JPH09296284A - 鋼帯の防錆方法 - Google Patents
鋼帯の防錆方法Info
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- JPH09296284A JPH09296284A JP10907496A JP10907496A JPH09296284A JP H09296284 A JPH09296284 A JP H09296284A JP 10907496 A JP10907496 A JP 10907496A JP 10907496 A JP10907496 A JP 10907496A JP H09296284 A JPH09296284 A JP H09296284A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡易な設備によって、冷間圧延ラインにおけ
る鋼帯の搬送速度の低下時および鋼帯搬送停止時に生じ
る鋼帯の発錆の防止が可能な鋼帯の防錆方法の提供。 【解決手段】 冷間圧延後の鋼帯の洗浄設備における鋼
帯の防錆方法であって、密閉式かつリンス液スプレー式
のリンス槽内において、鋼帯の搬送速度が50m.p.m.以下
の減速条件下および／または鋼帯搬送停止時において、
好ましくは予め鋼帯の表面にアルカリ水溶液を塗布した
後、有機カルボン酸化合物および有機アミン化合物含有
水溶液を、鋼帯の表面に散布、塗布する鋼帯の防錆方
法。
る鋼帯の搬送速度の低下時および鋼帯搬送停止時に生じ
る鋼帯の発錆の防止が可能な鋼帯の防錆方法の提供。 【解決手段】 冷間圧延後の鋼帯の洗浄設備における鋼
帯の防錆方法であって、密閉式かつリンス液スプレー式
のリンス槽内において、鋼帯の搬送速度が50m.p.m.以下
の減速条件下および／または鋼帯搬送停止時において、
好ましくは予め鋼帯の表面にアルカリ水溶液を塗布した
後、有機カルボン酸化合物および有機アミン化合物含有
水溶液を、鋼帯の表面に散布、塗布する鋼帯の防錆方
法。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間圧延後の鋼帯
の洗浄設備における鋼帯の防錆方法に関し、特に冷間圧
延ラインにおける先行鋼帯と後続鋼帯との溶接時などに
おいて生じる鋼帯の搬送速度の低下時および鋼帯の搬送
停止時に生じる鋼帯の発錆の防止方法に関する。
の洗浄設備における鋼帯の防錆方法に関し、特に冷間圧
延ラインにおける先行鋼帯と後続鋼帯との溶接時などに
おいて生じる鋼帯の搬送速度の低下時および鋼帯の搬送
停止時に生じる鋼帯の発錆の防止方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】冷間圧延後の鋼帯の表面には圧延油や圧
延磨耗粉などが付着しているため、そのままの状態で焼
鈍処理を行うと品質不良を生じる。このため、連続焼鈍
ラインの入側に設置されている電解洗浄槽などの洗浄設
備で洗浄を行うことにより、前記圧延油などを除去して
いる。
延磨耗粉などが付着しているため、そのままの状態で焼
鈍処理を行うと品質不良を生じる。このため、連続焼鈍
ラインの入側に設置されている電解洗浄槽などの洗浄設
備で洗浄を行うことにより、前記圧延油などを除去して
いる。
【０００３】この場合、先行鋼帯と後続鋼帯との溶接時
などにおいてラインの停止が生じると、洗浄設備のリン
スセクションの鋼帯通板部が高温多湿の雰囲気下にあれ
ば、該当箇所における鋼帯は数分間の短時間でも錆状の
汚れを生じ、その部分の鋼帯はスクラップとなり、鋼帯
の歩留低下が生じる。このため、ラインの停止を防ぐた
めに、洗浄設備の入側にルーパを設置して、溶接時など
においてラインを停止しない方式が採用される。
などにおいてラインの停止が生じると、洗浄設備のリン
スセクションの鋼帯通板部が高温多湿の雰囲気下にあれ
ば、該当箇所における鋼帯は数分間の短時間でも錆状の
汚れを生じ、その部分の鋼帯はスクラップとなり、鋼帯
の歩留低下が生じる。このため、ラインの停止を防ぐた
めに、洗浄設備の入側にルーパを設置して、溶接時など
においてラインを停止しない方式が採用される。
【０００４】また、ルーパの設置場所がない場合は、リ
ンスセクション前に防錆剤塗布用スプレーを付設して、
鋼帯の搬送速度が低速となった時点で防錆剤をスプレー
する方式が採用される。しかし、ルーパを設置する方式
は、設備が複雑になり、設備費の面から経済的でなく、
また前記したとおり設置場所のスペースが必要となる問
題があった。
ンスセクション前に防錆剤塗布用スプレーを付設して、
鋼帯の搬送速度が低速となった時点で防錆剤をスプレー
する方式が採用される。しかし、ルーパを設置する方式
は、設備が複雑になり、設備費の面から経済的でなく、
また前記したとおり設置場所のスペースが必要となる問
題があった。
【０００５】また、リンスセクション前で防錆剤をスプ
レーする場合、リンスセクションにおいて最終的に停止
する長さ分の鋼帯に防錆剤を十分塗布する必要があり、
ライン停止前に所定の時間、低速で操業しなければなら
ず、その分生産性が低下し、さらにリンスセクションの
鋼帯通板部が高温多湿の雰囲気下にある場合、十分な防
錆効果が得られないという問題があった。
レーする場合、リンスセクションにおいて最終的に停止
する長さ分の鋼帯に防錆剤を十分塗布する必要があり、
ライン停止前に所定の時間、低速で操業しなければなら
ず、その分生産性が低下し、さらにリンスセクションの
鋼帯通板部が高温多湿の雰囲気下にある場合、十分な防
錆効果が得られないという問題があった。
【０００６】以上述べた問題点の解決方法として、冷延
鋼帯の電解清浄ラインに於いて、ライン停止時に温水槽
内の浸漬ロールを上昇させて鋼帯を液面より引き上げ、
次いで鋼帯に防錆剤を塗布し、さらに温水槽内の水蒸気
を吸引排出させる鋼帯の変色防止方法が開示されている
（特公平２−41600 号公報）。しかしこの方法は、浸漬
ロールの引き上げ装置、水蒸気の吸引排出装置が必要と
なり設備的に複雑となる問題があった。
鋼帯の電解清浄ラインに於いて、ライン停止時に温水槽
内の浸漬ロールを上昇させて鋼帯を液面より引き上げ、
次いで鋼帯に防錆剤を塗布し、さらに温水槽内の水蒸気
を吸引排出させる鋼帯の変色防止方法が開示されている
（特公平２−41600 号公報）。しかしこの方法は、浸漬
ロールの引き上げ装置、水蒸気の吸引排出装置が必要と
なり設備的に複雑となる問題があった。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決し、簡易な設備によって、冷間圧延ラインにおけ
る鋼帯の搬送速度の低下時および鋼帯搬送停止時に生じ
る鋼帯の発錆の防止が可能な鋼帯の防錆方法を提供する
ことを目的とする。
を解決し、簡易な設備によって、冷間圧延ラインにおけ
る鋼帯の搬送速度の低下時および鋼帯搬送停止時に生じ
る鋼帯の発錆の防止が可能な鋼帯の防錆方法を提供する
ことを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、冷間圧延後の
鋼帯の洗浄設備における鋼帯の防錆方法であって、密閉
式かつリンス液スプレー式のリンス槽内において、前記
鋼帯の搬送速度が50m.p.m.以下の減速条件下および／ま
たは鋼帯搬送停止時において、有機カルボン酸化合物お
よび有機アミン化合物含有水溶液を、前記鋼帯の表面に
散布、塗布することを特徴とする鋼帯の防錆方法であ
る。
鋼帯の洗浄設備における鋼帯の防錆方法であって、密閉
式かつリンス液スプレー式のリンス槽内において、前記
鋼帯の搬送速度が50m.p.m.以下の減速条件下および／ま
たは鋼帯搬送停止時において、有機カルボン酸化合物お
よび有機アミン化合物含有水溶液を、前記鋼帯の表面に
散布、塗布することを特徴とする鋼帯の防錆方法であ
る。
【０００９】前記本発明における前記有機カルボン酸化
合物および有機アミン化合物含有水溶液の鋼帯の表面へ
の散布、塗布法としては、有機カルボン酸化合物および
有機アミン化合物の両者を含有する水溶液（以下混合水
溶液と記す）を鋼帯の表面へ散布、塗布するか、また
は、有機カルボン酸化合物含有水溶液および有機アミン
化合物含有水溶液の両者を鋼帯の表面へ散布、塗布する
方法を用いることができ、本発明においては、前者の混
合水溶液を用いることが、より好ましい。
合物および有機アミン化合物含有水溶液の鋼帯の表面へ
の散布、塗布法としては、有機カルボン酸化合物および
有機アミン化合物の両者を含有する水溶液（以下混合水
溶液と記す）を鋼帯の表面へ散布、塗布するか、また
は、有機カルボン酸化合物含有水溶液および有機アミン
化合物含有水溶液の両者を鋼帯の表面へ散布、塗布する
方法を用いることができ、本発明においては、前者の混
合水溶液を用いることが、より好ましい。
【００１０】また、前記本発明においては、前記混合水
溶液を散布、塗布する前に、または有機カルボン酸化合
物含有水溶液および有機アミン化合物含有水溶液の両者
を散布、塗布する前に、予め、前記鋼帯の表面にアルカ
リ水溶液を塗布することが好ましい。また、前記本発明
は、前記減速条件下および／または鋼帯搬送停止時の前
記リンス槽内の鋼帯板面周囲の雰囲気の温度が60〜80
℃、該温度における前記雰囲気の相対湿度が100 ％であ
るリンス槽における冷間圧延後の鋼帯の防錆方法として
好ましく適用される。
溶液を散布、塗布する前に、または有機カルボン酸化合
物含有水溶液および有機アミン化合物含有水溶液の両者
を散布、塗布する前に、予め、前記鋼帯の表面にアルカ
リ水溶液を塗布することが好ましい。また、前記本発明
は、前記減速条件下および／または鋼帯搬送停止時の前
記リンス槽内の鋼帯板面周囲の雰囲気の温度が60〜80
℃、該温度における前記雰囲気の相対湿度が100 ％であ
るリンス槽における冷間圧延後の鋼帯の防錆方法として
好ましく適用される。
【００１１】また、前記本発明は、前記リンス槽が鋼帯
非浸漬式である冷間圧延後の鋼帯の洗浄設備に好ましく
適用される。さらに、前記本発明は、通常操業時の前記
鋼帯の搬送速度が50m.p.m.超えである冷間圧延後の鋼帯
の洗浄設備に好ましく適用される。
非浸漬式である冷間圧延後の鋼帯の洗浄設備に好ましく
適用される。さらに、前記本発明は、通常操業時の前記
鋼帯の搬送速度が50m.p.m.超えである冷間圧延後の鋼帯
の洗浄設備に好ましく適用される。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。図１に本発明に係わる冷延鋼帯の洗浄設備の一例
を側面図により示す。図１において、１は冷延鋼帯、２
は溶接機、３はプレウオッシュタンク、４はウオッシュ
タンク、５はスプレー液昇圧装置、６はウオッシュスプ
レーノズル、７はNo.1リンス槽、８はリンス液タンク、
９はスプレー用リンス液昇圧装置、10はリンス液送液配
管、11a 、11b はリンス液スプレーノズル、12は防錆剤
含有水溶液（以下防錆剤と記す）タンク、13は防錆剤昇
圧装置、14は防錆剤送液配管、15a 、15b は防錆剤スプ
レーノズル、16はNo.2リンス槽、17はリンガーセクショ
ン、18はドライヤ、19はリンガーロール、20は鋼帯の進
行方向を示す。
する。図１に本発明に係わる冷延鋼帯の洗浄設備の一例
を側面図により示す。図１において、１は冷延鋼帯、２
は溶接機、３はプレウオッシュタンク、４はウオッシュ
タンク、５はスプレー液昇圧装置、６はウオッシュスプ
レーノズル、７はNo.1リンス槽、８はリンス液タンク、
９はスプレー用リンス液昇圧装置、10はリンス液送液配
管、11a 、11b はリンス液スプレーノズル、12は防錆剤
含有水溶液（以下防錆剤と記す）タンク、13は防錆剤昇
圧装置、14は防錆剤送液配管、15a 、15b は防錆剤スプ
レーノズル、16はNo.2リンス槽、17はリンガーセクショ
ン、18はドライヤ、19はリンガーロール、20は鋼帯の進
行方向を示す。
【００１３】なお、図１は、防錆剤として、有機カルボ
ン酸化合物および有機アミン化合物の両者を含有する水
溶液（混合水溶液）を用いる場合の設備を示し、防錆剤
タンク12内に該混合水溶液が貯液される。冷延鋼帯１
は、鋼帯接続のための溶接機２を経て、プレウオッシュ
タンク３、ウオッシュタンク４において、アルカリ水溶
液により洗浄された後、No.1リンス槽７、No.2リンス槽
16において、リンス液スプレーノズル11a 、11b により
リンス液が散布され、洗浄される。
ン酸化合物および有機アミン化合物の両者を含有する水
溶液（混合水溶液）を用いる場合の設備を示し、防錆剤
タンク12内に該混合水溶液が貯液される。冷延鋼帯１
は、鋼帯接続のための溶接機２を経て、プレウオッシュ
タンク３、ウオッシュタンク４において、アルカリ水溶
液により洗浄された後、No.1リンス槽７、No.2リンス槽
16において、リンス液スプレーノズル11a 、11b により
リンス液が散布され、洗浄される。
【００１４】洗浄後の冷延鋼帯は、リンガーセクション
17においてリンガーロール19により鋼帯表面に付着した
液が絞り取られ、ドライヤ18により乾燥され、後工程で
ある焼鈍工程へ搬送される。なお、本発明における図１
のリンス槽（No.1リンス槽７、No.2リンス槽16）は、常
に清浄なリンス液の供給を目的として、従来の鋼帯のリ
ンス液への浸漬方式とは異なり（鋼帯非浸漬式）、密閉
された空槽内でのリンス液スプレー方式を採用してい
る。
17においてリンガーロール19により鋼帯表面に付着した
液が絞り取られ、ドライヤ18により乾燥され、後工程で
ある焼鈍工程へ搬送される。なお、本発明における図１
のリンス槽（No.1リンス槽７、No.2リンス槽16）は、常
に清浄なリンス液の供給を目的として、従来の鋼帯のリ
ンス液への浸漬方式とは異なり（鋼帯非浸漬式）、密閉
された空槽内でのリンス液スプレー方式を採用してい
る。
【００１５】この場合、先行鋼帯と後続鋼帯との溶接時
などにおいて、鋼帯の搬送速度の減速、鋼帯搬送停止が
生じると、リンスセクション（No.1リンス槽７、No.2リ
ンス槽16）のリンス槽内の鋼帯は、高温多湿の雰囲気下
に曝され、数分間の短時間でも錆状の汚れを生じ、その
部分の鋼帯はスクラップとなり、鋼帯の歩留低下が生じ
る。
などにおいて、鋼帯の搬送速度の減速、鋼帯搬送停止が
生じると、リンスセクション（No.1リンス槽７、No.2リ
ンス槽16）のリンス槽内の鋼帯は、高温多湿の雰囲気下
に曝され、数分間の短時間でも錆状の汚れを生じ、その
部分の鋼帯はスクラップとなり、鋼帯の歩留低下が生じ
る。
【００１６】本発明においては、密閉された空槽（リン
ス槽）内の高温多湿の雰囲気下に曝された時点における
鋼帯の防錆を達成するため、密閉式かつリンス液スプレ
ー式のリンス槽７、16内において、前記鋼帯の搬送速度
が50m.p.m.以下の減速条件下および／または鋼帯搬送停
止時において、前記鋼帯表面に、有機カルボン酸化合物
および有機アミン化合物の両者を含有する水溶液（混合
水溶液）、または有機カルボン酸化合物含有水溶液およ
び有機アミン化合物含有水溶液の両者を散布、塗布す
る。
ス槽）内の高温多湿の雰囲気下に曝された時点における
鋼帯の防錆を達成するため、密閉式かつリンス液スプレ
ー式のリンス槽７、16内において、前記鋼帯の搬送速度
が50m.p.m.以下の減速条件下および／または鋼帯搬送停
止時において、前記鋼帯表面に、有機カルボン酸化合物
および有機アミン化合物の両者を含有する水溶液（混合
水溶液）、または有機カルボン酸化合物含有水溶液およ
び有機アミン化合物含有水溶液の両者を散布、塗布す
る。
【００１７】なお、本発明においては、防錆処理時間の
短縮の面から、前記混合水溶液を散布、塗布することが
より好ましい。本発明において用いられる有機カルボン
酸化合物としては、有機カルボン酸、有機カルボン酸の
金属塩、有機カルボン酸のエステル化物を用いることが
でき、好ましくは、疏水性であるアルキル基を有する脂
肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、これらカルボン酸
の金属塩、これらカルボン酸のエステル化物を用いるこ
とができる。
短縮の面から、前記混合水溶液を散布、塗布することが
より好ましい。本発明において用いられる有機カルボン
酸化合物としては、有機カルボン酸、有機カルボン酸の
金属塩、有機カルボン酸のエステル化物を用いることが
でき、好ましくは、疏水性であるアルキル基を有する脂
肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、これらカルボン酸
の金属塩、これらカルボン酸のエステル化物を用いるこ
とができる。
【００１８】脂肪族カルボン酸としては、ステアリン
酸、ダイマ酸が例示され、芳香族カルボン酸としては、
トルイル酸が例示される。前記有機カルボン酸の金属塩
としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金
属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土
類金属塩などが挙げられる。
酸、ダイマ酸が例示され、芳香族カルボン酸としては、
トルイル酸が例示される。前記有機カルボン酸の金属塩
としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金
属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土
類金属塩などが挙げられる。
【００１９】また、前記有機カルボン酸のエステル化物
としては、脂肪族アルコールによるエステル化物などが
挙げられる。本発明において用いられる有機アミン化合
物としては、好ましくは疏水性であるアルキル基を有す
る脂肪族アミン、より好ましくは脂肪族第１級アミン、
脂肪族第２級アミンを用いることができる。
としては、脂肪族アルコールによるエステル化物などが
挙げられる。本発明において用いられる有機アミン化合
物としては、好ましくは疏水性であるアルキル基を有す
る脂肪族アミン、より好ましくは脂肪族第１級アミン、
脂肪族第２級アミンを用いることができる。
【００２０】脂肪族第１級アミン、脂肪族第２級アミン
としては、モノドデシルアミン、ジドデシルアミンが例
示される。なお、前記したように、本発明においては、
有機カルボン酸化合物および有機アミン化合物の両者を
含有する水溶液（混合水溶液）、または有機カルボン酸
化合物含有水溶液および有機アミン化合物含有水溶液の
両者を使用することが防錆効果を高める上から好まし
い。
としては、モノドデシルアミン、ジドデシルアミンが例
示される。なお、前記したように、本発明においては、
有機カルボン酸化合物および有機アミン化合物の両者を
含有する水溶液（混合水溶液）、または有機カルボン酸
化合物含有水溶液および有機アミン化合物含有水溶液の
両者を使用することが防錆効果を高める上から好まし
い。
【００２１】また、本発明においては、これらの水溶液
の散布、塗布の前に、予め鋼帯の表面に水酸化ナトリウ
ム水溶液、オルソ珪酸ソーダ水溶液などのアルカリ水溶
液を塗布することが好ましく、より好ましくはｐＨが８
〜10のアルカリ水溶液を塗布することが防錆効果を高め
る上から好ましい。鋼帯表面へのアルカリ水溶液の塗布
方法としては、アルカリ水溶液への浸漬法、アルカリ水
溶液の散布法が用いられる。
の散布、塗布の前に、予め鋼帯の表面に水酸化ナトリウ
ム水溶液、オルソ珪酸ソーダ水溶液などのアルカリ水溶
液を塗布することが好ましく、より好ましくはｐＨが８
〜10のアルカリ水溶液を塗布することが防錆効果を高め
る上から好ましい。鋼帯表面へのアルカリ水溶液の塗布
方法としては、アルカリ水溶液への浸漬法、アルカリ水
溶液の散布法が用いられる。
【００２２】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 （実施例）前記した図１に示す洗浄設備を用いて冷延鋼
帯の防錆実験を行った。冷延鋼帯搬送速度100m.p.m. で
通常操業の後、減速を開始し、ウオッシュスプレーノズ
ル６によりアルカリ水溶液（オルソ珪酸ソーダ含有水溶
液）を鋼帯表面に塗布した。
明する。 （実施例）前記した図１に示す洗浄設備を用いて冷延鋼
帯の防錆実験を行った。冷延鋼帯搬送速度100m.p.m. で
通常操業の後、減速を開始し、ウオッシュスプレーノズ
ル６によりアルカリ水溶液（オルソ珪酸ソーダ含有水溶
液）を鋼帯表面に塗布した。
【００２３】冷延鋼帯搬送速度が15m.p.m.に低下した時
点において、防錆剤スプレーノズル15a 、15b を使用
し、鋼帯表面への防錆剤の塗布を開始し、鋼帯搬送停止
後１分間防錆剤の塗布を継続した。防錆剤としては有機
アミン及び有機カルボン酸を含む化合物〔スギムラ化学
製、（商品名：プレトンＮＳ−１００）〕を2000wt.ppm
含有する水溶液を使用した。
点において、防錆剤スプレーノズル15a 、15b を使用
し、鋼帯表面への防錆剤の塗布を開始し、鋼帯搬送停止
後１分間防錆剤の塗布を継続した。防錆剤としては有機
アミン及び有機カルボン酸を含む化合物〔スギムラ化学
製、（商品名：プレトンＮＳ−１００）〕を2000wt.ppm
含有する水溶液を使用した。
【００２４】なお、冷延鋼帯搬送速度が15m.p.m.に低下
した時点および鋼帯搬送停止時のリンス槽７、16内の鋼
帯板面周囲の雰囲気の温度は65〜75℃、該温度における
雰囲気の相対湿度は100 ％であった。次いで、鋼帯搬送
停止後10分後の冷延鋼帯の発錆状況を調査した。発錆状
況の調査は、図１の〜に該当する箇所における鋼帯
の表面を目視で観察し発錆の有無を調査した。
した時点および鋼帯搬送停止時のリンス槽７、16内の鋼
帯板面周囲の雰囲気の温度は65〜75℃、該温度における
雰囲気の相対湿度は100 ％であった。次いで、鋼帯搬送
停止後10分後の冷延鋼帯の発錆状況を調査した。発錆状
況の調査は、図１の〜に該当する箇所における鋼帯
の表面を目視で観察し発錆の有無を調査した。
【００２５】なお、図１における調査箇所の〜は下
記箇所を示す。 ：プレウオッシュタンク３槽内 ：プレウオッシュタンク３〜ウオッシュタンク４間 ：ウオッシュタンク４槽内の出側デフレクタロール前
後 ：ウオッシュタンク４〜No.1リンス槽７間 ：No.1リンス槽７槽内 ：No.1リンス槽７〜No.2リンス槽16間 ：No.2リンス槽16槽内 ：No.2リンス槽16〜リンガーセクション17間 ：リンガーセクション17槽内 調査結果を表１に示す。
記箇所を示す。 ：プレウオッシュタンク３槽内 ：プレウオッシュタンク３〜ウオッシュタンク４間 ：ウオッシュタンク４槽内の出側デフレクタロール前
後 ：ウオッシュタンク４〜No.1リンス槽７間 ：No.1リンス槽７槽内 ：No.1リンス槽７〜No.2リンス槽16間 ：No.2リンス槽16槽内 ：No.2リンス槽16〜リンガーセクション17間 ：リンガーセクション17槽内 調査結果を表１に示す。
【００２６】表１に示されるように、本発明の方法によ
れば、鋼帯搬送停止後10分間経過した後も、前記した調
査箇所の全箇所において鋼帯表面における発錆が認めら
れなかった。 （比較例）アルカリ水溶液の塗布および防錆剤の塗布を
行わない以外は実施例と同様の方法、同様の条件で、鋼
帯搬送停止後10分後の冷延鋼帯の発錆状況を調査した。
れば、鋼帯搬送停止後10分間経過した後も、前記した調
査箇所の全箇所において鋼帯表面における発錆が認めら
れなかった。 （比較例）アルカリ水溶液の塗布および防錆剤の塗布を
行わない以外は実施例と同様の方法、同様の条件で、鋼
帯搬送停止後10分後の冷延鋼帯の発錆状況を調査した。
【００２７】調査結果を表１に実施例と併せて示す。表
１に示されるように、本発明を適用しない場合、リンス
セクション前、およびリンガーセクションにおいては発
錆は認められなかったが、高温、多湿のリンス槽７、16
内、、No.1リンス槽〜No.2リンス槽間、およびN
o.2リンス槽〜リンガーセクション間において発錆が
生じた。
１に示されるように、本発明を適用しない場合、リンス
セクション前、およびリンガーセクションにおいては発
錆は認められなかったが、高温、多湿のリンス槽７、16
内、、No.1リンス槽〜No.2リンス槽間、およびN
o.2リンス槽〜リンガーセクション間において発錆が
生じた。
【００２８】
【表１】
【００２９】
【発明の効果】本発明によれば、簡易な設備によって、
冷間圧延ラインにおける鋼帯の搬送速度の低下時および
鋼帯の搬送停止時に生じる鋼帯の発錆を効果的に防止す
ることが可能となった。
冷間圧延ラインにおける鋼帯の搬送速度の低下時および
鋼帯の搬送停止時に生じる鋼帯の発錆を効果的に防止す
ることが可能となった。
【図１】本発明に係わる冷延鋼帯の洗浄設備の一例を示
す側面図である。
す側面図である。
１ 冷延鋼帯 ２ 溶接機 ３ プレウオッシュタンク ４ ウオッシュタンク ６ ウオッシュスプレーノズル ７、16 リンス槽 11a 、11b リンス液スプレーノズル 15a 、15b 防錆剤スプレーノズル 17 リンガーセクション 18 ドライヤ 19 リンガーロール
Claims (3)
- 【請求項１】 冷間圧延後の鋼帯の洗浄設備における鋼
帯の防錆方法であって、密閉式かつリンス液スプレー式
のリンス槽内において、前記鋼帯の搬送速度が50m.p.m.
以下の減速条件下および／または鋼帯搬送停止時におい
て、有機カルボン酸化合物および有機アミン化合物含有
水溶液を、前記鋼帯の表面に散布、塗布することを特徴
とする鋼帯の防錆方法。 - 【請求項２】 前記水溶液の散布、塗布の前に予め前記
鋼帯の表面にアルカリ水溶液を塗布する請求項１記載の
鋼帯の防錆方法。 - 【請求項３】 前記減速条件下および／または鋼帯搬送
停止時の前記リンス槽内の鋼帯板面周囲の雰囲気の温度
が60〜80℃、該温度における前記雰囲気の相対湿度が10
0 ％である請求項１または２記載の鋼帯の防錆方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10907496A JPH09296284A (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 鋼帯の防錆方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10907496A JPH09296284A (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 鋼帯の防錆方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09296284A true JPH09296284A (ja) | 1997-11-18 |
Family
ID=14500955
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10907496A Pending JPH09296284A (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 鋼帯の防錆方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09296284A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2010082247A1 (ja) * | 2009-01-19 | 2010-07-22 | 東洋鋼鈑株式会社 | 防錆剤皮膜を設けた表面処理鋼板、及びその製造方法 |
-
1996
- 1996-04-30 JP JP10907496A patent/JPH09296284A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2010082247A1 (ja) * | 2009-01-19 | 2010-07-22 | 東洋鋼鈑株式会社 | 防錆剤皮膜を設けた表面処理鋼板、及びその製造方法 |
| JPWO2010082247A1 (ja) * | 2009-01-19 | 2012-06-28 | 東洋鋼鈑株式会社 | 防錆剤皮膜を設けた表面処理鋼板、及びその製造方法 |
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