JPH09296933A - 天ぷら油火災防止センサ - Google Patents

天ぷら油火災防止センサ

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Publication number
JPH09296933A
JPH09296933A JP11070796A JP11070796A JPH09296933A JP H09296933 A JPH09296933 A JP H09296933A JP 11070796 A JP11070796 A JP 11070796A JP 11070796 A JP11070796 A JP 11070796A JP H09296933 A JPH09296933 A JP H09296933A
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JP
Japan
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reed switch
gas
bimetal
magnet
leaf spring
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Withdrawn
Application number
JP11070796A
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English (en)
Inventor
Kazunobu Mishima
和宜 三嶋
Tsutomu Kotani
勉 小谷
Manabu Hatakeyama
学 畠山
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Publication of JPH09296933A publication Critical patent/JPH09296933A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は天ぷら油火災防止センサに関し、確実
な天ぷら油火災防止機能を備えたセンサを安価に製作で
きるようにすると共に、前記センサの小型化、長寿命
化、信頼性向上を実現する。 【解決手段】本体ケース26とキャップ25を備え、本
体ケース26にはコイルスプリング37と、ガス開閉弁
の駆動回路に挿入される常時オン状態のリードスイッチ
20と、リードスイッチ20を収納するリードスイッチ
ホルダ35と、キャップ25の内側に隣接して配置され
たバイメタル15と、バイメタル15の反転力で駆動さ
れる板バネ27と、板バネ27に固着された支柱28に
保持されリードスイッチ20を開状態に駆動するリード
スイッチ駆動用のマグネット29と、バイメタル15、
板バネ27、リードスイッチ20を収納したリードスイ
ッチホルダ35を保持させるホルダ30を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調理用ガステーブ
ル等の各種ガス器具に利用される天ぷら油火災防止セン
サに関する。特に、本願発明は、前記ガス器具を使用し
て天ぷら等の調理を行っている時に、天ぷら油の過熱に
より火災が発生することを防止できるようにした天ぷら
油火災防止センサに関する。
【0002】
【従来の技術】以下、従来例について説明する。 §1:従来例1の説明・・・図7参照 図7は従来例1の説明図であり、A図はガス器具の全体
図、B図は制御回路内の基本回路例1、C図は制御回路
内の基本回路例2である。以下、図7に基づいて従来例
1を説明する。
【0003】ガステーブル等のガス器具は調理用のガス
器具として広く普及しており、その一部には天ぷら油火
災防止装置が組み込まれているものもある。このような
天ぷら油火災防止装置の組み込まれたガス器具として、
例えば、図示のようなもの(例えば、実開平6−640
02号公報、特開平4−62322号公報参照)が知ら
れていた。
【0004】このガス器具には、調理用のガスバーナ3
と、前記ガスバーナ3へ燃料ガスを供給するためのガス
供給管11と、前記ガス供給管11の一部に設け、ガス
の供給量をオン/オフする電磁弁10と、ガスバーナ3
のガスに点火するための点火ボタン7と、ガスバーナ3
の炎4の熱により起電力を発生させる熱電対5と、ガス
バーナ3の上に載せた鍋1の底に接触して感熱する感温
素子6と、電池等の電源8と、制御回路9等が設けてあ
る。
【0005】前記制御回路9は電源8から電力を供給さ
れると共に、点火ボタン7、及び熱電対5の出力信号に
基づき前記電磁弁10の開閉制御を行うように構成され
ている。前記構成のガス器具により天ぷらの調理を行う
場合は、ガスバーナ3の上に天ぷら用の油2を入れた鍋
1を載せ、点火ボタン7の操作により電磁弁10を開い
てガスバーナ3にガスを供給し、そのガスに点火する。
この時発生するガスの炎4により油2の温度を上昇させ
て天ぷら等の調理を行う。
【0006】ところで、前記感温素子6はサーミスタや
熱電対で構成されており、これらの感温素子の出力信号
を制御回路9に取り込んで制御を行うが、この場合、前
記制御回路9は多数の回路素子を使用した複雑な回路で
構成されている。例えば、前記感温素子6としてサーミ
スタを使用した場合には、サーミスタの抵抗変化を利用
したスイッチング回路やリレー等が必要である。
【0007】前記のようにサーミスタを使用して温度制
御を行う回路としては、各種の回路(例えば、「温度・
湿度センサ活用ハンドブック、CQ出版社発行、198
9年1月20日第2版発行、p51〜54、NTCサー
ミスタの応用の項参照」)が知られているが、その基本
回路例としては、B図、或いはC図のようなものであ
る。
【0008】B図に示した基本回路例1は、サーミスタ
Th、コンデンサC、抵抗R、R1〜R4 、可変抵抗V
R、トランジスタTr1 、Tr2 、ダイオードD、リレ
ーRy等で構成されている。また、基本回路例2は、サ
ーミスタTh、コンデンサC、抵抗R、R1 、可変抵抗
VR、トランジスタTr、ツェナーダイオードZD、ダ
イオードD、リレーRy等で構成されている。
【0009】§2:従来例2の説明・・・図8参照 図8は従来例2の説明図であり、A図はガス器具の全体
図、B図はスイッチオン状態、C図はスイッチオフ状態
を示す。以下、図8に基づいて従来例2を説明する。
【0010】従来例2は熱応動素子により所定の過熱温
度を検出した際、ガス供給通路に設けた電磁弁の励磁回
路を遮断することで天ぷら油火災を防止するもの(例え
ば、特開平3−236520号公報参照)であり、図示
のように構成されている。
【0011】このガス器具には、調理用のガスバーナ3
と、前記ガスバーナ3へ燃料ガスを供給するためのガス
供給管11と、前記ガス供給管11の一部に設け、ガス
の供給量をオン/オフする電磁弁10と、ガスバーナ3
の炎4の熱により起電力を発生させる熱電対5と、ガス
バーナ3の上に載せた鍋1の底の温度に応じてスイッチ
14を駆動する熱応動素子12等が設けてある。
【0012】前記熱応動素子12にはバイメタル15
と、このバイメタル15により駆動される力伝達手段1
3が設けてあり、前記力伝達手段13によりスイッチ1
4が駆動されるようになっている。この場合、通常の調
理中にはスイッチ14はオンになっており、炎4の熱に
より熱電対5には起電力が発生し、この起電力により電
磁弁10が駆動され、ガスバーナ3へのガスの供給が行
われている。
【0013】この状態では鍋1の底の温度が予め決めた
一定温度以下であり、バイメタル15はB図のように上
に凸の状態になっていて力伝達手段13はスイッチ14
に接しておらずスイッチオンを保っている。しかし、油
2が過熱され前記一定温度に達すると、バイメタル15
はC図のように反転して下に凸の状態に変形し、力伝達
手段13を下側へ押してスイッチ14を開き、スイッチ
14を遮断する。
【0014】このため、電磁弁10の励磁回路が遮断さ
れるので、電磁弁10はガス供給通路を遮断してガスバ
ーナ3へのガスの供給を停止する。このようにして天ぷ
ら油による火災を未然に防止することが可能になる。
【0015】§3:従来例3の説明 従来、主ガスバーナの雰囲気温度が一定温度に達すると
レバーを駆動して主ガスバーナへのガス供給量を減少さ
せる第1感熱器と、鍋の温度が一定温度に達すると駆動
杆を駆動して主ガスバーナを消火させる第2感熱器を備
えたガス調理器の感熱装置が知られていた(実開昭53
−133238号公報参照)。この装置では、バイメタ
ルの反転で駆動杆を駆動して主ガスバーナを消火させる
ものであり、この場合の駆動杆のストロークは十分に大
きくなる。
【0016】§4:従来例4の説明 従来、サーモスタットを利用した天ぷら油火災防止安全
装置を有するガステーブルが知られていた(実開昭59
−132003号公報参照)。このガステーブルは、熱
電対と電磁石付ガス開閉弁を有する立ち消え安全装置付
ガステーブルであり、熱電対と電磁石にて形成された閉
回路内に、熱電対と電磁石に直列に、ガスにて加熱され
る容器の温度(油の温度)を検出するサーモスタットを
接続し、そのサーモスタットの設定温度を天ぷら油の自
然発火温度と料理最高温度間に設定したものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来のも
のにおいては、次のような課題があった。 (1) :前記従来例1では、複雑な制御回路や前記制御回
路を駆動するための電池や電池ケース等が必要である。
従って、ガス器具が高価なものとなる。
【0018】(2) :従来例2では、油が過熱され自然発
火温度に達すると、バイメタルは反転して下に凸の状態
に変形し、力伝達手段を下側へ押してスイッチを開き、
電磁弁を復帰させてガスバーナへのガスの供給を停止さ
せている。この場合、バイメタルの変形のみを利用して
力伝達手段を駆動しているため、力伝達手段のストロー
クが小さく、確実にスイッチを駆動させるには他の部材
の精密な加工精度や組み立て精度等が要求される。ま
た、力伝達手段により直接スイッチを遮断するので大き
な力が必要である。
【0019】更に、バイメタルのみの反転変移量はバイ
メタルの径によって変化し、例えば、直径20mm程度
のバイメタルではその変移量は0.5〜1.0mm位で
あり極めて小さい。従って、この変移量を大きくするに
は径の大きなバイメタルが必要であり、大型で高価なも
のになる。
【0020】(3) :従来例3では、バイメタルの反転で
駆動杆を駆動して主ガスバーナを消火させるものであ
り、この場合の駆動杆のストロークは十分に大きくな
る。しかし、この装置では構造上駆動杆の自動復帰は困
難であり、仮に自動復帰機構を付加したとしても大型で
高価な機構を備える必要があり、ガス調理器のコストア
ップの原因となる。
【0021】(4) :従来例4では、サーモスタットを用
いているが、このようなサーモスタットを使用した場
合、電気接点部分は常に高温にさらされたり、ガスの影
響や調理物の飛散等により悪影響を受ける。このため、
接点部分が劣化したり、障害が発生したり、寿命を短く
したりしてガス器具の信頼性が低下する恐れがある。
【0022】本発明は、このような従来の課題を解決
し、確実な天ぷら油火災防止機能を備えたセンサを安価
に製作できるようにすると共に、前記センサの小型化、
長寿命化、信頼性向上を実現することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明
図である。本発明は前記の目的を達成するため、次のよ
うに構成した。本願発明の天ぷら油火災防止センサ17
は、ガスバーナ3によるガスの燃焼で加熱されて起電力
を発生する熱電対5と、熱電対5の起電力により駆動さ
れガスバーナ3へのガス供給路(例えば、ガス供給管1
1)を開閉するガス開閉弁(例えば、電磁弁10)を備
えたガス器具に取り付けられるものである。そして、調
理用具(例えば、鍋1)の底の温度が予め決められた一
定温度に達した際、ガス開閉弁の駆動電流を遮断してガ
ス供給を停止させる。
【0024】この天ぷら油火災防止センサ17には、本
体ケース26と、本体ケース26に被せ調理用具の底に
接して感熱するキャップ25を備え、本体ケース26に
は、キャップ25を調理用具の底に接触させるためのコ
イルスプリング37と、ガス開閉弁の駆動回路に挿入さ
れるリードスイッチ20と、前記リードスイッチ20を
収納保持するリードスイッチホルダ35と、キャップ2
5の内側に配置されたバイメタル15と、バイメタル1
5の反転力で駆動される板バネ27と、板バネ27に固
着保持されたリードスイッチ駆動用のマグネット(第2
マグネット29)と、バイメタル15、板バネ27、及
びリードスイッチ20を収納したリードスイッチホルダ
35を保持させるホルダ30を備えている。
【0025】また、前記天ぷら油火災防止センサ17に
おいて、本体ケース26には筒状シャフト38を備え、
筒状シャフト38は、コイルスプリング37を載せる機
能と筒状シャフト38を本体ケース26内に係止する機
能を兼ね備えたフランジ部39を一端部に備え、フラン
ジ部39と反対側を本体ケース26から外部へ突出さ
せ、ガス器具への取り付け部分とした。
【0026】(作用)以下、本発明の作用を、図1に基
づいて説明する。天ぷら油火災防止センサ17を組み立
てる場合、予め各部品を製作しておき、本体ケース26
の開口部から筒状シャフト38を挿入し、筒状シャフト
38のフランジ部39を本体ケース26の段部に係止す
る。次に、本体ケース26の開口部からコイルスプリン
グ37を挿入し、筒状シャフト38のフランジ部39に
載せる。
【0027】その後、本体ケース26の開口部からリー
ドスイッチホルダ35と板バネ27とバイメタル15を
取り付けたホルダ30を挿入する。そして最後に、本体
ケース26の上側(バイメタル15側)の開口部上にキ
ャップ25を被せ、固着して天ぷら油火災防止センサ1
7が完成する。このようにすれば本体ケース26内に予
め製作しておいて部品を挿入するだけで簡単に組み立て
ることができる。
【0028】前記のようにして組み立てられた天ぷら油
火災防止センサ17をガス器具に取り付け、前記ガス器
具に調理用具を載せて調理を行う場合、次のようにして
行う。通常の調理時には調理用具に油2を入れて調理し
ており、この状態ではバイメタル15は上に凸の状態に
なっている。このため、リードスイッチ駆動用マグネッ
ト(第2マグネット29)はリードスイッチ20から離
れた位置にあり、リードスイッチ20はオン(閉)にな
っている。
【0029】その後、油2の温度が上昇し調理用具の底
の温度が予め決められた一定温度に達すると、バイメタ
ル15が瞬間的に反転し、下に凸の状態となる(スナッ
プアクション動作)。このバイメタル15が反転する際
の瞬発力により、板バネ27が下方に押され、前記板バ
ネ27に固着された支柱28が下方へ移動する。
【0030】ところで、バイメタル15は通常の調理時
には上に凸の状態となっており、その中心部はキャップ
25の内側に接している。しかし、バイメタル15が反
転すると、下に凸の状態になり、その中心部で板バネ2
7の中心部を下方へ瞬間的に押す。この時、板バネ27
はその周辺部がホルダ30の周囲に係止されているの
で、板バネ27の中心部はバイメタル15の中心部によ
り下方へ押されると、その力により下方へ移動する。
【0031】この場合、板バネ27の中心部はバネ特性
等により決まる所定の変移量だけ変移する。この変移量
をバイメタル15の変移量より大きくしておけば、バイ
メタル15の変移量を板バネ27により大きな変移量に
変換し、支柱28の移動量(ストローク)を大きくする
ことが可能である。
【0032】前記のようにして板バネ27の中心部が下
方へ移動すると、支柱28が下方へ移動し、その下側に
固定されたリードスイッチ駆動用マグネット(第2マグ
ネット29)がリードスイッチ20に近づく。このた
め、リードスイッチ駆動用マグネットの磁界によりリー
ドスイッチ20をオフにする。
【0033】このようにしてリードスイッチ20がオフ
になると、ガス開閉弁のコイル18が非励磁状態とな
り、ガス開閉弁によりガスバーナ3に供給されているガ
スを遮断する。このため、ガスバーナ3の炎4は消え、
調理用具の油2の温度は下がり天ぷら油火災を防止す
る。その後、調理用具の油2の温度が所定値まで下がる
と、バイメタル15は元の状態(上に凸の状態)に復帰
する。このため、板バネ27は自己復帰力により元の位
置へ復帰する。
【0034】このようにすれば、従来のような高価な制
御回路も不要となり、高精度を要する部品も不必要とな
り、簡単な機構で確実な天ぷら油火災防止機能を備えた
センサを安価に製作できる。また、リードスイッチ20
と板バネ27の使用により天ぷら油火災防止センサ17
の小型化、長寿命化、信頼性向上を実現することが可能
になる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を図面に
基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する「上、
或いは上側」、「下、或いは下側」はそれぞれ天ぷら油
火災防止センサをガス器具に取り付けた状態での説明で
ある。
【0036】§1:ガス器具の説明・・・図2参照 図2はガス器具の説明図であり、Aはガス器具の全体
図、B図は回路図である。以下、図2に基づいて天ぷら
油火災防止センサ付きガス器具を説明する。
【0037】図示のようにガス器具(例えば、調理用の
ガステーブル)には、燃料ガス(以下単に「ガス」と記
す)を燃焼させるためのガスバーナ3と、前記ガスバー
ナ3へガスを供給するためのガス供給管11と、前記ガ
ス供給管11の一部に設け、ガスの供給量をオン/オフ
する電磁弁10と、ガスバーナ3のガスに点火するため
の点火ボタン7と、ガスバーナ3のガスの炎4の熱によ
り起電力を発生させる熱電対5と、ガスバーナ3の上に
載せた鍋1の底に接触して感熱する天ぷら油火災を防止
センサ17等が設けてある。
【0038】そして、前記天ぷら油火災防止センサ17
内にはリードスイッチ20が設けてあり、このリードス
イッチ20にバイアス用のマグネット(第1マグネッ
ト)を付加して常時オン状態のリードスイッチ20とし
て構成されている。また、電磁弁10には弁を駆動する
ためのコイル18が設けてあり、このコイル18には熱
電対5に発生した起電力によりリードスイッチ20を介
して励磁電流が供給されるように構成されている(ガス
器具の組み立て時に接続する)。
【0039】すなわち、熱電対5と、天ぷら油火災防止
センサ17内に設けた常時オン状態のリードスイッチ2
0と、電磁弁10のコイル18で閉ループを構成してい
る。このため、調理の開始によりガスバーナ3から炎4
が発生して熱電対5が加熱されると熱電対5に起電力が
発生し、この起電力によりオン状態のリードスイッチ2
0を介してコイル18に励磁電流が流れ電磁弁10が駆
動されるように構成されている。
【0040】この場合、電磁弁10は、リードスイッチ
20がオンでコイル18に励磁電流が流れていると弁が
開き、ガス供給管11からガスバーナ3へガスを供給す
る。しかし、リードスイッチ20がオフになりコイル1
8への励磁電流が遮断されると弁が閉じ、ガス供給管1
1からガスバーナ3へのガスの供給を停止するように構
成されている。
【0041】前記構成のガス器具により天ぷらの調理を
行う場合は、ガスバーナ3の上に天ぷら用の油2を入れ
た鍋1を載せ、点火ボタン7の操作により電磁弁10を
開いてガス供給管11からガスバーナ3にガスを供給
し、そのガスに点火する。そしてガスに点火するとその
炎4の熱により熱電対5に起電力が発生し、その起電力
により電磁弁10のコイル18が励磁され電磁弁10が
ガス供給管11を開いてガスの供給を継続して行う。
【0042】そのため、ガスバーナ3では継続してガス
の燃焼が行われ、その時発生するガスの炎4により油2
の温度を上昇させて天ぷら調理を行う。その後、油2の
温度が上昇して鍋1の底の温度が予め決めた一定温度ま
で上昇すると天ぷら油火災防止センサ17が作動し、内
部のリードスイッチ20をオフにする。この時、コイル
18への励磁電流が遮断され電磁弁10が非励磁状態と
なって弁を閉じる。そのため、ガス供給管11からガス
バーナ3へのガスの供給を停止し天ぷら油火災を防止す
る。
【0043】§2:天ぷら油火災防止センサの説明・・
・図3〜図5参照 図3は天ぷら油火災防止センサの分解斜視図、図4は図
3の各部の説明図1、図5は図3の各部の説明図2であ
る。以下、図3〜図5に基づいて天ぷら油火災防止セン
サ17を説明する。
【0044】図3に示したように天ぷら油火災防止セン
サ17は、本体ケース26と、前記本体ケース26に被
せるキャップ25を備えており、前記本体ケース26内
には、バイメタル15と、板バネ27と、前記板バネ2
7に固着した支柱28と、前記支柱28の端部に固着さ
れた第2マグネット29と、ホルダ30と、リードスイ
ッチホルダ35と、前記リードスイッチホルダ35に収
納された第1マグネット34、及びリードスイッチ20
と、リード線保護キャップ36と、コイルスプリング3
7と、フランジ部39を有する筒状シャフト38等が収
納されている。以下、前記各部について詳細に説明す
る。
【0045】(1) :キャップ25の説明 キャップ25は本体ケース26に被せて使用するもので
あり、天ぷら油火災防止センサ17の使用時には、鍋1
の底と接触した状態で感熱するものである。また、キャ
ップ25の上部(鍋1に接触する面)は略平らで円形に
形成されており、この平らな部分が鍋1の底に接触する
部分となる。更に、キャップ25の周辺部は本体ケース
26の外周部分に接した状態で本体ケース26に固着さ
れるものであり、内側には本体ケース26側の凹部と係
止するための凸部が形成されている。なお、このキャッ
プ25は、例えば真鍮、或いはリン青銅により構成され
るものである。
【0046】(2) :本体ケース26の説明 本体ケース26は、中空円筒状の大径部26Aと小径部
26Bからなり前記大径部26Aと小径部26Bの間に
段部33を有するケースであり(特に図3、図4のA図
参照)、天ぷら油火災防止センサ17を構成する各部品
を収納するものである。
【0047】この本体ケース26は内部に前記各部品を
収納した後、キャップ25を被せた状態で使用するが、
内部に収納する筒状シャフト38をガス器具に固定した
状態で、前記筒状シャフト38に対して上下移動できる
ように構成されており、鍋1の底でキャップ25が押さ
れて移動するように構成されている。すなわち、本体ケ
ース26は鍋の種類により上下するように構成されてい
る。
【0048】更に、本体ケース26の大径部26Aの開
放端側(上側)には、キャップ25の凸部と係止するた
めの凹部が形成されており、この凹部とキャップ25の
凸部とを嵌め合わせ両者を固着するように構成されてい
る。また、この本体ケース26は、例えば真鍮、或いは
リン青銅により構成されるものである。
【0049】(3) :バイメタル15の説明 バイメタル15はキャップ25の内側と接するように配
置され、鍋1の底の温度に応じて反転(変形)するもの
である。この場合、バイメタル15は円盤状に形成さ
れ、常時上に凸の状態(キャップ25の内側方向に凸)
になっている。すなわち、バイメタル15の中心部はキ
ャツプ25の内側の略中心部に接しており、周辺部はキ
ャップ25の内側から少し下側へ離れた状態で収納され
ている(図4のB図参照)。そして、鍋1の底の温度が
予めきめた一定温度に達した場合、バイメタル15は上
に凸の形状から反転し、下に凸の状態となる(スナップ
アクション作用)。
【0050】(4) :板バネ27の説明 板バネ27は、例えば、十字型に形成された板バネを使
用し、その中央部の下側(ガス器具への取り付け状態で
下側)に支柱28の一端部が固着(例えば、溶接により
固着)されている。そして、前記支柱28の他端部は略
U字状に折り曲げられており、その折り曲げられた部分
に第2マグネット29を固着してある。なお、前記第2
マグネット29はリードスイッチ20の駆動用のマグネ
ットである。
【0051】前記板バネ27は、平らなバネ板を十字型
に打ち抜いたもので構成され、平らなまま使用するか、
全体をバイメタル15の曲面に沿って上に凸の状態に形
成する。そして、板バネ27はバイメタル15の下側
(バイメタル15に対してキャップ25と反対側)に配
置する。この場合板バネ27はバイメタル15の反転に
より下方向に押されて変形するが、自己復帰力を備えて
おり、バイメタル15が元の位置に復帰すると自動的に
元の位置に復帰する。
【0052】(5) :ホルダ30の説明 ホルダ30は、バイメタル15と板バネ27とリードス
イッチホルダ35を保持するための部材である。このホ
ルダ30は、一端部が開口端となった有底円筒体で構成
され、前記開口端部にはバイメタル15と板バネ27の
端部を係止するための係止片32が複数箇所に設けてあ
る。また、ホルダ30を構成する有底円筒体の底には、
貫通孔31が設けてあり、この貫通孔31にリードスイ
ッチホルダ35を取り付けると共に、前記貫通孔31に
は支柱28に取り付けた第2マグネット29が出入りで
きるように構成されている。
【0053】(6) :リードスイッチホルダ35の説明 リードスイッチホルダ35は、リードスイッチ20と第
1マグネット34を収納するものであり、前記ホルダ3
0に取り付けられる。このリードスイッチホルダ35に
はリードスイッチ20を収納するための凹部と、第1マ
グネット34を収納するための凹部が設けてあり、これ
らの凹部にそれぞれリードスイッチ20と第1マグネッ
ト34を収納できるように構成されている。
【0054】また、リードスイッチホルダ35の下側に
は突出部40が設けてあり、この突出部40にリード線
保護チューブ36が挿入される。この場合、リードスイ
ッチ20から引き出したリード線は前記突出部40に沿
って引き出し、前記リード線保護チューブ36内を通
り、筒状シャフト38内を貫通して外部へ引き出される
ように構成されている。。
【0055】前記第1マグネット34はリードスイッチ
20に固定のバイアス磁界を与えることで、リードスイ
ッチ20を常時オン状態に保持させるためのマグネット
である(図4のC図参照)。なお、前記リードスイッチ
ホルダ35は、例えば、セラミックス、或いはステアタ
イト等の材料で構成する。
【0056】(7) :リードスイッチ20の説明 リードスイッチ20は、熱電対5と電磁弁10のコイル
18を接続する回路の途中に挿入され、前記回路をオン
/オフするスイッチとして使用されるものである。この
場合、熱電対5の起電力は小さいので、出来るだけ接触
抵抗の小さいリードスイッチ20を使用する。
【0057】前記リードスイッチ20は、前記第1マグ
ネット34の磁界により常時オン状態となっており、第
2マグネット29が接近すると、前記第2マグネット2
9の磁界により第1マグネット34の磁界が打ち消さ
れ、リードスイッチ20がオフになる(図4のD図参
照)。すなわち、リードスイッチホルダ35に収納され
たリードスイッチ20と第1マグネット34により常時
オン状態の接点を持つリードスイッチ20として使用さ
れる。
【0058】(8) :コイルスプリング37の説明 コイルスプリング37は、その下側を筒状シャフト38
に設けたフランジ部39上に載せ、上側にホルダ30を
載せるものである。すなわち、コイルスプリング37
は、ホルダ30と筒状シャフト38の間に挿入され、本
体ケース26を常時上方(鍋1の方向)へ押し上げるこ
とにより、鍋1の形状に合わせて天ぷら油火災防止セン
サ17の先端部(キャップ25の上側)を鍋1の底に接
触させるためのものである(図4のA図参照)。この場
合、リードスイッチホルダ35はコイルスプリング37
の中に挿入される。
【0059】(9) :筒状シャフト38の説明 筒状シャフト38は、本体ケース26に取り付けると共
に、天ぷら油火災防止センサ17をガス器具に取り付け
るためのものであり、中空円筒状に形成されている。こ
の場合、筒状シャフト38は、フランジ部(鍔部)39
を備えており、このフランジ部39を利用して本体ケー
ス26に取り付けると共に、前記本体ケース26から外
部へ突出した部分をガス器具に取り付けるように構成さ
れている。また、筒状シャフト38の内部(中空部内)
を通してリードスイッチ20からのリード線が引き出せ
るようになっている。
【0060】(10):リード線保護チューブ36の説明 リード線保護チューブ36はリードスイッチ20の引き
出し線と、熱電対5、及びコイル18に接続されている
リード線の先端部に固定されたコネクタリードとの接続
部をカバーする保護用のチューブである。なお、このリ
ード線保護チューブ36はリードスイッチホルダ35の
突出部40に被せられる。
【0061】(11):リードスイッチの配置の説明・・・
図5のF〜J参照 前記の例では図5のF図、G図に示したようにリードス
イッチ20を横置きとしている。この場合、リードスイ
ッチ20を横置きとし、前記リードスイッチ20の一方
の横側に第1マグネット34を配置している。このよう
な配置では、第2マグネット29が上方にある時はリー
ドスイッチ20はオンであり、第2マグネット29を下
方へ移動して第1マグネット34の横側まで近づけると
リードスイッチ20はオフになる。このようなリードス
イッチ20の配置では第2マグネット29の移動量は少
なくて済む。
【0062】これに対して、H図に示したように、リー
ドスイッチ20を縦置きにした変形例でも実施可能であ
る。この例では、リードスイッチ20の長手方向を第2
マグネット27の移動方向(上下方向)と平行に配置す
る。そして、リードスイッチ20の一方の横側に第1マ
グネット34を配置し、他方の横側に第2マグネット2
9を移動させる。
【0063】前記リードスイッチ20の各配置の例では
リードスイッチ20はI図、J図に示したように動作す
る。通常、第2マグネット29がリードスイッチ20、
或いは第1マグネット34から遠ざかっている時はI図
に示したように、リードスイッチ20は第1マグネット
34の磁界によりオンになっている。この状態でJ図の
ように第2マグネット29が近づくと、第2マグネット
29の磁界により第1マグネット34の磁界が乱され、
リードスイッチ20はオフになる。
【0064】(12):ホルダ30、及びリードスイッチホ
ルダ35の説明・・・図5のK図、L図(断面図)参照 前記ホルダ30の貫通孔31にはリードスイッチホルダ
35を取り付けるが、その構造は図示のようになってい
る。すなわち、ホルダ30の貫通孔31は略角形に形成
されており、その両側にリードスイッチホルダ35を載
せるためのL型片43が2個ずつ下方向へ延びるように
形成されている。また、貫通孔31の周囲の1か所には
第2マグネット29が出入りするための切欠部44が設
けてある。
【0065】一方、リードスイッチホルダ35には、外
側の4か所に前記L型片43に係止するための鍔45が
設けてある。また、リードスイッチホルダ35の内部に
は、リードスイッチ20を収納するための凹部と第1マ
グネット34を収納するための凹部が設けてあり、これ
らの各凹部にそれぞれリードスイッチ20と第1マグネ
ット34を収納する。
【0066】そして、ホルダ30にリードスイッチホル
ダ35を取り付ける場合は、リードスイッチ20と第1
マグネット34を収納したリードスイッチホルダ35を
ホルダ30の上方から貫通孔31内に挿入する。このよ
うにすると、リードスイッチホルダ35の鍔45が貫通
孔31のL型片43に係止され、ホルダ30にリードス
イッチホルダ35が取り付けられる。
【0067】§3:天ぷら油火災防止センサの組み立て
方法の説明 以下、前記構成の天ぷら油火災防止センサ17の組み立
て方法の1例について説明する。
【0068】天ぷら油火災防止センサ17を組み立てる
場合、予め各部品を製作しておき、その部品を用いて天
ぷら油火災防止センサ17を組み立てる。この場合、リ
ードスイッチホルダ35の凹部にリードスイッチ20と
第1マグネット34を収納し、このリードスイッチホル
ダ35をホルダ30の貫通孔31に取り付ける。また、
ホルダ30の係止片32には、板バネ27をホルダ30
側として板バネ27とバイメタル15を係止する。
【0069】更に、リードスイッチ20の引き出し線
と、熱電対5及びコイル18に接続されるリード線の先
端部を接続し、その接続部にリード線保護チューブ36
を被せて、前記リード線を筒状シャフト38の中空部か
ら外部へ引き出しておく。
【0070】この状態で、本体ケース26を構成する大
径部26Aの一端側の開口部から筒状シャフト38を挿
入し、筒状シャフト38のフランジ部39を本体ケース
26の段部33に係止する(自然落下させて本体ケース
26の段部33に筒状シャフト38のフランジ部39を
引っかける)。次に、本体ケース26の大径部26Aの
開口部からコイルスプリング37を挿入し、筒状シャフ
ト38のフランジ部39の上に載せる。
【0071】その後、本体ケース26の開口部からリー
ドスイッチホルダ35と板バネ27とバイメタル15を
取り付けたホルダ30を挿入する。そして最後に、本体
ケース26の上側(バイメタル15側)の開口部上にキ
ャップ25を被せ、固着して天ぷら油火災防止センサ1
7が完成する。このようにすれば、本体ケース26内に
筒状シャフト38を挿入し、その上に各部品を載せるだ
けで正しい位置決めができ、天ぷら油火災防止センサ1
7を簡単に組み立てることができる。
【0072】§4:天ぷら油火災防止センサの動作説明 前記天ぷら油火災防止センサ17はガス器具に取り付け
られた状態で次のように動作する。
【0073】通常の調理時には鍋1に油2を入れて調理
しており、この状態ではバイメタル15は上に凸の状態
になっている。このため、第2マグネット29はリード
スイッチ20から離れた位置にあり、リードスイッチ2
0は第1マグネット34の磁界によりオンになってい
る。
【0074】その後、油2の温度が上昇し、鍋1の底が
予め決められた一定温度(油の自然発火温度と調理温度
の間で設定した温度)に達すると、バイメタル15が瞬
間的に反転し、下に凸の状態となる(スナップアクショ
ン動作)。このバイメタル15が反転する際の瞬発力に
より、板バネ27が下方に押され、前記板バネ27に固
着された支柱28が下方(リードスイッチ20の方向)
へ移動する。
【0075】この場合、バイメタル15は通常の調理時
には上に凸の状態であり、その中心部はキャップ25の
内側に接している。しかし、バイメタル15が反転する
と、下に凸の状態となり、その中心部で板バネ27の中
心部を下方へ瞬間的に押す。この時、板バネ27はその
周辺部がホルダ30の係止片32に係止されているの
で、板バネ27の中心部はバイメタル15の中心部によ
り下方へ押されると、その力により下方へ移動する。
【0076】この場合、板バネ27の中心部は板バネ2
7の形状やバネ特性により決まる所定の変移量だけ変移
する。この変移量をバイメタル15の変移量より大きく
しておけば、バイメタル15の変移量を板バネ27によ
り大きな変移量に変換し、支柱28の移動量(ストロー
ク)を大きくすることが可能である。
【0077】前記のようにして板バネ27の中心部が下
方へ移動すると、支柱28が下方へ移動し、その下側に
固定された第2マグネット29が第1マグネット34に
近づく。このため、第2マグネット29の磁界により第
1マグネット34の磁界を乱しリードスイッチ20をオ
フにする。
【0078】このようにしてリードスイッチ20がオフ
になると、電磁弁10のコイル18が非励磁状態とな
り、電磁弁10によりガスバーナ3に供給されているガ
スを遮断する。このため、ガスバーナ3の炎4は消え、
鍋1の油2の温度は下がり天ぷら油火災を防止する。
【0079】その後、鍋1の油2の温度が所定値まで下
がると、バイメタル15は元の状態(上に凸の状態)に
復帰する。このため、板バネ27は自己復帰力により元
の位置へ復帰する。
【0080】§5:変形例の説明・・・図6参照 図6は変形例の説明図である。以下、図6に基づいて天
ぷら油火災防止センサの変形例について説明する。
【0081】(1) :リードスイッチホルダの変形例の説
明・・・図6のA図参照 この変形例では図6のA図に示したように、リードスイ
ッチホルダ35内に第1マグネット34を収納する凹部
とリードスイッチ20を収納する凹部とを上下方向(ガ
ス器具に取り付けた状態で上下方向)に形成し、下側の
凹部に第1マグネット34を収納し、その上にリードス
イッチ20を収納する。
【0082】このように、リードスイッチ20の下側に
第1マグネット34を収納することも可能である。この
場合、第2マグネット29はリードスイッチ20に対し
第1マグネット34と反対側に配置し、図示矢印方向に
移動させる。前記のように変形した場合、ホルダ30に
は第2マグネット29を出し入れするための切欠部44
を設ける必要がなく、第2マグネット29の移動もスム
ーズに行える。
【0083】(2) :板バネの変形例の説明・・・図6の
B図〜E図参照 前記板バネ27の形状はバネ特性を変えたり、変移量
(ストローク)をオン/オフするため、図6のB図、C
図、D図のように各種の形状に変形することが可能であ
る。B図に示したものは前記図3に示した十字型の板バ
ネであり、この例では基本的な形状である。このB図の
板バネ27は中心部47から外側へ向けて4本のバネ片
48が同じ幅で延びている。
【0084】これに対して変移量(ストローク)を少な
くするには、C図のように変形すれば良い。C図の板バ
ネ27は中心部47から外側へ4本のバネ片48が延び
ているが、このバネ片48は中心部47に近い方の幅が
広く、外側方向に向かって徐々に幅が狭くなっている。
このようにバネ片48の幅を徐々に変化させることによ
り変移量が少なくなるように調整することができる。
【0085】更に、B図に示した板バネ27より変移量
を多くするにはD図のように変形すれば良い。D図の板
バネ27は中心部47から外側へ4本のバネ片48が延
びているが、このバネ片48は中心部47から外側に向
かって同じ幅で延びている。この場合、バネ片48の幅
は、B図に示した板バネ27のバネ片48の幅より狭く
なっている。このようにバネ片48の幅を狭くすれば変
移量が多くなるように調整することができる。
【0086】前記のように板バネ27は、E図に示した
ように、上に凸の状態(バイメタル15側に凸状)に湾
曲しているか、或いは平らかのいずれかで実現可能であ
る。この場合、前記いずれの変形例でも、板バネ27の
下側には、支柱28を溶接等により固着し、その端部は
L型に形成して第2マグネット29を固着する。なお、
前記各板バネ27の材料は、バネ用ステンレス、又はバ
ネ用リン青銅等を使用し、厚みは、例えば、0.1tが
適当である。
【0087】(他の実施の形態)以上実施の形態につい
て説明したが、本発明は次のようにしても実施可能であ
る。
【0088】(1) :天ぷら油火災は、天ぷら油を使用し
た各種料理(天ぷら料理、フライ料理等)の途中で油が
自然発火温度以上に上昇することで発生するものであ
る。従って、前記天ぷら油火災防止センサ17は、前記
料理を行っている途中の火災を防止するものであるか
ら、油の温度が、油の自然発火温度と料理温度の間の或
る温度まで上昇した場合にバイメタルを反転させるよう
に、バイメタルの反転温度を決めておけば良い。
【0089】(2) :天ぷら油火災防止センサ17は家庭
用のガステーブルに限らず、他の任意のガス器具に適用
可能である。 (3) :リードスイッチ20は、それ自体で常時オン状態
の接点を構成するもの、例えば、ガラス管に挿入された
リード片にバイアス用のマグネットを備え、常時オン状
態に保持するもの、或いはリードスイッチを構成するガ
ラス管の外側に直接バイアス用のマグネットを固定し、
常時オン状態に保持するもの等を使用しても実現可能で
ある。この場合、前記第1マグネットは不要である。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような効果がある。 (1) :本願発明の天ぷら油火災防止センサを使用すれ
ば、従来のような高価な制御回路も、高精度を要する機
構部材等も不必要となり、簡単な機構で確実な天ぷら油
火災防止機能を備えたセンサを安価に製作できる。ま
た、リードスイッチと板バネの使用により天ぷら油火災
防止センサの小型化、長寿命化、信頼性向上を実現する
ことが可能になる。
【0091】(2) :バイメタルのみの変移量はその径に
より変化し、例えば、20mm径の円盤状バイメタルの
変移量は0.5から1.0mm程度である。一般にバイ
メタルの変移量は小さいため、バイメタルの変移量のみ
でスイッチを駆動する従来例のものでは他の構成部材の
加工精度や取り付け精度が重要であり、天ぷら油火災防
止センサのコストアップの原因となる。
【0092】これに対して本願発明は、バイメタルの反
転力を利用し、その力を板バネで受けるため、変移量を
最低2mm以上まで大きくすることが可能である。この
ため、他の構成部材の取り付け精度をあまり要求され
ず、組み立て作業が容易となりその結果天ぷら油火災防
止センサのコストダウンが可能になる。
【0093】(3) :板バネの変移によりリードスイッチ
駆動用マグネットが移動し、リードスイッチが瞬間でも
オフ状態になれば、ガス開閉弁(電磁弁)がオフ状態と
なりガスの供給を停止する。この場合、仮にリードスイ
ッチ駆動用のマグネットの位置が変動して、リードスイ
ッチがオン状態とオフ状態を数回繰り返したとしても、
リードスイッチが一度でもオフになれば、ガスの供給を
確実に停止させ、天ぷら油火災を防止することができ
る。従って、動作が確実で高信頼性の天ぷら油火災防止
センサが実現可能である。
【0094】(4) :板バネを用いることによりバイメタ
ルの変移量を大きくしてリードスイッチ駆動用のマグネ
ットを移動させることができる。このため、リードスイ
ッチ駆動用のマグネットの変移量が大きくなり、リード
スイッチとの位置関係が十分にとれる。その結果リード
スイッチのオン、オフ動作が確実に行えるから、天ぷら
油火災を確実に防止でき信頼性が向上する。
【0095】(5) :本体ケース内に筒状シャフトを挿入
し、その上に各部品を載せるだけで正しい位置決めがで
き、天ぷら油火災防止センサを簡単に組み立てることが
できる。従って、製作コストが安くなり安価に天ぷら油
火災防止センサが製作可能である。
【0096】(6) :本願発明の天ぷら油火災防止センサ
をガス器具に用いれば、熱電対の起電力をガス開閉弁に
供給するだけの簡単な回路により天ぷら油火災を確実に
防止することができる。従って、電池等の電源や複雑な
制御回路も不要となり、ガス器具のコストダウンが可能
である。
【0097】また、天ぷら油火災防止センサにはガラス
管で封止されたリードスイッチを使用しているので、接
点の汚れも発生せず、長寿命の天ぷら油火災防止センサ
が得られ、信頼性の高い天ぷら油火災防止センサが実現
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】実施の形態におけるガス器具の説明図である。
【図3】実施の形態における天ぷら油火災防止センサの
分解斜視図である。
【図4】図3の各部の説明図1である。
【図5】図3の各部の説明図2である。
【図6】実施の形態における変形例の説明図である。
【図7】従来例1の説明図である。
【図8】従来例2の説明図である。
【符号の説明】
1 鍋 2 油 3 ガスバーナ 4 炎 15 バイメタル 17 天ぷら油火災防止センサ 18 コイル 20 リードスイッチ 25 キャツプ 26 本体ケース 27 板バネ 28 支柱 29 第2マグネット 30 ホルダ 31 貫通孔 32 係止片 33 段部 34 第1マグネット 35 リードスイッチホルダ 36 リード線保護チューブ 37 コイルスプリング 38 筒状シャフト 39 フランジ部 40 突出部 43 L型片 44 切欠部 45 鍔 47 中心部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスバーナによるガスの燃焼で加熱されて
    起電力を発生する熱電対と、前記熱電対の起電力により
    駆動され前記ガスバーナへのガス供給路を開閉するガス
    開閉弁を備えたガス器具に取り付けられ、調理用具の底
    の温度が予め決められた一定温度に達した際、前記ガス
    開閉弁の駆動電流を遮断してガス供給を停止させる天ぷ
    ら油火災防止センサにおいて、 本体ケースと、前記本体ケースに被せ調理用具の底に接
    して感熱するキャップを備え、前記本体ケースには、前
    記キャップを調理用具の底に接触させるためのコイルス
    プリングと、前記ガス開閉弁の駆動回路に挿入されるリ
    ードスイッチと、前記リードスイッチを収納するリード
    スイッチホルダと、前記キャップの内側に配置されたバ
    イメタルと、前記バイメタルの反転力で駆動される板バ
    ネと、前記板バネに固着保持され前記リードスイッチを
    駆動するリードスイッチ駆動用のマグネットと、前記バ
    イメタル、板バネ、及びリードスイッチを収納したリー
    ドスイッチホルダを保持させるホルダを備えていること
    を特徴とした天ぷら油火災防止センサ。
  2. 【請求項2】前記本体ケースには筒状シャフトを備え、
    前記筒状シャフトは、前記コイルスプリングを載せる機
    能と筒状シャフトを本体ケース内に係止する機能を兼ね
    備えたフランジ部を一端部に備え、前記フランジ部と反
    対側を本体ケースから外部へ突出させ、ガス器具への取
    り付け部分としたことを特徴とする請求項1記載の天ぷ
    ら油火災防止センサ。
JP11070796A 1996-05-01 1996-05-01 天ぷら油火災防止センサ Withdrawn JPH09296933A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200472015Y1 (ko) * 2012-09-27 2014-03-31 주식회사 센트랄 열전대를 이용한 온도측정장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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