JPH09294624A - 遠赤外線放射型頭部加温器及び遠赤外線放射型顔面美容器 - Google Patents

遠赤外線放射型頭部加温器及び遠赤外線放射型顔面美容器

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JPH09294624A
JPH09294624A JP13576896A JP13576896A JPH09294624A JP H09294624 A JPH09294624 A JP H09294624A JP 13576896 A JP13576896 A JP 13576896A JP 13576896 A JP13576896 A JP 13576896A JP H09294624 A JPH09294624 A JP H09294624A
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JP
Japan
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head
heating element
infrared radiation
face
temperature
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JP13576896A
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Shigeyuki Yasuda
繁之 安田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的に用いられ、仕上がり状態が良く、し
かも、安全な遠赤外線放射型頭部加温器及び遠赤外線放
射型顔面美容器を提供する。 【解決手段】 略容器形状とされたフード本体12を備
え、30〜65℃の範囲の適宜の温度の変化に対して電
気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面
状に形成させるとともに電極を備える自己温度調節型面
状発熱素子を、フード本体12に取着等して構成される
放熱部12と、自己温度調節型面状発熱素子に電力を供
給するための電力供給部とを備える遠赤外線放射型パー
マネント促進器を提供する。また、被施術者の顔面と所
定の間隔を維持しながら該顔面を隠蔽する顔面隠蔽板を
備え、同様な発熱素子を、顔面隠蔽板に取着等して構成
される放熱部を備える遠赤外線放射型顔面美容器を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遠赤外線放射型頭部
加温器及び遠赤外線放射型顔面美容器に関する。更に詳
しく言えば、構造が簡単で、仕上がり状態が良く、しか
も、安全で、効率的に用いられる遠赤外線放射型頭部加
温器及び遠赤外線放射型顔面美容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、美容室、理容室等において、
被施術者の頭髪にパーマネントを施したり、トリートメ
ントを施したり、パーマネント及びトリートメントを同
時に施す際に、各種の装置が用いられている。例えば、
下方側に開口部を備えた略容器形状(ヘルメット形
状、円筒容器形状等)とされ、内部で温風やスチームを
発生させる加温器と、これを支えるスタンドとを備えた
装置(特開昭55−78910号公報等)や、被施術
者の頭部に向けられる赤外線放射ヘッドと、これを支え
るスタンド部とを備えた装置等が知られている。また、
かかる頭髪美容の際に、この様な装置を用いずに、被
施術者の頭髪の上に直接、若しくは間接に「蒸しタオ
ル」を配置する方法も用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
及びの装置では、ヒータ(ニクロム線ヒータ等)等で
加温された温風を頭髪に当てたり、赤外線ランプを頭髪
に放射しているため、頭髪を傷めることがある。また、
これらの装置では、ヒータ、ランプ等の熱源の稼働を、
サーモスタット等によりコントロールしているため、使
用中、これらの熱源が発する熱が、大きく変動する(例
えば、±10℃)ことが多い。そして、この「変動」を
原因として、パーマネント用の薬液(臭素酸塩類等)や
トリートメント用の薬液等の頭髪への定着が不均一とな
ったり、仕上がり状態に「むら」を生ずることも多い。
特に、上記の装置の場合には、被施術者の頭部の周囲
に多数の赤外線ランプを並べても、この者の頭髪を均一
に加熱することが困難なため、この様な事態を生じ易
い。
【0004】更に、上記及びに示す装置は、送風機
等の機械的な稼働部分を備えた複雑な構造とされ、ある
程度の重量を備えている。従って、より簡易な構造とさ
れ、しかも、より軽量とされ、より取扱いの容易な装置
の出現が従来より望まれていた。また、上記の装置等
が備える赤外線ランプは、赤外線をも含む可視光線ラン
プであることが多く、その放射光は波長が制御されてい
るわけではないため、本当の意味での遠赤外線照射を行
い難いことも多い。従って、頭髪へのウエーブの定着、
頭髪への各薬液の定着等を効率的に行えないことも多
い。
【0005】更に、上記の方法では、施術者の頭髪を
長時間に渡り、しかも一定の温度で温めることは実質的
に不可能であり、薬液等の定着が不均一となったり、仕
上がり状態に「むら」を生じ易い。また、施術者にとっ
ても、一定時間毎に、冷めたタオルを温かいタオルと取
り替えることが必要となり煩わしい。また、美容室、理
容室等において、頭髪美容の一貫として、被施術者の毛
髪に育毛用の薬液をかけたり、頭皮のマッサージが行わ
れることが多い。更に、頭髪美容と共に、顔面美容が行
わることも多い。そして、この育毛や顔面美容等を効率
的、且つ安全に行うことも従来より望まれている。更
に、頭髪美容、顔面美容等を各家庭内でも、効率的、且
つ安全に行うことができる装置の出現が望まれている。
【0006】上記観点に鑑みてなされたものであり、構
造が簡単で、仕上がり状態が良く、しかも、安全で、効
率的に用いられる遠赤外線放射型頭部加温器及び遠赤外
線放射型顔面美容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本第1発明の遠赤外線放
射型頭部加温器(以下、「頭部加温器」という。)は、
開口部を有する略容器形状とされたフード本体を備えた
頭部加温器であって、30〜65℃(好ましくは、36
〜45℃、特に好ましくは、38〜42℃)の範囲の適
宜の温度の変化に対して電気抵抗が急変する性質を有す
る感熱電気抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極
を備える自己温度調節型面状発熱素子(以下、「面状発
熱素子」という。)を、上記フード本体の内壁に取着
し、若しくは該フード本体の内部空間に配置し、又は該
フード本体に埋設して構成される加温部材と、上記面状
発熱素子に電力を供給するための電力供給部と、を備え
ることを特徴とする。
【0008】本頭部加温器は、(1)被施術者の毛髪の
加温、(2)被施術者の頭皮の加温、(3)被施術者の
毛髪及び頭皮の加温等、種々の目的に使用される。例え
ば、毛髪への各薬液(パーマネント用、トリートメント
用、育毛用、毛染用等)定着を促進するために用いた
り、頭部の頭皮寄りの血液の循環を良くし、頭皮の状態
を改善するために用いたり、これら双方を行うために用
いられる。尚、この点に関しては、本第2〜8発明にお
いても同様である。
【0009】本第1発明の加温器により放射される赤外
線、とりわけ遠赤外線は、頭髪や頭皮の内部から直接暖
めることができる。しかも、面状発熱素子が、より低い
温度で連続的に頭髪等を芯から暖める。これ加え、この
面状発熱素子の発熱温度の上下変動が、従来のPTCヒ
ータ等に比べて格段に少なく、温熱効果が安定してい
る。従って、被施術者の頭髪や頭皮を傷めたり、各薬液
の定着が不均一となったり、仕上がり状態に「むら」を
生ずることが少ない。また、本加温器は、構造を簡易な
ものとし易く、温度コントロール用のサーモスタット等
が不要であると共に、電気回路構成も極めて簡単にでき
るため、軽量で、取扱いが容易で、安価なものとでき
る。
【0010】本第2発明の頭部加温器は、開口部を有す
る略容器形状とされたフード本体を備えた頭部加温器で
あって、外袋と、該外袋内に収納され、融解温度が30
〜65℃に調節された蓄熱剤と、該蓄熱剤中に内蔵され
た上記第1発明と同様な面状発熱素子と、を具備し、上
記フード本体の内壁に取着し、若しくは該フード本体の
内部空間に配置し、又は該フード本体に埋設して構成さ
れる加温部材と、上記面状発熱素子に電力を供給するた
めの電力供給部と、を備えることを特徴とする。本発明
では、上記蓄熱剤が、本第1発明の面状発熱素子の作用
を行う。また、本発明の面状発熱素子は、専ら、この蓄
熱剤の加熱源として作用する。従って、この面状発熱素
子の急変温度は、この蓄熱剤の融点よりも高いものであ
る。この温度差は、通常、3〜20℃(好ましくは5〜
15℃)程度である。
【0011】即ち、蓄熱剤を加熱すると、融解温度にま
で温度が上昇し、次いで、融解しながら潜熱を蓄える。
そして、冷却すると凝固しながら潜熱を一定時間放熱す
る。しかも、放熱温度の上下変動が極めて少なく(実質
上ほとんどなく)、温熱効果が極めて安定している。こ
れに加え、この蓄熱剤の融解温度が、30〜65℃(好
ましくは、36〜45℃、特に好ましくは、38〜42
℃)の範囲に調整され、蓄熱剤から放射される赤外線、
とりわけ遠赤外線が、頭髪や頭皮の内部から直接暖め
る。尚、この融解温度は目的、用途により種々好適な温
度に設定され、例えば、比較的高温の45〜55℃にし
たり、低目の36〜45℃とすることもできる。また、
構造を簡易で、軽量で、取扱いの容易で、安価なものに
し易い。従って、本第1発明と同様な効果が得られる。
しかも、本加温器では、蓄熱剤の熱源としての面状発熱
素子を備えるため、蓄熱剤を融解させる際に、加温部材
をフード本体より取り外す必要がない。
【0012】本第1及び2発明の「フード本体」は、剛
性の十分な一体型の略容器形状とされても、折り畳み、
分解可能とされてもよい。尚、フード本体の外側に外殻
カバーが被せられてもよい。本第1及び2発明の加温部
材は、フード本体の一部に取着、埋設若しくは配置され
れば、本発明の目的を達成できる。例えば、フード本体
が、略ヘルメット形状とされる場合、その頂上部寄り等
の内壁に取着したり、その頂上部等に埋設すれば良い。
また、フード本体の内部空間に配置(例えば、内部空間
に吊したり、フード本体固定手段に取着したりする。)
してもよい。
【0013】一方、加温部材を、フード本体の内壁の面
形状に略沿った面形状(大型とされた加温部材1枚によ
りこの面形状とされても、小型とされた加温部材の複数
枚によりこの面形状とされてもよい。)とし、フード本
体の内壁に取着したり、フード本体に埋設等してもよ
い。これらの場合には、加温部材が被施術者の頭髪等を
取り囲む状態となるため、より一層、効率的で、より一
層、仕上がり状態の良い加温器となる。この複数配置に
おいては、フード本体の内壁に散点状、間欠状に取着し
たり、フード本体に散点状、間欠状に埋設したり、フー
ド本体の内部空間に散点状、間欠状に配置してもよい。
【0014】更に、上記各発明の頭部加温器は、従来の
パーマネント装置等と同様に、所定のスタンド等に固定
して用いてもよいが、スタンド等に固定せずに用いるこ
ともできる。本第3発明では、本第1又は2発明におい
て、被施術者の頭部に固定するためのフード本体固定手
段を備えている。この「固定」とは、フード本体を頭部
に載置して、頭部の所定位置にこのフード本体を概ね固
定するとともに、このフード本体の重量を、頭部と接触
する固定手段全体で分散保持するものである。そして、
通常、被施術者の頭部と加温部材との間には、所定の隙
間を維持した状態で固定される。この「フード本体固定
手段」としては、例えば 図9に示す2つの帯体が交差
的に連結されたもの555、又はヘルメットの内部に通
常使用されるような帯体をネット状に連結したもの等を
挙げることができる。本第3発明によると、フード本体
の重量を分散させることができるので、このフードを固
定式にせずに非固定の移動式とすることができ、大変便
利である。尚、このフード本体の下周縁部を肩に接触す
る(載置する)ことにより、このフード本体の重量を頭
部(髪)に負荷させないようにすることもできる。
【0015】また、本第1及び2発明において、本第3
発明に示す様なフード本体固定手段を備えると共に、電
力供給部を電池等の携帯が容易で、軽量、小型のものと
すれば、被施術者は、頭部加温器の使用中、歩き回るこ
ともできる。本第4発明では、上記第1〜3発明におい
て、上記フード本体の開口端縁より、被施術者の顔面と
所定の間隔を維持しながら該顔面を隠蔽するための顔面
隠蔽板を延設し、上記加温部材と同様な加温部材を該顔
面隠蔽板の内壁に取着し、若しくは該顔面隠蔽板に埋設
している。尚、この「延設」は、フード本体と一体でな
されても、別体でなされてもよい。本発明によると、頭
髪美容等と共に、フェースケアを行うことができる。即
ち、顔面隠蔽板に設けられた加温部材から、赤外線、と
りわけ遠赤外線が、被施術者の顔面に向け、むらなく、
放射される。尚、「顔面隠蔽板」の形状は特に問わな
い。例えば、平板形状とされても、曲板形状(人の顔面
に向けて凹面形状となる。)等とされてもよい。
【0016】本第6発明の頭部加温器は、被施術者の頭
部に向けられる平面状、若しくは該頭部に向けられた凹
面状とされた各放射側面を有する2以上の各基体部を、
該頭部の周囲に配置する放射用ヘッドを備えた頭部加温
器であって、第1発明と同様な面状発熱素子を上記各放
射側面に取着し、又は該各基体部の内部に埋設して構成
される加温部材と、上記面状発熱素子に電力を供給する
ための電力供給部と、を備えることを特徴とするもので
あり、本第1発明と同様な作用を奏することができる。
尚、各放射側面が凹面状とされた場合には、より一層、
効率良く作用する。
【0017】上記各放射側面の向く方向を、適宜、選択
される。例えば、被施術者の側頭部に向けたり、頭頂部
に向ける等の選択がなされる。また、各基体部の数は、
2以上であれば特に問わない。更に、3以上の基体部を
備える場合、そのうちの幾つか基体部の放射側面を被施
術者の頭頂部に向け、残りの基体部の放射側面を被施術
者の側頭部に向ける等の選択が可能である。また、本加
温器は、所定のスタンド等に取着して用いるのが、一般
的である。その際、各基体部は、別々の連結部材(アー
ム等)を用い、スタンド等に別々に固定されても、一の
連結部材を用いて固定されてもよい。
【0018】本第7発明の頭部加温器は、本第6発明と
同様な放射用ヘッドを備えた頭部加温器であって、外袋
と、該外袋内に収納され、融解温度が30〜65℃(好
ましくは、36〜45℃、特に好ましくは、38〜42
℃)に調節された蓄熱剤と、該蓄熱剤中に内蔵された本
第1発明と同様な面状発熱素子と、を具備し、上記各放
射側面に取着し、又は該各基体部の内部に埋設して構成
される加温部材と、上記自己温度調節型面状発熱素子に
電力を供給するための電力供給部と、を備えることを特
徴とする。即ち、本第7発明と本第6発明の関係は、本
第2発明と本第1発明の関係と同様である。
【0019】本第6及び7発明における加温部材も、各
放射側面の一部に取着し、若しくは各基体部の一部に埋
設すればよい。但し、加温部材を、各放射側面の面形状
に、略沿った面形状(大型とされた加温部材1枚により
この面形状とされても、小型とされた加温部材の複数枚
によりこの面形状とされてもよい。)として取着した
り、埋設すれば、より一層、効率的に、より良い仕上が
り状態が得られる。また、各放射側面や基体部に散点
状、間欠状に取着したり、各基体部の内部に散点状、間
欠状に充填配置されてもよい。更に、各基体部等に、所
定の外殻カバーが被せることもできる。
【0020】本第9発明の遠赤外線放射型顔面美容器
(以下、「顔面美容器」という。)は、被施術者の顔面
と所定の間隔を維持しながら該顔面を隠蔽する顔面隠蔽
板を備えた顔面美容器であって、第1発明と同様な面状
発熱素子を、上記顔面隠蔽板の内壁に取着し、又は該顔
面隠蔽板に埋設して構成される加温部材と、上記面状発
熱素子に電力を供給するための電力供給部と、を備える
ことを特徴とする。即ち、本発明は、上記第3発明の顔
面隠蔽板を独立させ、顔面美容専用の機器としたもので
ある。
【0021】本第10発明の顔面美容器は、本第9発明
と同様な顔面隠蔽板を備えた顔面美容器であって、外袋
と、該外袋内に収納され、融解温度が30〜65℃(好
ましくは、36〜45℃、特に好ましくは、38〜42
℃)でに調節された蓄熱剤と、該蓄熱剤中に内蔵された
本第1発明と同様な面状発熱素子と、を具備し、上記顔
面隠蔽板の内壁に取着し、又は該顔面隠蔽板に埋設して
構成される加温部材と、上記面状発熱素子に電力を供給
するための電力供給部と、を備えることを特徴とする。
即ち、本第10発明と本第9発明の関係は、本第2発明
と本第1発明の関係と同様である。
【0022】本第9及び10発明に係わる加温部材も、
顔面隠蔽板の内壁の一部に取着し、若しくは顔面隠蔽板
の一部に埋設すればよい。但し、加温部材の面形状を、
顔面隠蔽板の面形状に略沿ったもの(大型とされた加温
部材1枚によりこの面形状とされても、小型とされた加
温部材の複数枚によりこの面形状とされてもよい。)と
して取着したり、埋設すれば、より一層、効率的に、よ
り良い仕上がり状態が得られる。また、散点状、間欠状
に取着したり、充填配置してもよい。更に、顔面隠蔽板
に、所定の外殻カバーを被せることもできる。本第11
発明では、上記第9又は10発明において、被施術者の
顔面と所定の間隔を維持しながら該顔面を隠蔽する状態
で、上記顔面隠蔽板を該被施術者の頭部に固定するため
の隠蔽板固定手段を備えている。そして、この様な固定
手段を備えると共に、電力供給部を電池等の携帯が容易
で、軽量、小型のものとすれば、被施術者は、顔面美容
器の使用中、歩き回ることもできる。
【0023】上記第1、6及び9発明等における「電気
抵抗が急変する温度(以下、「急変温度」とい
う。)」、及び上記第2、7及び10発明等における
「融解温度」を、30〜65℃とするのは、多少の熱損
失を考慮しても65℃を越えると、接触する人体に熱く
感じるし、30℃未満であると、頭髪美容、顔面美容等
を効率良く行うことができないからである。尚、好まし
くは36〜45℃(特に好ましくは、38〜42℃)で
ある。36〜45(特に、38〜42℃)とすれば、熱
く感じないし、加温部材が頭部に接触又は近接しても熱
くないし且つ髪をも傷めないので好ましい。
【0024】上記「感熱電気抵抗組成物」の具体的な構
成成分は、本発明の目的を達成できる範囲で種々選択で
きるが、樹脂(又はゴムでもよい。)と該樹脂中に分散
される導電性粒子とを含むものとすることができる。こ
の好適な例として、分子中に複数のアルキレンオキシド
を単位構造として含有するポリアルキレンオキシド類化
合物と、粉末、繊維若しくはウイスカーの形態をなす炭
素微細片、金属微細片又は金属酸化物微細片とを含有す
るものを挙げることができる。上記「樹脂」のうち、好
適に用いられる「ポリアルキレンオキシド類化合物」
は、骨格にポリアルキレンオキシド部分を有するもので
あって、正特性を示すものであればよく、直鎖状、環状
を問わない。この化合物は、通常、融点が18〜75℃
のほぼ常温固体のものである。その具体的化合物を以下
に例示する。
【0025】このうち、直鎖状化合物としては、ポリオ
キシアルキレン類、例えば、本第4発明に示すポリエチ
レングリコール(PEGともいう。)の他に、ポリエチ
レンオキシド(ジエチレングリコール等)、ポリプロピ
レングリコール(PPGともいう。)、ポリプロピレン
オキシド(ジプロピレングリコール等)、ポリオキシエ
チレンとポリオキシプロピレンのブロック共重合体(い
わゆるプルロニック、テトロニックと称されるもの、図
20及び21参照)、ポリオキシエチレン−モノ若しく
はジアルキルエーテル(図21参照)、ポリオキシエチ
レン−モノ若しくはジアリルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン−モ
ノ若しくはジアルキルエステル、ポリオキシエチレン−
モノ若しくはジアルキルアミン、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらのう
ち、ポリエチレングリコールが特に好ましい。
【0026】また、環状化合物としては、トリオキサン
の他、各種クラウンエーテル類、例えば、ジベンゾ−1
4−クラウン−4、15−クラウン−5、ベンゾ−15
−クラウン−5、18−クラウン−6、ジベンゾ−18
−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−
6、ジベンゾ−21−クラウン−7、ジベンゾ−24−
クラウン−8、ジシクロヘキシル−24−クラウン−
8、テトラベンゾ−24−クラウン−8、ジベンゾ−6
0−クラウン−20等が挙げられる(表1参照)。尚、
上記「樹脂」として、ポリアルキレンオキシド類化合物
以外のもの、例えば、ポリオレフィン系樹脂(PE、E
VA等)、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリフェニレンオキサイド等を用いることがで
きる。
【0027】
【表1】
【0028】上記導電性粒子は、粉末、繊維若しくはウ
イスカーの形態をなす炭素微細片、金属微細片又は金属
酸化物微細片であるものとすることができる。この「炭
素微細片」としては、黒鉛、活性炭又は無定形炭素等か
らなり、上記アルキレンオキシド類化合物中に混合可能
なものである。このうち、黒鉛が特に好ましい。また、
上記アルキレンオキシド類化合物中に混合される化合物
としては、上記に示す炭素化合物の代わりに、金属、金
属酸化物等の他の導電性微細片(粉末、繊維若しくはウ
イスカーの形態を問わない。)を用いることもできる。
これらの場合においても、エーテル結合の酸素の孤立電
子対が、充填剤の分散等に対してやはり重要な役割を演
じていると思われる。この導電性粒子等の具体例は次の
通りである。
【0029】金属粉末、金属箔片、金属繊維としての金
属は、金、銀(図22参照)、銅、鉛、錫、アンチモ
ン、鉄、ニッケル、コバルト、インジウム、アンチモン
がドープされた酸価錫(図22参照)等を用いることが
できる。この粉末の粒子径は約0.1〜50μm程度、
金属箔片は厚さ0.1〜20μm、アスペクト比5〜2
00程度のものが好ましい。金属繊維としては、太さ
0.05〜50μm、長さ1〜2mm程度のものが好ま
しい。
【0030】両者の混合物は、いかなる組成比でも極め
て安定で均一に混合されており、相分離しないものであ
る。そして、炭素微細片等の混合割合によって正特性の
あらわれる領域があり、しかも定常加熱温度が37〜5
5℃の範囲に入る組成(種類及びその配合割合)であれ
ばよい。通常、この両者100重量部に対する炭素微細
片の配合割合は、15〜40重量部の範囲である。この
15重量部より少ない場合は高抵抗で通電性がない場合
が多く、40重量部を越えると、逆に通電性が大となっ
て温度変化により正特性を示さないものが多くなる。し
かし、ポリアルキレンオキシド類の種類及び重合度、並
びに炭素微細片の種類及びその配合割合、更には、水等
の添加物の添加等によって正特性のあらわれる範囲は変
動するので、上記範囲に限定されるものではない。
【0031】本第5、8及び12発明では、上記面状発
熱素子が所定のゴム若しくは樹脂で構成され且つ該面状
発熱素子の表裏両面を覆う被覆賦形部を備えている。こ
の被覆賦形部は、面状発熱素子の剛性を高めたり、又は
全体としての柔軟性を付与したり、面状発熱素子を湿
気、汚れ等から保護するためのものである。そして、こ
れらの被覆賦形部に、頭部、顔面が直接、若しくは間接
に接触する可能性のある部分があれば、少なくとも、こ
の部分をゴムを用いて構成することが特に望ましい。接
触した場合ソフトな感覚があるからである。
【0032】更に、このゴムの種類は特に限定されない
が、シリコンゴム若しくはウレタンゴムが特に好まし
い。これらは耐水性に優れるとともに、液状原料を用い
て常温下若しくは加熱下において容易に型成形できるか
らである。但し、EPR、EPDM等の他の熱可塑性エ
ラストマー、更には天然ゴム、SBR、NBR等の合成
ゴムを用いることもできる。また、被覆賦形部を、ひま
し油から誘導された変成ポリオールとポリイソシアネー
トとを反応硬化させてなる、又はひまし油から誘導され
た変成ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて
なるプレポリマーを硬化させてなるポリウレタン樹脂か
ら構成することもできる。この場合、耐水性、耐湿気老
化性、常温硬化性及び成形容易性に優れることとなる。
【0033】また、被覆賦形部の材質として、例えば、
ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、更にはポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル等が挙げられ、成形容易性の点では前者
のポリエステル樹脂等の液状原料のものが好ましい。更
に、独立気泡型発泡樹脂(ポリエチレン、ポリウレタ
ン、ポリプロピレン等)として軽量化することもでき
る。
【0034】本感熱電気抵抗組成物は電力を供給すると
温度が低い間は抵抗が低いので電流が流れ、その結果、
発熱体温度が上昇し、ある温度に近づくと抵抗値が急増
するので電流は減少し、その結果発熱体は一定温度(定
常発熱温度)で発熱する(例えば図13及び16参
照)。そして、この組成物においては、以下の〔発明の
実施の形態〕欄に示すように、黒鉛等の添加量、P
EGの分子量、分子量の異なるPEG同志の配合、
水等の添加剤の添加等により、定常発熱温度を36〜5
5℃(好ましくは42〜50℃)程度に自由に設定でき
る。従って、これらの調整により、遠赤外線浴に適する
組成物を調製できる。
【0035】また、上記各発明の面状発熱素子を、シリ
コンゴムマット又はひまし油系ポリウレタン樹脂マット
内にインサート成形したものにおいては、常温硬化させ
ることができるので、製造が極めて簡単であり、しかも
防水性、防湿性に優れ、可撓性(変形性)があって肌触
りが良く、劣化が少ない。更に、上記各発明の面状発熱
素子に、商用電力を30V以下(特に17V以下)の電
力に変換して給電するものにおいては、この素子が、万
一、人体に触れても、人体に与える影響が極めて少なく
なり、安全性が向上する。尚、17V以下の電力に変換
するのが特に好ましいのは、この電圧が人体にほとんど
危害を与えるものではないので、極めて安全となると共
に、乾電池1個(1.5V)及びその複数個の連結によ
っても、作動させることができ、極めて安全且つ実用的
であるからである。
【0036】上記「蓄熱剤」としても、上記「感熱電気
抵抗組成物」の説明で例示したポリアルキレンオキシド
類化合物が好適に用いられる。そして、これらの化合物
のうちで、ポリエチレングリコールが好ましい。更に、
ポリエチレングリコールとして、平均分子量500〜6
000のものを用いれば、これにより構成される蓄熱剤
の融解温度を、上記「30〜65℃」に調節することが
容易となり、更に好ましい。また、この他に、塩化カル
シウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、チオ硫酸ナ
トリウム等の無機水和塩やパラフィン等を用いることが
できる。
【0037】尚、面状発熱体若しくは蓄熱剤と、その輻
射遠赤外線スペクトルとの関係について述べる。これら
の発熱体はスイッチング機能により通電後、若しくは加
温後に、一定温度を保持し続けるわけであるが、この一
定温度とは30〜65℃程度である。黒体輻射の法則
(ウイーンの変位則)から計算すると、輻射遠赤外線は
8.7〜9.3μmに極大値をもつスペクトルを与え
る。この温度と輻射遠赤外線波長の関係は以下に示す通
りである。10℃(10.24μm)、30℃(9.5
6μm)、40℃(9.26μm)、50℃(8.97
μm)、60℃(8.70μm)。これらの波長の遠赤
外線は人体内部に入るので、本発明にとって30〜65
℃程度の加熱により放射される遠赤外線(10μm弱)
は不可欠である。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て述べる。本形態では、先ず、(1)感熱電気抵抗組成
物(以下、「組成物」という。)に要求される条件につ
いての検討を行った後に、(2)この組成物を「頭部加
温器」若しくは「顔面美容器」に適用した実施例を述べ
る。
【0039】(1)組成物に要求される条件の検討 本「検討」は、「頭部加温器」若しくは「顔面美容器」
に適した組成物の条件、即ち定常発熱温度を30〜65
℃(好ましくは、36〜45℃)間に調整可能となる組
成物の条件を得ることを目的になされたものである。具
体的には、黒鉛粉末の配合量、ポリエチレングリコ
ール類の分子量、分子量の異なるポリエチレングリコ
ール(PEGという。)同志の混合、PEGとポリプ
ロピレングリコール(PPGという。)とのブロック共
重合、水等の添加剤及び膨潤する高分子物質の添加
剤について、以下の様な検討を行った。
【0040】黒鉛粉末の配合量の検討 黒鉛粉末の配合量と適正な定常発熱温度との関係を調べ
るために、以下の試験を行い、その結果を図13及び1
4に示す。即ち、融点49℃のPEGの黒鉛粉末を、図
13に示す割合で混合した組成物を調整し、この組成物
を、透明なアクリル樹脂板(260×350×2mm)
とウレタンゴム板(260×350×30mm)中に形
成された間隙中に、厚さ50mmの状態で封じ込んだ。
また、電極を、交互に組成物中に配設している。そし
て、この様に構成される発熱体の中央には、温度測定の
ための熱電対が配設されている。また、この発熱体に、
交流100Vの電圧印加をして温度変化を調べた所、黒
鉛粉末の配合割合によって、定常加熱温度を自由に設定
できることが判った(図13)。即ち、黒鉛粉末の添加
を25〜33%程度とすれば、40〜60℃の定常加熱
温度を確保できる。
【0041】また、黒鉛25%を含有する組成物におい
て加熱時間の経過を調べると、まず、電圧印加によって
電極付近から5分間以内に完全に溶融してしまう。温度
変化をみると、2時間位の通電によって最高温度42℃
になっている。以後温度調節機能が働いて同じ温度を保
持しているのである。この状態で6時間30分経過後電
圧印加を止めた(図14)。尚、従来のチタン酸バリウ
ム系感熱抵抗素子であると、直ちに常温に戻ってしま
う。しかし、PEGを用いた本例では、通電を止めた後
1時間30分もの長い間同一温度を保っている。そし
て、その後徐々に温度は下がり、完全に常温に戻るのは
通電を止めた後7時間以上経過してからであり、長期の
保温性に優れる。この原因は、溶融状態のPEGが凝固
しながら熱を放散するためである。
【0042】ポリエチレングリコールの分子量の検討 PEGの分子量と定常加熱温度との関係を調べると、図
15に示すように、分子量を変えることにより、この温
度を自由に調整できる。従って、分子量が1000〜6
000程度(同温度;33〜56℃程度)が好ましいこ
とが判る。尚、この図15の結果は、黒鉛(西村黒鉛
(株)製、「90−300M」)を27重量%含むもの
であり、この組成物層は80×3000×80mmであ
り、鋸歯状の銅製電極を用い、印加電圧は100Vであ
る。
【0043】分子量の異なるポリエチレングリコール
同志の混合 分子量100万の超高分子PEGと、分子量40万の中
分子PEGと、3000〜8000程度の低分子PEG
とを、各々配合して、その場合の定常加熱温度を調べ、
その結果を表2並びに図16及び17に示した。
【0044】
【表2】
【0045】これらの結果によれば、その組み合わせに
よっては、定常加熱温度を調節できる。これらのデータ
においても、この温度が51〜55℃程度の目的のもの
が得られている。尚、これらの結果は、以下のようにし
て素子を製作し、測定した。即ち、トルエン95重量部
に対して平均分子量約100万のポリエチレングリコー
ル(ユニオンカーバイド・Polyox(WSR N-12K) )5重量
部を混合し、ポリマーが十分溶解した後、鱗片状黒鉛
(西村黒鉛(株)製、「90−300M」)1.58部
を分散させた。予め、ガラス板上に網状のシールド線を
電極としてセットし、これに対して前述の溶液を流して
乾燥させ、電極間距離76mm、長さ30cmの面状発
熱体を形成し、真空乾燥して溶媒を除去した。得られた
面状発熱体は柔軟性に非常に優れている。即ち、分子量
の高いポリエチレングリコールは柔軟性を示すのでこれ
を用いればフレキシブルな面状発熱体が得られる。これ
を厚さ5mmの発泡ウレタンシートで上下を覆い、AC
100Vを印加した後の各時刻における発熱温度と抵抗
の関係を調べた。
【0046】PEGとPPGとのブロック共重合体の
使用について ポリプロピレングリコールの分子の両側にポリエチレン
グリコールを反応させた共重合体であるプルロニック
(旭電化工業(株)製、「F88」)70gとグラファ
イトカーボン(米山薬品工業製)30gの組成物を加熱
溶融し、繊維付きポリエステルシートに銅箔電極を接着
したもの2枚の間にシリコン製スペーサネットと共には
さみ込んで面状発熱体とした。面状発熱体の一方の面に
アルミ箔を接着して放熱板とし、温度センサーを装着し
て50mm断熱材2枚の間にはさみ込んで単一乾電池数
個を並列につないだ1.5VDC電源により通電し、各
時間における温度を図20に示した。尚、図21に示す
結果は、グラファイトカーボン量が28重量%のもので
ある。これらの結果に示すように、定常加熱温度が40
〜50℃という条件に適したものが得られている。ま
た、図20に示すように、乾電池1個(1.5V)の電
源であっても、100V同様、適正の発熱挙動を示し
た。
【0047】水等の添加剤の検討 水等の添加剤の影響について試験を行い、その結果を図
18に示す。この結果によれば、水の添加量を変えるこ
とにより、容易にその温度を変えることができる。ま
た、同図に示すように、37〜55℃の範囲の組成物が
得られている。尚、これらの結果は、以下のようにして
素子を製作し、測定した。即ち、ポリエチレングリコー
ル(第一工業製薬製、「#6000」)と黒鉛粉末(米
山薬品工業製、28重量%)と所定量の水の混合物を加
熱溶融して、これを300×800×0.11の繊維付
きポリエステルシートの2枚の間に入れ、全体を厚さ3
00μmのシート状にした。電極は幅6mm、厚さ80
μmのジグザグ状の銅テープ電極を用いた。尚、この面
状発熱体の一方の面に厚さ50μmのアルミ箔を接着し
て放熱板とした。AC100V通電後各時間における温
度を測定した。同図に示されるように、定常発熱温度は
水の添加により低下し、また、水の添加による抵抗値増
加もはっきりとみられる。
【0048】更に、水以外に、アルコール、カルボン酸
又は側鎖を有するポリアルキレングリコールの一種又は
二種以上を添加することによっても、同様に調節でき
る。尚、水は調節剤としての添加効果が極めて大きい
が、揮発性が大きな点で密閉系での使用に限定される。
このアルコールとしては、エチルアルコール、プロピル
アルコール、セチルアルコールのような高級アルコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、ペンチトールのような多価アルコール等を用い
ることもできる。このカルボン酸も低級でも高級でもよ
い。
【0049】膨潤する高分子物質の添加効果 膨潤する高分子物質を添加することもできる。この添加
により、高圧(200V)であっても、図19(ポリビ
ニルピロリドンの場合)に示すように、安定な挙動を示
すことが判る。即ち、100Vの時はほぼ44.5℃で
安定し、200Vの時も約53℃で安定した。
【0050】比較例として、上記混合物からポリビニル
ピロリドンを除去した発熱体の場合を同図の中に点線で
C及びDに示した。この物質としては、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、
ポリアクリル酸、澱粉、可溶性澱粉、セルロース、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、寒天、カ
ゼイン、ゼラチン等とすることができる。この添加量
は、僅か0.3%の添加で顕著な効果を示す。従って、
定常加熱温度が37〜55℃程度の組成物に更に、この
添加物を添加することにより、より安定な性能を備える
ものとすることができる。尚、これらの結果は、上記
で示す方法により素子を製作し、測定した。
【0051】(2)実施例 実施例1 実施例1では、図1〜4を用いて示される「頭部加温装
置」について述べる。この装置は、図1に示す様に、頭
部加温器1と、スタンド2とを備えている。尚、頭部加
温器1には、中間部に電力変換ユニットを備える電源コ
ードが取着されている(図示を省略する。)。尚、この
電力変換ユニットは、商用100V電力を30V以下
(好ましくは17V以下)の電力に変換するトランス、
スイッチング電源等を有するものである。また、このユ
ニットには、万一漏電が発生した場合を考慮して、漏電
遮断器(図示せず)を内蔵してもよい。
【0052】上記頭部加温器1は、図2及び3に示す様
に、略半球殻形状とされ、面状発熱素子Sをインサート
して形成された加温部材11と、これを覆うフード本体
12と、後端側に取着された支持用アーム13とを備え
ている。この加温部材11は、略半球殻形状とされた面
状発熱素子Sの表裏両面に配置されたひまし油系ポリウ
レタン樹脂マット(被覆賦形部)11a、11aにより
構成されている。そして、この加温部材11は、フード
本体12の内壁面に接着剤等を用いて固定されている。
【0053】尚、本実施例では、面状発熱素子Sの表裏
両面のうちのフード本体12の側を向く面には、頭部加
温器1の外側への熱損失を防ぐための断熱材Dが接合さ
れている。但し、この断熱材Dの配置を省略することも
できる。また、樹脂マット11a、11aを、シリコン
ゴム等の他の素材で作製することもできる。更に、この
面状発熱素子Sは、図4に示す様に、ポリエチレングリ
コール(第一工業製薬製、分子量;約1000、融点;
49℃」)に炭素粉末(黒鉛粉末、米山薬品工業製)を
均一に分散させて作った組成物S1 を用い、この組成物
1を電極S2 と混在(配置)させて面状に圧延成形す
ると共に、その表裏両面を、内面に不織布が接合された
ポリエチレンテレフタレート製フィルムS3 、S3 でサ
ンドイッチ状に挟み込んだものとなっている。
【0054】この場合、ポリエチレングリコールに分散
させる炭素粉末は、各種の形態のものを利用でき、例え
ば、無定形のカーボンブラックから結晶形の黒鉛まで幅
広く利用でき、その混合割合を25〜33重量%の範囲
内で設定することが好ましい。但し、アセチレンブラッ
クのように嵩比重の小さい炭素粉末は、混合割合を少な
めにし、黒鉛のような嵩比重の大きな炭素粉末は、混合
割合を多めに設定することが好ましい。尚、5重量%以
上25%未満、及び33重量%を越えて45重量%以下
の場合であっても、前記に示すように、黒鉛量、PEG
の分子量及び水の添加等により、目的とする30〜65
℃、好ましくは36〜45℃、特に好ましくは、38〜
42℃の定常加熱温度に調整することができる。但し、
頭部加温器1全体の定常加熱温度が、一様とされる必要
はなく、例えば、被施術者の頭頂部、後頭部等の重点箇
所に近接する箇所の温度を高めし、「うなじ」に近接す
る箇所の温度を低めにする等の選択が可能である。
【0055】このように構成された面状発熱素子Sの特
長は、ポリエチレングリコールの分子量を例えば500
〜20000程度の範囲で適宜設定することにより、肌
が触れても熱くない範囲で発熱温度を任意に設定でき
る。しかも、この発熱温度の上下変動が従来のPTCヒ
ータに比べて格段に少なく、素子全面で温熱効果が安定
していると共に、温度コントロール用のサーモスタット
も不要である。また、商用100V電力を電力変換ユニ
ット25によって30V以下(好ましくは17V以下)
の電力に変換して、面状発熱素子Sに供給するので、万
一、漏電が発生した場合でも、人体に与える影響が少な
くなり、安全性が向上する。
【0056】また、この面状発熱素子S(及び断熱材
D)をインサートした加温部材11は、例えば、以下の
様に製造される。先ず、ひまし油から誘導されたポリオ
ール(伊藤製油株式会社製:商品名「URIC H)と
ポリイソシアネート(例えばTDI)とを配合して、数
分間混合攪拌して作ったひまし油系ポリウレタンの原液
30(図5参照)を成形型32内に所定量注入する。
尚、ひまし油から誘導されたポリオールとイソシアネー
トとを反応させて得たプレポリマー(伊藤製油株式会社
製:商品名「URIC N)と触媒を配合した原液を用
いることもできる。
【0057】この成形型32内には、予め面状発熱素子
Sが断熱材Dと共に水平に浮かせた状態にセットされ、
ひまし油系ポリウレタンの原液30を成形型32内に所
定量注入することで、面状発熱素子Sがひまし油系ポリ
ウレタンの原液30の中央に位置した状態となる。この
状態で、1時間程度、常温で放置すると、ひまし油系ポ
リウレタンの原液30が硬化し始め、その後、15時間
程度経過すると、完全に硬化し、ひまし油系ポリウレタ
ン樹脂マット11a内に面状発熱素子Sを断熱材Dと共
にインサート成形した加温部材11が出来上がる。この
様にして製造される加温部材11は、製造が極めて簡単
であることに加え、防水性、防湿性に優れ、可撓性(変
形性)があって肌触りが良く、劣化が少なく、長期間に
わたって安定した防水性、防湿性を維持できる。このよ
うなひまし油系ポリウレタン樹脂マット11a内に面状
発熱素子Sをインサート成形することで、発熱素子Sに
対する防水対策が万全なものになる。
【0058】上記フード本体(樹脂若しくは金属製)1
2は、図2及び3に示す様に、略半球殻形状とされてい
る。そして、加温部材11に被着され、頭部加温器1の
意匠性を向上させたり、頭部加温器1を保護する。ま
た、加温部材11を、しっかりと、半球殻形状に維持す
る作用をも有している。尚、本実施の形態では、フード
本体12の内壁面に、ひまし油系ポリウレタン樹脂マッ
ト11aを備えた面状発熱素子Sを取着しているが、面
状発熱素子Sのみを取着してもよい。また、面状発熱素
子Sのみ、若しくはひまし油系ポリウレタン樹脂マット
11aを備えた面状発熱素子Sを、フード本体12の内
部に充填配置したり、フード本体12の内部空間に吊り
下げてもよい。
【0059】上記支持用アーム(金属性)13は、図2
に示す様に、その一端部が、加温部材11の後端側と一
体とされている。そして、他端部が、上記スタンド2の
上端部に回転自在な状態で軸支されている。上記スタン
ド2は、脚先にキャスター21を備え、移動可能とされ
ている。また、中間の固定螺子22を緩めたり、締めた
りすることにより、上下方向に伸縮可能とされている。
【0060】以上の様に、本装置は、製造が容易で、安
全性に優れると共に、以下の様な効果を発揮する。即
ち、頭部加温器1により放射される赤外線、とりわけ遠
赤外線は、頭髪の組織を透過するので、頭髪の内部から
直接暖めることができる。しかも、面状発熱素子Sが、
被施術者の頭部を取り囲みながら、より低い温度で、連
続的に、頭髪の芯から暖める。これ加え、この面状発熱
素子Sの温熱効果が安定している。従って、被施術者の
頭髪や頭皮を傷めたり、頭髪にかけられる各薬液の定着
が不均一となったり、頭髪美容、育毛等の各処理の仕上
がり状態に「むら」を生ずることが少なくなる。また、
簡易な構造で、サーモスタット等が不要であり、電気回
路構成も極めて簡単であるため、安価に製造できると共
に、軽量で、取扱いが容易である。また、家庭用として
も好適に用いることができると共に、この様に、効率の
良い、遠赤外線の放射が可能なため、使用電力を節減で
き、省エネルギーの観点からも好ましい。
【0061】実施例2 本実施例の頭部加温装置は、図6に示す様な頭部加温器
3を備えること以外は、実施例1の装置と同様である。
この頭部加温器3は、略ブーメラン形状とされた放射用
ヘッド31と、その両側に位置する基体部311、31
2の内壁面(放射側面)取着された加温部材321、3
22と、該放射用ヘッド31の中央に位置する中央部3
13に一端部が取着され、略クの字形状とされた固定用
アーム33とを備えている。尚、固定用アーム33の他
端部は、所定のスタンドの上端部に接続されている。ま
た、放射用ヘッド31は、固定用アーム33を中心にし
て、適宜、揺動可能とされている。即ち、放射用ヘッド
31は「首振り機能」を備えている。
【0062】そして、加温部材321、322は、実施
例1と同様に、面状発熱素子(断熱材も含む。)を、ひ
まし油系ポリウレタン樹脂マットにより挟み込んだサン
ドイッチ構造とされている。尚、加温部材321、32
2を基体部311、312の内部に埋設してもよい。ま
た、本実施例では、加温部材321、322及びこれに
インサートされた面状発熱素子を平板状としているが、
これらの形状を基体部311、312の側に凹む凹面形
状としてもよい。また、基体部311、312及び加温
部材321、322の数は、本実施例に限定されない。
以上の様に構成される装置によっても、実施例1と同様
な効果が得られる。また、本装置では、頭部加温器3
を、被施術者の頭部の周囲に配置する構造とするため、
使用中の開放感が高い。
【0063】実施例3 本実施例の頭部加温器5は、図7及び8に示すものであ
り、実施例1の頭部加温器1に簡単な改良を加えたもの
である。即ち、頭部加温器5を略ヘルメット形状とする
と共に、実施例1に示す様な支持用アーム13を備えな
いものとした。また、図8に示す様に、頭部加温器5を
被施術者の頭部上に固定するための固定具51を取着し
ている。尚、この固定具51は、略リング状とされた本
体部51aと、本体部51aの所定の2点間に掛け渡ら
れた弓型部51b、51bと、本体部51aを頭部加温
器5の内壁面で支持するための脚部51c、51cとを
備えている。但し、固定具51の構造は、これに限定さ
れるものではない。また、頭部加温器5は、乾電池(5
〜20V)用の電池ボックス(図示しない。)を備えて
いる。但し、この電池ボックスの代わりに、電源コード
を備えていても、この電池ボックスと共に電源コードを
備えていてもよい。尚、両者を備える場合には、電源コ
ードを脱着可能としたり、折り畳み可能とすることが望
ましい。
【0064】そして、本頭部加温器5は、固定具51の
働きで、被施術者の頭部と、頭部加温器5の内壁面との
間に、所定の隙間を維持した状態で、被施術者の頭部上
に固定されて使用され、実施例1の効果の他に、以下の
効果が得られる。即ち、被施術者は、頭部加温器5の使
用中、椅子等に腰掛けてじっとしている必要がない。例
えば、被施術者は、頭部加温器5を被ったまま、ショッ
ピング等に出掛けることが可能となり、時間の有効利用
を図ることができる。尚、実施例1の頭部加温器1の変
形例に対応した種々の変形例を挙げることができる。
【0065】更に、本実施例の別の変形例として、図9
に示す頭部加温器55を挙げることができる。即ち、こ
の加温器55では、所定のシート(樹脂シート、樹脂シ
ート及びゴムシートの積層シート等)を容器形状に組み
立てて構成されるフード本体55を備えている。また、
固定具555が、湾曲状態とされた2本の長尺状シート
(樹脂シート等)を交叉状態にして構成されている。更
に、加温部材551としては、略矩形板状とされた小型
(80〜90mm×100〜130mm×5〜20m
m)のものを用いた。また、固定具555を構成する長
尺状シートの交叉部(上方から取着されても、下方から
取着されてもよい。)に取着されている。但し、加温部
材551を、固定具555とは別の部材を用いて、フー
ド本体552の内部空間に配置しても良い。また、加温
部材551をフード本体552の内壁に取着しても、フ
ード本体552の内部に充填してもよい。
【0066】本変形例では、実施例3の効果に加え、以
下の効果が得られる。即ち、フード本体552、固定具
555及び加温部材551の形状、構造の単純化が図ら
れ、しかも、各部材552、555、551の軽量化が
図られているため、被施術者が、自己の頭部に載せて長
時間使用しても苦にならない。また、この様に軽量であ
ると共に、フード本体552を組み立て式としたため、
移送を容易に行える。更に、構造が単純化されているた
め、製造コストが低く抑えられるため、家庭用の頭部加
温器55として特に適している。
【0067】実施例4 実施例4は、図10(a)に示す様な顔面美容器6に関
するものである。この顔面美容器6は、顔面隠蔽板61
と、加温部材62と、固定具63と、加温部材62に電
力を供給するための導線、乾電池等からなる電力供給手
段(図示を省略する。)とを備えている。上記顔面隠蔽
板61は、所定の樹脂若しくは金属板を用いて構成され
ており、被施術者の顔面を略隠蔽可能な曲板形状とされ
ている。上記加温部材62は、上記顔面隠蔽板61に追
随可能な曲板形状とされている。そして、実施例1の加
温部材11と同様に、面状発熱素子(断熱材も含む。)
を、ひまし油系ポリウレタン樹脂マットにより挟み込ん
だサンドイッチ構造とされている。
【0068】更に、固定具63は、略リング状とされた
本体部63aと、本体部63aの所定の2点間に掛け渡
られた弓型部63b、63bと、本体部63aの前方側
より突出し、先端部で、上記顔面隠蔽板61を支持する
係止腕部63cとを備えている。但し、固定具63の構
造は、これに限定されるものではない。尚、顔面隠蔽板
61及び加温部材62の被施術者の目、鼻、口に相当す
る場所には、必要に応じて、所定の通気孔、若しくは覗
き孔(R1 〜R3 )を設けることが望ましい。また、こ
の加温部材62は、顔面顔面隠蔽板61の略全面に配置
されてもよいし、視認可能な正面を除いた両側方に各々
1つづつ配置してもよい。この前者では顔面全部を完全
に遠赤外線放射できるし、この後者では視野が隠蔽され
ないので視認可能となる。
【0069】本顔面美容器6は、被施術者の顔面と所定
の間隔を維持しながら、顔面を隠蔽する状態で用いられ
る。そして、本顔面美容器6は、この様に、取扱いが容
易で、単純な構造であるにも係わらず、被施術者の顔面
に向けて、むらなく、効率的に遠赤外線を照射する。そ
して、被施術者の顔面からの老廃物の排出の促進等を行
い、十分なフェースケアを行う。また、本顔面美容器6
への電力供給を乾電池等で行うため、被施術者は、この
美容器6を顔面に取着したまま、歩き回ることもでき
る。尚、本実施例においても、実施例1の頭部加温器1
の変形例に対応した種々の変形例を挙げることができ
る。
【0070】また、本実施例及び実施例3の変形例とし
て、図10(b)に示す頭部加温器7を挙げることがで
きる。即ち、この頭部加温器7は、実施例3の頭部加温
器5の前方側の開口部端縁より、実施例4の顔面隠蔽板
61と同様な顔面隠蔽板71と、加温部材62と同様な
加温部材72とを延設させたものである。この変形例に
よると、実施例3及び4に、それぞれ述べた有用な効果
を、同時に得ることができる。
【0071】実施例5 本実施例では、図11及び12を用いて示される「頭部
加温装置」について述べる。この装置は、(ア)フード
本体82の内壁面より3対の係止部材821が突出して
いる点、及び(イ)加温部材81の構造が異なる点以外
は、実施例1の頭部加温装置と同様である。この加温部
材81は、図12に示す様に、外袋811と、外袋内に
収納された蓄熱剤812と、この蓄熱剤812中に内蔵
された熱源部813と、この熱源部813に電力を供給
するための電源コード814とを備えている。
【0072】このうち、外袋811は、熱可塑性合成樹
脂シートの周縁部を熱溶着し、熱溶着縁を形成した密閉
袋である。その材質は種々選択できるが、エチレン・ビ
ニルアルコールの共重合体、ポリエチレ、ポリプロピレ
ン、塩素化ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の
融点が高い(100℃以上)ものを選択することが望ま
しい。また、これらのシートは、単独で用いられてもよ
いが、強度を上げるために積層シートが用いられてもよ
い。尚、この積層シートとしては、所定の熱可塑性合成
樹脂シートに、エチレン・ビニルアルコールの共重合体
シートと、ポリエステルシートとを積層したものを例示
できる。
【0073】上記蓄熱剤812としては、平均分子量5
00〜6000のポリエチレングリコールを用いてい
る。これは、溶解温度を頭髪美容若しくは育毛に適した
30〜65℃に調節することが容易なためである。尚、
本加熱本体81(面状発熱素子813及び電源コード8
14を取り外して実験した方がよい。)を、熱湯により
約5分間、若しくは電子レンジ(500W)により約1
分間、加熱した場合、この加熱本体81は、加熱終了
後、約1分経過したところで、約42℃の放熱を行い、
その後、約1時間に渡って、この放熱温度(約42℃)
を維持する。従って、本実施例では、この様なポリエチ
レングリコールを用いることにより、肌が触れても熱く
ない範囲で、加熱本体81の放熱温度を設定できる。し
かも、この1時間の間、放熱温度の上下動が殆どなく、
温熱効果が安定してきる。但し、蓄熱剤812の材質は
本実施例に示すものに限定されない。
【0074】上記熱源部813は、実施例1に示す面状
発熱素子Sと同様な構造を備えている。従って、電源コ
ード814を通じて電力が供給されると、上下動が殆ど
無い状態で、効率良く蓄熱材812を加熱する。そし
て、この様な3つの加温部材81が、上記各3対の係止
部材821を用いて、フード本体82に取着され、本装
置は使用状態となる。但し、加温部材81の数、取着方
法等は、本実施例に限定されない。また、加温部材81
をフード本体82に埋設したり、フード本体82の内部
空間に吊すこともできる。尚、本実施例を実施例3(こ
の変形例も)と同様にスタンドを備えないものとした場
合には、フード本体82近辺にて電源コード814の接
続がなされており、これを取り外すことにより、頭部加
器の移動が容易になる。
【0075】本装置では、蓄熱剤812の放熱温度が、
所望の温度(約42℃)とされ、且つその温度の上下動
が少ないため、実施例1と同様な効果が得られる。その
際、蓄熱剤812の熱源として、上記熱源部813を用
いているため以下の様な効果が得られる。即ち、加温部
材81をフード本体82に取着したままの状態で、蓄熱
剤812の融解を行うことができる。若し、加温部材8
1が熱源部813を備えていないとすれば、蓄熱剤81
2の融解を行う毎に、加温部材81をフード本体82よ
り取り外し、電子レンジ、熱湯等で加熱することが必要
である。従って、本頭部加温装置は、実施例1〜3の加
温装置と同様な作用を発揮すると共に、利便性が高い。
尚、本実施例は、実施例1の変形例に該当するが、実施
例2及び3の頭部加温器3、5(これらの変形例も)
や、実施例4の顔面美容器6(変形例の頭部加温器55
も)が、本実施例と同様な加温部材81を備えていても
よい。
【0076】尚、本発明においては、前記具体的な実施
の形態及び実施例に示すものに限られず、目的、用途に
応じて本発明の範囲内で種々変更した変形的な形態、実
施例とすることができる。即ち、上記実施例1〜4で
は、面状発熱素子を各頭部加温器1、顔面美容器6等の
形状に追随した一体品としていたが、小型とされた複数
枚の加温部材11を並べたものとしてもよい。また、実
施例1及び2では、頭部加温器1等をスタンド2等に取
着して用いているが、美容室、理容室の壁面等に固定し
たり、椅子等に固定して用いることもできる。更に、実
施例5において、加温部材81をフード本体82の内壁
に追随した形状とすることもできる。
【0077】更に、実施例4の顔面美容器6及びその変
形例に係わる頭部加温器7を、スタンド2等に取着した
り、壁面等に固定してもよい。また、面状発熱素子Sを
インサート成形する樹脂マット11aの素材はひまし油
系ポリウレタンに限定されず、他の合成樹脂であっても
良く、また、その形成法は、上記実施形態のような注型
法に限定されない。更に、実施例1〜3及び5に示す頭
部加温器1を用いて、頭部を加温すれば、頭部の血行が
良くなり頭がすっきりしたり、髪の発育に好ましい。
【0078】
【発明の効果】以上の様に、本第1〜8発明の頭部加温
器及び第9〜12発明の顔面美容器は、仕上がり状態が
良く、しかも、安全で、効率的に用いられる。また、温
熱・遠赤外線効果により、被施術者の被温熱部位を芯ま
で、短時間にて連続的に暖めることができる。しかも、
温度調節用のサーモスタットが不要である等の理由で、
構造が簡単で、安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の頭部加温装置の斜視図である。
【図2】図1の頭部加温装置が備える頭部加温器を説明
するための概略的な縦断面図である。
【図3】図2の頭部加温器の一部縦断面図である。
【図4】図2の頭部加温器が備える加温部材の横断面図
である。
【図5】ひまし油系ポリウレタン樹脂マットの成形法を
説明する図である。
【図6】実施例2の頭部加温装置が備える頭部加温器を
説明するための概略的な一部斜視図である。
【図7】実施例3の頭部加温器を説明するための概略的
な斜視図である。
【図8】図7の頭部加温器を説明するための一部に切り
欠きを備えた斜視図である。
【図9】実施例3の変形例に係わる頭部加温器を説明す
るための一部に切り欠きを備えた斜視図である。
【図10】(a)は実施例4に係わる顔面美容器を説明
するための斜視図、(b)は実施例3の頭部加温器に、
実施例4に係わる顔面美容器の機能を付加した頭部加温
器を説明するための一部に切り欠きを備えた斜視図であ
る。
【図11】実施例5の頭部加温装置が備える頭部加温器
を説明するための概略的な縦断面図である。
【図12】図11の頭部加温器の詳細を示す概略的な一
部縦断面図である。
【図13】黒鉛粉末の配合量を変えた場合の通電時間と
温度との関係を示すグラフである。
【図14】黒鉛粉末25%含有組成物の加熱経過時間と
温度との関係を示すグラフである。
【図15】ポリエチレングリコールの分子量と温度との
関係を示すグラフである。
【図16】分子量の異なるポリエチレングリコール同志
の混合効果を調べた結果を示すグラフである。
【図17】分子量の異なるポリエチレングリコール同志
の混合効果を調べた結果を示すグラフである。
【図18】水の添加効果を調べた結果を示すグラフであ
る。
【図19】ポリビニルピロリドンの温熱効果を調べた結
果を示すグラフである。
【図20】PEGとPPGとのブロック共重合体と温度
との関係を示すグラフである。
【図21】ポリエチレングリコール類の種類を変えた結
果を示すグラフである。
【図22】銀等の導電性物質において通電時間と発熱体
の温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1;頭部加温器、2;スタンド、11;加温部材、11
a;ひまし油系ポリウレタン樹脂マット、D;断熱材、
S;面状発熱素子、12;フード本体、13;支持用ア
ーム、3;頭部加温器、31;放射用ヘッド、321、
322;加温部材、33;固定用アーム、5;頭部加温
器、51;固定具、55;頭部加温器、551;加温部
材、552;フード本体、555;固定具、6;顔面美
容器、61;顔面隠蔽板、62;加温部材、63;固定
具、7;頭部加温器、71;顔面隠蔽板、72;加温部
材、81;加温部材、811;外袋、812;蓄熱剤、
813;熱源部、814;電源コード、82;フード本
体、821;係止部材。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を有する略容器形状とされたフー
    ド本体を備えた遠赤外線放射型頭部加温器であって、 30〜65℃の範囲の適宜の温度の変化に対して電気抵
    抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に
    形成させるとともに電極を備える自己温度調節型面状発
    熱素子を、上記フード本体の内壁に取着し、若しくは該
    フード本体の内部空間に配置し、又は該フード本体に埋
    設して構成される加温部材と、上記自己温度調節型面状
    発熱素子に電力を供給するための電力供給部と、を備え
    ることを特徴とする遠赤外線放射型頭部加温器。
  2. 【請求項2】 開口部を有する略容器形状とされたフー
    ド本体を備えた遠赤外線放射型頭部加温器であって、 外袋と、該外袋内に収納され、融解温度が30〜65℃
    に調節された蓄熱剤と、該蓄熱剤中に内蔵され、30〜
    65℃の範囲の適宜の温度の変化に対して電気抵抗が急
    変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形成さ
    せるとともに電極を備える自己温度調節型面状発熱素子
    と、を具備し、上記フード本体の内壁に取着し、若しく
    は該フード本体の内部空間に配置し、又は該フード本体
    に埋設して構成される加温部材と、 上記自己温度調節型面状発熱素子に電力を供給するため
    の電力供給部と、を備えることを特徴とする遠赤外線放
    射型頭部加温器。
  3. 【請求項3】 被施術者の頭部に固定するためのフード
    本体固定手段を備える請求項1又は2記載の遠赤外線放
    射型頭部加温器。
  4. 【請求項4】 上記フード本体の開口端縁より、被施術
    者の顔面と所定の間隔を維持しながら該顔面を隠蔽する
    ための顔面隠蔽板を延設し、上記加温部材と同様な加温
    部材を該顔面隠蔽板の内壁に取着し、若しくは該顔面隠
    蔽板に埋設した請求項1乃至3のいずれかに記載の遠赤
    外線放射型頭部加温器。
  5. 【請求項5】 上記自己温度調節型面状発熱素子が所定
    のゴム若しくは樹脂で構成され且つ該自己温度調節型面
    状発熱素子の表裏両面を覆う被覆賦形部を備える請求項
    1乃至4のいずれかに記載の遠赤外線放射型頭部加温
    器。
  6. 【請求項6】 被施術者の頭部に向けられる平面状、若
    しくは該頭部に向けられた凹面状とされた各放射側面を
    有する2以上の各基体部を、該頭部の周囲に配置する放
    射用ヘッドを備えた遠赤外線放射型頭部加温器であっ
    て、 30〜65℃の範囲の適宜の温度の変化に対して電気抵
    抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に
    形成させるとともに電極を備える自己温度調節型面状発
    熱素子を、上記各放射側面に取着し、又は該各基体部の
    内部に埋設して構成される加温部材と、上記自己温度調
    節型面状発熱素子に電力を供給するための電力供給部
    と、を備えることを特徴とする遠赤外線放射型頭部加温
    器。
  7. 【請求項7】 被施術者の頭部に向けられる平面状、若
    しくは該頭部に向けられた凹面状とされた各放射側面を
    有する2以上の各基体部を、該頭部の周囲に配置する放
    射用ヘッドを備えた遠赤外線放射型頭部加温器であっ
    て、 外袋と、該外袋内に収納され、融解温度が30〜65℃
    に調節された蓄熱剤と、該蓄熱剤中に内蔵され、30〜
    65℃の範囲の適宜の温度の変化に対して電気抵抗が急
    変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形成さ
    せるとともに電極を備える自己温度調節型面状発熱素子
    と、を具備し、上記各放射側面に取着し、又は該各基体
    部の内部に埋設して構成される加温部材と、 上記自己温度調節型面状発熱素子に電力を供給するため
    の電力供給部と、を備えることを特徴とする遠赤外線放
    射型頭部加温器。
  8. 【請求項8】 上記自己温度調節型面状発熱素子が所定
    のゴム若しくは樹脂で構成され且つ該自己温度調節型面
    状発熱素子の表裏両面を覆う被覆賦形部を備える請求項
    7記載の遠赤外線放射型頭部加温器。
  9. 【請求項9】 被施術者の顔面と所定の間隔を維持しな
    がら該顔面を隠蔽する顔面隠蔽板を備えた遠赤外線放射
    型顔面美容器であって、 30〜65℃の範囲の適宜の温度の変化に対して電気抵
    抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に
    形成させるとともに電極を備える自己温度調節型面状発
    熱素子を、上記顔面隠蔽板の内壁に取着し、又は該顔面
    隠蔽板に埋設して構成される加温部材と、上記自己温度
    調節型面状発熱素子に電力を供給するための電力供給部
    と、を備えることを特徴とする遠赤外線放射型顔面美容
    器。
  10. 【請求項10】 被施術者の顔面と所定の間隔を維持し
    ながら該顔面を隠蔽する顔面隠蔽板を備えた遠赤外線放
    射型顔面美容器であって、 外袋と、該外袋内に収納され、融解温度が30〜65℃
    に調節された蓄熱剤と、該蓄熱剤中に内蔵され、30〜
    65℃の範囲の適宜の温度の変化に対して電気抵抗が急
    変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形成さ
    せるとともに電極を備える自己温度調節型面状発熱素子
    と、を具備し、上記顔面隠蔽板の内壁に取着し、又は該
    顔面隠蔽板に埋設して構成される加温部材と、 上記自己温度調節型面状発熱素子に電力を供給するため
    の電力供給部と、を備えることを特徴とする遠赤外線放
    射型顔面美容器。
  11. 【請求項11】 被施術者の顔面と所定の間隔を維持し
    ながら該顔面を隠蔽する状態で、上記顔面隠蔽板を該被
    施術者の頭部に固定するための隠蔽板固定手段を備えた
    請求項9又は10記載の遠赤外線放射型顔面美容器。
  12. 【請求項12】 上記自己温度調節型面状発熱素子が所
    定のゴム若しくは樹脂で構成され且つ該自己温度調節型
    面状発熱素子の表裏両面を覆う被覆賦形部を備える請求
    項9乃至11のいずれかに記載の遠赤外線放射型顔面美
    容器。
JP13576896A 1996-05-03 1996-05-03 遠赤外線放射型頭部加温器及び遠赤外線放射型顔面美容器 Pending JPH09294624A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999063856A1 (fr) * 1998-06-10 1999-12-16 Tela Co., Ltd. Casque chauffant pour cheveux
JP2014064734A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Hitachi Maxell Ltd 加熱ヘッドを備えた美容器具
CN109527766A (zh) * 2019-01-23 2019-03-29 烯旺新材料科技股份有限公司 一种头发护理仪

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WO1999063856A1 (fr) * 1998-06-10 1999-12-16 Tela Co., Ltd. Casque chauffant pour cheveux
JP2014064734A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Hitachi Maxell Ltd 加熱ヘッドを備えた美容器具
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