JPH09297987A - ハードディスク装置用カバー - Google Patents

ハードディスク装置用カバー

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JPH09297987A
JPH09297987A JP11270996A JP11270996A JPH09297987A JP H09297987 A JPH09297987 A JP H09297987A JP 11270996 A JP11270996 A JP 11270996A JP 11270996 A JP11270996 A JP 11270996A JP H09297987 A JPH09297987 A JP H09297987A
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JP
Japan
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cover
hard disk
passage
hdd
breathing
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JP11270996A
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Izumi Ono
泉 小野
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はカバー本体内に形成された空間部と外
気とを連通する呼吸孔通路を具備するハードディスク装
置用カバーに関し、呼吸孔通路を細くかつ長く形成する
ことを課題とする。 【解決手段】内部空間部と外気とを連通する呼吸孔通路
15を具備するHDD用カバー10において、HDD用
カバー10を樹脂により形成すると共に底面10aにリ
ブ16を形成し、このリブ16の内部にガスインジェク
ション成形を用いて一体的に呼吸孔通路15を形成す
る。また、リブ16を蛇行して形成することにより、呼
吸孔通路15の延在距離を長くする。これにより、呼吸
孔通路15内に拡散現象が発生するのを抑制し、ディス
ク装置内の空間部の圧力を安定化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハードディスク装置
用カバーに係り、特にカバー本体内に形成された空間部
と外気とを連通する呼吸孔通路を具備するハードディス
ク装置用カバーに関する。
【0002】一般に、ハードディスク装置は、磁気記録
再生を行うハードディスク装置本体(以下、HDD本体
という)と、これを覆うハードディスク装置用カバー
(以下、HDD用カバーという)とにより構成されてい
る。このHDD用カバーを設けることにより、HDD本
体に設けられているディスク,磁気ヘッド,アクチュエ
ータ等は気密封止され、これにより装置内部の環境を一
定に保つことができる。
【0003】しかるに、完全な気密封止を行うと、例え
ばアクチュエータ及びディスクを回転させるスピンドル
モータ等の加熱により装置内温度が上昇すると、装置内
の空気が膨張して内部圧力が高くなることがある。逆
に、低温環境で使用した場合には、装置内温度は下がり
装置内の空気が収縮して内部圧力が負圧となることがあ
る。
【0004】このように内部圧力が変化する環境は、浮
動ヘッドが数ミクロン浮上して磁気記録再生処理を行う
ハードディスク装置では過酷な環境となる。このため、
HDD用カバーにはカバー本体内に形成された空間部と
外気とを連通する呼吸孔通路が形成されている。
【0005】
【従来の技術】図13は、従来におけるHDD用カバー
の一例を示しており、また図14は図13に示されるH
DD用カバー1を用いたハードディスク装置2を示して
いる。図14に示されるように、ハードディスク装置2
は大略するとHDD本体3とHDD用カバー1とにより
構成されている。HDD本体3は、ベースフレーム4上
に、図示しない磁気ディスク,磁気ヘッド,アクチュエ
ータ,スピンドルモータ等が配設されている。
【0006】また、従来におけるHDD用カバー1はア
ルミ鋳造で形成されており、HDD本体3の上部にネジ
5を用いて気密に取り付けられる構成とされている。ま
た、完全な気密状態でHDD用カバー1をHDD本体3
に取り付けると、前記したように環境温度変化等により
HDD用カバー1内の内部圧力が変動する現象が発生
し、浮動ヘッドを数ミクロン浮上して磁気記録再生処理
を行うハードディスク装置では過酷な環境となる。
【0007】このため、HDD用カバー1にはカバー本
体内に形成された空間部と外気とを連通する呼吸孔通路
6が形成されている。従来、この呼吸孔通路6はHDD
用カバー1を上下に貫通する貫通孔として形成されてお
り、またその径寸法はφ1mm程度とされていた。更に、
呼吸孔通路6のカバー表面側の開口部にはフィルタ7が
配設されており、塵埃が呼吸孔通路6を介して装置本体
内に侵入しないよう構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、呼吸孔通路
の構造は細く長いほどHDD用カバー1内の内部圧力を
均一に保つことができる。また、呼吸孔通路の途中位置
に空気溜まりを設けることにより、更に良好な特性を得
ることができる。
【0009】これは、呼吸孔通路が細く長いほど呼吸孔
通路の流体抵抗が大きくなり、内部圧力変化の脈動を滑
らかに吸収すると共に、カバー外部の外部湿度に対する
内部湿度の追従や湿度のカバー内への拡散侵入を遅らせ
ることができることに起因するものと推定される。ま
た、空気溜まりを設けた場合には、この位置で瞬間的に
空気が拡張し結露する(この現象を拡散現象という)た
め、呼吸孔通路内に露が発生することを防止できる点に
起因するものと推定される。
【0010】しかるに、従来のHDD用カバー1は、ア
ルミニウム等の金属により形成されていたため、金属性
のHDD用カバー1の内部に蛇行させる等により長い呼
吸孔通路を形成するは困難である。また、孔径について
も金属よりなるHDD用カバー1に、内部圧力変化を吸
収するのに良好とされるミクロン単位の孔を形成するこ
とは困難で、また形成した場合には孔加工に要する加工
費が増大してしまうという問題点があった。
【0011】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、呼吸孔通路を細くかつ長く形成したハードディス
ク装置用カバーを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記の手段
を講じることにより解決することができる。請求項1記
載の発明では、ハードディスク装置本体を覆う構成とさ
れると共に、このハードディスク装置本体との間に形成
さる空間部と外気とを連通する呼吸孔通路を具備するハ
ードディスク装置用カバーにおいて、樹脂成形されると
共に上面または底面の少なくとも一方にリブを形成し、
このリブの内部に一体的に呼吸孔通路を形成したことを
特徴とするものである。
【0013】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載のハードディスク装置用カバーにおいて、前記リブ
を蛇行して形成することにより、前記呼吸孔通路の延在
距離を長く構成したことを特徴とするものである。
【0014】また、請求項3記載の発明では、請求項1
または2記載のハードディスク装置用カバーにおいて、
前記呼吸孔通路の途中位置に空気溜まり部を形成したこ
とを特徴とするものである。
【0015】また、請求項4記載の発明では、請求項1
乃至3のいずれかに記載のハードディスク装置用カバー
において、前記呼吸孔通路をガスインジェクション成形
法を用いて形成したことを特徴とするものである。
【0016】更に、請求項5記載の発明では、請求項1
乃至4のいずれかに記載のハードディスク装置用カバー
において、前記呼吸孔通路の外気側連通孔及び空間側連
通孔の少なくとも一方の開口部に、前記空間部と外気と
の間における空気の流量制御を行う小孔が形成された流
量制御部材を配設したことを特徴とするものである。
【0017】上記した各手段は、次のように作用する。
請求項1及び請求項2記載の発明によれば、ハードディ
スク装置用カバーを樹脂により形成すると共に、その上
面または下面の少なくとも一方にリブを形成することに
より、リブの内部に呼吸孔通路を形成することが可能と
なる。また、リブの配設位置は蛇行させる等任意に設定
できるため、リブの長さを長くすることができ、これに
伴い呼吸孔通路を長く形成することが可能となる。これ
により、拡散現象の発生を防止することができ、ハード
ディスク装置用カバー内の内圧を安定化することができ
る。
【0018】また、請求項3記載の発明によれば、呼吸
孔通路の途中位置に空気溜まり部を形成したことによ
り、この空気溜まり部の形成位置で瞬間的に空気が拡張
し結露するため、呼吸孔通路内に露が発生することを防
止できる。これにより、拡散現象が抑制されるため、呼
吸孔通路内における空気の流れは円滑化され、よってハ
ードディスク装置用カバー内の内圧を安定化することが
できる。
【0019】また、請求項4記載の発明によれば、呼吸
孔通路をガスインジェクション成形法を用いて形成した
ことにより、複雑な形成を有したリブであっても、その
内部に小径の呼吸孔通路を容易かつ確実に形成すること
が可能となる。
【0020】更に、請求項5記載の発明によれば、呼吸
孔通路の外気側連通孔及び空間側連通孔の少なくとも一
方の開口部に、空間部と外気との間における空気の流量
制御を行う小孔が形成された流量制御部材を配設したこ
とにより、呼吸孔通路径寸法がその形成上比較的大なる
寸法となっても、この流量制御部材に形成された小孔に
より絞りが形成されるため、拡散現象の発生を抑制する
ことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面と共に説明する。図1及び図2は本発明の一実施例
であるハードディスク装置用カバー10(以下、HDD
用カバーという)を示しており、また図3はHDD用カ
バーが取り付けられたハードディスク装置11(以下、
HDD装置という)を示している。
【0022】図3に示されるように、HDD装置11は
大略するとHDD用カバー10とハードディスク装置本
体12(以下、HDD本体という)とにより構成されて
いる。HDD本体12は、ベースフレーム13上に、図
示しない磁気ディスク,磁気ヘッド,アクチュエータ,
スピンドルモータ等が配設されており、スピンドルモー
タにより回転する磁気ディスクに対し、アクチュエータ
で移動される磁気ヘッドにより磁気記録再生処理を行う
構成とされている。
【0023】本実施例に係るHDD用カバー10は樹脂
により形成されており、例えばトランスファモールド形
成方法を用いて形成されている。このHDD用カバー1
0は、HDD本体12の上部にネジ14を用いて気密に
取り付けられる構成とされている。このため、HDD用
カバー10の外周所定位置にはネジ孔24が形成されて
いる。また、ネジ孔24の形成位置には、図3に示され
るように、上方に向け突出形成されたボス25が形成さ
れている。
【0024】上記のように、HDD用カバー10を樹脂
製とすることにより、従来のアルミ鋳造によるHDD用
カバー1に比べて安価にかつ製造効率よく安価に形成す
ることが可能となる。また、アルミニウムに比べて樹脂
は軽いため、HDD装置11の軽量化を図ることもでき
る。
【0025】一方、HDD用カバー10を完全な気密状
態でHDD本体12に取り付けると、前記したように環
境温度変化等によりHDD用カバー10とHDD本体1
2との間に形成される空間部の内部圧力が変動するた
め、浮動磁気ヘッドを数ミクロン浮上して磁気記録再生
処理を行うHDD装置11では過酷な環境となる。
【0026】このため、本実施例に係るHDD用カバー
10においても、HDD用カバー10とHDD本体12
との間に形成される空間部と、HDD用カバー10の外
部(外気)とを連通する呼吸孔通路15が形成されてい
る。本実施例では、この呼吸孔通路15を樹脂製のHD
D用カバー10に一体的に形成されたリブ16の内部に
形成したことを特徴とするものである。
【0027】ここで、リブ16の構造について説明す
る。リブ16は、HDD用カバー10に一体的に形成さ
れた突起であり、本実施例においては図1に示されるよ
うにHDD用カバー10の底面10a側に配設されてい
る。また、図1に示されるように、リブ16はHDD用
カバー10の底面10aを蛇行するよう形成されてお
り、その全長が長くなるよう構成されている。
【0028】上記したように、HDD用カバー10はト
ランスファモールド形成方法を用いて形成されるため、
モールド金型に予めリブ16に対応するキャビティを形
成しておくことにより、蛇行して複雑な形状を有したリ
ブ16でも容易に形成することができる。尚、リブ16
を長く形成することにより、また上記のようにネジ孔2
4の形成位置に肉厚部分となるボス25を形成すること
により、樹脂製HDD用カバー10の機械的強度を向上
させることができる。
【0029】また、上記のように長く延在するリブ16
の内部には、呼吸孔通路15が形成されている。この呼
吸孔通路15は、リブ16に対して後述するガスインジ
ェクション成形(ガスインジェクションモールディン
グ)を行うことにより形成される。この呼吸孔通路15
は、上記のようにリブ16の内部に形成されるものであ
るため、リブ16と同様に蛇行したパターンを形成し、
よって呼吸孔通路15の長さも長くなる。
【0030】また、呼吸孔通路15の一端部15aには
外気側連通孔17が形成されると共に、他端部15bに
は空間側連通孔18が形成されている。外気側連通孔1
7はHDD用カバー10を貫通して形成された孔であ
り、よって外気側連通孔17より呼吸孔通路15はHD
D用カバー10外部の外気と連通した構成となる。
【0031】この呼吸孔通路15は、HDD用カバー1
0の上面10bに形成されたフィルタ装着部19に開口
するよう構成されている。フィルタ装着部19はHDD
用カバー10の上面10bに形成された凹部であり、図
11に示されるように、このフィルタ装着部19の内部
にフィルタ20及び流量制御板21(請求項5記載の流
量制御部材に相当する)が装着される。
【0032】フィルタ20は外気に含まれる塵埃及び湿
気が呼吸孔通路15内に侵入するのを防止するために設
けられるものであり、例えば濾過布とシリカゲルとを組
み合わせた構成とされている。また、流量制御板21
は、例えばステンレスのフィルムにエッチングまたは電
鋳により0.01μm程度の径寸法を有した小孔22を
形成した構成とされている。
【0033】一方、空間側連通孔18はリブ16を貫通
して形成さされた孔であり、よって空間側連通孔18に
より呼吸孔通路15はHDD用カバー10とHDD本体
12との間に形成される空間部と連通した構成となる。
図4は、空間側連通孔18の形成位置を拡大して示して
いる。
【0034】更に、呼吸孔通路15の途中位置には、空
気溜まり部23が形成されている。この空気溜まり部2
3は、図5に拡大して示す如く、呼吸孔通路15の延在
方向に対して直行する方向に延出した枝孔26により構
成されている。これに対応して、空気溜まり部23の形
成位置におけるリブ16の形状は、平面的に見て十字形
状とされている。この空気溜まり部23は、リブ16の
形状を十字形状とすることにより、ガスインジェクショ
ン成形時に呼吸孔通路15と同時に一括的に形成され
る。
【0035】ここで、ガスインジェクション成形方法を
用いて呼吸孔通路15を形成する方法について図6乃至
図11を用いて説明する。尚、図6乃至図11において
図1乃至図5に示した構成と対応する構成については同
一符号を付すものとする。また、図6乃至図11では呼
吸孔通路15,リブ16等は概略的に図示している。
【0036】ガスインジェクション成形方法とは、モー
ルド成形により溶融樹脂を金型のキャビティ内に導入し
た後、外部は硬化しているが内部がまだ溶融状態となっ
ている樹脂に、成形機のノズルまたは金型のスプール,
ランナーからガスを注入し、まだ溶融状態となっている
内部のみにガスを通過させることにより、樹脂内部に空
間部を形成する成形方法である。
【0037】よって、リブ16の外部は硬化しているが
内部がまだ溶融状態となっている状態において、リブ1
6の内部にガスを注入することにより、リブ16の内部
に呼吸孔通路15を形成することが可能となる。図6及
び図7は、モールド金型(図示せず)に溶融した樹脂を
導入することにより、HDD用カバー10を形成した直
後の状態を示している。この状態では、リブ16の外部
は硬化しているが、まだ中央部分27(図6に破線で示
す部分。及び図7に梨地で示す部分)は溶融した状態と
なっている。また、リブ16の所定位置には、モールド
成形時にへそ部28が形成されている。
【0038】そこで、フィルタ装着部19の中央位置よ
り高圧のガスを注入する。前記したように、リブ16の
中央部分27は溶融した状態となっているため、高圧の
ガスを注入することにより、この溶融した中央部分27
をガスを通過する。これにより、図8及び図9に示され
るように、リブ16の中央部分27に呼吸孔通路15が
形成される。尚、中央部分27から追いやられた樹脂
は、主にへそ部28に溜まった状態となる。
【0039】続いて、このへそ部28を切断除去するこ
とにより、空間側連通孔18を形成する。図10は、へ
そ部28が切断除去され空間側連通孔18が形成された
状態を示している。これにより、一端部にフィルタ装着
部19に外気側連通孔17を有し、他端部に上記した空
間部と連通する空間側連通孔18を有した呼吸孔通路1
5が形成される。
【0040】また、リブ16が十字形状に形成された空
気溜まり部23の形成位置においては、溶融融した状態
の樹脂は十字状に存在するためガスは側方に進行し、よ
って枝孔26が形成され空気溜まり部23が形成され
る。上記説明から明らかなように、呼吸孔通路15の形
成はHDD用カバー10の樹脂成形時に一連の処理とし
て形成することができるため、容易かつ安価に形成する
ことができる。また、上記のように蛇行することにより
長く形成されたリブ16であっても、内部が溶融状態で
ある限り呼吸孔通路15を確実に形成することができ
る。
【0041】しかるに、ガスインジェクション成形方法
では、形成される呼吸孔通路15の径寸法を拡散現象を
抑制しうる径寸法(ミクロン単位の孔径)まで小さくす
ることはできない。そこで本実施例では、図11に示さ
れるように、フィルタ装着部19とフィルタ20との間
に流量制御板21を介装する構成とした。
【0042】この流量制御板21は、前記したようにス
テンレスのフィルムにエッチングまたは電鋳により0.
01μm程度の径寸法を有した小孔22を形成した構成
とされている。従って、呼吸孔通路15の径寸法が所望
する径寸法より大きくても、流量制御板21に形成され
ている小孔22の径寸法が実質的に呼吸孔通路15の径
寸法となるため、呼吸孔通路15を流れる空気の脈動を
抑制し、また拡散現象の発生を効果的に抑制することが
可能となる。
【0043】上記したように、本実施例に係るHDD用
カバー10は、リブ16の内部にガスインジェクション
成形方法を用いて呼吸孔通路15を形成するため、リブ
16を蛇行させる等により呼吸孔通路15の長さを長く
することができる。また、呼吸孔通路15の径寸法は流
量制御板21を設けることにより、実質的に小径とする
ことができる。
【0044】よって、温度変化等に起因して呼吸孔通路
15内を流れる空気の脈動及び拡散現象の発生を防止す
ることができ、HDD装置11内の内圧を安定化するこ
とができる。これにより、使用環境に拘わらず安定した
磁気記録再生処理を行うことが可能となる。
【0045】更に、本実施例では呼吸孔通路15の途中
位置に空気溜まり部23が形成されているため、この空
気溜まり部23の形成位置で結露の及び拡散現象が抑制
される。よって、空気溜まり部23を設けることによ
り、更にHDD装置11内の内圧を安定化させ、良好な
磁気記録再生処理を実現することができる。
【0046】尚、上記したように、本実施例に係るHD
D用カバー10は樹脂製であるため、従来の金属製のH
DD用カバー1に対して必然的に機械的強度が弱くなる
傾向にある。しかるに、上記したように本実施例に係る
HDD用カバー10はリブ16及びボス25がHDD用
カバー10の機械的強度を向上させる機能を奏している
ため、HDD用カバー10として必要とされている強度
よりも十分高い強度を実現している。
【0047】また、機械的強度を向上させるための機構
は、リブ16及びボス25に限定されるものではなく、
他の部位に設けてもよい。例えば図12に示されるよう
に、凹部が形成されることにより応力が集中し易いフィ
ルタ装着部19に補強機構を設けた構造としてもよい。
【0048】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、下記する種
々の効果を実現することができる。請求項1及び請求項
2記載の発明によれば、リブの長さを長くすることがで
き、これに伴い呼吸孔通路を長く形成することが可能と
なるため、拡散侵入を防止することができ、ハードディ
スク装置用カバー内の内圧を安定化することができる。
【0049】また、請求項3記載の発明によれば、呼吸
孔通路内に露が発生することを防止でき拡散現象が抑制
されるため、呼吸孔通路内における空気の流れは円滑化
され、よってハードディスク装置用カバー内の内圧を安
定化することができる。また、請求項4記載の発明によ
れば、複雑な形成を有したリブであっても、その内部に
小径の呼吸孔通路を容易かつ確実に形成することが可能
となる。
【0050】更に、請求項5記載の発明によれば、呼吸
孔通路径寸法がその形成上比較的大なる寸法となって
も、この流量制御部材に形成された小孔により絞りが形
成されるため、拡散現象の発生を抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるハードディスク装置用
カバーの底面図である。
【図2】本発明の一実施例であるハードディスク装置用
カバーの平面図である。
【図3】本発明の一実施例であるハードディスク装置用
カバーが取り付けられたハードディスク装置の側面図で
ある。
【図4】空間側連通孔を拡大して示す図である。
【図5】空気溜まり部を拡大して示す断面図である。
【図6】呼吸孔通路の形成方法を説明するための図(そ
の1)である。
【図7】図6におけるA−A線に沿う断面図である。
【図8】呼吸孔通路の形成方法を説明するための図(そ
の2)である。
【図9】図8におけるA−A線に沿う断面図である。
【図10】呼吸孔通路の形成方法を説明するための図
(その3)である。
【図11】呼吸孔通路の形成方法を説明するための図
(その4)である。
【図12】ハードディスク装置用カバーの補強構造を説
明するための図である。
【図13】従来のハードディスク装置用カバーの一例を
示す斜視図である。
【図14】従来のハードディスク装置用カバーが取り付
けられたハードディスク装置を示しており、(A)はハ
ードディスク装置の平面図、また(B)はハードディス
ク装置の側面図である。
【符号の説明】 10 HDD用カバー 11 HDD装置 12 HDD本体 13 ベースフレーム 15 呼吸孔通路 16 リブ 17 外気側連通孔 18 空間側連通孔 19 フィルタ装着部 20 フィルタ 21 流量制御板 22 小孔 23 空気溜まり部 25 ボス 26 枝孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハードディスク装置本体を覆う構成とさ
    れると共に、該ハードディスク装置本体との間に形成さ
    る空間部と外気とを連通する呼吸孔通路を具備するハー
    ドディスク装置用カバーにおいて、 樹脂成形されると共に上面または底面の少なくとも一方
    にリブを形成し、該リブの内部に一体的に呼吸孔通路を
    形成したことを特徴とするハードディスク装置用カバ
    ー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のハードディスク装置用カ
    バーにおいて、 前記リブを蛇行して形成することにより、前記呼吸孔通
    路の延在距離を長く構成したことを特徴とするハードデ
    ィスク装置用カバー。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のハードディスク
    装置用カバーにおいて、 前記呼吸孔通路の途中位置に空気溜まり部を形成したこ
    とを特徴とするハードディスク装置用カバー。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のハー
    ドディスク装置用カバーにおいて、 前記呼吸孔通路をガスインジェクション成形法を用いて
    形成したことを特徴とするハードディスク装置用カバ
    ー。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のハー
    ドディスク装置用カバーにおいて、 前記呼吸孔通路の外気側連通孔及び空間側連通孔の少な
    くとも一方の開口部に、前記空間部と外気との間におけ
    る空気の流量制御を行う小孔が形成された流量制御部材
    を配設したことを特徴とするハードディスク装置用カバ
    ー。
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