JPH1079287A - 室内内装材用遠赤外線放射型加熱体及び暖房具付室内内装材 - Google Patents

室内内装材用遠赤外線放射型加熱体及び暖房具付室内内装材

Info

Publication number
JPH1079287A
JPH1079287A JP31013796A JP31013796A JPH1079287A JP H1079287 A JPH1079287 A JP H1079287A JP 31013796 A JP31013796 A JP 31013796A JP 31013796 A JP31013796 A JP 31013796A JP H1079287 A JPH1079287 A JP H1079287A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
interior material
interior
far
heating
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31013796A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeyuki Yasuda
繁之 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOMONOKAI RIKAGAKU KENKYUSHO K
TOMONOKAI RIKAGAKU KENKYUSHO KK
Original Assignee
TOMONOKAI RIKAGAKU KENKYUSHO K
TOMONOKAI RIKAGAKU KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOMONOKAI RIKAGAKU KENKYUSHO K, TOMONOKAI RIKAGAKU KENKYUSHO KK filed Critical TOMONOKAI RIKAGAKU KENKYUSHO K
Priority to JP31013796A priority Critical patent/JPH1079287A/ja
Publication of JPH1079287A publication Critical patent/JPH1079287A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)
  • Central Heating Systems (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、加熱・保温温度の変動幅が小
さく、低電圧でも作動可能であり、省スペースで安全な
室内内装材用遠赤外線放射型加熱体及び暖房具付室内内
装材を提供する。 【解決手段】 本加熱体は、室内内装材(クロス、ボー
ド板、自動車用内装材等)2に配設して使用する室内内
装材用遠赤外線放射型加熱体1aであって、30〜65
℃(好ましくは38〜45℃)の範囲の適宜の温度の変
化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵
抗組成物(ポリアルキレンオキシド類化合物及び導電性
炭素微細片との混合物)を面状に形成させるとともに電
極14を備える自己温度調節型面状発熱素子1を発熱源
として内蔵してなる。外袋内に蓄熱剤及び上記発熱素子
を同居させた蓄熱・加熱型のものとすることができる。
この内装材2に加熱体1aを接合させたものとすること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は室内内装材に配設し
て使用する、室内内装材用遠赤外線放射型加熱体及び暖
房具付室内内装材に関する。更に詳しく言えば、加温温
度を一定に保ち易く、ランニングコストが低く、構造が
簡単で、安価に製造でき、しかも安全で、省スペースで
あり、取扱いが容易な室内内装材用遠赤外線放射型加熱
体に関する。また、本発明はこの室内内装材用遠赤外線
放射型加熱体を利用した暖房具付室内内装材に関する。
本発明は、家屋内及び種々の建屋内、並びに自動車内等
の暖房に利用される。特に、トイレ、風呂場、風呂場で
の脱衣場等の冬季での暖房に適する。
【0002】
【従来の技術】部屋を暖房する場合、電気、ガス、石
油、木炭等を用いた暖房器具で行うことが多い。また、
暖房器具の設置形態として、床面設置型、壁面設置型、
天井内設置型、床内設置型等があり、それぞれ発熱部分
・放熱部分・換気部分の一体型と分離型がある。
【0003】しかし、上記暖房器具による加熱・保温温
度の制御方法は、その稼働をサーモスタット等により断
続的にコントロールすることが多い。このため、使用中
に熱源の発する熱が大きく変動することが多く、電力又
は燃料の消費量も多い。更に、熱源は数百度の高温とな
り、可燃物の接触により引火し、火災の危険性がある。
また、燃料を燃焼する暖房器具においては、燃焼に必要
な酸素を供給する為に、室外までダクトを設ける、
部屋の戸を開ける等、何らかの形で換気をする必要があ
る。更に、不完全燃焼による一酸化炭素による中毒の危
険性もある。また、部屋のスペースの一部を占有するこ
とが多く、分離型は設置するために大規模な工事を必要
とするものが多い。以上より、構造が簡単で、加熱・保
温温度の変動幅が小さく、低電圧でも作動可能であり、
省スペースで安全な種々の暖房具の出現が、従来より望
まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点に
鑑みてなされたものであり、構造が簡単で、加熱・保温
温度の変動幅が小さく、低電圧でも作動可能であり、省
スペースで安全な室内内装材用遠赤外線放射型加熱体及
び、暖房具付室内内装材を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本第1発明の室内内装材
用遠赤外線放射型加熱体は、30〜65℃(好ましくは
38〜45℃)の範囲の適宜の温度の変化に対して電気
抵抗が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状
に形成させるとともに電極を備える自己温度調節型面状
発熱素子を発熱源として内蔵してなることを特徴とす
る。
【0006】本第2発明の室内内装材用遠赤外線放射型
加熱体は、外袋と、該外袋内に収納され融解温度が30
〜65℃(好ましくは38〜45℃)に調節された蓄熱
剤と該外袋内配置された30〜65℃(好ましくは38
〜45℃)の範囲の適宜の温度の変化に対して電気抵抗
が急変する性質を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形
成させるとともに電極14を備える自己温度調節型面状
発熱素子と、を具備することを特徴とする。
【0007】本第6発明の暖房具付室内内装材(発熱型
室内内装材ともいう)は、室内内装材と、該室内内装材
の表面及び裏面側のいずれかに接合される遠赤外線放射
型加熱体と、を備えることを特徴とする。
【0008】本第7発明の暖房具付室内内装材は、室内
内装材基材と、30〜65℃(好ましくは38〜45
℃)の範囲の適宜の温度の変化に対して電気抵抗が急変
する性質を有する感熱電気抵抗組成物、及び電極を該室
内内装材基材の表面上に面状に形成させた自己温度調節
型発熱層と、を備えることを特徴とする。
【0009】上記各発明において、遠赤外線放射型加熱
体を「配設」とは、所定の室内内装材に脱着可能の様
に取着すること(図4等参照)、所定の室内内装材の
表面に直接形成して固定すること(図1等参照)、及び
所定の室内内装材の内部へ一体的に配設することを含
む意味である。尚、図4の33は爪部(係止部)を示
す。尚、内部に配設する場合には、(1)この内装材の
製造時に一体的に成形配置すること、(2)内装材に所
定空隙を設けこの空隙内へこの加熱体を挿置すること、
(3)内装材と他材(内装材若しくは基材)との間に配
設(固着の有無は問わない。)すること等が含まれる。
【0010】上記各発明における感熱電気抵抗組成物
は、樹脂類(高分子化合物と重合体を含む意味に用い
る)と該樹脂類中に分散される導電性粒子とを含むもの
とすることができる。上記樹脂類のうち、好適に用いら
れる「ポリアルキレンオキシド類化合物」は、骨格にポ
リアルキレンオキシド部分を有するもの(ポリエーテル
類化合物と言える)であって、正特性を示すものであれ
ばよい。この化合物は、通常、融点が18℃〜75℃の
ほぼ常温固体のものである。その具体的化合物を以下に
例示する。
【0011】ポリアルキレンオキシド類としては、例え
ば、ポリエチレングリコール(PEGともいう。)、ポ
リエチレンオキシド(ジエチレングリコール等)、ポリ
プロピレングリコール(PPGともいう。)、ポリプロ
ピレンオキシド(ジプロピレングリコール等)、ポリオ
キシエチレンとポリオキシプロピレンのブロック共重合
体(いわゆるプルロニック、テトロニックと称されるも
の、図16参照)、ポリオキシエチレン−モノ若しくは
ジアルキルエーテル(図16参照)、ポリオキシエチレ
ン−モノ若しくはジアリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン−モノ
若しくはジアルキルエステル、ポリオキシエチレン−モ
ノ若しくはジアルキルアミン、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらのうち、
ポリエチレングリコールが好ましい。また、PEGの平
均分子量は500〜20000(特に好ましくは100
0〜6000)が好ましい。
【0012】また、上記「樹脂類」は、融点が18℃〜
75℃で正特性を示すものであれば、ポリアルキレンオ
キシド類化合物以外のものでもよく、例えば、ポリオレ
フィン系樹脂(PE、EVA等)、ポリアミド系樹脂、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンオキサ
イド等でもよい。更に、樹脂類以外の例えば、環状化合
物を含む。
【0013】この環状化合物としてはトリオキサンの
他、各種クラウンエーテル類、例えば、ジベンゾ−14
−クラウン−4、15−クラウン−5、ベンゾ−15−
クラウン−5、18−クラウン−6、ジベンゾ−18−
クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−
6、ジベンゾ−21−クラウン−7、ジベンゾ−24−
クラウン−8、ジシクロヘキシル−24−クラウン−
8、テトラベンゾ−24−クラウン−8、ジベンゾ−6
0−クラウン−20等が挙げられる(表1参照)。
【0014】
【表1】
【0015】上記導電性粒子は、粉末、繊維若しくはウ
イスカーの形態をなす炭素微細片、金属微細片又は金属
酸化物微細片であるものとすることができる。この「炭
素微細片」としては、黒鉛、活性炭又は無定形炭素等か
らなり、上記アルキレンオキシド類化合物中に混合可能
なものである。このうち、黒鉛が好ましい。また、上記
アルキレンオキシド類化合物中に混合される化合物とし
ては、上記に示す炭素化合物の代わりに、金属、金属酸
化物等の他の導電性微細片(粉末、繊維若しくはウイス
カーの形態を問わない)を用いることもできる。これら
の場合においても、エーテル結合の酸素の孤立電子対
が、充填剤の分散等に対してやはり重要な役割を演じて
いると思われる。この導電性粒子等の具体例は次の通り
である。
【0016】金属粉末、金属箔片、金属繊維としての金
属は、金、銀(図20参照)、銅、鉛、錫、アンチモ
ン、鉄、ニッケル、コバルト、インジウム、アンチモン
がドープされた酸価錫(図15参照)等を用いることが
できる。この粉末の粒子径は約0.1〜50μm程度、
金属箔片は厚さ0.1〜20μm、アスペクト比5〜2
00程度のものが好ましい。金属繊維としては、太さ
0.05〜50μm、長さ1〜2mm程度のものが好ま
しい。
【0017】上記感熱電気抵抗組成物の具体的な構成成
分については、本発明の目的を達成できる範囲で種々選
択できるが、例えば、分子中に複数のアルキレンオキシ
ド部分を含有するポリアルキレンオキシド類化合物から
なる樹脂類と、炭素微細片、金属微細片又は金属酸化物
微細片である導電性粒子との組み合わせとすることがで
きる。両者の混合物は、いかなる組成比でも極めて安定
で均一に混合されており、相分離しないものである。そ
して、炭素微細片等の混合割合によって正特性のあらわ
れる領域があり、しかも定常加熱温度が所定の温度範囲
に入る組成(種類及びその配合割合)であればよい。通
常、この両者100重量部に対する炭素微細片の配合割
合は、15〜40重量部の範囲である。この15重量部
より少ない場合は高抵抗で通電性がない場合が多く、4
0重量部を越えると、逆に通電性が大となって温度変化
により正特性を示さないものが多くなる。しかし、ポリ
アルキレンオキシド類の種類及び重合度、並びに炭素微
細片の種類及びその配合割合、更には、水等の添加物の
添加等によって正特性のあらわれる範囲は変動するの
で、上記範囲に限定されるものではない。
【0018】本感熱電気抵抗組成物は電力を供給すると
温度が低い間は低抵抗であるので電流が流れ、その結
果、発熱体温度が上昇し、ある温度に近づくと抵抗値が
急増するので電流は減少し、その結果発熱体は一定温度
(定常発熱温度)で発熱する(例えば図11及び図14
参照)。そして、この組成物においては、以下の〔発明
の実施の形態〕欄に示すように、(1)黒鉛粉末の配合
量、(2)ポリエチレングリコール(PEGという)類
の分子量、(3)分子量の異なるPEG同士の配合、
(4)PEGとポリプロピレングリコール(PPGとい
う。)とのブロック共重合、(5)水等の添加剤量、及
び(6)膨潤する高分子物質の添加剤等により、定常発
熱温度を30〜65℃程度に自由に設定できる。従っ
て、これらの調整により、暖房に適する組成物を調製で
きる。また、この発熱温度の上下変動が従来のPTCヒ
ータに比べて格段に少なく、温熱効果が安定していると
共に、温度コントロール用のサーモスタットが不要であ
り、電気回路構成も極めて簡単である。
【0019】上記各発明における蓄熱剤は、融解温度が
30〜65℃(好ましくは38〜45℃)に調節された
ことを特徴とする。即ち、蓄熱剤を温めると、融解温度
にまで温度が上昇し、次いで、融解しながら潜熱を蓄え
る。そして、常温に移すと、潜熱を一定時間放熱する。
しかも、放熱温度の上下変動が極めて少なく(実質上ほ
とんどなく)、温熱効果が極めて安定している。これに
加え、この蓄熱剤の融解温度が、30〜65℃の範囲に
調整され、温熱体から放射される赤外線、とりわけ遠赤
外線が、使用者の被温熱部位を温める。
【0020】上記各発明における蓄熱剤は、上記「感熱
電気抵抗組成物」の説明で例示したポリアルキレンオキ
シド類化合物が好適に用いられる。そして、これらの化
合物のうちで、ポリエチレングリコールが好ましい。更
に、ポリエチレングリコールを用いる場合には、その平
均分子量500〜20000(好ましくは1000〜6
000)とすれば、これにより構成される蓄熱剤の融解
温度を、上記「30〜65℃」に調節することが容易と
なり、更に好ましい。また、この他に、塩化カルシウ
ム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、チオ硫酸ナトリ
ウム等の無機水和塩やパラフィン等を用いることができ
る。
【0021】上記において、「電気抵抗が急変する温度
(以下、「急変温度」という。)」、及び「蓄熱剤の融
解温度」を、30℃〜65℃とするのは、多少の熱損失
を考慮しても、65℃を越えると、接触、若しくは近接
する人体に熱く感じるし、30℃未満であると、余り温
かい感じがしないと考えられるからである。尚、好まし
くは、38℃〜42℃である。35℃〜65℃(特に、
38℃〜42℃)とすれば、これに接触、若しくは近接
する人体にとって、熱すぎない心地の良い温度であるか
らである。
【0022】また、発熱素子を室内内装材に接合して使
用するにおいて、対象となる内装材の材質が木材等の可
燃物である場合、数百度もの温度にて使用を繰り返す
と、壁材が炭化する等、劣化が著しく、ついには発火に
至ることがあり、危険である。よって、上記面状発熱素
子の急変温度及び、融解温度を30〜65℃とするの
は、上記の内装材の劣化防止という点についても望まし
い。
【0023】本発明の遠赤外線放射型加熱体1の形状
は、特に問わず、例えば、平板状でもよいし、縦断面が
L字状でもよいし、平面形状も四角形、楕円形、丸状等
でもよいし、大きさも使用する内装材面全面の大きさで
もよいし、その一部の大きさでもよい。上記「電源コー
ド」は、加熱体を浴室や屋外にて使用するような場合に
は防水性である必要があるが、直接水に接触することが
なければ必ずしも防水性にする必要はない。
【0024】本発明の室内内装材用加熱体は室内内装材
に配設される、前記に説明する室内内装材用遠赤外線放
射型加熱体を備えることを特徴とする。この「室内内装
材」としては、この材質、大きさ、形状などは特に限定
されず、例えば、木製、金属製、陶器製、若しくは樹脂
製等でもよく、更には他素材の例えば、クロス、石膏ボ
ード、木板、ベニヤ板、壁土、漆喰、若しくはタイル等
の室内内装材でもよい。また、この室内内装材として
は、家屋及び種々の建屋に用いられる床材、壁材又は天
井材、更には、車両(自動車等)の内装材等が適用され
る。また、上記室内内装材用加熱体を室内内装材に固定
する手段も、特に限定されず、係止式、嵌合式、接合式
等とすることができる。
【0025】本発明の主体をなす遠赤外線放射型加熱体
には、適宜な方法により電力を供給することが必要であ
る。この電力の供給は、所定の電源コードを介して、A
C電源より行ってもよいが、乾電池、バッテリー等のD
C電源より行ってもよい。また、本加熱体は、AC電源
及びDC電源の双方により使用可能とされていてもよ
い。自動車室内の暖房用に利用すれば、自動車用バッテ
リーを利用できるので、大変便利である。また、乾電
池、特にコイン型電池を利用すれば、低電圧で且つ軽量
のため、利用価値が高い。更に、電源コードの中間部に
は、所定の電力変換ユニット〔商用100V電力を30
V以下(好ましくは17V以下)の電力に変換するトラ
ンス、スイッチング電源等を有するもの等〕を配置して
もよい。このユニットには、万一漏電が発生した場合を
考慮して、漏電遮断器を内蔵してもよい。
【0026】面状発熱素子1に、商用電力を30V以下
(特に17V以下)の電力に変換して給電するものにお
いては、この素子が、万一、人体に触れても、人体に与
える影響が極めて少なくなり、安全性が向上する。尚、
17V以下の電力に変換するのが特に好ましいのは、こ
の電圧が人体にほとんど危害を与えるものではないの
で、極めて安全となると共に、乾電池1個及びその複数
個の連結によっても、作動させることができる。また、
万一漏電した場合でも配置対象の内装材に対する影響が
商用100Vに対し少なく、極めて安全且つ実用的であ
る。
【0027】次に、面状発熱体若しくは蓄熱剤と、その
輻射遠赤外線スペクトルとの関係について述べる。これ
らの発熱体はスイッチング機能により通電後、若しくは
加温後に、一定温度を保持し続けるわけであるが、この
一定温度とは30℃〜65℃程度である。黒体輻射の法
則(ウイーンの変位則)から計算すると、輻射遠赤外線
は8.7μm〜9.3μmに極大値をもつスペクトルを
与える。この温度と輻射遠赤外線波長の関係は以下に示
す通りである。 10℃(10.24μm)、30℃(9.56μm)、
40℃(9.26μm)、50℃(8.97μm)、6
0℃(8.70μm)。 的確な暖房を行う上で、30℃〜65℃程度の加熱によ
り放射される10μm弱程度の波長の遠赤外線は不可欠
と考えられる。尚、従来の暖房装置、機器には、熱源と
して赤外線ランプを用いるもの種々存在する。しかし、
このランプは、赤外線をも含む可視光線ランプであるこ
とが多く、その放射光は波長が制御されているわけでは
ないため、本当の意味での遠赤外線照射を行い難いこと
も多い。これに対し、本各発明の温熱体では、放射光の
波長が的確に制御され、本当の意味での遠赤外線照射を
行う。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明において、暖房具付室内内
装材に適する遠赤外線放射型加熱体に使用される感熱電
気抵抗組成物の条件を検討するために、即ち定常発熱温
度を35℃〜45℃(好ましくは38℃〜42℃)間に
調整可能とするために、まず、(1)黒鉛粉末の配合
量、(2)ポリエチレングリコール類の分子量、(3)
分子量の異なるポリエチレングリコール(PEGとい
う)同士の配合、(4)PEGとポリプロピレングリコ
ール(PPGという)とのブロック共重合、(5)水等
の添加剤量、及び(6)膨潤する高分子物質の添加剤に
ついて、以下に検討する。また、(7)暖房具付室内内
装材に適する室内内装材用遠赤外線放射型加熱体に使用
される蓄熱剤について、以下に検討する。
【0029】(1)黒鉛粉末の配合量の検討 黒鉛粉末の配合量と適正な定常発熱温度との関係を調べ
るために、以下の試験を行い、その結果を第11図及び
第12図に示す。即ち、融点49℃のPEGの黒鉛粉末
を、図11に示す割合で混合した感熱抵抗組成物を調整
し、透明なアクリル樹脂板(260×350×2mm)
とウレタンゴム板(260×350×30mm)中に形
成された間隙中に感熱抵抗組成物を厚さ50mmの状態
で封じ込んだ。そして電極を交互に感熱抵抗組成物中に
配設した。この発熱体の中央には温度測定のための熱電
対が配設されている。この発熱体に、交流100Vの電
圧印加をして温度変化を調べた。この結果によれば、黒
鉛粉末の配合割合によって、定常加熱温度を自由に設定
できる(図11)。黒鉛粉末の添加を25%〜35%
(好ましくは25%〜33%)程度とすれば、暖房に適
する40℃〜60℃の定常加熱温度を確保できる。
【0030】また、黒鉛25%を含有する組成物におい
て加熱時間を経過を調べると、まず、電圧印加によって
電極付近から5分間以内に完全に溶融してしまう。温度
変化をみると、2時間位の通電によって最高温度42℃
になっている。以後温度調節機能が働いて同じ温度を保
持しているのである。この状態で6時間30分経過後電
圧印加を止めた(図12)。尚、従来のチタン酸バリウ
ム系感熱抵抗素子であると、直ちに常温に戻ってしま
う。しかし、PEGを用いた本例では、通電を止めた後
1時間30分もの長い間同一温度を保っている。そし
て、その後徐々に温度は下がり、完全に常温に戻るのは
通電を止めた後7時間以上経過してからであり、長期の
保温性に優れる。この原因は、溶融状態のPEGが凝固
しながら熱を放散するためである。
【0031】(2)ポリエチレングリコールの分子量の
検討 PEGの分子量と定常加熱温度との関係を調べると、図
13に示す様に、分子量を変える事により、この温度を
自由に調整できる。暖房用としては、分子量が1000
〜20000程度(同温度;33〜60℃程度)(特に
好ましくは分子量;1000〜6000、同温度;33
〜56℃)が好ましい事が分かる。尚、この図8の結果
は、黒鉛(西村黒鉛(株)製、「90−300M」)を
27重量%含むものであり、この組成物層は80×30
00×80mmであり、鋸歯状の銅製電極を用い、印加
電圧は100Vである。また、PEGは第一工業製薬製
の「#600」(分子量:600)、「#4000」
(分子量:3050)、「#6000」(分子量:82
00)を使用した。
【0032】(3)分子量の異なるポリエチレングリコ
ール同士の配合 分子量100万の超高分子PEGと、分子量40万の中
分子PEGと、3000〜8000程度の低分子PEG
とを、各々配合して、その場合の定常加熱温度を調べ、
その結果を表2並びに図14及び図15に示した。
【0033】
【表2】
【0034】これらの結果によれば、その組み合わせに
よっては、定常加熱温度を調節できる。これらのデータ
においても、この温度が51℃〜55℃程度の目的のも
のが得られている。
【0035】尚、これらの結果は、以下のようにして素
子を製作し、測定した。即ち、トルエン95重量部に対
して平均分子量約100万のポリエチレングリコール
(ユニオンカーバイド・Polyox(WSR N-12K) )5部を混
合し、ポリマーが十分溶解した後、鱗片状黒鉛(西村黒
鉛(株)製、「90−300M」)1.58部を分散さ
せた。予め、ガラス板上に網状のシールド線を電極とし
てセットし、これに対して前述の溶液を流して乾燥さ
せ、電極間距離76mm、長さ30cmの面状発熱体を
形成し、真空乾燥して溶媒を除去した。得られた面状発
熱体は柔軟性に非常に優れている。即ち、分子量の高い
ポリエチレングリコールは柔軟性を示すのでこれを用い
ればフレキシブルな面状発熱体が得られる。これを厚さ
5mmの発泡ウレタンシートで上下を覆い、AC100
Vを印加した後の各時刻における発熱温度と抵抗の関係
を調べた。
【0036】(4)PEGとPPGとのブロック共重合
体の使用について ポリプロピレングリコールの分子の両側にポリエチレン
グリコールを反応させた共重合体であるプルロニック
(旭電化工業(株)製、「F88」)70gとグラファ
イトカーボン(米山薬品工業製)30gの組成物を加熱
溶融し、繊維付きポリエステルシートに銅箔電極を接着
したもの2枚の間にシリコン製スペーサネットと共には
さみ込んで面状発熱体とした。面状発熱体の一方の面に
アルミ箔を接着して放熱板とし、温度センサーを装着し
て50mm断熱材2枚の間にはさみ込んで単一乾電池数
個を並列につないだ1.5VDC電源により通電し、各
時間における温度を図17に示した。尚、図16に示す
結果は、グラファイトカーボン量が28重量%のものを
用いた。これらの結果に示すように、定常加熱温度が4
0℃〜50℃という暖房用に適したものが得られてい
る。また、図17に示すように、乾電池1個(1.5
V)の電源であっても、100V同様、適正の発熱挙動
を示した。
【0037】(5)水等の添加剤の検討 水等の添加剤の影響について試験を行い、その結果を図
18に示す。この結果によれば、水の添加量を変えるこ
とにより、容易にその温度を変えることができる。ま
た、同図に示すように37℃〜55℃の範囲の組成物が
得られている。尚、これらの結果は、以下のようにして
素子を製作し、測定した。即ち、ポリエチレングリコー
ル(第一工業製薬製、「#6000」、分子量:820
0)と黒鉛粉末(米山薬品工業製、28重量%)と所定
量の水の混合物を加熱溶融して、これを300×800
×0.11の繊維付きポリエステルシートの2枚の間に
入れ、全体を厚さ300μmのシート状にした。電極は
幅6mm、厚さ80μmのジグザグ状の銅テープ電極を
用いた。尚、この面状発熱体の一方の面に厚さ50μm
のアルミ箔を接着して放熱板とした。AC100V通電
後各時間における温度を測定した。同図に示されるよう
に、定常発熱温度は水の添加により低下し、また、水の
添加による抵抗値増加もはっきりとみられる。
【0038】更に、水以外に、アルコール、カルボン酸
又は側鎖を有するポリアルキレングリコールの一種又は
二種以上を添加することによっても、同様に調節でき
る。尚、水は調節剤としての添加効果が極めて大きい
が、揮発性が大きな点で密閉系での使用に限定される。
このアルコールとしては、エチルアルコール、プロピル
アルコール、セチルアルコールのような高級アルコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、ペンチトールのような多価アルコール等を用い
ることもできる。このカルボン酸も低級でも高級でもよ
い。
【0039】(6)膨潤する高分子物質の添加効果 膨潤する高分子物質を添加することもできる。この添加
により、高圧(200V)であっても、図19(ポリビ
ニルピロリドンの場合)に示すように、安定な挙動を示
すことが判る。即ち、100Vの時はほぼ44.5℃で
安定し、200Vの時も約53℃で安定した。比較例と
して、上記混合物からポリビニルピロリドンを除去した
発熱体の場合を同図の中に点線でC及びDに示した。こ
の物質としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、澱
粉、可溶性澱粉、セルロース、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、寒天、カゼイン、ゼラチン等
とすることができる。この添加量は、僅か0.3%の添
加で顕著な効果を示す。従って、定常加熱温度が37〜
55℃程度の組成物に更に、この添加物を添加すること
により、より安定な性能を備えるものとすることができ
る。尚、これらの結果は、上記(5)で示す方法により
素子を製作し、測定した。
【0040】(7)暖房具付室内内装材に適する室内内
装材用遠赤外線放射型加熱体に使用される蓄熱剤につい
て 蓄熱剤としては、分子量500〜20000の混合物で
あり平均分子量が約2000のポリエチレングリコール
を用いている。これは、融解温度を30〜65℃に調節
することが容易なためである。また、ポリエチレングリ
コールは、人体に害を与える心配がなく、コストを低く
抑えることができるからである。但し、蓄熱剤の材質
は、これに限定されない。
【0041】〔実施例1〕本実施例1は、図1(a)及
び図2に示すような加熱型室内内装材用遠赤外線放射型
加熱体1aに関するものである。加熱型室内内装材用加
熱体1aは、クロス(樹脂シート製、紙製又は複層シー
ト製等)等の室内内装材2に接着、粘着等の手段によっ
て接合されて使用される〔図1(a)参照〕。自己温度
調節型面状発熱素子には室内内装材2に孔21を開け、
この孔21から電源コード35が接続され、その先端の
電源プラグ37を外部のコンセント(図示せず)に差し
込むようになっている。そして、電源コードの途中に
は、商用100V電力を30V以下(好ましくは17V
以下)の電力に変換するトランス、スイッチング電源等
の電力変換ユニット(電力変換手段)が接続され、室内
内装材用加熱体1に30V以下(好ましくは17V以
下)の電力が供給されるようになっている。更に、この
電力変換ユニットには漏電遮断器36が内蔵され、万一
漏電が発生した場合には、電源供給を自動的に遮断する
ようになっている(図2参照)。
【0042】室内内装材用加熱体1aは、図6に示すよ
うに、自己温度調節型面状発熱素子の裏面に、裏面側へ
の放熱を防ぐための断熱材16が接合されている。この
自己温度調節型面状発熱素子の構成は、ポリエチレング
リコール(第一工業製薬製、分子量;約2000、融
点;49℃)に炭素粉末(黒鉛粉末、米山薬品工業製)
を均一に分散させて作った感熱電気抵抗組成物13を用
い、この感熱電気抵抗組成物13を電極14と混在(櫛
状に対向配置)させて面状に圧延成形すると共に、その
表裏両面を、内面に不織布12が接合されたポリエチレ
ンテレフタレート製フィルム11でサンドイッチ状に挟
み込んだ構成となっている(図22参照)。
【0043】また、感熱電気抵抗組成物層13内に電極
14を櫛状に対向配置する場合(図6参照)に限らず、
感熱電気抵抗組成物層13の片表面に一対の電極14を
櫛状又は千鳥足状等に形成させてもよい(図7参照)。
更に、感熱電気抵抗組成物層13の両表面に電極14を
配置、接合させてもよい(図8参照)。この場合は、通
常、両面から感熱電気抵抗組成物層13を印加して加熱
させるものである。尚、この一方のフィルムの上に、熱
を分散させるために、アルミニウム箔等を接着又は貼付
して、熱を分散させて均一加熱・保熱するようにするこ
ともできる。この場合は、特に、隣接する加熱部分間距
離(若しくは隣接する電極間距離)が大きい場合に、有
効に利用される。
【0044】この場合、ポリエチレングリコールに分散
させる炭素粉末は、各種の形態のものを利用でき、例え
ば、無定形のカーボンブラックから結晶形の黒鉛まで幅
広く利用でき、その混合割合を25重量%〜33重量%
の範囲内で設定することが好ましい。但し、アセチレン
ブラックのように嵩比重の小さい炭素粉末は、混合割合
を少なめにし、黒鉛のような嵩比重の大きな炭素粉末
は、混合割合を多めに設定することが好ましい。尚、5
重量%以上25重量%未満、及び33重量%を越えて4
5重量%以下の場合であっても、前記に示すように、黒
鉛量、PEGの分子量及び水の添加等により、目的とす
る35〜45℃、好ましくは38〜42℃の定常加熱温
度に調整することができる。
【0045】このように構成された自己温度調節型の面
状発熱素子の特長は、ポリエチレングリコールの分子量
を例えば500〜20000程度の範囲で適宜設定する
ことにより、肌が触れても熱くない範囲で発熱温度を任
意に設定できる。しかも、この発熱温度の上下変動が従
来のPTCヒータに比べて格段に少なく、素子全面で温
熱効果が安定していると共に、温度コントロール用のサ
ーモスタットも不要である。
【0046】また、商用100V電力を電力変換ユニッ
トによって30V以下(好ましくは17V以下)の電力
に変換して室内内装材用加熱体1aの自己温度調節型面
状発熱素子に供給するようにした上で、万一、室内内装
材用加熱体1aや電源コードから漏電が発生した場合で
も、人体に与える影響が極めて少なくなり、安全性が向
上する。ここで、自己温度調節型面状発熱素子に供給す
る電力は30V以下(好ましくは17V以下)であれば
交流でも直流でも良い。特に、1以上の乾電池(単1〜
単3型、又はコイン形状の薄型等を問わないし、充電型
の有無をも問わない。)を使用してもよいし、蓄電池等
を使用してもよい。これらの軽量、小型の場合には大変
有用である。更に、電力変換ユニットに漏電遮断器を内
蔵したものは、万一漏電が発生した場合でも、電源供給
を自動的に遮断するので、一層安全性が高いものとな
る。
【0047】このような室内内装材用加熱体1aを、室
内内装材2に配設して使用すれば、室内内装材用加熱体
1aは、高電圧や低電圧においても、短時間に加熱し
て、遠赤外線による温熱効果により身体の芯まで暖める
ことができる。
【0048】〔実施例2〕本実施例2は、図1(b)に
示すような加熱・蓄熱型室内内装材用遠赤外線放射型加
熱体1bに関するものである。室内内装材用加熱体1b
は、石膏等のボード板又はベニヤ板等の室内内装材2に
釘、ネジ等32の手段によって接合されて使用される
〔図1(b)参照〕。この場合、釘等は、釘等が自己温
度調節型面状発熱素子12及び蓄熱剤15と接触しな
い、例えば縁部に取り付けられる。自己温度調節型面状
発熱素子には発熱素子表面から電源コード35が接続さ
れ、その先端の電源プラグを外部のコンセント(図示せ
ず)に差し込むようになっている。
【0049】上記室内内装材用遠赤外線放射型加熱体1
bは、上記実施例1に示す自己温度調節型面状発熱素子
を、上記蓄熱剤15を収容する外袋17内に配置してい
るものである。そして、クギ止めされる外周縁部側は、
この面状発熱素子12及び蓄熱剤15は取り囲む樹脂袋
により区画されている。この外袋17は、内面に不織布
12が接合されたポリエチレンテレフタレート製フィル
ム11でサンドイッチ状に挟み込んだ構成となってい
る。これは、前記に示す発熱作用を奏すると共に、蓄熱
作用をも備え、これらを熱源として対象物を加熱・保温
することができる。
【0050】この自己温度調節型面状発熱素子の構成
は、ポリエチレングリコールに炭素粉末を均一に分散さ
せて作った感熱電気抵抗組成物13を用い、この感熱電
気抵抗組成物13を電極14と混在(櫛状に対向配置)
させて面状に圧延成形したものである。尚、感熱電気抵
抗組成物13に電極14を櫛状に対向配置するに限ら
ず、感熱電気抵抗組成物13の片面、あるいは両面に電
極14を接合させてもよい(図17、18参照)。
【0051】この蓄熱材15は平均分子量500〜20
000のポリエチレングリコールを使用している。この
様な平均分子量を備えたポリエチレングリコールを用い
ることにより、相変化に伴う潜熱を利用して効率良く蓄
熱することができて、長時間にわたって凝固温度である
35〜45℃の放熱を維持させることができる尚、本実
施例で用いた蓄熱剤15は、収納されるポリエチレング
リコールの量を増量させれば、この放熱時間を長くする
ことができる。また、ポリエチレングリコールの平均分
子量を選択すれば、上記放熱温度を37〜55℃の範囲
で適宜、選択できる。
【0052】自己温度調節型面状発熱素子に電力を通じ
ると、温度の上下動が殆ど無い状態で、効率良く、蓄熱
材15を加熱し、融解させる。そして、この蓄熱材15
が放熱を行い、実施例1と同様な効果が得られる。この
様に、室内内装材用遠赤外線放射型加熱体1bでは、所
望の放熱温度を設定できると共に、この放熱温度の上下
変動が殆ど無く、温熱効果が安定している。
【0053】尚、本各発明においては、前記具体的実施
例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の
範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即
ち、加熱体の大きさ、形状等も壁面全体となる大きさに
する、一部分のみとする、孔を開ける、L字にする、球
面とする等、特に限定されないし、表面が平滑面ではな
く、凹凸面となっていてもよい。更に、独立気泡型の発
泡体(例えば、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡
体、ポリエチレン発泡体等)を裏面に固定して使用すれ
ば、断熱効果に優れる。
【0054】また、壁面の全面において使用してしても
よいし、一部分のみに配設してもよい。本発明の加熱体
は、室内内装材2に配設して使用するものに限定され
ず、適宜の手段で固定して使用するようにしても良い。
内側面に固定する手段としては、例えば、釘、ネジ吸
盤、磁石を用いたりしても良い。また、室内内装材2に
爪部33を設けて、加熱体を係止してもよい(図4参
照)。更に、脱着可能にしてもよい。また、壁面にて使
用するものに限定されず、別の部位である、天井、床
面、扉等で使用するようにしてもよい。更に、車両(自
動車等)の内装材等として使用してもよい。また、適切
な防滴・防水処理を行った場合は、浴室や屋外、トイレ
等で使用してもよい。
【0055】また、加熱体は複数の加熱素体1c及び1
d等を互いに通電可能のように連結したものとすること
ができる。例えば、図5に示すように、電極14を加熱
素体1c及び1dより両外へ延長して、延長された部位
の電極14aを電源コード35の接続部位とし、電極1
4bと電極14cを連結し、電極14dは他のものと接
続可能とすることができる。また、加熱素体の一方に雄
形プラグを接続し、他方に雌形プラグを接続し、この各
素体の雄・雌プラグにて、その複数を連結することもで
きる。尚、複数の素体を連結する手段は、互いに加熱・
発熱可能のように電極を連結するものであればよく、特
に限定されない。
【0056】また、電力の供給方法は1か所に限定され
ず、例えば、絶縁体を用いて素子の細分化を行い、複数
自己温度調節型面状発熱素子を持たせた1つの加熱体
1、又は複数の加熱体を用い、各素子に独立した複数の
供給を行い、部分ごとに使用してもよい。この部分加熱
によって、加熱対象がない部分への無駄の暖房を減らす
ことができる。
【0057】更に、遠赤外線放射型加熱体1の被覆部1
1に、直接模様を印刷し、室内内装材の表層として使用
してもよいし、最表面層に装飾層を印刷してもよい。更
に、加熱体の両面に室内内装材を接合してもよい(図3
参照)。
【0058】また、室内内装材用遠赤外線放射型加熱体
1は圧延成形ではなく、印刷によって構成することもで
きる。例えば、クロス等の室内内装材2に不織布層12
を接着形成し、この不織布層等の基材層12上に、電気
抵抗組成物13と電極14を櫛状に混在(図9)、又は
電気抵抗組成物13の片面(図10)或いは両面(図
8)に電極14を配置した状態で印刷を行い、この表面
上に不織布層12が接合されたポリエチレンテレフタレ
ート製フィルム11を接合させるることができる。ま
た、基材層上に電気抵抗組成物及び電極を所定方法にて
印刷形成し、その後、これらの表層を前面被覆した被覆
層を印刷形成し、これらの一体物を所定の内層材うえに
接着、貼付したものとすることもできる。フィルムを接
合する際、電極の一部を露出するようにし、この露出し
た電極に電源コードを接続してもよい。更に、1つの電
気組成物層/電極層の上に絶縁層を設け、この上に他の
電気組成物層/電極層を積層形成した、積層型加熱体と
することもできる。この場合には、一方を高温用組成
物、他方を低温用組成物として、高温・低温の切換型と
することもできる。
【0059】また、本室内内装材2をサウナ室、乾燥
室、温室等の加温用として使用することができる。これ
らの場合、壁面や天井、床面を含む面のうち少なくとも
一面に本室内内装材2を用い、ひいては全面(壁面、天
井、床面)に配置し、加熱をすることができる。サウナ
室の場合、例えば本室内内装材2を壁面、天井及び/又
は床面等に用いる内装材(例えば木製)の背面等に配設
することができる。この場合、従来と変わりないサウナ
室内の美観を保ち、遠赤外線放射型加熱体からの遠赤外
線放射による温熱効果によって室内の人々は身体の芯ま
で容易に温まることができ、更に、室内の温度勾配が起
きにくく一定温度に保たれるため、快適である。また、
乾燥室においては、本室内内装材2の配設方法は特に問
わない。更に、遠赤外線放射による加熱によって被乾燥
物の芯から乾燥することができて、大変乾燥効率がよい
し、乾燥温度を低温(例えば20℃、30℃等)に設定
することもできるので、熱に弱い被乾燥物においても、
傷めること無く乾燥する事ができる。また、温室におい
ても、壁面などに本室内内装材2を配設するために、暖
房装置のための空間を特に設ける必要がない。更に、温
度変化の少ない加温を行うことができ、遠赤外線の放射
が植物や動物の生育にとって好ましいと考えられるた
め、観葉植物(例えばサボテン等)、栽培植物(例えば
野菜、茸等)、ペット動物等の暖房に最適である。
【0060】
【発明の効果】上記各発明においては、適宜の温度の変
化に対して、設定加熱温度の上下変動が極めて少なく、
温熱効果が極めて安定している。従って、暖房対象を、
略一定の温度で加温できる。しかも、温度コントロール
用のサーモスタットが不要であり、安価である。また、
室温に近い温度である為、固定先の壁面に壁に劣化を起
こさない。更に、容易に薄型の自己温度調節型面状発熱
素子を作製することができ、部屋のスペースを無駄にす
ることがない。
【0061】また、自己温度調節型面状発熱素子におい
て、電力変換手段により商用電力を30V以下の電力に
変換して給電するようにしたものは、万一、室内内装材
用遠赤外線放射型加熱体や電源コードから漏電が発生し
た場合でも、人体や建物に与える影響が極めて少なくな
り、安全性が保たれる。更に、蓄熱剤を使用したものは
加熱手段がなくなったあとも数時間に及び放熱を行い、
自己温度調節型面状発熱素子のみを使用した遠赤外線放
射型加熱体と同様に温熱・遠赤外線効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例1における室内内装材
用加熱体の使用状態を示す室内内装材の説明図、(b)
は室内内装材用加熱体の釘又は螺子による配設状態を示
す室内内装材の説明図である。
【図2】実施例1にて使用する自己温度調節型面状発熱
素子の一部破断状態を示す全体概略図である。
【図3】本発明における、室内内装材用加熱体の両面に
室内内装材が接合されている状態を示す一部断面説明図
である。
【図4】(a)は、本発明における室内内装材用加熱体
が爪部を用いて室内内装材に固定されている状態を示す
説明正面図、(b)は同状態を示す断面的説明図であ
る。
【図5】本発明における、複数の室内内装材用加熱体が
延長された電極によって接続され、電力が供給されてい
る状態を示す説明図である。
【図6】他の態様を示す加熱型室内内装材用加熱体の説
明断面図である。
【図7】他の態様を示す加熱型室内内装材用加熱体の説
明断面図である。
【図8】他の態様を示す加熱型室内内装材用加熱体の説
明断面図である。
【図9】他の態様を示す加熱型室内内装材用加熱体の説
明断面図である。
【図10】他の態様を示す加熱型室内内装材用加熱体の
説明断面図である。
【図11】黒鉛粉末の配合量を変えた場合の通電時間と
温度との関係を示すグラフである。
【図12】黒鉛粉末25%含有組成物の加熱経過時間と
温度との関係を示すグラフである。
【図13】ポリエチレングリコールの分子量と温度との
関係を示すグラフである。
【図14】分子量の異なるポリエチレングリコール同志
の混合効果を調べた結果を示すグラフである。
【図15】分子量の異なるポリエチレングリコール同志
の混合効果を調べた結果を示すグラフである。
【図16】ポリエチレングリコール類及びPEGとPP
Gとのブロック共重合体における発熱体温度と電気抵抗
との関係を示すグラフである。
【図17】PEGとPPGとのブロック共重合体と温度
との関係を示すグラフである。
【図18】水の添加効果を調べた結果を示すグラフであ
る。
【図19】膨潤する高分子物質の添加効果を調べた結果
を示すグラフである。
【図20】銀等の導電性物質において通電時間と発熱体
の温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1a;加熱型室内内装材用加熱体、1b;加熱・蓄熱型
室内内装材用加熱体、11;被覆材、12;不織布、1
3;感熱電気抵抗組成物、14;電極、15;蓄熱剤、
16;断熱材、2;室内内装材、31;接着剤又は粘着
剤、32;釘又はネジ、35;電源コード。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内内装材に配設して使用する室内内装
    材用遠赤外線放射型加熱体であって、30〜65℃の範
    囲の適宜の温度の変化に対して電気抵抗が急変する性質
    を有する感熱電気抵抗組成物を面状に形成させるととも
    に電極を備える自己温度調節型面状発熱素子を発熱源と
    して内蔵してなることを特徴とする室内内装材用遠赤外
    線放射型暖房用加熱体。
  2. 【請求項2】 室内内装材に配設して使用する室内内装
    材用遠赤外線放射型加熱体であって、外袋と、該外袋内
    に収納され融解温度が30〜65℃に調節された蓄熱剤
    と、該外袋配置された30〜65℃の範囲の適宜の温度
    の変化に対して電気抵抗が急変する性質を有する感熱電
    気抵抗組成物を面状に形成させるとともに電極を備える
    自己温度調節型面状発熱素子と、を具備することを特徴
    とする室内内装材用遠赤外線放射型加熱体。
  3. 【請求項3】 上記感熱電気抵抗組成物は、樹脂類と該
    樹脂類中に分散される導電性粒子とを含む請求項1又は
    2記載の室内内装材用遠赤外線放射型加熱体。
  4. 【請求項4】 上記樹脂類は、分子中に複数のアルキレ
    ンオキシド部分を含有するポリアルキレンオキシド類化
    合物であり、上記導電性粒子は、粉末、繊維もしくはウ
    ィスカーの形態を成す炭素微細片、金属微細片又は金属
    酸化物微細片である請求項3記載の室内内装材用遠赤外
    線放射型加熱体。
  5. 【請求項5】 上記蓄熱材は、分子中に複数のアルキレ
    ンオキシド部分を含有するポリアルキレンオキシド類化
    合物である請求項2記載の室内内装材用遠赤外線放射型
    加熱体。
  6. 【請求項6】 室内内装材と、該室内内装材に配設され
    る請求項1又は請求項2記載の室内内装材用遠赤外線放
    射型加熱体と、を備えることを特徴とする暖房具付室内
    内装材。
  7. 【請求項7】 室内内装材と、30〜65℃の範囲の適
    宜の温度の変化に対して電気抵抗が急変する性質を有す
    る感熱電気抵抗組成物及び電極を該室内内装材の表面上
    に面状に形成させた自己温度調節型発熱層と、を備える
    ことを特徴とする暖房具付室内内装材。
  8. 【請求項8】 上記感熱電気抵抗組成物は、樹脂類と該
    樹脂類中に分散される導電性粒子とを含み、上記樹脂類
    は、分子中に複数のアルキレンオキシド部分を含有する
    ポリアルキレンオキシド類化合物であり、上記導電性粒
    子は、粉末、繊維もしくはウィスカーの形態を成す炭素
    微細片、金属微細片又は金属酸化物微細片である請求項
    7記載の暖房具付室内内装材。
JP31013796A 1996-07-10 1996-11-06 室内内装材用遠赤外線放射型加熱体及び暖房具付室内内装材 Pending JPH1079287A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31013796A JPH1079287A (ja) 1996-07-10 1996-11-06 室内内装材用遠赤外線放射型加熱体及び暖房具付室内内装材

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-201180 1996-07-10
JP20118096 1996-07-10
JP31013796A JPH1079287A (ja) 1996-07-10 1996-11-06 室内内装材用遠赤外線放射型加熱体及び暖房具付室内内装材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1079287A true JPH1079287A (ja) 1998-03-24

Family

ID=26512632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31013796A Pending JPH1079287A (ja) 1996-07-10 1996-11-06 室内内装材用遠赤外線放射型加熱体及び暖房具付室内内装材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1079287A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007118851A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Toyota Boshoku Corp 車両用暖房装置の取付構造
JP2013503437A (ja) * 2009-08-27 2013-01-31 コリア・ユニバーシティ・リサーチ・アンド・ビジネス・ファウンデーション ナノ構造製造用抵抗加熱デバイス
US9102515B2 (en) 2009-07-22 2015-08-11 Korea University Research And Business Foundation Nano pattern formation
JP2018525777A (ja) * 2015-07-02 2018-09-06 ガクヘ ク 面状発熱体及び電気伝導薄膜

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007118851A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Toyota Boshoku Corp 車両用暖房装置の取付構造
JP4720433B2 (ja) * 2005-10-31 2011-07-13 トヨタ紡織株式会社 車両用暖房装置の取付構造
US9102515B2 (en) 2009-07-22 2015-08-11 Korea University Research And Business Foundation Nano pattern formation
JP2013503437A (ja) * 2009-08-27 2013-01-31 コリア・ユニバーシティ・リサーチ・アンド・ビジネス・ファウンデーション ナノ構造製造用抵抗加熱デバイス
US8592732B2 (en) 2009-08-27 2013-11-26 Korea University Research And Business Foundation Resistive heating device for fabrication of nanostructures
US9370047B2 (en) 2009-08-27 2016-06-14 Korea University Research And Business Foundation Resistive heating device for fabrication of nanostructures
JP2018525777A (ja) * 2015-07-02 2018-09-06 ガクヘ ク 面状発熱体及び電気伝導薄膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2715668A (en) Electrically conductive film panel heaters
KR101002366B1 (ko) 책상용 원적외선 난방장치
CN108552913A (zh) 一种石墨烯加热地毯
WO2009055999A1 (fr) Plaque chauffante électriquement conductrice et son procédé de fabrication et application
US20190208580A1 (en) Systems and Methods for Heating
JP2010111251A (ja) 車両用暖房装置
JP2008213661A (ja) 車両用面状発熱体及びこれを用いた車両暖房装置
JPH1079287A (ja) 室内内装材用遠赤外線放射型加熱体及び暖房具付室内内装材
KR200439942Y1 (ko) 온열조끼용 면상발열체 및 그것을 구비한 온열조끼
JPH0471182A (ja) 車両用暖房装置
JPH05266965A (ja) 遠赤外線放射積層体
KR101372260B1 (ko) 원적외선 복사되는 거울장치
CN210035667U (zh) 一种可移动地暖
CN101554281A (zh) 黑铅大面状远红外电热膜毯
NL2024534B1 (en) A heating panel
KR200320681Y1 (ko) 면상발열체를 이용한 휴대용 보온주머니
CN206948547U (zh) 一种多功能话筒
JPH1094555A (ja) 携帯用遠赤外線放射型加熱体及びコイン型携帯用遠赤外線放射型加熱体
CN201612400U (zh) 电暖镜
CN206880186U (zh) 循环利用醋酸钠过饱和溶液环保发热鞋
JP2000091060A (ja) 感熱電気抵抗発熱体及び感熱電気抵抗発熱体の製造方法
CN214148114U (zh) 一种石墨烯电暖器
CN215605341U (zh) 石墨烯电加热膜及智能马桶
JPH0493530A (ja) 遠赤外線輻射パネルヒータ
CN211060225U (zh) 一种采用安全电压供电的发热板