JPH09294383A - アクチュエータの駆動方式 - Google Patents

アクチュエータの駆動方式

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JPH09294383A
JPH09294383A JP10683996A JP10683996A JPH09294383A JP H09294383 A JPH09294383 A JP H09294383A JP 10683996 A JP10683996 A JP 10683996A JP 10683996 A JP10683996 A JP 10683996A JP H09294383 A JPH09294383 A JP H09294383A
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JP
Japan
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voltage
actuator
thin film
power supply
fixed
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Pending
Application number
JP10683996A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Muranishi
勝 村西
Takeshi Harada
武 原田
Kazuyasu Satou
和恭 佐藤
Shozo Saegusa
省三 三枝
Tetsuya Hamaguchi
哲也 浜口
Soichi Toyama
聡一 遠山
Shinobu Yoshida
忍 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】静電気力を利用したアクチュエータは構造が簡
単であるが、駆動で高電圧を必要としていた。 【解決手段】静電力を利用するアクチュエータと電源か
らなる回路に直列に、コイルを挿入し、アクチュエータ
とコイルからなる共振器系の共振周波数の交流電源でア
クチュエータを駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は物体に所定の運動を
させる小型アクチュエータの駆動方式に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の駆動方式については、日本機械学
会誌Vol.97,No.905(1994年)290ページ等に
記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アクチュエータの駆動
力は、油圧,磁場中の電流の受ける力であるローレンツ
力,静電力等があり、圧電効果を利用する物もある。油
圧,ローレンツ力を利用するアクチュエータは構造が複
雑となるため、小型化に限界があった。特に、基板上に
薄膜プロセスでアクチュエータを作る場合は、構造が複
雑であると、製造が非常に困難となる。静電力や圧電効
果を利用するアクチュエータは構造が比較的簡単である
ため、基板上に薄膜プロセスで小型のアクチュエータを
構成する場合に用いられる。しかし、静電力や圧電効果
を利用したアクチュエータでは、アクチュエータの駆動
に数十Vから100V程度の高電圧を必要とする。
【0004】本発明の目的は、低電圧でも駆動可能な小
型のアクチュエータを構成する事にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】固定部と、前記固定部に
対して相対的に位置,姿勢または角度の変位が可能とな
っている可動部と、前記固定部に取り付けられた固定電
気素子と、前記可動部に取り付けられた可動電気素子と
を有し、電源から前記固定電気素子と前記可動電気素子
に電圧を印加し、この時に前記固定電気素子と前記可動
電気素子の間に作用する電磁気的な力によって、可動部
を変位させるアクチュエータの駆動方式を、前記電源と
前記アクチュエータを接続した電気回路中に、インピー
ダンス変換用の電気素子を挿入し、さらに電源から交流
の電圧を印加すると共に、前記交流電圧の周波数が、前
記アクチュエータと前記電気素子を組み合わせた系の電
気的共振周波数に略一致している事を特徴とするアクチ
ュエータの駆動方式とする。
【0006】固定部と、前記固定部に対して相対的に位
置,姿勢または角度の変位が可能となっている可動部
と、前記固定部に取り付けられた固定電気素子と、前記
可動部に取り付けられた可動電気素子とを有し、電源か
ら前記固定電気素子と前記可動電気素子に電圧を印加
し、この時に前記固定電気素子と前記可動電気素子の間
に作用する電磁気的な力によって、可動部を変位させる
アクチュエータの駆動方式を、電源から交流の電圧を印
加すると共に、前記交流電圧の周波数が、前記アクチュ
エータと前記電気素子を組み合わせた系の電気的共振周
波数に略一致している事を特徴とするアクチュエータの
駆動方式とする。
【0007】固定部と、前記固定部に対して相対的に位
置,姿勢または角度の変位が可能となっている可動部
と、前記固定部に取り付けられた固定電極と、前記可動
部に取り付けられた可動電極とを有し、電源から前記固
定電極と前記可動電極の間に電圧を印加し、この時に前
記固定電極と前記可動電極の間に作用する静電的な力に
よって、可動部を変位させるアクチュエータの駆動方式
を、前記電源と前記アクチュエータを接続した電気回路
中に、少なくともコイルを含む電気素子を挿入し、さら
に電源から交流の電圧を印加すると共に、前記交流電圧
の周波数が、前記アクチュエータと前記電気素子を組み
合わせた系の電気的共振周波数に略一致している事を特
徴とするアクチュエータの駆動方式とする。
【0008】固定部と、前記固定部に対して相対的に位
置,姿勢または角度の変位が可能となっている可動部
と、前記固定部に取り付けられた固定コイルと、前記可
動部に取り付けられた可動コイルとを有し、電源から前
記固定コイルと前記可動コイルに電圧を印加し、この時
に前記固定コイルと前記可動コイルの間に作用する電磁
的な力によって、可動部を変位させるアクチュエータの
駆動方式を、前記電源と前記アクチュエータを接続した
電気回路中に、少なくともコンデンサを含む電気素子を
挿入し、さらに電源から交流の電圧を印加すると共に、
前記交流電圧の周波数が、前記アクチュエータと前記電
気素子を組み合わせた系の電気的共振周波数に略一致し
ている事を特徴とするアクチュエータの駆動方式とす
る。
【0009】固定部と、前記固定部に対して相対的に位
置,姿勢または角度の変位が可能となっている可動部
と、前記固定部に取り付けられた固定電気素子と、前記
可動部に取り付けられた可動電気素子とを有し、電源か
ら前記固定電気素子と前記可動電気素子に電圧を印加
し、この時に前記固定電気素子と前記可動電気素子の間
に作用する電磁気的な力によって、可動部を変位させる
アクチュエータの駆動方式を、前記電源と前記アクチュ
エータを接続した電気回路中に、インピーダンス変換用
の電気素子を挿入し、さらに電源から交流の電圧を印加
すると共に、前記アクチュエータと前記電気素子を組み
合わせた系の電気的共振周波数をf,共振のQ値をQと
した場合に、前記電源から印加される交流電圧の周波数
とfのずれが、f/Qよりも小さい事を特徴とするアク
チュエータの駆動方式とする。
【0010】固定部と、前記固定部に対して相対的に位
置,姿勢または角度の変位が可能となっている可動部
と、前記固定部に取り付けられた固定電気素子と、前記
可動部に取り付けられた可動電気素子とを有し、電源か
ら前記固定電気素子と前記可動電気素子に電圧を印加
し、この時に前記固定電気素子と前記可動電気素子の間
に作用する電磁気的な力によって、可動部を変位させる
アクチュエータの駆動方式を、電源から交流の電圧を印
加すると共に、前記アクチュエータと前記電気素子を組
み合わせた系の電気的共振周波数をf,共振のQ値をQ
とした場合に、前記電源から印加される交流電圧の周波
数とfのずれが、f/Qよりも小さい事を特徴とするア
クチュエータの駆動方式とする。
【0011】固定部と、前記固定部に対して相対的に位
置,姿勢または角度の変位が可能となっている可動部
と、前記固定部に取り付けられた固定電極と、前記可動
部に取り付けられた可動電極とを有し、電源から前記固
定電極と前記可動電極の間に電圧を印加し、この時に前
記固定電極と前記可動電極の間に作用する静電的な力に
よって、可動部を変位させるアクチュエータの駆動方式
を、前記電源と前記アクチュエータを接続した電気回路
中に、少なくともコイルを含む電気素子を挿入し、さら
に電源から交流の電圧を印加すると共に、前記アクチュ
エータと前記電気素子を組み合わせた系の電気的共振周
波数をf,共振のQ値をQとした場合に、前記電源から
印加される交流電圧の周波数とfのずれが、f/Qより
も小さい事を特徴とするアクチュエータの駆動方式とす
る。
【0012】固定部と、前記固定部に対して相対的に位
置,姿勢または角度の変位が可能となっている可動部
と、前記固定部に取り付けられた固定コイルと、前記可
動部に取り付けられた可動コイルとを有し、電源から前
記固定コイルと前記可動コイルに電圧を印加し、この時
に前記固定コイルと前記可動コイルの間に作用する電磁
的な力によって、可動部を変位させるアクチュエータの
駆動方式を、前記電源と前記アクチュエータを接続した
電気回路中に、少なくともコンデンサを含む電気素子を
挿入し、さらに電源から交流の電圧を印加すると共に、
前記交流電圧の周波数が、前記アクチュエータと前記電
気素子を組み合わせた系の共振周波数に略一致している
事を特徴とするアクチュエータの駆動方式とする。
【0013】
【発明の実施の形態】図1から図3を用いて本発明の実
施の形態の一例について説明する。図1は本発明を応用
した光ポインタの原理図、図2はフィードバックループ
の一巡伝達関数を示す図である。
【0014】図1のSi基板1の上には、半導体レーザ
2,光導波路3,薄膜電極4,5,6,7が設けられて
いる。Si基板1をエッチングする事により、梁8,
9,10が形成され、これにより、Si基板1の一部で
ある固定部12に対して可動部11が弾性的に支持され
ている。梁8,9,10は平行板ばねになっており、可
動部11に図中の左右方向の力が作用すると、可動部1
1は固定部12に対して図中の左右方向に近似的に平行
移動する。左右方向への近似的な平行移動以外の自由度
については三つの梁8,9,10で拘束されている。半
導体レーザ2は、半導体レーザ2から放射された光が光
導波路3に結合するように、位置合わせが為されてSi
基板1に固定されている。半導体レーザ2が点灯する
と、半導体レーザ2から放射された光は光導波路3に結
合され、光導波路3の中を伝播し、光導波路3の端面1
9から放射される。この光はレンズ14でコリメートさ
れ、ビームスプリッタ15に入射する。この光の約半分
はビームスプリッタ15を通過し、所定の場所に照射さ
れる。
【0015】交流電源20はコイル22を介して薄膜電
極6,7の間に、交流電源21はコイル23を介して薄
膜電極4,5の間に角周波数ωの交流電圧を印加する。
図1でコイル22,23はSi基板1を別に記載されて
いるが、薄膜プロセスを用いてSi基板1上に設けても
良い。Si基板1の上にはSiO2 の薄膜が設けられて
おり、薄膜電極4,5,6,7はこのSiO2 の薄膜上
に設けられているため、互いに電気的に絶縁されてい
る。絶縁されている薄膜電極4,5の間の静電容量をC
とし、薄膜電極6,7の間の静電容量も同じくCとす
る。この素子は図1の左右について左右対称となってお
り、薄膜電極4,5の間の静電容量と薄膜電極6,7の
間の静電容量は等しくなる。交流電源20からコイル2
2を介して薄膜電極4,5の間に電圧を印加すると、両
方の電極に互いに逆符号の電荷が貯えられ、薄膜電極
4,5の間に引力が作用する。貯えられる電荷は薄膜電
極4,5の間に加えられる電圧に比例し、引力の大きさ
は貯えられる電荷の2乗に比例する。よって、引力の大
きさは薄膜電極4,5の間に印加される電圧の2乗に比
例する。同様に、薄膜電極6,7の間に作用する引力の
大きさは、薄膜電極6,7の間に印加される電圧の2乗
に比例する。薄膜電極4,5の間の引力と、薄膜電極
6,7の間の引力が等しい場合には可動部11に作用す
る力が釣り合っているので、他の力が作用しない限り、
可動部11は動かない。この場合、端面19も動かない
ので、ビームスプリッタ15を通過した光の方向も動か
ない。
【0016】ここで、何かの原因で可動部11が図1の
右側に移動したものとする。この場合、端面19も右へ
移動するので、レンズ14でコリメートされた光の伝播
の方向は所定の方向から左側へ傾く事になる。レンズ1
4でコリメートされ、ビームスプリッタ15に入射した
光の約半分はビームスプリッタ15を通過するが、残り
の約半分はビームスプリッタ15で反射され、レンズ1
5で、位置検出素子13の上に集光される。レンズ14
でコリメートされた光の伝播する方向が所定の方向から
図1中の左側に傾いた場合、ビームスプリッタ15で反
射された光の伝播方向は下向きに傾き、位置検出素子1
3上のレンズ16による集光位置は所定の位置よりも図
1の下側へ移動する。位置検出素子13は、この素子に
入射する光の位置を検出する機能を有している。位置検
出素子13に入射する光の位置が図1の上の方に移動す
ると、端子24に発生する電圧が高くなり、端子25に
発生する電圧が低くなる。反対に、光の位置が下の方に
移動すると、端子25に発生する電圧が高くなり、端子
24に発生する電圧が低くなる。作動アンプ17は、端
子24に発生する電圧から端子25に発生する電圧を引
いた電圧を、増幅してコントローラ18へ出力する。こ
の時、ビームスプリッタ15を通過した光が所定の位置
に照射される場合に作動アンプ17の出力が0となるよ
うに、位置検出素子13,作動アンプ17のオフセット
を調節しておく。すると、位置検出素子13上の集光位
置が所定の位置から図1の下方へ移動した場合、作動ア
ンプ17の出力電圧は負となる。コントローラ18は作
動アンプ17の出力によって、これが正の場合には交流
電源21の発生する電圧振幅を大きく、交流電源20の
電圧振幅を小さくし、これが負の場合には交流電源20
の発生する電圧振幅を大きく、交流電源21の電圧振幅
を小さくする。よって、可動部11が図1の右側に移動
した場合、交流電源20の発生する電圧振幅が大きくな
り、交流電源21の発生する電圧振幅が小さくなる。す
ると、薄膜電極6,7に貯えられる電荷が多くなり、薄
膜電極4,5に貯えられる電荷が少なくなる。このた
め、薄膜電極6,7に作用する引力が大きくなり、薄膜
電極4,5に作用する引力が小さくなる。結果として、
可動部11には左向きの力が作用する。即ち、可動部1
1は何かの原因で右に動くと、左に動かそうとする力が
作用する。同様に左に動くと右に動かそうする力が作用
し、可動部11は、レンズ14でコリメートされた光が
所定の位置に照射されるように、一定の位置にフィード
バックコントロールされる。
【0017】この例では、交流電源20からコイル22
を介して薄膜電極6,7間に、交流電源21からコイル
23を介して薄膜電極4,5に、交流電圧を印加してい
る。コイル23,24のインダクタンスはいずれもLと
すると、交流電源20から印加する電圧の振幅Vと、交
流電源20,コイル22,薄膜電極6,7からなる回路
に流れる電流の振幅Iの間には次の関係が成り立つ。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、
【0020】
【数2】
【0021】
【数3】
【0022】
【数4】
【0023】であり、Rは交流電源20,コイル22,
薄膜電極6,7自身の持つ電気抵抗や、これらを相互に
接続する配線の電気抵抗で、ω0 はこのRLC共振系の
共振角周波数、ζは共振系の減衰比率である。電圧の振
幅Vを一定とし、交流電源20の角周波数ωを変化させ
ると、
【0024】
【数5】 ω=ω0 …(数5) なる角周波数で電流振幅Iは極大となる。この例では、
数5を満たすようにωとLの値を選んでいる。この状態
で薄膜電極6,7の間に作用する力Fを求める。FはA
を比例定数として、次式で与えられる。
【0025】
【数6】
【0026】角振動数ωを適当に大きくする事により、
数6の右辺の、cos(2ω・t)の項を無視する事ができ
る。どの位大きければ良いか、という点については後述
する。従来の例のように直流電圧Vで駆動した場合、作
用する力Fは
【0027】
【数7】 F=A(CV′)2 …(数7) となる。ここでV=V′として、従来のように直流で駆
動する場合の引力に対する、本発明のように交流で駆動
する場合の引力の比αを求める。
【0028】
【数8】
【0029】ここで仮に、C=1pF,R=10Ω,ω
=2π×1MHzとすると、R≒16000 となる。これか
ら、静電気力を用いるアクチュエータを駆動する場合に
は、適当なコイルをこれに直列に接続し、両者で構成さ
れるLC共振回路の共振周波数の交流で駆動する事によ
り、同じ電圧で直流で駆動するよりも大きな力を発生さ
せる事が可能となる。また、同じ力をより小さな電圧で
発生させる事が可能となる。交流電源21,コイル2
3,薄膜電極4,5についても同様である。数5の条件
を満たす事により、小さな電圧で大きな力を発生する事
が可能となるが、現実の応用では必ず誤差が発生する。
ω=ω0 が成立している時の電流の振幅をI0 ,ωのω
0 からのずれをΔωとすると、電流の振幅Iは、(Δω
/ω0 )の2次の精度で、
【0030】
【数9】
【0031】となる。本実施の形態の例では、ζが1よ
り小さく、0に近い程小さい電圧で大きな力を発生する
事ができる。よって、現実の系では、1≫ζ>0、と考
えても良い。ここで、Δω=±ζ・ω0 、とすると、I
=I0/2となり、力の大きさは4分の1となる。Δω
の絶対値がこれよりも大きくなると、電流の振幅、即ち
力の大きさは急激に小さくなる。よってΔωの絶対値
は、ζ・ω0 を目安として、これよりも小さくする必要
がある。
【0032】図2を用いて角振動数ωの選びかたについ
て説明する。図2は、図1を用いて説明した光ポインタ
のフィードバックコントロールにおける、フィードバッ
クループの一巡伝達関数のゲインを示している。ωpは
固定部12に弾性的に支持された可動部11の1次の固
有角振動数であり、ωcはゲイン0dBとなる角振動数
である。この制御系は角周波数ωc以下の周波数成分の
外乱を抑圧する事ができる。これを実現するためには、
制御系を構成する各要素は少なくとも角振動数ωcの入
力に応答できる必要がある。数6から、このアクチュエ
ータは角周波数2ωよりも早い周波数には原理的に応答
できない事がわかる。よって、交流電源20,21の角
周波数ωはωc/2よりも大きくなければならない。
【0033】また、図1を用いて説明したフィードバッ
クループを作る応用以外の応用について考えてみる。図
2に示すように、一般にある振動数で振動をする系で
は、その1次の固有振動数よりも高い振動数の入力に対
しては応答が小さくなる性質がある。よって、例えば、
このアクチュエータをωpよりも低い角周波数で用いる
場合、交流電源20,21の角周波数の2倍、2ωをω
pよりも大きくする事により、数6の右辺の交流成分の
影響を直流成分に比較して小さくする事が可能となる。
また、交流電源20,21の角周波数の2倍、2ωをω
pに一致させる事により、大きな変位を得る事ができ
る。
【0034】ここまでは、静電力を利用するアクチュエ
ータを駆動する場合に、これに直列にコイルを入れる例
について説明して来たが、コイルの他にインピーダンス
を適切な値とするために様々な電気部品をアクチュエー
タに直列もしくは並列に挿入し、この電気回路の共振周
波数で駆動しても同様の効果が得られる。また、可動部
と固定部の両方にコイルを有し、両者に電流を流す事に
より両者に作用する力を用いて、固定部に対して可動部
を移動させるアクチュエータに対し、これにコンデンサ
を直列に挿入しても、静電力を利用する場合と同様の効
果を得る事ができる。また、交流電源として、高電圧の
発生は容易であるが、電流を取り出すのが困難な電源を
用いる場合には、静電力を利用する時にはアクチュエー
タに並列にコイルを入れ、反共振点で駆動すると良い。
交流電源として、高電圧の発生は容易であるが、電流を
取り出すのが困難な電源を用いる場合に、コイルの間に
働く力を利用する時は、コイルに並列にコンデンサを入
れ、反共振点で駆動すると良い。
【0035】この他に、可動部と固定部の両方に、互い
に絶縁された1組の電極と、互いに接続された1組のコ
イルを設けておき、これらを直列に接続し、その共振周
波数で駆動しても良い。この時、電極間に作用する静電
力の振幅と、コイル間に作用する電磁力の振幅を等しく
しておく。コイル間に働く力は流れる電流の大きさの2
乗に比例し、電極間の静電力は電荷の大きさの2乗、即
ち電流の積分の2乗に比例する。電流が正弦波状の場
合、両者の和を取ると、力の大きさは時間によらず一定
となる。
【0036】また、この例では可動部11が固定部12
に対して、近似的に平行移動をしていたが、回転運動を
するような系にも同様の事が可能となる。
【0037】図3を用いて、本発明の実施の形態の第2
の例について説明する。図3は磁気ディスク装置のトラ
ッキング機構の説明図である。
【0038】図3の磁気ディスク104はチャック機構
105によって、図3中には記載されていないスピンド
ルモータに固定され、その中心軸の回りに回転してい
る。スライダ101は、磁気ディスク104の回転によ
って生ずる空気流による流体力によって、磁気ディスク
104との間隔を略一定に保って磁気ディスク104上
に浮上している。スライダ101に設けられた磁気ヘッ
ド102,103は磁気ディスク104上に磁気的に記
録された情報を検出する機能と、磁気ディスク104上
に情報を磁気的に記録する機能を有している。この装置
の外部から、装置に情報の記録もしくは再生の命令が入
力されると、システムコントローラ106は、図3には
記載されていない粗動アクチュエータにより、アーム1
07に固定されたスライダ101を磁気ディスク104
の半径方向に移動させる。この事により、スライダ10
1に固定された磁気ヘッド102もしくは103 を、磁気
ディスク104上の、情報を記録もしくは再生すべき所
定の位置近傍に移動させる。このスライダ101はSi
単結晶の異方性エッチングを利用して作られている。シ
ステムコントローラ106は、磁気ヘッド102もしく
は103により磁気ディスク104上に記録された情報
から、情報を記録再生すべき所定の位置と実際の磁気ヘ
ッド102もしくは103の位置のずれを検出する。こ
のずれを示す信号をトラックエラー信号と呼ぶ。スライ
ダ101はアーム107に固定された固定部119と、
これから平行板ばね120,121で弾性的に支持され
た可動部118から構成されている。システムコントロ
ーラ106はトラックエラー信号に基づいて、後述する
動作原理によって固定部119に対して可動部118を
磁気ディスク104の半径方向に移動させる。これによ
り磁気ヘッド102もしくは103を、情報を記録再生
すべき所定の位置に位置決めし、情報の記録再生を行
う。
【0039】交流電源124は、電線108に接続され
た薄膜電極111に対して、コイル122,電線10
9,薄膜電極112,電線114を介して、薄膜電極1
16に交流電圧を印加している。これにより、薄膜電極
111と薄膜電極116に電荷が貯えられ、両者の間に
引力が作用する。同様に、交流電源125は、電線108
に接続された薄膜電極111に対して、コイル123,
電線110,薄膜電極113,電線115を介して、薄
膜電極117に交流電圧を印加している。これにより、
薄膜電極111と薄膜電極117に電荷が貯えられ、両
者の間に引力が作用する。薄膜電極111,112,1
13,116,117,電線114,115はいずれも
Alの薄膜をフォトリソでパターニングし、エッチング
加工で形成したものである。Si製のスライダ101の
上にSiO2 の膜を成膜し、この上にAlの薄膜を成膜
している。交流電源124から印加される交流電圧の周
波数は、図1,図2を用いて説明した実施の形態の例の
場合と同じ様に、薄膜電極111,116から構成され
るコンデンサと、電線108,コイル122,電線10
9,薄膜電極112,電線114を接続して構成された
電気回路の共振周波数と一致させてある。また、交流電
源125から印加される交流電圧の周波数も、薄膜電極
111,117から構成されるコンデンサと、電線10
8,コイル123,電線110,薄膜電極113,電線
115を接続して構成された電気回路の共振周波数と一
致させてある。このため、図1,図2を用いて説明した
実施の形態の例の場合と同じ様に、低い電圧で大きな力
を発生させる事が可能である。この事は、平行板ばね1
20,121のばね定数を考えると、大きな変位を得る
事が可能という意味であり、可動部118の質量を考え
ると、大きな加速度を得る事が可能という意味である。
【0040】磁気ヘッド102もしくは103が情報の
記録再生を行うべき所定の場所から磁気ディスク104
の中心よりにずれていた場合、システムコントローラ1
06は、交流電源124の電圧振幅を大きくし、交流電
源125の電圧振幅を小さくする。すると、薄膜電極1
11と薄膜電極117の間に作用する引力が小さくな
り、薄膜電極111と薄膜電極116の間に作用する引
力が大きくなる。このことにより、可動部118は磁気
ディスク104の周辺部方向(中心と反対の向き)に移動
し、磁気ヘッド102もしくは103も同じ方向に移動
する。磁気ヘッド102もしくは103が情報の記録再
生を行うべき所定の場所から磁気ディスク104の周辺
部より(中心と反対向き)にずれていた場合、システム
コントローラ106は、交流電源125の電圧振幅を大
きくし、交流電源124の電圧振幅を小さくする。する
と、薄膜電極111と薄膜電極117の間に作用する引
力が大きくなり、薄膜電極111と薄膜電極116の間
に作用する引力が小さくなる。このことにより、可動部
118は磁気ディスク104の中心方向に移動し、磁気
ヘッド102もしくは103も同じ方向に移動する。こ
れらの動作により、磁気ヘッド102もしくは103は
情報の記録再生を行うべき所定の場所に位置決めされ
る。ここでもフィードバック制御を行っており、交流電
源124,125の周波数についても、図1,図2を用
いて説明した実施の形態の例と同じ様な注意が必要であ
る。磁気ヘッド102もしくは103は情報の記録再生
を行うべき所定の場所で、情報の記録再生を行う。シス
テムコントローラ106により、交流電源124,12
5の電圧振幅を変化させる他に、周波数を共振周波数か
らずらしても良い。
【0041】この例では、固定部119と、可動部11
8,両者を弾性的に支持する120,121,固定部1
19と可動部118の間に力を作用させる薄膜電極11
1,116,117で磁気ヘッド102,103を移動
させるアクチュエータを構成している。この例のように
アクチュエータを小さくする事により、共振周波数を高
くする事ができる。この事によりサーボの帯域を広くす
る事が可能となり、結果として、外乱の影響の抑圧能力
を高くしたり、高周波の外乱の影響を抑圧する事ができ
る。一般に磁気ディスク装置では、磁気ディスクに同心
状もしくは渦巻状に記録マークを列状に並べて情報を記
録している。この記録マークの列をトラックと呼び、隣
のトラックまでの間隔をトラックピッチと呼ぶ。一般に
磁気ディスク装置ではトラックピッチを狭くする事によ
り、記録密度を大きくする事が可能である。トラックピ
ッチを狭くした場合、トラックからの磁気ヘッドの位置
ずれを小さくする必要がある(最悪の場合でも、位置ず
れはトラックピッチよりも小さい必要がある)。外乱の
抑圧能力を高くする事により位置ずれを小さくできるの
で、本実施の形態の例のようにアクチュエータを小さく
する事により、磁気ディスク装置の記録密度を高くする
事が可能である。
【0042】本実施例では、光ポインタと磁気ディスク
装置のトラッキング機構の例について説明したが、光デ
ィスク装置の他、種々のアクチュエータの駆動に本方式
を用いる事ができる。
【0043】本実施例は、磁気ディスク装置に関するも
のであるが、この他、光ディスク装置,光磁気記憶装
置,相変化型光ディスク装置、など回転型のディスク面
に情報を記憶するすべての装置に適応が可能である。
【0044】
【発明の効果】本発明により、低い電圧でも大きな力が
得られる小型のアクチュエータが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクチュエータの駆動方式の説明図。
【図2】フィードバックループの一巡伝達関数の説明
図。
【図3】磁気ディスク装置のトラッキング機構の説明
図。
【符号の説明】
1…Si基板、2…半導体レーザ、3…光導波路、4,
5,6,7…薄膜電極、8,9,10…梁、11…可動
部、12…固定部、13…位置検出素子、14…レン
ズ、15…ビームスプリッタ、16…レンズ、17…作
動アンプ、18…コントローラ、19…端面、20,2
1…交流電源、22,23…コイル、24,25…端
子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三枝 省三 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 浜口 哲也 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 遠山 聡一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 吉田 忍 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定部と、前記固定部に対して相対的に位
    置,姿勢または角度の変位が可能となっている可動部
    と、前記固定部に取り付けられた固定電気素子と、前記
    可動部に取り付けられた可動電気素子とを有し、電源か
    ら前記固定電気素子と前記可動電気素子に電圧を印加
    し、この時に前記固定電気素子と前記可動電気素子の間
    に作用する電磁気的な力によって、可動部を変位させる
    アクチュエータの駆動方式において、 前記電源と前記アクチュエータを接続した電気回路中
    に、インピーダンス変換用の電気素子を挿入し、さらに
    電源から交流の電圧を印加すると共に、前記交流電圧の
    周波数が、前記アクチュエータと前記電気素子を組み合
    わせた系の電気的共振周波数に略一致している事を特徴
    とするアクチュエータの駆動方式。
JP10683996A 1996-04-26 1996-04-26 アクチュエータの駆動方式 Pending JPH09294383A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6178069B1 (en) * 1997-05-23 2001-01-23 Nec Corporation Microactuator and method of manufacturing the same
US7863799B1 (en) * 2007-03-02 2011-01-04 AG Microsystems Inc. Micro electro mechanical system using comb and parallel plate actuation

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US6178069B1 (en) * 1997-05-23 2001-01-23 Nec Corporation Microactuator and method of manufacturing the same
US7863799B1 (en) * 2007-03-02 2011-01-04 AG Microsystems Inc. Micro electro mechanical system using comb and parallel plate actuation

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