JPH09294800A - 薬剤容器 - Google Patents

薬剤容器

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JPH09294800A
JPH09294800A JP8137513A JP13751396A JPH09294800A JP H09294800 A JPH09294800 A JP H09294800A JP 8137513 A JP8137513 A JP 8137513A JP 13751396 A JP13751396 A JP 13751396A JP H09294800 A JPH09294800 A JP H09294800A
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JP
Japan
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protective film
pierced
needle
rubber stopper
medicine
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Application number
JP8137513A
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Inventor
Tatsuo Suzuki
龍夫 鈴木
Hiroshi Motobayashi
博志 本林
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可撓性容器を無菌的に連結する場合、連結直
前にゴム栓の表面を安全且つ確実に滅菌若しくは殺菌す
ることができ、また連通針の刺通時に薬剤等の汚染が生
じない薬剤容器を提供。 【構成】 開口部を有し、該開口部から薬剤が内部に収
納され、また上記開口部がゴム栓で密封され、外部から
内部に通ずる連通路を確保するために連通針を上記ゴム
栓に刺通して用いる薬剤容器であって、少なくとも上記
ゴム栓の被刺通面が上記連通針で刺通可能な保護膜で覆
われている薬剤容器において、上記保護膜の被刺通面に
切れ込み溝条部が形成してあることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬剤が収納され、開口
部がゴム栓で密封され、外部から内部に通ずる連通路を
確保するために連通針をゴム栓に刺通して用いる薬剤容
器であって、少なくともゴム栓の被刺通面が上記連通針
で刺通可能な保護膜で覆われており、保護膜の表面が滅
菌処理されている薬剤容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に薬剤容器は抗生物質や抗ガン剤の
ような粉末薬剤或いは凍結乾燥剤が収納され、開口部が
ゴム栓で密栓されたバイアルなどからなる。一方、点滴
注射に用いられる輸液等のバック、コンテナ等の医療用
容器は、フレキシブルな壁を有した非定型性で、溶出物
等がでない可撓性容器である。このような可撓性容器は
連結口を備え、上述のバイアル等の薬剤容器が連結口を
介して接続される。可撓性容器内と薬剤容器内との連通
には一般に連結口に配された連通針によって行われる。
例えば、連結口には一般に、連通手段として金属或いは
樹脂製の連通針が設けられ、可撓性容器内と連通されて
いる連通針が薬剤容器のゴム栓に刺通して連通されるも
のがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、抗生物質や
抗ガン剤のような粉末薬剤或いは凍結乾燥剤が封入され
ている従来の薬剤入り容器は、容器の開口部を密封して
いるゴム栓が容器のガラス部分に比較して水蒸気や気体
を透過し易く、その水分や気体によって薬剤が変質する
ので、薬剤封入後において、連通針が刺通するゴム栓表
面をEOG滅菌や過酸化水素水により化学滅菌ができな
かった。このため、薬剤入り容器のゴム栓の少なくとも
一部を保護膜にて覆うことによりEOG滅菌や過酸化水
素水による滅菌を可能にした。即ち、ゴム栓の表面を保
護膜で覆い、被刺通面を覆う保護膜は連通針の刺通が可
能となっている。保護膜は通常アルミニウム等の金属
製、樹脂製のカシメキャップの一部として形成されてい
る。そして、この保護膜の表面にEOG滅菌や過酸化水
素水を接触させることにより、保護膜表面は滅菌若しく
は殺菌される。保護膜はゴム材質と比較して気体や液体
の透過が極端に少なく且つ変質がないので、ゴム材質や
容器内の薬剤に対して影響を与えない。また、保護膜に
高周波誘導等により磁力線を加えて渦電流を発生させ、
保護膜だけを加熱して保護膜表面を加熱殺菌することも
可能である。また、保護膜は電子線からのゴム栓表面を
保護しその劣化をも防止する。
【0004】しかしながら、かかる保護膜によるゴム栓
の保護は、以下の点に問題が見られる。連通針により、
保護膜及びゴム栓が刺通されると、保護膜の破封部はラ
ンダムに破れ、保護膜の樹脂片或いは金属片(フラグメ
ント)が分離し、かかるフラグメントは連通針の摺動に
よりゴム栓のコアリングした孔内に導かれる。特に、金
属は展性があり、その膜或いは箔に連通針が刺通される
と、その連通針の側壁の摺接により、接触部分の膜或い
は箔は展性により延び、次に刺通するゴム栓の穿刺孔内
に極めて容易に引きずられる。このため、樹脂片または
金属片が薬剤容器内に取り込まれて薬剤を汚染するおそ
れがある。このような現象は特に、薄肉に形成した樹脂
壁、アルミ箔或いはステンレス膜などの部分に見られ
る。従って、本発明は、可撓性容器を無菌的に連結する
場合、連結直前にゴム栓の表面を安全且つ確実に滅菌若
しくは殺菌することができ、また連通針の刺通時に薬剤
等の汚染が生じない薬剤容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、開口部を有
し、該開口部から薬剤が内部に収納され、また上記開口
部がゴム栓で密封され、外部から内部に通ずる連通路を
確保するために連通針を上記ゴム栓に刺通して用いる薬
剤容器であって、少なくとも上記ゴム栓の被刺通面が上
記連通針で刺通可能な保護膜で覆われている薬剤容器に
おいて、上記保護膜の被刺通面に切れ込み溝条部が形成
してあることを特徴とする薬剤容器を提供することによ
り、上記目的を達成したものである。
【0006】本発明に係る薬剤容器において、上記切れ
込み溝条部は2以上形成され、且つ該溝条部同士がクロ
スしていることが望ましい。本発明に係る薬剤容器にお
いて、上記保護膜の被刺通面と上記ゴム栓の被刺通面と
が連通針の刺通時点で0.7mm以上離間していること
が望ましい。本発明に係る薬剤容器において、連通針を
具備した可撓性容器に連結されており、上記ゴム栓の被
刺通面と上記保護膜とが上記連通針の外径Lの1/2以
上離間していることが望ましい。本発明に係る薬剤容器
において、上記保護膜は上記被刺通面から浮き上がらせ
て配されている。本発明に係る薬剤容器において、上記
ゴム栓の表面には穴部が形成され、該穴の底面を上記被
刺通面とする。本発明に係る薬剤容器において、上記保
護膜が化学滅菌処理であることが望ましい。
【0007】
【作用】上記薬剤容器はその内部が連通針によって可撓
性容器内と連通され、可撓性容器内の溶解液の一部は薬
剤容器内の薬剤と混合される。そして、混合液が可撓性
容器内に連通針を介して戻され、点滴溶液として可撓性
容器から排出される。この場合、連通針は少なくとも薬
剤容器のゴム栓に刺通されるが、ゴム栓の被刺通面は保
護膜で覆われ、化学滅菌が安全に行われる。そして、連
通針がゴム栓を刺通する際に、先ず連通針は保護膜を刺
通する。このとき、保護膜の破砕部は、切れ込み溝条部
に沿って開き、破封時に樹脂片や金属片の分離が少なく
なる。特に、溝条部を2以上形成し、その交点に連通針
が刺通されるように設定すると、切れ込みに沿って保護
膜が開口し、切れ込みから樹脂片や金属片の分離する確
立が少なくなり、この結果、薬剤容器内にフラグメント
が混入していわゆるコアリング現象を起こするおそれが
ない。また特に、保護膜が金属膜等であると展性により
被刺通面に向かって延びる。この場合、延びた部分がゴ
ム栓の被刺通面に到達すると、連通針の移動によってゴ
ム栓内に埋没する。埋没した金属部分は連通針の移動及
びゴム栓の弾性圧迫によってゴム栓内で引きちぎられて
フラグメントとして薬剤容器内に出るおそれがある。い
わゆる保護膜のコアリング現象が生じるおそれがある。
しかし、本発明においては、保護膜は被刺通面と0.7
mm以上、特に、刺通される連通針の外径の1/2以上
であれば、保護膜の延びた部分が被刺通面に到達するこ
とが困難となり、保護膜がゴム栓内に埋没してコアリン
グ等を起こすことがない。従って、薬剤容器は、連結口
内での安全な滅菌がなされ、連通針の刺通に際して汚染
物等が薬剤容器内に混入するおそれがない。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係る薬剤容器の好ましい実施
例を添付図面を参照しながら詳述する。図1(A)及び
(B)は本発明に係る薬剤容器の第一実施例の正断面図
及び上面図である。図2は、第一実施例の薬剤容器と輸
液容器を連結させた要部断面図である。図3及び図4は
第一実施例の使用に際しての要部断面図である。
【0009】本発明に係る第一実施例の薬剤バイアル
(薬剤容器)5は図1〜図4に示す如く、開口部51を
有し、開口部51から薬剤6が内部に収納され、また開
口部51がゴム栓7で密封され、外部から内部に通ずる
連通路を確保するために連通針をゴム栓7に刺通して用
いる薬剤容器である。薬剤バイアル5、少なくともゴム
栓7の被刺通面71が連通針で刺通可能な保護膜81で
覆われている。しかして、薬剤バイアル5は、その保護
膜81の被刺通面に切れ込み溝条部(長いスリット状の
溝条部)82、82が形成してある。切れ込み溝条部8
2、82は二条形成され、且つ溝条部82、82同士が
クロスしている。尚、保護膜81はステンレスからな
り、被刺通面71を覆う部分を除いて肉厚に形成され、
且つゴム栓7を開口部51に固定するためのカシメキャ
ップ8の一部である。また、バイアル5における保護膜
81の表面の滅菌処理が過酸化水素水による化学滅菌処
理である。そして、図2に示す如く、連通針9を具備し
た可撓性容器10に連結されている。
【0010】本実施例に係るバイアル5を更に詳しく説
明すると、図1に示す如くバイアル5内に凍結乾燥され
た薬剤6が無菌充填されており、バイアル5の開口部5
1はゴム栓7で密封されている。ゴム栓7は被刺通面7
1を有し、被刺通面71には金属製或いは樹脂製の連通
針が刺通可能になっている。また、ゴム栓7にはカシメ
キャップ8が取付けられ、カシメキャップ8はカシメて
開口部51のに固着されている。カシメキャップ8はス
テンレス製であり、打ち抜き延伸等により連通針が刺通
される中央面には保護膜81が形成され、圧延時の圧迫
成形により保護膜81の外面にはクロスした二条の溝条
部82、82が形成されている。即ち、保護膜81は連
通針等の鋭利な先端が溝条部82に差し込まれると、容
易に開放され、また、破片等が生じないようになってい
る。
【0011】また図2に示す如く、バイアル5は予め可
撓性容器10と連結されていても良い。即ち、可撓性容
器10内には溶解液11が収納され、連結口12が設け
られている。連結口12内には連通針13が予め無菌的
に配されている。可撓性容器10は、直鎖状低密度ポリ
エチレンをインフレーション成形した筒状シートを所定
の長さに裁断して、裁断両端部を熱溶着により固着シー
ルして形成されている。図示しない端部には排出口が取
り付けられ、端部10Aには連結口12が取付られてい
る。連結口12は連結口部材14と連通針13と収納材
15とからなり、連結口部材14は筒体で、樹脂製の連
結針13及び収納材15が挿入収容され、連通針13は
先端に刺通部13Aが形成され基端に取付用フランジ1
3Bが形成されている。取付用フランジ13Bは連結口
部材14に熱溶着により液密に取付られ、連通針13は
収納材1に収納されている。収納材15は可撓性キャッ
プからなり先端に接続部材16が取り付けられている。
【0012】接続部材16は連結口部材14に設けられ
るストッパー17に支持され、またカプセル18の接続
口18Aに嵌着されている。樹脂製の保持カプセル18
内にバイアル5が収納され、保持カプセル18は天面に
樹脂製蓋体19が取付られている。蓋体19は図示しな
い協合部を介して保持カプセル18に接合され、その協
合部の破壊によりカプセル18内から使用後のバイアル
5を抜き出すことができるようになっている。従って、
使用後、ガラス製のバイアルなどの廃棄処理が容易にな
っている。カプセル18内のバイアル5のゴム栓7及び
カシメキャップ8の外周縁にはゴム製の弾性パッキン2
0が液密に取付られ、弾性パッキン20の一部20Aは
カプセル18の接続口18Aの内周壁の一部を液密に覆
っている。また、接続部材16と接続口18Aの接続の
際に、接続口18A内が過酸化水素水等の化学滅菌がな
されており、接続後は、カシメキャップ8の保護膜81
の表面が滅菌維持されている。カプセル18と連結口1
2との間に案内用の樹脂製支持筒21が配せられる。支
持筒21は、ストッパー17を取り外した時にカプセル
18が可撓性容器10に正確に移動するように案内して
いる。
【0013】次に、第一実施例の薬剤容器であるバイア
ルの使用について説明する。図2に示す状態で、ストッ
パー17を取り外し、カプセル18を支持筒21内に押
し込む。これにより、カプセル18の接続口18A及び
接続部材16が連結口部材14の開口内に押し込まれる
(図3)。押し込まれることにより、連結針13は収納
材15の先端部及びゴム栓7の被刺通面71を刺通し、
可撓性容器10とバイアル5とが連通し、ポンピングに
より可撓性容器10内の溶解液11と薬剤6とを混合
し、可撓性容器10内に戻して点滴を開始する。この場
合、図4に示す如く、保護膜81の破砕部はランダムな
破砕が起こらず、切れ込み溝条部82に沿って規則正し
く起こり、破片などが生じ難い。また、ゴム栓7に埋没
した破砕部も連通針13の摺接があっても離脱し難くな
っている。従って、保護膜8の一部がフラグメントとし
てバイアル5内に飛散することはない。
【0014】次に、本発明に係る第二実施例の薬剤容器
を添付図面の図5に従って説明する。図5(A)及び
(B)は第二実施例のバイアルの正断面図、及び上面図
である。図5に示す第二実施例のバイアル31は第一実
施例のバイアル5とほぼ同一の構造を有しており、異な
る点は、ゴム栓7’にある。ゴム栓7’の中央部には穴
72が形成され、穴72の底面は薄肉化されて連通針の
刺通が可能な被刺通面71となっている。また、ゴム栓
7には樹脂製のカシメ用成形キャップ8’が取付られ、
穴72の開口面はカシメキャップ8’で覆われ、切れ込
み溝条部82、82が形成されている。従って、被刺通
面71である穴72の底面と保護膜81部分にある切れ
込み溝条部82とは離間された状態にあり、かかる離間
距離は穴72の深さによって決定される。被刺通面71
と切れ込み溝条部82との間Sは、刺通される上述の連
通針13の外径Lの1/2以上であることが望ましい。
通常、連通針13は溶解液11及び混合液がバイアル5
内と可撓性容器10内との間をポンピング等により往復
するため、金属製では外径が1.4mm、樹脂製では外
径が3.0mm以上要求される。このため、被刺通面7
1と保護膜81との間Sは0.7mm以上、特に1.5
mm以上、更には2.0mm以上離間していることが望
ましい。連通針の外径の1/2を下回ると、保護膜81
が破壊された時、その破壊部分が被刺通面71まで到達
し、連通針によりゴム栓7内に巻き込まれるおそれがあ
る。また、離間Sが2.0mm以上であれば、連通針に
複数通路を設けることが容易にできるため、上記溶液の
流通をスムースにできる等の利点がある。本実施例では
深さが0.7mm以上で、詳しくは5.0mmに形成さ
れている。
【0015】このような構成にあっても、連通針がゴム
栓7に刺通されたとき、第一実施例のバイアル5と同様
に保護膜81からフラグメントが分離し難くなる。更
に、切れ込み溝条部82の保護膜81部分は、連通針1
3により被刺通面71に向かって延びる。しかし、保護
膜81の延びた部分がゴム栓7の被刺通面71に到達す
ることはなく、連通針13の移動によってゴム栓7内に
埋没するおそれがない。従って、保護膜81の一部がフ
ラグメントとしてバイアル31内に飛散することはな
い。
【0016】次に、本発明に係る第三実施例の薬剤容器
を添付図面の図6及び図7に従って説明する。図6及び
図7は第三実施例のバイアルの要部正断面図、及び第三
実施例のバイアルに連通針が刺通された状態を示す要部
断面図である。図6及び7に示す第三実施例のバイアル
41は第一実施例のバイアル5とほぼ同一の構造を有し
ており、異なる点は、アルミ製のカシメキャップ42に
ある。ゴム栓7の被刺通面71を覆うカシメキャップ4
2の保護膜43部分は、被刺通面71から浮き上がらせ
て形成されている。また保護膜43の厚みは5μm〜1
00μmに形成されているが、その周囲、特に保護膜4
3の浮き上がりを支える肩部44は容易に変形しない肉
厚部となっている。ゴム栓7の被刺通面71と保護膜4
3との間Sは、連通針13の外径Lの1/2以上である
ことが望ましいことは上述の通りである。本実施例で
は、被刺通面71と保護膜43とは3mm離間されてい
る。また、保護膜43の表面には一条の切れ込み溝条部
45が形成されている。このような構成においても、連
通針がゴム栓7に刺通されたとき、第一実施例のバイア
ル5と同様に保護膜43からフラグメントが分離し難く
なる。更に、保護膜43を支持している肩部44は肉厚
になっており、連通針13の刺通衝撃に対して耐変形性
を示す。このため、連通針13の刺通の瞬間においても
保護膜43と被刺通面71とは離間し、保護膜43の延
びた部分がゴム栓7の被刺通面71に到達することはな
く、連通針13の移動によってゴム栓7内に埋没するお
それがない。従って、保護膜43の一部がフラグメント
としてバイアル41内に飛散することはない。
【0017】上記実施例において、収納材15と弾性パ
ッキン20との無菌接続に過酸化水素を用いたが、本発
明において、過酸化水素以外の殺菌効果のある化学物質
を用いても良い。上記実施例において、ゴム製のゴム栓
7及び弾性パッキン20を用いたが、本発明では、接続
面が液密にできる弾性部材である限り、熱可塑性エラス
トマーなどでも良い。上記実施例において、可撓性容器
10に溶解液11を充填した。本発明では溶解液、又は
希釈液として、通常使用されている輸液などが充填され
ていても良い。上記実施例において、バイアル5に凍結
乾燥物を充填したが、本発明では場合によって薬液を充
填しておいても良い。また、バイアル5はガラス製であ
るが、本発明において樹脂容器を用いても良い。上記実
施例において、保護膜に切れ込み溝条部82を二条とし
たが、本発明では一条でも、また三条以上でも良い。但
し、複数条をクロスして設けたほうが望ましい。上記実
施例において、圧延時の圧迫変形により切れ込み溝条部
82を形成したが、樹脂であれば、射出成形時に形成し
ても良く、またカッタなどで切れ込み形成しても良い。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る薬剤容
器では、上記保護膜の被刺通面に切れ込み溝条部が形成
してあるので、可撓性容器を無菌的に連結する場合、連
結直前にゴム栓の表面を安全且つ確実に滅菌若しくは殺
菌することができ、また連通針の刺通時に薬剤等の汚染
が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)は本発明に係る薬剤容器の第
一実施例の正断面図及び上面図である。
【図2】第一実施例の薬剤容器と輸液容器を連結させた
要部断面図である。
【図3】第一実施例の使用に際しての要部断面図であ
る。
【図4】第一実施例の使用に際しての要部断面図であ
る。
【図5】(A)及び(B)は第二実施例の薬剤容器の正
断面図である。
【図6】第三実施例のバイアルの要部正断面図である。
【図7】第三実施例のバイアルに連通針が刺通された状
態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
5、31、41 薬剤バイアル 6 薬剤 7 ゴム栓 8 カシメキャップ 10 可撓性容器 11 溶解液 71 被刺通面 81 保護膜 82 切れ込み溝条部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を有し、該開口部から薬剤が内部
    に収納され、また上記開口部がゴム栓で密封され、外部
    から内部に通ずる連通路を確保するために連通針を上記
    ゴム栓に刺通して用いる薬剤容器であって、少なくとも
    上記ゴム栓の被刺通面が上記連通針で刺通可能な保護膜
    で覆われている薬剤容器において、 上記保護膜の被刺通面に切れ込み溝条部が形成してある
    ことを特徴とする薬剤容器。
  2. 【請求項2】上記切れ込み溝条部は2以上形成され、且
    つ該溝条部同士がクロスしていることを特徴とする請求
    項1記載の薬剤容器。
  3. 【請求項3】上記保護膜の被刺通面と上記ゴム栓の被刺
    通面とが連通針の刺通時点で0.7mm以上離間してい
    る請求項1または2記載の薬剤容器。
  4. 【請求項4】連通針を具備した可撓性容器に連結されて
    おり、上記ゴム栓の被刺通面と上記保護膜とが上記連通
    針の外径Lの1/2以上離間していることを特徴とする
    請求項2記載の薬剤容器。
  5. 【請求項5】上記保護膜は上記被刺通面から浮き上がら
    せて配されている請求項3または4記載の薬剤容器。
  6. 【請求項6】上記ゴム栓の表面には穴部が形成され、該
    穴の底面を上記被刺通面とする請求項3または4記載の
    薬剤容器。
  7. 【請求項7】上記保護膜の表面が化学滅菌処理されてい
    る請求項1乃至6にいずれかに記載の薬剤容器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009504521A (ja) * 2005-08-10 2009-02-05 アボット・ラボラトリーズ 生体サンプルの収容用の容器のためのクロージャ
JP2010042863A (ja) * 2002-08-16 2010-02-25 Aseptic Technologies Sa バイアルのクロージャ・システム、バイアル、バイアルの密閉及び充填方法、並びにバイアル・スタンド

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