JPH09295073A - パンチプレスを用いたコイル材の加工方法及び加工装置 - Google Patents

パンチプレスを用いたコイル材の加工方法及び加工装置

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JPH09295073A
JPH09295073A JP13133296A JP13133296A JPH09295073A JP H09295073 A JPH09295073 A JP H09295073A JP 13133296 A JP13133296 A JP 13133296A JP 13133296 A JP13133296 A JP 13133296A JP H09295073 A JPH09295073 A JP H09295073A
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coil material
cutting
drilling
feeding
coil
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JP13133296A
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Hiroshi Nakagawa
川 洋 中
Michiharu Ichikawa
川 道 春 市
Toshihiro Masuda
田 敏 浩 増
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 巻取られたコイル材から適宜長さ繰出した状
態で穴あけ加工を施し、この加工後、コイルを所定寸法
に切断し、かつ、穴あけ部と切断部の動作を比較的簡易
な構成で制御する加工方法とその装置を提供する。 【解決手段】 アンコイラ1から繰出されるコイル材W
の先端を把持すると共に繰出し方向へ直進し、直進した
地点で把持を解いて原点に戻る運動を繰返し行うコイル
材の送り手段5と、送り手段の後に配置され、送り手段
が停止したとき作動する穴あけ手段6と、穴あけの後直
進させられて停止したとき作動する切断手段7とを具備
する。送り手段を作動させてコイル材を穴あけ位置決め
点へ逐次間欠的に送り、各位置決め点で穴あけ手段によ
り順次穴あけ加工を行うと共に、送りと穴あけ動作の間
に、切断位置決め点が切断手段の直下に位置したとき送
り手段の動作を停止させて切断手段を動作させて穴あけ
されたコイル材を切断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パンチプレス機構
を用いてアンコイラから繰出されるコイル材に直接穴あ
けと切断の両加工を位置決めして行う加工方法、並び
に、そのための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、タレットパンチプレスでは、有
限長に切断されたのスケッチ材に穴あけ加工を行うが、
そのスケッチ材や定尺材は、巻取られたコイル材から定
尺分の材料を切り出して形成されている。
【0003】このため、タレットパンチプレスを用いて
スケッチ材などの素材(又はワ−ク)に穴あけ加工を行
ういわゆる板金加工業者では、ワ−クとなるスケッチ材
や定尺材を予めコイル材から所定の寸法で切り出して用
意しておかなければならない。
【0004】しかし乍ら、昨今の板金加工業務において
は、多品種少量の小ロットの加工が多く、また、そのよ
うな加工に対応するためには切り出す定尺材を様々な寸
法のもので予め用意する必要があるのみならず、加工ロ
ットが変わるごとに段取り替えを頻繁に行う必要がある
など、素材から製品までの間に仕掛り品や在庫品が増え
ざるを得ない状況にあり、そのような仕掛り品や在庫品
の管理業務や該管理業務の煩雑化が加工コストにはね返
り問題となっている。
【0005】この点に鑑み、穴あけ加工前に巻取られて
いるコイル材を定寸に切断せず、コイル材をアンコイラ
からロ−ラ挟持式の送り手段によって直接繰出し、その
状態で穴あけ加工を行い、加工後に所要の製品寸法に切
断することが考えられるが、この手法はコイル材の送り
手段がロ−ラ式であるため、コイル材とロ−ラとの間に
スリップが生じ、このためコイル材の繰出し量、即ち、
穴あけ位置への位置決め、及び、切断位置への位置決め
を行う位置決め精度を確保する上で解決すべき問題があ
る。また、加工機を、穴あけ加工後に直ちにスケッチ材
に切断できる構成にしようとすると、機械の構造上相当
な無理が生じ、一方、穴あけ部と切断部を適当な距離だ
け離隔して配置すると、両部を同時にリアルタイムで制
御するためには、穴あけ部と切断部とが離れていること
に起因して制御系の構成が煩雑になるという別の問題が
生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
点に鑑み、巻取られているコイル材から定尺のスケッチ
材などを切り出さず、巻取られたコイル材から適宜長さ
繰出した状態で所定の穴あけ加工を施し、この加工後、
前記コイルを所定寸法に精度よく切断することができ、
しかも、穴あけ部と切断部の動作を制御するための制御
部も比較的簡易な構成で済む加工方法とそのための装置
を提供することを、その課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明加工方法の構成は、アンコ
イラから繰出されるコイル材をその繰出し方向において
把持すると共に前記繰出し方向へ直進し、直進した地点
で把持を解いて原点に戻る運動を繰返し行うコイル材の
送り手段と、該送り手段の後に配置され、当該送り手段
が直進して停止したとき前記コイル材に穴あけ加工を行
う穴あけ手段と、穴あけの後前記送り手段により直進さ
せられて停止したとき穴あけ加工されたコイル材を切断
する切断手段とを具備したコイル加工機を動作させると
き、前記送り手段を作動させてコイル材を穴あけ位置決
め点へ逐次間欠的に送り、各位置決め点で前記穴あけ手
段により順次穴あけ加工を行うと共に、前記送りと穴あ
け動作の間に、切断位置決め点が前記切断手段の直下に
位置したとき前記送り手段の動作を停止させて当該切断
手段を動作させ、穴あけされたコイル材を切断すること
を特徴とするものである。
【0008】また、上記加工方法を実施する本発明加工
装置の構成は、アンコイラから繰出されるコイル材を把
持して該コイル材の繰出し方向へ直進させられると共
に、所要地点で位置決め停止させられ、かつ、直進終点
で前記コイル材の把持を解いて原点に復帰させられる運
動を繰返し行うように形成したコイル材の送り手段と、
該送り手段の後に配置され、当該送り手段が直進して停
止したとき前記コイル材に穴あけ加工を行うように形成
した穴あけ手段と、前記送り手段により直進させられて
停止したとき穴あけ加工されたコイル材を切断するよう
に形成した切断手段とを具備し、前記送り手段を作動さ
せてコイル材を複数の穴あけ位置決め点へ逐次間欠的に
送り、各位置決め点で前記穴あけ手段により順次穴あけ
加工を行うと共に、前記送り動作と穴あけ動作の間にお
いて、切断位置決め点が前記切断手段の直下に位置した
とき前記送り手段の動作を停止させて当該切断手段を動
作させ、穴あけされたコイル材を切断するようにしたこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に図に拠り本発明方法を実施す
る例について説明する。図1は本発明方法を適用するコ
イル材の穴あけ加工機の一例の側面図、図2〜図5はコ
イル材の送り手段の動作を時系列的に説明するための側
面図、図6はコイル材に対する穴あけ加工と切断加工の
概念を説明すための平面図、図7はコイル材に対する穴
あけ加工と切断加工位置の関係を例示した平面図、図8
は本発明における穴あけ加工の制御フロ−を例示したフ
ロ−図、図9は図8の制御フロ−に続くフロ−図、図10
は切断加工の割込み制御の概念を示すフロ−図、図11は
切断加工のフロ−図、図12は加工プログラムの一例を示
す数値表である。
【0010】図1において、1は、ここではコイル材W
を反時計方向に巻取ったアンコイラ、2は前記アンコイ
ラ1の前方、即ち、コイル材Wの繰出し側に立設したレ
ベラで、アンコイラ1から繰出されるコイル材の巻きぐ
せを修正すると共に、コイル材の円滑な繰出しを確保す
るためのものである。
【0011】3は前記レベラ2の前方に配置した繰出さ
れるコイル材Wのたるませ部で、コイル材Wをこの部で
略U字状にたるませることにより、前記コイル材Wの巻
きぐせを除去するためのものである。3a,3bはこのたる
ませ部3の前後に配置した円弧状のガイド部である。
【0012】4は前記たるませ部3の前方、即ち、コイ
ル材Wの繰出し方向に配置した機台で、この機台4の上
にコイル材Wの送り手段5、穴あけ手段6、切断手段7
が順に配列して設けられている。
【0013】送り手段5は、図1の機台4の左側上面に
機台4に沿って配置した送りネジ5aであって、中間から
左右で互に逆向きのネジ5L,5Rを形成した送りネジ5a
と、各ネジ5L,5Rにそれぞれナット部材を介して螺装さ
れたグリッパ5b,5cと、前記ネジ5aを、正,逆転させる
サ−ボモ−タ5dを主要部材として形成されている。ここ
で、左右のグリッパ5b,5cは、コイル材Wの側辺を把
持,開放するソレノイドタイプ又はシリンダタイプのク
ランプ(図示せず)を具備している。なお、図2〜図5
においては、説明の便宜上、送り手段5のモ−タ5dの位
置を図1の場合とは逆に送りネジ5aの右側に配置してい
る。
【0014】図2〜図5において、夫々のグリッパ5b,
5cは、ネジ5L,5Rが逆向き故に交互に左右動するが、い
ずれのグリッパ5b,5cも、それが右動するときコイル材
Wを把持し、左動するとき開放するようにクランプ動作
のシ−ケンスが設定されているものとする。そして、夫
々のグリッパ5b,5cはコイル材Wの把持,開放状態が一
定の位相ずれを保持して交互に動作するので、いま右グ
リップ5cがネジ5Rの上で左端にあってコイル材Wを把持
すると、左グリッパ5bはネジ5Lの上で右端にあってコイ
ル材Wを開放している状態にあり(図2参照)、送りネ
ジ5aがモ−タ5dにより正回転させられて右グリッパ5cが
コイル材Wを把持して右動すると左グリッパは開放状態
で左動する(図3参照)。左グリッパ5bがネジ5Lの上で
左端に位置すると、そこでコイル材Wを把持すると共
に、右グリッパ5cはネジ5Rの上で右端に位置してコイル
材Wの把持を開放する(図4参照)。そこで、モ−タ5d
を上記とは逆方向に回転させると、左グリッパ5bがコイ
ル材Wを把持してネジ5Lの上を左端側へ移動する一方、
右グリッパ5cは開放状態でネジ5Rの上を左側へ移動する
(図5参照)。
【0015】上記のように両グリッパ5b,5cは、互にコ
イル材Wを把持して右動し、そのコイル材Wを開放して
左動する動作を交互に繰返すことにより、コイル材Wを
間欠送りすることになるが、コイル材Wの送り量は、
左,右のグリッパ5b,5cの右動する移動量により定ま
る。そこで、本発明では、予め判っている穴あけ位置、
及び、穴あけ加工したあと切断されるコイル材Wの長
さ、つまり製品幅、並びに、後に説明する穴あけ手段6
と切断手段7との離間距離によって、コイル材Wの送り
量を制御するようにしてある。この点については後に説
明する。
【0016】穴あけ手段6は、一般的なパンチプレスと
同様に、上金型6aと下金型6bの間を、送られて来るコイ
ル材Wが通り、穴あけ位置が上金型6aの直下に位置決め
されて送りが停止したときにこのコイル材Wに前記金型
6a,6bの協働作用によって穴あけ加工を施すように形成
されている。
【0017】また、切断手段7は、概ね上記穴あけ手段
6と同様のパンチプレス機構によって構成されており、
上刃7aと下刃7bの間にコイル部材Wが送り込まれ、切断
位置が前記刃7aの直下に位置決めされたところで、両刃
7a,7bの協働作用によりコイル材Wをその製品幅に切断
するように形成されている。8は穴あけ手段6と切断手
段7の間であって、図1の例では切断手段7の手前脇に
配置したスプリング式のテンショナ−で、切断時にワ−
クとなるコイル材Wの位置ずれを防ぐためのものである
【0018】上記穴あけ手段6と切断手段7とは、それ
ぞれの金型6a,6b、刃物工具7a,7bのセンタ−を座標原
点として、両手段6,7の距離が固定的に設定されてい
る。なお、本発明において、両手段6,7間の距離を可
変に構成するのは任意であるが、加工中は固定される。
また、穴あけ手段6、切断手段7は、上記例以外の機構
のものであってもよい。
【0019】上記送り手段5によって間欠的にアンコイ
ラ1から引出されて穴あけ手段6に送り込まれるコイル
材Wは、予め設定されている加工位置を、穴あけ手段6
の上金型6aの直下に位置決めする必要がある。コイル材
Wを穴あけ手段6の上金型6aの直下に位置決めするに
は、グリッパ5b又は5cの右方向移動量、又は、サ−ボモ
−タ5dの回転数を制御することにより行う。この制御
は、一例として次の手法により実行する。
【0020】而して、上記グリッパ5b,5cは、サ−ボモ
−タ5dの正,逆転によって移動させられるが、その位置
決めは、CPUを主体とする位置決め計算装置(図示せ
ず)によってグリッパ5b,5cの移動量を演算し、演算し
た移動量を位置決めコントロ−ラ(図示せず)へ指令し
て該コントロ−ラが前記モ−タ5dを駆動制御するように
している。本発明において、グリッパ5b,5cに実行させ
る所定の移動量を前記CPUで演算し、この演算値をコ
ントロ−ラに指令する理由は、両グリッパ5b,5cは交互
に往復運動をするが、位置決め制御するのは、図示した
例では右方向移動においてコイル材Wを搬送するため、
同一方向についてのみ位置決め制御を行う必要があるた
めである。因に、この制御を一般工作機械の位置決め制
御手法と同様に位置決めコントロ−ラにより行うと、取
扱いデ−タがオ−バフロ−を起す。このため、本発明で
は位置決めデ−タをCPUを主体とする位置決め計算装
置により形成するようにし、各グリッパ5b又は5cの1回
ごとの移動指令値は、絶対移動量による指令値にせず、
相対移動量による位置決め指令としている。これはグリ
ッパ5b,5cの往復移動に対応するためである。
【0021】以下に説明する実施形態では、2つのグリ
ッパ5b,5cのストロ−クを500.00mmとし、夫々のグリッ
パ5b,5cは、位置決めコントロ−ラの指令によってその
右動ストロ−ク端においてワ−ク(コイル材W)を掴み
代え、交互に右動ストロ−ク量の500.00mmまでコイル材
Wを送り、その間の所定位置で位置決めされるものとす
る。
【0022】従って、一つのグリッパ5b又は5cについ
て、1回の移動指令による右動行程のストロ−ク量が50
0.00mmを超える指令値が供給された場合、そのグリッパ
5b又は5cがスタ−ト点から送り開始をしても、右動スト
ロ−クの最大送り量は500.00mmまでであるから、500.00
mmを超えた余り分を他方のグリッパ5c又は5bにコイル材
Wを掴み代えさせて実行しなければならない。上記のよ
うな点から本発明において使用される位置決めデ−タに
は、一製品の全長ごとにゼロリセットされる現在位置デ
−タ、500.00mm単位でストロ−ク量がゼロリセットされ
るグリッパ5b,5cの送り量の位置デ−タ、並びに、切断
加工ごとに製品長さをゼロリセットする切断のための位
置デ−タがある。一製品についての両方のグリッパ5b,
5cによる各送り動作ごとの移動量,コイル材Wの通算の
送り移動量は、その一製品の切断加工が完了するまで、
当該一製品の送りについての現在位置デ−タとして取扱
われる。そして、前記の各位置デ−タの計算は、位置決
め計算装置のCPUに実行させる。
【0023】コイル材Wを連続的に送り乍ら、このコイ
ル材Wの所定位置に穴あけと切断の加工を行うとき、一
枚の製品についてすべての穴あけ加工と切断加工が完了
したとき、コイル材Wの現在位置デ−タを前記CPUで
ゼロリセットするが、これを現在位置デ−タの丸めとい
う。これは一枚の製品に対する所定の穴あけ加工が終了
すると、コイル材Wが所定量送られ、その製品幅(長
さ)において切断されるので、残ったコイル材Wの先端
(切断された製品の後端)を次の加工におけるワ−クの
先端、つまり、次の一枚の製品の原点とするためであ
る。
【0024】具体的には、一枚目の製品の穴あけが完了
すると、その製品幅(長さ)と現在位置デ−タから切断
加工に必要な移動量を位置決め計算装置のCPUで演算
して切断加工のための移動指令値を形成し、位置決めコ
ントロ−ラの指令によってグリッパ5b,5cがコイル材W
を、一枚目の製品後端が切断手段7の真下に来るように
移動させる。切断加工が終ると、その時点の現在位置デ
−タをグリッパのストロ−ク量500.00mmで割った余りを
前記CPUで求め、求めた余りを次のグリッパによる移
動における当該グリッパの現在位置(オフセット値)デ
−タとすることにより、位置決めコントロ−ラ内のグリ
ッパの現在位置デ−タが500.00mmをオ−バ−フロ−しな
いようにしている。穴あけ加工,切断加工の加工プログ
ラムは、製品ごとにその原点(コイル材Wの先端)から
の絶対値でプログラムされるが、一枚の製品の全穴あけ
が完了すると、切断のための移動量の指令値は、前記C
PUにおいて相対移動量として求め、これが指令値とし
て位置決めコントロ−ラに供給される。
【0025】即ち、切断位置は、穴あけ手段6と一定距
離Tdだけ離れた切断手段7により実行されるため、一枚
の製品において穴あけ加工が完了したコイル材Wを切断
するには、製品幅WXの値に前記両手段の距離Tdの値を加
えたものを、指令値としなければならない(図7参
照)。しかし、コイル材Wは連続しているため、一枚の
製品の製品幅WX+両手段間の距離Tdを送る間に、次の製
品の穴あけ位置が穴あけ手段6の下に位置するので、一
枚目の製品の切断指令は次の製品の穴あけ指令の間に挿
入しなければ、穴あけと切断加工をコイル材Wの所定位
置に施すことはできない。
【0026】本発明では、この間の処理をするため、一
例として、図8〜図10に示したフロ−によって、一連の
コイル材Wに対する一枚の製品ごとの穴あけ加工と切断
加工とを連続的に実行するようにした。以下、この点に
ついて説明する。
【0027】図8〜図10に例示した制御フロ−におい
て、ステップS1でアンコイラ1のコイル材Wに対する加
工製品の予定枚数を設定する。ステップS2で図12に例示
した加工プログラムを位置決め計算装置のCPUに読込
ませる。なお、この加工プログラムはGコ−ドにより一
つの穴を加工するごとにシ−ケンシャルにCPUに取込
まれる。
【0028】いま、加工プログラムN番目の穴あけ加工
において、X軸上の穴あけ位置デ−タX(プログラムの
値)を、X=Xobjとすると、このための位置決めコント
ロ−ラの指令値Xcomは、CPUにおいてXcom=Xobj+Xo
ffsetとして計算される(ステップS3)。つまり、前記
X=Xobj移動量を実現するグリッパ5b又は5cがこれまで
にX軸上でXoffsetだけ移動していたとすると、そのグ
リッパに対するコントロ−ラの指令値は、既に移動して
いる分XoffsetをXobjに加えてやらないと、正味の移動
量XがXobjにならないからである。
【0029】ステップS4では、CPUにおいてグリッパ
の相対移動量を計算する。これは、各穴の位置(加工プ
ログラム)がすべて原点からの距離としてCPUに取込
まれているので、例えば、一製品の二番目以降の穴位置
は、前記プログラムの数値を生のままでは指令できず、
従って、直前の加工のために移動したグリッパの現在位
置デ−タを加味して、次の穴位置を前の穴位置から見た
相対位置を示す移動量として、コントロ−ラに指令させ
る必要があるからである。
【0030】ここでは、グリッパの指令デ−タがステッ
プS3においてXcomとして得られているので、ステップS4
では、指令デ−タXcomからグリッパの現在位置デ−タXc
urを減じ、これを相対移動量Xincとして計算するのであ
る。
【0031】ステップS5では、上記の相対移動量Xincが
ゼロか否かを判別する。このステップS5でXincがゼロ
は、一般に第一穴目の加工であり、Xinc≠0は第二穴目
以降の加工を示すこととなる。つまり、一の製品の第一
穴目の穴はグリッパの指令デ−タXcomと現在位置デ−タ
が一致するが、二穴目以降は、指令デ−タとグリッパの
現在位置デ−タとに差が生じるからである。
【0032】ステップS6では、相対移動量Xincがゼロで
ない場合、その移動量が一つのグリッパのストロ−ク
(ここでは、500.00mm)内、又は、その整数倍のストロ
−クで移動できるか否かを計算する。即ち、相対移動量
Xincを500で割り、余りXmodが出るか否かによってその
ままXincの距離を一つのグリッパ又は二つのグリッパで
移動できるか否かを判別する(ステップS7)。
【0033】ステップS8では、相対移動量Xincが500.00
mm内の場合、そのままの距離Xincを握っているグリッパ
で移動し、現在位置Xcur=Xcur+XincとXcut=Xcut+Xi
ncの計算をステップS8aで実行し、ステップS9で穴あけ
手段6によりワンパンチの穴あけを実行させ、ステップ
S10で加工プログラムの番号を一つ増やし、図9のEに
移行する。
【0034】一方、ステップS8で余りXmodがある場合、
まず、余り分の距離Xmodを移動させたあとから500.00mm
単位の移動をグリッパに実行させるため、図8のフロ−
におけるAに戻り、ステップS7までのフロ−に沿って制
御される。このフロ−の繰返しは、相対移動量Xincが50
0.00mm内に収まるまで繰返され、相対移動量Xinc=0に
なったとところで、ステップS9の穴あけパンチ加工が実
行される。この間、そのつどステップS8bでは、ステッ
プS8aと同じ計算を実行する。
【0035】図8のフロ−において、ステップS10で加
工プログラム番号が次に移ると、図9のステップS11で
は一枚の製品について全ての穴あけ加工が完了したか否
かを判別し、そこで加工未了と判別された場合には図8
のフロ−のFに戻り、一枚の製品について全ての穴あけ
加工完了と判別されると、ステップS12において、穴あ
け加工が完了した製品幅WXを示す長さを指令値Xobj=WX
とし、図8のフロ−をA〜Dまでを実行してコイル材W
を穴あけ手段6の下に位置決めする。
【0036】上記の製品幅WXを指令値とするコイル材W
の送りが実行されると、この送り終端が次の製品の加工
原点となるため、ステップS13では、CPUにおいて、
この点を示すコイルWの先端の現在位置のデ−タ(Xcu
r)を500で割った余り(Xmod)を求め、次の製品につい
てのコントロ−ラの現在位置デ−タとする。ステップS1
3で求めた余り値Xmodをコントロ−ラの現在位置デ−タ
(Xcur)、つまりグリッパの現在位置としたため、次の
製品の加工原点がその分ずれる。そこで、上記の原点を
示す現在位置デ−タXcurを、オフセット値(Xoffset)
として、次の製品の加工プログラムの数値Xobjに加える
(ステップS14)。次いで、ステップS15でプログラム番
号を図12のNの001に戻し、ステップS16で加工実績枚数
を1枚増やし、ステップ17で実績枚数が予定枚数に達し
たかどうかが判別される。実績枚数がステップS1の加工
予定枚数に達していない場合には、図8のフロ−のFに
戻り、達成されていれば、このプログラムによる予定枚
数の加工を完了する。
【0037】本発明では、上述したように、コイル材W
の穴あけ加工のための送り制御の間に、穴あけ加工され
たコイル材Wを切断手段7によって製品幅に切断する加
工も併せて実行する。このため、図8に示した制御フロ
−のステップS8のHにおいて、図10に示すように、穴あ
け手段6と切断手段7の距離Td(固定距離)をステップ
P1で読込み、この距離Tdと製品幅WXを加えた数値(Td+
WX)が、Xcut(通算移動量)+Xinc(直前の相対移動
量)、又は、これを500で割った余りXmodよりも大きい
かどうかをステップP2で判別し、小さければステップP3
で切断加工を割込ませ、大きければ、未だ切断の必要が
ないため、図8のフロ−のHに戻り穴あけ加工を続け
る。
【0038】図10のフロ−の切断加工は、図11のフロ−
に示すように、ステップT1で製品幅WXと手段間距離Tdを
加えた数値(Td+WX)からコイル材Wの先端(原点)か
らみた通算移動量Xcutを減じた量だけ移動させる。この
移動は、図8の制御フロ−のAからDまでを使って実行
される。移動が完了すると、つまり、製品幅の後端が切
断手段7の真下に位置決めされるとステップT2で切断手
段7を動作させて送られて来たコイル材Wを製品幅WXの
終端側で切断する。一枚の製品が切断されるとステップ
T3でコイル材Wの通算移動量Xcutをゼロにリセットし、
次の製品のための通算移動量をゼロにして一枚の製品の
穴あけと切断加工を終了する。以下、上記と同様の手順
によって連続したコイル材Wに穴あけ加工のために移
動,位置決めと穴あけ加工を逐次実行すると共に、その
間に、一枚の製品分について穴あけ加工が完了したコイ
ル材Wをその製品幅の長さに切断するための移動,位置
決めと切断加工とを割込ませて実行する。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上の通りであって、アンコイ
ラから繰出されるコイル材をその繰出し方向において所
要間隔で把持すると共に前記繰出し方向へ直進し、直進
地点で把持を解いて原点に戻る運動を繰返し行うコイル
材の送り手段と、該送り手段の後に配置され、前記送り
手段が直進して停止したとき穴あけ加工を行う穴あけ手
段と、前記送り手段が直進して停止したとき穴あけ加工
されたコイル材を切断する切断手段とを具備したコイル
加工機を動作させるとき、前記送り手段を作動させてコ
イル材を穴あけ位置決め点へ逐次間欠的に送り、各位置
決め地点で前記穴あけ手段により順次穴あけ加工を行う
と共に、前記送りと穴あけの間に、切断位置決め点が前
記切断手段の直下に位置したとき前記送り手段の動作を
停止させて当該切断手段を動作させ、穴あけされたコイ
ル材を切断するようにしたので、アンコイラのコイル材
をそのまま繰出してコイル材加工機に供給するだけで、
所要の穴あけ加工と切断加工を、当該コイル材の送り出
し行程上で行うことが出来、従って、コイル材を予め定
尺に切断して集積しておいたり、加工内容が変る度に段
取り替えを不可欠とした従来の加工法に比べ、切断ワ−
クを在庫する必要がなくなり、多品種少量の加工ロット
に対しても省力的,省スペ−ス的に対応することができ
るという格別の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用するコイル材の穴あけ加工機
の一例の側面図。
【図2】コイル材の送り手段の動作を時系列的に説明す
るための側面図。
【図3】コイル材の送り手段の動作を時系列的に説明す
るための側面図。
【図4】コイル材の送り手段の動作を時系列的に説明す
るための側面図。
【図5】コイル材の送り手段の動作を時系列的に説明す
るための側面図。
【図6】コイル材に対する穴あけ加工の概念を説明すた
めの平面図。
【図7】コイル材に対する穴あけ加工と切断加工位置の
関係を例示した平面図。
【図8】本発明における穴あけ加工の制御フロ−を例示
したフロ−図。
【図9】図8の制御フロ−に続くフロ−図。
【図10】切断加工の割込み制御の概念を示すフロ−図。
【図11】切断加工のフロ−図。
【図12】加工プログラムの一例を示す数値表。
【符号の説明】
1 アンコイラ 2 レベラ 3 たるませ部 4 機台 5 送り手段 5a 送りネジ 5b,5c グリッパ 5L,5R ネジ 5d サ−ボモ−タ 6 穴あけ手段 7 切断手段 7a 上刃 7b 下刃 W コイル材
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21D 43/28 B21D 43/28 B65H 20/18 B65H 20/18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンコイラから繰出されるコイル材をそ
    の繰出し方向において把持すると共に前記繰出し方向へ
    直進し、直進した地点で把持を解いて原点に戻る運動を
    繰返し行うコイル材の送り手段と、該送り手段の後に配
    置され、当該送り手段が直進して停止したとき前記コイ
    ル材に穴あけ加工を行う穴あけ手段と、穴あけの後前記
    送り手段により直進させられて停止したとき穴あけ加工
    されたコイル材を切断する切断手段とを具備したコイル
    加工機を動作させるとき、前記送り手段を作動させてコ
    イル材を穴あけ位置決め点へ逐次間欠的に送り、各位置
    決め点で前記穴あけ手段により順次穴あけ加工を行うと
    共に、前記送りと穴あけ動作の間に、切断位置決め点が
    前記切断手段の直下に位置したとき前記送り手段の動作
    を停止させて当該切断手段を動作させ、穴あけされたコ
    イル材を切断することを特徴とするパンチプレスを用い
    たコイル材の加工方法。
  2. 【請求項2】 アンコイラから繰出されるコイル材を把
    持して該コイル材の繰出し方向へ直進させられると共
    に、所要地点で位置決め停止させられ、かつ、直進終点
    で前記コイル材の把持を解いて原点に復帰させられる運
    動を繰返し行うように形成したコイル材の送り手段と、
    該送り手段の後に配置され、当該送り手段が直進して停
    止したとき前記コイル材に穴あけ加工を行うように形成
    した穴あけ手段と、前記送り手段により直進させられて
    停止したとき穴あけ加工されたコイル材を切断するよう
    に形成した切断手段とを具備し、前記送り手段を作動さ
    せてコイル材を複数の穴あけ位置決め点へ逐次間欠的に
    送り、各位置決め点で前記穴あけ手段により順次穴あけ
    加工を行うと共に、前記送り動作と穴あけ動作の間にお
    いて、切断位置決め点が前記切断手段の直下に位置した
    とき前記送り手段の動作を停止させて当該切断手段を動
    作させ、穴あけされたコイル材を切断するようにしたこ
    とを特徴とするパンチプレスを用いたコイル材の加工装
    置。
  3. 【請求項3】 送り手段は、送りネジとこのネジに螺装
    されたナット部材と該ナット部材に取付けられてコイル
    材の側辺を把持,開放するクランプ式の1又は2以上の
    グリッパによって形成した請求項2のパンチプレスを用
    いたコイル材の加工装置。
  4. 【請求項4】 2個のグリッパを有する送り手段は、送
    りネジをその中間で左,右逆方向のネジを切って形成
    し、夫々のグリッパに交互にコイル材の把持と送り運動
    をさせるように形成した請求項3のパンチプレスを用い
    たコイル材の加工装置。
  5. 【請求項5】 穴あけ手段と切断手段は、送られて来る
    コイル材を上,下から挟むパンチプレス状の上,下金型
    工具により形成した請求項2〜4のいずれかのパンチプ
    レスを用いたコイル材の加工装置。
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