JPH09296192A - 潤滑油組成物 - Google Patents
潤滑油組成物Info
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- JPH09296192A JPH09296192A JP13429496A JP13429496A JPH09296192A JP H09296192 A JPH09296192 A JP H09296192A JP 13429496 A JP13429496 A JP 13429496A JP 13429496 A JP13429496 A JP 13429496A JP H09296192 A JPH09296192 A JP H09296192A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 酸化安定性およびスラッジ生成防止性に優
れ、耐久性ある潤滑油組成物の提供。 【解決手段】 潤滑油基油に、2−tert−ブチル−
4−アルキルオキシメチル−6−アルキルフェノール
と、N−p−アルキルフェニル−α−ナフチルアミン
と、p,p’−ジアルキルジフェニルアミンを配合す
る。
れ、耐久性ある潤滑油組成物の提供。 【解決手段】 潤滑油基油に、2−tert−ブチル−
4−アルキルオキシメチル−6−アルキルフェノール
と、N−p−アルキルフェニル−α−ナフチルアミン
と、p,p’−ジアルキルジフェニルアミンを配合す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は潤滑油組成物に関
し、詳しくは高温下で非常に優れた酸化安定性とスラッ
ジ生成防止性を兼ね備えた潤滑油組成物に関する。
し、詳しくは高温下で非常に優れた酸化安定性とスラッ
ジ生成防止性を兼ね備えた潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】潤滑油には一般に酸化安定性が要求され
る関係で、潤滑油の酸化安定性を向上させるために、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフェノ
ール系酸化防止剤やフェニル−α−ナフチルアミン、ア
ルキルジフェニルアミンなどのアミン系酸化防止剤が、
従来の潤滑油には配合されている。しかしながら、2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールは、高温条件下に
おいて酸化防止性能が低下するという問題がある。一
方、フェニル−α−ナフチルアミンは高温条件下でも優
れた酸化防止性能を示すものの、潤滑油基油に対する溶
解度が低く、しかも、酸化防止剤であるフェニル−α−
ナフチルアミン自身が酸化によって変質し、その変質物
がスラッジ化して潤滑油供給回路中のフィルターを閉塞
させたり、熱交換器の表面に堆積して熱交換効率を低下
させるなどの不都合がある。また、アルキルジフェニル
アミンは高温下での酸化防止性能がフェニル−α−ナフ
チルアミンよりも劣り、さらにフェニル−α−ナフチル
アミン同様、それ自身の酸化による変質物がスラッジを
生成する欠点がある。こうした事情から、本出願人はプ
ロピレンのオリゴマーから誘導されたアルキル基を有す
るp−分枝アルキルフェニル−α−ナフチルアミンを、
フェニル−α−ナフチルアミンに代わる酸化防止剤とし
て先に提案した(特開昭62−181396号)。そし
てまた、プロピレンのオリゴマーから誘導されたアルキ
ル基を有するp−分枝アルキルフェニル−α−ナフチル
アミンと、プロピレンのオリゴマーから誘導されたアル
キル基を有するp,p’−ジアルキルジフェニルアミン
とを併用した潤滑油組成物についても、本出願人は先に
提案した(特開平3−95297号)。このほか、特開
平5−17927号には、アルキル化フェニル−α−ア
ルキル化ナフチルアミンと、アルキル化ジフェニルアミ
ンを併用したうえで、さらに少量のヒンダードフェノー
ル化合物を配合した潤滑油組成物が開示されている。
る関係で、潤滑油の酸化安定性を向上させるために、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフェノ
ール系酸化防止剤やフェニル−α−ナフチルアミン、ア
ルキルジフェニルアミンなどのアミン系酸化防止剤が、
従来の潤滑油には配合されている。しかしながら、2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールは、高温条件下に
おいて酸化防止性能が低下するという問題がある。一
方、フェニル−α−ナフチルアミンは高温条件下でも優
れた酸化防止性能を示すものの、潤滑油基油に対する溶
解度が低く、しかも、酸化防止剤であるフェニル−α−
ナフチルアミン自身が酸化によって変質し、その変質物
がスラッジ化して潤滑油供給回路中のフィルターを閉塞
させたり、熱交換器の表面に堆積して熱交換効率を低下
させるなどの不都合がある。また、アルキルジフェニル
アミンは高温下での酸化防止性能がフェニル−α−ナフ
チルアミンよりも劣り、さらにフェニル−α−ナフチル
アミン同様、それ自身の酸化による変質物がスラッジを
生成する欠点がある。こうした事情から、本出願人はプ
ロピレンのオリゴマーから誘導されたアルキル基を有す
るp−分枝アルキルフェニル−α−ナフチルアミンを、
フェニル−α−ナフチルアミンに代わる酸化防止剤とし
て先に提案した(特開昭62−181396号)。そし
てまた、プロピレンのオリゴマーから誘導されたアルキ
ル基を有するp−分枝アルキルフェニル−α−ナフチル
アミンと、プロピレンのオリゴマーから誘導されたアル
キル基を有するp,p’−ジアルキルジフェニルアミン
とを併用した潤滑油組成物についても、本出願人は先に
提案した(特開平3−95297号)。このほか、特開
平5−17927号には、アルキル化フェニル−α−ア
ルキル化ナフチルアミンと、アルキル化ジフェニルアミ
ンを併用したうえで、さらに少量のヒンダードフェノー
ル化合物を配合した潤滑油組成物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、潤滑油を必
要とする機械装置は、近年、高出力化、小型化、長寿命
化の傾向にあり、それに伴ってこれらの使用される潤滑
油には、従来にも増して高い酸化防止性能が要求されて
いる。特に、高温での酸化安定性が求められるガスター
ビン油、圧縮機油、油圧作動油などの潤滑油にあって
は、より高度な酸化安定性とスラッジ生成防止性が求め
られている。しかし、上記したような従来の酸化防止剤
を配合した潤滑油では、この要請に充分応えられないの
が実情である。従って、高温で作動する各種機械装置に
も充分使用可能な潤滑油の開発が、換言すれば、従来よ
り一段と優れた酸化安定性とスラッジ生成防止性を備
え、しかもこれらの性能を長時間安定に発揮する潤滑油
の開発が熱望されている。こうした当業界の要請に応え
るべく、本発明者らは研究を重ねた結果、それぞれ特定
の構造を有する脂肪酸エステルと、N−p−アルキルフ
ェニル−α−ナフチルアミンと、p,p’−ジアルキル
ジフェニルアミンとを、潤滑油基油に配合することによ
り、非常に優れた酸化安定性とスラッジ生成防止性を有
する潤滑油組成物が得られることを見出した。本発明の
主要な目的は、優れた酸化防止性およびスラッジ生成防
止性を有するとともに、高温条件下で長時間使用しても
酸化防止性が低下することがない潤滑油組成物を提供す
ることある。
要とする機械装置は、近年、高出力化、小型化、長寿命
化の傾向にあり、それに伴ってこれらの使用される潤滑
油には、従来にも増して高い酸化防止性能が要求されて
いる。特に、高温での酸化安定性が求められるガスター
ビン油、圧縮機油、油圧作動油などの潤滑油にあって
は、より高度な酸化安定性とスラッジ生成防止性が求め
られている。しかし、上記したような従来の酸化防止剤
を配合した潤滑油では、この要請に充分応えられないの
が実情である。従って、高温で作動する各種機械装置に
も充分使用可能な潤滑油の開発が、換言すれば、従来よ
り一段と優れた酸化安定性とスラッジ生成防止性を備
え、しかもこれらの性能を長時間安定に発揮する潤滑油
の開発が熱望されている。こうした当業界の要請に応え
るべく、本発明者らは研究を重ねた結果、それぞれ特定
の構造を有する脂肪酸エステルと、N−p−アルキルフ
ェニル−α−ナフチルアミンと、p,p’−ジアルキル
ジフェニルアミンとを、潤滑油基油に配合することによ
り、非常に優れた酸化安定性とスラッジ生成防止性を有
する潤滑油組成物が得られることを見出した。本発明の
主要な目的は、優れた酸化防止性およびスラッジ生成防
止性を有するとともに、高温条件下で長時間使用しても
酸化防止性が低下することがない潤滑油組成物を提供す
ることある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る潤滑油組成
物は、[I]潤滑油基油100重量部に対し、[II]下
記の一般式(1)で表される2−tert−ブチル−4
−アルキルオキシメチル−6−アルキルフェノールを
0.1〜5重量部配合し、さらに[III ]下記の一般式
(2)で表されるN−p−アルキルフェニル−α−ナフ
チルアミンと、[IV]下記の一般式(3)で表される
p,p’−ジアルキルジフェニルアミンを配合してなる
潤滑油組成物。
物は、[I]潤滑油基油100重量部に対し、[II]下
記の一般式(1)で表される2−tert−ブチル−4
−アルキルオキシメチル−6−アルキルフェノールを
0.1〜5重量部配合し、さらに[III ]下記の一般式
(2)で表されるN−p−アルキルフェニル−α−ナフ
チルアミンと、[IV]下記の一般式(3)で表される
p,p’−ジアルキルジフェニルアミンを配合してなる
潤滑油組成物。
【化4】 [式(1)中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、R2 は炭素数1〜24のアルキル基またはアルケニ
ル基を示す。]
し、R2 は炭素数1〜24のアルキル基またはアルケニ
ル基を示す。]
【化5】 [式(2)中、R3 は炭素数1〜16のアルキル基を示
す。]
す。]
【化6】 [式(3)中、R4 およびR5 は個別に炭素数1〜16
のアルキル基を示す。]
のアルキル基を示す。]
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の潤滑油組成物において、
成分[I]である潤滑油基油は、特別な油である必要は
なく、通常の潤滑油の基油に使用されている鉱油および
/または合成油が本発明でも使用可能である。使用可能
な鉱油系潤滑油基油としては、例えば、原油を常圧蒸留
および減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れ
き、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、
水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を単独又
は二つ以上組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテ
ン系などがある。合成系潤滑油基油としては、例えば、
ポリブテン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリ
ゴマーなどのポリα−オレフィン;ポリα−オレフィン
の水素化物;ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチ
ルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジト
リデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケー
トなどのジエステル;トリメチロールプロパンカプリレ
ート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタ
エリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエ
リスリトールペラルゴネートなどのポリオールエステ
ル;トリメリット酸エステルなどのポリエステル、アル
キルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリオキシアルキ
レングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリ
フェニルエーテルなどが使用できる。これらの基油は単
独使用でも、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用
してもよい。本発明の成分[I]はその粘度に格別な制
限はないが、一般には、40℃における動粘度が1〜1
000mm2 /sであることが好ましく、5〜800mm2 /s
であることがより好ましい。本発明の成分[I]として
は、成分[II]である2−tert−ブチル−4−アル
キルオキシメチル−6−アルキルフェノールとの相乗効
果で、酸化安定性およびスラッジ生成防止性に特に優れ
る組成物が得られる点で、下記の(I−1)〜(I−
3)で示す成分の1種または2種以上を使用することが
好ましい。 (I−1)40℃における動粘度が5〜200mm2 /sで
あり、全芳香族含有量が15質量%以下の鉱油。 (I−2)炭素数2〜16のオレフィンの重合体または
その水素化物であって、数平均分子量が250〜400
0の範囲にあるもの。 (I−3)炭素数1〜40のアルキル基を1〜4個有
し、かつそのアルキル基の合計炭素数が6〜40である
アルキルベンゼン。 上記成分(I−1)の40℃における動粘度は、その下
限値が5mm2 /s、好ましくは10mm2 /sであり、上限値
は200mm2 /s、好ましくは100mm2 /sである。40
℃における動粘度が5mm2 /s未満の場合は、油膜形成が
十分でないため潤滑性に劣るおそれがあり、また高温条
件下での基油の蒸発損失が大きくなる可能性がある。一
方、40℃における動粘度が200mm2 /sを超える場合
は、流体抵抗が大きくなるため潤滑箇所での摩擦抵抗が
大きくなる可能性がある。成分(I−1)は、また、そ
の全芳香族含有量の上限値が15質量%、好ましくは1
0質量%、より好ましくは7質量%であることが重要で
ある。全芳香族含有量が15質量%を超える場合は、成
分[II]との相乗効果があまり大きくなく、優れた酸化
安定性およびスラッジ生成防止性が発揮されない可能性
がある。成分(I−1)の全芳香族含有量の下限値は特
に限定されるものではないが、全芳香族含有量が0質量
%以上2質量%未満の場合は、潤滑油組成物の使用中に
発生するスラッジの溶解性に劣る傾向があるため、全芳
香族含有量は2質量%以上であることが好ましい。な
お、本発明でいう全芳香族含有量とは、ASTM D
2549に規定される“Standard Test Method for Sep
aration of Representative Aromatics andNonaromatic
s Fractions of High-Boiling Oils by Elution Chroma
tography ”に準拠して測定した芳香族留分(aromatics
fraction)含有量を意味しており、通常、この芳香族
留分には、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ア
ントラセン、フェナントレン、およびこれらのアルキル
化物、四環以上のベンゼン環が縮合した化合物、または
ピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナフトール類
などのヘテロ芳香族を有する化合物などが含まれる。成
分(I−1)は公知の任意の方法で製造することができ
る。例えば、;パラフィン基系原油および/または混
合基系原油の常圧蒸留による留出油、;パラフィン基
系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留残渣油の
減圧蒸留留出油(WVGO)、;および/または
のマイルドハイドロクラッキング(MHC)処理油(H
IX)、;〜の中から選ばれる2種以上の油の混
合油、;またはの脱れき油(DAO)、;
のマイルドハイドロクラッキング(MHC)処理油、
;〜の中から選ばれる2種以上の油の混合油など
を原料油とし、この原料油をそのまま、またはこの原料
油から回収された潤滑油留分を、通常の精製方法によっ
て精製し、潤滑油留分を回収することによって得ること
ができる。ここでいう精製方法は特に制限されるもので
なく、潤滑油基油製造の際に用いられる精製方法を任意
に採用することができる。通常の精製方法としては、例
えば、(1) 水素化分解、水素化仕上げなどの水素化精
製、(2) フルフラール溶剤抽出などの溶剤精製、(3) 溶
剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう、(4) 酸性白土や活
性白土などによる白土精製、(5) 硫酸洗浄、苛性ソーダ
洗浄などの薬品(酸またはアルカリ)精製などが挙げら
れる。本発明ではこれらの1つまたは2つ以上を任意の
組み合わせおよび任意の順序で採用することができる。
念のため付言すれば、上に例示した方法で得られる鉱油
はもちろん、それ以外の方法で得られた鉱油であって
も、それ自体またはその任意混合物の40℃における4
0℃における動粘度が5〜200mm2 /sであり、かつ全
芳香族含有量が15質量%以下ある限り、その鉱油また
はその任意混合物は、いずれも本発明の成分(I−1)
として使用可能である。本発明の潤滑油組成物における
基油を鉱油だけで構成させる場合は、成分[II]との相
乗効果が優れている点で、上記〜から選ばれる原料
油をそのまま、またはこの原料油から回収された潤滑油
留分を、水素化分解し、当該生成物をそのまま、もしく
はこれから潤滑油留分を回収し、次に溶剤脱ろうや接触
脱ろうなどの脱ろう処理を行い、その後、溶剤精製処理
するか、または、溶剤精製処理した後、溶剤脱ろうや接
触脱ろうなどの脱ろう処理を行って製造される成分(I
−1)を、基油全量基準で好ましくは50質量%以上、
より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質
量%以上使用することが望ましい。なお、ここでいう水
素化分解の条件は任意であるが、通常は水素化分解触媒
の存在下、全圧力6〜25MPa 、温度350〜500
℃、LHSV0.1〜2.0hr-1などの反応条件で、分
解率40質量%以上になるように水素化分解条件が採用
される。水素化分解触媒には任意のものが使用できる
が、通常は例えば、モリブデン、クロム、タングステ
ン、バナジウム、白金、ニッケル、銅、鉄、コバルト、
これらの酸化物および/または硫化物、もしくはこれら
の混合物などが使用される。これらの触媒はそのまま用
いても良く、またシリカ−アルミナ、活性アルミナ、ゼ
オライトなどの担体に担持された形で用いても良い。上
記の成分(I−2)を構成するオレフィンは、炭素数2
〜16、好ましくは炭素数2〜12のオレフィンであ
り、そのオレフィンは二重結合が末端にあるいわゆるα
−オレフィンであっても、またその二重結合が内部にあ
るいわゆる内部オレフィンであっても差し支えない。ま
た直鎖状オレフィンであっても、分枝状オレフィンであ
っても良い。このようなオレフィンとしては、例えば、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソ
ブテン、直鎖状または分枝状のペンテン(α−オレフィ
ン、内部オレフィンを含む)、直鎖状または分枝状のヘ
キセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直
鎖状または分枝状のヘプテン(α−オレフィン、内部オ
レフィンを含む)、直鎖状または分枝状のオクテン(α
−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状または
分枝状のノネン(α−オレフィン、内部オレフィンを含
む)、直鎖状または分枝状のデセン(α−オレフィン、
内部オレフィンを含む)、直鎖状または分枝状のウンデ
セン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖
状または分枝状のドデセン(α−オレフィン、内部オレ
フィンを含む)、直鎖状または分枝状のトリデセン(α
−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状または
分枝状のテトラデセン(α−オレフィン、内部オレフィ
ンを含む)、直鎖状または分枝状のペンタデセン(α−
オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状または分
枝状のヘキサデセン(α−オレフィン、内部オレフィン
を含む)、およびこれらの混合物などが挙げられるが、
特にエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、
イソブテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン
およびこれらの混合物などが好ましく用いられる。本発
明の(I−2)成分は、上記したオレフィンの重合体ま
たはその水素化物からなるが、ここでいう重合体には、
1種のオレフィンの単独重合体だけでなく、2種以上の
オレフィンのランダム共重合体、交互共重合体、ブロッ
ク共重合体などの共重合体が包含される。オレフィンの
単独重合体または共重合体は、通常、二重結合を含有す
るものであるが、本発明の成分(I−2)としては、熱
・酸化安定性に優れる点から、その二重結合を水素化し
た単独重合体または共重合体を用いるのが好ましい。成
分(I−2)であるオレフィン重合体の製造方法は任意
であり、何ら限定されるものでないが、一般に、無触媒
による熱反応により、また過酸化ベンゾイルなどの有機
過酸化物触媒;塩化アルミニウム、塩化アルミニウム−
多価アルコール系、塩化アルミニウム−四塩化チタン
系、塩化アルミニウム−アルキル錫ハライド系、フッ化
ホウ素などのフリーデルクラフツ型触媒;有機塩化アル
ミニウム−四塩化チタン系、有機アルミニウム−四塩化
チタン系などのチーグラー型触媒;アルミノキサン−ジ
ルコノセン系やイオン性化合物−ジルコノセン系などの
メタロセン型触媒;塩化アルミニウム−塩基系やフッ化
ホウ素−塩基系などのルイス酸コンプレックス型触媒な
どの公知の触媒系を用いて、上記のオレフィンを単独重
合または共重合させることによって得られる。オレフィ
ン重合体の水素化物を得る方法も任意であり、例えば、
オレフィン重合体を公知の水素化触媒の存在下で水素で
水素化し、オレフィン重合体中に存在する二重結合を飽
和化することによって得られる。また、触媒によっては
オレフィンの重合と得られた重合体の水素化という二段
階の工程を経ることなく、一段階でオレフィンの重合と
重合体中に存在する二重結合の水素化を行えるものもあ
る。本発明の成分(I−2)としては、熱・酸化安定
性、粘度−温度特性、低温流動性に優れる点から、エチ
レン−プロピレン共重合体、ポリブテン(ナフサ熱分解
の際に副生するブタン−ブテン(1−ブテン、2−ブテ
ンおよびイソブテンの混合物)留分の重合によって得ら
れる共重合体)、1−オクテンオリゴマー、1−デセン
オリゴマー、1−ドデセンオリゴマーやこれらの水素化
物、ならびにこれらの混合物などがより好ましく用いら
れ、エチレン−プロピレン共重合体水素化物、ポリブテ
ン水素化物、1−オクテンオリゴマー水素化物、1−デ
センオリゴマー水素化物、1−ドデセンオリゴマー水素
化物、およびこれらの混合物が特に好ましく用いられ
る。なお、現在、潤滑油基油用として市販されているエ
チレン−プロピレン共重合体、ポリブテンおよびポリ−
α−オレフィンなどの合成油は、通常、その二重結合が
既に水素化されているものであり、本発明においてはこ
れら市販品も好ましく用いることができる。成分(I−
2)の数平均分子量の下限値は250、好ましくは35
0であり、上限値は4000、好ましくは3000、さ
らに好ましくは1500である。数平均分子量が250
未満の場合には、油膜形成が十分でないため潤滑性に劣
るおそれがあり、また高温条件下での基油の蒸発損失が
大きくなる可能性がある。一方、数平均分子量が400
0を超える場合は、流体抵抗が大きくなるため、潤滑箇
所での摩擦抵抗が大きくなるため可能性がある。成分
(I−2)であるオレフィン重合体またはその水素化物
の動粘度は特に限定されないが、好ましい動粘度は40
℃で5〜200mm2 /s、さらに好ましくは10〜100
mm2 /sである。本発明の成分(I−3)は炭素数1〜4
0のアルキル基を1〜4個有し、かつそのアルキル基の
合計炭素数が6〜40であるアルキルベンゼンである
が、熱・酸化安定性に優れる点や入手可能性の点から、
炭素数1〜40のアルキル基を1〜4個有し、かつその
アルキル基の合計炭素数が12〜40であるアルキルベ
ンゼンであることが好ましく、炭素数1〜30のアルキ
ル基を1〜4個有し、かつアルキル基の合計炭素数が1
5〜30であるアルキルベンゼンであることがより好ま
しい。アルキル基の合計炭素数が6未満であるアルキル
ベンゼンを使用した場合は、油膜形成が十分でないため
潤滑性に劣るおそれがあり、また高温条件下での基油の
蒸発損失が大きくなる可能性がある。一方、アルキル基
の合計炭素数が40を超えるアルキルベンゼンを使用し
た場合は、流体抵抗が大きくなるため、潤滑箇所での摩
擦抵抗が大きくなる可能性がある。成分(I−3)に関
していう炭素数1〜40のアルキル基は、直鎖状であっ
ても分枝状であっても差し支えなく、そうしたアルキル
基の具体例を示せば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分枝
のブチル基、直鎖または分枝のペンチル基、直鎖または
分枝のヘキシル基、直鎖または分枝のヘプチル基、直鎖
または分枝のオクチル基、直鎖または分枝のノニル基、
直鎖または分枝のデシル基、直鎖または分枝のウンデシ
ル基、直鎖または分枝のドデシル基、直鎖または分枝の
トリデシル基、直鎖または分枝のテトラデシル基、直鎖
または分枝のペンタデシル基、直鎖または分枝のヘキサ
デシル基、直鎖または分枝のヘプタデシル基、直鎖また
は分枝のオクタデシル基、直鎖または分枝のノナデシル
基、直鎖または分枝のイコシル基、直鎖または分枝のヘ
ンイコシル基、直鎖または分枝のドコシル基、直鎖また
は分枝のトリコシル基、直鎖または分枝のテトラコシル
基、直鎖または分枝のペンタコシル基、直鎖または分枝
のヘキサコシル基、直鎖または分枝のヘプタコシル基、
直鎖または分枝のオクタコシル基、直鎖または分枝のノ
ナコシル基、直鎖または分枝のトリアコンチル基、直鎖
または分枝のヘントリアコンチル基、直鎖または分枝の
ドトリアコンチル基、直鎖または分枝のトリトリアコン
チル基、直鎖または分枝のテトラトリアコンチル基、直
鎖または分枝のペンタトリアコンチル基、直鎖または分
枝のヘキサトリアコンチル基、直鎖または分枝のヘプタ
トリアコンチル基、直鎖または分枝のオクタトリアコン
チル基、直鎖または分枝のノナトリアコンチル基、直鎖
または分枝のテトラコンチル基などが挙げられる。アル
キルベンゼンのアルキル基は直鎖状であっても、分枝状
であっても良いが、粘度−温度特性や低温流動性の点か
ら分枝状アルキル基であることが好ましく、特に入手可
能性の点から、プロピレン、ブテン、イソブチレンなど
のオレフィンのオリゴマーから誘導される分枝状アルキ
ル基であることがより好ましい。また、アルキルベンゼ
ンのアルキル基の個数は、1〜4個の範囲で選択できる
が、熱・酸化安定性と入手可能性の点から1個または2
個のアルキル基を有するアルキルベンゼン、すなわち、
モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼンまたはこれ
らの混合物が成分(I−3)として最も好ましい。断る
までもないが、本発明の成分(I−3)であるアルキル
ベンゼンは、炭素数1〜40のアルキル基を1〜4個有
し、かつアルキル基の合計炭素数が6〜40である限
り、単一構造のアルキルベンゼンであっても、構造の異
なるアルキルベンゼンの混合物であっても差し支えな
い。成分(I−3)の動粘度は特に限定されないが、好
ましい動粘度は40℃で5〜200mm2 /s、さらに好ま
しくは10〜100mm2 /sである。成分(I−3)の製
造方法は任意であり、何ら限定されるものでないが、一
般には以下に示す合成法によって製造できる。原料とな
る芳香族化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、メチルエチルベンゼ
ン、ジエチルベンゼン、およびこれらの混合物などが用
いられる。またアルキル化剤としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、イソブチレンなどの低級モノ
オレフィン、好ましくはプロピレンの重合によって得ら
れる炭素数6〜40の直鎖または分枝のオレフィン;ワ
ックス、重質油、石油留分、ポリエチレン、ポリプロピ
レンなどの熱分解によって得られる炭素数6〜40の直
鎖状または分枝状のオレフィン;灯油、軽油などの石油
留分からn−パラフィンを分離し、これを触媒によりオ
レフィン化することによって得られる炭素数6〜40の
直鎖状オレフィン;およびこれらの混合物などが使用で
きる。アルキル化の際のアルキル化触媒としては、塩化
アルミニウム、塩化亜鉛などのフリーデルクラフツ型触
媒;硫酸、リン酸、ケイタングステン酸、フッ化水素
酸、活性白土などの酸性触媒;など、公知の触媒が用い
られる。
成分[I]である潤滑油基油は、特別な油である必要は
なく、通常の潤滑油の基油に使用されている鉱油および
/または合成油が本発明でも使用可能である。使用可能
な鉱油系潤滑油基油としては、例えば、原油を常圧蒸留
および減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れ
き、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、
水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を単独又
は二つ以上組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテ
ン系などがある。合成系潤滑油基油としては、例えば、
ポリブテン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリ
ゴマーなどのポリα−オレフィン;ポリα−オレフィン
の水素化物;ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチ
ルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジト
リデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケー
トなどのジエステル;トリメチロールプロパンカプリレ
ート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタ
エリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエ
リスリトールペラルゴネートなどのポリオールエステ
ル;トリメリット酸エステルなどのポリエステル、アル
キルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリオキシアルキ
レングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリ
フェニルエーテルなどが使用できる。これらの基油は単
独使用でも、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用
してもよい。本発明の成分[I]はその粘度に格別な制
限はないが、一般には、40℃における動粘度が1〜1
000mm2 /sであることが好ましく、5〜800mm2 /s
であることがより好ましい。本発明の成分[I]として
は、成分[II]である2−tert−ブチル−4−アル
キルオキシメチル−6−アルキルフェノールとの相乗効
果で、酸化安定性およびスラッジ生成防止性に特に優れ
る組成物が得られる点で、下記の(I−1)〜(I−
3)で示す成分の1種または2種以上を使用することが
好ましい。 (I−1)40℃における動粘度が5〜200mm2 /sで
あり、全芳香族含有量が15質量%以下の鉱油。 (I−2)炭素数2〜16のオレフィンの重合体または
その水素化物であって、数平均分子量が250〜400
0の範囲にあるもの。 (I−3)炭素数1〜40のアルキル基を1〜4個有
し、かつそのアルキル基の合計炭素数が6〜40である
アルキルベンゼン。 上記成分(I−1)の40℃における動粘度は、その下
限値が5mm2 /s、好ましくは10mm2 /sであり、上限値
は200mm2 /s、好ましくは100mm2 /sである。40
℃における動粘度が5mm2 /s未満の場合は、油膜形成が
十分でないため潤滑性に劣るおそれがあり、また高温条
件下での基油の蒸発損失が大きくなる可能性がある。一
方、40℃における動粘度が200mm2 /sを超える場合
は、流体抵抗が大きくなるため潤滑箇所での摩擦抵抗が
大きくなる可能性がある。成分(I−1)は、また、そ
の全芳香族含有量の上限値が15質量%、好ましくは1
0質量%、より好ましくは7質量%であることが重要で
ある。全芳香族含有量が15質量%を超える場合は、成
分[II]との相乗効果があまり大きくなく、優れた酸化
安定性およびスラッジ生成防止性が発揮されない可能性
がある。成分(I−1)の全芳香族含有量の下限値は特
に限定されるものではないが、全芳香族含有量が0質量
%以上2質量%未満の場合は、潤滑油組成物の使用中に
発生するスラッジの溶解性に劣る傾向があるため、全芳
香族含有量は2質量%以上であることが好ましい。な
お、本発明でいう全芳香族含有量とは、ASTM D
2549に規定される“Standard Test Method for Sep
aration of Representative Aromatics andNonaromatic
s Fractions of High-Boiling Oils by Elution Chroma
tography ”に準拠して測定した芳香族留分(aromatics
fraction)含有量を意味しており、通常、この芳香族
留分には、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ア
ントラセン、フェナントレン、およびこれらのアルキル
化物、四環以上のベンゼン環が縮合した化合物、または
ピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナフトール類
などのヘテロ芳香族を有する化合物などが含まれる。成
分(I−1)は公知の任意の方法で製造することができ
る。例えば、;パラフィン基系原油および/または混
合基系原油の常圧蒸留による留出油、;パラフィン基
系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留残渣油の
減圧蒸留留出油(WVGO)、;および/または
のマイルドハイドロクラッキング(MHC)処理油(H
IX)、;〜の中から選ばれる2種以上の油の混
合油、;またはの脱れき油(DAO)、;
のマイルドハイドロクラッキング(MHC)処理油、
;〜の中から選ばれる2種以上の油の混合油など
を原料油とし、この原料油をそのまま、またはこの原料
油から回収された潤滑油留分を、通常の精製方法によっ
て精製し、潤滑油留分を回収することによって得ること
ができる。ここでいう精製方法は特に制限されるもので
なく、潤滑油基油製造の際に用いられる精製方法を任意
に採用することができる。通常の精製方法としては、例
えば、(1) 水素化分解、水素化仕上げなどの水素化精
製、(2) フルフラール溶剤抽出などの溶剤精製、(3) 溶
剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう、(4) 酸性白土や活
性白土などによる白土精製、(5) 硫酸洗浄、苛性ソーダ
洗浄などの薬品(酸またはアルカリ)精製などが挙げら
れる。本発明ではこれらの1つまたは2つ以上を任意の
組み合わせおよび任意の順序で採用することができる。
念のため付言すれば、上に例示した方法で得られる鉱油
はもちろん、それ以外の方法で得られた鉱油であって
も、それ自体またはその任意混合物の40℃における4
0℃における動粘度が5〜200mm2 /sであり、かつ全
芳香族含有量が15質量%以下ある限り、その鉱油また
はその任意混合物は、いずれも本発明の成分(I−1)
として使用可能である。本発明の潤滑油組成物における
基油を鉱油だけで構成させる場合は、成分[II]との相
乗効果が優れている点で、上記〜から選ばれる原料
油をそのまま、またはこの原料油から回収された潤滑油
留分を、水素化分解し、当該生成物をそのまま、もしく
はこれから潤滑油留分を回収し、次に溶剤脱ろうや接触
脱ろうなどの脱ろう処理を行い、その後、溶剤精製処理
するか、または、溶剤精製処理した後、溶剤脱ろうや接
触脱ろうなどの脱ろう処理を行って製造される成分(I
−1)を、基油全量基準で好ましくは50質量%以上、
より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質
量%以上使用することが望ましい。なお、ここでいう水
素化分解の条件は任意であるが、通常は水素化分解触媒
の存在下、全圧力6〜25MPa 、温度350〜500
℃、LHSV0.1〜2.0hr-1などの反応条件で、分
解率40質量%以上になるように水素化分解条件が採用
される。水素化分解触媒には任意のものが使用できる
が、通常は例えば、モリブデン、クロム、タングステ
ン、バナジウム、白金、ニッケル、銅、鉄、コバルト、
これらの酸化物および/または硫化物、もしくはこれら
の混合物などが使用される。これらの触媒はそのまま用
いても良く、またシリカ−アルミナ、活性アルミナ、ゼ
オライトなどの担体に担持された形で用いても良い。上
記の成分(I−2)を構成するオレフィンは、炭素数2
〜16、好ましくは炭素数2〜12のオレフィンであ
り、そのオレフィンは二重結合が末端にあるいわゆるα
−オレフィンであっても、またその二重結合が内部にあ
るいわゆる内部オレフィンであっても差し支えない。ま
た直鎖状オレフィンであっても、分枝状オレフィンであ
っても良い。このようなオレフィンとしては、例えば、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソ
ブテン、直鎖状または分枝状のペンテン(α−オレフィ
ン、内部オレフィンを含む)、直鎖状または分枝状のヘ
キセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直
鎖状または分枝状のヘプテン(α−オレフィン、内部オ
レフィンを含む)、直鎖状または分枝状のオクテン(α
−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状または
分枝状のノネン(α−オレフィン、内部オレフィンを含
む)、直鎖状または分枝状のデセン(α−オレフィン、
内部オレフィンを含む)、直鎖状または分枝状のウンデ
セン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖
状または分枝状のドデセン(α−オレフィン、内部オレ
フィンを含む)、直鎖状または分枝状のトリデセン(α
−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状または
分枝状のテトラデセン(α−オレフィン、内部オレフィ
ンを含む)、直鎖状または分枝状のペンタデセン(α−
オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状または分
枝状のヘキサデセン(α−オレフィン、内部オレフィン
を含む)、およびこれらの混合物などが挙げられるが、
特にエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、
イソブテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン
およびこれらの混合物などが好ましく用いられる。本発
明の(I−2)成分は、上記したオレフィンの重合体ま
たはその水素化物からなるが、ここでいう重合体には、
1種のオレフィンの単独重合体だけでなく、2種以上の
オレフィンのランダム共重合体、交互共重合体、ブロッ
ク共重合体などの共重合体が包含される。オレフィンの
単独重合体または共重合体は、通常、二重結合を含有す
るものであるが、本発明の成分(I−2)としては、熱
・酸化安定性に優れる点から、その二重結合を水素化し
た単独重合体または共重合体を用いるのが好ましい。成
分(I−2)であるオレフィン重合体の製造方法は任意
であり、何ら限定されるものでないが、一般に、無触媒
による熱反応により、また過酸化ベンゾイルなどの有機
過酸化物触媒;塩化アルミニウム、塩化アルミニウム−
多価アルコール系、塩化アルミニウム−四塩化チタン
系、塩化アルミニウム−アルキル錫ハライド系、フッ化
ホウ素などのフリーデルクラフツ型触媒;有機塩化アル
ミニウム−四塩化チタン系、有機アルミニウム−四塩化
チタン系などのチーグラー型触媒;アルミノキサン−ジ
ルコノセン系やイオン性化合物−ジルコノセン系などの
メタロセン型触媒;塩化アルミニウム−塩基系やフッ化
ホウ素−塩基系などのルイス酸コンプレックス型触媒な
どの公知の触媒系を用いて、上記のオレフィンを単独重
合または共重合させることによって得られる。オレフィ
ン重合体の水素化物を得る方法も任意であり、例えば、
オレフィン重合体を公知の水素化触媒の存在下で水素で
水素化し、オレフィン重合体中に存在する二重結合を飽
和化することによって得られる。また、触媒によっては
オレフィンの重合と得られた重合体の水素化という二段
階の工程を経ることなく、一段階でオレフィンの重合と
重合体中に存在する二重結合の水素化を行えるものもあ
る。本発明の成分(I−2)としては、熱・酸化安定
性、粘度−温度特性、低温流動性に優れる点から、エチ
レン−プロピレン共重合体、ポリブテン(ナフサ熱分解
の際に副生するブタン−ブテン(1−ブテン、2−ブテ
ンおよびイソブテンの混合物)留分の重合によって得ら
れる共重合体)、1−オクテンオリゴマー、1−デセン
オリゴマー、1−ドデセンオリゴマーやこれらの水素化
物、ならびにこれらの混合物などがより好ましく用いら
れ、エチレン−プロピレン共重合体水素化物、ポリブテ
ン水素化物、1−オクテンオリゴマー水素化物、1−デ
センオリゴマー水素化物、1−ドデセンオリゴマー水素
化物、およびこれらの混合物が特に好ましく用いられ
る。なお、現在、潤滑油基油用として市販されているエ
チレン−プロピレン共重合体、ポリブテンおよびポリ−
α−オレフィンなどの合成油は、通常、その二重結合が
既に水素化されているものであり、本発明においてはこ
れら市販品も好ましく用いることができる。成分(I−
2)の数平均分子量の下限値は250、好ましくは35
0であり、上限値は4000、好ましくは3000、さ
らに好ましくは1500である。数平均分子量が250
未満の場合には、油膜形成が十分でないため潤滑性に劣
るおそれがあり、また高温条件下での基油の蒸発損失が
大きくなる可能性がある。一方、数平均分子量が400
0を超える場合は、流体抵抗が大きくなるため、潤滑箇
所での摩擦抵抗が大きくなるため可能性がある。成分
(I−2)であるオレフィン重合体またはその水素化物
の動粘度は特に限定されないが、好ましい動粘度は40
℃で5〜200mm2 /s、さらに好ましくは10〜100
mm2 /sである。本発明の成分(I−3)は炭素数1〜4
0のアルキル基を1〜4個有し、かつそのアルキル基の
合計炭素数が6〜40であるアルキルベンゼンである
が、熱・酸化安定性に優れる点や入手可能性の点から、
炭素数1〜40のアルキル基を1〜4個有し、かつその
アルキル基の合計炭素数が12〜40であるアルキルベ
ンゼンであることが好ましく、炭素数1〜30のアルキ
ル基を1〜4個有し、かつアルキル基の合計炭素数が1
5〜30であるアルキルベンゼンであることがより好ま
しい。アルキル基の合計炭素数が6未満であるアルキル
ベンゼンを使用した場合は、油膜形成が十分でないため
潤滑性に劣るおそれがあり、また高温条件下での基油の
蒸発損失が大きくなる可能性がある。一方、アルキル基
の合計炭素数が40を超えるアルキルベンゼンを使用し
た場合は、流体抵抗が大きくなるため、潤滑箇所での摩
擦抵抗が大きくなる可能性がある。成分(I−3)に関
していう炭素数1〜40のアルキル基は、直鎖状であっ
ても分枝状であっても差し支えなく、そうしたアルキル
基の具体例を示せば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分枝
のブチル基、直鎖または分枝のペンチル基、直鎖または
分枝のヘキシル基、直鎖または分枝のヘプチル基、直鎖
または分枝のオクチル基、直鎖または分枝のノニル基、
直鎖または分枝のデシル基、直鎖または分枝のウンデシ
ル基、直鎖または分枝のドデシル基、直鎖または分枝の
トリデシル基、直鎖または分枝のテトラデシル基、直鎖
または分枝のペンタデシル基、直鎖または分枝のヘキサ
デシル基、直鎖または分枝のヘプタデシル基、直鎖また
は分枝のオクタデシル基、直鎖または分枝のノナデシル
基、直鎖または分枝のイコシル基、直鎖または分枝のヘ
ンイコシル基、直鎖または分枝のドコシル基、直鎖また
は分枝のトリコシル基、直鎖または分枝のテトラコシル
基、直鎖または分枝のペンタコシル基、直鎖または分枝
のヘキサコシル基、直鎖または分枝のヘプタコシル基、
直鎖または分枝のオクタコシル基、直鎖または分枝のノ
ナコシル基、直鎖または分枝のトリアコンチル基、直鎖
または分枝のヘントリアコンチル基、直鎖または分枝の
ドトリアコンチル基、直鎖または分枝のトリトリアコン
チル基、直鎖または分枝のテトラトリアコンチル基、直
鎖または分枝のペンタトリアコンチル基、直鎖または分
枝のヘキサトリアコンチル基、直鎖または分枝のヘプタ
トリアコンチル基、直鎖または分枝のオクタトリアコン
チル基、直鎖または分枝のノナトリアコンチル基、直鎖
または分枝のテトラコンチル基などが挙げられる。アル
キルベンゼンのアルキル基は直鎖状であっても、分枝状
であっても良いが、粘度−温度特性や低温流動性の点か
ら分枝状アルキル基であることが好ましく、特に入手可
能性の点から、プロピレン、ブテン、イソブチレンなど
のオレフィンのオリゴマーから誘導される分枝状アルキ
ル基であることがより好ましい。また、アルキルベンゼ
ンのアルキル基の個数は、1〜4個の範囲で選択できる
が、熱・酸化安定性と入手可能性の点から1個または2
個のアルキル基を有するアルキルベンゼン、すなわち、
モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼンまたはこれ
らの混合物が成分(I−3)として最も好ましい。断る
までもないが、本発明の成分(I−3)であるアルキル
ベンゼンは、炭素数1〜40のアルキル基を1〜4個有
し、かつアルキル基の合計炭素数が6〜40である限
り、単一構造のアルキルベンゼンであっても、構造の異
なるアルキルベンゼンの混合物であっても差し支えな
い。成分(I−3)の動粘度は特に限定されないが、好
ましい動粘度は40℃で5〜200mm2 /s、さらに好ま
しくは10〜100mm2 /sである。成分(I−3)の製
造方法は任意であり、何ら限定されるものでないが、一
般には以下に示す合成法によって製造できる。原料とな
る芳香族化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、メチルエチルベンゼ
ン、ジエチルベンゼン、およびこれらの混合物などが用
いられる。またアルキル化剤としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、イソブチレンなどの低級モノ
オレフィン、好ましくはプロピレンの重合によって得ら
れる炭素数6〜40の直鎖または分枝のオレフィン;ワ
ックス、重質油、石油留分、ポリエチレン、ポリプロピ
レンなどの熱分解によって得られる炭素数6〜40の直
鎖状または分枝状のオレフィン;灯油、軽油などの石油
留分からn−パラフィンを分離し、これを触媒によりオ
レフィン化することによって得られる炭素数6〜40の
直鎖状オレフィン;およびこれらの混合物などが使用で
きる。アルキル化の際のアルキル化触媒としては、塩化
アルミニウム、塩化亜鉛などのフリーデルクラフツ型触
媒;硫酸、リン酸、ケイタングステン酸、フッ化水素
酸、活性白土などの酸性触媒;など、公知の触媒が用い
られる。
【0006】本発明の潤滑油組成物において、成分
[I]として上記の成分(I−2)および/または(I
−3)を使用する場合には、本発明の潤滑油組成物の使
用箇所に使用されているゴムシール材などの部材の膨潤
性を改善する目的で、40℃における動粘度が5〜20
0mm2 /s、好ましくは10〜100mm2 /sである鉱油系
基油、エステル系基油、エーテル系基油、およびこれら
の混合物を、成分[I]である基油全量基準で40質量
%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは2
0質量%以下の量で含有させることができる。成分(I
−2)および/または(I−3)と併用される鉱油系基
油は、その全芳香族含有量に限定はなく、パラフィン基
原油や混合基原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られ
る潤滑油留分を、水素化精製、溶剤精製、脱ろう、白土
精製、薬品(酸またはアルカリ)精製などの精製処理を
単独で、または同一もしくは同種の精製方法を含む2以
上の任意の精製方法を任意の順序で組み合わせて精製し
た、任意の全芳香族含有量を有するパラフィン系、ナフ
テン系などの鉱油系基油を用いることができる。しかし
ながら、鉱油系基油を用いる場合には、特に成分[II]
である2−tert−ブチル−4−アルキルオキシメチ
ル−6−アルキルフェノールとの相乗効果に優れるとい
う点で、やはり上記の成分(I−1)を併用するのがよ
り好ましい。成分(I−2)および/または(I−3)
と併用される上記のエステル系基油としては、例えば、
ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルア
ジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジ
ペート、ジ−3−エチルヘキシルセバケートなどに代表
されるジエステル油;トリメチロールプロパントリカプ
リレート、トリメチロールプロパントリペラルゴネー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(2−エチルヘキサノ
エート)、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート
などに代表されるポリオールエステル油;およびこれら
の中から選ばれる2種以上のエステル系基油の混合物な
どが挙げられる。またエーテル系基油としては、例え
ば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピ
レングリコール、ポリオキシエチレンオキシプロピレン
グリコール、ポリオキシブチレングリコールなどに代表
されるポリグリコール油;これらポリグリコール油のモ
ノアルキルエーテル化物やジアルキルエーテル化物;ジ
フェニルエーテル、ポリフェニレンエーテル、およびこ
れらの中から選ばれる2種以上のエーテル系基油の混合
物などが挙げられる。
[I]として上記の成分(I−2)および/または(I
−3)を使用する場合には、本発明の潤滑油組成物の使
用箇所に使用されているゴムシール材などの部材の膨潤
性を改善する目的で、40℃における動粘度が5〜20
0mm2 /s、好ましくは10〜100mm2 /sである鉱油系
基油、エステル系基油、エーテル系基油、およびこれら
の混合物を、成分[I]である基油全量基準で40質量
%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは2
0質量%以下の量で含有させることができる。成分(I
−2)および/または(I−3)と併用される鉱油系基
油は、その全芳香族含有量に限定はなく、パラフィン基
原油や混合基原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られ
る潤滑油留分を、水素化精製、溶剤精製、脱ろう、白土
精製、薬品(酸またはアルカリ)精製などの精製処理を
単独で、または同一もしくは同種の精製方法を含む2以
上の任意の精製方法を任意の順序で組み合わせて精製し
た、任意の全芳香族含有量を有するパラフィン系、ナフ
テン系などの鉱油系基油を用いることができる。しかし
ながら、鉱油系基油を用いる場合には、特に成分[II]
である2−tert−ブチル−4−アルキルオキシメチ
ル−6−アルキルフェノールとの相乗効果に優れるとい
う点で、やはり上記の成分(I−1)を併用するのがよ
り好ましい。成分(I−2)および/または(I−3)
と併用される上記のエステル系基油としては、例えば、
ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルア
ジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジ
ペート、ジ−3−エチルヘキシルセバケートなどに代表
されるジエステル油;トリメチロールプロパントリカプ
リレート、トリメチロールプロパントリペラルゴネー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(2−エチルヘキサノ
エート)、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート
などに代表されるポリオールエステル油;およびこれら
の中から選ばれる2種以上のエステル系基油の混合物な
どが挙げられる。またエーテル系基油としては、例え
ば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピ
レングリコール、ポリオキシエチレンオキシプロピレン
グリコール、ポリオキシブチレングリコールなどに代表
されるポリグリコール油;これらポリグリコール油のモ
ノアルキルエーテル化物やジアルキルエーテル化物;ジ
フェニルエーテル、ポリフェニレンエーテル、およびこ
れらの中から選ばれる2種以上のエーテル系基油の混合
物などが挙げられる。
【0007】本発明の成分[II]は、下記の一般式
(1)で表される2−tert−ブチル−4−アルキル
オキシメチル−6−アルキルフェノールである。
(1)で表される2−tert−ブチル−4−アルキル
オキシメチル−6−アルキルフェノールである。
【化7】 式(1)中、R1 は炭素数1〜4の直鎖状または分枝状
のアルキル基を、R2は炭素数1〜24の、直鎖状また
は分枝状の、アルキル基またはアルケニル基をそれぞれ
示している。R1 の具体例としては、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基などが挙げられるが、合成が容易である点か
ら、メチル基またはtert−ブチル基であることが好
ましい。R2 がアルキル基である場合の具体例として
は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基などのプロピル基;n−ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの
ブチル基;直鎖または分枝のペンチル基;直鎖または分
枝のヘキシル基;直鎖または分枝のヘプチル基;直鎖ま
たは分枝のオクチル基;直鎖または分枝のノニル基;直
鎖または分枝のデシル基;直鎖または分枝のウンデシル
基;直鎖または分枝のドデシル基;直鎖または分枝のト
リデシル基;直鎖または分枝のテトラデシル基;直鎖ま
たは分枝のペンタデシル基;直鎖または分枝のヘキサデ
シル基;直鎖または分枝のヘプタデシル基;直鎖または
分枝のオクタデシル基;直鎖または分枝のノナデシル
基;直鎖または分枝のイコシル基;直鎖または分枝のヘ
ンイコシル基;直鎖または分枝のドコシル基;直鎖また
は分枝のトリコシル基;直鎖または分枝のテトラコシル
基が挙げられる。R2 がアルケニル基である場合の具体
例としては、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル
基、直鎖または分枝のブテニル基、直鎖または分枝のペ
ンテニル基、直鎖または分枝のヘキセニル基、直鎖また
は分枝のヘプテニル基、直鎖または分枝のオクテニル
基、直鎖または分枝のノネニル基、直鎖または分枝のデ
セニル基、直鎖または分枝のウンデセニル基、直鎖また
は分枝のドデセニル基、直鎖または分枝のトリデセニル
基、直鎖または分枝のテトラデセニル基、直鎖または分
枝のペンタデセニル基、直鎖または分枝のヘキサデセニ
ル基、直鎖または分枝のヘプタデセニル基、直鎖または
分枝のオクタデセニル基、直鎖または分枝のオクタデカ
ジエニル基、直鎖または分枝のノナデセニル基、直鎖ま
たは分枝のイコセニル基、直鎖または分枝のヘンイコセ
ニル基、直鎖または分枝のドコセニル基、直鎖または分
枝のトリコセニル基、直鎖または分枝のテトラコセニル
基などが挙げられる。本発明の潤滑油組成物を高温条件
下で長時間使用した時におこる成分[II]の飛散、蒸発
が僅少である点で、上記一般式(1)におけるR2 の炭
素数は2以上であることが好ましい。そして、成分
[I]に対する溶解性を考慮すると、上記一般式(1)
におけるR2 は、炭素数4〜18のアルキル基、例え
ば、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、直鎖または分枝のペンチル基、直
鎖または分枝のヘキシル基、直鎖または分枝のヘプチル
基、直鎖または分枝のオクチル基、直鎖または分枝のノ
ニル基、直鎖または分枝のデシル基、直鎖または分枝の
ウンデシル基、直鎖または分枝のドデシル基、直鎖また
は分枝のトリデシル基、直鎖または分枝のテトラデシル
基、直鎖または分枝のペンタデシル基、直鎖または分枝
のヘキサデシル基、直鎖または分枝のヘプタデシル基、
直鎖または分枝のオクタデシル基などのアルキル基であ
ることがより好ましく、これらの中でも炭素数6〜12
の直鎖状または分枝状アルキル基であることがより一層
好ましく、さらにいえば炭素数6〜12の分枝状アルキ
ル基であることが特に好ましい。最も好ましいR2 は2
−エチルヘキシル基などの炭素数8の分枝状アルキル基
である。好ましい成分[II]は、上記一般式(1)にお
いて、R1 がメチル基またはtert−ブチル基であ
り、R2 が炭素数6〜12の直鎖状または分枝状アルキ
ル基であるものであり、特にR1 がメチル基またはte
rt−ブチル基で、R2 が炭素数6〜12の分枝状アル
キル基であるものが好ましい。当然のことではあるが、
本発明では一般式(1)に包含される化合物の1種又は
2種以上を成分[II]として使用することができる。本
発明における成分[II]として好ましい化合物を具体的
に摘記すると、2−tert−ブチル−4−n−ヘキシ
ルオキシメチル−6−メチルフェノール、2−tert
−ブチル−4−イソヘキシルオキシメチル−6−メチル
フェノール、2−tert−ブチル−4−n−ヘプチル
オキシメチル−6−メチルフェノール、2−tert−
ブチル−4−イソヘプチルオキシメチル−6−メチルフ
ェノール、2−tert−ブチル−4−n−オクチルオ
キシメチル−6−メチルフェノール、2−tert−ブ
チル−4−イソオクチルオキシメチル−6−メチルフェ
ノール、2−tert−ブチル−4−(2−エチルヘキ
シル)オキシメチル−6−メチルフェノール、2−te
rt−ブチル−4−n−ノニルオキシメチル−6−メチ
ルフェノール、2−tert−ブチル−4−イソノニル
オキシメチル−6−メチルフェノール、2−tert−
ブチル−4−n−デシルオキシメチル−6−メチルフェ
ノール、2−tert−ブチル−4−イソデシルオキシ
メチル−6−メチルフェノール、2−tert−ブチル
−4−n−ウンデシルオキシメチル−6−メチルフェノ
ール、2−tert−ブチル−4−イソウンデシルオキ
シメチル−6−メチルフェノール、2−tert−ブチ
ル−4−n−ドデシルオキシメチル−6−メチルフェノ
ール、2−tert−ブチル−4−イソドデシルオキシ
メチル−6−メチルフェノール、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−n−ヘキシルオキシメチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソヘキシルオキ
シメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−
4−n−ヘプチルオキシメチルフェノール、2,6−ジ
−tert−ブチル−4−イソヘプチルオキシメチルフ
ェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−オ
クチルオキシメチルフェノール、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−イソオクチルオキシメチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2−エチルヘキ
シル)オキシメチルフェノール、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−n−ノニルオキシメチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソノニルオキシ
メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4
−n−デシルオキシメチルフェノール、2,6−ジ−t
ert−ブチル−4−イソデシルオキシメチルフェノー
ル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ウンデシ
ルオキシメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−イソウンデシルオキシメチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ドデシルオキ
シメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−
4−イソドデシルオキシメチルフェノール、およびこれ
らの混合物などが挙げられる。本発明の成分[II]であ
る2−tert−ブチル−4−アルキルオキシメチル−
6−アルキルフェノールの製造方法は任意であり、特に
その製造方法によって限定されるものではない。参考ま
でに好ましい一例を示すと、2−tert−ブチル−4
−アルキルオキシメチル−6−アルキルフェノールは、
以下に示す3段階で得ることができる。まず、2−te
rt−ブチル−6−アルキルフェノールとジメチルアミ
ンおよびホルムアルデヒドを反応させることにより、2
−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチル−6−
アルキルフェノールを得る。次にこの生成物と無水酢酸
を反応させることによりジメチルアミノ基をアセトキシ
ル基と交換し、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−アルキルベンジルアセテートを得る。次にこの生
成物と脂肪族アルコールとを強酸性触媒存在下で反応さ
せることによりアセトキシル基をアルコキシル基に変換
して2−tert−ブチル−4−アルキルオキシメチル
−6−アルキルフェノールを得ることができる。ここで
いう脂肪族アルコールとしては炭素数1から24の脂肪
族アルコール、好ましくは炭素数4〜18の脂肪族アル
コール、さらに好ましくは炭素数6〜12の分枝状脂肪
族アルコール、最も好ましくは2−エチルヘキシルアル
コールを挙げることができる。また、強酸性触媒として
は過塩素酸、トリフェニル酢酸、硫酸などを挙げること
ができるが、この中でも過塩素酸が好ましい。本発明の
潤滑油組成物における成分[II]の配合量は、潤滑油基
油100重量部に対して、下限値が0.1重量部、好ま
しくは0.2重量部であり、一方、上限値が5重量部、
好ましくは3重量部である。成分[II]の配合量が潤滑
油基油100重量部に対して0.1重量部未満の場合
は、成分[II]の配合による酸化安定性向上効果が十分
でなく、一方、上限値が潤滑油基油100重量部に対し
て5重量部を超える場合は、配合量に見合うだけの酸化
安定性向上効果が得られず経済的に不利であるため、そ
れぞれ好ましくない。
のアルキル基を、R2は炭素数1〜24の、直鎖状また
は分枝状の、アルキル基またはアルケニル基をそれぞれ
示している。R1 の具体例としては、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基などが挙げられるが、合成が容易である点か
ら、メチル基またはtert−ブチル基であることが好
ましい。R2 がアルキル基である場合の具体例として
は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基などのプロピル基;n−ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの
ブチル基;直鎖または分枝のペンチル基;直鎖または分
枝のヘキシル基;直鎖または分枝のヘプチル基;直鎖ま
たは分枝のオクチル基;直鎖または分枝のノニル基;直
鎖または分枝のデシル基;直鎖または分枝のウンデシル
基;直鎖または分枝のドデシル基;直鎖または分枝のト
リデシル基;直鎖または分枝のテトラデシル基;直鎖ま
たは分枝のペンタデシル基;直鎖または分枝のヘキサデ
シル基;直鎖または分枝のヘプタデシル基;直鎖または
分枝のオクタデシル基;直鎖または分枝のノナデシル
基;直鎖または分枝のイコシル基;直鎖または分枝のヘ
ンイコシル基;直鎖または分枝のドコシル基;直鎖また
は分枝のトリコシル基;直鎖または分枝のテトラコシル
基が挙げられる。R2 がアルケニル基である場合の具体
例としては、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル
基、直鎖または分枝のブテニル基、直鎖または分枝のペ
ンテニル基、直鎖または分枝のヘキセニル基、直鎖また
は分枝のヘプテニル基、直鎖または分枝のオクテニル
基、直鎖または分枝のノネニル基、直鎖または分枝のデ
セニル基、直鎖または分枝のウンデセニル基、直鎖また
は分枝のドデセニル基、直鎖または分枝のトリデセニル
基、直鎖または分枝のテトラデセニル基、直鎖または分
枝のペンタデセニル基、直鎖または分枝のヘキサデセニ
ル基、直鎖または分枝のヘプタデセニル基、直鎖または
分枝のオクタデセニル基、直鎖または分枝のオクタデカ
ジエニル基、直鎖または分枝のノナデセニル基、直鎖ま
たは分枝のイコセニル基、直鎖または分枝のヘンイコセ
ニル基、直鎖または分枝のドコセニル基、直鎖または分
枝のトリコセニル基、直鎖または分枝のテトラコセニル
基などが挙げられる。本発明の潤滑油組成物を高温条件
下で長時間使用した時におこる成分[II]の飛散、蒸発
が僅少である点で、上記一般式(1)におけるR2 の炭
素数は2以上であることが好ましい。そして、成分
[I]に対する溶解性を考慮すると、上記一般式(1)
におけるR2 は、炭素数4〜18のアルキル基、例え
ば、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、直鎖または分枝のペンチル基、直
鎖または分枝のヘキシル基、直鎖または分枝のヘプチル
基、直鎖または分枝のオクチル基、直鎖または分枝のノ
ニル基、直鎖または分枝のデシル基、直鎖または分枝の
ウンデシル基、直鎖または分枝のドデシル基、直鎖また
は分枝のトリデシル基、直鎖または分枝のテトラデシル
基、直鎖または分枝のペンタデシル基、直鎖または分枝
のヘキサデシル基、直鎖または分枝のヘプタデシル基、
直鎖または分枝のオクタデシル基などのアルキル基であ
ることがより好ましく、これらの中でも炭素数6〜12
の直鎖状または分枝状アルキル基であることがより一層
好ましく、さらにいえば炭素数6〜12の分枝状アルキ
ル基であることが特に好ましい。最も好ましいR2 は2
−エチルヘキシル基などの炭素数8の分枝状アルキル基
である。好ましい成分[II]は、上記一般式(1)にお
いて、R1 がメチル基またはtert−ブチル基であ
り、R2 が炭素数6〜12の直鎖状または分枝状アルキ
ル基であるものであり、特にR1 がメチル基またはte
rt−ブチル基で、R2 が炭素数6〜12の分枝状アル
キル基であるものが好ましい。当然のことではあるが、
本発明では一般式(1)に包含される化合物の1種又は
2種以上を成分[II]として使用することができる。本
発明における成分[II]として好ましい化合物を具体的
に摘記すると、2−tert−ブチル−4−n−ヘキシ
ルオキシメチル−6−メチルフェノール、2−tert
−ブチル−4−イソヘキシルオキシメチル−6−メチル
フェノール、2−tert−ブチル−4−n−ヘプチル
オキシメチル−6−メチルフェノール、2−tert−
ブチル−4−イソヘプチルオキシメチル−6−メチルフ
ェノール、2−tert−ブチル−4−n−オクチルオ
キシメチル−6−メチルフェノール、2−tert−ブ
チル−4−イソオクチルオキシメチル−6−メチルフェ
ノール、2−tert−ブチル−4−(2−エチルヘキ
シル)オキシメチル−6−メチルフェノール、2−te
rt−ブチル−4−n−ノニルオキシメチル−6−メチ
ルフェノール、2−tert−ブチル−4−イソノニル
オキシメチル−6−メチルフェノール、2−tert−
ブチル−4−n−デシルオキシメチル−6−メチルフェ
ノール、2−tert−ブチル−4−イソデシルオキシ
メチル−6−メチルフェノール、2−tert−ブチル
−4−n−ウンデシルオキシメチル−6−メチルフェノ
ール、2−tert−ブチル−4−イソウンデシルオキ
シメチル−6−メチルフェノール、2−tert−ブチ
ル−4−n−ドデシルオキシメチル−6−メチルフェノ
ール、2−tert−ブチル−4−イソドデシルオキシ
メチル−6−メチルフェノール、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−n−ヘキシルオキシメチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソヘキシルオキ
シメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−
4−n−ヘプチルオキシメチルフェノール、2,6−ジ
−tert−ブチル−4−イソヘプチルオキシメチルフ
ェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−オ
クチルオキシメチルフェノール、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−イソオクチルオキシメチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2−エチルヘキ
シル)オキシメチルフェノール、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−n−ノニルオキシメチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソノニルオキシ
メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4
−n−デシルオキシメチルフェノール、2,6−ジ−t
ert−ブチル−4−イソデシルオキシメチルフェノー
ル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ウンデシ
ルオキシメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−イソウンデシルオキシメチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ドデシルオキ
シメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−
4−イソドデシルオキシメチルフェノール、およびこれ
らの混合物などが挙げられる。本発明の成分[II]であ
る2−tert−ブチル−4−アルキルオキシメチル−
6−アルキルフェノールの製造方法は任意であり、特に
その製造方法によって限定されるものではない。参考ま
でに好ましい一例を示すと、2−tert−ブチル−4
−アルキルオキシメチル−6−アルキルフェノールは、
以下に示す3段階で得ることができる。まず、2−te
rt−ブチル−6−アルキルフェノールとジメチルアミ
ンおよびホルムアルデヒドを反応させることにより、2
−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチル−6−
アルキルフェノールを得る。次にこの生成物と無水酢酸
を反応させることによりジメチルアミノ基をアセトキシ
ル基と交換し、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−アルキルベンジルアセテートを得る。次にこの生
成物と脂肪族アルコールとを強酸性触媒存在下で反応さ
せることによりアセトキシル基をアルコキシル基に変換
して2−tert−ブチル−4−アルキルオキシメチル
−6−アルキルフェノールを得ることができる。ここで
いう脂肪族アルコールとしては炭素数1から24の脂肪
族アルコール、好ましくは炭素数4〜18の脂肪族アル
コール、さらに好ましくは炭素数6〜12の分枝状脂肪
族アルコール、最も好ましくは2−エチルヘキシルアル
コールを挙げることができる。また、強酸性触媒として
は過塩素酸、トリフェニル酢酸、硫酸などを挙げること
ができるが、この中でも過塩素酸が好ましい。本発明の
潤滑油組成物における成分[II]の配合量は、潤滑油基
油100重量部に対して、下限値が0.1重量部、好ま
しくは0.2重量部であり、一方、上限値が5重量部、
好ましくは3重量部である。成分[II]の配合量が潤滑
油基油100重量部に対して0.1重量部未満の場合
は、成分[II]の配合による酸化安定性向上効果が十分
でなく、一方、上限値が潤滑油基油100重量部に対し
て5重量部を超える場合は、配合量に見合うだけの酸化
安定性向上効果が得られず経済的に不利であるため、そ
れぞれ好ましくない。
【0008】本発明の成分[III ]であるN−p−アル
キルフェニル−α−ナフチルアミンは、下記の一般式
(2)で表される。
キルフェニル−α−ナフチルアミンは、下記の一般式
(2)で表される。
【化8】 式(2)において、R3 は炭素数1〜16の直鎖状また
は分枝状のアルキル基を示す。R3 が示すアルキル基の
具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖状または分
枝状のペンチル基、直鎖状または分枝状のヘキシル基、
直鎖状または分枝状のヘプチル基、直鎖状または分枝状
のオクチル基、直鎖状または分枝状のノニル基、直鎖状
または分枝状のデシル基、直鎖状または分枝状のウンデ
シル基、直鎖状または分枝状のドデシ基、直鎖状または
分枝状のトリデシル基、直鎖状または分枝状のテトラデ
シル基、直鎖状または分枝状のペンタデシル基、直鎖状
または分枝状のヘキサデシル基などが挙げられる。成分
[III ]自体の酸化生成物が潤滑油基油に対して溶解性
に優れる点から、R3 は炭素数8〜16の分枝アルキル
基であることが好ましく、炭素数3または4のオレフィ
ンのオリゴマーから誘導される炭素数8〜16の分枝ア
ルキル基であることがより好ましい。ここでいう炭素数
3または4のオレフィンとしては、具体的にはプロピレ
ン、1−ブテン、2−ブテンおよびイソブチレンが挙げ
られるが、なかでもプロピレンまたはイソブチレンが好
ましい。つまり、一般式(2)におけるR3 は、イソブ
チレンの2量体から誘導される分枝オクチル基、プロピ
レンの3量体から誘導される分枝ノニル基、イソブチレ
ンの3量体から誘導される分枝ドデシル基、プロピレン
の4量体から誘導される分枝ドデシル基またはプロピレ
ンの5量体から誘導される分枝ペンタデシル基であるこ
とが通常好ましく、イソブチレンの2量体から誘導され
る分枝オクチル基、イソブチレンの3量体から誘導され
る分枝ドデシル基またはプロピレンの4量体から誘導さ
れる分枝ドデシル基あることが最も好ましい。なお、一
般式(2)におけるアルキル基R3 の炭素数が16を越
える場合は、分子中に占める官能基の割合が小さいた
め、このものの酸化防止能力は貧弱であり、また、R3
が水素に置換されたN−p−フェニル−α−ナフチルア
ミンは、その酸化生成物がスラッジとして沈降し易い。
本発明の成分[III ]には、市販のN−p−アルキルフ
ェニル−α−ナフチルアミンを使用することができる
が、次の方法でこれを合成することもできる。すなわ
ち、フェニル−α−ナフチルアミンと、炭素数1〜16
のハロゲン化アルキル化合物とを、あるいは炭素数2〜
16のオレフィンまたはそのオリゴマーと、フェニル−
α−ナフチルアミンとをフリーデル・クラフツ触媒の存
在下に反させることにより、N−p−アルキルフェニル
−α−ナフチルアミンを容易に合成することができる。
この際のフリーデル・クラフツ触媒としては、例えば、
塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化鉄などの金属ハロゲ
ン化物;硫酸、リン酸、五酸化リン、フッ化ホウ素、酸
性白土、活性白土などの酸性触媒;などを用いることが
できる。本発明の成分[III ]には、一般式(2)で規
定されるN−p−アルキルフェニル−α−ナフチルアミ
ンの1種もしくは2種以上が使用可能であって、その使
用量も適宜選択することができるが、潤滑油組成物にお
ける当該成分の含有量下限は、潤滑油組成物100重量
部に対して、一般に0.1重量部、好ましくは0.2重
量部であり、上限は一般に3重量部、好ましくは1重量
部である。成分[III ]の含有量が上記下限値未満であ
る場合は、組成物の酸化安定性が充分でなく、上限値を
越えて含有させても、それに見合うだけの効果の向上が
ないからである。
は分枝状のアルキル基を示す。R3 が示すアルキル基の
具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖状または分
枝状のペンチル基、直鎖状または分枝状のヘキシル基、
直鎖状または分枝状のヘプチル基、直鎖状または分枝状
のオクチル基、直鎖状または分枝状のノニル基、直鎖状
または分枝状のデシル基、直鎖状または分枝状のウンデ
シル基、直鎖状または分枝状のドデシ基、直鎖状または
分枝状のトリデシル基、直鎖状または分枝状のテトラデ
シル基、直鎖状または分枝状のペンタデシル基、直鎖状
または分枝状のヘキサデシル基などが挙げられる。成分
[III ]自体の酸化生成物が潤滑油基油に対して溶解性
に優れる点から、R3 は炭素数8〜16の分枝アルキル
基であることが好ましく、炭素数3または4のオレフィ
ンのオリゴマーから誘導される炭素数8〜16の分枝ア
ルキル基であることがより好ましい。ここでいう炭素数
3または4のオレフィンとしては、具体的にはプロピレ
ン、1−ブテン、2−ブテンおよびイソブチレンが挙げ
られるが、なかでもプロピレンまたはイソブチレンが好
ましい。つまり、一般式(2)におけるR3 は、イソブ
チレンの2量体から誘導される分枝オクチル基、プロピ
レンの3量体から誘導される分枝ノニル基、イソブチレ
ンの3量体から誘導される分枝ドデシル基、プロピレン
の4量体から誘導される分枝ドデシル基またはプロピレ
ンの5量体から誘導される分枝ペンタデシル基であるこ
とが通常好ましく、イソブチレンの2量体から誘導され
る分枝オクチル基、イソブチレンの3量体から誘導され
る分枝ドデシル基またはプロピレンの4量体から誘導さ
れる分枝ドデシル基あることが最も好ましい。なお、一
般式(2)におけるアルキル基R3 の炭素数が16を越
える場合は、分子中に占める官能基の割合が小さいた
め、このものの酸化防止能力は貧弱であり、また、R3
が水素に置換されたN−p−フェニル−α−ナフチルア
ミンは、その酸化生成物がスラッジとして沈降し易い。
本発明の成分[III ]には、市販のN−p−アルキルフ
ェニル−α−ナフチルアミンを使用することができる
が、次の方法でこれを合成することもできる。すなわ
ち、フェニル−α−ナフチルアミンと、炭素数1〜16
のハロゲン化アルキル化合物とを、あるいは炭素数2〜
16のオレフィンまたはそのオリゴマーと、フェニル−
α−ナフチルアミンとをフリーデル・クラフツ触媒の存
在下に反させることにより、N−p−アルキルフェニル
−α−ナフチルアミンを容易に合成することができる。
この際のフリーデル・クラフツ触媒としては、例えば、
塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化鉄などの金属ハロゲ
ン化物;硫酸、リン酸、五酸化リン、フッ化ホウ素、酸
性白土、活性白土などの酸性触媒;などを用いることが
できる。本発明の成分[III ]には、一般式(2)で規
定されるN−p−アルキルフェニル−α−ナフチルアミ
ンの1種もしくは2種以上が使用可能であって、その使
用量も適宜選択することができるが、潤滑油組成物にお
ける当該成分の含有量下限は、潤滑油組成物100重量
部に対して、一般に0.1重量部、好ましくは0.2重
量部であり、上限は一般に3重量部、好ましくは1重量
部である。成分[III ]の含有量が上記下限値未満であ
る場合は、組成物の酸化安定性が充分でなく、上限値を
越えて含有させても、それに見合うだけの効果の向上が
ないからである。
【0009】本発明の成分[IV]であるp,p’−ジア
ルキルジフェニルアミンは、下記の一般式(3)で表さ
れる。
ルキルジフェニルアミンは、下記の一般式(3)で表さ
れる。
【化9】 式(3)において、R4 およびR5 は個別に炭素数1〜
16の直鎖状または分枝状のアルキル基を示す。上記の
R4 およびR5 としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖状ま
たは分枝状のペンチル基、直鎖状または分枝状のヘキシ
ル基、直鎖状または分枝状のヘプチル基、直鎖状または
分枝状のオクチル基、直鎖状または分枝状のノニル基、
直鎖状または分枝状のデシル基、直鎖状または分枝状の
ウンデシル基、直鎖状または分枝状のドデシ基、直鎖状
または分枝状のトリデシル基、直鎖状または分枝状のテ
トラデシル基、直鎖状または分枝状のペンタデシル基、
直鎖状または分枝状のヘキサデシル基などが挙げられ
る。成分[IV]自体の酸化生成物が潤滑油基油に対して
溶解性に優れる点から、R4 およびR5 は炭素数3〜1
6の分枝アルキル基が好ましく、炭素数3または4のオ
レフィンまたはそのオリゴマーから誘導される炭素数3
〜16の分枝アルキル基がより好ましい。ここでいう炭
素数3または4のオレフィンとしては、具体的にはプロ
ピレン、1−ブテン、2−ブテンおよびイソブチレンが
挙げられるが、なかでもプロピレンまたはイソブチレン
が好ましい。つまり、一般式(3)におけるR4 および
R5 は、プロピレンから誘導されるイソプロピル基、イ
ソブチレンから誘導されるtert−ブチル基、プロピ
レンの2量体から誘導される分枝ヘキシル基、イソブチ
レンの2量体から誘導される分枝オクチル基、プロピレ
ンの3量体から誘導される分枝ノニル基、イソブチレン
の3量体から誘導される分枝ドデシル基、プロピレンの
4量体から誘導される分枝ドデシル基またはプロピレン
の5量体から誘導される分枝ペンタデシル基であること
が一般に好ましく、イソブチレンから誘導されるter
t−ブチル基、プロピレンの2量体から誘導される分枝
ヘキシル基、イソブチレンの2量体から誘導される分枝
オクチル基、プロピレンの3量体から誘導される分枝ノ
ニル基、イソブチレンの3量体から誘導される分枝ドデ
シル基またはプロピレンの4量体から誘導される分枝ド
デシル基であることが最も好ましい。なお、一般式
(3)におけるアルキル基R4 およびR5 の炭素数が1
6を越える場合は、分子中に占める官能基の割合が小さ
いため、このものの酸化防止能力は貧弱であり、また、
これらアルキル基が水素で置換されたジフェニルアミン
は、その酸化生成物がスラッジとして沈降し易い。本発
明の成分[IV]には、市販のp,p’−ジアルキルジフ
ェニルアミンが使用可能であるが、次の方法でこれを合
成することもできる。すなわち、成分[III ]のN−p
−アルキルフェニル−α−ナフチルアミンと同様に、ジ
フェニルアミンと炭素数1〜16のハロゲン化アルキル
化合物とを、あるいは炭素数2〜16のオレフィンまた
はそのオリゴマーと、ジフェニルアミンとをフリーデル
・クラフツ触媒の存在下で反応させることにより、容易
にp,p’−ジアルキルジフェニルアミンを合成するこ
とができる。この際のフリーデル・クラフツ触媒として
は、例えば、N−p−アルキルフェニル−α−ナフチル
アミンの合成例で列挙した金属ハロゲン化物や酸性触媒
などを用いることができる。本発明の成分[IV]には、
一般式(3)で規定されるp,p’−ジアルキルジフェ
ニルアミンの1種もしくは2種以上が使用可能であっ
て、その使用量も適宜選択することができるが、潤滑油
組成物における当該成分の含有量の下限は、潤滑油組成
物100重量部に対して、一般に0.1重量部、好まし
くは0.2重量部であり、上限は一般に3重量部、好ま
しくは1重量部である。成分[IV]の含有量が上記下限
値未満である場合は、組成物の酸化安定性が充分でな
く、上限値を越えて含有させても、それに見合うだけの
効果の向上がないからである。
16の直鎖状または分枝状のアルキル基を示す。上記の
R4 およびR5 としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖状ま
たは分枝状のペンチル基、直鎖状または分枝状のヘキシ
ル基、直鎖状または分枝状のヘプチル基、直鎖状または
分枝状のオクチル基、直鎖状または分枝状のノニル基、
直鎖状または分枝状のデシル基、直鎖状または分枝状の
ウンデシル基、直鎖状または分枝状のドデシ基、直鎖状
または分枝状のトリデシル基、直鎖状または分枝状のテ
トラデシル基、直鎖状または分枝状のペンタデシル基、
直鎖状または分枝状のヘキサデシル基などが挙げられ
る。成分[IV]自体の酸化生成物が潤滑油基油に対して
溶解性に優れる点から、R4 およびR5 は炭素数3〜1
6の分枝アルキル基が好ましく、炭素数3または4のオ
レフィンまたはそのオリゴマーから誘導される炭素数3
〜16の分枝アルキル基がより好ましい。ここでいう炭
素数3または4のオレフィンとしては、具体的にはプロ
ピレン、1−ブテン、2−ブテンおよびイソブチレンが
挙げられるが、なかでもプロピレンまたはイソブチレン
が好ましい。つまり、一般式(3)におけるR4 および
R5 は、プロピレンから誘導されるイソプロピル基、イ
ソブチレンから誘導されるtert−ブチル基、プロピ
レンの2量体から誘導される分枝ヘキシル基、イソブチ
レンの2量体から誘導される分枝オクチル基、プロピレ
ンの3量体から誘導される分枝ノニル基、イソブチレン
の3量体から誘導される分枝ドデシル基、プロピレンの
4量体から誘導される分枝ドデシル基またはプロピレン
の5量体から誘導される分枝ペンタデシル基であること
が一般に好ましく、イソブチレンから誘導されるter
t−ブチル基、プロピレンの2量体から誘導される分枝
ヘキシル基、イソブチレンの2量体から誘導される分枝
オクチル基、プロピレンの3量体から誘導される分枝ノ
ニル基、イソブチレンの3量体から誘導される分枝ドデ
シル基またはプロピレンの4量体から誘導される分枝ド
デシル基であることが最も好ましい。なお、一般式
(3)におけるアルキル基R4 およびR5 の炭素数が1
6を越える場合は、分子中に占める官能基の割合が小さ
いため、このものの酸化防止能力は貧弱であり、また、
これらアルキル基が水素で置換されたジフェニルアミン
は、その酸化生成物がスラッジとして沈降し易い。本発
明の成分[IV]には、市販のp,p’−ジアルキルジフ
ェニルアミンが使用可能であるが、次の方法でこれを合
成することもできる。すなわち、成分[III ]のN−p
−アルキルフェニル−α−ナフチルアミンと同様に、ジ
フェニルアミンと炭素数1〜16のハロゲン化アルキル
化合物とを、あるいは炭素数2〜16のオレフィンまた
はそのオリゴマーと、ジフェニルアミンとをフリーデル
・クラフツ触媒の存在下で反応させることにより、容易
にp,p’−ジアルキルジフェニルアミンを合成するこ
とができる。この際のフリーデル・クラフツ触媒として
は、例えば、N−p−アルキルフェニル−α−ナフチル
アミンの合成例で列挙した金属ハロゲン化物や酸性触媒
などを用いることができる。本発明の成分[IV]には、
一般式(3)で規定されるp,p’−ジアルキルジフェ
ニルアミンの1種もしくは2種以上が使用可能であっ
て、その使用量も適宜選択することができるが、潤滑油
組成物における当該成分の含有量の下限は、潤滑油組成
物100重量部に対して、一般に0.1重量部、好まし
くは0.2重量部であり、上限は一般に3重量部、好ま
しくは1重量部である。成分[IV]の含有量が上記下限
値未満である場合は、組成物の酸化安定性が充分でな
く、上限値を越えて含有させても、それに見合うだけの
効果の向上がないからである。
【0010】本発明によれば、潤滑油基油に上記した成
分[II]〜[IV]を配合するだけで、優れた酸化防止性
およびスラッジ生成防止性が長時間維持される潤滑油組
成物を得ることができるが、その各種性能をさらに高め
る目的で、公知の潤滑油添加剤の1種または2種以上を
配合することもできる。そうした添加剤としては、例え
ば、本発明の[II]成分以外のフエノール系酸化防止
剤、本発明の成分[III ]および成分[IV]以外のアミ
ン系酸化防止剤を初めとして、硫黄系、ジチオリン酸亜
鉛系、フェノチアジン系などの酸化防止剤;アルケニル
コハク酸、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコー
ルエステル、石油スルフォネート、ジノニルナフタレン
スルフォネートなどの錆止め剤;リン酸エステル、硫化
油脂、サルファイド、ジチオリン酸亜鉛などの摩耗防止
剤、極圧剤;脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アミ
ン、脂肪族アミン塩、脂肪酸アミドなどの摩擦低減剤;
アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フ
ェネート、アルカリ土類金属サリチレート、アルカリ土
類金属ホスフォネートなどの金属系清浄剤;アルケニル
コハク酸イミド、アルケニルコハク酸エステル、ベンジ
ルアミンなどの無灰分散剤;メチルシリコーン、フルオ
ロシリコーンなどの消泡剤;ポリメタクリレート、ポリ
イソブチレン、オレフィンコポリマー、ポリスチレンな
どの粘度指数向上剤、流動点降下剤などが使用可能であ
る。これらの添加剤を使用する場合、その添加量は適宜
選択できるが、一般には、潤滑油組成物100重量部に
対し、消泡剤では0.0005〜1重量部、粘度指数向
上剤では1〜30重量部、金属不活性化剤では0.00
5〜1重量部、その他の添加剤ではそれぞれ0.1〜1
5重量部である。本発明の潤滑油組成物は、ガスタービ
ン油、圧縮機油、油圧作動油など、高温での酸化安定性
が特に重視される潤滑油として好適に用いられるもので
あるが、他のタービン油;ガソリンエンジン油やディー
ゼルエンジン油などのエンジン油;自動車用ギヤ油(自
動変速機油、手動変速機油、デファレンシャル油)や工
業用ギヤ油などのギヤ油;冷凍機油;切削油、塑性加工
油(圧延油、プレス油、鍛造油、絞り加工油、引き抜き
油、打ち抜き油など)、熱処理油、放電加工油などの金
属加工油;滑り案内面油;軸受油;錆止め油;熱媒体油
などの各種潤滑油においても、好ましく用いられるもの
である。
分[II]〜[IV]を配合するだけで、優れた酸化防止性
およびスラッジ生成防止性が長時間維持される潤滑油組
成物を得ることができるが、その各種性能をさらに高め
る目的で、公知の潤滑油添加剤の1種または2種以上を
配合することもできる。そうした添加剤としては、例え
ば、本発明の[II]成分以外のフエノール系酸化防止
剤、本発明の成分[III ]および成分[IV]以外のアミ
ン系酸化防止剤を初めとして、硫黄系、ジチオリン酸亜
鉛系、フェノチアジン系などの酸化防止剤;アルケニル
コハク酸、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコー
ルエステル、石油スルフォネート、ジノニルナフタレン
スルフォネートなどの錆止め剤;リン酸エステル、硫化
油脂、サルファイド、ジチオリン酸亜鉛などの摩耗防止
剤、極圧剤;脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アミ
ン、脂肪族アミン塩、脂肪酸アミドなどの摩擦低減剤;
アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フ
ェネート、アルカリ土類金属サリチレート、アルカリ土
類金属ホスフォネートなどの金属系清浄剤;アルケニル
コハク酸イミド、アルケニルコハク酸エステル、ベンジ
ルアミンなどの無灰分散剤;メチルシリコーン、フルオ
ロシリコーンなどの消泡剤;ポリメタクリレート、ポリ
イソブチレン、オレフィンコポリマー、ポリスチレンな
どの粘度指数向上剤、流動点降下剤などが使用可能であ
る。これらの添加剤を使用する場合、その添加量は適宜
選択できるが、一般には、潤滑油組成物100重量部に
対し、消泡剤では0.0005〜1重量部、粘度指数向
上剤では1〜30重量部、金属不活性化剤では0.00
5〜1重量部、その他の添加剤ではそれぞれ0.1〜1
5重量部である。本発明の潤滑油組成物は、ガスタービ
ン油、圧縮機油、油圧作動油など、高温での酸化安定性
が特に重視される潤滑油として好適に用いられるもので
あるが、他のタービン油;ガソリンエンジン油やディー
ゼルエンジン油などのエンジン油;自動車用ギヤ油(自
動変速機油、手動変速機油、デファレンシャル油)や工
業用ギヤ油などのギヤ油;冷凍機油;切削油、塑性加工
油(圧延油、プレス油、鍛造油、絞り加工油、引き抜き
油、打ち抜き油など)、熱処理油、放電加工油などの金
属加工油;滑り案内面油;軸受油;錆止め油;熱媒体油
などの各種潤滑油においても、好ましく用いられるもの
である。
【0011】
【実施例】以下、本発明の内容を実施例および比較例に
よってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何
ら限定されるものではない。合成例1 2−tert−ブチル−6−メチルフェノールとジメチ
ルアミンおよびホルムアルデヒドを接触させることによ
り、2−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチル
−6−メチルフェノールを得た。次にこの生成物と無水
酢酸を接触させることにより、ジメチルアミノ基をアセ
トキシル基と交換させることにより、3−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジルアセテート
を得て、これと2−エチルヘキシルアルコールとを過塩
素酸存在下で接触させることにより、アセトキシル基を
アルコキシル基に変換し、2−tert−ブチル−4−
(2−エチルヘキシル)オキシメチル−6−メチルフェ
ノール(E)を得た。合成例2 2,6−ジ−tert−ブチルフェノールとジメチルア
ミンおよびホルムアルデヒドを接触させることにより、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメ
チルフェノールを得た。次にこの生成物と無水酢酸を接
触させることにより、ジメチルアミノ基をアセトキシル
基と交換させることにより、3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジルアセテートを得て、これ
と2−エチルヘキシルアルコールとを過塩素酸存在下で
接触させることにより、アセトキシル基をアルコキシル
基に変換し、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2
−エチルヘキシル)オキシメチルフェノール(F)を得
た。実施例1〜7および比較例1〜 6 下記の各成分を使用して表1に示す組成を有する潤滑油
組成物を調製した。[I]成分 A:40℃における動粘度が32mm2 /s、全芳香族含有
量が25質量%の溶剤精製パラフィン系鉱油 B:40℃における動粘度が32mm2 /s、全芳香族含有
量が5質量%の水素化分解精製パラフィン系鉱油 C:40℃における動粘度が31mm2 /s、数平均分子量
が480の1−デセンオリゴマー水素化物 D:40℃における動粘度が32mm2 /s、炭素数12〜
18のアルキル基を1個有するモノアルキルベンゼン混
合物[II]成分 E:2−tert−ブチル−4−(2−エチルヘキシ
ル)オキシメチル−6−メチルフェノール F:2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2−エチル
ヘキシル)オキシメチルフェノール[III ]成分 : G:N−p−分枝ドデシルフェニル−α−ナフチルアミ
ン(プロピレン4量体から誘導された分枝ドデシル基を
有する) H:N−p−分枝オクチルフェニル−α−ナフチルアミ
ン(イソブチレン2量体から誘導された分枝オクチル基
を有する)[IV]成分 : I:p,p’−ジ−分枝ノニルジフェニルアミン(プロ
ピレン3量体から誘導された分枝ノニル基を有する) J:p,p’−ジ−分枝オクチルジフェニルアミン(イ
ソブチレン2量体から誘導された分枝オクチル基を有す
る)その他の酸化防止 剤 K:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール
よってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何
ら限定されるものではない。合成例1 2−tert−ブチル−6−メチルフェノールとジメチ
ルアミンおよびホルムアルデヒドを接触させることによ
り、2−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチル
−6−メチルフェノールを得た。次にこの生成物と無水
酢酸を接触させることにより、ジメチルアミノ基をアセ
トキシル基と交換させることにより、3−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジルアセテート
を得て、これと2−エチルヘキシルアルコールとを過塩
素酸存在下で接触させることにより、アセトキシル基を
アルコキシル基に変換し、2−tert−ブチル−4−
(2−エチルヘキシル)オキシメチル−6−メチルフェ
ノール(E)を得た。合成例2 2,6−ジ−tert−ブチルフェノールとジメチルア
ミンおよびホルムアルデヒドを接触させることにより、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメ
チルフェノールを得た。次にこの生成物と無水酢酸を接
触させることにより、ジメチルアミノ基をアセトキシル
基と交換させることにより、3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジルアセテートを得て、これ
と2−エチルヘキシルアルコールとを過塩素酸存在下で
接触させることにより、アセトキシル基をアルコキシル
基に変換し、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2
−エチルヘキシル)オキシメチルフェノール(F)を得
た。実施例1〜7および比較例1〜 6 下記の各成分を使用して表1に示す組成を有する潤滑油
組成物を調製した。[I]成分 A:40℃における動粘度が32mm2 /s、全芳香族含有
量が25質量%の溶剤精製パラフィン系鉱油 B:40℃における動粘度が32mm2 /s、全芳香族含有
量が5質量%の水素化分解精製パラフィン系鉱油 C:40℃における動粘度が31mm2 /s、数平均分子量
が480の1−デセンオリゴマー水素化物 D:40℃における動粘度が32mm2 /s、炭素数12〜
18のアルキル基を1個有するモノアルキルベンゼン混
合物[II]成分 E:2−tert−ブチル−4−(2−エチルヘキシ
ル)オキシメチル−6−メチルフェノール F:2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2−エチル
ヘキシル)オキシメチルフェノール[III ]成分 : G:N−p−分枝ドデシルフェニル−α−ナフチルアミ
ン(プロピレン4量体から誘導された分枝ドデシル基を
有する) H:N−p−分枝オクチルフェニル−α−ナフチルアミ
ン(イソブチレン2量体から誘導された分枝オクチル基
を有する)[IV]成分 : I:p,p’−ジ−分枝ノニルジフェニルアミン(プロ
ピレン3量体から誘導された分枝ノニル基を有する) J:p,p’−ジ−分枝オクチルジフェニルアミン(イ
ソブチレン2量体から誘導された分枝オクチル基を有す
る)その他の酸化防止 剤 K:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール
【化10】 L:(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオン酸エステル
フェニル)プロピオン酸エステル
【化11】 M:フェニル−α−ナフチルアミン 表1に示す各潤滑油組成物について、以下に示す性能評
価試験を行った。その結果を表1に示す。腐食酸化安定度試 験 FED. TEST METHOD STD.(FEDERAL TEST METHOD STANDAR
D) No.791C のMETHOD5308.7 (September 30, 1986) に
規定する”CORROSIVE AND OXIDATION STABILI-TY OF LI
GHT OILS (METAL SQUARES)”に準拠して腐食酸化安定度
試験を行った。ただし試験温度を175℃、試験時間を
72時間に変更した。試験終了後に試料油の動粘度(@4
0 ℃、mm2 /s)および全酸価(mgKOH/g )を測定し、試
験前の試料油の動粘度(@40 ℃、mm2 /s)および全酸価
(mgKOH/g )に対する粘度変化率(%)および全酸価増
加(mgKOH/g )を求めた。スラッジ生成防止性試 験 図1に示す高温ポンプ循環試験装置により、試料油をピ
ストンポンプを用いて7MPa、120℃で循環し、循
環系内にセットしたラインフィルター(3μm)の前後
の差圧上昇をモニターした。スラッジがない場合の差圧
は約35kPaであるが、スラッジが捕集されると徐々
に差圧は上昇する。この差圧が200kPaになるまで
の運転時間を測定し、スラッジ生成防止性の尺度とし
た。なお、この運転時間の数値は大きいほどスラッジ生
成防止性に優れることを示す。
価試験を行った。その結果を表1に示す。腐食酸化安定度試 験 FED. TEST METHOD STD.(FEDERAL TEST METHOD STANDAR
D) No.791C のMETHOD5308.7 (September 30, 1986) に
規定する”CORROSIVE AND OXIDATION STABILI-TY OF LI
GHT OILS (METAL SQUARES)”に準拠して腐食酸化安定度
試験を行った。ただし試験温度を175℃、試験時間を
72時間に変更した。試験終了後に試料油の動粘度(@4
0 ℃、mm2 /s)および全酸価(mgKOH/g )を測定し、試
験前の試料油の動粘度(@40 ℃、mm2 /s)および全酸価
(mgKOH/g )に対する粘度変化率(%)および全酸価増
加(mgKOH/g )を求めた。スラッジ生成防止性試 験 図1に示す高温ポンプ循環試験装置により、試料油をピ
ストンポンプを用いて7MPa、120℃で循環し、循
環系内にセットしたラインフィルター(3μm)の前後
の差圧上昇をモニターした。スラッジがない場合の差圧
は約35kPaであるが、スラッジが捕集されると徐々
に差圧は上昇する。この差圧が200kPaになるまで
の運転時間を測定し、スラッジ生成防止性の尺度とし
た。なお、この運転時間の数値は大きいほどスラッジ生
成防止性に優れることを示す。
【表1】 表1の性能評価試験の結果から明らかなとおり、本発明
に係る実施例1〜7の組成物は、高温下においても非常
に優れた酸化安定性とスラッジ生成防止性を兼ね備えて
いる。特に基油として特定の基油を使用した実施例2〜
7の結果は、実施例1の結果より優れるものである。そ
れに対して、[II]成分を含有していない組成物(比較
例1)、[III ]成分を含有していない組成物(比較例
2)、[IV]成分を含有していない組成物(比較例
3)、[II]成分の代わりに他のフェノール系酸化防止
剤を含有する組成物(比較例4および5)、[III ]成
分の代わりにフェニル−α−ナフチルアミンを含有する
組成物(比較例6)は、いずれも酸化安定性とスラッジ
生成防止性に劣っており、特に比較例1〜5は酸化安定
性に、また比較例6はスラッジ生成防止性に大きく劣る
ものである。
に係る実施例1〜7の組成物は、高温下においても非常
に優れた酸化安定性とスラッジ生成防止性を兼ね備えて
いる。特に基油として特定の基油を使用した実施例2〜
7の結果は、実施例1の結果より優れるものである。そ
れに対して、[II]成分を含有していない組成物(比較
例1)、[III ]成分を含有していない組成物(比較例
2)、[IV]成分を含有していない組成物(比較例
3)、[II]成分の代わりに他のフェノール系酸化防止
剤を含有する組成物(比較例4および5)、[III ]成
分の代わりにフェニル−α−ナフチルアミンを含有する
組成物(比較例6)は、いずれも酸化安定性とスラッジ
生成防止性に劣っており、特に比較例1〜5は酸化安定
性に、また比較例6はスラッジ生成防止性に大きく劣る
ものである。
【図1】潤滑油組成物のスラッジ生成防止性を評価する
ために使用した装置の概略図。
ために使用した装置の概略図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:04 30:10 40:06 40:08 40:12 (72)発明者 吉田 俊男 横浜市中区千鳥町8番地 日本石油株式会 社中央技術研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 [I]潤滑油基油100重量部に対し、
[II]下記の一般式(1)で表される2−tert−ブ
チル−4−アルキルオキシメチル−6−アルキルフェノ
ールを0.1〜5重量部配合し、さらに[III ]下記の
一般式(2)で表されるN−p−アルキルフェニル−α
−ナフチルアミンと、[IV]下記の一般式(3)で表さ
れるp,p’−ジアルキルジフェニルアミンを配合して
なる潤滑油組成物。 【化1】 [式(1)中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、R2 は炭素数1〜24のアルキル基またはアルケニ
ル基を示す。] 【化2】 [式(2)中、R3 は炭素数1〜16のアルキル基を示
す。] 【化3】 [式(3)中、R4 およびR5 は個別に炭素数1〜16
のアルキル基を示す。]
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13429496A JPH09296192A (ja) | 1996-05-01 | 1996-05-01 | 潤滑油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13429496A JPH09296192A (ja) | 1996-05-01 | 1996-05-01 | 潤滑油組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09296192A true JPH09296192A (ja) | 1997-11-18 |
Family
ID=15124928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13429496A Pending JPH09296192A (ja) | 1996-05-01 | 1996-05-01 | 潤滑油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09296192A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8318645B2 (en) | 2005-12-09 | 2012-11-27 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Lubricant composition |
CN115960651A (zh) * | 2021-10-12 | 2023-04-14 | 中国石油化工股份有限公司 | 抗氧剂组合物及其制备方法 |
-
1996
- 1996-05-01 JP JP13429496A patent/JPH09296192A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8318645B2 (en) | 2005-12-09 | 2012-11-27 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Lubricant composition |
CN115960651A (zh) * | 2021-10-12 | 2023-04-14 | 中国石油化工股份有限公司 | 抗氧剂组合物及其制备方法 |
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