JPH0929503A - 長尺物の加工方法および加工装置 - Google Patents

長尺物の加工方法および加工装置

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JPH0929503A
JPH0929503A JP20517095A JP20517095A JPH0929503A JP H0929503 A JPH0929503 A JP H0929503A JP 20517095 A JP20517095 A JP 20517095A JP 20517095 A JP20517095 A JP 20517095A JP H0929503 A JPH0929503 A JP H0929503A
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JP
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workpiece
weight
processing
holding means
vibration
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JP20517095A
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Takao Yokomatsu
孝夫 横松
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長尺物を加工する時のビビリ振動を防ぐ。 【構成】 工作物W1 の両端をワークチャック10、1
1によって保持し、主軸4の回転によって旋回するバイ
ト5によって工作物W1 の外径切削を行なう。工作物W
1 の加工点の近傍を、重りユニット20の重りブロック
21に結合された一対のボールベアリング22の間に挟
持し、重りブロック21をコイルバネ23aによって弾
力的に支持することで、工作物W1 の共振周波数を低下
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用の現像
スリーブ等の長尺物の外表面等を高い形状精度で仕上げ
加工する場合等に好適な長尺物の加工方法および加工装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真用の現像スリーブ等の薄肉でし
かも長尺である工作物を加工する場合には、加工中の工
作物が切削抵抗等によってビビリ振動等を発生しやすい
ため、これを抑制するための振動抑制装置が必要であ
る。特に、現像スリーブ等はその外表面に高い形状精度
(真直度、真円度および表面粗さ等)を要求されるもの
であり、加工中の工作物がビビリ振動等を発生すると、
必要とする形状精度を得ることができない。
【0003】しかも工作物としての現像スリーブの本体
は、長尺であるうえに薄肉の円筒体であり従って共振周
波数が小さいために極めて振動を発生しやすい傾向があ
る。
【0004】図4は、このような円筒体である工作物W
0 の円筒面を、中空軸に保持されて旋回するバイトによ
って切削する切削装置M0 を示すもので、これは、ベー
ス101と一体である門型コラム102に支持された軸
受103と、該軸受103に回転自在に支持され図示し
ないモータによって回転される中空の主軸104と、こ
れに保持されたバイト105と、ベース101と一体で
あるベースガイド101aに沿って往復移動自在である
送りスライダ106と、これに立設された固定側チャッ
クポスト107と、送りスライダ106上を送りスライ
ダガイド106aに沿って往復移動自在であるチャック
開閉スライダ108と、これに立設された可動側チャッ
クポスト109と、それぞれ固定側チャックポスト10
7と可動側チャックポスト109に支持された固定側と
可動側のワークチャック110,111を有する。
【0005】中空の主軸104に保持されたバイト10
5は、両ワークチャック110,111によって保持さ
れた工作物W0 のまわりを旋回することで工作物W0
外周面を切削する。工作物W0 の送りは、図示しない駆
動装置によって、門型コラム102の開口を貫通する送
りスライダ106をベースガイド101aに沿って移動
させることによって行なわれる。
【0006】工作物W0 の外周面の切削が完了したら、
送りスライダ106と一体である送りスライダガイド1
06aに沿ってチャック開閉スライダ108を図示しな
い駆動装置によって移動させ、これによって可動側のワ
ークチャック111を後退させることで加工済みの工作
物W0 を開放し、図示しないハンド等によって搬出す
る。
【0007】このような加工工程において、工作物W0
は前述のように長尺でしかも薄肉の円筒体であり、その
両端をワークチャック110,111によって把持され
ているのみであるために加工中にビビリ振動を発生しや
すい。そこで、工作物W0 の内部に防振具112を挿入
していわゆるマスダンパの効果によって工作物W0 の動
剛性を強化し、ビビリ振動を防ぐ工夫がなされている。
【0008】なお、防振具112としては、薄肉円筒状
のゴム部材に複数の重りを詰めたものが用いられるのが
一般的である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、主軸の回転数が10,000rpm程
度であれば工作物内に重りを詰めるだけで充分な防振効
果を得ることができるが、加工速度を速くするために主
軸の回転数を増やすと外乱周波数が工作物の共通周数に
近づいてビビリ振動が発生する。また、加工サイクルタ
イムを短縮するために工作物の送りを多くした場合も、
外乱周波数は同じであっても切削抵抗が増大するために
やはり振動しやすくなる。工作物の加工中にこのような
振動があると表面粗さが増大し、必要な形状精度を得る
ことができない。
【0010】例えば、外径が12mm、肉厚が1mmの
工作物の場合に従来例の切削装置によって防振具を詰め
て切削したときのコンプライアンス(変位/力)の周波
数特性は図3の曲線(a)で示すとおりである。従っ
て、この工作物を現行の主軸回転数10,000rpm
で切削加工すると外乱周波数が167Hzであり、この
ときのコンプライアンスは曲線(a)のほぼフラットな
領域にあるためビビリ振動は発生しない。ところが、主
軸の回転数が増加して外乱周波数が200Hz付近にな
ると共振点a1 に近づくためにビビリ振動を発生する。
【0011】このように、工作物の中に防振具を詰める
だけでは、加工速度を速くして加工サイクルを短縮し現
像スリーブ等の生産性を向上させることはできない。単
に工作物の振動を抑制することのみを目的とする場合は
工作物の加工点の近傍を剛に支持すれば事足りる。しか
しながら、工作物を剛に支持して加工を行なうと、工作
物にわずかでも曲がりがある場合には、工作物を過度に
拘束し加工点の近傍を弾性変形させながら加工する結果
となり、加工後の工作物の真直度が大きく損われるおそ
れがある。従って、工作物を剛に支持した状態で加工す
ると必要な形状精度を得ることはできない。
【0012】本発明は上記従来の技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、加工中の工作物のビビリ振
動等を防ぎ、長尺で形状精度の高い工作物を高速加工す
ることのできる長尺物の加工方法および加工装置を提供
することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の長尺物の加工方法は、一対の保持手段によ
って工作物を保持し、これを、両保持手段の間に配設さ
れた加工手段によって加工する工程を有し、重りに結合
された挟持手段によって前記工作物を挟持するとともに
前記重りを弾力的に支持することで、前記工作物の共振
周波数を所定の値に低減した状態で加工することを特徴
とする。
【0014】工作物の内部に防振具を充填するとよい。
【0015】工作物が長尺の円筒体であるとよい。
【0016】本発明の加工装置は、一対の保持手段と、
両者の間に配設された加工手段と、前記一対の保持手段
によって保持された工作物を挟持するための挟持手段
と、該挟持手段に結合された重りと、該重りを弾力的に
支持する弾性支持手段を有することを特徴とする。
【0017】挟持手段が、工作物の送り方向と直交する
軸のまわりに回転自在である少なくとも1個の回転部材
を有するとよい。
【0018】加工手段が、工作物のまわりを旋回する少
なくとも1個のバイトを有するとよい。
【0019】重りが貫通口を有し、該貫通口に挟持手段
が配設されているとよい。
【0020】弾性支持手段が重りの一端を支持し、該重
りの他端にその振動を吸収する防振手段が設けられてい
るとよい。
【0021】
【作用】一対の保持手段によって長尺の工作物を保持
し、両保持手段の間に配設された加工手段によって工作
物の外表面等を加工する場合には、加工手段の切削抵抗
等によって加工中の工作物がビビリ振動等を発生しやす
い。そこで、重りに結合された挟持手段によって工作物
の加工点近傍を挟持するとともに、前記重りを弾力的に
支持することで、工作物を過度に拘束することなくその
動剛性を強化し、加工手段の切削抵抗等による外乱周波
数より工作物の共振周波数の方が低くなるように設定し
て加工中のビビリ振動の発生を防ぐ。
【0022】このように、弾力的に支持された重りによ
って工作物の動剛性を強化し共振周波数を低くすれば、
加工手段の加工速度を上げて外乱周波数を高くした場合
でも、加工手段の切削抵抗等によって工作物にビビリ振
動等を発生するおそれがない。また、重りが弾力的に支
持されているために、工作物が重りによって過度に拘束
されることなく、例えば工作物に曲がり等があっても重
りが弾力的に移動してこれに追従するため、工作物が弾
性変形した状態で加工されるのを回避できる。
【0023】従って、形状精度の高い工作物であっても
加工速度を上げて工作物の加工サイクルタイムを短縮
し、生産性を大きく向上できる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0025】図1は一実施例による切削装置M1 を示す
もので、(a)はその一部断面模式側面図、(b)は
(a)のA−A線からみた部分模式立面図である。切削
装置M1 は、図1の(a)に示すように、ベース1と一
体である門型コラム2に支持された軸受3と、該軸受3
に回転自在に支持され図示しないモータによって回転さ
れる中空の主軸4と、これに保持された加工手段である
バイト5と、ベース1と一体であるベースガイド1aに
沿って往復移動自在である送りスライダ6と、これに立
設された固定側のチャックポスト7と、送りスライダ6
上を送りスライダガイド6aに沿って往復移動自在であ
るチャック開閉スライダ8と、これに立設された可動側
のチャックポスト9と、それぞれ固定側のチャックポス
ト7と可動側のチャックポスト9に支持された保持手段
である固定側と可動側のワークチャック10,11を有
する。
【0026】中空の主軸4に保持されたバイト5は、両
ワークチャック10,11によって保持された工作物W
1 のまわりを旋回することで工作物W1 の外周面を切削
し、工作物W1 の送りは、図示しない駆動装置によっ
て、門型コラム2の開口を貫通する送りスライダ6をベ
ースガイド1aに沿って移動させることによって行なわ
れる。
【0027】工作物W1 の外周面の切削が完了したら、
送りスライダ6と一体である送りスライダガイド6aに
沿ってチャック開閉スライダ8を図示しない駆動装置に
よって移動させ、これによって可動側のワークチャック
11を後退させることで加工済みの工作物W1 を開放
し、図示しないハンド等によって搬出する。
【0028】このような加工工程において、工作物W1
は長尺でしかも薄肉の円筒体であり、その両端をワーク
チャック10,11によって把持されているのみである
ために加工中にビビリ振動を発生しやすい。そこで、工
作物W1 の内部に防振具12を挿入していわゆるマスダ
ンパの効果によって工作物W1 の動剛性を強化し、ビビ
リ振動を防ぐ工夫がなされている。
【0029】なお、防振具12としては、薄肉円筒状の
ゴム部材に複数の重りを詰めたものが用いられるのが一
般的である。
【0030】工作物W1 の内部に防振具12を挿入した
だけでは、主軸4の回転数を上げたときにバイト5の切
削抵抗による外乱周波数が工作物W1 の共振周波数に近
づいてビビリ振動を発生するのを回避できない。そこ
で、バイト5の近傍において工作物W1 に重りを付加
し、該重りの慣性によって工作物W1 の動剛性を強化し
て共振周波数を高くするための重りユニット20を配設
する。
【0031】重りユニット20は、図1の(b)に示す
ように貫通口21aを備えた重りである重りブロック2
1を有し、該重りブロック21は貫通口21a内で工作
物W1 を上下方向から挟持する挟持手段である一対の回
転部材であるボールベアリング22を支持している。重
りブロック21の下端中央部は弾性支持手段であるコイ
ルバネ23aを介して重りフレーム24に支持され、重
りブロック21の下端両側部および上端両側部はそれぞ
板バネ23bを介して重りフレーム24に結合され、さ
らに、重りブロック21の上端中央部は防振手段である
粘弾性体23cを介して重りフレーム24に結合され
る。
【0032】重りフレーム24はその下端に設けられた
足部24aを門型コラム2に固定され、頂部に設けられ
た支持部材24bは、図3に示すように軸受3と一体的
に設けられる。
【0033】このように、重りユニット20は、工作物
1 をバイト5の近傍でボールベアリング22の間に挟
持することによって重りブロック21の重さを付加し、
これによって工作物W1 の動剛性を強化する。例えば、
工作物W1 が外径12mmのAl製の円筒体であれば、
これを外径10mmのボールベアリング22で挟んで重
りを付加する。ボールベアリング22はφmm3程度の
ベアリングシャフト22aに回転自在に支持され、工作
物W1 の送りを妨げないようにこれを挟持する。
【0034】ベアリングシャフト22aはそれぞれ軸固
定部材22bの穴に圧入され固定され、両軸固定部材2
2bは重りブロック21にそれぞれボルト固定されてい
る。下方の軸固定部材22bのボルト穴は長穴であり、
上下方向の位置を調整することができる。工作物W1
直径は個々に或いは場所により異なるため、寸法精度の
下限値よりもボールベアリング22の隙間を20μm前
後小さく設定し、工作物W1 とボールベアリング22の
間に隙間がないようにする。例えば、工作物W1 の寸法
精度がφ12mm±20μmであれば、ベアリング隙間
を11.96mmとする。工作物W1 のつぶし代が大き
いと送り抵抗が大きくなり、つぶし代が小さすぎると工
作物W1 と重りブロック21の動きが一体でなくなり、
防振効果が得られない。隙間調整は、ボールベアリング
22の間に所定の厚さのブロックゲージをはさみ、軸固
定部材22bをブロックゲージに押し当てて行なう。
【0035】重りブロック21は前述のように上下左右
4枚の板ばね23bによって、上下に柔らかく、水平面
内に固く固定されている。各板ばね23bの一端は板ば
ね抑えに挟まれて重りブロック21にボルト締結されて
いる。また、各板ばね23bの他端は板ばね抑えに挟ま
れて重りフレーム24にボルト締結されている。各板ば
ね23bの上下剛性は、工作物W1 を挟持した状態での
工作物W1 の最も弱い位置での上下剛性よりかなり弱く
設定する。現像スリーブを製造する場合の工作物W1
未加工状態での真直度が数十μmである。これを挟持し
た際に上下に曲がってセッティングされると、板ばね2
3bの上下剛性が大きい場合には加工時に工作物W1
曲がりに重りブロック21が追従せず、工作物W1 を弾
性変形させた状態で加工するため、加工後の工作物W1
の真直度が悪くなる。真直度の要求精度にもよるが、例
えば工作物W1 の中央での剛性が0.2N/μmであれ
ばトータルの板ばね剛性をその1/20すなわち0.0
1N/μm程度にしておく。
【0036】重りブロック21の左右方向の支持剛性は
十分高くすべきである。工作物W1に左右方向の切削抵
抗が加わった場合、ボールベアリング22と工作物W1
の間に静止摩擦力が作用するまでの力は重りブロック2
1を介して各板ばね23bが受けるからである。従っ
て、ボールベアリング22のような剛体でなければ、工
作物W1 の左右支持剛性を高められない。例えば、切削
抵抗を数Nとし、目標表面粗さをサブμmとすれば10
N/μm以上の剛性が必要である。なお、ボールベアリ
ング22の替わりに、ボールやローラによる転がりスラ
イド、あるいは、摩擦のない静圧軸受等も使用できる。
【0037】重りブロック21の重さは、工作物W1
挟持した状態で、工作物W1 の共振点が外乱周波数より
十分低くなるように設定する。工作物W1 を挟持した状
態での工作物の共振点は工作物W1 の位置により変化す
る。最も剛性が高いのは短い方のワークチャック10側
である。バネ、マス系の共振周波数を求める式f=(k
/m)0.5 /(2π)に、この部分での剛性と、目標と
する周波数を入れて必要な重さを決定する。外乱周波数
が最低167Hz(主軸回転数が10,000rpm)
とすると、少なくともその1/2の80Hz以下を目標
とし、工作物W1 の最も高い部分の剛性が0.5N/μ
mであれば0.5kg程度の重りが必要である。これに
より、80Hzの共振ピークが現れるがそれ以上の周波
数では重りの慣性により動剛性が高く外乱に対して振動
しにくくなる。
【0038】共振点より外乱周波数が高ければ共振は起
りにくいが、全く振動しないわけではないため、この周
波数でのバイト5の軌跡が工作物W1 の表面粗さとして
現れる。従って、粗さの規格が厳しい場合は問題になる
ことがある。
【0039】そこで、重りブロック21と重りフレーム
24を粘弾性体23cで結合することで、振動振幅を下
げて表面粗さを向上させる。粘弾性体23cは剛性が小
さく減衰効果の高い材質が望ましい。例えば、重りブロ
ック21と重りフレーム24の隙間が2mm程度の場合
は、厚さ2mm、幅10mm程度で硬度60゜前後の無
反発ゴムを用いる。これにより、80Hzの振動のピー
クレベルをその1/10程度に抑えることが可能で、表
面粗さを約1/2にすることができる。また、粘弾性体
23cの上下方向剛性は各板ばね23bと同レベルであ
るため、工作物W1 の真直度を劣化させることもない。
【0040】重りブロック21の自重は、コイルバネ2
3aとそのばね受けを介して調節ねじ25で支えられて
いる。重りブロック21が柔に支持される方向は垂直で
も水平でもよいが、重りユニット20を切削装置M1
装着する際、ボールベアリング22間の中央と主軸4の
軸芯の位置をある程度合わせる必要があり、そのために
は重りブロックが重力方向に柔らかいばねで支持され
て、そのバランス位置を調節ねじ25で調整するこの方
法が最も簡単である。
【0041】すなわち、重りユニット20をセットする
際、重りブロック21は各板ばね23bと粘弾性体23
cとコイルバネ23aが並列に結合された状態の剛性で
支持され、重りブロック21の重さと総合ばね剛性が釣
り合った位置で停止する。並列結合状態での剛性が大き
いと前述のように加工後の工作物W1 の真直度を劣化さ
せるので、粘弾性体23cもコイルバネ23aも板ばね
23bと同じ0.01N/μm程度にしておく。この状
態でのボールベアリング22間の中央位置と主軸4の軸
芯とのズレをなくすため調整ねじ25を回転させ重りブ
ロック21全体を上下させる。基準は重りブロック20
をセットしない場合の工作物保持状態であり、ベース基
準で工作物上面の上下方向位置をハイトゲージ等で測定
しておき、重りユニット20をセットした際に、工作物
1 が所定の位置になるよう調整ねじ25でアライメン
トする。左右方向のボールベアリング22に対する位置
合わせは振動特性、加工精度にほとんど影響しないため
位置合わせはラフでよい。
【0042】以上の構成によって、工作物W1 はボール
ベアリング22により加工送り方向(Z軸方向)には拘
束されることなく、上下方向(Y軸方向)には各板ばね
23b等による弱いばね力と重りブロック21の重さが
付加されて共振周波数が加工時の外乱周波数よりかなり
低下し、横方向(X軸方向)はボールベアリング22と
の摩擦を介して各板ばね22bの伸び方向の強い剛性が
得られる。その結果、工作物W1 の円周方向の全方向に
高い動剛性が得られ切削抵抗に対して振動しにくくな
る。
【0043】防振具12の重量が重りブロック21と同
等であればかなり動剛性の向上が望めるが、例えば、工
作物W1 の長さが250mm程度ありしかも曲げ剛性が
低く0.5kgの重量があると、工作物中央では約10
0μmたわむため、加工後の真直度が非常に劣化する。
このため真直度の規格とのかねあいで防振具12の重量
は約0.05kgに設定する。このときの伝達特性が図
3の曲線(a)に示すものと同じであり、340Hz付
近に共振点a1 があるため、現行の主軸回転数10,0
00rpm以上に高速化して生産性を向上させるために
は重りユニット20を付加しなければならない。
【0044】工作物W1 はワークチャック10,11に
より主軸4の軸芯にアライメントされている。ボールベ
アリング22による工作物W1 の挟持位置とバイト5の
加工点の送り方向の距離は短いほうが切削抵抗に対する
振動抑制効果が高いが、加工点にオイルミストをかけ、
切り粉を排出するスペースが必要であるため、重りユニ
ット20の挟持位置はバイト5の加工点から30mm程
度離れたところに設ける。
【0045】バイト5はダイヤモンドバイトでありこれ
を主軸4に取り付けて回転させ、工作物W1 を送りスラ
イダ6によって右から左方向に送れば工作物W1 の外径
切削ができる。このように重りユニット20を装着した
状態で切削加工したときの工作物中央における上下方向
の伝達特性が図3の曲線(b)で示されている。現行の
外乱周波数167Hzにおいて、曲線(a)の特性より
コンプライアンスが20dB程度小さくなり同じ外乱に
対して10倍振動しにくくなる。これにより高い周波数
では曲線(a)のような顕著なピークはなく、ほぼフラ
ットな特性で曲線(a)の場合の静剛性に対して約3倍
の剛性が得られている。従って、主軸4の回転数をかな
り高くしてもビビリ振動は起きない、例えば、主軸回転
数を20,000rpmとし、1回転当たりの送りを従
来の0.1mm/revで加工すると、バイト先端と送
りから決まる理論表面粗さに近い値を得ることができ
る。また、剛性に余裕があるため、1回転当たりの送り
を1.5倍程度増やしても基準内の表面粗さが得られ
る。その結果、加工サイクルタイムを従来の1/3に短
縮できる。主軸4の回転数をさらに上げれば、加工時間
もより一層短縮可能である。従って、決まった量を生産
する際、必要な加工機の台数が減るとともに装置を管理
する人員も削減できる。その結果、現像スリーブ等の加
工コストを大幅に低減できる。
【0046】本実施例においては、一対のボールベアリ
ングが重りブロックに結合されているが、重りブロック
に付いているボールベアリングは1個で、工作物の反対
側から単に予圧をかける構成でもよい。また、工作物の
送りが鉛直方向であるような外径切削機で、重りユニッ
トが水平面内に配置されても振動抑制効果は変わらな
い。さらに、上記の具体例は現像スリーブの円筒体の外
径切削の例であるが、長尺ものの端面フライス加工等で
も、同様な構成の重りユニットを付加することで、高速
加工時のビビリ振動を抑制できる。ただしこの場合に
は、工作物の軸方向への移動を自在に支持する機構は必
要でない。
【0047】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。
【0048】加工中の工作物のビビリ振動等を防ぎ、現
像スリーブ等の長尺で形状精度の高い工作物を高速加工
することができる。これによって、現像スリーブ等の加
工サイクルタイムを短縮し、生産性を大きく向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例による切削装置を示すもので、(a)
はその一部断面模式側面図、(b)は(a)のA−A線
から見た部分模式立面図である。
【図2】図1の(b)のB−B線に沿ってとった模式部
分断面図である。
【図3】工作物のコンプライアンスの周波数特性を示す
グラフである。
【図4】一従来例を示す一部断面模式立面図である。
【符号の説明】
1 ベース 2 門型コラム 4 主軸 5 バイト 10,11 ワークチャック 20 重りユニット 21 重りブロック 22 ボールベアリング 23a コイルバネ 23b 板バネ 23c 粘弾性体 24 重りフレーム 25 調節ねじ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の保持手段によって工作物を保持
    し、これを、両保持手段の間に配設された加工手段によ
    って加工する工程を有し、重りに結合された挟持手段に
    よって前記工作物を挟持するとともに前記重りを弾力的
    に支持することで、前記工作物の共振周波数を所定の値
    に低減した状態で加工することを特徴とする長尺物の加
    工方法。
  2. 【請求項2】 工作物の内部に防振具を充填することを
    特徴とする請求項1記載の長尺物の加工方法。
  3. 【請求項3】 工作物が長尺の円筒体であることを特徴
    とする請求項1または2記載の長尺物の加工方法。
  4. 【請求項4】 一対の保持手段と、両者の間に配設され
    た加工手段と、前記一対の保持手段によって保持された
    工作物を挟持するための挟持手段と、該挟持手段に結合
    された重りと、該重りを弾力的に支持する弾性支持手段
    を有する加工装置。
  5. 【請求項5】 挟持手段が、工作物の送り方向と直交す
    る軸のまわりに回転自在である少なくとも1個の回転部
    材を有することを特徴とする請求項4記載の加工装置。
  6. 【請求項6】 加工手段が、工作物のまわりを旋回する
    少なくとも1個のバイトを有することを特徴とする請求
    項4または5記載の加工装置。
  7. 【請求項7】 重りが貫通口を有し、該貫通口に挟持手
    段が配設されていることを特徴とする請求項4ないし6
    いずれか1項記載の加工装置。
  8. 【請求項8】 弾性支持手段が重りの一端を支持し、該
    重りの他端にその振動を吸収する防振手段が設けられて
    いることを特徴とする請求項4ないし7いずれか1項記
    載の加工装置。
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