Eには
後述する処理プログラムの実行指示やデータ入力のため
の入力装置としてキーボード53が接続されると共に、
CRTシステム50及び色測定装置54も接続されてい
る(図8参照)。なお、色測定装置54が有するプロー
ブ56は、CRTシステム50の表示画面50Aに表示
された色(色度)を測定するセンサとして機能する。ま
た、CRTシステム50は図示を省略したD/A変換装
置を備えている。
【0046】次に、本実施の形態の作用を説明する。本
実施の形態の色再現装置の電源が投入されると、図9の
演算処理ルーチンが実行される。図9のステップ100
では、発光強度と信号値の対応を表すRGBの各色のテ
ーブルを生成すると共にマイクロコンピュータ52のメ
モリに記憶してステップ102へ進む。ステップ102
では、画素毎に所望の色を表示すべく、信号値と色度と
の対応を求める色演算処理が実行され、全ての画素につ
いてステップ102の処理が終了するまで、繰り返し実
行される(ステップ104)。本ルーチンが終了する
と、CRTシステム50の画面50A上には所望の色の
画像が表示されることになる。
【0047】次に、ステップ100の詳細を説明する。
ステップ100は、図10の処理が実行され、RGBの
各色を対象として、各々所定の信号値で発色される色パ
ッチを表示して、表示された色を測定機で測定し、測定
値と信号値との関係から各色のテーブルを生成し、生成
された各テーブルをマイクロコンピュータのメモリに記
憶する処理である。
【0048】まず、図10のステップ110ではR色、
G色及びB色の中から1色が設定される。なお、R色、
G色及びB色の各々の処理は同様であるため、以下の説
明ではR色を設定した場合を対象として説明する。
【0049】ステップ112では、後述するように複数
色を測定するために、複数の信号値が設定される。この
複数の信号値は、表示された色パッチの輝度が略等間隔
になる所定数の値であることが望ましい。例えば、ガン
マが1. 8に設定された8ビット系のCRTシステムで
は0, 8, 24, 48, 80, 116, 156, 20
4, 255の9レベルとなる値である。なお、上記複数
の信号値には最大値(この場合255)及び最小値(こ
の場合0)を含んでいる。また、上記の8ビット系のC
RTシステムの一例は、マイクロコンピュータとしてAp
ple 社製Power Mac 7500/100を用い、BUG 社製XA-Proビ
デオボードを装着し、BARCO 社製Reference Calibrator
を接続して構成したシステムがある。なお、信号値は上
記の各値に限定するものではなく、適宜設定することが
できる。
【0050】次に、ステップ114で上記各信号値の色
パッチが表示され、次のステップ116において各色パ
ッチの色が測定される。この色の測定によって、各色パ
ッチの色の三刺激値(Xml,Yml,Zml)(m=r,
g,b:l=0,8,24,・・・,255)が得られ
る。本実施の形態で得られる三刺激値(Xml,Yml,Z
ml)には、最小の信号値(本実施の形態では信号値0)
で表示された色パッチの三刺激値(Xm0,Ym0,Zm0
及び最大の信号値(本実施の形態では255レベル)で
表示された色パッチの三刺激値(Xm255,Ym255,Z
m255)が含まれている。この最小の信号値で表示された
色パッチの三刺激値(Xm0,Ym0,Zm0)は、本実施の
形態では最小発光時として0レベルでの三刺激値であ
り、RGB各色について同一の値となるため、以下の説
明では、最小発光時の三刺激値(Xm0,Ym0,Zm0
は、三刺激値(X0 ,Y0 ,Z0 )と表記して用いる。
なお、色パッチは画面全体に表示するか、または色パッ
チのみを所定の大きさで画面の中央に表示する。また、
測定は全暗黒で(例えば、暗室内において)行うことが
望ましいが、本実施の形態では後述するようにバイアス
補正を行うので、周囲の環境に関係なく明室で行うこと
ができる。また、測定の精度を向上するためには、同一
色の測定を複数回行い、その平均値等を測定値とするこ
とが望ましい。
【0051】なお、色の測定では、測定装置として、例
えば、ミノルタ( 株) 製のTVカラーアナライザCA−
100を用いることによってx、y、Y、の各値を求め
ることができる。
【0052】次のステップ118では上記で測定した最
大発光時の三刺激値(Xm255,Ym2 55,Zm255)が記憶
され、次のステップ120では最小発光時の三刺激値
(X0,Y0 ,Z0 )がバイアス値として記憶される。
【0053】次に、ステップ122において、発光強度
が演算される。すなわち、得られた測定値(三刺激値)
の内、以下の(3)式に示すように、明るさ(輝度)に
対応するY値について信号値0での測定値(バイアス
値)を減算した後に信号値255での測定値(最大発光
時の三刺激値)で除算することによって規格化して相対
輝度を求め、この相対輝度を発光強度ymlとする。
【0054】
【数2】
【0055】ステップ124では、次のようにしてスプ
ライン補間のためのスプライン関数のパラメータが求め
られる。詳細は後述するが、次の表1に示すように、発
光強度ymlとその信号値xmlを1組として、値x
[j],y[j]をセットし、スプライン関数のパラメ
ータN[i,4,x]とパラメータp[i]を求める。
その際、端条件は、たとえば、左側が0. 0、右側が信
号値204と信号値255の各々の相対輝度から定まる
傾きと一致するような条件で良く、また、これ以外の測
定値から求めた値としても良い。
【0056】
【表1】
【0057】次のステップ126では、求めたスプライ
ン関数のパラメータを用いて、全ての信号値についての
相対的な発光強度が演算される。すなわち、0から25
5の全ての信号値について、その発光強度(相対輝度)
を、パラメータN[i,4,x]とp[i]を用いたス
プライン関数(以下に示す(4)式)で求める。
【0058】次のステップ128では、次の表2に示す
ように、各信号値と発光強度との対応を表すテーブルが
生成され、メモリに記憶される。すなわち、各信号値と
その相対的な発光強度が対となるようなテーブルとして
記憶する。また、バイアス補正された信号値255での
測定値( 三刺激値) を記憶する。これらの三刺激値は、
詳細を後述する行列演算式(以下に示す(11)式)の
要素となる色変換マトリクスとして用いられる。
【0059】
【表2】
【0060】但し、l=1,2,・・・,255 m=r,g,b
【0061】ステップ130では、全ての色について上
記の処理が終了しか否かを判断する。すなわち、G色、
及びB色についても、上記の処理を行い、各色につい
て、テーブルを準備する。 [単調増加のy=f(x)に関する3次スプライン補間
方法]ここで、上記ステップ124において求めるスプ
ライン関数のパラメータ及びステップ126において求
める全ての信号値と発光強度との対応について、関数関
係にある2変数(x,y)による単調増加の関数(y=
f(x))に関するスプライン補間を例にして説明す
る。
【0062】まず、関数関係にある2変数(x,y)に
はn個の値(x[j],y[j];j=0,1,・・
・,n−1)があり、これらの2変数(x,y)の各々
の値間は単調増加(x[j]<=x[j+1],y
[j]<=y[j+1])であるものとする。
【0063】これら2変数(x,y)についてのスプラ
イン関数による補間は、次の(4)式で表せる。
【0064】
【数3】
【0065】但し、n:補間の元データとなる値の数 i:0,1,・・・,2n−1
【0066】上記の(4)式においてN[i,4,x]
は、値x[j]から後述するようにして求められる要素
u[i]により決定されるものであり、p[i]は値y
[j]から後述するようにして求められる要素c[i]
及びN[i,4,x]により決定されるものである。こ
の変数p[i]は、次のようにして求めることができ
る。
【0067】値y[j]から後述するようにして求めら
れる要素をc[i]、その行列をCとする。また、各値
x[j]、及び各iに関するN[i,4,x]の行列を
Nとし、要素p[i]の行列をPとすると、次の(5)
式に示す関係を有する。
【0068】 C=N・P ・・・(5) これらの行列C,Nは値y[i]から決定できるので、
行列Pは次の(6)式で定まる。
【0069】 P=N-1・C ・・・(6) この行列Pから、要素p[i]を求めることができる。
従って、各iに関するN[i,4,x]、及び要素p
[i]から上記の(4)式を用いて値yを求めることが
できる。このスプライン関数のパラメータN[i,4,
x]とパラメータp[i]を求める処理を図12を参照
してさらに説明する。まず、図12のステップ220で
値x[j],y[j]を読み取り、次のステップ222
で、次の〔定義1〕に示すように、値x[j]から(2
n+4)行の行列の要素u[i]が演算される。
【0070】〔定義1〕 u[0]=x[0] u[1]=x[0] u[2]=x[0] u[3]=x[0] u[4]=x[1] u[5]=x[1] u[(j−1)・2+4]=x[j] u[(j−1)・2+4+1]=x[j] 但し、2≦j≦(n−2) u[(n−2)・2+4] =x[n−1] u[(n−2)・2+4+1]=x[n−1] u[(n−2)・2+4+2]=x[n−1] u[(n−2)・2+4+3]=x[n−1]
【0071】次のステップ224では、以下の〔定義
2〕に示すように、測定値y[j]から(2n−1)行
の行列の要素c[i]が演算される。
【0072】〔定義2〕 c[0] =y[0] c[1] =左側端条件 (値x[0]のg値、任意値設定) c[2] =y[1] c[3] =値x[1]のg値 c[j・2] =y[j] 但し、2≦j≦(n−2) c[j・2+1] =値x[j]のg値 但し、2≦j≦(n−2) c[(n−1)・2] =y[n−1] c[(n−1)・2+1]=右側端条件 (値x[n−1]のg値、任意値設定) 但し、g値は次の(7)式から求める。 g=Dy[i]/Dxy[i] ・・・(7)
【0073】このDy[i]及びDxy[i]は、点
(x[i],y[i])の前後の点(x[i−1],y
[i−1])及び(x[i+1],y[i+1])の間
のy方向の距離及び直線距離を示している。スプライン
補間において、g値は、図17に示すように、点(x
[i],y[i])における直線の傾きを示すものであ
る。上記(7)式を用いて、g値を定めれば、補間結果
の点(x’[i],y’[i])における傾きは、その
前後の点を結ぶ直線の傾きに一致する。
【0074】次に、ステップ226において、以下の表
3に示すように2n行2n列の行列Nの各要素が演算さ
れる。
【0075】
【表3】
【0076】上記の行列Nの各要素N[i,4,x]、
N’[i,4,x]は、次の(8)式から求める。
【0077】
【数4】
【0078】但し、k=1のとき、x≠u[2n+4−
1]でかつ(u[i]<u[i+1]かつu[i]≦x
<u[i+1])の場合には1.0、それ以外の場合に
は0.0の値を設定する。また、k=1で、x=u[2
n+4−1]でかつ(u[i]<u[i+1]かつu
[i]≦x<u[i+1])の場合には1.0、それ以
外の場合には0.0の値を設定する。
【0079】一方、N’[i,k,x]は次の(9)式
から求める。
【0080】
【数5】
【0081】これら行列の各要素を求める処理は再帰的
な処理(ぜんか式)であり、N[i,4,x]を求める
ためにはN[i,1,x]、N[i,2,x]、N
[i,3,x]を求める必要がある。この際、xは測定
を行なった信号値、iは0から2n−1であり、この処
理中で使用されるu[i]は、上記の方法で求めたもの
である。
【0082】次のステップ228では、行列Nの逆行列
-1と、変数c[i]による行列Cとから行列Pが演算
される。すなわち、上記の(6)式による行列演算式か
ら行列Pを演算する。この行列Pから変数p[i]を求
めることができる。
【0083】そして、ステップ230において、演算さ
れた要素u[i]及び要素p[i]がメモリに記憶され
る。
【0084】次に、ステップ126に対応する、任意の
信号値に対する発光強度の演算を図13を参照して説明
する。
【0085】まず、図13のステップ240で任意の信
号値x、及び図12のステップ230でメモリされた要
素u[i]を読み取り、iは0から2n−1として、上
記で説明したように要素N[i,4,x]を求める。す
なわち、i=0から2n−1の2n行1列の行列Nを求
める。次のステップ244ではメモリされた要素p
[i]を読み取り、次のステップ248においてスプラ
イン関数を表す上記の(4)式を用いて発光強度yを演
算する。
【0086】このようにして、全ての信号値についての
相対的な発光強度を求める。すなわち、0から255の
全ての信号値について、その発光強度を、パラメータで
ある要素N[i,4,x]、p[i]を用いたスプライ
ン関数((4)式)で求めることができる。
【0087】次に、以上のようにして生成されたテーブ
ルを用いて任意の色をCRTに表示する場合を図11を
参照して説明する。なお、説明を簡単にするため、ここ
では、CRTが縦横多数の画素が配列されて構成され、
その1画素に任意の色を表示する場合を例にして説明す
る。表示画面の全てについて任意の色を表示させる場合
には以下の処理を画面を構成する全ての画素について行
えばよい。
【0088】図11のステップ132では、予め記憶さ
れているバイアス値及び最大発光時の三刺激値が読み取
られ、次のステップ134で以下に示す発光強度演算式
が設定される。
【0089】
【数6】
【0090】次に、ステップ136において表示すべき
任意の色が読み取られる。この任意の色は、三刺激値で
表現される。この任意の色の三刺激値は、次のステップ
138でバイアス補正が施され、上記の行列演算式(1
0)で任意の色を表示する各色の発光強度が求められ
る。
【0091】次のステップ142、各色のテーブルを読
み取って、各テーブルを用いて次のステップ144で発
光強度に対応する各色の信号値xmlが求められ、次のス
テップ146において表示する。なお、バイアス値は、
メモリに記憶された信号値0での測定値である。この
際、実数である相対輝度とテーブルを用いて整数である
信号値を決定する処理方法としては、たとえば、2分岐
探索法で目標の相対輝度を挟む2つに相対輝度を求め、
それら2つのうち、目標の相対輝度に近い方の信号値を
求めるような方法がある。このように求められた信号値
でディスプレイに表示することにより、任意の色を表示
することが可能である。
【0092】本発明者は、CRTにおける信号値として
デジタルの信号値と発光強度との関係について、以下の
ように種々の実験を行った。
【0093】[等間隔測定点による実験]図18,図1
9,図20には、RGB各単色について均等間隔の65
点を測定点(信号値)として、各測定点のデジタル信号
値について測定を行い、その各単色の発光強度を求め、
それらのデータから上記方法を用いてデジタル信号値と
発光強度との関係を求めた実験結果を示した。
【0094】図18(1)はR色に関するデジタル信号
値と発光強度との関係を示しており、同一の信号値に対
しては、上述のようにして求めた発光強度、及び測定に
よる発光強度が同一の値となる。すなわち、本実施の形
態では、求める発光強度は、測定による発光強度の測定
点を必ず通過する。従って、図18(2)のデジタル信
号値0から28までの間についての拡大図に示すよう
に、測定を行った信号値の各々においては、測定による
発光強度と演算された発光強度は一致する。
【0095】同様に、図19(1)はG色に関するデジ
タル信号値と発光強度との関係を示しており、図19
(2)はデジタル信号値0から28までの間についての
拡大図を示している。また、図20(1)はB色に関す
るデジタル信号値と発光強度との関係を示しており、図
20(2)はデジタル信号値0から28までの間につい
ての拡大図を示している。
【0096】[等間隔輝度による実験]図21、図2
2、図23には、RGB各単色について輝度が略均等間
隔になるような9点のデジタル信号値について測定し、
その発光強度を求めて、そのデータからデジタル信号値
と発光強度との関係を求めた実験結果を示した。
【0097】測定を行ったデジタル信号値は、0, 8,
24, 48, 80, 116, 156, 204, 255の
9点である。この9点の測定値から発光強度を求めた。
以下の表4には、演算により求めた発光強度と実測によ
り求めた発光強度が記載してある。表4から理解される
ように、本実施の形態により求めた発光強度と実測の発
光強度とは略一致し、本実施の形態によれば僅か9点の
測定からでも高精度にデジタル信号値と発光強度との関
係を求めることが可能である。
【0098】
【表4】
【0099】[第2実施の形態]次に、第2実施の形態
を説明する。本実施の形態は、CRTに複数の色を同時
に表示(混色表示)させたときの測定データを用いて色
再現する場合の一例である。なお、本実施の形態は上記
実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号
を付し、詳細な説明を省略する。
【0100】図14のステップ150へ進み、各信号値
lが設定される。本実施の形態では、各信号値lは、表
示された色パッチの輝度が略等間隔の輝度値となる値に
設定する。すなわち、上記実施の形態と同様のガンマが
1. 8に設定された8ビット系のCRTシステムでは
0, 8, 24, 48, 80, 116, 156, 204,
255の9レベルの値を設定する。なお、R色、G色お
よびB色の信号値は等しく設定する。
【0101】次のステップ152では、設定された3色
同一の信号値による色パッチが表示される。すなわち、
R色、G色およびB色の信号値lが等しい、略黒、複数
の異なる輝度の灰色、及び白色の色パッチが表示され
る。この表示された各色パッチが、ステップ154にお
いて測定され、三刺激値(Xwl,Ywl,Zwl)が得られ
る。
【0102】次のステップ156では、信号値が0のと
きの測定値である三刺激値(Xw0,Yw0,Zw0)がバイ
アス値として記憶される。次のステップ158では、測
定された各色パッチについて、以下の(11)式に示す
ように、バイアス値を減算したバイアス補正後の色であ
る三刺激値(X’wl,Y’wl,Z’wl)の演算がなされ
る。
【0103】 X’wl=Xwl−Xw0 Y’wl=Ywl−Yw0 Z’wl=Zwl−Zw0 ・・・(11)
【0104】次に、ステップ160において以下の単色
処理で使用される色が設定され、次のステップ162で
各色毎に所定の信号値l(本実施の形態では、l=25
5)が設定される。この所定の信号値は、各単色の最大
輝度を与えるものであることが望ましいが、これに限定
するものではない。
【0105】次のステップ164では設定された信号値
で、設定された色(赤色、緑色及び青色の何れかの色)
の色パッチが表示され(単色発光され)、次のステップ
166で表示された色パッチが測定され、三刺激値(X
m255,Ym255,Zm255)(m:RGBの何れか設定され
た色)が得られる。これら測定された色パッチについて
次のステップ168で、上記ステップ158と同様に
(上記(12)式参照)バイアス補正後の色である三刺
激値(X’m255,Y’m255,Z’m255)が演算され、次
のステップ170でバイアス補正後の最大発光時の三刺
激値として記憶される。
【0106】以上の処理が全ての色について終了すると
(ステップ172)、ステップ174へ進み、以下に示
す各色による行列式が生成される。すなわち、単色発光
について得られたデータ及び混色発光について得られた
データの双方とも三刺激値へ変換され、信号値0での三
刺激値を減算した、単色発光毎に得られた三刺激値を次
の行列とする。この行列は上記(11)式の色変換マト
リクスに対応する。
【0107】
【数7】
【0108】次のステップ176では、発光強度演算式
が設定される。すなわち、混色表示色について得られた
三刺激値と上記の行列の逆行列との積を演算することに
より、その混色表示色における各基本色の発光強度
rl,Egl,Eblを求めることができる。すなわち、上
記の(10)式と同様の次の(12)式を発光強度演算
式として設定する。
【0109】
【数8】
【0110】次に、ステップ178において、上記(1
2)式の発光強度演算式を用いて、ステップ158で求
めたバイアス補正後の三刺激値を用いて各混色時の発光
強度Erl,Egl,Eblが演算される。この処理を各混色
表示色について、同様の処理を行うことにより、混色表
示を行った信号値について各基本色の発光強度を求める
ことができる。例えば、上記単色表示の測定データを利
用する場合、8×3+1= 25の測定数(信号値0以外
の各単色の測定と信号値0の測定)が必要であるのに対
し、本実施の形態では、9+3= 12の測定数で処理が
可能である。
【0111】次に、ステップ180において、相対的な
発光強度が演算される。すなわち、得られた発光強度に
ついて、次の(13)式に示すように信号値255(最
大発光強度となる値)の発光強度により除算することに
よって、相対発光強度に変換する。
【0112】 yil=Eil/Ei255 ・・・(13)
【0113】次のステップ182では、スプライン補間
のためのパラメータが演算される。すなわち、ステップ
180で求めた相対発光強度とその信号値とを1組とし
て、値x[j],及びy[j]を設定し、上記実施の形
態と同様にしてスプライン関数のパラメータN[i,
4,x],p[i]を求める。
【0114】なお、この場合の端条件は、例えば、左側
が0. 0001、右側が信号値204と255のそれぞ
れの相対輝度から決定される傾きと一致するような条件
で良く、また、これ以外の測定値から求めた値としても
良い。
【0115】次のステップ184では、全ての信号値に
ついて相対的な発光強度が演算され、次のステップ18
6でテーブルが生成されて記憶される。すなわち、0か
ら255のすべての信号値について、その相対的な発光
強度(相対輝度)を、パラメータN[i,4,x],p
[i]を用いたスプライン関数で求め、各信号値とその
相対輝度が対となるようなテーブルを生成し、記憶す
る。
【0116】以上の処理を全ての色について行って(ス
テップ188)、赤色、緑色、及び青色の各色についテ
ーブルを生成記憶する。
【0117】本発明者は、CRTにおける色再現精度に
ついて、以下のように種々の実験を行った。
【0118】[CRTにおける色再現精度( 測定数に関
する検討) ]一様に乱数で発生された100色と、RG
Bの各色の信号値が、(R,G,B)=( 255, 25
5, 255),( 127, 127, 127),( 15, 1
5, 15),( 255, 0, 0),( 0, 255, 0),(
0, 0, 255),(127, 0, 0),( 0, 127,
0),( 0, 0, 127),( 15, 0, 0),( 0, 15,
0),( 0, 0, 15) で定まる12色を5回繰り返し、
計160色について本実施の形態による色再現精度を検
証した。
【0119】RGB各単色について均等間隔の65点の
デジタル信号値( 0, 4, 8, 12,・・・,252,
255) について測定を行ってその発光強度を求め、そ
のデータから上記実施の形態のようにしてデジタル信号
値と発光強度との関係を求め、デジタル信号値からその
色(色度)を推定した値と実測した色度値との色差との
関係の比較を行い、色差(CIE ΔE* ab)の平均
値0.4103、標準偏差0.2347、最大値1.2
738という結果を得た。この結果から理解されるよう
に、良好な精度を得ることができた。
【0120】また、RGB各単色について、均等間隔の
9点のデジタル信号値( 0, 32,64, 96, 12
8,・・・,224, 255) について測定を行い、色
差(CIE ΔE* ab)の平均値0.6228、標準
偏差0.4940、最大値2.5479という結果を得
た。
【0121】さらに、RGB各単色について輝度がほぼ
均等な間隔になるような9点のデジタル信号値( 0,
8, 24, 48, 80, 116, 156, 204, 25
5) について測定を行い、色差(CIE ΔE* ab)
の平均値0.4587、標準偏差0.2315、最大値
1.1933という結果を得た。
【0122】このように、比較的良好な結果が得られて
いるが、測定点を輝度に対して均等にすることにより9
点の測定点のみであっても、65点の測定による場合と
同等の結果を得ることできる。
【0123】[精度に関する検討]まず、デジタル信号
値15, 127, 255について、RGBを同時発光(
例えば、信号値[255,255,255])した場合
の色と、RGBを単色発光(例えば、信号値[255,
0, 0],[0, 255, 0],[0, 0, 255])
した場合の各色の三刺激値を合計した色との色差を求め
ることによって混色測定値による色再現精度を検証し
た。A社製CRTを対象とした測定では、信号値255
で色差0.6714、信号値127で色差0.257
2、信号値15で色差0.8090となり、B社製CR
Tを対象とした測定では、信号値255で色差0.96
25、信号値127で色差1.3355、信号値15で
色差2.3200という結果を得た。A社製CRTは色
差が少なく、比較的良好な結果が得られているが、B社
製CRTは比較的色差が大きいことが理解される。
【0124】このA社製CRTについて各単色の9点の
デジタル信号値( 輝度等間隔、合計8 *3+1( 黒)=2
5点の測定) の測定値を元にデジタル信号値と発光強度
との関係を求め、色再現した後の測定により、色差(C
IE ΔE* ab)の平均値0.4587、標準偏差
0.2315、最大値1.1933という結果を得た。
また、混色の9点のデジタル信号値(9* 1+3(各単
色)=12)の測定値を元にデジタル信号値と発光強度
との関係を求め、色再現した後の測定により、色差(C
IE ΔE* ab)の平均値0.4452、標準偏差
0.2065、最大値1.1432という結果を得た。
これらの比較から、混色測定した場合でも、良好な精度
を得ることができた。
【0125】また、B社製CRTにも同様に適用し、各
単色の9点のデジタル信号値の測定値を元にデジタル信
号値と発光強度との関係を求め、色再現した後の測定に
より、色差の平均値1.0326、標準偏差0.697
9、最大値3.5935という結果を得た。また、混色
の9点のデジタル信号値の測定値を元にデジタル信号値
と発光強度との関係を求め、色再現した後の測定によ
り、色差の平均値1.0772、標準偏差0.639
7、最大値2.4389という結果を得た。特に最大色
差について、混色測定した場合の方が色差が少なく、良
好である。B社製CRTには単色の場合と混色の場合と
で色が異なる性質があり、そのため、混色測定データを
用いた方が総じて色再現精度が良くなるためと考えられ
る。
【0126】[第3実施の形態]次に、第3実施の形態
を説明する。本実施の形態は、ハードコピー装置で色再
現する場合の一例である。なお、本実施の形態では、シ
アン、マゼンタ、イエロー、ブラックを基本色とする8
ビット系の印刷装置として昇華型プリンタを例に説明す
る。また、本実施の形態は上記実施の形態と同様の構成
を有するため、同一部分には同一符号を付し詳細な説明
を省略する。なお、本実施の形態では昇華型プリンタを
例にして説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、インクジェット型やバブルジェット型のプリン
タ、及び熱転写型のプリンタへの応用も可能である。
【0127】図15に示すように、本実施の形態の色再
現装置はカラープリンタ60を備えると共に、上記実施
の形態と同様にマイクロコンピュータ52及びプローブ
56を有する色測定装置54から構成されている。この
カラープリンタ60はマイクロコンピュータ52から入
力された信号に応じた色を媒体に形成してプリント62
を出力する。
【0128】次に、本実施の形態の作用を説明する。本
実施の形態の色再現装置の電源が投入されると、上記実
施の形態と略同様に、図9の演算処理ルーチンが実行さ
れる。まず、YMCKの各色のテーブルを生成すると共
にマイクロコンピュータ52のメモリに記憶し(ステッ
プ100)、画素毎に所望の色を出力すべく、信号値と
色度との対応を求める色演算処理が実行され(ステップ
102)、全ての画素についてステップ102の処理が
終了するまで、繰り返し実行される(ステップ10
4)。本ルーチンが終了すると、カラープリンタ60か
ら所望の色の画像が形成されたプリント62を出力する
ことになる。
【0129】次に、本実施の形態のテーブル生成の詳細
を図16を参照して説明する。まず、ステップ200で
は、印刷出力するための各信号値が設定される。この設
定される各信号値は、表示された色パッチの色差がおよ
そ等間隔になるような値であることが望ましく、また、
複雑な挙動を示す領域については密であることが望まし
い。例えば、昇華型プリンタは、信号値10以下におい
て挙動が複雑であるため、出力する色パッチの信号値を
密にした信号値を使用する。本実施の形態では、各信号
値として、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,15,20,25,30,40,5
0,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,
190,200,210,220,230,240,250,255の値を各色毎(例え
ば、CMYKの各色であるシアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックの基本色の各々)に設定する。なお、信号
値は上記の値に限定されるものではなく、適宜設定する
ようにしてもよい。
【0130】次のステップ202では信号値が設定され
た色パッチが出力(印刷)され、次のステップ204
で、出力された各色パッチが測定される。例えば、初め
に、シアンを対象として、上記の各信号値で色パッチを
出力し、その色を測定機で測定して、測定値をメモリに
記憶する。本実施の形態では、色の測定として、( 株)
村上色彩技術研究所製CMS-35SPの色彩計を用いて分光反
射率を求めることによって、色を測定し、その分光反射
率から三刺激値を、求めている。なお、測定の精度を高
めるために、同一色について複数のサンプルを色パッチ
として出力・測定し、平均値等を測定値とすることが望
ましい。
【0131】色パッチの測定が終了すると、ステップ2
06において、得られた測定値が、Lab値に変換され
る。すなわち、三刺激値XYZを経てL* * * を求
める。
【0132】次のステップ208では、白色との色差を
求め、最大色差で規格化した相対色差が演算される。す
なわち、紙の白地( 信号値0) のL* * * と各信号
値の色パッチとの色差El を求める。その後、信号値2
55での色差E255 で各信号値での色差El を除し、相
対的な色差el を求める。
【0133】次のステップ210では、スプライン補間
のためのパラメータが演算される。すなわち、相対的な
色差とその信号値を1組として、値x[j],y[j]
をセットし、別紙の計算でスプライン関数のパラメータ
N[i,4,x],p[i]求める。その際、端条件
は、たとえば、左側が0、右側が0で良く、また、測定
値から求めた値としても良い。
【0134】次のステップ212では、全信号値につい
て相対色差が演算され、次のステップ214においてテ
ーブルが生成され、記憶される。すなわち、0から25
5のすべての信号値について、その相対的な色差を、先
のパラメータN[i,4,x],p[i]を用いたスプ
ライン関数で求め、各信号値とその相対的な色差が対と
なるテーブルが生成され、記憶される。
【0135】以上説明したように、上記実施の形態によ
る色再現装置では、少数の測定点を単調増加(または、
減少)に制限されたスプライン関数で補間することによ
り、高精度な信号値と白色からの色差、すなわちインク
量との関係の表現を可能にしたことを特徴とする。
【0136】また、上記のスプライン補間を予め計算し
てテーブル(ルックアップテーブル)としてメモリに格
納し、実際に画像等を表示する際には、このテーブルを
参照することにより、計算の高速化を図ることができ
る。CRTの場合には、発光強度として、蛍光体の最大
発光状態での輝度で規格化された相対輝度を用い、ハー
ドコピー装置の場合には、最大インク量での紙の白地か
らの色差で規格化された相対色差を用いることにより、
化学分析等の複雑な手続きを必要とせず、簡単にデジタ
ル信号値と蛍光体の発光強度との関係の表現が可能にな
る。
【0137】また、混色表示した色の測定データから各
基本色の発光強度を求め、その発光強度から信号値と蛍
光体の発光強度との関係を求めることにより、1つの測
定データから各基本色の発光強度データが求められるた
め、測定数の減少が可能になり、かつ、特に無彩色近傍
の色の測定値を利用する場合には、単色発光時と混色発
光時とでは、同じ信号値に対する発光強度が異なるよう
なディスプレイシステムでも良好な色再現を実現するこ
とができる。
【0138】すなわち、上記実施の形態による色再現装
置では、各基本色の信号値−発色強度特性を、測定によ
って得られたデータポイントを通り、かつ、測定点での
微分値がすべて正もしくは0またはすべて負もしくは0
の何れかになるようなスプライン関数で表している。従
って、モデル式を用いる方法でないため、モデル式と実
際の特性との乖離による精度悪化がない。また、線形補
間ではないため、少数の測定データから高い精度を実現
することが可能である。また、測定によって得られたデ
ータポイントを必ず通るため、精度管理が容易である。
さらに、全データポイントでの微分値が正または負の何
れかになるため、一般のスプライン補間で問題となる振
動現象がなく、安定した結果を得ることができる。
【0139】また、色再現装置の各基本色のデジタル信
号値−発色強度特性は、各デジタル信号値毎にその発色
強度を記録したルックアップテーブルとして記憶装置に
予め格納することができる。このように、予めルックア
ップテーブルとして記憶されているので、発色強度から
信号値へ変換( またはその逆) を高速に行うことができ
る。例えば、画像について正確な色再現を行う場合に
は、全ての画素について発色強度から信号値へ変換を行
う必要があるが、このように大量の変換を行う場合、ル
ックアップテーブルを利用することによる高速化の効果
が大きい。
【0140】さらに、隣接する2つのデジタル信号値で
表示(または印刷)される色の色差が略均等になるよう
な、複数の測定点を用いることができる。このように、
色覚に対して略均等な測定値から信号値対発色強度特性
を求めることにより、測定値の冗長性を回避し、かつ、
測定点が疎であることによる精度悪化を防止することが
できる。
【0141】さらにまた、各基本色の単色での1つのデ
ジタル信号値に対する測定値と、複数の、各基本色のデ
ジタル信号値を組み合わせて同時に表示( 混色表示) し
た場合の測定値とから、混色表示した各基本色のデジタ
ル信号値に対応する発光強度を求め、その発光強度デー
タから各基本色のデジタル信号値対発色強度特性を求め
ることができる。このように、混色表示した場合の測定
値から信号値対発色強度特性を求めることにより、必要
な測定数が現象し、かつ、特に無彩色近傍の色の測定値
を利用する場合には、混色により発光強度が変化するよ
うなディスプレイシステムにおいても良好な色再現を実
現することができる。
【0142】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
発明によれば、デバイス値または強度情報値を大きさ順
に並べたときの隣合う対応のうちデバイス値が小さい一
方の対応のデバイス値からデバイス値が大きい他方の対
応のデバイス値までの間の何れかのデバイス値と、強度
情報値が小さい一方の対応の強度情報値から強度情報値
が大きい他方の対応の強度情報値までの間の何れかの強
度情報値とに対応するように、強度情報値とデバイス値
との間の変換特性を求めているので、モデル式を用いる
ことなく、任意の色の色情報値をデバイス値に変換で
き、モデル式と実際のものとの乖離による精度が悪化す
ることがなく、また、隣合う対応間の対応を求めるのに
線形補間を用いていないので、少数の測定データから高
い精度を実現することができる、という効果がある。
【0143】請求項2の発明では、単色のデバイス値に
よる測色値を用いて混色のデバイス値による測色値から
色再現装置において出力されるべき色の強度情報値、例
えば発光強度を求めることができるので、求めたデバイ
ス値と強度情報値との複数の対応から求めたデバイス値
と強度情報値の間の変換特性により、混色により出力し
た場合の測定値からデバイス値と強度情報値との特性を
求めることができ、必要な測定数が減少し、かつ、特に
無彩色近傍の色情報値を用いる場合には、混色により発
光強度等の強度情報値が変化するシステムであっても良
好な色再現を実現することができる、という効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】任意の色をCRTに表示させるときの一般的な
処理の流れを示すブロック図である。
【図2】ハードコピー装置で任意の色度のハードコピー
を作成するときの処理の流れを示すブロック図である。
【図3】色を表す信号値によるCRTの表示から色(色
度)が知覚されるまでの色再現のプロセスを示す概念図
である。
【図4】図3のプロセスを変換プロセスと知覚プロセス
に大別できることを説明するための説明図である。
【図5】カラーハードコピー装置における色再現のプロ
セスを示す概念図である。
【図6】印画結果の色度を予測しCMYK値を決定する
ための概念構成を示すイメージ図である。
【図7】第1実施の形態にかかる色再現装置の概略構成
を示す線図である。
【図8】マイクロコンピュータの概念構成を示す線図で
ある。
【図9】第1実施の形態の色再現装置で実行される演算
処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図10】第1実施の形態のテーブル生成・記憶の処理
の流れを示すフローチャートである。
【図11】任意の色をCRTに表示する処理の流れを示
すフローチャートである。
【図12】スプライン補間の前処理の流れを示すフロー
チャートである。
【図13】任意の信号値に対する発光強度の演算処理の
流れを示すフローチャートである。
【図14】第2実施の形態のテーブル生成・記憶の処理
の流れを示すフローチャートである。
【図15】第3実施の形態にかかる色再現装置の概略構
成を示す線図である。
【図16】第3実施の形態のテーブル生成・記憶の処理
の流れを示すフローチャートである。
【図17】スプライン補間において用いるg値を説明す
るための説明図である。
【図18】R色について均等間隔の信号値に対する発光
強度の関係を示す実験結果を示す線図である。
【図19】G色について均等間隔の信号値に対する発光
強度の関係を示す実験結果を示す線図である。
【図20】B色について均等間隔の信号値に対する発光
強度の関係を示す実験結果を示す線図である。
【図21】R色について輝度が略均等間隔になるような
信号値と発光強度との関係を求めた実験結果を示す線図
である。
【図22】G色について輝度が略均等間隔になるような
信号値と発光強度との関係を求めた実験結果を示す線図
である。
【図23】B色について輝度が略均等間隔になるような
信号値と発光強度との関係を求めた実験結果を示す線図
である。
【符号の説明】
50 CRT 52 マイクロコンピュータ 54 測定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G09G 5/00 G09G 5/00 550C 510 5/10 B 550 B41J 3/00 B 5/10 G06F 15/62 310A H04N 1/46 H04N 1/46 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定色として第1の表色系で表された色
    情報値を第1の表色系と異なる第2の表色系で表された
    デバイス値に変換して該デバイス値に応じた色を出力す
    ることによって該所定色を再現する色再現装置に、前記
    第2の表色系の色毎に予め定めた複数のデバイス値を入
    力し、出力された複数の各色を測色し、該測色値に基づ
    いて前記色再現装置において出力されるべき色の強度情
    報値を各々求め、 求めた前記デバイス値と前記強度情報値との複数の対応
    に基づいて、該複数の対応を含み、かつ該複数の対応以
    外のデバイス値と強度情報値との対応が、デバイス値ま
    たは強度情報値を大きさ順に並べたときの隣合う対応の
    うちデバイス値が小さい一方の対応のデバイス値からデ
    バイス値が大きい他方の対応のデバイス値までの間の何
    れかのデバイス値と、強度情報値が小さい一方の対応の
    強度情報値から強度情報値が大きい他方の対応の強度情
    報値までの間の何れかの強度情報値とに対応するよう
    に、前記デバイス値と前記強度情報値の間の変換特性
    を、前記第2の表色系の各色毎に求め、 求めた変換特性を用いて任意の前記所定表色系の各色の
    色情報値を前記デバイス値に変換する、 色再現方法。
  2. 【請求項2】 所定色として第1の表色系で表された色
    情報値を第1の表色系と異なる第2の表色系で表された
    デバイス値に変換して該デバイス値に応じた色を出力す
    ることによって該所定色を再現する加法混色による色再
    現装置に、前記第2の表色系の色毎に所定値の単色のデ
    バイス値を入力し、出力された各色を測色すると共に、
    前記第2の表色系の各色を予め定めたデバイス値による
    混色のデバイス値を複数入力し、出力された複数の各色
    を測色し、 前記単色のデバイス値による測色値及び混色のデバイス
    値による測色値に基づいて、混色のデバイス値の各々に
    対応して前記色再現装置において出力されるべき色の強
    度情報値を各々求め、 求めた前記デバイス値と前記強度情報値との複数の対応
    に基づいて、該複数の対応を含み、かつ該複数の対応以
    外のデバイス値と強度情報値との対応が、デバイス値ま
    たは強度情報値を大きさ順に並べたときの隣合う対応の
    うちデバイス値が小さい一方の対応のデバイス値からデ
    バイス値が大きい他方の対応のデバイス値までの間の何
    れかのデバイス値と、強度情報値が小さい一方の対応の
    強度情報値から強度情報値が大きい他方の対応の強度情
    報値までの間の何れかの強度情報値とに対応するよう
    に、前記デバイス値と前記強度情報値の間の変換特性
    を、前記第2の表色系の各色毎に求め、 求めた変換特性を用いて任意の前記所定表色系の各色の
    色情報値を前記デバイス値に変換する、 色再現方法。
  3. 【請求項3】 前記変換特性は、前記デバイス値と強度
    情報値の対応からスプライン関数を定め、当該スプライ
    ン関数を用いて求めることを特徴とする請求項1または
    2に記載の色再現方法。
  4. 【請求項4】 前記予め複数求めるデバイス値と強度情
    報値の対応は、得られる強度情報値の間隔が略均等にな
    る対応を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    の何れか1項に記載の色再現方法。
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