JPH0929508A - 強靭性表面被覆超硬合金 - Google Patents

強靭性表面被覆超硬合金

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JPH0929508A
JPH0929508A JP19900595A JP19900595A JPH0929508A JP H0929508 A JPH0929508 A JP H0929508A JP 19900595 A JP19900595 A JP 19900595A JP 19900595 A JP19900595 A JP 19900595A JP H0929508 A JPH0929508 A JP H0929508A
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JP
Japan
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cemented carbide
surface portion
titanium
substrate
carbide
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JP19900595A
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English (en)
Inventor
Masaki Kobayashi
正樹 小林
Satoshi Kinoshita
聡 木下
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Tungaloy Corp
Original Assignee
Toshiba Tungaloy Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 超硬合金の表面部の立方晶系化合物を貧化さ
せ、かつ表面部中に板状晶WCを多量に含有させて、そ
の板状晶WCの結晶面を特定方向に配向させた基体上に
被膜を被覆することにより、基体表面部の硬さ,靱性,
耐塑性変形性,耐衝撃性および耐熱衝撃性を向上させ
る。 【解決手段】 W,Co,W−Co合金,WとCoを含
む合金,W−Co−Cの複合炭化物,の中の1種以上で
なるWとCoとの含有物質に、炭素,黒鉛または炭化物
を形成するために必要となる炭素源物質を所定量含有さ
せた出発物質と、さらに目的の超硬合金組成物となるよ
うに従来から市販されているWC,Co,Ni,Cr,
V,TiC,TiN,TiCN,TaC,(TiW)
C,(TiTaW)Cなどの各種の出発物質とを従来か
ら行われている粉末冶金法である混合,成形,焼結の各
工程を経て作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐摩耗性と靱性
を兼備した表面被覆超硬合金に関し、耐摩耗性,耐衝撃
性および耐熱衝撃性を要求される工具、特に鋼の断続旋
削工具またはフライス切削工具として用いた場合に優れ
た耐欠損性を発揮する強靱性表面被覆超硬合金に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から表面被覆超硬合金は、切削工具
として実用されており、切削工具としては、被覆膜の耐
摩耗性向上と基体である超硬合金の靱性向上の両方が求
められている。切削工具の中でも、特に鋼の断続旋削工
具またはフライス切削工具などでは超硬合金の基体の靱
性改善が重要となっている。
【0003】表面被覆超硬合金の基体の改善の1つの方
策として、基体となるWC−立方晶系化合物−Co系超
硬合金において、その表面部の立方晶系化合物を他の部
分よりも少なくすること、またはその表面部の結合相濃
度を他の部分よりも増加させた結合相の富化層を設ける
ことにより、靱性すなわち耐欠損性を向上させた表面被
覆超硬合金が提案されている。これらの代表的なものと
して、特公昭57−39301号公報,特開昭62−1
05628号公報,特開昭63−93865号公報,特
開昭63−114970号公報,特開昭63−1693
56号公報および特開平1−287245号公報があ
る。また、一方超硬合金に含有する炭化タングステンの
結晶構造に着目し、板状晶炭化タングステン(以下、
「板状晶WC」と記す)を含有させて超硬合金の特性を
改善しているものの代表的なものとして、特公昭46−
29484号公報,特公昭47−23049号公報,特
公昭47−23050号公報,特開平2−47239号
公報,特開平2−51408号公報,特開平2−138
434号公報,特開平2−274827号公報および特
開平5−339659号公報がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】表面被覆超硬合金の基
体の表面部を改質した先行技術の内、特公昭57−39
301号公報には超硬合金の基体表面部における立方晶
系化合物を他の部分よりも少なくしたことが記載されて
いる。また、特開昭62−105628号公報,特開昭
63−93865号公報,特開昭63−114970号
公報,特開昭63−169356号公報および特開平1
−287245号公報には、超硬合金の基体表面部にお
ける結合相を他の部分より貧化したこと、または結合相
を貧化すると共に立方晶系化合物も貧化したことが記載
されている。基体の表面部を改質したこれらの先行技術
の超硬合金は、基体の表面付近の靱性を向上させる効果
により耐欠損性は改善されるものの、硬さが低下するた
めに塑性変形に伴う耐摩耗性の劣化が著しいという問題
がある。
【0005】一方、板状晶WCを含有させた超硬合金に
ついての先行技術である特公昭46−29484号公
報,特公昭47−23049号公報,特公昭47−23
050号公報,特開平2−47239号公報,特開平2
−51408号公報,特開平2−138434号公報,
特開平2−274827号公報および特開平5−339
659号公報には、板状晶WCを含有した超硬合金の製
造方法またはその超硬合金に関して記載されている。こ
れらの板状晶WCに関連した超硬合金の製造方法または
その超硬合金は、板状晶WCを製造するのが非常に困難
であること、板状晶WCの生成比率が少ない製造方法で
あること、板状晶WCの含有量が少ない超硬合金である
こと、または超硬合金の表面部に板状晶WCを配向させ
ることが困難であることから、これらを表面被覆超硬合
金の基体表面部に応用したとしても基体の表面付近の靱
性を向上させる効果が弱いという問題がある。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決した
もので、具体的には、超硬合金の表面部に立方晶系化合
物を含有させなくするか、または貧化させて、かつ表面
部中に板状晶WCを多量に含有させて、その板状晶WC
の結晶面を特定方向に配向させた基体上に被膜を被覆す
ることにより、基体表面部の硬さ,靱性,耐塑性変形
性,耐衝撃性および耐熱衝撃性を向上させると共に、被
膜の優れた付着性および耐摩耗性などの特性を最大限に
発揮させることができたものであり、板状晶WCを含有
する表面相を有する基体とその上に被覆された被膜との
シナジ−効果としての耐摩耗性と耐欠損性に優れた表面
被覆超硬合金の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、超硬合金
の表面部の立方晶系化合物を貧化させた基体上に被膜を
被覆した表面被覆超硬合金における基体について、長年
に亘り、表面部の硬さと靱性を同時に向上させるための
検討を行っていた所、表面部に板状晶WCを含有させる
とその目的が達成される傾向にあること、さらに板状晶
WCの結晶面の方位を揃えて配向させると、被膜と基体
のそれぞれの特性が一層向上すると言う知見を得て、本
発明を完成するに至ったものである。
【0008】本発明の強靱性表面被覆超硬合金は、Co
を主成分とする結合相4〜12重量%と、W元素と周期
律表の4a,5a族元素の中の少なくとも1種との炭化
物,炭窒化物,炭酸化物,炭窒酸化物でなる立方晶系化
合物の第1硬質相5〜30重量%と、残りが炭化タング
ステンの第2硬質相と不可避不純物とでなる超硬合金の
基体上に被膜を被覆してなる被覆超硬合金であって、該
超硬合金の表面から内部に向かって5〜30μm深さに
おける表面部は、該第1硬質相を含有してなく、または
該超硬合金の中心部に比べて該第1硬質相が貧化してお
り、かつ該表面部の中の該第2硬質相は、結晶が配向さ
れた板状晶炭化タングステンを含有していることを特徴
とするものである。
【0009】本発明の表面被覆超硬合金における基体に
含有している結合相は、具体的には、例えばCoのみか
らなる場合、または結合相の50重量%以上がCoで、
残りがW,Cr,Mo,V,Niの1種以上を固溶した
Co合金でなる場合を挙げることができる。これらの
内、特に10重量%以下のW,Cr,Niを固溶したC
o合金でなる結合相の場合は、耐食性,耐塑性変形性を
高めることができることから好ましいことである。この
結合相の量は、超硬合金全体に対して4重量%未満にな
ると靱性が低下し、表面被覆超硬合金の工具として用い
ると耐欠損性が劣化し、逆に12重量%を超えて多くな
ると硬さが低下して耐摩耗性が劣化するために、4〜1
2重量%と定めたものである。
【0010】本発明の表面被覆超硬合金における基体に
含有している硬質相は、結晶構造が立方晶系化合物でな
る第1硬質相と炭化タングステンの第2硬質相とでな
り、これらの内、第1硬質相を具体的に例示すると、
(WTi)C,(WTi)(CN),(WTi)(C
O),(WTi)(CNO),(WZr)(CN),
(WTa)(CN),(WTiTa)(CN),(WN
b)(CN),(WTiZr)(CN)などを挙げるこ
とができる。この第1硬質相は、製造の容易性から炭窒
化物,炭酸化物,炭窒酸化物でなることが、特に好まし
いことである。この第1硬質相が基体全体に対して5重
量%未満になると基体内部の耐塑性変形性が低下し、表
面被覆超硬合金製工具としての耐摩耗性が劣化し、逆に
30重量%を超えて多くなると靱性が低下して耐欠損性
が劣化するために、5〜30重量%と定めたものであ
る。
【0011】本発明の表面被覆超硬合金における基体の
表面部は、具体的には、実質的に立方晶系化合物でなる
第1硬質相を含有してなく、炭化タングステンでなる第
2硬質相と結合相からなり、かつ配向された板状晶WC
を含有している例1の場合、基体の中心部に対し第1硬
質相の含有量が減少または表面から中心部へ漸減してお
り、残りが第2硬質相と結合相からなり、かつ配向され
た板状晶WCを含有している例2の場合、例1の場合の
構成を有し、さらに表面部の平均結合相量が表面より
0.5mm以上の深さの内部の平均結合相量に対し、
1.05〜1.30倍多くなっている例3の場合、例2
の場合の構成を有し、さらに表面部の平均結合相量が表
面より0.5mm以上の深さの内部の平均結合相量に対
し、1.05〜1.30倍多くなっている例4の場合を
例示することができる。また、表面相中の結合相が不均
一に分布している場合、例えば、表面ほど結合相含有量
が多く、表面または表面部の中で最大値を持つ場合、も
しくは表面から中心部に向かって結合相量が漸減してい
るなどに分布する場合も好ましいこととして例示でき
る。この表面部の深さは、表面から5μm未満では表面
部を形成したことによる靱性向上が少なく表面被覆超硬
合金製工具としての耐欠損性改善効果が低く、逆に30
μmを超えて深くなると耐塑性変形性が低下して耐摩耗
性が劣化するために、5〜30μmと定めたものであ
り、特に10〜20μmの表面部深さが好ましい。
【0012】また、基体の表面部に含有する板状晶WC
は、その結晶方位が特定方向に配向したもので、具体的
には、多面体形状を有する基体の少なくとも1つの面に
存在する表面部において、この表面に平行な面をp面と
し、この表面の垂直断面をh面とし、p面およびh面に
おけるWC結晶の(001)面と(101)面でのX線
回折法によるピーク強度をそれぞれp(001),p
(101),h(001)およびh(101)と表わし
たとき、p(001)/p(101)>1.2×h(0
01)/h(101)でなることが好ましい。p(00
1)/p(101)≦1.2×h(001)/h(10
1)では、板状晶WCの配向効果が低くて、基体の硬さ
および靱性の改善効果が少なく、p(001)/p(1
01)>1.5×h(001)/h(101)であるこ
とがさらに好ましい。
【0013】さらに、基体の表面部に含有する板状晶W
Cは、基体の断面組織上で観察されるアスペクト比が3
〜20でなり、かつ該表面部に含まれている炭化タング
ステン全体の30体積%以上であることが好ましく、特
に表面部の炭化タングステン全体の50体積%以上であ
ることが好ましいことである。
【0014】一方、基体の表面部を構成する結合相は、
表面部中の平均結合相量が基体の表面より0.5mm以
上の深さの内部平均結合相量より、1.05〜1.30
倍多いと、基体の表面部の靱性が増大して表面被覆超硬
合金製工具としての耐欠損性をより向上させることがで
きるので好ましい。
【0015】基体の表面部は、板状晶WCを含有した炭
化タングステンでなる第2硬質相と結合相とからなる場
合、またはこれらの他に基体の中心部の含有量に対比し
て減少した立方晶系化合物でなる第1硬質相が存在して
いる場合があるが、耐欠損性を重要視する用途には前者
が好ましく、高温における耐摩耗性および耐熱性を重要
視する用途には後者が好ましく、用途,形状に合せて板
状晶WCの含有量と結合相量と第1硬質相量とを調整す
ることにより最適な表面被覆超硬合金を得ることができ
る。
【0016】これらの本発明の表面被覆超硬合金を多面
体形状からなる切削工具チップとして用いる場合は、少
なくとも切削工具チップのすくい面に表面部が形成され
ていると表面被覆超硬合金製工具としての耐欠損性をよ
り向上させることができるので好ましい。
【0017】以上のような構成でなる表面部を有する基
体上に被覆される被膜は、従来から超硬合金の表面に被
覆されている被膜の膜質および被膜の膜構成とすること
ができる。この被膜は、具体的には、例えば周期律表の
4a,5a,6a族の金属元素を1種以上含む化合物,
酸化アルミニウム,硬質窒化硼素,立方晶窒化硼素,ダ
イヤモンド状カ−ボン,ダイヤモンドを挙げることがで
きる。これらの被膜の内、特に炭化チタン,窒化チタ
ン,炭窒化チタン,炭酸化チタン,窒酸化チタン,炭窒
酸化チタン,窒化チタン・アルミニウム,炭窒化チタン
・アルミニウム,窒酸化チタン・アルミニウム,炭窒酸
化チタン・アルミニウム,酸化アルミニウムの中の1種
の単層または2種以上の複層でなる硬質被膜が基体上に
被覆されていることが好ましいことである。これらの被
膜の構成は、基体に直接これらの被膜を被覆する場合,
基体にその他の被膜を介在させて、その上にこれらの被
膜を被覆する場合,またはこのような被膜構成にした
後、さらに別種の被膜を被覆するという構成にすること
も好ましいことである。これらの各種の被膜構成におけ
る被膜の総膜厚は、被膜の効果を最大に発揮させるため
に2〜20μmでなることが好ましいことである。
【0018】この被膜の構成は、具体的には、例えば基
体の表面から順次被覆する被膜構成がTiN−TiC−
TiN,TiCN−TiC−Al23−TiN,TiN
−TiCN−TiC−Al23−TiN,TiC−Ti
CN−Al23−TiN,TiCN−(TiAl)N,
TiCN−(TiAl)N−Al23−TiNの複層な
どを挙げることができる。この被膜の総厚みは、2μm
未満では被膜による耐摩耗性向上が少なく、逆に20μ
mを超えて厚くなると脆弱な被膜により強度が低下して
耐欠損性が劣化するために、2〜20μmと定めたもの
である。特に、被膜の総厚みは、旋削工具用には8〜1
5μm、フライス工具用には3〜6μmでなることが好
ましい。
【0019】本発明の強靱性表面被覆超硬合金は、基体
である超硬合金について、以下のような作製手順でもっ
て基体を作製し、その基体上に従来から行われている化
学蒸着法(CVD法)または物理蒸着法(PVD法)、
もしくは両方の方法でもって各種の被膜材質,被膜厚さ
に調節することにより作製することができる。
【0020】基体である超硬合金は、各種の方法により
作製することも考えられるが、簡便な方法としては具体
的には、例えばW,Co,W−Co合金,WとCoを含
む合金,W−Co−Cの複合炭化物,の中の1種以上で
なるWとCoとの含有物質に、炭素,黒鉛または炭化物
を形成するために必要となる炭素源物質を所定量含有さ
せた出発物質と、さらに目的の超硬合金組成物となるよ
うに従来から市販されているWC,Co,Ni,Cr,
V,TiC,TiN,TiCN,TaC,(TiW)
C,(TiTaW)Cなどの各種の出発物質とを従来か
ら行われている粉末冶金法である混合,成形,焼結の各
工程を経て作製することができる。
【0021】
【作用】本発明の強靱性表面被覆超硬合金は、特に、超
硬合金の基体表面に形成されている表面部中に板状晶W
Cを含有すること、かつこの板状晶WCが特定な面に配
向されていることにより、板状晶WCがその面における
硬さ,靱性,強度を顕著に高める作用をし、この表面部
を有する基体上に被覆した被膜が耐摩耗性を高める作用
をし、基体の表面部の構成と基体上の被膜とのシナジ−
効果により、特に被覆超硬合金を切削工具として使用し
たときにおける耐摩耗性および耐欠損性を顕著に改善す
る作用をしているものである。
【0022】
【実施例1】市販されている平均粒子径が2.2μmの
W,1.0μmのCo,6μmの黒鉛(表中でGと記
す),3.5μmのWC,1.0μmの(WTi)Cの
複合炭化物(重量比でWC:TiC=70:30),
1.0μmのTaC,1.5μmのNbC,1.2μm
のTiN,0.02のμmのTiO2の各粉末を用い
て、表1に示す配合組成に秤量し、ステンレス製ポット
にアセトン溶媒と超硬合金製ボールと共に挿入し、48
時間混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。この粉末を
用いて、JIS−B4120に記載のSNGN1204
08形状用の金型でもって2ton/cm2の圧力でプ
レス成形し、得られた粉末成形体を雰囲気圧力10Pa
の真空中、1420℃で1時間の加熱焼結により、本発
明品を得るための超硬合金の基体1〜5および比較品を
得るための基体1〜5を得た。
【0023】こうして得た各種の基体について、上下面
(プレス方向に垂直な面)と垂直方向に切断し、その切
断面を研磨加工と1μmのダイヤモンドペーストによる
ラップ加工を施した後、断面について組織観察,組成分
析,X線回折を行った。これらの各種の基体について、
表面部の厚み(表面からの深さ),表面部中と表面から
0.5mm内部(中心部と同等)の平均組成,表面部中
でのWC平均粒子径および表面部中での板状晶WCの割
合を求めて、これらの結果を表2に記載した。
【0024】次いで、 各種の基体をそれぞれ上面ある
いは下面をダイヤモンドペーストによるラップ加工で約
3μm研磨した後、表面部のマイクロビッカース硬さ,
表面から0.5mm内部のマイクロビッカース硬さ,表
面部を含む表面付近の破壊靱性値K1C(IM法で荷重:
196N),表面部中でのWC結晶の(101)面に対
する(001)面のピーク強度比を求めて、これらの結
果を表3に記載した。
【0025】
【実施例2】実施例1の表1に示した本発明品用の1,
2,3および比較品用の1,2,3の各配合組成をそれ
ぞれ実施例1と同様に処理した混合粉末を用いて、JI
S−B4120に記載のCNMG120408(ブレー
カ付き)の金型でもって、実施例1と同様の条件でプレ
ス成形,焼結して切削工具用の超硬合金チツプを得た。
これらのチツプの上下ボス面を研削し、刃先部にダイヤ
モンドブラシで0.03mmのRホーニングを施した
後、CVDコーテイング装置を用いて、チップの基体側
から被膜厚さおよび被膜材質が1.0μmのTiN,
6.0μmのTiCN,1.0μmのTiC,3.0μ
mのAl23,1.0μmのTiNでなる被膜を順次被
覆し、被膜の総合計厚さ12μmを被覆し、本発明品
6,7,8および比較品6,7,8を得た。こうして得
た表面被覆超硬合金製工具チップを用いて、被削材:S
48C(4本溝入り),切削速度:200m/min,
切込み:2.0mm,送り:0.25mm/revの条
件で乾式断続旋削試験を行い、切刃のチッピング,刃先
の破損または平均逃げ面摩耗幅が0.35mmとなるま
での寿命時間を求めた結果、本発明品6=35min,
本発明品7=47min,本発明品8=30min,比
較品6=17min,比較品7=27min,比較品8
=19minでそれぞれ寿命となった。
【0026】
【実施例3】実施例1の表1に示した本発明品用の4,
5および比較品用の4,5の配合組成を用いて、実施例
2と同様に行ってJIS−B4120に記載のSEKR
1203AFTN(ブレーカ付き)の超硬合金チツプを
得た。これらのチツプの下ボス面を研削し、刃先部にダ
イヤモンドブラシで0.03mmのRホーニングを施し
た後、CVDコーテイング装置を用いて、チップの基体
側から被膜厚さおよび被膜材質が1.0μmのTiN,
1.0μmのTiCN,0.5μmのAl23,0.5
μmのTiNでなる被膜を順次被覆し、被膜総合計厚さ
3μmを被覆し、本発明品9,10および比較品9,1
0を得た。こうして得た表面被覆超硬合金製工具チップ
をそれぞれ3個を用いて、被削材:SCM440,切削
速度:100m/min,切込み:2.0mm,送り:
0.25mm/刃の条件で乾式フライス切削試験を行
い、切刃のチッピングまたは破損までの平均寿命時間を
求めた結果、本発明品9=27min,本発明品10=
35min,比較品9=19min,比較品10=21
minでそれぞれ寿命となった。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】本発明の強靱性表面被覆超硬合金は、第
1硬質相である立方晶系化合物を含有してなく、WCー
Co組織でなる表面部を有するWC−立方晶系化合物−
Co系超硬合金に硬質膜を被覆してなる従来の表面被覆
超硬合金または板状晶WCを少量含有した表面部を有す
る本発明を外れた表面被覆超硬合金に比べ、強断続の旋
削加工やフライス切削において欠損およびチッピングが
生じ難く、顕著に長寿命であるという優れた効果があ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Coを主成分とする結合相4〜12重量
    %と、W元素と周期律表の4a,5a族元素の中の少な
    くとも1種との炭化物,炭窒化物,炭酸化物,炭窒酸化
    物でなる立方晶系化合物の第1硬質相5〜30重量%
    と、残りが炭化タングステンの第2硬質相と不可避不純
    物とでなる超硬合金の基体上に被膜を被覆してなる被覆
    超硬合金において、該超硬合金の表面から内部に向かっ
    て5〜30μm深さにおける表面部は、該第1硬質相を
    含有してなく、または該超硬合金の中心部に比べて該第
    1硬質相が貧化しており、かつ該表面部の中の該第2硬
    質相は、結晶が配向された板状晶炭化タングステンを含
    有していることを特徴とする強靱性表面被覆超硬合金。
  2. 【請求項2】 上記被膜は、炭化チタン,窒化チタン,
    炭窒化チタン,炭酸化チタン,窒酸化チタン,炭窒酸化
    チタン,窒化チタン・アルミニウム,炭窒化チタン・ア
    ルミニウム,窒酸化チタン・アルミニウム,炭窒酸化チ
    タン・アルミニウム,酸化アルミニウムの中の1種の単
    層または2種以上の複層でなる硬質被膜でなり、かつ該
    被膜の総膜厚が2〜20μmでなることを特徴とする請
    求項1記載の強靱性表面被覆超硬合金。
  3. 【請求項3】 上記表面部に含有する上記板状晶炭化タ
    ングステンは、上記基体の断面組織上で観察されるアス
    ペクト比が3〜20でなり、かつ該表面部に含まれてい
    る炭化タングステン全体の30体積%以上であることを
    特徴とする請求項1または2記載の強靱性表面被覆超硬
    合金。
  4. 【請求項4】 上記超硬合金の基体が多面体形状でな
    り、該多面体形状の少なくとも1つの面における上記表
    面部は、表面に平行な面をp面とし、該表面に対して垂
    直断面をh面とし、該p面およびh面における炭化タン
    グステン結晶の(001)面と(101)面でのX線回
    折法によるピーク強度をそれぞれp(001),p(1
    01),h(001)およびh(101)と表わしたと
    き、p(001)/p(101)>1.2×h(00
    1)/h(101)でなることを特徴とする請求項1,
    2または3記載の強靱性表面被覆超硬合金。
  5. 【請求項5】 上記超硬合金の基体は、多面体形状でな
    る切削工具チップであり、上記表面部がすくい面に形成
    されていることを特徴とする請求項1,2,3または4
    記載の強靱性表面被覆超硬合金。
  6. 【請求項6】 上記表面部は、該表面部に含有する結合
    相の平均量が表面より0.5mm以上の深さの内部にお
    ける結合相の平均量より、1.05〜1.30倍多いこ
    とを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の強
    靱性表面被覆超硬合金。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003082432A (ja) * 2001-09-11 2003-03-19 Sumitomo Electric Ind Ltd 硬質材料および刃先交換型切削チップ
JP2005248309A (ja) * 2004-03-08 2005-09-15 Tungaloy Corp 超硬合金および被覆超硬合金
JP2012101288A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Tungaloy Corp サーメットおよび被覆サーメット

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