JPH09294448A - 軌道式の茶園管理方法および茶園管理装置 - Google Patents

軌道式の茶園管理方法および茶園管理装置

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JPH09294448A
JPH09294448A JP11401296A JP11401296A JPH09294448A JP H09294448 A JPH09294448 A JP H09294448A JP 11401296 A JP11401296 A JP 11401296A JP 11401296 A JP11401296 A JP 11401296A JP H09294448 A JPH09294448 A JP H09294448A
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rail
tea
ridge
ridges
tea tree
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JP11401296A
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English (en)
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Yasuhisa Kobashi
康央 小橋
Kouji Matsumura
鋼司 松村
Yasutoshi Suzuki
康稔 鈴木
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OCHIAI HAMONO KOGYO KK
Original Assignee
OCHIAI HAMONO KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 茶園の地上空間に軌条を設備して新規な茶園
管理作業が行える軌条式の茶園管理方法および同装置を
提供する。 【解決手段】 茶園に植生された茶樹畝Cの樹冠頂部よ
りも高位置の地上空間に、茶樹畝を横断する方向へ平行
配列した第1軌条Aを設け、この第1軌条Aに対し、茶
樹畝の畝方向に沿う第2軌条Bを、第1軌条Aの装備し
た懸垂移動車6により茶樹畝を横断する方向へ横移動可
能に吊持させる。この第2軌条に対し、茶園管理装置4
を自走移動可能に懸垂支持させて、その管理装置4の移
動により1列の茶樹畝Cに対する管理作業が終ると、第
2軌条Bを順に横移動させて隣接する次列の管理作業を
順次に進行する作業方式とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所要の畝間隔で多
数条の茶樹畝が並列に植生されている茶園で行う茶葉の
管理作業を、軌道式に構成した茶園管理方法および同管
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】茶園での茶葉の管理作業に要する労力を
軽減するために、摘採機等の茶葉管理装置を人力で操作
することなく、自走可能な台車に搭載して管理作業を行
うことが望まれている。
【0003】このような要望に対処した先行技術とし
て、茶樹畝の各畝間にそれぞれレールを敷設しておい
て、そのレール上を自走可能な門形台車に、茶葉摘採機
等の管理作業機を装備して作業を行う軌道式の茶園管理
装置が、例えば特開昭53ー92242号公報、実開昭
63ー48432号公報、実開平3ー122624号公
報等によって提案されている。上記各公報には茶樹畝を
跨いだ左右の畝間に敷設しているレールを一対の軌道と
し、この軌道上に載せられた転輪を有する台車に、茶葉
摘採機を搭載した構成が開示されている。また先行技術
の中には、畝間にレールを設けないで茶樹畝の樹冠内の
畝巾中央に1本の軌道を設け、隣り合う茶樹畝の軌道間
に跨がって摘採機を移動させる構成のものも提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来より提案さ
れている軌道式の茶園管理装置は、次に説明するような
問題点があった。まず茶樹畝の各畝間地面にレールを敷
設する先行例では、レールの敷設本数が多くなることか
ら設備コストがかかる。また畝間にレールが存在してい
ることにより畝間の歩行に障害となるばかりでなく、畝
間における中耕作業や、肥料散布等の管理作業を行う際
にそのレールが邪魔になることで畝間での管理作業に支
障を生じる。さらに敷設年月が長期なると畝間に散布し
た堆肥等によりレールが埋め込まれて台車の走行にも支
障が生じる。
【0005】一方、茶樹畝の各畝間にレールを敷設する
先行例の場合、茶樹畝を跨いだ左右の畝間の敷設レール
を一対の軌道として、この軌道上を移動する門形台車に
茶葉管理装置を装備した構成となり、このような構成で
は、1列の茶樹畝の作業が終了して隣接する次の茶樹畝
に移る場合に、枕地で管理走行台車を横移動させるため
の畝間移動台車を別に用意する必要があり、全体の設備
費が非常に高価なものとなる。また畝間移動台車を使用
する場合には、畝間レールから枕地レールに管理走行台
車を移行させるための操作も容易でなく、全体の作業性
も悪いという問題点があった。
【0006】さらに茶樹畝の樹冠内の中央にレールを設
けた先行例では、樹冠内にレールを敷設支持する支柱を
立てる必要から茶樹畝の損傷を招くばかりでなく、レー
ルの占有範囲によって植樹の制限を受けることから茶畑
の面積に対する摘採収穫量の低下も生じる。
【0007】本発明は、上述の従来方式の軌道式茶園管
理装置では、設備経費のコスト高と作業性の非効率化に
鑑み、新規な軌道式の茶園管理方法および装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載された本発明では、所要の畝間隔で
多数条の茶樹畝が並列に植生されている茶園の管理方法
に関して、茶園には茶樹畝の樹冠頂部より高位置の地上
空間に、茶樹畝の畝方向とは直交して多数条の茶樹畝を
横断する方向に支柱を介して平行配列に架設した複数列
の第1軌条を設備すると共に、この第1軌条よりは低レ
ベル位置で、第1軌条とは交叉して茶樹畝の畝方向に沿
う方向に配置した第2軌条を、上方で交叉する第1軌条
に対して同第1軌条の軌道方向へ移動可能に吊持した支
持構成とし、上記第2軌道に、所要の茶葉管理装置を、
同軌道に沿って自走可能に懸垂支持して1列の茶樹畝に
対する茶葉の管理作業を行い、1列の茶樹畝の管理作業
が終ると、第2軌条を、第1軌条に吊持した状態で第1
軌条の軌道方向へ所定ピッチ横移動して隣接する茶樹畝
に対応させた後、次列の茶樹畝の管理作業を順次に行う
ように作業進行することを特徴としている。
【0009】また請求項2に記載された発明では、上記
の茶園の管理装置に関して、茶園には茶樹畝の樹冠頂部
より高位置の地上空間に、茶樹畝の畝方向とは直交して
多数条の茶樹畝を横切る方向に支柱を介して平行配列に
架設した複数列の第1軌条と、上記第1軌条よりは低レ
ベル位置で、第1軌条とは交叉して茶樹畝の畝方向に沿
う方向へ単列配置した第2軌条とを有し、上記複数列の
第1軌条には、各列の軌条に対し同軌条に沿って自走移
動可能な懸垂移動車を装備して、第1軌条の下位に交叉
して配列される第2軌条を、上記懸垂移動車に吊持して
第1軌条の軌道方向へ所要ピッチ横移動可能に懸垂支持
すると共に、上記第2軌条には、同軌条に沿って自走移
動可能に装備された懸垂移動車を介して所要の茶葉管理
装置を懸垂支持し、同茶葉管理装置の自走移動により1
列の茶樹畝に対する管理作業が終了した時点で、第2軌
条を、第1軌条に装備した懸垂移動車の動作により所要
ピッチ横移動させて隣接する次列の茶樹畝に対応させる
ように移動制御する制御手段を設けてなることを特徴と
している。
【0010】さらに請求項3に記載された発明では、上
記請求項2に記載した茶園管理装置に関して、第1軌条
および第2軌条は、その軌道部材をトラス構造に構成し
ていることを特徴としている。
【0011】さらに請求項4に記載された発明では、上
記請求項2,3に記載した茶園管理装置に関して、第2
軌条は、その軌道端部を枕地に設置したレールに沿って
移動可能な門型支柱に支持していることを特徴としてい
る。
【0012】さらに請求項5に記載された発明では、上
記請求項2,3,4に記載した茶園管理装置に関して、
第1軌条を所要の高レベル位置に架設支持する支柱は、
第1軌条に対して上下昇降可能な支柱取付装置を有し、
第2軌条を横移動させる時にその横移動領域に直立する
支柱を、第2軌条の横移動動作に先行して干渉しない高
さまで上昇させ、横移動の後に下降させる手段を有して
いることを特徴としている。
【0013】
【作用】上述の請求項1,2に記載された発明による
と、茶園に植生された茶樹畝の樹冠頂部よりも高位置の
地上空間に、茶樹畝を横断する方向へ平行配列した第1
軌条を設け、この第1軌条に対し、茶樹畝の畝方向に沿
う第2軌条を、第1軌条の案内動作により茶樹畝を横断
する方向へ横移動可能に吊持させると共に、この第2軌
条に、茶園の管理装置を自走移動可能に懸垂支持させ
て、その管理装置の移動により1列の茶樹畝に対する管
理作業が終ると、第2軌条を順に横移動させて隣接する
次列の管理作業を順次に進行する作業方式である。この
結果、 (1).まず、茶園の管理装置には、それ自体に走行装置を
装備する必要がないから茶園管理装置の構成を大巾に簡
略化でき、軽量化できる。 (2).また第2軌条を横移動させると、これに吊持した管
理装置も随伴移動して隣接する次列の茶樹畝に対応でき
るから、管理装置を枕地で畝間方向へ移動させるための
枕地移動台車も不要にできる。 (3).1列の茶樹畝に対する管理作業中、管理装置は、茶
樹畝の樹冠上において第2軌条に懸垂支持されているか
ら、例えば、摘採作業のように畝列の途中で収容袋が満
杯となった場合等には、その収容袋載置台の部分のみを
切り離して単独に枕地に移動させるような作業処理が行
える。 (4).また1列の茶樹畝に対する作業の終了時点で、管理
装置は、茶樹畝の樹冠上に位置し、これを上昇動作させ
ると茶樹畝の樹冠頂部に干渉しない地上空間において管
理装置の方向転換も可能となり、作業終了地点の側の枕
地が狭い場合であっても管理装置を地上空間で方向変換
して、復行程では次列の茶樹畝に対する摘採作業が行え
る結果、多数条の茶樹畝に対する管理作業を連続して行
う作業方式が可能にできる。 (5).加えて、茶園に設備される第1軌条,第2軌条は、
茶樹畝の樹冠頂部よりも高い地上空間に設備され、その
軌条設備は、茶園の各畝間地面にレールを敷設した従来
例にように畝間を走行する作業者に対して、軌条が走行
の障害となる問題がなく、また畝間で行う中耕作業,防
除作業等の各種の茶園管理作業に際して軌条が作業の障
害となる問題も解消できる。 (6).さらに第1軌条,第2軌条による軌条部材は、茶園
の各畝間にレールを敷設した従来例に比して軌条本数が
少くなり、また軌条の敷設距離も短長になることから軌
条の設備コストを低減することもできる。
【0014】さらに請求項3に記載された本発明による
と、第1軌条および第2軌条の軌道部材はこれをトラス
構造に構成して垂直方向に対する撓み強度,歪み強度を
高めているから、地上空間に設備する軌道であっても所
要の強度が確保でき、規模の広い茶園に対しても地上方
式の軌条設備が適用可能となる。
【0015】請求項4に記載された本発明による場合、
第2軌条の端部を、枕地に設置したレールに沿って移動
可能な門型移動支柱に支持させていることで、第2軌条
の軌条端部の支持をしっかり保持できる上に、軌条端部
は、門型支柱間に通して枕地上に張出し可能となり、第
2軌条に対して吊持される茶園管理装置の吊持セットを
容易に行えるようになる。
【0016】請求項5に記載された本発明による場合、
第1軌条に沿って第2軌条を横移動させる時に、その横
移動領域に直立する支柱を、第2軌条の横移動に干渉し
ない高さまで上昇できるので、第1軌条を支える支柱
が、第2軌条の横移動に支障となる問題が解消され、こ
の結果、第1軌条を支持する支柱の個数を増加し、比較
的に狭い支柱間隔で第1軌条を支持できるので、第1軌
条のレール強度を大きく強化しなくても十分に第2軌条
の吊持強度を確保でき、ひいては第2軌条に吊持して自
走させる茶園管理装置の全体重量を支えて安定した作業
が行える。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1は、本発明による茶園管理方法を実施する
設備全体の概念図を示し、茶園には、所要の畝間隔Lで
並列に植生されている多数条の茶樹畝Cに対し、茶樹畝
Cの樹冠より高位置の地上空間に、第1軌条Aと、第2
軌条Bとが交叉して設備されている。第1軌条Aは、所
要地上高の高レベル位置に、茶樹畝Cの畝方向とは直交
する方向(茶樹畝Cを横断する方向)に向けて複数列を
地面と平行するように支柱2を介して固定状に架設して
いるものであり、図1では2列を示しているが、茶樹畝
Cの畝方向の長さが所定以上に長い場合には所要の間隔
(例えば10〜20m間隔)で複数列を平行配列に架設
しているものである。一方、第2軌条Bは、第1軌条よ
りは下位の低レベル位置において、第1軌条Aとは交叉
する方向(茶樹畝Cの畝方向に沿う方向)へ単列配置し
ているものであり、後述する軌条吊持構成と第1軌条A
に装備した懸垂移動車6とにより第1軌条に案内され、
前記畝間隔Lを横移動距離として茶樹畝の畝列を横断す
る方向へ横移動可能に吊持してなるものである。そし
て、この第2軌条Bに対し、所要の茶葉管理機4(例え
ば摘採機)を軌条に沿って自走可能に懸垂支持させ、管
理機4の移動により茶樹畝Cに対する所要の管理作業を
行うシステム構成としている。なお第2軌条Bは、図1
に示す実施例の場合、茶樹畝Cの畝巾中央に位置して1
列を単列配置しているが、この第2軌条Bは、茶樹畝C
に沿って2列を1組とする軌条に構成していてもよい。
以下に第1軌条A,第2軌条Bの軌条設備について具体
的に説明する。
【0018】第1軌条Aおよび第2軌条Bは、これらの
軌条が茶樹畝Cの樹冠よりも高位置の地上空間に設備さ
れ、第1軌条Aには第2軌条Bの吊持強度を、また第2
軌条Bには茶葉管理機4の吊持強度をそれぞれ持たせる
必要から軌条は、垂直方向における撓み強度,歪み強度
等を増す必要性がある。そこで本実施例では、両軌条
A,Bをいずれも図7に示すようなトラス構造に形成し
ている。図7に示す実施例では、平行弦トラスに形成さ
れ、所要の高さ寸法で上下に配置する上弦材71は所要
の圧縮強度を有するパイプを配置し、また下弦材72は
逆T字形のレールに形成して、このレール下面に波形状
のラック74を形成した構成にしてあり、上弦材パイプ
71と下弦材レール72との間には所要の間隔をあけて
垂直材75と、斜材76とを介在してなる。図7に示す
実施例では上弦材となるパイプ71が1本であるが、こ
の上弦材パイプ71は2本を並列配置させたV字断面の
構造にしてもよい。
【0019】上述の平行弦トラスによって形成される第
1軌条A,第2軌条Bは、運搬性や茶園での組立性を考
慮して所要の長さ(例1800〜2000mm)に枠組
した単位トラスを、相互に継ぎ足して所要長さの軌条に
形成している。その継ぎ足し構造として本実施例では、
図8に示すような連結構造が採用されている。図8に示
す連結構造では、一方側の単位トラスA1にはその上弦
材パイプ71の一端側に幾分径の小さい差込み端部73
を突出形成し、この差込み端部73を相手側単位トラス
A2の上弦材パイプ71端部に差込んで、両者の上弦材
パイプ71同志を互いに接続状態とした後に、差込み端
部73を回動支点にして両者の単位トラスA1,A2を
相対回動させることで、各単位トラスA1,A2の端部
に形成している接続ブラケット78,78a同志を互い
に重合させ、この両者をピン・ボルト等の締結具で接続
固定すると同時に、互いに衝合される単位トラスA1,
A2の端板79,79a同志も複数個のボルトで相互に
締結固定して単位トラスA1とA2とを連結する構成と
し、順次に単位トラスを継ぎ足して所要長さの軌条を形
成するようにしている。
【0020】次に、第1軌条Aの架設支持について説明
する。第1軌条Aは、平行配列された複数列の軌条が、
茶樹畝Cを横に横断して配列されており、各1列単位の
軌条を、茶樹畝Cを横断する方向において所要の間隔ピ
ッチで畝間より立設した複数本の支柱2により所要地上
高の高レベル位置に地面と平行して固定状に架設支持し
ている。各列の第1軌条を支持する支柱2は、茶樹畝C
を横断する方向において各畝間ごとの間隔、あるいは複
数列の畝間を飛ばした間隔で立設させるが、この場合に
その支柱2については、第1軌条Aの下位に交叉して配
列させる第2軌条Bとの関係で、後述する第2軌条Bの
横移動に干渉を与えない対策を講じる必要性から本実施
例では、図3に示す支柱取付け構造が採用されている。
図3に示す実施例では、第1軌条Aの側部に支柱取付装
置3を固設し、これに支柱2を上下動可能に取付けた構
造としている。この支柱取付装置3には、同装置を第1
軌条Aの上弦材パイプ71に対して着脱可能に固定する
ためのクランプ31と、外周に所定のピッチで多数の突
起32aを突出した突起付ホィール32と、このホィー
ル32に回転力を付与する駆動源としてのモータ33
と、支柱2を挿通支持するガイド筒35と、このガイド
筒35に挿通した支柱2を前記突起付ホィール32との
間で挟持する挟持輪34とを備えている。
【0021】上記クランプ31により、支柱取付装置3
を、第1軌条Aの上弦材パイプ71に固定するものであ
るが、この際に、ガイド筒35に挿通した支柱2が、畝
間に対して直立するように位置を選択して固定する。ま
た突起付ホィール32が、駆動源となるモータ33から
の動力伝達で回動すると、突起32aが支柱2に形成し
た係合孔2aに順次に係合して支柱2を所定の上昇位置
と、下降位置とに上下昇降動作できるようにしている。
この支柱2の上昇動作は、後で説明する第2軌条の横移
動動作に対し、これに先行するタイミングで動作される
ものであり、また支柱2の引上げ高さは、支柱2の下端
が、後で説明する第2軌条Bの上弦材パイプ71よりも
高位置に引上げるものである。本実施例においては、上
述の支柱2の上昇,下降時に、その位置決めが図れるよ
うに前記ガイド筒35には、上昇停止用の停止スイッチ
38と、下降停止用の停止スイッチ39とが設けられ、
一方支柱2には、上昇行程で上記停止スイッチ38と当
接する操作部38aと、下降行程で上記停止スイッチ3
9と当接する操作部39aとを備え、これらの各停止ス
イッチ38,39を前記駆動モータ33の電源回路中に
介在してそれぞれの各操作部38a,39aが、対応す
る停止スイッチ38,39に当接すると支柱2の上昇動
作,下降動作が自動的に停止する手段を採用している。
【0022】また支柱2は、その下端の接地板2bが畝
間地面に当接して第1軌条Aを所要地上高の高レベル位
置に支える状態ではその保持が確実になるように、前記
支柱取付装置3には、ストッパー36と、これを動作さ
せる制御部37とを備えていて、下端の接地板2bが畝
間地面に当接した下降限界位置では、ストッパー36が
支柱2に形成したストッパー孔2cに係合できるように
している。なお、このストッパー36は、支柱2の上昇
動作に先行するタイミングで制御部37によりストッパ
ー孔2cから離脱させるようにしておく。なお、支柱2
は、そのガイド筒35より上方へ突出する長さを適当に
設定しておくことで、例えば茶樹畝に対する防霜用ファ
ンの取付用支柱として兼用させることもできる。
【0023】次に、第1軌条Aに対し、第2軌条Bを吊
持するために装備される懸垂移動車6について説明す
る。この懸垂移動車6は、茶樹畝Cを横断する方向へ平
行配列して架設された複数列の全ての第1軌条Aに対
し、各軌条に1個づつ装備されるもので、各懸垂移動車
6は、各第1軌条Aの下弦材レール72に沿って自走移
動が可能に構成されている。本実施例では、図5,図6
に示すように相対向する左右一対の側板6a,6bをベ
ースに、両側板6a,6bの対向間に、下弦材レール7
2の水平部上面に当接して転動する転輪61と、レール
下面のラック74に噛合うピン62aを備えた駆動輪6
2とが軸支され、また駆動輪62に回転力を付与する駆
動源としてのモータ63と、下部に吊り金具64とを備
えた構成にしている。
【0024】左右一対の側板6a,6bは、両者の間に
下弦材レール72の横巾よりも幾分広い対向間隔Vを離
して、2個の連結板65,65aにより相互の間が一体
化されており、また転輪61は、レール72に沿う方向
において前後に2個が配置され、前後の転輪61は、そ
れぞれが左右に分離されていて、各軸端に備えた回転ノ
ブ61aを回すと左右に分離されている転輪61,61
が、側板6a,6bに形成している雌ねじ部6c,6d
によりそれぞれ側板6a,6bの内,外方向へ進退可能
に軸支された構造になっている。
【0025】このような構造から、軸端の回転ノブ61
aを回して、左右に分離されている転輪61,61をそ
れぞれ外側方向へ移動させると左右の側板6a,6bの
上半部対向間に、下弦材レール72を出し入れ可能な対
向間隔Vが生じる。この対向間隔V内に、レール72の
下側から、下弦材レール72を嵌合させるように懸垂移
動車6を、下弦材レール72に対してセットさせる。こ
のセット後に回転ノブ61aを回して左右に分離されて
いる転輪61,61を相互に接近する方向へ移動させる
と、下弦材レール72の左右水平部の上面に、左右に分
離されている転輪61,61が各別に当接し、この状態
では駆動輪62のピン62aがレール下面のラック74
とも噛み合い、モータ63からの回転力を駆動輪62に
付与すると駆動輪62のピン62aがラック74に噛合
ってレール72に沿い自走移動する構成になっている。
また、回転ノブ61aを回して、左右に分離されている
転輪61,61を外側方向へ移動させると、前記の対向
間隔Vが開口して懸垂移動車6を下弦材レール72より
離脱可能となり、懸垂移動車6を、必要に応じ第1軌条
に対してセットしたり、離脱させることが可能となる。
【0026】次に、上記した懸垂移動車6を介して、第
1軌条Aに対し、第2軌条Bを吊持させる支持構成につ
いて説明する。各列の第1軌条Aにセットされた懸垂移
動車6にはその下端に吊り金具64を備えており、吊り
金具64の下端に、ピン64aと、U字金具64bとを
介して第2軌条Bの上弦材パイプ71が吊持される。こ
の場合に、茶樹畝Cの畝方向に沿って単列配置される第
2軌条Bの軌条経路は、上方に交叉して平行配列される
複数列の第1軌条Aに対し、第1軌条を平行配列させて
いる間隔ごとの複数個所において第1軌条と上下に交叉
し、その交叉する複数個所で第1軌条Aに、それぞれ、
懸垂移動車6を介して吊持された構成となる。上記懸垂
移動車6は、モータ63からの回転力により各列の第1
軌条の下弦材レール72に沿って自走移動が可能な構成
であり、この懸垂移動車6が、下弦材レール72に沿っ
て自走移動する時、この懸垂移動車6に吊持された第2
軌条Bの軌条経路も、上記した第1軌条Aと交叉する複
数個所で懸垂移動車6の移動に伴い第1軌条の下弦材レ
ール72に沿う方向、つまり茶樹畝Cを横断する方向へ
向けて牽引される結果、茶樹畝Cの畝方向に沿う第2軌
条Bの軌条経路は、その経路全体が茶樹畝Cと平行する
状態で、茶樹畝Cを横断する方向へ向けて横移動可能に
吊持された支持構成となる。なお第2軌条Bの端部は、
図示の実施例の場合、枕地に設置したレール8aに沿っ
て自走移動する門形移動支柱8の天井部に吊持してあ
り、この枕地に設置するレール8aを、第1軌条Aの軌
条方向と平行に設置していると門形移動支柱8の天井部
に吊持された軌条端部も、同じく茶樹畝Cを横断する方
向へ横移動可能に吊持された構成となる。
【0027】上述の第2軌条Bの横移動は、茶樹畝Cの
畝巾略中央に単列配置している第2軌条Bの軌条経路
を、隣接する隣りの茶樹畝Cの畝巾略中央へ移行させる
ための横移動であり、その横移動の距離は、図1に示す
畝間隔Lに対応した横移動距離である。本実施例におい
ては、この横移動の距離を、畝間隔Lに対応した距離で
横移動させて、常時、第2軌条Bの軌道経路が、隣接す
る隣りの茶樹畝Cの畝巾略中央位置に移行するような位
置決め手段が図られる。この1例として、図5に示して
いるように平行配列される複数列の各第1軌条Aには、
その軌条Aの側部に上記畝間隔Lに対応した離間ピッチ
で停止部材67を設けておき、一方、第1軌条Aの下弦
材レール72に沿って自走移動する懸垂移動車6には、
移動時に上記停止部材67と当接してモータ63への電
源回路を閉に動作する停止スイッチ68を備え、この両
者の当接により懸垂移動車6の自走移動が、茶樹畝Cの
畝間隔Lに対応した距離で自動停止する構成としてあ
る。
【0028】また本実施例においては、上述の第2軌条
の横移動時に、その横移動する領域の畝間に第1軌条を
支える支柱2が直立している場合、横移動の操作タイミ
ングに先行して横移動に干渉する支柱2の全部を、それ
らに対応する支柱取付装置3に備えたモータ33の先行
駆動によって事前に、第2軌条Bの横移動に干渉しない
高さ位置まで上昇させておく動作タイミングが図られて
いる。
【0029】上記第2軌条Bには、これに前後2個の懸
垂移動車6A,6Bを介して茶葉の管理機4となる摘採
装置が吊持される。次に、この茶葉管理機4の吊持構成
について説明する。第2軌条Bに対して装備される2個
の懸垂移動車6A,6Bは、前記した第1軌条Aに装備
される図5,図6に示した懸垂移動車6に対しその構造
自体は同様のものであるが、この第2軌条Bにセットさ
れる懸垂移動車6A,6Bの場合は軌条方向の全長にわ
たって自走移動するようにモータ63が駆動される。ま
たそのモータ63の駆動は、1例として作業進行方向の
前側に配置している懸垂移動車6Aのモータ63のみを
駆動し、他の後側の懸垂移動車6Bに備えるモータは非
駆動にして、この場合には、図4に示しているように前
後の懸垂移動車6A,6Bの間を連結棒69により連結
して両者が一体に自走移動するようにしておく。
【0030】上記2個の懸垂移動車6A,6Bを介して
第2軌条Bに吊持される茶葉管理機4(以下摘採装置4
として説明する)は、従来より周知のものであり、図示
の実施例では、茶樹畝Aの全巾にわたる全面刈り方式が
示されていて、機枠の両端には原動機4aと、ファン4
bと、刈刃駆動機構4cとを備え、刈刃4dにより摘採
された茶葉が、送風ダクト4eのノズル4fから吹き出
される送風によって後方に配置された収容袋4gに収容
する形式で、収容袋4gは載置台4hの上に左右2個が
並列して配置された形式になっている。
【0031】本実施例においては、上記摘採装置4を、
前後2個の懸垂移動車6A,6Bに吊持する場合、図4
に示しているように原動機4a,ファン4b,刈刃駆動
機構4c等を備える前部の刈取り部は、第1の門形支持
枠5を介して前側の懸垂移動車6Aに吊持し、また、後
部の収容袋載置台4hは、他の第2の門形支持枠5aを
介して後側の懸垂移動車6Bに吊持した構成としてい
る。上記第1,第2の門形支持枠5,5aは、図2に示
しているように巾方向の略中央部が、懸垂移動車6A,
6Bの下部に備える吊り金具64に対して支持軸54に
より左右端が上下方向に傾動可能になっている。また各
門形支持枠5,5aの左右脚部は、垂直外筒51の内部
にスライド支脚52を挿入した構成で、そのスライド支
脚52の上部を、外筒51の内部に挿通軸支した螺子シ
ャフト53と螺合させていてモータ55からの動力伝達
により螺子シャフト53が回転動作されると、スライド
支脚52が上下方向の伸縮する構成になっている。この
ような構成により各門形支持枠5,5aの左右脚部にそ
れぞれ備えている2個の駆動モータ55に対し、左右の
モータ55を同時駆動すると第2軌条Bに対して摘採装
置4の吊持高さが上下に調整可能となり、また左右の脚
部の一方に備えるモータ55のみを駆動する場合には、
第2軌条Bに対して摘採装置4の傾きが変化し、茶園の
傾斜等に対応して摘採装置4の傾斜調整が行える支持構
成としている。
【0032】上記した摘採装置4の吊持構成は、図示の
実施例の他に、種々の変更が可能である。この変更例の
1例として、摘採装置4は、その前部の刈取り部と、後
部の収容袋載置台4hとを相互に切離し可能にし、ま
た、後部の収容袋載置台4hを吊持する門形支持枠5a
は、図4中に仮想線で示しているように山形配置の2個
の支持枠に変更して後側の懸垂移動車6Bに吊持させた
構成にする。このように変更する場合は、1列の茶樹畝
Cに対して摘採作業を行う時、畝列の途中で茶葉収容袋
4gが満杯になると、後部の懸垂移動車6Bに吊持した
収容袋載置台4hのみを切り離し、これを独立上昇して
前後の吊持バランスを平衡させた状態で枕地へ移動させ
ることが可能となる。
【0033】また第2軌条Bに対して、図示していない
が、予備の第3の懸垂移動車を別にセットし、この予備
の懸垂移動車には、上記した山形配置の2個の支持枠
(図4中の仮想線参照)を介して予備の収容袋載置台4
hを独立吊持した構成にしておき、これを前記2個の懸
垂移動車6A,6Bの前部あるいは後部に追従移動する
ようにしておけば、上記満杯になった収容袋4gの載置
台4hを切り離して枕地へ移動する際に、予備の収容袋
載置台4hを前部の刈取り部に接続替えして摘採作業を
連続的に行うことが可能となる。
【0034】次に、以上に説明した第1軌条A,第2軌
条Bを用いて行う本実施例の軌道式茶園管理方法につい
て説明する。本発明による茶園管理方法は、第2軌条B
に吊持した摘採装置4の自走移動により1列の茶樹畝C
に対する所定の管理作業を行い、1列の茶樹畝Cに対し
ての作業が終了した時点で、第2軌条Bを、交叉する第
1軌条の案内動作により茶樹畝Cを横断する方向へ横移
動させて次列以降の茶樹畝Cに対する管理作業を行う方
式を基本にしている。
【0035】茶園の管理作業を行う摘採装置4は、第2
軌条Bを、作業を行う対象の茶樹畝Cの畝巾略中央に位
置させた状態にし、その第2軌条Bにセットされている
前後2個の懸垂移動車6A,6Bに対して吊持させる。
この摘採装置4の吊持作業を行う際に、第2軌条Bの軌
道端部は、枕地に設置したレール8aに沿って移動する
門形移動支柱8の天井部に支持しており、その軌道端部
は、図1に示しているように門形支柱内を通して枕地の
上方位置まで張出し可能である。この状態では、枕地に
摘採装置4を運搬してきたトラックの荷台上から直接的
に摘採装置4を、懸垂移動車6A,6Bに吊持可能とな
り吊持作業が簡易に行える上に、摘採装置4は、それ自
体に走行装置を有しないから機体重量は大巾に軽量とな
り、比較的に簡易に摘採装置4の吊持作業が行える。
【0036】第2軌条Bに対する摘採装置4の吊持作業
が終ると、図示しない制御部(この制御部は作業者が枕
地に位置して遠隔操作を行う集中制御部と、摘採装置4
に作業者が随伴移動して制御を行う移動制御部とが用意
される)の操作により懸垂移動車6A,6Bに備えるモ
ータ63の双方または一方のみを動作させて摘採装置4
を第2軌条Bに沿い懸垂走行させる。この懸垂走行時
に、モータ63の回転力が付与される駆動輪62のピン
62aが、下弦材レール72の下面に備えたラック74
に噛合って回転するので、茶園の傾斜や凹凸等に影響さ
れずに摘採装置4は、第2軌条Bに吊持された懸垂姿勢
で安定的に自走移動しつつ茶樹畝Cに対する摘採作業が
進行される。
【0037】この進行時において、摘採位置4は、支持
枠5,5aの左右脚部に備える2個のモータ55を、制
御部の操作で同時駆動または単独駆動させることで摘採
装置4の上下調整や傾斜調整が行われ、茶樹畝Cの摘採
面に対する刈取り部の浅深が適正に調整できる上に、ま
た摘採装置4は、茶樹畝Cの畝巾略中央位置を支点にし
て左右が上下に傾動可能であるから、茶園の傾斜に対し
ても傾斜調整が適正に行えて安定した摘採作業が遂行で
きる。
【0038】作業進行時、摘採された茶葉は収容袋4g
に収容され、袋4gが畝列の途中で一杯になった場合
は、前記したような摘採装置4の吊持構成の変更例を採
用していると、満杯になった収容袋載置台4hを、刈取
り部から切離して独立的して枕地へ移動することがで
き、また予備の収容袋載置台4hを刈取り部に接続替え
して摘採作業を連続に行える。
【0039】上述の1列の茶樹畝Cに対する作業が進行
して、摘採装置4がその畝端に到達すると走行停止す
る。この停止時、摘採装置4は、第2軌条Bに吊持され
た状態で茶樹畝Cの樹冠上に位置し、その摘採装置4
を、制御部の操作により門形支持枠5,5aの左右脚部
に備えるモータ55の動作で上昇させると、摘採装置4
は茶樹畝Cの樹冠頂部に干渉しない地上空間に吊持状態
で保持されている。この結果、本発明による茶園管理方
法では、1列の茶樹畝Cに対する作業終了時点で、次の
ような作業移行処理が行える。 .1列の茶樹畝Cの作業終了時点で、摘採装置4を上
昇動作した後、摘採装置4を作業開始地点の枕地へ移動
し、その後に、第2軌条Bを横移動動作して次列の茶樹
畝に対応させ、再び往行程で、次列の茶樹畝Cに対する
摘採作業を行う。 .また1列の茶樹畝Cの作業が終了した時点で、摘採
装置4は茶樹畝Cの樹冠頂部に干渉しない地上空間に吊
持状態で保持されていることより、作業終了側の畝端の
枕地が狭い場合であっても地上空間で摘採装置4の進行
する向きの方向変換が可能となる。そこで作業終了側の
畝端において摘採装置4の方向変換を行い、その方向変
換の前段または後段で直ちに、第2軌条Bを横移動させ
て次列の茶樹畝に対応させ、復行程では次列の茶樹畝C
に対する摘採作業を行う。
【0040】上述の第2軌条Bの横移動は、平行配列さ
れた複数列の第1軌条Aにそれぞれ装備されている懸垂
移動車6のモータ63と、第2軌条Bの軌条両端部を支
持する門形移動支柱8,8の転輪8bに備えているモー
タ(図示省略)とを、制御部の操作により動作して行
う。この場合、制御部には、複数列の第1軌条Aに装備
されている複数の懸垂移動車6の各モータ63を同期動
作させる同期制御手段と、このモータ63と第2軌条B
の軌条端部を支持する2個の門形移動支柱8,8の各モ
ータ(図示省略)とを同期動作させる同期制御手段とを
有していて、これらの同期制御手段の働きにより茶樹畝
Cの畝方向に沿って単列配置されている第2軌条Bは、
その軌条経路が、茶樹畝Cの畝方向に沿った平行状態を
維持したまま、隣接する隣りの茶樹畝Cへ横移動する。
この横移動の距離は、茶樹畝Cの畝間隔Lに対応して距
離に位置決めされているので、第2軌条Bは、隣接する
隣りの茶樹畝Cの畝巾略中央位置に移動される。
【0041】上述の第2軌条Bの横移動時に、横移動す
る領域の畝間に第1軌条Aを支える支柱2が直立してい
る場合には、その横移動の動作タイミングに先行して横
移動に干渉する支柱2の全部を、制御部の操作により、
対応する支柱取付装置3に備えているモータ33を先行
駆動して各支柱2を上昇動作させる。これにより第2軌
条Bの横移動領域に直立する支柱2は、その支柱2の下
端が第2軌条Bの上弦パイプ71よりも高位置に引き上
げられることから、第2軌条Bの横移動は、支障なく行
われる。
【0042】第2軌条Bの横移動完了後、第2軌条が、
隣接する隣りの茶樹畝Cの畝巾略中央位置に対応した状
態になると、再び制御部を操作して第2軌条Bに装備さ
れている懸垂移動車6A,6Bの双方または一方のみの
モータ63を動作させ、摘採装置4を次列の茶樹畝Cに
沿って懸垂走行させることで、順次に、次列の茶樹畝C
に対する摘採作業を進行させる。
【0043】上述した作業進行および茶樹畝の摘採面に
対する管理作業が適正に行えるようにするため、制御部
に関連して、次のセンサ部材を設けておく。 イ.第2軌条Bが所定の茶樹畝の畝巾中央に位置したこ
とを検知できるセンサ部材。 ロ.第2軌条Bに吊持されて自走移動する摘採装置が、
往行程で畝列の作業終了地点に到達したこと、復行程で
畝列の作業開始地点に到達したことをそれぞれ検知でき
るセンサ部材。 ハ.第2軌条Bに吊持されて自走移動する摘採装置の移
動時に、茶樹畝の摘採面における畝巾方向の傾斜、進行
方向の凹凸、摘採面レベルの高低等を検知できるセンサ
部材。 ニ.第2軌条Bを横移動させる領域に、その横移動に干
渉する第1軌条Aの支持支柱2が介在していることを検
知できるセンサ部材。
【0044】また制御部には、前記した同期制御手段に
加えてさらに次のような制御手段も具備しておく。 ホ.上記ニのセンサ部材からの検知信号に基いて支柱取
付装置3のモータ34を動作させる制御手段。 ヘ.上記ニのセンサ部材からの検知信号を受信した場合
には、第2軌条Bの横移動制御に先行して支柱取付装置
3に備えるモータ34の動作を優先動作させる制御手
段。 ト.上記イ.ロのセンサ部材からの検知信号に基いて第
1軌条Aの懸垂移動車6に備える駆動モータ63を同時
動作させる制御手段。 チ.上記ハのセンサ部材からの検知信号に基いて懸垂移
動車6A,6Bに吊持している摘採装置4の支持枠5,
5aに備えたモータ55を、左右同時または左右を単独
に動作させる制御手段。
【0045】なお、本発明による軌道式の茶園管理方法
を実施する場合、第1軌条Aおよび第2軌条Bにセット
される懸垂移動車6,6A,6Bには、駆動輪62の回
転動力源としてモータ63が用いられ、また支柱2の上
下動手段として支柱取付装置3にも突起付ホィール32
の回転動力源としてモータ33が使用され、さらに第2
軌条Bに吊持される摘採装置4の支持枠5,5aにも、
摘採装置4の上下調整および傾斜調整用の動力源として
モータ55が使用されている。これらの各モータ63,
33,55への電力供給の1列として、特に図示してい
ないが第1軌条A,第2軌条Bには、それぞれの軌条に
沿う側方位置に、所要の電力源に接続される給電線7を
絶縁して架線しておき、一方、第1軌条および第2軌条
Bに沿って移動する懸垂移動車6,6A,6Bには、上
記給電線7に接触するパンタグラフ式の集電部9を設け
る。このようにすれば、各懸垂移動車6,6A,6Bに
備えるモータ63に対しての給電と、摘採装置の門形支
持枠5,5aに備えるモータ55に対しての給電は、共
にパンタグラフ式の集電部9を介して電力供給が図れ
る。また支柱取付装置3に備える駆動モータ34への給
電手段としては、第1軌条Aに沿って架線した給電線7
と直接的に給線接続しておく。
【0046】
【発明の効果】本発明の請求項1,2に記載された発明
によると、茶園に植生された茶樹畝の樹冠頂部よりも高
位置の地上空間に、茶樹畝を横断する方向へ平行配列し
た第1軌条を設け、この第1軌条に対し、茶樹畝の畝方
向に沿う第2軌条を、第1軌条の案内動作により茶樹畝
を横断する方向へ横移動可能に吊持させると共に、この
第2軌条に、茶園の管理装置を自走移動可能に懸垂支持
させて、その管理装置の移動により1列の茶樹畝に対す
る管理作業が終ると、第2軌条を順に横移動させて隣接
する次列の管理作業を順次に進行する作業方式であるの
で、次のような効果が得られる。 (1).まず、茶園の管理装置には、それ自体に走行装置を
装備する必要がないから茶園管理装置の構成を大巾に簡
略化でき、軽量化して茶園管理の作業性を大きく改善で
きる。 (2).また第2軌条を横移動させると、これに吊持した管
理装置も随伴移動して隣接する次列の茶樹畝に対応でき
るから、管理装置を枕地で畝間方向へ移動させるための
枕地移動台車も不要にできる。 (3).1列の茶樹畝に対する管理作業中、管理装置は、茶
樹畝の樹冠上において第2軌条に懸垂支持されているか
ら、例えば、摘採作業のように畝列の途中で収容袋が満
杯となった場合等には、その収容袋載置台の部分のみを
切り離して単独に枕地に移動させるような作業処理が行
える。 (4).また1列の茶樹畝に対する作業の終了時点で、管理
装置は、茶樹畝の樹冠上に位置し、これを上昇動作させ
ると茶樹畝の樹冠頂部に干渉しない地上空間において管
理装置の方向転換も可能となり、作業終了地点の側の枕
地が狭い場合であっても管理装置を地上空間で方向変換
して、復行程では次列の茶樹畝に対する摘採作業が行え
る結果、多数条の茶樹畝に対する管理作業を連続して行
う作業方式が可能にできる。 (5).加えて、茶園に設備される第1軌条,第2軌条は、
茶樹畝の樹冠頂部よりも高い地上空間に設備され、その
軌条設備は、茶園の各畝間にレールを敷設した従来例に
ように畝間を走行する作業者に対して、軌条が走行の障
害となる問題がなく、また畝間で行う中耕作業,防除作
業等の各種の茶園管理作業に際して軌条が作業の障害と
なる問題も解消できる。 (6).さらに第1軌条,第2軌条による軌条部材は、茶園
の各畝間にレールを敷設した従来例に比して軌条本数が
少くなり、また軌条の敷設距離も短長になることから軌
条の設備コストを低減することもできる。
【0047】さらに請求項3に記載された本発明による
と、第1軌条および第2軌条の軌道部材は、これをトラ
ス構造に構成して垂直方向に対する撓み強度,歪み強度
を高めているから、地上空間に設備する軌道であっても
所要の強度が確保でき、規模の広い茶園に対しても地上
方式の軌条設備が適用可能となる。
【0048】請求項4に記載された本発明による場合、
第2軌条の端部を、枕地に設置したレールに沿って移動
可能な門型移動支柱に支持させていることで、第2軌条
の軌条端部の支持をしっかり保持できる上に、軌条端部
は、門型支柱間に通して枕地上に張出し可能となり、第
2軌条に対して吊持される茶園管理装置の吊持セットを
容易に行えるようになる。
【0049】請求項5に記載された本発明による場合、
第1軌条に沿って第2軌条を横移動させる時に、その横
移動領域に直立する支柱を、第2軌条の横移動に干渉し
ない高さまで上昇できるので、第1軌条を支える支柱
が、第2軌条の横移動に支障となる問題が解消され、こ
の結果、第1軌条を支持する支柱の個数を増加し、比較
的に狭い支柱間隔で第1軌条を支持できるので、第1軌
条のレール強度を大きく強化しなくても十分に第2軌条
の吊持強度を確保でき、ひいては第2軌条に吊持して自
走させる茶園管理装置の全体重量を支えて安定した作業
が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による軌道式茶園管理方法の一実施例と
なる軌条設備全体を概念的に示す斜視図。
【図2】第1軌条に対しこれに吊持される第2軌条と、
第2軌条に吊持される茶園管理装置の各吊持形態を示す
説明図。
【図3】第1軌条に対する支柱取付装置の側面図。
【図4】第2軌条に対する茶園管理装置の懸垂支持を示
す側面図。
【図5】第1軌条および第2軌条に装備される懸垂移動
車を巾方向の中間で切断して示す側断面図。
【図6】上記懸垂移動車の縦断正面図。
【図7】第1軌条および第2軌条の形成する単位トラス
を示し、その(I)は側面図、(II)は同端面図。
【図8】上記単位トラスの連結構造を示す斜視図。
【符号の説明】
A 第1軌条 A1 単位トラス A2 単位トラス B 第2軌条 C 茶樹畝 V 対向間隔 2 支柱 2a 係合孔 2b 接地板 2c ストッパー孔 3 支柱取付装置 31 クランプ 32 突起付ホイール 32a 突起 33 駆動モータ 34 挟持輪 35 ガイド筒 36 ストッパー 37 ストッパーの制御部 4 茶葉管理装置(摘採装置) 4a 原動機 4b ファン 4c 刈刃駆動機構 4d 刈刃 4e 送風ダクト 4f ノズル 4g 収容袋 4h 載置台 5 門形支持枠 5a,5a 門形支持枠 51 外筒 52 スライド支脚 53 螺子シャフト 54 支持軸 55 駆動モータ 6,6A,6B 懸垂移動車 6a,6b 側板 61 転輪 61a 回転ノブ 62 駆動輪 62a ピン 63 駆動モータ 64 懸垂部材 65 連結板 71 上弦材パイプ 72 下弦材レール 73 差込み端部 74 ラック 75 垂直材 76 斜材 78,78a 接続ブラケット 79,79a 端板 8 門形移動支柱 8a 枕地設置レール 8b 移動転輪

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所要の畝間隔で多数条の茶樹畝が並列に
    植生されている茶園の管理方法であって、 茶園には、茶樹畝の樹冠頂部より高位置の地上空間に、
    茶樹畝の畝方向とは直交して多数条の茶樹畝を横断する
    方向に支柱を介して平行配列に架設した複数列の第1軌
    条を設備すると共に、 この第1軌条よりは低レベル位置で、第1軌条とは交叉
    して茶樹畝の畝方向に沿う方向に配置した第2軌条を、
    上方で交叉する第1軌条に対して同第1軌条の軌道方向
    へ移動可能に吊持した支持構成とし、 上記第2軌道に、所要の茶葉管理装置を、同軌道に沿っ
    て自走可能に懸垂支持して1列の茶樹畝に対する茶葉の
    管理作業を行い、1列の茶樹畝の管理作業が終ると、第
    2軌条を、第1軌条に吊持した状態で第1軌条の軌道方
    向へ所定ピッチ横移動して隣接する茶樹畝に対応させた
    後、次列の茶樹畝の管理作業を順次に行うように作業進
    行することを特徴とする軌道式の茶園管理方法。
  2. 【請求項2】 所要の畝間隔で多数条の茶樹畝が並列に
    植生されている茶園の管理装置であって、 茶園には、茶樹畝の樹冠頂部より高位置の地上空間に、
    茶樹畝の畝方向とは直交して多数条の茶樹畝を横切る方
    向に支柱を介して平行配列に架設した複数列の第1軌条
    と、上記第1軌条よりは低レベル位置で、第1軌条とは
    交叉して茶樹畝の畝方向に沿う方向へ単列配置した第2
    軌条とを有し、 上記複数列の第1軌条には、各列の軌条に対し、同軌条
    に沿って自走移動可能な懸垂移動車を装備して、第1軌
    条の下位に交叉して配列される第2軌条を、上記懸垂移
    動車に吊持して第1軌条の軌道方向へ所要ピッチ横移動
    可能に懸垂支持すると共に、 上記第2軌条には、同軌条に沿って自走移動可能に装備
    された懸垂移動車を介して所要の茶葉管理装置を懸垂支
    持し、同茶葉管理装置の自走移動により1列の茶樹畝に
    対する管理作業が終了した時点で、第2軌条を、第1軌
    条に装備した懸垂移動車の動作により所要ピッチ横移動
    させて隣接する次列の茶樹畝に対応させるように移動制
    御する制御手段を設けてなることを特徴とする軌道式の
    茶園管理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の茶園管理装置であって、
    上記第1軌条および第2軌条は、その軌道部材をトラス
    構造に構成していることを特徴とする軌道式の茶園管理
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の茶園管理装置
    であって、上記第2軌条はその軌道端部を、枕地に設置
    したレールに沿って移動可能な門型支柱に支持している
    ことを特徴とする軌道式の茶園管理装置。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4に記載の茶園管理装置
    であって、上記第1軌条を所要地上高の高レベル位置に
    架設支持する支柱は、第1軌条に対して上下昇降可能な
    支柱取付装置を有し、前記第2軌条を横移動させる時、
    その横移動領域に直立する支柱を、第2軌条の横移動動
    作に先行して干渉しない高さまで上昇させ、横移動後に
    下降させる手段を有していることを特徴とする軌道式の
    茶園管理装置。
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