JPH09294027A - トランス結合増幅装置 - Google Patents
トランス結合増幅装置Info
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- JPH09294027A JPH09294027A JP8106610A JP10661096A JPH09294027A JP H09294027 A JPH09294027 A JP H09294027A JP 8106610 A JP8106610 A JP 8106610A JP 10661096 A JP10661096 A JP 10661096A JP H09294027 A JPH09294027 A JP H09294027A
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- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03F—AMPLIFIERS
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- H03F3/20—Power amplifiers, e.g. Class B amplifiers, Class C amplifiers
- H03F3/22—Power amplifiers, e.g. Class B amplifiers, Class C amplifiers with tubes only
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- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03F—AMPLIFIERS
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- H03F1/56—Modifications of input or output impedances, not otherwise provided for
- H03F1/565—Modifications of input or output impedances, not otherwise provided for using inductive elements
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- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03F—AMPLIFIERS
- H03F3/00—Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
- H03F3/26—Push-pull amplifiers; Phase-splitters therefor
- H03F3/28—Push-pull amplifiers; Phase-splitters therefor with tubes only
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- Power Engineering (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ドライブトランスの磁気回路コアの直流磁化状
態をコントロールすることにより、周波数応答などの特
性を改善する。 【解決手段】磁気回路コアMCに一次巻線W1、二次巻
線W2および三次巻線W3を施したドライブトランス2
0と;直流電流i10が重畳された交流ドライブ信号を
トランス20の一次巻線W1に流すドライブ信号源10
と;トランス20の一次巻線W1に流された交流ドライ
ブ信号に対応した交流信号をトランス20の二次巻線W
2から取り出し、この二次巻線交流信号を増幅する出力
管30と;トランス20のコアMCの直流磁化程度が変
わるように、トランス20の三次巻線W3へ所定の磁化
制御電流i30を提供する直流磁化量制御電源50とを
備える。直流電流i10によるトランス20のコアMC
の直流磁化状態を磁化制御電流i30により適宜変更す
る。
態をコントロールすることにより、周波数応答などの特
性を改善する。 【解決手段】磁気回路コアMCに一次巻線W1、二次巻
線W2および三次巻線W3を施したドライブトランス2
0と;直流電流i10が重畳された交流ドライブ信号を
トランス20の一次巻線W1に流すドライブ信号源10
と;トランス20の一次巻線W1に流された交流ドライ
ブ信号に対応した交流信号をトランス20の二次巻線W
2から取り出し、この二次巻線交流信号を増幅する出力
管30と;トランス20のコアMCの直流磁化程度が変
わるように、トランス20の三次巻線W3へ所定の磁化
制御電流i30を提供する直流磁化量制御電源50とを
備える。直流電流i10によるトランス20のコアMC
の直流磁化状態を磁化制御電流i30により適宜変更す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、信号経路の一部
に交流信号伝送用トランスを用いたトランス結合増幅装
置の改良に関する。
に交流信号伝送用トランスを用いたトランス結合増幅装
置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】シングルエンドのドライブ信号源を用
い、信号伝送用トランスを介して出力段をドライブする
場合、いくつかの方法がある。
い、信号伝送用トランスを介して出力段をドライブする
場合、いくつかの方法がある。
【0003】第1の方法としては、結合トランス(信号
伝送用トランス)の一次側に直流電流を流さずにこれを
前段増幅素子(真空管など)で間接的に交流ドライブ
し、結合トランスの二次側から出力増幅素子(真空管な
ど)励振用の交流信号(交流電圧または交流電流)を取
り出すトランスドライブ回路(クラーフ方式として知ら
れている)がある。
伝送用トランス)の一次側に直流電流を流さずにこれを
前段増幅素子(真空管など)で間接的に交流ドライブ
し、結合トランスの二次側から出力増幅素子(真空管な
ど)励振用の交流信号(交流電圧または交流電流)を取
り出すトランスドライブ回路(クラーフ方式として知ら
れている)がある。
【0004】第2の方法としては、結合トランスの一次
側に直流電流を流しながらこれを前段増幅素子(真空管
など)で直接ドライブし、結合トランスの二次側から出
力増幅素子(真空管など)励振用の交流信号(交流電圧
または交流電流)を取り出すトランスドライブ回路(仮
に直接ドライブ方式と呼ぶ)がある。
側に直流電流を流しながらこれを前段増幅素子(真空管
など)で直接ドライブし、結合トランスの二次側から出
力増幅素子(真空管など)励振用の交流信号(交流電圧
または交流電流)を取り出すトランスドライブ回路(仮
に直接ドライブ方式と呼ぶ)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】クラーフ方式では、結
合トランスの一次巻線に前段真空管のプレート電流が流
れないように、結合キャパシタを介して前段真空管のプ
レート回路を結合トランスの一次巻線に交流的に接続し
ている。このようにすると、前段真空管のプレート電流
により結合トランスが直流磁化されることはないので、
結合トランスの磁気回路(方向性珪素鋼鈑あるいはパー
マロイなどの高透磁率磁性材料で構成される)に直流磁
気飽和を防ぐためのギャップを設ける必要がなくなる。
合トランスの一次巻線に前段真空管のプレート電流が流
れないように、結合キャパシタを介して前段真空管のプ
レート回路を結合トランスの一次巻線に交流的に接続し
ている。このようにすると、前段真空管のプレート電流
により結合トランスが直流磁化されることはないので、
結合トランスの磁気回路(方向性珪素鋼鈑あるいはパー
マロイなどの高透磁率磁性材料で構成される)に直流磁
気飽和を防ぐためのギャップを設ける必要がなくなる。
【0006】ギャップなしの磁気回路を高透磁率磁性材
料で作ると、磁気回路の磁気抵抗が極めて小さくなるの
で、小型の磁気回路および少ない一次巻線ターン数でも
大きな一次インダクタンスが得られる。すると、比較的
大きな一次インダクタンスを得ながらも、サイズの小さ
な磁気回路および巻線構成によって、伝送帯域幅の広い
ワイドレンジトランスを作ることができる(巻線構成が
大型化すると、高域の周波数応答特性が劣化しやす
い)。
料で作ると、磁気回路の磁気抵抗が極めて小さくなるの
で、小型の磁気回路および少ない一次巻線ターン数でも
大きな一次インダクタンスが得られる。すると、比較的
大きな一次インダクタンスを得ながらも、サイズの小さ
な磁気回路および巻線構成によって、伝送帯域幅の広い
ワイドレンジトランスを作ることができる(巻線構成が
大型化すると、高域の周波数応答特性が劣化しやす
い)。
【0007】クラーフ方式は以上のメリットを持つが、
その反面、前段ドライブ回路と結合トランス一次巻線と
の間に直流カット用の結合キャパシタが不可欠なため
に、以下のような問題が伴う。
その反面、前段ドライブ回路と結合トランス一次巻線と
の間に直流カット用の結合キャパシタが不可欠なため
に、以下のような問題が伴う。
【0008】まず、結合キャパシタとトランス一次巻線
インダクタンスとで直列共振回路が形成され、低域側に
ピークが生じるという問題がある。この低域ピーク(周
波数応答)は、回路設計により見かけ上つぶすことはで
きるが、低域ピークの原因となる直列共振回路自体が消
滅するわけではなく、その共振周波数(低域ピーク点)
付近の過度応答が劣化しやすい(この過度応答の聴感上
の影響は、使用するスピーカシステムの特性により変わ
る)。
インダクタンスとで直列共振回路が形成され、低域側に
ピークが生じるという問題がある。この低域ピーク(周
波数応答)は、回路設計により見かけ上つぶすことはで
きるが、低域ピークの原因となる直列共振回路自体が消
滅するわけではなく、その共振周波数(低域ピーク点)
付近の過度応答が劣化しやすい(この過度応答の聴感上
の影響は、使用するスピーカシステムの特性により変わ
る)。
【0009】また、結合トランスの一次側が、低域でイ
ンピーダンスが大きくなる結合キャパシタを介してドラ
イブされるため、低域のエネルギが十分に結合トランス
に伝わらず、聴感上、低域〜中低域の力感(低域ピーク
による量感のことではない)が得にくい傾向となる。
ンピーダンスが大きくなる結合キャパシタを介してドラ
イブされるため、低域のエネルギが十分に結合トランス
に伝わらず、聴感上、低域〜中低域の力感(低域ピーク
による量感のことではない)が得にくい傾向となる。
【0010】一方、前記直接ドライブ方式では、低域で
インピーダンスが大きくなる結合キャパシタを介さずに
結合トランスを直接ドライブするため、低域までエネル
ギが十分に結合トランスに伝り、聴感上、力強い低域〜
中低域が得られる。
インピーダンスが大きくなる結合キャパシタを介さずに
結合トランスを直接ドライブするため、低域までエネル
ギが十分に結合トランスに伝り、聴感上、力強い低域〜
中低域が得られる。
【0011】しかし、直接ドライブ方式では結合トラン
スの一次巻線に前段真空管のプレート電流が流れるの
で、結合トランスの磁気回路に直流磁気飽和を防ぐため
のギャップを設ける必要が出てくる。
スの一次巻線に前段真空管のプレート電流が流れるの
で、結合トランスの磁気回路に直流磁気飽和を防ぐため
のギャップを設ける必要が出てくる。
【0012】磁気回路にギャップを設けると磁気回路の
磁気抵抗が大きくなるので、大型の磁気回路を採用して
も一次インダクタンスを確保しにくくなる。一次インダ
クタンスが小さいままだと結合トランスを含む増幅器の
低域周波数応答が劣化するので、ある程度以上の一次イ
ンダクタンスは必要である。(トランスの低域周波数応
答は一次インダクタンスのみならず駆動源のインピーダ
ンスによっても変わる。ここでは駆動源インピーダンス
は一定で考える。)そうすると、一次インダクタンスを
稼ぐために結合トランスの一次巻線のターン数が増え、
結合トランスの高域周波数応答が劣化しやすくなる。
磁気抵抗が大きくなるので、大型の磁気回路を採用して
も一次インダクタンスを確保しにくくなる。一次インダ
クタンスが小さいままだと結合トランスを含む増幅器の
低域周波数応答が劣化するので、ある程度以上の一次イ
ンダクタンスは必要である。(トランスの低域周波数応
答は一次インダクタンスのみならず駆動源のインピーダ
ンスによっても変わる。ここでは駆動源インピーダンス
は一定で考える。)そうすると、一次インダクタンスを
稼ぐために結合トランスの一次巻線のターン数が増え、
結合トランスの高域周波数応答が劣化しやすくなる。
【0013】直接ドライブ方式で結合トランスの一次巻
線のターン数をあまり増やさずにある程度以上の一次イ
ンダクタンスを得ようとすると、ギャップによる磁気抵
抗低下分をある程度キャンセルできるような大きな断面
積の磁気回路が必要となり、結合トランスのサイズがか
なり大型化してしまう。
線のターン数をあまり増やさずにある程度以上の一次イ
ンダクタンスを得ようとすると、ギャップによる磁気抵
抗低下分をある程度キャンセルできるような大きな断面
積の磁気回路が必要となり、結合トランスのサイズがか
なり大型化してしまう。
【0014】すなわち、直接ドライブ方式でクラーフ方
式並の広帯域周波数応答特性を得ようとすると、高域特
性確保のために高度な巻線技術が要求されるのみなら
ず、結合トランス自体のサイズがかなり大型化し重量も
相当に増えてしまう。
式並の広帯域周波数応答特性を得ようとすると、高域特
性確保のために高度な巻線技術が要求されるのみなら
ず、結合トランス自体のサイズがかなり大型化し重量も
相当に増えてしまう。
【0015】この発明の目的は、トランス結合増幅装置
における結合トランス(ドライブトランス)の磁気回路
コアの直流磁化状態をコントロールすることにより、磁
気回路コアを大型化せずとも周波数応答などの増幅器特
性を改善できるトランス結合増幅装置を提供することで
ある。
における結合トランス(ドライブトランス)の磁気回路
コアの直流磁化状態をコントロールすることにより、磁
気回路コアを大型化せずとも周波数応答などの増幅器特
性を改善できるトランス結合増幅装置を提供することで
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明に係るトランス結合増幅装置(図1、図
2、図11参照)は、磁気回路コア(MC)に一次巻線
(W1)、二次巻線(W2)、および三次巻線(W3)
を施したドライブトランス(20)と;ドライブ段直流
電流(i10)が重畳された交流ドライブ信号を前記ド
ライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流すドラ
イブ信号源(10)と;前記ドライブトランス(20)
の一次巻線(W1)に流された交流ドライブ信号に対応
した交流信号を前記ドライブトランス(20)の二次巻
線(W2)から取り出し、この二次巻線交流信号を増幅
する出力手段(30)と;前記ドライブトランス(2
0)の磁気回路コア(MC)の直流磁化の程度が変わる
ように、前記ドライブトランス(20)の三次巻線(W
3)へ所定の磁化制御電流(i30)を提供する直流磁
化量制御手段(50)とを備えている。
に、第1の発明に係るトランス結合増幅装置(図1、図
2、図11参照)は、磁気回路コア(MC)に一次巻線
(W1)、二次巻線(W2)、および三次巻線(W3)
を施したドライブトランス(20)と;ドライブ段直流
電流(i10)が重畳された交流ドライブ信号を前記ド
ライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流すドラ
イブ信号源(10)と;前記ドライブトランス(20)
の一次巻線(W1)に流された交流ドライブ信号に対応
した交流信号を前記ドライブトランス(20)の二次巻
線(W2)から取り出し、この二次巻線交流信号を増幅
する出力手段(30)と;前記ドライブトランス(2
0)の磁気回路コア(MC)の直流磁化の程度が変わる
ように、前記ドライブトランス(20)の三次巻線(W
3)へ所定の磁化制御電流(i30)を提供する直流磁
化量制御手段(50)とを備えている。
【0017】この増幅装置において、所定の状態(コア
MCの直流磁化キャンセル状態、あるいは所定の周波数
特性・歪み特性が得られる状態)が得られるように、前
記ドライブ段直流電流(i10)による前記ドライブト
ランス(20)の磁気回路コア(MC)の直流磁化状態
が、前記磁化制御電流(i30)により変更できるよう
に構成される。
MCの直流磁化キャンセル状態、あるいは所定の周波数
特性・歪み特性が得られる状態)が得られるように、前
記ドライブ段直流電流(i10)による前記ドライブト
ランス(20)の磁気回路コア(MC)の直流磁化状態
が、前記磁化制御電流(i30)により変更できるよう
に構成される。
【0018】また、上記目的を達成するために、第2の
発明に係るトランス結合増幅装置(図1、図2、図1
1、図3〜図7参照)は、磁気回路コア(MC)に一次
巻線(W1)、二次巻線(W2)、および三次巻線(W
3)を施したドライブトランス(20)と;ドライブ段
直流電流(i10)が重畳された交流ドライブ信号を前
記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流す
ドライブ信号源(10)と;前記ドライブトランス(2
0)の一次巻線(W1)に流された交流ドライブ信号に
対応した交流信号を前記ドライブトランス(20)の二
次巻線(W2)から取り出し、この二次巻線交流信号を
増幅する出力手段(30)と;前記ドライブトランス
(20)の磁気回路コア(MC)の直流磁化の程度が変
わるように前記ドライブトランス(20)の三次巻線
(W3)へ所定の磁化制御電流(i30)を提供するも
のであって、所定の内部インピーダンス(VR50Aま
たはVR50B)を持つ直流磁化量制御手段(50;5
0A/50B)とを備えている。
発明に係るトランス結合増幅装置(図1、図2、図1
1、図3〜図7参照)は、磁気回路コア(MC)に一次
巻線(W1)、二次巻線(W2)、および三次巻線(W
3)を施したドライブトランス(20)と;ドライブ段
直流電流(i10)が重畳された交流ドライブ信号を前
記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流す
ドライブ信号源(10)と;前記ドライブトランス(2
0)の一次巻線(W1)に流された交流ドライブ信号に
対応した交流信号を前記ドライブトランス(20)の二
次巻線(W2)から取り出し、この二次巻線交流信号を
増幅する出力手段(30)と;前記ドライブトランス
(20)の磁気回路コア(MC)の直流磁化の程度が変
わるように前記ドライブトランス(20)の三次巻線
(W3)へ所定の磁化制御電流(i30)を提供するも
のであって、所定の内部インピーダンス(VR50Aま
たはVR50B)を持つ直流磁化量制御手段(50;5
0A/50B)とを備えている。
【0019】この増幅装置において、前記ドライブトラ
ンス(20)の磁気回路コア(MC)の直流磁化の程度
が減少される状態(直流磁化キャンセル状態)となるよ
うに、前記ドライブトランス(20)の三次巻線(W
3)へ前記磁化制御電流(i30)が流されるととも
に、前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)
から二次巻線(W2)までの周波数応答特性を含む増幅
器特性(全体としての周波数特性・歪み特性)が所定の
特性(図3〜図7参照;電源インピーダンスの大きな定
電流源からi30を取り出すと磁化打消のない場合より
低域周波数特性が伸びる;電源インピーダンスの比較的
小さな定電圧源からi30を取り出すと全体のレベルは
下がるがフラットな周波数応答レンジが広くなる、つま
り周波数特性改善効果が負帰還・NFBに依らずに得ら
れる)となるように、前記ドライブトランス(20)の
三次巻線(W3)へ流れる前記磁化制御電流(i30)
の大きさおよび前記直流磁化量制御手段(50;50A
/50B)の内部インピーダンス(VR50AまたはV
R50B)が選択される。
ンス(20)の磁気回路コア(MC)の直流磁化の程度
が減少される状態(直流磁化キャンセル状態)となるよ
うに、前記ドライブトランス(20)の三次巻線(W
3)へ前記磁化制御電流(i30)が流されるととも
に、前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)
から二次巻線(W2)までの周波数応答特性を含む増幅
器特性(全体としての周波数特性・歪み特性)が所定の
特性(図3〜図7参照;電源インピーダンスの大きな定
電流源からi30を取り出すと磁化打消のない場合より
低域周波数特性が伸びる;電源インピーダンスの比較的
小さな定電圧源からi30を取り出すと全体のレベルは
下がるがフラットな周波数応答レンジが広くなる、つま
り周波数特性改善効果が負帰還・NFBに依らずに得ら
れる)となるように、前記ドライブトランス(20)の
三次巻線(W3)へ流れる前記磁化制御電流(i30)
の大きさおよび前記直流磁化量制御手段(50;50A
/50B)の内部インピーダンス(VR50AまたはV
R50B)が選択される。
【0020】また、上記目的を達成するために、第3の
発明に係るトランス結合増幅装置(図9、図10のPP
回路および図12、図13のSEPP回路参照)は、磁
気回路コア(MC)に一次巻線(W1)、第1二次巻線
(W2A)、第2二次巻線(W2B)、および三次巻線
(W3)を施したドライブトランス(20)と;ドライ
ブ段直流電流(i10)が重畳された交流ドライブ信号
を前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)に
流すドライブ信号源(10)と;前記ドライブトランス
(20)の一次巻線(W1)に流された交流ドライブ信
号に対応した第1交流信号を前記ドライブトランス(2
0)の第1二次巻線(W2A)から取り出し、この第1
交流信号を増幅する第1出力手段(30A)と;前記ド
ライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流された
交流ドライブ信号に対応するものであって前記第1交流
信号に対して逆位相の第2交流信号を前記ドライブトラ
ンス(20)の第2二次巻線(W2B)から取り出し、
この第2交流信号を増幅する第2出力手段(30B)
と;前記第1交流信号を増幅した前記第1出力手段(3
0A)の第1出力(IpA)および前記第2交流信号を
増幅した前記第2出力手段(30B)の第2出力(Ip
B)を合成して出力する出力合成手段(図9、図10の
PP出力トランス40;図12、図13のSEPP回
路)と;前記ドライブトランス(20)の磁気回路コア
(MC)の直流磁化の程度が変わるように、前記ドライ
ブトランス(20)の三次巻線(W3)へ所定の磁化制
御電流(i30)を提供する直流磁化量制御手段(5
0)とを備えている。
発明に係るトランス結合増幅装置(図9、図10のPP
回路および図12、図13のSEPP回路参照)は、磁
気回路コア(MC)に一次巻線(W1)、第1二次巻線
(W2A)、第2二次巻線(W2B)、および三次巻線
(W3)を施したドライブトランス(20)と;ドライ
ブ段直流電流(i10)が重畳された交流ドライブ信号
を前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)に
流すドライブ信号源(10)と;前記ドライブトランス
(20)の一次巻線(W1)に流された交流ドライブ信
号に対応した第1交流信号を前記ドライブトランス(2
0)の第1二次巻線(W2A)から取り出し、この第1
交流信号を増幅する第1出力手段(30A)と;前記ド
ライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流された
交流ドライブ信号に対応するものであって前記第1交流
信号に対して逆位相の第2交流信号を前記ドライブトラ
ンス(20)の第2二次巻線(W2B)から取り出し、
この第2交流信号を増幅する第2出力手段(30B)
と;前記第1交流信号を増幅した前記第1出力手段(3
0A)の第1出力(IpA)および前記第2交流信号を
増幅した前記第2出力手段(30B)の第2出力(Ip
B)を合成して出力する出力合成手段(図9、図10の
PP出力トランス40;図12、図13のSEPP回
路)と;前記ドライブトランス(20)の磁気回路コア
(MC)の直流磁化の程度が変わるように、前記ドライ
ブトランス(20)の三次巻線(W3)へ所定の磁化制
御電流(i30)を提供する直流磁化量制御手段(5
0)とを備えている。
【0021】この増幅装置において、所定の状態(コア
MCの直流磁化キャンセル状態、あるいは所定の周波数
特性・歪み特性が得られる状態)が得られるように、前
記ドライブ段直流電流(i10)による前記ドライブト
ランス(20)の磁気回路コア(MC)の直流磁化状態
は前記磁化制御電流(i30)により変更できるように
構成される。
MCの直流磁化キャンセル状態、あるいは所定の周波数
特性・歪み特性が得られる状態)が得られるように、前
記ドライブ段直流電流(i10)による前記ドライブト
ランス(20)の磁気回路コア(MC)の直流磁化状態
は前記磁化制御電流(i30)により変更できるように
構成される。
【0022】また、上記目的を達成するために、第4の
発明に係るトランス結合増幅装置(図9、図10のPP
回路および図12、図13のSEPP回路;図3〜図7
参照)は、磁気回路コア(MC)に一次巻線(W1)、
第1二次巻線(W2A)、第2二次巻線(W2B)、お
よび三次巻線(W3)を施したドライブトランス(2
0)と;ドライブ段直流電流(i10)が重畳された交
流ドライブ信号を前記ドライブトランス(20)の一次
巻線(W1)に流すドライブ信号源(10)と;前記ド
ライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流された
交流ドライブ信号に対応した第1交流信号を前記ドライ
ブトランス(20)の第1二次巻線(W2A)から取り
出し、この第1交流信号を増幅する第1出力手段(30
A)と;前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W
1)に流された交流ドライブ信号に対応するものであっ
て前記第1交流信号に対して逆位相の第2交流信号を前
記ドライブトランス(20)の第2二次巻線(W2B)
から取り出し、この第2交流信号を増幅する第2出力手
段(30B)と;前記第1交流信号を増幅した前記第1
出力手段(30A)の第1出力(IpA)および前記第
2交流信号を増幅した前記第2出力手段(30B)の第
2出力(IpB)を合成して出力する出力合成手段(図
9、図10のPP出力トランス40;図12、図13の
SEPP回路)と;前記ドライブトランス(20)の磁
気回路コア(MC)の直流磁化の程度が変わるように、
前記ドライブトランス(20)の三次巻線(W3)へ所
定の磁化制御電流(i30)を提供する直流磁化量制御
手段(50)とを備えている。
発明に係るトランス結合増幅装置(図9、図10のPP
回路および図12、図13のSEPP回路;図3〜図7
参照)は、磁気回路コア(MC)に一次巻線(W1)、
第1二次巻線(W2A)、第2二次巻線(W2B)、お
よび三次巻線(W3)を施したドライブトランス(2
0)と;ドライブ段直流電流(i10)が重畳された交
流ドライブ信号を前記ドライブトランス(20)の一次
巻線(W1)に流すドライブ信号源(10)と;前記ド
ライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流された
交流ドライブ信号に対応した第1交流信号を前記ドライ
ブトランス(20)の第1二次巻線(W2A)から取り
出し、この第1交流信号を増幅する第1出力手段(30
A)と;前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W
1)に流された交流ドライブ信号に対応するものであっ
て前記第1交流信号に対して逆位相の第2交流信号を前
記ドライブトランス(20)の第2二次巻線(W2B)
から取り出し、この第2交流信号を増幅する第2出力手
段(30B)と;前記第1交流信号を増幅した前記第1
出力手段(30A)の第1出力(IpA)および前記第
2交流信号を増幅した前記第2出力手段(30B)の第
2出力(IpB)を合成して出力する出力合成手段(図
9、図10のPP出力トランス40;図12、図13の
SEPP回路)と;前記ドライブトランス(20)の磁
気回路コア(MC)の直流磁化の程度が変わるように、
前記ドライブトランス(20)の三次巻線(W3)へ所
定の磁化制御電流(i30)を提供する直流磁化量制御
手段(50)とを備えている。
【0023】この増幅装置において、前記ドライブトラ
ンス(20)の磁気回路コア(MC)の直流磁化の程度
が減少される状態(直流磁化キャンセル状態)となるよ
うに、前記ドライブトランス(20)の三次巻線(W
3)へ前記磁化制御電流(i30)が流されるととも
に、前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)
から二次巻線(W2)までの周波数応答特性を含む増幅
器特性(全体としての周波数特性・歪み特性)が所定の
特性(図3〜図7参照;電源インピーダンスの大きな定
電流源からi30を取り出すと磁化打消のない場合より
低域f特が伸びる;電源インピーダンスの比較的小さな
定電圧源からi30を取り出すと全体のレベルは下がる
が応答フラットなfレンジが広くなる)となるように、
前記ドライブトランス(20)の三次巻線(W3)へ流
れる前記磁化制御電流(i30)の大きさおよび前記直
流磁化量制御手段(50;50A/50B)の内部イン
ピーダンス(VR50AまたはVR50B)が選択され
る。
ンス(20)の磁気回路コア(MC)の直流磁化の程度
が減少される状態(直流磁化キャンセル状態)となるよ
うに、前記ドライブトランス(20)の三次巻線(W
3)へ前記磁化制御電流(i30)が流されるととも
に、前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)
から二次巻線(W2)までの周波数応答特性を含む増幅
器特性(全体としての周波数特性・歪み特性)が所定の
特性(図3〜図7参照;電源インピーダンスの大きな定
電流源からi30を取り出すと磁化打消のない場合より
低域f特が伸びる;電源インピーダンスの比較的小さな
定電圧源からi30を取り出すと全体のレベルは下がる
が応答フラットなfレンジが広くなる)となるように、
前記ドライブトランス(20)の三次巻線(W3)へ流
れる前記磁化制御電流(i30)の大きさおよび前記直
流磁化量制御手段(50;50A/50B)の内部イン
ピーダンス(VR50AまたはVR50B)が選択され
る。
【0024】また、上記目的を達成するために、第5の
発明に係るトランス結合増幅装置(図1、図8)は、磁
気回路コア(MC)に一次巻線(W1)、二次巻線(W
2)、および三次巻線(W3)を施したドライブトラン
ス(20)と;ドライブ段直流電流(i10)が重畳さ
れた交流ドライブ信号を前記ドライブトランス(20)
の一次巻線(W1)に流すドライブ信号源(10)と;
前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流
された交流ドライブ信号に対応した交流信号を前記ドラ
イブトランス(20)の二次巻線(W2)から取り出
し、この二次巻線交流信号を増幅する出力手段(30)
と;前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)
に流された前記ドライブ段直流電流(i10)による前
記磁気回路コア(MC)の直流磁化の程度が軽減される
方向に、前記ドライブトランス(20)の二次巻線(W
2)を介して前記出力手段(30)へ直流バイアス電流
(i20)を供給するバイアス手段(60)と;前記ド
ライブトランス(20)の磁気回路コア(MC)の直流
磁化の程度が変わるように、前記ドライブトランス(2
0)の三次巻線(W3)へ所定の磁化制御電流(i3
0)を提供する直流磁化量制御手段(50)とを備えて
いる。
発明に係るトランス結合増幅装置(図1、図8)は、磁
気回路コア(MC)に一次巻線(W1)、二次巻線(W
2)、および三次巻線(W3)を施したドライブトラン
ス(20)と;ドライブ段直流電流(i10)が重畳さ
れた交流ドライブ信号を前記ドライブトランス(20)
の一次巻線(W1)に流すドライブ信号源(10)と;
前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流
された交流ドライブ信号に対応した交流信号を前記ドラ
イブトランス(20)の二次巻線(W2)から取り出
し、この二次巻線交流信号を増幅する出力手段(30)
と;前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)
に流された前記ドライブ段直流電流(i10)による前
記磁気回路コア(MC)の直流磁化の程度が軽減される
方向に、前記ドライブトランス(20)の二次巻線(W
2)を介して前記出力手段(30)へ直流バイアス電流
(i20)を供給するバイアス手段(60)と;前記ド
ライブトランス(20)の磁気回路コア(MC)の直流
磁化の程度が変わるように、前記ドライブトランス(2
0)の三次巻線(W3)へ所定の磁化制御電流(i3
0)を提供する直流磁化量制御手段(50)とを備えて
いる。
【0025】この増幅装置において、所定の状態(コア
MCの直流磁化キャンセル状態、あるいは所定の周波数
特性・歪み特性が得られる状態)が得られるように、前
記ドライブ段直流電流(i10)および前記直流バイア
ス電流(i20)による前記ドライブトランス(20)
の磁気回路コア(MC)の直流磁化状態は、前記磁化制
御電流(i30)により変更できるように構成される。
MCの直流磁化キャンセル状態、あるいは所定の周波数
特性・歪み特性が得られる状態)が得られるように、前
記ドライブ段直流電流(i10)および前記直流バイア
ス電流(i20)による前記ドライブトランス(20)
の磁気回路コア(MC)の直流磁化状態は、前記磁化制
御電流(i30)により変更できるように構成される。
【0026】具体的には、ドライブ段直流電流(i1
0)による磁気回路コア(MC)の直流磁化を直流バイ
アス電流(出力管30のグリッド電流i20)で低減さ
せてなお残る磁気回路コア(MC)の直流磁化状態が、
磁化制御電流(制御巻線電流i30)で打ち消されある
いは調整できるように構成される。
0)による磁気回路コア(MC)の直流磁化を直流バイ
アス電流(出力管30のグリッド電流i20)で低減さ
せてなお残る磁気回路コア(MC)の直流磁化状態が、
磁化制御電流(制御巻線電流i30)で打ち消されある
いは調整できるように構成される。
【0027】また、上記目的を達成するために、第6の
発明に係るトランス結合増幅装置(図1、図8、図7参
照)は、磁気回路コア(MC)に一次巻線(W1)、二
次巻線(W2)、および三次巻線(W3)を施したドラ
イブトランス(20)と;ドライブ段直流電流(i1
0)が重畳された交流ドライブ信号を前記ドライブトラ
ンス(20)の一次巻線(W1)に流すドライブ信号源
(10)と;前記ドライブトランス(20)の一次巻線
(W1)に流された交流ドライブ信号に対応した交流信
号を前記ドライブトランス(20)の二次巻線(W2)
から取り出し、この二次巻線交流信号を増幅する出力手
段(30)と;前記ドライブトランス(20)の一次巻
線(W1)に流された前記ドライブ段直流電流(i1
0)による前記磁気回路コア(MC)の直流磁化の程度
が軽減される方向に、前記ドライブトランス(20)の
二次巻線(W2)を介して前記出力手段(30)へ直流
バイアス電流(i20)を供給するバイアス手段(6
0)と;前記ドライブトランス(20)の磁気回路コア
(MC)の直流磁化の程度が変わるように、前記ドライ
ブトランス(20)の三次巻線(W3)へ所定の磁化制
御電流(i30)を提供する直流磁化量制御手段(5
0)とを備えている。
発明に係るトランス結合増幅装置(図1、図8、図7参
照)は、磁気回路コア(MC)に一次巻線(W1)、二
次巻線(W2)、および三次巻線(W3)を施したドラ
イブトランス(20)と;ドライブ段直流電流(i1
0)が重畳された交流ドライブ信号を前記ドライブトラ
ンス(20)の一次巻線(W1)に流すドライブ信号源
(10)と;前記ドライブトランス(20)の一次巻線
(W1)に流された交流ドライブ信号に対応した交流信
号を前記ドライブトランス(20)の二次巻線(W2)
から取り出し、この二次巻線交流信号を増幅する出力手
段(30)と;前記ドライブトランス(20)の一次巻
線(W1)に流された前記ドライブ段直流電流(i1
0)による前記磁気回路コア(MC)の直流磁化の程度
が軽減される方向に、前記ドライブトランス(20)の
二次巻線(W2)を介して前記出力手段(30)へ直流
バイアス電流(i20)を供給するバイアス手段(6
0)と;前記ドライブトランス(20)の磁気回路コア
(MC)の直流磁化の程度が変わるように、前記ドライ
ブトランス(20)の三次巻線(W3)へ所定の磁化制
御電流(i30)を提供する直流磁化量制御手段(5
0)とを備えている。
【0028】この増幅装置において、前記ドライブトラ
ンス(20)の一次巻線(W1)から二次巻線(W2)
までの周波数応答特性を含む増幅器特性(全体としての
周波数特性・歪み特性)が所定の特性(図3〜図7参
照;電源インピーダンスの大きな定電流源からi30を
取り出すと磁化打消のない場合より低域f特が伸びる;
電源インピーダンスの比較的小さな定電圧源からi30
を取り出すと全体のレベルは下がるが応答フラットなf
レンジが広くなる)となるように、前記ドライブトラン
ス(20)の三次巻線(W3)へ流れる前記磁化制御電
流(i30)の大きさおよび前記直流磁化量制御手段
(50;50A/50B)の内部インピーダンス(VR
50AまたはVR50B)が選択される。
ンス(20)の一次巻線(W1)から二次巻線(W2)
までの周波数応答特性を含む増幅器特性(全体としての
周波数特性・歪み特性)が所定の特性(図3〜図7参
照;電源インピーダンスの大きな定電流源からi30を
取り出すと磁化打消のない場合より低域f特が伸びる;
電源インピーダンスの比較的小さな定電圧源からi30
を取り出すと全体のレベルは下がるが応答フラットなf
レンジが広くなる)となるように、前記ドライブトラン
ス(20)の三次巻線(W3)へ流れる前記磁化制御電
流(i30)の大きさおよび前記直流磁化量制御手段
(50;50A/50B)の内部インピーダンス(VR
50AまたはVR50B)が選択される。
【0029】また、上記目的を達成するために、第7の
発明に係るトランス結合増幅装置(図10参照)は、磁
気回路コア(MC)に一次巻線(W1)、第1二次巻線
(W2A)、第2二次巻線(W2B)、および三次巻線
(W3)を施したドライブトランス(20)と;ドライ
ブ段直流電流(i10)が重畳された交流ドライブ信号
を前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)に
流すドライブ信号源(10)と;前記ドライブトランス
(20)の一次巻線(W1)に流された交流ドライブ信
号に対応した第1交流信号を前記ドライブトランス(2
0)の第1二次巻線(W2A)から取り出し、この第1
交流信号を増幅する第1出力手段(30A)と;前記ド
ライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流された
交流ドライブ信号に対応するものであって前記第1交流
信号に対して逆位相の第2交流信号を前記ドライブトラ
ンス(20)の第2二次巻線(W2B)から取り出し、
この第2交流信号を増幅する第2出力手段(30B)
と;前記第1交流信号を増幅した前記第1出力手段(3
0A)の第1出力(IpA)および前記第2交流信号を
増幅した前記第2出力手段(30B)の第2出力(Ip
B)を合成して出力する出力合成手段(図10のPP出
力トランス40あるいは図12、図13のSEPP回
路)と;前記ドライブトランス(20)の第1二次巻線
(W2A)を介して前記第1出力手段(30A)へ第1
直流バイアス電流(i20A)を供給するとともに、前
記ドライブトランス(20)の第2二次巻線(W2B)
を介して前記第2出力手段(30B)へ第2直流バイア
ス電流(i20B)を供給するバイアス手段(60)
と;前記ドライブトランス(20)の磁気回路コア(M
C)の直流磁化の程度が変わるように、前記ドライブト
ランス(20)の三次巻線(W3)へ所定の磁化制御電
流(i30)を提供する直流磁化量制御手段(50)と
を備えている。
発明に係るトランス結合増幅装置(図10参照)は、磁
気回路コア(MC)に一次巻線(W1)、第1二次巻線
(W2A)、第2二次巻線(W2B)、および三次巻線
(W3)を施したドライブトランス(20)と;ドライ
ブ段直流電流(i10)が重畳された交流ドライブ信号
を前記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)に
流すドライブ信号源(10)と;前記ドライブトランス
(20)の一次巻線(W1)に流された交流ドライブ信
号に対応した第1交流信号を前記ドライブトランス(2
0)の第1二次巻線(W2A)から取り出し、この第1
交流信号を増幅する第1出力手段(30A)と;前記ド
ライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流された
交流ドライブ信号に対応するものであって前記第1交流
信号に対して逆位相の第2交流信号を前記ドライブトラ
ンス(20)の第2二次巻線(W2B)から取り出し、
この第2交流信号を増幅する第2出力手段(30B)
と;前記第1交流信号を増幅した前記第1出力手段(3
0A)の第1出力(IpA)および前記第2交流信号を
増幅した前記第2出力手段(30B)の第2出力(Ip
B)を合成して出力する出力合成手段(図10のPP出
力トランス40あるいは図12、図13のSEPP回
路)と;前記ドライブトランス(20)の第1二次巻線
(W2A)を介して前記第1出力手段(30A)へ第1
直流バイアス電流(i20A)を供給するとともに、前
記ドライブトランス(20)の第2二次巻線(W2B)
を介して前記第2出力手段(30B)へ第2直流バイア
ス電流(i20B)を供給するバイアス手段(60)
と;前記ドライブトランス(20)の磁気回路コア(M
C)の直流磁化の程度が変わるように、前記ドライブト
ランス(20)の三次巻線(W3)へ所定の磁化制御電
流(i30)を提供する直流磁化量制御手段(50)と
を備えている。
【0030】この増幅装置において、所定の状態(コア
MCの直流磁化キャンセル状態、あるいは所定の周波数
特性・歪み特性が得られる状態)が得られるように、前
記ドライブ段直流電流(i10)による前記ドライブト
ランス(20)の磁気回路コア(MC)の直流磁化状態
が前記磁化制御電流(i30)により変更できるように
構成される。
MCの直流磁化キャンセル状態、あるいは所定の周波数
特性・歪み特性が得られる状態)が得られるように、前
記ドライブ段直流電流(i10)による前記ドライブト
ランス(20)の磁気回路コア(MC)の直流磁化状態
が前記磁化制御電流(i30)により変更できるように
構成される。
【0031】具体的には、第1出力管(30A)のグリ
ッド電流(i20A)による磁気回路コア(MC)の磁
化を第2出力管(30B)のグリッド電流(i20B)
で打ち消してもなお残るところのドライブ段直流電流
(i10)による磁気回路コア(MC)の直流磁化は、
磁化制御電流(制御巻線電流i30)で打ち消される。
また、上記目的を達成するために、第8の発明に係るト
ランス結合増幅装置(図10、図3〜図7)は、磁気回
路コア(MC)に一次巻線(W1)、第1二次巻線(W
2A)、第2二次巻線(W2B)、および三次巻線(W
3)を施したドライブトランス(20)と;ドライブ段
直流電流(i10)が重畳された交流ドライブ信号を前
記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流す
ドライブ信号源(10)と;前記ドライブトランス(2
0)の一次巻線(W1)に流された交流ドライブ信号に
対応した第1交流信号を前記ドライブトランス(20)
の第1二次巻線(W2A)から取り出し、この第1交流
信号を増幅する第1出力手段(30A)と;前記ドライ
ブトランス(20)の一次巻線(W1)に流された交流
ドライブ信号に対応するものであって前記第1交流信号
に対して逆位相の第2交流信号を前記ドライブトランス
(20)の第2二次巻線(W2B)から取り出し、この
第2交流信号を増幅する第2出力手段(30B)と;前
記第1交流信号を増幅した前記第1出力手段(30A)
の第1出力(IpA)および前記第2交流信号を増幅し
た前記第2出力手段(30B)の第2出力(IpB)を
合成して出力する出力合成手段(図9、図10のPP出
力トランス40;図12、図13のSEPP回路)と;
前記ドライブトランス(20)の第1二次巻線(W2
A)を介して前記第1出力手段(30A)へ第1直流バ
イアス電流(i20A)を供給するとともに、前記ドラ
イブトランス(20)の第2二次巻線(W2B)を介し
て前記第2出力手段(30B)へ第2直流バイアス電流
(i20B)を供給するバイアス手段(60)と;前記
ドライブトランス(20)の磁気回路コア(MC)の直
流磁化の程度が変わるように、前記ドライブトランス
(20)の三次巻線(W3)へ所定の磁化制御電流(i
30)を提供する直流磁化量制御手段(50)とを備え
ている。
ッド電流(i20A)による磁気回路コア(MC)の磁
化を第2出力管(30B)のグリッド電流(i20B)
で打ち消してもなお残るところのドライブ段直流電流
(i10)による磁気回路コア(MC)の直流磁化は、
磁化制御電流(制御巻線電流i30)で打ち消される。
また、上記目的を達成するために、第8の発明に係るト
ランス結合増幅装置(図10、図3〜図7)は、磁気回
路コア(MC)に一次巻線(W1)、第1二次巻線(W
2A)、第2二次巻線(W2B)、および三次巻線(W
3)を施したドライブトランス(20)と;ドライブ段
直流電流(i10)が重畳された交流ドライブ信号を前
記ドライブトランス(20)の一次巻線(W1)に流す
ドライブ信号源(10)と;前記ドライブトランス(2
0)の一次巻線(W1)に流された交流ドライブ信号に
対応した第1交流信号を前記ドライブトランス(20)
の第1二次巻線(W2A)から取り出し、この第1交流
信号を増幅する第1出力手段(30A)と;前記ドライ
ブトランス(20)の一次巻線(W1)に流された交流
ドライブ信号に対応するものであって前記第1交流信号
に対して逆位相の第2交流信号を前記ドライブトランス
(20)の第2二次巻線(W2B)から取り出し、この
第2交流信号を増幅する第2出力手段(30B)と;前
記第1交流信号を増幅した前記第1出力手段(30A)
の第1出力(IpA)および前記第2交流信号を増幅し
た前記第2出力手段(30B)の第2出力(IpB)を
合成して出力する出力合成手段(図9、図10のPP出
力トランス40;図12、図13のSEPP回路)と;
前記ドライブトランス(20)の第1二次巻線(W2
A)を介して前記第1出力手段(30A)へ第1直流バ
イアス電流(i20A)を供給するとともに、前記ドラ
イブトランス(20)の第2二次巻線(W2B)を介し
て前記第2出力手段(30B)へ第2直流バイアス電流
(i20B)を供給するバイアス手段(60)と;前記
ドライブトランス(20)の磁気回路コア(MC)の直
流磁化の程度が変わるように、前記ドライブトランス
(20)の三次巻線(W3)へ所定の磁化制御電流(i
30)を提供する直流磁化量制御手段(50)とを備え
ている。
【0032】この増幅装置において、前記ドライブトラ
ンス(20)の一次巻線(W1)から二次巻線(W2)
までの周波数応答特性を含む増幅器特性(全体としての
周波数特性・歪み特性)が所定の特性(図3〜図7参
照;電源インピーダンスの大きな定電流源からi30を
取り出すと磁化打消のない場合より低域f特が伸びる;
電源インピーダンスの比較的小さな定電圧源からi30
を取り出すと全体のレベルは下がるが応答フラットなf
レンジが広くなる)となるように、前記ドライブトラン
ス(20)の三次巻線(W3)へ流れる前記磁化制御電
流(i30)の大きさおよび前記直流磁化量制御手段
(50;50A/50B)の内部インピーダンス(VR
50AまたはVR50B)が選択される。
ンス(20)の一次巻線(W1)から二次巻線(W2)
までの周波数応答特性を含む増幅器特性(全体としての
周波数特性・歪み特性)が所定の特性(図3〜図7参
照;電源インピーダンスの大きな定電流源からi30を
取り出すと磁化打消のない場合より低域f特が伸びる;
電源インピーダンスの比較的小さな定電圧源からi30
を取り出すと全体のレベルは下がるが応答フラットなf
レンジが広くなる)となるように、前記ドライブトラン
ス(20)の三次巻線(W3)へ流れる前記磁化制御電
流(i30)の大きさおよび前記直流磁化量制御手段
(50;50A/50B)の内部インピーダンス(VR
50AまたはVR50B)が選択される。
【0033】具体的には、第1出力管(30A)のグリ
ッド電流(i20A)による磁気回路コア(MC)の磁
化を第2出力管(30B)のグリッド電流(i20B)
で打ち消してもなお残るところのドライブ段直流電流
(i10)による磁気回路コア(MC)の直流磁化が磁
化制御電流(制御巻線電流i30)で打ち消されるとと
もに、磁化制御電流(制御巻線電流i30)の電源イン
ピーダンス(VR50AまたはVR50B)によりドラ
イブトランス(20)を含む増幅器の周波数応答特性が
調整できるように構成される。
ッド電流(i20A)による磁気回路コア(MC)の磁
化を第2出力管(30B)のグリッド電流(i20B)
で打ち消してもなお残るところのドライブ段直流電流
(i10)による磁気回路コア(MC)の直流磁化が磁
化制御電流(制御巻線電流i30)で打ち消されるとと
もに、磁化制御電流(制御巻線電流i30)の電源イン
ピーダンス(VR50AまたはVR50B)によりドラ
イブトランス(20)を含む増幅器の周波数応答特性が
調整できるように構成される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の一実施の形態に係るトランス結合増幅装置を説明す
る。なお、複数の図面に渡り機能上共通する部分には共
通の参照符号が用いられている。
の一実施の形態に係るトランス結合増幅装置を説明す
る。なお、複数の図面に渡り機能上共通する部分には共
通の参照符号が用いられている。
【0035】図1は、この発明の一実施の形態に係るト
ランス結合増幅装置(シングルアンプ)の概要を説明す
る回路図である。
ランス結合増幅装置(シングルアンプ)の概要を説明す
る回路図である。
【0036】直流電流i10(またはi01)が重畳さ
れる交流ドライブ信号を発生するドライブ信号源10の
一端は、ドライブトランス(結合トランス)20の一次
巻線W1のホット側(黒丸マーク)に接続される。信号
源10の他端は、ドライバ電源1(またはドライバ電源
2)を介して、ドライブトランス20のコールド側に接
続される。
れる交流ドライブ信号を発生するドライブ信号源10の
一端は、ドライブトランス(結合トランス)20の一次
巻線W1のホット側(黒丸マーク)に接続される。信号
源10の他端は、ドライバ電源1(またはドライバ電源
2)を介して、ドライブトランス20のコールド側に接
続される。
【0037】出力管30がプラスグリッドバイアス動作
管の場合は、ドライブトランス20の二次巻線W2のホ
ット側(黒丸マーク)は正バイアス源VC+に接続さ
れ、トランス20の二次巻線W2のコールド側は出力管
30のコントロールグリッドgに接続される。この場
合、出力管30のグリッド電流i20は正バイアス源V
C+から実線矢印方向に流れる。これにより、トランス
20の一次巻線電流i10によるトランス20の磁気回
路コアMCの直流磁化の程度は、出力管30のグリッド
電流i20により低減されあるいは打ち消される。
管の場合は、ドライブトランス20の二次巻線W2のホ
ット側(黒丸マーク)は正バイアス源VC+に接続さ
れ、トランス20の二次巻線W2のコールド側は出力管
30のコントロールグリッドgに接続される。この場
合、出力管30のグリッド電流i20は正バイアス源V
C+から実線矢印方向に流れる。これにより、トランス
20の一次巻線電流i10によるトランス20の磁気回
路コアMCの直流磁化の程度は、出力管30のグリッド
電流i20により低減されあるいは打ち消される。
【0038】なお、トランス20の一次側が電源2に接
続され、一次巻線電流i01が破線矢印の方向に流れる
ときは、トランス20の磁気回路コアMCの直流磁化を
低減しあるいは打ち消すために、トランス20の二次側
電流i02が破線矢印の方向に流れるように、トランス
20の二次配線が破線のように変更される。
続され、一次巻線電流i01が破線矢印の方向に流れる
ときは、トランス20の磁気回路コアMCの直流磁化を
低減しあるいは打ち消すために、トランス20の二次側
電流i02が破線矢印の方向に流れるように、トランス
20の二次配線が破線のように変更される。
【0039】出力管30がマイナスグリッドバイアス動
作管の場合は、ドライブトランス20の二次巻線W2の
ホット側(黒丸マーク)は負バイアス源VCーに接続さ
れ、トランス20の二次巻線W2のコールド側は出力管
30のコントロールグリッドgに接続される。この場
合、出力管30が正常ならそのグリッド電流は流れな
い。このため、トランス20の一次巻線電流i10によ
るトランス20の磁気回路コアMCの直流磁化は、その
まま残る。
作管の場合は、ドライブトランス20の二次巻線W2の
ホット側(黒丸マーク)は負バイアス源VCーに接続さ
れ、トランス20の二次巻線W2のコールド側は出力管
30のコントロールグリッドgに接続される。この場
合、出力管30が正常ならそのグリッド電流は流れな
い。このため、トランス20の一次巻線電流i10によ
るトランス20の磁気回路コアMCの直流磁化は、その
まま残る。
【0040】なお、トランス20の二次巻線接続を実線
のように行ったとき(逆相接続)は、トランス20を通
過したドライブ信号源10の交流成分は、位相反転され
て出力管30のグリッドgに伝送される。一方、トラン
ス20の二次巻線接続を破線のように行ったとき(同相
接続)は、トランス20を通過したドライブ信号源10
の交流成分は、同相のまま出力管30のグリッドgに伝
送される。
のように行ったとき(逆相接続)は、トランス20を通
過したドライブ信号源10の交流成分は、位相反転され
て出力管30のグリッドgに伝送される。一方、トラン
ス20の二次巻線接続を破線のように行ったとき(同相
接続)は、トランス20を通過したドライブ信号源10
の交流成分は、同相のまま出力管30のグリッドgに伝
送される。
【0041】ドライブ信号源10が出力管30と逆相の
二次歪みを発生する場合は、上記同相接続により出力管
30の二次歪みの打ち消し(低減)作用が得られる。ド
ライブ信号源10が出力管30と同相の二次歪みを発生
する場合は、上記逆相接続により出力管30の二次歪み
の打ち消し(低減)作用が得られる。
二次歪みを発生する場合は、上記同相接続により出力管
30の二次歪みの打ち消し(低減)作用が得られる。ド
ライブ信号源10が出力管30と同相の二次歪みを発生
する場合は、上記逆相接続により出力管30の二次歪み
の打ち消し(低減)作用が得られる。
【0042】出力管30のプレートpは負荷40を介し
て出力管電源VB+のプラス側に接続され、そのカソー
ドkは出力管電源VB+のマイナス側に接続される。
て出力管電源VB+のプラス側に接続され、そのカソー
ドkは出力管電源VB+のマイナス側に接続される。
【0043】図1のドライブトランス20はさらに、磁
気回路コアMCの直流磁化状態をコントロールするため
の三次巻線、すなわち磁化制御巻線W3を備えている。
気回路コアMCの直流磁化状態をコントロールするため
の三次巻線、すなわち磁化制御巻線W3を備えている。
【0044】磁化制御巻線W3のホット側(黒丸マー
ク)は直流磁化量制御電源50のプラス側に接続され、
巻線W3のコールド側は電源50のマイナス側に接続さ
れる。これにより、巻線W3には、実線矢印の電流i3
0が流れる。このようにすると、一次巻線電流i10に
よるコアMCの直流磁化を、磁化制御巻線電流i30に
よって、低減あるいは打ち消すことができる。
ク)は直流磁化量制御電源50のプラス側に接続され、
巻線W3のコールド側は電源50のマイナス側に接続さ
れる。これにより、巻線W3には、実線矢印の電流i3
0が流れる。このようにすると、一次巻線電流i10に
よるコアMCの直流磁化を、磁化制御巻線電流i30に
よって、低減あるいは打ち消すことができる。
【0045】一次巻線電流i10(実線矢印)によるコ
アMCの直流磁化(1)よりも二次巻線電流i20(実
線矢印)によるコアMCの直流磁化(2)の方が強大な
場合(たとえば巻線W1および巻線W2のターン数が同
じであり、一次電流i10が10mAのときに二次電流
i20が20mA流れるとき)は、コアMCの直流磁化
を低減あるいは打ち消すために、磁化制御巻線W3へ破
線矢印の磁化制御巻線電流i03を流せばよい(たとえ
ば巻線W1、巻線W2および巻線W3のターン数が同じ
であり、一次電流i10が10mAであり、二次電流i
20が20mAであるときは、磁化制御巻線電流i03
を10mA流せばよい。)なお、磁化制御巻線W3に接
続される直流磁化量制御電源50の内部インピーダンス
は、トランス20を介してドライブ信号源10に対する
負荷になる。この負荷の重さ(負荷インピーダンスの大
小)によってトランス20の二次巻線出力電圧の大きさ
およびその二次歪みの大きさが変化する。したがって、
磁化制御巻線W3に関しては、そこに流れる磁化制御巻
線電流i30(またはi03)の大きさおよび方向のみ
ならず、直流磁化量制御電源50の内部インピーダンス
の大小も大きな意味を持つようになる。
アMCの直流磁化(1)よりも二次巻線電流i20(実
線矢印)によるコアMCの直流磁化(2)の方が強大な
場合(たとえば巻線W1および巻線W2のターン数が同
じであり、一次電流i10が10mAのときに二次電流
i20が20mA流れるとき)は、コアMCの直流磁化
を低減あるいは打ち消すために、磁化制御巻線W3へ破
線矢印の磁化制御巻線電流i03を流せばよい(たとえ
ば巻線W1、巻線W2および巻線W3のターン数が同じ
であり、一次電流i10が10mAであり、二次電流i
20が20mAであるときは、磁化制御巻線電流i03
を10mA流せばよい。)なお、磁化制御巻線W3に接
続される直流磁化量制御電源50の内部インピーダンス
は、トランス20を介してドライブ信号源10に対する
負荷になる。この負荷の重さ(負荷インピーダンスの大
小)によってトランス20の二次巻線出力電圧の大きさ
およびその二次歪みの大きさが変化する。したがって、
磁化制御巻線W3に関しては、そこに流れる磁化制御巻
線電流i30(またはi03)の大きさおよび方向のみ
ならず、直流磁化量制御電源50の内部インピーダンス
の大小も大きな意味を持つようになる。
【0046】直流磁化量制御電源50の内部インピーダ
ンスを比較的小さく(たとえば数kオーム〜数十kオー
ム)設定したい場合は、可変抵抗器(数kオーム〜数十
kオーム)VR50Aが直列接続された定電圧源50A
を用いればよい。定電圧源50Aの内部インピーダンス
は極めて小さいので、磁化制御巻線W3に対する負荷イ
ンピーダンスは可変抵抗器VR50Aの値によって決定
される。可変抵抗器VR50Aの値(巻線W3に対する
負荷インピーダンス)が決定されたあとの磁化制御巻線
電流i30(またはi03)の大きさは、電圧源50A
の出力電圧を調整することで、任意に設定できる。
ンスを比較的小さく(たとえば数kオーム〜数十kオー
ム)設定したい場合は、可変抵抗器(数kオーム〜数十
kオーム)VR50Aが直列接続された定電圧源50A
を用いればよい。定電圧源50Aの内部インピーダンス
は極めて小さいので、磁化制御巻線W3に対する負荷イ
ンピーダンスは可変抵抗器VR50Aの値によって決定
される。可変抵抗器VR50Aの値(巻線W3に対する
負荷インピーダンス)が決定されたあとの磁化制御巻線
電流i30(またはi03)の大きさは、電圧源50A
の出力電圧を調整することで、任意に設定できる。
【0047】一方、直流磁化量制御電源50の内部イン
ピーダンスを比較的大きく(たとえば数十kオーム〜数
百kオーム)設定したい場合は、可変抵抗器(数十kオ
ーム〜数百kオーム)VR50Bが並列接続された定電
流源50Bを用いればよい(巻線W3を交流的にオープ
ン状態にしたいときは、並列抵抗VR50Bを除去す
る)。定電圧源50Aの内部インピーダンスは極めて大
きいので、磁化制御巻線W3に対する負荷インピーダン
スは可変抵抗器VR50Bの値によって決定される。可
変抵抗器VR50Aの値(巻線W3に対する負荷インピ
ーダンス)が決定されたあとの磁化制御巻線電流i30
(またはi03)の大きさは、電流源50Bの出力電流
を調整することで、任意に設定できる。
ピーダンスを比較的大きく(たとえば数十kオーム〜数
百kオーム)設定したい場合は、可変抵抗器(数十kオ
ーム〜数百kオーム)VR50Bが並列接続された定電
流源50Bを用いればよい(巻線W3を交流的にオープ
ン状態にしたいときは、並列抵抗VR50Bを除去す
る)。定電圧源50Aの内部インピーダンスは極めて大
きいので、磁化制御巻線W3に対する負荷インピーダン
スは可変抵抗器VR50Bの値によって決定される。可
変抵抗器VR50Aの値(巻線W3に対する負荷インピ
ーダンス)が決定されたあとの磁化制御巻線電流i30
(またはi03)の大きさは、電流源50Bの出力電流
を調整することで、任意に設定できる。
【0048】図2は、図1の回路をベースにして、出力
段をセルフバイアス型直熱三極管(米国ウエスタンエレ
クトリック300Bあるいはその相当品)で構成したト
ランス結合増幅装置(シングルアンプ)を示す。ここで
は、ドライブ信号源10として6L6GC型ビーム管の
三極管接続を用い、負荷40としてシングル用出力トラ
ンスOPT40を介したスピーカ(図示せず)を用いて
いる。
段をセルフバイアス型直熱三極管(米国ウエスタンエレ
クトリック300Bあるいはその相当品)で構成したト
ランス結合増幅装置(シングルアンプ)を示す。ここで
は、ドライブ信号源10として6L6GC型ビーム管の
三極管接続を用い、負荷40としてシングル用出力トラ
ンスOPT40を介したスピーカ(図示せず)を用いて
いる。
【0049】すなわち、ドライバ管10の第1グリッド
はグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリッド
抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ドライ
バ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して接地
される。この抵抗Rk1にはカソードバイパスキャパシ
タCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソードは
交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーングリ
ッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管10
のプレートに接続され、このプレートはドライバトラン
ス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(たとえ
ば+270V)に接続される。(巻線W1のコールド側
がドライバ管10のプレートに繋がる。)ドライバ管1
0の動作バイアスは、カソード抵抗Rk1を流れるプレ
ート電流およびスクリーングリッド電流の和(トランス
20の一次電流i10)による電圧降下で与えられる。
はグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリッド
抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ドライ
バ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して接地
される。この抵抗Rk1にはカソードバイパスキャパシ
タCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソードは
交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーングリ
ッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管10
のプレートに接続され、このプレートはドライバトラン
ス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(たとえ
ば+270V)に接続される。(巻線W1のコールド側
がドライバ管10のプレートに繋がる。)ドライバ管1
0の動作バイアスは、カソード抵抗Rk1を流れるプレ
ート電流およびスクリーングリッド電流の和(トランス
20の一次電流i10)による電圧降下で与えられる。
【0050】ドライバトランス20の二次巻線W2のホ
ット側は出力管(300B)30のコントロールグリッ
ドに接続され、この二次巻線W2のコールド側は接地さ
れる。出力管30のプレートには、出力トランスOPT
40の一次巻線を介して、出力管電源VB+(たとえば
+450V)が印加される。出力トランスOPT40の
二次巻線には、4Ω〜16Ω程度のインピーダンスを持
つスピーカが接続される。出力管30のフィラメントの
両端にはハムバランサVRFが接続され、ハムバランサ
VRFの摺動端子はセルフバイアス抵抗Rk2を介して
接地される。この抵抗Rk2にはバイパスキャパシタC
k2が並列接続され、出力管30のフィラメントは交流
的に接地される。
ット側は出力管(300B)30のコントロールグリッ
ドに接続され、この二次巻線W2のコールド側は接地さ
れる。出力管30のプレートには、出力トランスOPT
40の一次巻線を介して、出力管電源VB+(たとえば
+450V)が印加される。出力トランスOPT40の
二次巻線には、4Ω〜16Ω程度のインピーダンスを持
つスピーカが接続される。出力管30のフィラメントの
両端にはハムバランサVRFが接続され、ハムバランサ
VRFの摺動端子はセルフバイアス抵抗Rk2を介して
接地される。この抵抗Rk2にはバイパスキャパシタC
k2が並列接続され、出力管30のフィラメントは交流
的に接地される。
【0051】出力管30のフィラメントは5Vdcで直
流点火あるいは5Vacで交流点火される。交流点火の
場合は、出力トランスOPT40の二次側出力にフィラ
メントハムノイズが出やすいので、ハムバランサVRF
を緻密に調節してハムノイズの最小点にセットする。直
流点火の場合は、ハムバランサVRFを細かく調整しな
くてもハムノイズは少ないが、フィラメント直流点火電
圧5Vcdにリプルがあるときは、このリプルによる残
留ノイズが最小となるように、ハムバランサVRFを緻
密に調節する。
流点火あるいは5Vacで交流点火される。交流点火の
場合は、出力トランスOPT40の二次側出力にフィラ
メントハムノイズが出やすいので、ハムバランサVRF
を緻密に調節してハムノイズの最小点にセットする。直
流点火の場合は、ハムバランサVRFを細かく調整しな
くてもハムノイズは少ないが、フィラメント直流点火電
圧5Vcdにリプルがあるときは、このリプルによる残
留ノイズが最小となるように、ハムバランサVRFを緻
密に調節する。
【0052】なお、出力管30の直流点火は、5Vdc
の定電圧点火に限定されない。出力管30のフィラメン
ト電流定格が1.2Aであれば、このフィラメントを1.
2Adcで定電流点火してもよい。ただし、定電流点火
の場合、フィラメント抵抗VRFに分流する電流がたと
えば100mAあるならば、定電流出力は、この分流分
をフィラメント電流に上乗せした1.3Aを出力する必
要がある。
の定電圧点火に限定されない。出力管30のフィラメン
ト電流定格が1.2Aであれば、このフィラメントを1.
2Adcで定電流点火してもよい。ただし、定電流点火
の場合、フィラメント抵抗VRFに分流する電流がたと
えば100mAあるならば、定電流出力は、この分流分
をフィラメント電流に上乗せした1.3Aを出力する必
要がある。
【0053】ドライバトランス20の三次巻線(磁化制
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
【0054】以上の構成では、出力管30のグリッド電
流i20は定常状態ではゼロとみなせるので、ドライバ
トランス20の磁気回路コアMCの直流磁化を電流i2
0で打ち消すことはできない。ドライバ管プレート電流
i10によるトランス20の磁気回路コアMCの直流磁
化は、三次巻線(磁化制御巻線)W3に適当な電流i3
0を流すことで、打ち消すことができる。
流i20は定常状態ではゼロとみなせるので、ドライバ
トランス20の磁気回路コアMCの直流磁化を電流i2
0で打ち消すことはできない。ドライバ管プレート電流
i10によるトランス20の磁気回路コアMCの直流磁
化は、三次巻線(磁化制御巻線)W3に適当な電流i3
0を流すことで、打ち消すことができる。
【0055】たとえば、トランス20の巻線W1,W
2,W3の巻数比が1:3:1であり、ドライバ管プレ
ート電流i10が14mAである場合、巻線W3に図2
の矢印方向に14mAの磁化制御電流i30を流すこと
で、トランス20のコアMCの直流磁化を打ち消すこと
ができる。電流i30を10mAに押さえれば、ドライ
バ管電流(14mA)i10のうちの4mA分の直流磁
化を意図的に残すことができる。また、電流i30を2
0mA流せば、ドライバ管電流(14mA)i10によ
る直流磁化とは逆方向の磁化状態(巻線W3での6mA
分)を意図的に作り出すことができる。
2,W3の巻数比が1:3:1であり、ドライバ管プレ
ート電流i10が14mAである場合、巻線W3に図2
の矢印方向に14mAの磁化制御電流i30を流すこと
で、トランス20のコアMCの直流磁化を打ち消すこと
ができる。電流i30を10mAに押さえれば、ドライ
バ管電流(14mA)i10のうちの4mA分の直流磁
化を意図的に残すことができる。また、電流i30を2
0mA流せば、ドライバ管電流(14mA)i10によ
る直流磁化とは逆方向の磁化状態(巻線W3での6mA
分)を意図的に作り出すことができる。
【0056】また、巻線W3に繋がる負荷インピーダン
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば4.7kΩとし巻線W3の直流
抵抗を220Ωとし、巻線W3へ10mAの磁化制御電
流i30を流すとすれば、定電圧電源50Aからは+4
9.2Vが出力される。巻線W3へ20mAの磁化制御
電流i30を流すなら、定電圧電源50Aには+98.
4Vの電圧出力が要求される。
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば4.7kΩとし巻線W3の直流
抵抗を220Ωとし、巻線W3へ10mAの磁化制御電
流i30を流すとすれば、定電圧電源50Aからは+4
9.2Vが出力される。巻線W3へ20mAの磁化制御
電流i30を流すなら、定電圧電源50Aには+98.
4Vの電圧出力が要求される。
【0057】すなわち、ドライバ管10に対する所定の
交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えたあと、この
抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁化制御電流
(トランスコアの磁化打消電流)i30が流れるよう
に、電源50Aの出力電圧が決定される。
交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えたあと、この
抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁化制御電流
(トランスコアの磁化打消電流)i30が流れるよう
に、電源50Aの出力電圧が決定される。
【0058】あるいは、定電圧電源50Aの出力電圧を
たとえば+50Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を20mA〜5mAの間で任意に調整できる。
たとえば+50Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を20mA〜5mAの間で任意に調整できる。
【0059】この調整方法を取る場合は、磁化制御電流
i30の大きさと同時にドライバ管10に対する負荷イ
ンピーダンスの大きさも変わる。したがって、トランス
コアMCの直流磁化打ち消し状態の変化とともにドライ
バ管10に対する負荷インピーダンスの変化によって、
図2の増幅器全体の聴感上の音質変化が生じる。ドライ
バ管10に対する負荷インピーダンスの変化による音質
変化を避けたい場合は、抵抗VR50Aの値を固定し、
定電圧源50Aの出力電圧を変化させればよい。
i30の大きさと同時にドライバ管10に対する負荷イ
ンピーダンスの大きさも変わる。したがって、トランス
コアMCの直流磁化打ち消し状態の変化とともにドライ
バ管10に対する負荷インピーダンスの変化によって、
図2の増幅器全体の聴感上の音質変化が生じる。ドライ
バ管10に対する負荷インピーダンスの変化による音質
変化を避けたい場合は、抵抗VR50Aの値を固定し、
定電圧源50Aの出力電圧を変化させればよい。
【0060】抵抗VR50Aの値、および電流i30の
大きさは、図2のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試聴結
果により、適宜変更するとよい。
大きさは、図2のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試聴結
果により、適宜変更するとよい。
【0061】たとえばトランス20の一次巻線直流電流
が25mAまで許容されている(25mAまではトラン
スコアMCが磁気飽和レベルより小さなレベルに収ま
る)ときに、一次巻線W1に25mAのドライバ管電流
i10を流しているとする。この場合、トランスコアM
Cの直流磁化を打ち消すために磁化制御電流i30を2
5mA流す必要は、必ずしもない。歪率および周波数特
性の最良点と聴感上の最良点とは必ずしも一致せず、磁
化制御電流i30が3mA〜3.5mAで十分音質改善
効果が得られる場合もある。
が25mAまで許容されている(25mAまではトラン
スコアMCが磁気飽和レベルより小さなレベルに収ま
る)ときに、一次巻線W1に25mAのドライバ管電流
i10を流しているとする。この場合、トランスコアM
Cの直流磁化を打ち消すために磁化制御電流i30を2
5mA流す必要は、必ずしもない。歪率および周波数特
性の最良点と聴感上の最良点とは必ずしも一致せず、磁
化制御電流i30が3mA〜3.5mAで十分音質改善
効果が得られる場合もある。
【0062】なお、図2のシングル回路は、同じマイナ
スバイアス型直熱三極管でも、300Bのように比較的
バイアスの深い出力管に限定されない。バイアス抵抗R
k2の値を適当に選べば、実働時によりバイアスの深い
大型管(DA30、845など)を出力管とした場合に
も図2の回路を適用できるし、よりバイアスの浅い出力
管(PX25、211など)にも適用できる。
スバイアス型直熱三極管でも、300Bのように比較的
バイアスの深い出力管に限定されない。バイアス抵抗R
k2の値を適当に選べば、実働時によりバイアスの深い
大型管(DA30、845など)を出力管とした場合に
も図2の回路を適用できるし、よりバイアスの浅い出力
管(PX25、211など)にも適用できる。
【0063】図3は、図2のトランス結合増幅装置にお
いて、トランス20の磁化制御巻線W3を図1の定電流
源50Bで励磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁
化制御電流)i30(または図1のi03)に対する増
幅器の出力電圧(スピーカ端子出力電圧)の関係を説明
するグラフ図である。(図3および図4中、横軸の電流
値にマイナス符号が付いているものは、図1における実
線矢印の電流i30を示し、プラス符号が付いているも
のは、図1における破線矢印の電流i03を示してい
る。) 図3に示すように、内部インピーダンスの高い定電流源
50Bからの電流i30でトランスコアの直流磁化を減
らすと、直流磁化状態が殆と打ち消されるi30=ー1
4mAまでは、電流i30の増加とともに出力が増大す
る。トランスコアの直流磁化を加勢する方向の電流i0
3を増やして行くと出力は徐々に低下し、コアMCが飽
和するような電流(i03がおよそ10mA以上)で出
力の変化が頭打ちになる。
いて、トランス20の磁化制御巻線W3を図1の定電流
源50Bで励磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁
化制御電流)i30(または図1のi03)に対する増
幅器の出力電圧(スピーカ端子出力電圧)の関係を説明
するグラフ図である。(図3および図4中、横軸の電流
値にマイナス符号が付いているものは、図1における実
線矢印の電流i30を示し、プラス符号が付いているも
のは、図1における破線矢印の電流i03を示してい
る。) 図3に示すように、内部インピーダンスの高い定電流源
50Bからの電流i30でトランスコアの直流磁化を減
らすと、直流磁化状態が殆と打ち消されるi30=ー1
4mAまでは、電流i30の増加とともに出力が増大す
る。トランスコアの直流磁化を加勢する方向の電流i0
3を増やして行くと出力は徐々に低下し、コアMCが飽
和するような電流(i03がおよそ10mA以上)で出
力の変化が頭打ちになる。
【0064】図4は、図2のトランス結合増幅装置にお
いて、トランス20の磁化制御巻線W3を図1の定電流
源50Bで励磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁
化制御電流)に対する増幅器の出力歪みの関係を説明す
るグラフ図である。図4の横軸は図3の横軸に対応して
いる。
いて、トランス20の磁化制御巻線W3を図1の定電流
源50Bで励磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁
化制御電流)に対する増幅器の出力歪みの関係を説明す
るグラフ図である。図4の横軸は図3の横軸に対応して
いる。
【0065】図3および図4を比較対象して観察する
と、トランス20のコアMCの直流磁化がほぼ打ち消さ
れる電流i30=ー14mAの点で、出力が最大となる
とともに、歪率が極小となる(直流磁化量制御電源50
が定電流型の場合)。
と、トランス20のコアMCの直流磁化がほぼ打ち消さ
れる電流i30=ー14mAの点で、出力が最大となる
とともに、歪率が極小となる(直流磁化量制御電源50
が定電流型の場合)。
【0066】すなわち、直流磁化量制御電源50を定電
流源50Bで構成(電源の内部インピーダンスが相対的
に高い)すると、増幅器全体としてみた歪率が特に低く
なる領域(歪低減作用顕著領域)THDxが得られる。
(ただし、ドライブ信号源10の特性によっては、図4
ほど顕著に歪低減効果が観測されないこともあり得る。
この歪低減効果はドライブトランス20単独で観測され
るものではなく、ドライブ信号源10の内部インピーダ
ンスおよびその非直線性などにも関係する。)図3およ
び図4のグラフの数値およびカーブの形は、試験される
増幅回路の具体的構成部品および動作点により変化する
が、定性的にいえば、トランス20のコアの直流磁化打
消点近傍に、歪みおよび出力レベルの最良点(歪低減作
用顕著領域THDx)が存在する。しかし、意図的にあ
る程度の歪みを発生させたい場合は、トランス20のコ
アの直流磁化打消点からはずれた電流i30を採用して
もよい。
流源50Bで構成(電源の内部インピーダンスが相対的
に高い)すると、増幅器全体としてみた歪率が特に低く
なる領域(歪低減作用顕著領域)THDxが得られる。
(ただし、ドライブ信号源10の特性によっては、図4
ほど顕著に歪低減効果が観測されないこともあり得る。
この歪低減効果はドライブトランス20単独で観測され
るものではなく、ドライブ信号源10の内部インピーダ
ンスおよびその非直線性などにも関係する。)図3およ
び図4のグラフの数値およびカーブの形は、試験される
増幅回路の具体的構成部品および動作点により変化する
が、定性的にいえば、トランス20のコアの直流磁化打
消点近傍に、歪みおよび出力レベルの最良点(歪低減作
用顕著領域THDx)が存在する。しかし、意図的にあ
る程度の歪みを発生させたい場合は、トランス20のコ
アの直流磁化打消点からはずれた電流i30を採用して
もよい。
【0067】図5は、図2のトランス結合増幅装置にお
いて、トランス20の磁化制御巻線W3を図1の定電圧
源50Aで励磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁
化制御電流)に対する増幅器の出力電圧の関係を説明す
るグラフ図である。
いて、トランス20の磁化制御巻線W3を図1の定電圧
源50Aで励磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁
化制御電流)に対する増幅器の出力電圧の関係を説明す
るグラフ図である。
【0068】図5に示すように、内部インピーダンスが
相対的に低い定電圧源50Aからの電流i30でトラン
スコアの直流磁化を減らすと、直流磁化状態が減少して
行くi30=ー10mAまでは、電流i30の増加とと
もに出力が増大する。トランスコアの直流磁化を加勢す
る方向の電流i03を増やして行くと出力は徐々に低下
して行く。
相対的に低い定電圧源50Aからの電流i30でトラン
スコアの直流磁化を減らすと、直流磁化状態が減少して
行くi30=ー10mAまでは、電流i30の増加とと
もに出力が増大する。トランスコアの直流磁化を加勢す
る方向の電流i03を増やして行くと出力は徐々に低下
して行く。
【0069】図5の例では、試験に用いた定電圧源50
Aの最大出力電圧の関係で、直流磁化制御電流(i30
またはi03)の最大値を10mAとしている。(抵抗
VR50Aを4.7kΩ固定とし巻線W3の直流抵抗を
220Ωとし、定電圧電源50Aの連続可変出力電圧が
0V〜50Vの場合、巻線W3へ供給できる試験電流i
30またはi03の最大値はおよそ10mAとなる。)
しかし、定電圧源50Aの最大出力電圧に余裕があれ
ば、10mA以上の直流磁化制御電流(i30またはi
03)を流すこともできる。
Aの最大出力電圧の関係で、直流磁化制御電流(i30
またはi03)の最大値を10mAとしている。(抵抗
VR50Aを4.7kΩ固定とし巻線W3の直流抵抗を
220Ωとし、定電圧電源50Aの連続可変出力電圧が
0V〜50Vの場合、巻線W3へ供給できる試験電流i
30またはi03の最大値はおよそ10mAとなる。)
しかし、定電圧源50Aの最大出力電圧に余裕があれ
ば、10mA以上の直流磁化制御電流(i30またはi
03)を流すこともできる。
【0070】図6は、図2のトランス結合増幅装置にお
いて、トランス20の磁化制御巻線W3を図1の定電圧
源50Aで励磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁
化制御電流)に対する増幅器の出力歪みの関係を説明す
るグラフ図である。図6の横軸は図5の横軸に対応して
いる。
いて、トランス20の磁化制御巻線W3を図1の定電圧
源50Aで励磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁
化制御電流)に対する増幅器の出力歪みの関係を説明す
るグラフ図である。図6の横軸は図5の横軸に対応して
いる。
【0071】巻線W3励磁電流を内部インピーダンスが
相対的に低い定電圧源50Aから取り出した場合、試験
した電流範囲(ー10mA〜+10mA)では図4の歪
低減作用顕著領域THDxを観測することはできなかっ
たが、試験電流をー15mA前後まで増やせば図4の領
域THDxような歪低減作用顕著領域が観測される可能
性はある。
相対的に低い定電圧源50Aから取り出した場合、試験
した電流範囲(ー10mA〜+10mA)では図4の歪
低減作用顕著領域THDxを観測することはできなかっ
たが、試験電流をー15mA前後まで増やせば図4の領
域THDxような歪低減作用顕著領域が観測される可能
性はある。
【0072】図4および図6を比較すると、図2の増幅
器を試験アンプとした場合、定電流源50Aを用るより
も定電圧源50Bを用いた方が若干低歪になる。そこ
で、図8以降の実施態様ではトランス20のコアMCの
直流磁化打ち消しに定電圧源50Bを採用しているが、
このことは、定電流源50Aが使いものにならないとい
う意味ではない。実施形態によっては(たとえば回路構
成および構成部品は同じでも回路動作点を変えると)、
あるいは組み合わせ使用するスピーカシステムによって
は、定電圧源50Bを用るよりも定電流源50Aを用い
た方が聴感上よい場合が生じる可能性は否定できない。
器を試験アンプとした場合、定電流源50Aを用るより
も定電圧源50Bを用いた方が若干低歪になる。そこ
で、図8以降の実施態様ではトランス20のコアMCの
直流磁化打ち消しに定電圧源50Bを採用しているが、
このことは、定電流源50Aが使いものにならないとい
う意味ではない。実施形態によっては(たとえば回路構
成および構成部品は同じでも回路動作点を変えると)、
あるいは組み合わせ使用するスピーカシステムによって
は、定電圧源50Bを用るよりも定電流源50Aを用い
た方が聴感上よい場合が生じる可能性は否定できない。
【0073】図7は、図2のトランス結合増幅装置にお
いて、定電圧源50Aによりトランス20の直流磁化を
打ち消した場合の出力電圧周波数応答(太い実線)と、
定電流源50Bによりトランス20の直流磁化を打ち消
した場合の出力電圧周波数応答(太い破線)と、トラン
ス20の直流磁化打消を行わない場合の出力電圧周波数
応答(細い実線)とを例示するグラフ図である。この周
波数応答は、ドライバ管10のグリッド信号入力に対す
るトランス20の二次巻線W2の誘導電圧を示してい
る。ここでは、巻線W1,W2,W3の巻数比が1:
3:1のトランス20を用いている。
いて、定電圧源50Aによりトランス20の直流磁化を
打ち消した場合の出力電圧周波数応答(太い実線)と、
定電流源50Bによりトランス20の直流磁化を打ち消
した場合の出力電圧周波数応答(太い破線)と、トラン
ス20の直流磁化打消を行わない場合の出力電圧周波数
応答(細い実線)とを例示するグラフ図である。この周
波数応答は、ドライバ管10のグリッド信号入力に対す
るトランス20の二次巻線W2の誘導電圧を示してい
る。ここでは、巻線W1,W2,W3の巻数比が1:
3:1のトランス20を用いている。
【0074】トランス20の磁気回路コアMCの直流磁
化がそのまま残っている(i30=0の場合)と、磁気
飽和のためにコアMCの実効透磁率が激減するからトラ
ンス20の一次巻線W1のインダクタンスが大きく低下
し、低域の周波数応答が極めて劣化する。(1kHzの
電圧応答を0dBとすれば、40Hzでー15dBも減
衰している。) 一方、トランス20の磁気回路コアMCの直流磁化を図
1の定電流源50Aにより打ち消す(i30=i10の
場合)と、コアMCの磁気飽和がなくるからコアMCの
実効透磁率が大きくなり、トランス20の一次巻線W1
のインダクタンスが十分確保される。このため低域の周
波数応答が顕著に改善される。(1kHzの電圧応答を
0dBとすれば、40Hzでー5dB程度となり、磁気
飽和打ち消しなしの場合より10dBも改善されてい
る。) さらに、トランス20の磁気回路コアMCの直流磁化を
図1の定電圧源50Bにより打ち消す(i30=i10
の場合)と、コアMCの磁気飽和がなくるからコアMC
の実効透磁率が大きくなり、トランス20の一次巻線W
1のインダクタンスが十分確保される。また、定電圧源
50Bの比較的低めの内部インピーダンス(たとえばV
R50A=1kΩ)により巻線W3がダンプされるの
で、中域(100Hz〜10kHz)のレベルは下がる
が、相対的な低域周波数応答はさらに顕著に改善され
る。
化がそのまま残っている(i30=0の場合)と、磁気
飽和のためにコアMCの実効透磁率が激減するからトラ
ンス20の一次巻線W1のインダクタンスが大きく低下
し、低域の周波数応答が極めて劣化する。(1kHzの
電圧応答を0dBとすれば、40Hzでー15dBも減
衰している。) 一方、トランス20の磁気回路コアMCの直流磁化を図
1の定電流源50Aにより打ち消す(i30=i10の
場合)と、コアMCの磁気飽和がなくるからコアMCの
実効透磁率が大きくなり、トランス20の一次巻線W1
のインダクタンスが十分確保される。このため低域の周
波数応答が顕著に改善される。(1kHzの電圧応答を
0dBとすれば、40Hzでー5dB程度となり、磁気
飽和打ち消しなしの場合より10dBも改善されてい
る。) さらに、トランス20の磁気回路コアMCの直流磁化を
図1の定電圧源50Bにより打ち消す(i30=i10
の場合)と、コアMCの磁気飽和がなくるからコアMC
の実効透磁率が大きくなり、トランス20の一次巻線W
1のインダクタンスが十分確保される。また、定電圧源
50Bの比較的低めの内部インピーダンス(たとえばV
R50A=1kΩ)により巻線W3がダンプされるの
で、中域(100Hz〜10kHz)のレベルは下がる
が、相対的な低域周波数応答はさらに顕著に改善され
る。
【0075】この低域周波数応答改善効果を具体的に言
えば、1kHzの電圧応答を0dBとすると、40Hz
でー2dB程度となり、磁気飽和打ち消しなしの場合よ
り13dBも改善されている。さらに低い周波数の20
Hzで比較すれば、磁気飽和打ち消しなしが1kHzに
対してー22dB落ちているのに対して、定電圧源50
B/内部インピーダンス1kΩで磁気飽和打ち消しが行
われると1kHzに対してー5dBの低下で済んでい
る。
えば、1kHzの電圧応答を0dBとすると、40Hz
でー2dB程度となり、磁気飽和打ち消しなしの場合よ
り13dBも改善されている。さらに低い周波数の20
Hzで比較すれば、磁気飽和打ち消しなしが1kHzに
対してー22dB落ちているのに対して、定電圧源50
B/内部インピーダンス1kΩで磁気飽和打ち消しが行
われると1kHzに対してー5dBの低下で済んでい
る。
【0076】なお、定電圧源50Aを利用してトランス
20のコアMCの直流磁化を打ち消した場合の高域上昇
(図7の破線の10kHz以上)は、トランス20の二
次巻線W2とパラレルに、数10kΩ〜数100kΩの
ターミネート抵抗(図示せず)を挿入すれば、押さえる
ことができる。
20のコアMCの直流磁化を打ち消した場合の高域上昇
(図7の破線の10kHz以上)は、トランス20の二
次巻線W2とパラレルに、数10kΩ〜数100kΩの
ターミネート抵抗(図示せず)を挿入すれば、押さえる
ことができる。
【0077】図8は、図1の回路をベースにして、出力
段を固定プラスバイアス型直熱三極管(定常状態でトラ
ンス20の直流磁化を打ち消す方向にグリッド電流が流
れる)で構成したトランス結合増幅装置(シングルアン
プ)を示す。
段を固定プラスバイアス型直熱三極管(定常状態でトラ
ンス20の直流磁化を打ち消す方向にグリッド電流が流
れる)で構成したトランス結合増幅装置(シングルアン
プ)を示す。
【0078】図2のシングルアンプでは、出力管(30
0B)がバイアスの深いマイナスバイアス管であるた
め、巻線W2の巻数比が大きなトランス20を採用して
いる(巻線W1,W2,W3の巻数比は1:3:1)。
0B)がバイアスの深いマイナスバイアス管であるた
め、巻線W2の巻数比が大きなトランス20を採用して
いる(巻線W1,W2,W3の巻数比は1:3:1)。
【0079】これに対し、図8のシングルアンプでは出
力管(DET25)がバイアスの比較的浅いプラスバイ
アス管であるため、巻線W2の巻数比が小さなトランス
20を採用している(巻線W1,W2,W3の巻数比は
1:0.5〜1.5:1程度、たとえば1:1:1)。
力管(DET25)がバイアスの比較的浅いプラスバイ
アス管であるため、巻線W2の巻数比が小さなトランス
20を採用している(巻線W1,W2,W3の巻数比は
1:0.5〜1.5:1程度、たとえば1:1:1)。
【0080】図8において、ドライバ管10の第1グリ
ッドはグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリ
ッド抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ド
ライバ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して
接地される。この抵抗Rk1にはカソーバイパスキャパ
シタCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソード
は交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーング
リッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管1
0のプレートに接続され、このプレートはドライバトラ
ンス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(たと
えば+270V)に接続される。(巻線W1のコールド
側がドライバ管10のプレートに繋がる。)ドライバ管
10の動作バイアスは、カソード抵抗Rk1を流れるプ
レート電流およびスクリーングリッド電流の和(トラン
ス20の一次電流i10)による電圧降下で与えられ
る。
ッドはグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリ
ッド抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ド
ライバ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して
接地される。この抵抗Rk1にはカソーバイパスキャパ
シタCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソード
は交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーング
リッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管1
0のプレートに接続され、このプレートはドライバトラ
ンス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(たと
えば+270V)に接続される。(巻線W1のコールド
側がドライバ管10のプレートに繋がる。)ドライバ管
10の動作バイアスは、カソード抵抗Rk1を流れるプ
レート電流およびスクリーングリッド電流の和(トラン
ス20の一次電流i10)による電圧降下で与えられ
る。
【0081】図8の出力管(DET25)30は、マイ
ナスバイアス管(300Bなど)と異なりパワードライ
ブが必要なので、ここでは、ドライバ管10のプレート
電流i10を図2の場合よりも多めに流している(たと
えばi10=15mA)。
ナスバイアス管(300Bなど)と異なりパワードライ
ブが必要なので、ここでは、ドライバ管10のプレート
電流i10を図2の場合よりも多めに流している(たと
えばi10=15mA)。
【0082】ドライバトランス20の二次巻線W2のホ
ット側は出力管(DET25)30のコントロールグリ
ッドに接続される。この二次巻線W2のコールド側は、
抵抗Rb(3kΩ程度)を介して定電圧源60のプラス
端子に接続される。定電圧源60のマイナス端子は接地
される。ここで、出力管(DET25)30のグリッド
電流(トランス20の二次巻線電流i20)が、たとえ
ば10mA流れるように、電源60の出力電圧が設定さ
れる(数十Vのオーダー)。
ット側は出力管(DET25)30のコントロールグリ
ッドに接続される。この二次巻線W2のコールド側は、
抵抗Rb(3kΩ程度)を介して定電圧源60のプラス
端子に接続される。定電圧源60のマイナス端子は接地
される。ここで、出力管(DET25)30のグリッド
電流(トランス20の二次巻線電流i20)が、たとえ
ば10mA流れるように、電源60の出力電圧が設定さ
れる(数十Vのオーダー)。
【0083】出力管30のプレートには、出力トランス
OPT40の一次巻線を介して、出力管電源VB+(た
とえば+450V)が印加される。出力トランスOPT
40の二次巻線には、4Ω〜16Ω程度のインピーダン
スを持つスピーカが接続される。出力管30のフィラメ
ントの両端にはハムバランサVRFが接続され、ハムバ
ランサVRFの摺動端子は接地される。
OPT40の一次巻線を介して、出力管電源VB+(た
とえば+450V)が印加される。出力トランスOPT
40の二次巻線には、4Ω〜16Ω程度のインピーダン
スを持つスピーカが接続される。出力管30のフィラメ
ントの両端にはハムバランサVRFが接続され、ハムバ
ランサVRFの摺動端子は接地される。
【0084】出力管30のフィラメントは7.5Vdc
で直流点火あるいは7.5Vacで交流点火される。交
流点火の場合は、出力トランスOPT40の二次側出力
にフィラメントハムノイズが出やすいので、ハムバラン
サVRFを緻密に調節してハムノイズの最小点にセット
する。直流点火の場合は、ハムバランサVRFを細かく
調整しなくてもハムノイズは少ないが、フィラメント直
流点火電圧7.5Vcdにリプルがあるときは、このリ
プルによる残留ノイズが最小となるように、ハムバラン
サVRFを緻密に調節する。
で直流点火あるいは7.5Vacで交流点火される。交
流点火の場合は、出力トランスOPT40の二次側出力
にフィラメントハムノイズが出やすいので、ハムバラン
サVRFを緻密に調節してハムノイズの最小点にセット
する。直流点火の場合は、ハムバランサVRFを細かく
調整しなくてもハムノイズは少ないが、フィラメント直
流点火電圧7.5Vcdにリプルがあるときは、このリ
プルによる残留ノイズが最小となるように、ハムバラン
サVRFを緻密に調節する。
【0085】なお、出力管30の直流点火は、7.5V
dcの定電圧点火に限定されない。出力管30のフィラ
メントをその定格電流で定電流点火してもよい。
dcの定電圧点火に限定されない。出力管30のフィラ
メントをその定格電流で定電流点火してもよい。
【0086】ドライバトランス20の三次巻線(磁化制
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
【0087】以上の構成では、ドライバ管10のプレー
ト電流i10を15mAとし、出力管30のグリッド電
流i20が定常状態で10mAと想定したので、ドライ
バトランス20の磁気回路コアMCの直流磁化を電流i
20で完全に打ち消すことはできない。しかし、ドライ
バ管プレート電流i10および出力管グリッド電流i2
0によるトランス20の磁気回路コアMCの直流磁化
は、三次巻線(磁化制御巻線)W3に適当な電流i30
を流すことで、打ち消すことができる。
ト電流i10を15mAとし、出力管30のグリッド電
流i20が定常状態で10mAと想定したので、ドライ
バトランス20の磁気回路コアMCの直流磁化を電流i
20で完全に打ち消すことはできない。しかし、ドライ
バ管プレート電流i10および出力管グリッド電流i2
0によるトランス20の磁気回路コアMCの直流磁化
は、三次巻線(磁化制御巻線)W3に適当な電流i30
を流すことで、打ち消すことができる。
【0088】すなわち、トランス20の巻線W1,W
2,W3の巻数比が1:1:1であり、ドライバ管プレ
ート電流i10が15mAであり、出力管グリッド電流
i20が10mAである場合、巻線W3に図2の矢印方
向に5mAの磁化制御電流i30を流すことで、トラン
ス20のコアMCの直流磁化を打ち消すことができる。
電流i30を2mAに押さえれば、ドライバ管電流(1
5mA)i10と出力管グリッド電流(10mA)i2
0との差分(5mA)のうちの3mA分の直流磁化を、
意図的に残すことができる。また、電流i30を10m
A流せば、ドライバ管電流(15mA)i10による直
流磁化とは逆方向の磁化状態(全体での5mA分)を意
図的に作り出すことができる。
2,W3の巻数比が1:1:1であり、ドライバ管プレ
ート電流i10が15mAであり、出力管グリッド電流
i20が10mAである場合、巻線W3に図2の矢印方
向に5mAの磁化制御電流i30を流すことで、トラン
ス20のコアMCの直流磁化を打ち消すことができる。
電流i30を2mAに押さえれば、ドライバ管電流(1
5mA)i10と出力管グリッド電流(10mA)i2
0との差分(5mA)のうちの3mA分の直流磁化を、
意図的に残すことができる。また、電流i30を10m
A流せば、ドライバ管電流(15mA)i10による直
流磁化とは逆方向の磁化状態(全体での5mA分)を意
図的に作り出すことができる。
【0089】図8の構成では、出力管(DET25)3
0にグリッド電流を流しているので、その入力インピー
ダンスは比較的小さい。図8の抵抗Rbは、この入力イ
ンピーダンスを多少変更する(増加させる)ときに利用
できるが、過大なグリッド電流が流れるのを抑える作用
も持つ。
0にグリッド電流を流しているので、その入力インピー
ダンスは比較的小さい。図8の抵抗Rbは、この入力イ
ンピーダンスを多少変更する(増加させる)ときに利用
できるが、過大なグリッド電流が流れるのを抑える作用
も持つ。
【0090】また、巻線W3に繋がる負荷インピーダン
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。す
なわち、ドライバ管10に対する所定の交流負荷の大き
さを抵抗VR50Aで与えたあと、この抵抗VR50A
を介して巻線W3へ所定の磁化制御電流(トランスコア
の磁化打消電流)i30が流れるように、電源50Aの
出力電圧が決定される。
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。す
なわち、ドライバ管10に対する所定の交流負荷の大き
さを抵抗VR50Aで与えたあと、この抵抗VR50A
を介して巻線W3へ所定の磁化制御電流(トランスコア
の磁化打消電流)i30が流れるように、電源50Aの
出力電圧が決定される。
【0091】あるいは、定電圧電源50Aの出力電圧を
たとえば+50Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を20mA〜5mAの間で任意に調整できる。
たとえば+50Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を20mA〜5mAの間で任意に調整できる。
【0092】この調整方法を取る場合は、磁化制御電流
i30の大きさと同時にドライバ管10に対する負荷イ
ンピーダンスの大きさも変わる。したがって、トランス
コアMCの直流磁化打ち消し状態の変化とともにドライ
バ管10に対する負荷インピーダンスの変化によって、
図8の増幅器全体の聴感上の音質変化が生じる。ドライ
バ管10に対する負荷インピーダンスの変化による音質
変化を避けたい場合は、抵抗VR50Aの値を固定し、
定電圧源50Aの出力電圧を変化させればよい。
i30の大きさと同時にドライバ管10に対する負荷イ
ンピーダンスの大きさも変わる。したがって、トランス
コアMCの直流磁化打ち消し状態の変化とともにドライ
バ管10に対する負荷インピーダンスの変化によって、
図8の増幅器全体の聴感上の音質変化が生じる。ドライ
バ管10に対する負荷インピーダンスの変化による音質
変化を避けたい場合は、抵抗VR50Aの値を固定し、
定電圧源50Aの出力電圧を変化させればよい。
【0093】なお、抵抗Rbを含む出力管(DET2
5)30のグリッド入力インピーダンスもドライバ管1
0の負荷になるので、抵抗VR50Aを変化させた場合
の音質変化傾向は、必ずしも図2の場合と同じになると
は限らない。
5)30のグリッド入力インピーダンスもドライバ管1
0の負荷になるので、抵抗VR50Aを変化させた場合
の音質変化傾向は、必ずしも図2の場合と同じになると
は限らない。
【0094】いずれにせよ、抵抗Rbの値、定電圧電源
60の出力電圧値、抵抗VR50Aの値、および電流i
30の大きさは、図8のパワーアンプの完成後、電気的
特性(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試
聴結果により、適宜変更するとよい。
60の出力電圧値、抵抗VR50Aの値、および電流i
30の大きさは、図8のパワーアンプの完成後、電気的
特性(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試
聴結果により、適宜変更するとよい。
【0095】また、図8のシングル回路(インプットト
ランス反転結合シングル回路)の出力管はDET25に
限定されない。出力管電源VB+の電圧および+バイア
ス電源60の出力電圧を適当に選べば、高μ高内部抵抗
rpの別種送信管(RCA830など)を使用すること
もできる。
ランス反転結合シングル回路)の出力管はDET25に
限定されない。出力管電源VB+の電圧および+バイア
ス電源60の出力電圧を適当に選べば、高μ高内部抵抗
rpの別種送信管(RCA830など)を使用すること
もできる。
【0096】図9は、図1の回路をベースにして、出力
段をセルフバイアス型直熱三極管(米国ウエスタンエレ
クトリック300Bあるいはその相当品)で構成したト
ランス結合増幅装置(プッシュプルアンプ)を示す。こ
こでは、ドライブ信号源10として6L6GC型ビーム
管の三極管接続を用い、負荷40としてプッシュプル用
出力トランスOPT40PPを介したスピーカ(図示せ
ず)を用いている。
段をセルフバイアス型直熱三極管(米国ウエスタンエレ
クトリック300Bあるいはその相当品)で構成したト
ランス結合増幅装置(プッシュプルアンプ)を示す。こ
こでは、ドライブ信号源10として6L6GC型ビーム
管の三極管接続を用い、負荷40としてプッシュプル用
出力トランスOPT40PPを介したスピーカ(図示せ
ず)を用いている。
【0097】すなわち、ドライバ管10の第1グリッド
はグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリッド
抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ドライ
バ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して接地
される。この抵抗Rk1にはカソードバイパスキャパシ
タCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソードは
交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーングリ
ッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管10
のプレートに接続され、このプレートはドライバトラン
ス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(+27
0V)に接続される。
はグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリッド
抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ドライ
バ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して接地
される。この抵抗Rk1にはカソードバイパスキャパシ
タCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソードは
交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーングリ
ッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管10
のプレートに接続され、このプレートはドライバトラン
ス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(+27
0V)に接続される。
【0098】ドライバトランス20の第1二次巻線W2
Aのホット側は第1出力管30Aのコントロールグリッ
ドに接続され、第1二次巻線W2Aのコールド側は接地
される。ドライバトランス20の第2二次巻線W2Bの
ホット側は第2出力管30Bのコントロールグリッドに
接続され、第2二次巻線W2Bのコールド側は接地され
る。この巻線接続により、第1出力管30Aのグリッド
信号と第2出力管30Bのグリッド信号とを互いに逆相
にできる。すなわち、トランス20により、出力管プッ
シュプル駆動信号の位相反転が行われる。
Aのホット側は第1出力管30Aのコントロールグリッ
ドに接続され、第1二次巻線W2Aのコールド側は接地
される。ドライバトランス20の第2二次巻線W2Bの
ホット側は第2出力管30Bのコントロールグリッドに
接続され、第2二次巻線W2Bのコールド側は接地され
る。この巻線接続により、第1出力管30Aのグリッド
信号と第2出力管30Bのグリッド信号とを互いに逆相
にできる。すなわち、トランス20により、出力管プッ
シュプル駆動信号の位相反転が行われる。
【0099】第1出力管30Aのプレートは出力トラン
スOPT40PPの一次巻線の端子Paに接続され、第
2出力管30Bのプレートは出力トランスOPT40P
Pの一次巻線の端子Pbに接続される。出力トランスO
PT40PPの中点端子Bは、出力管電源VB+(+4
50V)に接続される。
スOPT40PPの一次巻線の端子Paに接続され、第
2出力管30Bのプレートは出力トランスOPT40P
Pの一次巻線の端子Pbに接続される。出力トランスO
PT40PPの中点端子Bは、出力管電源VB+(+4
50V)に接続される。
【0100】出力トランスOPT40PPの二次巻線に
は、4Ω〜16Ω程度のインピーダンスを持つスピーカ
が接続される。プッシュプル用のペア出力管30Aおよ
び30Bのフィラメントの両端にはハムバランサVRF
が接続され、ハムバランサVRFの摺動端子はセルフバ
イアス抵抗Rk2を介して接地される。この抵抗Rk2
にはバイパスキャパシタCk2が並列接続され、出力管
30Aおよび30Bのフィラメントは交流的に接地され
る。
は、4Ω〜16Ω程度のインピーダンスを持つスピーカ
が接続される。プッシュプル用のペア出力管30Aおよ
び30Bのフィラメントの両端にはハムバランサVRF
が接続され、ハムバランサVRFの摺動端子はセルフバ
イアス抵抗Rk2を介して接地される。この抵抗Rk2
にはバイパスキャパシタCk2が並列接続され、出力管
30Aおよび30Bのフィラメントは交流的に接地され
る。
【0101】出力管30Aおよび30Bのフィラメント
は5Vdcで直流点火あるいは5Vacで交流点火され
る。プッシュプルアンプでは出力管30Aのフィラメン
トハム成分を出力管30Bのフィラメントハム成分で打
ち消すことができるので、交流点火でもハムバランサV
RFの微調整により実用上ノーハムに追い込むことがで
きる。
は5Vdcで直流点火あるいは5Vacで交流点火され
る。プッシュプルアンプでは出力管30Aのフィラメン
トハム成分を出力管30Bのフィラメントハム成分で打
ち消すことができるので、交流点火でもハムバランサV
RFの微調整により実用上ノーハムに追い込むことがで
きる。
【0102】とはいえ、プッシュプルアンプであって
も、フィラメントを直流点火した方が残留ノイズを小さ
くできる。その際、出力管30Aおよび30Bの直流点
火は、定電圧点火に限定されない。並列接続された2本
の出力管30のフィラメントをその定格電流の2倍の電
流で定電流点火してもよい。(1本当たりのフィラメン
ト定格が5V1.2Aであり、ハムバランサVRFが5
0Ωでそこに100mA流れるときは、フィラメント点
火定電流源の電流出力は2.5Aとなる。) なお、完全な直流定電流点火の場合はフィラメントハム
は殆ど出ないので、ハムバランサVRFを省略すること
もできる。ハムバランサVRFを省略したときは、フィ
ラメント端子F1あるいはF2のいずれか一方がセルフ
バイアス抵抗Rk2に直結される。
も、フィラメントを直流点火した方が残留ノイズを小さ
くできる。その際、出力管30Aおよび30Bの直流点
火は、定電圧点火に限定されない。並列接続された2本
の出力管30のフィラメントをその定格電流の2倍の電
流で定電流点火してもよい。(1本当たりのフィラメン
ト定格が5V1.2Aであり、ハムバランサVRFが5
0Ωでそこに100mA流れるときは、フィラメント点
火定電流源の電流出力は2.5Aとなる。) なお、完全な直流定電流点火の場合はフィラメントハム
は殆ど出ないので、ハムバランサVRFを省略すること
もできる。ハムバランサVRFを省略したときは、フィ
ラメント端子F1あるいはF2のいずれか一方がセルフ
バイアス抵抗Rk2に直結される。
【0103】ドライバトランス20の三次巻線(磁化制
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
【0104】以上の構成では、出力管30Aおよび30
Bのグリッド電流i20Aおよびi20Bは定常状態で
はゼロとみなせるので、ドライバトランス20の磁気回
路コアMCの直流磁化を電流i20Aおよびi20Bで
打ち消すことはできない。ドライバ管プレート電流i1
0によるトランス20の磁気回路コアMCの直流磁化
は、三次巻線(磁化制御巻線)W3に適当な電流i30
を流すことで、打ち消すことができる。
Bのグリッド電流i20Aおよびi20Bは定常状態で
はゼロとみなせるので、ドライバトランス20の磁気回
路コアMCの直流磁化を電流i20Aおよびi20Bで
打ち消すことはできない。ドライバ管プレート電流i1
0によるトランス20の磁気回路コアMCの直流磁化
は、三次巻線(磁化制御巻線)W3に適当な電流i30
を流すことで、打ち消すことができる。
【0105】たとえば、トランス20の巻線W1,W2
A+W2B,W3の巻数比が1:1.5+1.5:1であ
り、ドライバ管プレート電流i10が10mAである場
合、巻線W3に図2の矢印方向に10mAの磁化制御電
流i30を流すことで、トランス20のコアMCの直流
磁化を打ち消すことができる。電流i30を7mAに押
さえれば、ドライバ管電流(10mA)i10のうちの
3mA分の直流磁化を意図的に残すことができる。ま
た、電流i30を12mA流せば、ドライバ管電流(1
0mA)i10による直流磁化とは逆方向の磁化状態
(巻線W3での2mA分)を意図的に作り出すことがで
きる。
A+W2B,W3の巻数比が1:1.5+1.5:1であ
り、ドライバ管プレート電流i10が10mAである場
合、巻線W3に図2の矢印方向に10mAの磁化制御電
流i30を流すことで、トランス20のコアMCの直流
磁化を打ち消すことができる。電流i30を7mAに押
さえれば、ドライバ管電流(10mA)i10のうちの
3mA分の直流磁化を意図的に残すことができる。ま
た、電流i30を12mA流せば、ドライバ管電流(1
0mA)i10による直流磁化とは逆方向の磁化状態
(巻線W3での2mA分)を意図的に作り出すことがで
きる。
【0106】また、巻線W3に繋がる負荷インピーダン
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば4.7kΩとし巻線W3の直流
抵抗を220Ωとし、巻線W3へ10mAの磁化制御電
流i30を流すとすれば、定電圧電源50Aは+49.
2Vを出力すればよい。すなわち、ドライバ管10に対
する所定の交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えた
あと、この抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁
化制御電流(トランスコアの磁化打消電流)i30が流
れるように、電源50Aの出力電圧が決定される。
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば4.7kΩとし巻線W3の直流
抵抗を220Ωとし、巻線W3へ10mAの磁化制御電
流i30を流すとすれば、定電圧電源50Aは+49.
2Vを出力すればよい。すなわち、ドライバ管10に対
する所定の交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えた
あと、この抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁
化制御電流(トランスコアの磁化打消電流)i30が流
れるように、電源50Aの出力電圧が決定される。
【0107】あるいは、定電圧電源50Aの出力電圧を
たとえば+50Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を20mA〜5mAの間で任意に調整できる。この調整
方法を取る場合は、磁化制御電流i30の大きさと同時
にドライバ管10に対する負荷インピーダンスの大きさ
も変わる。したがって、トランスコアMCの直流磁化打
ち消し状態の変化とともにドライバ管10に対する負荷
インピーダンスの変化によって、図9の増幅器全体の聴
感上の音質変化を得ることができる。
たとえば+50Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を20mA〜5mAの間で任意に調整できる。この調整
方法を取る場合は、磁化制御電流i30の大きさと同時
にドライバ管10に対する負荷インピーダンスの大きさ
も変わる。したがって、トランスコアMCの直流磁化打
ち消し状態の変化とともにドライバ管10に対する負荷
インピーダンスの変化によって、図9の増幅器全体の聴
感上の音質変化を得ることができる。
【0108】抵抗VR50Aの値、および電流i30の
大きさは、図9のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試聴結
果により、適宜変更するとよい。
大きさは、図9のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試聴結
果により、適宜変更するとよい。
【0109】たとえばトランス20の一次定格電流が1
5mAのときに、一次巻線W1に5mAのドライバ管電
流i10を流しているとする。この場合、トランスコア
MCの直流磁化を打ち消すために磁化制御電流i30を
5mAに設定する必要は、必ずしもない。歪率および周
波数特性の最良点と聴感上の最良点とは必ずしも一致し
ないから、磁化制御電流i30を5mAより多く流した
方が聴感上好ましい場合もあり得る(常にそうとは言え
ないが)。
5mAのときに、一次巻線W1に5mAのドライバ管電
流i10を流しているとする。この場合、トランスコア
MCの直流磁化を打ち消すために磁化制御電流i30を
5mAに設定する必要は、必ずしもない。歪率および周
波数特性の最良点と聴感上の最良点とは必ずしも一致し
ないから、磁化制御電流i30を5mAより多く流した
方が聴感上好ましい場合もあり得る(常にそうとは言え
ないが)。
【0110】なお、図9のプッシュプル回路は、同じマ
イナスバイアス型直熱三極管でも、300Bのように比
較的バイアスの深い出力管に限定されない。バイアス抵
抗Rk2の値を適当に選べば、実働時によりバイアスの
深い大型管(DA30、DA60、845など)を出力
管とした場合にも図9の回路を適用できるし、よりバイ
アスの浅い出力管(PX25、BF25、211など)
にも適用できる。
イナスバイアス型直熱三極管でも、300Bのように比
較的バイアスの深い出力管に限定されない。バイアス抵
抗Rk2の値を適当に選べば、実働時によりバイアスの
深い大型管(DA30、DA60、845など)を出力
管とした場合にも図9の回路を適用できるし、よりバイ
アスの浅い出力管(PX25、BF25、211など)
にも適用できる。
【0111】図10は、図1の回路をベースにして、出
力段を固定プラスバイアス型直熱三極管(DET25、
あるいは電圧増幅率μ、プレート内部抵抗rp、プレー
ト損失、フィラメントエミッションなどが同程度の送信
管)で構成したトランス結合増幅装置(プッシュプルア
ンプ)を示す。ここでは、ドライブ信号源10として6
L6GC型ビーム管の三極管接続を用い、負荷40とし
てプッシュプル用出力トランスOPT40PPを介した
スピーカ(図示せず)を用いている。
力段を固定プラスバイアス型直熱三極管(DET25、
あるいは電圧増幅率μ、プレート内部抵抗rp、プレー
ト損失、フィラメントエミッションなどが同程度の送信
管)で構成したトランス結合増幅装置(プッシュプルア
ンプ)を示す。ここでは、ドライブ信号源10として6
L6GC型ビーム管の三極管接続を用い、負荷40とし
てプッシュプル用出力トランスOPT40PPを介した
スピーカ(図示せず)を用いている。
【0112】すなわち、ドライバ管10の第1グリッド
はグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリッド
抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ドライ
バ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して接地
される。この抵抗Rk1にはカソードバイパスキャパシ
タCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソードは
交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーングリ
ッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管10
のプレートに接続され、このプレートはドライバトラン
ス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(+27
0V)に接続される。
はグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリッド
抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ドライ
バ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して接地
される。この抵抗Rk1にはカソードバイパスキャパシ
タCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソードは
交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーングリ
ッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管10
のプレートに接続され、このプレートはドライバトラン
ス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(+27
0V)に接続される。
【0113】ドライバトランス20の第1二次巻線W2
Aのホット側は第1出力管30Aのコントロールグリッ
ドに接続され、第1二次巻線W2Aのコールド側は抵抗
Rb(2.7kΩ程度)を介して定電圧電源60のプラ
ス端子に接続される。同様に、ドライバトランス20の
第2二次巻線W2Bのホット側は第2出力管30Bのコ
ントロールグリッドに接続され、第2二次巻線W2Bの
コールド側は抵抗Rbを介して定電圧電源60のプラス
端子に接続される。この巻線接続により、第1出力管3
0Aのグリッド信号と第2出力管30Bのグリッド信号
とを互いに逆相にできる。すなわち、トランス20によ
り、出力管プッシュプル駆動信号の位相反転が行われ
る。
Aのホット側は第1出力管30Aのコントロールグリッ
ドに接続され、第1二次巻線W2Aのコールド側は抵抗
Rb(2.7kΩ程度)を介して定電圧電源60のプラ
ス端子に接続される。同様に、ドライバトランス20の
第2二次巻線W2Bのホット側は第2出力管30Bのコ
ントロールグリッドに接続され、第2二次巻線W2Bの
コールド側は抵抗Rbを介して定電圧電源60のプラス
端子に接続される。この巻線接続により、第1出力管3
0Aのグリッド信号と第2出力管30Bのグリッド信号
とを互いに逆相にできる。すなわち、トランス20によ
り、出力管プッシュプル駆動信号の位相反転が行われ
る。
【0114】ここで、2本の出力管(DET25)30
Aおよび30Bのグリッド電流(トランス20の二次巻
線電流i20A+i20B)が、たとえば、それぞれ1
0mA流れるように、電源60の出力電圧が設定される
(たとえば+30V程度)。
Aおよび30Bのグリッド電流(トランス20の二次巻
線電流i20A+i20B)が、たとえば、それぞれ1
0mA流れるように、電源60の出力電圧が設定される
(たとえば+30V程度)。
【0115】第1出力管30Aのプレートは出力トラン
スOPT40PPの一次巻線の端子Paに接続され、第
2出力管30Bのプレートは出力トランスOPT40P
Pの一次巻線の端子Paに接続される。出力トランスO
PT40PPの中点端子Bは、出力管電源VB+(+4
50V)に接続される。
スOPT40PPの一次巻線の端子Paに接続され、第
2出力管30Bのプレートは出力トランスOPT40P
Pの一次巻線の端子Paに接続される。出力トランスO
PT40PPの中点端子Bは、出力管電源VB+(+4
50V)に接続される。
【0116】出力トランスOPT40PPの二次巻線に
は、4Ω〜16Ω程度のインピーダンスを持つスピーカ
が接続される。プッシュプル用のペア出力管30Aおよ
び30Bのフィラメントの両端にはハムバランサVRF
が接続され、ハムバランサVRFの摺動端子はセルフバ
イアス抵抗Rk2を介して接地される。この抵抗Rk2
にはバイパスキャパシタCk2が並列接続され、出力管
30Aおよび30Bのフィラメントは交流的に接地され
る。
は、4Ω〜16Ω程度のインピーダンスを持つスピーカ
が接続される。プッシュプル用のペア出力管30Aおよ
び30Bのフィラメントの両端にはハムバランサVRF
が接続され、ハムバランサVRFの摺動端子はセルフバ
イアス抵抗Rk2を介して接地される。この抵抗Rk2
にはバイパスキャパシタCk2が並列接続され、出力管
30Aおよび30Bのフィラメントは交流的に接地され
る。
【0117】出力管30Aおよび30Bのフィラメント
は7.5Vdcで直流点火あるいは7.5Vacで交流点
火される。プッシュプルアンプでは出力管30Aフィラ
メントハム成分を出力管30Bフィラメントハム成分で
打ち消すことができるので、交流点火でもハムバランサ
VRFの微調整により実用上ノーハムに追い込むことが
できる。
は7.5Vdcで直流点火あるいは7.5Vacで交流点
火される。プッシュプルアンプでは出力管30Aフィラ
メントハム成分を出力管30Bフィラメントハム成分で
打ち消すことができるので、交流点火でもハムバランサ
VRFの微調整により実用上ノーハムに追い込むことが
できる。
【0118】とはいえ、プッシュプルアンプであって
も、フィラメントを直流点火した方が残留ノイズを小さ
くできる。その際、出力管30Aおよび30Bの直流点
火は、定電圧点火に限定されない。並列接続された2本
の出力管30のフィラメントをその定格電流の2倍の電
流で定電流点火してもよい。
も、フィラメントを直流点火した方が残留ノイズを小さ
くできる。その際、出力管30Aおよび30Bの直流点
火は、定電圧点火に限定されない。並列接続された2本
の出力管30のフィラメントをその定格電流の2倍の電
流で定電流点火してもよい。
【0119】なお、完全な直流定電流点火の場合はフィ
ラメントハムは殆ど出ないので、ハムバランサVRFを
省略することもできる。ハムバランサVRFを省略した
ときは、フィラメント端子F1あるいはF2のいずれか
一方が直接接地される。
ラメントハムは殆ど出ないので、ハムバランサVRFを
省略することもできる。ハムバランサVRFを省略した
ときは、フィラメント端子F1あるいはF2のいずれか
一方が直接接地される。
【0120】ドライバトランス20の三次巻線(磁化制
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
【0121】以上の構成では、出力管30Aのグリッド
電流i20Aおよび出力管30Bのグリッド電流i20
Bは定常状態では同じ大きさで流れる方向が逆なので、
ドライバ管プレート電流i10によるトランス20の直
流磁化を電流i20Aおよびi20Bで打ち消すことは
できない。ドライバ管プレート電流i10によるトラン
ス20の磁気回路コアMCの直流磁化は、三次巻線(磁
化制御巻線)W3に適当な電流i30を流すことで、打
ち消すことができる。
電流i20Aおよび出力管30Bのグリッド電流i20
Bは定常状態では同じ大きさで流れる方向が逆なので、
ドライバ管プレート電流i10によるトランス20の直
流磁化を電流i20Aおよびi20Bで打ち消すことは
できない。ドライバ管プレート電流i10によるトラン
ス20の磁気回路コアMCの直流磁化は、三次巻線(磁
化制御巻線)W3に適当な電流i30を流すことで、打
ち消すことができる。
【0122】たとえば、トランス20の巻線W1,W2
A+W2B,W3の巻数比が1:0.5+0.5:1であ
り、ドライバ管プレート電流i10が10mAである場
合、巻線W3に図10の矢印方向に10mAの磁化制御
電流i30を流すことで、トランス20の磁気回路の直
流磁化を打ち消すことができる。電流i30を7mAに
押さえれば、ドライバ管電流(10mA)i10のうち
の3mA分の直流磁化を意図的に残すことができる。ま
た、電流i30を12mA流せば、ドライバ管電流(1
0mA)i10による直流磁化とは逆方向の磁化状態
(巻線W3での2mA分)を意図的に作り出すことがで
きる。
A+W2B,W3の巻数比が1:0.5+0.5:1であ
り、ドライバ管プレート電流i10が10mAである場
合、巻線W3に図10の矢印方向に10mAの磁化制御
電流i30を流すことで、トランス20の磁気回路の直
流磁化を打ち消すことができる。電流i30を7mAに
押さえれば、ドライバ管電流(10mA)i10のうち
の3mA分の直流磁化を意図的に残すことができる。ま
た、電流i30を12mA流せば、ドライバ管電流(1
0mA)i10による直流磁化とは逆方向の磁化状態
(巻線W3での2mA分)を意図的に作り出すことがで
きる。
【0123】また、巻線W3に繋がる負荷インピーダン
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば4.7kΩとし巻線W3の直流
抵抗を220Ωとし、巻線W3へ10mAの磁化制御電
流i30を流すとすれば、定電圧電源50Aは+49.
2Vを出力すればよい。すなわち、ドライバ管10に対
する所定の交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えた
あと、この抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁
化制御電流(トランスコアの磁化打消電流)i30が流
れるように、電源50Aの出力電圧が決定される。
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば4.7kΩとし巻線W3の直流
抵抗を220Ωとし、巻線W3へ10mAの磁化制御電
流i30を流すとすれば、定電圧電源50Aは+49.
2Vを出力すればよい。すなわち、ドライバ管10に対
する所定の交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えた
あと、この抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁
化制御電流(トランスコアの磁化打消電流)i30が流
れるように、電源50Aの出力電圧が決定される。
【0124】あるいは、定電圧電源50Aの出力電圧を
たとえば+50Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を20mA〜5mAの間で任意に調整できる。この調整
方法を取る場合は、磁化制御電流i30の大きさと同時
にドライバ管10に対する負荷インピーダンスの大きさ
も変わる。したがって、トランスコアMCの直流磁化打
ち消し状態の変化とともにドライバ管10に対する負荷
インピーダンスの変化によって、図10の増幅器全体の
聴感上の音質変化を得ることができる。
たとえば+50Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を20mA〜5mAの間で任意に調整できる。この調整
方法を取る場合は、磁化制御電流i30の大きさと同時
にドライバ管10に対する負荷インピーダンスの大きさ
も変わる。したがって、トランスコアMCの直流磁化打
ち消し状態の変化とともにドライバ管10に対する負荷
インピーダンスの変化によって、図10の増幅器全体の
聴感上の音質変化を得ることができる。
【0125】抵抗VR50Aの値、および電流i30の
大きさは、図10のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試聴結
果により、適宜変更するとよい。
大きさは、図10のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試聴結
果により、適宜変更するとよい。
【0126】たとえばトランス20の一次定格電流が3
0mAのときに、一次巻線W1に15mAのドライバ管
電流i10を流しているとする。この場合、トランスコ
アMCの直流磁化を打ち消すために磁化制御電流i30
を15mAに設定する必要は、必ずしもない。歪率およ
び周波数特性の最良点と聴感上の最良点とは必ずしも一
致しないから、磁化制御電流i30をたとえばー10m
A〜+20mAの間から選んだ方が聴感上好ましい場合
もあり得る(常にそうとは言えないが)。
0mAのときに、一次巻線W1に15mAのドライバ管
電流i10を流しているとする。この場合、トランスコ
アMCの直流磁化を打ち消すために磁化制御電流i30
を15mAに設定する必要は、必ずしもない。歪率およ
び周波数特性の最良点と聴感上の最良点とは必ずしも一
致しないから、磁化制御電流i30をたとえばー10m
A〜+20mAの間から選んだ方が聴感上好ましい場合
もあり得る(常にそうとは言えないが)。
【0127】なお、図10のプッシュプル回路の出力管
は、DET25に限定されない。出力管電源VB+の電
圧および+バイアス電源60の出力電圧を適当に選べ
ば、高μ高内部抵抗rpの別種送信管(RCA830な
ど)をプッシュプル出力管30Aおよび30Bとして使
用することもできる。
は、DET25に限定されない。出力管電源VB+の電
圧および+バイアス電源60の出力電圧を適当に選べ
ば、高μ高内部抵抗rpの別種送信管(RCA830な
ど)をプッシュプル出力管30Aおよび30Bとして使
用することもできる。
【0128】図11は、図1の回路をベースにして、出
力段をセルフバイアス型傍熱多極管(米国ウエスタンエ
レクトリック350Bあるいはその相当品)で構成した
トランス結合増幅装置(カソード負帰還付シングルアン
プ)を示す。ここでは、ドライブ信号源10として6L
6GC型ビーム管の三極管接続を用い、負荷40として
シングル用出力トランスOPT40を介したスピーカ
(図示せず)を用いている。
力段をセルフバイアス型傍熱多極管(米国ウエスタンエ
レクトリック350Bあるいはその相当品)で構成した
トランス結合増幅装置(カソード負帰還付シングルアン
プ)を示す。ここでは、ドライブ信号源10として6L
6GC型ビーム管の三極管接続を用い、負荷40として
シングル用出力トランスOPT40を介したスピーカ
(図示せず)を用いている。
【0129】すなわち、ドライバ管10の第1グリッド
はグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリッド
抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ドライ
バ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して接地
される。この抵抗Rk1にはカソードバイパスキャパシ
タCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソードは
交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーングリ
ッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管10
のプレートに接続され、このプレートはドライバトラン
ス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(+27
0V)に接続される。ドライバ管10の動作バイアス
は、カソード抵抗Rk1を流れるプレート電流およびス
クリーングリッド電流の和(トランス20の一次電流i
10)による電圧降下で与えられる。
はグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリッド
抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ドライ
バ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して接地
される。この抵抗Rk1にはカソードバイパスキャパシ
タCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソードは
交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーングリ
ッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管10
のプレートに接続され、このプレートはドライバトラン
ス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(+27
0V)に接続される。ドライバ管10の動作バイアス
は、カソード抵抗Rk1を流れるプレート電流およびス
クリーングリッド電流の和(トランス20の一次電流i
10)による電圧降下で与えられる。
【0130】ドライバトランス20の二次巻線W2のホ
ット側は出力管(350B)30のコントロールグリッ
ドに接続され、この二次巻線W2のコールド側は接地さ
れる。出力管30のプレートには、出力トランスOPT
40の一次巻線を介して、出力管電源VB+(たとえば
+350V)が印加される。出力管30のスクリーング
リッドは、出力管電源VB+に直結される。
ット側は出力管(350B)30のコントロールグリッ
ドに接続され、この二次巻線W2のコールド側は接地さ
れる。出力管30のプレートには、出力トランスOPT
40の一次巻線を介して、出力管電源VB+(たとえば
+350V)が印加される。出力管30のスクリーング
リッドは、出力管電源VB+に直結される。
【0131】出力トランスOPT40の二次巻線には、
4Ω〜16Ω程度のインピーダンスを持つスピーカが接
続される。出力管30のカソードはセルフバイアス抵抗
Rk2を介して接地される。出力管30のカソードはさ
らに、バイパスキャパシタCk2を介して出力トランス
OPT40の二次巻線の一方に接続される(出力管30
のコントロールグリッド信号とそのカソードへの帰還信
号が同相になるように接続する)。
4Ω〜16Ω程度のインピーダンスを持つスピーカが接
続される。出力管30のカソードはセルフバイアス抵抗
Rk2を介して接地される。出力管30のカソードはさ
らに、バイパスキャパシタCk2を介して出力トランス
OPT40の二次巻線の一方に接続される(出力管30
のコントロールグリッド信号とそのカソードへの帰還信
号が同相になるように接続する)。
【0132】ドライバトランス20の三次巻線(磁化制
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
【0133】以上の構成では、出力管30のグリッド電
流i20は定常状態ではゼロとみなせるので、ドライバ
トランス20の磁気回路コアMCの直流磁化を電流i2
0で打ち消すことはできない。ドライバ管プレート電流
i10によるトランス20の磁気回路コアMCの直流磁
化は、三次巻線(磁化制御巻線)W3に適当な電流i3
0を流すことで、打ち消すことができる。
流i20は定常状態ではゼロとみなせるので、ドライバ
トランス20の磁気回路コアMCの直流磁化を電流i2
0で打ち消すことはできない。ドライバ管プレート電流
i10によるトランス20の磁気回路コアMCの直流磁
化は、三次巻線(磁化制御巻線)W3に適当な電流i3
0を流すことで、打ち消すことができる。
【0134】たとえば、トランス20の巻線W1,W
2,W3の巻数比が1:2:1であり、ドライバ管プレ
ート電流i10が7mAである場合、巻線W3に図2の
矢印方向に7mAの磁化制御電流i30を流すことで、
トランス20のコアMCの直流磁化を打ち消すことがで
きる。電流i30を5mAに押さえれば、ドライバ管電
流(7mA)i10のうちの2mA分の直流磁化を意図
的に残すことができる。また、電流i30を10mA流
せば、ドライバ管電流(7mA)i10による直流磁化
とは逆方向の磁化状態(巻線W3での3mA分)を意図
的に作り出すことができる。
2,W3の巻数比が1:2:1であり、ドライバ管プレ
ート電流i10が7mAである場合、巻線W3に図2の
矢印方向に7mAの磁化制御電流i30を流すことで、
トランス20のコアMCの直流磁化を打ち消すことがで
きる。電流i30を5mAに押さえれば、ドライバ管電
流(7mA)i10のうちの2mA分の直流磁化を意図
的に残すことができる。また、電流i30を10mA流
せば、ドライバ管電流(7mA)i10による直流磁化
とは逆方向の磁化状態(巻線W3での3mA分)を意図
的に作り出すことができる。
【0135】また、巻線W3に繋がる負荷インピーダン
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば5.6kΩとし巻線W3の直流
抵抗を400Ωとし、巻線W3へ7mAの磁化制御電流
i30を流すとすれば、定電圧電源50Aからは+42
Vが出力される。
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば5.6kΩとし巻線W3の直流
抵抗を400Ωとし、巻線W3へ7mAの磁化制御電流
i30を流すとすれば、定電圧電源50Aからは+42
Vが出力される。
【0136】すなわち、ドライバ管10に対する所定の
交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えたあと、この
抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁化制御電流
(トランスコアの磁化打消電流)i30が流れるよう
に、電源50Aの出力電圧が決定される。
交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えたあと、この
抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁化制御電流
(トランスコアの磁化打消電流)i30が流れるよう
に、電源50Aの出力電圧が決定される。
【0137】あるいは、定電圧電源50Aの出力電圧を
たとえば+50Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを
2.1kΩ〜9.6kΩの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗400Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を20mA〜5mAの間で任意に調整できる。
たとえば+50Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを
2.1kΩ〜9.6kΩの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗400Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を20mA〜5mAの間で任意に調整できる。
【0138】この調整方法を取る場合は、磁化制御電流
i30の大きさと同時にドライバ管10に対する負荷イ
ンピーダンスの大きさも変わる。したがって、トランス
コアMCの直流磁化打ち消し状態の変化とともにドライ
バ管10に対する負荷インピーダンスの変化によって、
図11の増幅器全体の聴感上の音質変化が生じる。ドラ
イバ管10に対する負荷インピーダンスの変化による音
質変化を避けたい場合は、抵抗VR50Aの値を固定
し、定電圧源50Aの出力電圧を変化させればよい。
i30の大きさと同時にドライバ管10に対する負荷イ
ンピーダンスの大きさも変わる。したがって、トランス
コアMCの直流磁化打ち消し状態の変化とともにドライ
バ管10に対する負荷インピーダンスの変化によって、
図11の増幅器全体の聴感上の音質変化が生じる。ドラ
イバ管10に対する負荷インピーダンスの変化による音
質変化を避けたい場合は、抵抗VR50Aの値を固定
し、定電圧源50Aの出力電圧を変化させればよい。
【0139】抵抗VR50Aの値、および電流i30の
大きさは、図11のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果、出力管30
のカソード負帰還量の選定、および試聴結果により、適
宜変更するとよい。
大きさは、図11のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果、出力管30
のカソード負帰還量の選定、および試聴結果により、適
宜変更するとよい。
【0140】なお、図11のシングル回路は、同じマイ
ナスバイアス型傍熱多極管でも、350Bには限定され
ない。バイアス抵抗Rk2の値、出力管電源VB+の電
圧、出力トランスOPT40の一次インピーダンスなど
を適当に選べば、他の多極管(6CA7、6550、K
T88、KT66、6L6GCなど)を出力管30とし
て使用することができる。
ナスバイアス型傍熱多極管でも、350Bには限定され
ない。バイアス抵抗Rk2の値、出力管電源VB+の電
圧、出力トランスOPT40の一次インピーダンスなど
を適当に選べば、他の多極管(6CA7、6550、K
T88、KT66、6L6GCなど)を出力管30とし
て使用することができる。
【0141】また、図11の出力管30はビーム管接続
で使用しているが、出力トランスOPT40の一次巻線
にスクリーングリッドタップ(ウルトラリニアUL接続
端子)が設けられている場合は、出力管30のスクリー
ングリッドを電源VB+ではなくこのウルトラリニアU
L接続端子に接続してもよい。このようにウルトラリニ
アUL接続を採用した場合は、出力トランスOPT40
の二次巻線からキャパシタCk2を介して出力管30の
カソードに戻されるカソード負帰還を省略してもよい。
(この場合、バイパスキャパシタCk2はカソードバイ
アス抵抗Rk2と並列に接続される。)図12は、図1
の回路をベースにして、出力段をダーリントン接続した
バイポーラトランジスタによるシングルエンドプッシュ
プル(SEPP)で構成したトランス結合増幅装置を示
す。ここでは、ドライブ信号源10としてKT66型ビ
ーム管の三極管接続を用い、負荷40としてスピーカ
(図示せず)を直接用いている。
で使用しているが、出力トランスOPT40の一次巻線
にスクリーングリッドタップ(ウルトラリニアUL接続
端子)が設けられている場合は、出力管30のスクリー
ングリッドを電源VB+ではなくこのウルトラリニアU
L接続端子に接続してもよい。このようにウルトラリニ
アUL接続を採用した場合は、出力トランスOPT40
の二次巻線からキャパシタCk2を介して出力管30の
カソードに戻されるカソード負帰還を省略してもよい。
(この場合、バイパスキャパシタCk2はカソードバイ
アス抵抗Rk2と並列に接続される。)図12は、図1
の回路をベースにして、出力段をダーリントン接続した
バイポーラトランジスタによるシングルエンドプッシュ
プル(SEPP)で構成したトランス結合増幅装置を示
す。ここでは、ドライブ信号源10としてKT66型ビ
ーム管の三極管接続を用い、負荷40としてスピーカ
(図示せず)を直接用いている。
【0142】すなわち、ドライバ管10の第1グリッド
はグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリッド
抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ドライ
バ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して接地
される。この抵抗Rk1にはカソードバイパスキャパシ
タCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソードは
交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーングリ
ッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管10
のプレートに接続され、このプレートはドライバトラン
ス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(たとえ
ば+250V)に接続される。(巻線W1のコールド側
がドライバ管10のプレートに繋がる。)ドライバ管1
0の動作バイアスは、カソード抵抗Rk1を流れるプレ
ート電流およびスクリーングリッド電流の和(トランス
20の一次電流i10)による電圧降下で与えられる。
はグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリッド
抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ドライ
バ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して接地
される。この抵抗Rk1にはカソードバイパスキャパシ
タCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソードは
交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーングリ
ッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管10
のプレートに接続され、このプレートはドライバトラン
ス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(たとえ
ば+250V)に接続される。(巻線W1のコールド側
がドライバ管10のプレートに繋がる。)ドライバ管1
0の動作バイアスは、カソード抵抗Rk1を流れるプレ
ート電流およびスクリーングリッド電流の和(トランス
20の一次電流i10)による電圧降下で与えられる。
【0143】ドライバトランス20の第1二次巻線W2
Aのホット側はNPNドライブトランジスタQ01のベ
ースに接続され、そのコールド側は抵抗R11の一端と
R12の一端との接続点に接続される。抵抗R11の他
端はトランジスタQ01のコレクタに接続され、抵抗R
12の他端はエミッタ抵抗Re1の一端に接続される。
抵抗Re1の他端はNPNパワートランジスタQ10の
エミッタに接続される。トランジスタQ10のベースは
トランジスタQ01のエミッタに接続され、トランジス
タQ10のコレクタはトランジスタQ01のコレクタに
接続される。トランジスタQ10およびトランジスタQ
01は図示しない放熱板に取り付けられる。抵抗R12
には負の温度係数を持つサーミスタTH1が並列接続さ
れ、このサーミスタTH1はトランジスタQ10と熱結
合されるようになっている。
Aのホット側はNPNドライブトランジスタQ01のベ
ースに接続され、そのコールド側は抵抗R11の一端と
R12の一端との接続点に接続される。抵抗R11の他
端はトランジスタQ01のコレクタに接続され、抵抗R
12の他端はエミッタ抵抗Re1の一端に接続される。
抵抗Re1の他端はNPNパワートランジスタQ10の
エミッタに接続される。トランジスタQ10のベースは
トランジスタQ01のエミッタに接続され、トランジス
タQ10のコレクタはトランジスタQ01のコレクタに
接続される。トランジスタQ10およびトランジスタQ
01は図示しない放熱板に取り付けられる。抵抗R12
には負の温度係数を持つサーミスタTH1が並列接続さ
れ、このサーミスタTH1はトランジスタQ10と熱結
合されるようになっている。
【0144】ドライバトランス20の第2二次巻線W2
Bのコールド側はNPNドライブトランジスタQ02の
ベースに接続され、そのホット側は抵抗R21の一端と
R22の一端との接続点に接続される。抵抗R21の他
端はトランジスタQ02のコレクタに接続され、抵抗R
22の他端はエミッタ抵抗Re2の一端に接続される。
抵抗Re2の他端はNPNパワートランジスタQ20の
エミッタに接続される。トランジスタQ20のベースは
トランジスタQ02のエミッタに接続され、トランジス
タQ20のコレクタはトランジスタQ02のコレクタに
接続される。トランジスタQ20およびトランジスタQ
02は図示しない放熱板に取り付けられる。抵抗R22
には負の温度係数を持つサーミスタTH2が並列接続さ
れ、このサーミスタTH2はトランジスタQ20と熱結
合されるようになっている。
Bのコールド側はNPNドライブトランジスタQ02の
ベースに接続され、そのホット側は抵抗R21の一端と
R22の一端との接続点に接続される。抵抗R21の他
端はトランジスタQ02のコレクタに接続され、抵抗R
22の他端はエミッタ抵抗Re2の一端に接続される。
抵抗Re2の他端はNPNパワートランジスタQ20の
エミッタに接続される。トランジスタQ20のベースは
トランジスタQ02のエミッタに接続され、トランジス
タQ20のコレクタはトランジスタQ02のコレクタに
接続される。トランジスタQ20およびトランジスタQ
02は図示しない放熱板に取り付けられる。抵抗R22
には負の温度係数を持つサーミスタTH2が並列接続さ
れ、このサーミスタTH2はトランジスタQ20と熱結
合されるようになっている。
【0145】トランジスタQ10のコレクタは大容量電
源キャパシタ(数千μ〜数万μファラド程度)Cb1の
プラス側に接続される。トランジスタQ20のエミッタ
抵抗Re2の一端は大容量電源キャパシタ(数千μ〜数
万μファラド程度)Cb2のマイナス側に接続される。
源キャパシタ(数千μ〜数万μファラド程度)Cb1の
プラス側に接続される。トランジスタQ20のエミッタ
抵抗Re2の一端は大容量電源キャパシタ(数千μ〜数
万μファラド程度)Cb2のマイナス側に接続される。
【0146】トランジスタQ10のエミッタ抵抗Re1
の一端はトランジスタQ20のコレクタに接続され、キ
ャパシタCb1のマイナス側はキャパシタCb2のプラ
ス側に接続される。キャパシタCb1のプラス側および
キャパシタCb2のマイナス側は、電源VB(具体的に
は電源トランスの二次巻線出力をダイオードブリッジで
整流したもの)に接続される。
の一端はトランジスタQ20のコレクタに接続され、キ
ャパシタCb1のマイナス側はキャパシタCb2のプラ
ス側に接続される。キャパシタCb1のプラス側および
キャパシタCb2のマイナス側は、電源VB(具体的に
は電源トランスの二次巻線出力をダイオードブリッジで
整流したもの)に接続される。
【0147】キャパシタCb1のマイナス側およびキャ
パシタCb2のプラス側は接地される。トランジスタQ
10のエミッタ抵抗Re1の一端およびトランジスタQ
20のコレクタは、抵抗Rsp(数100Ω〜数kΩ程
度)を介して、キャパシタCb1のマイナス側とキャパ
シタCb2のプラス側との接続点に接続される。図12
のアンプがドライブするスピーカは、トランジスタQ2
0のコレクタとキャパシタCb1のマイナス側との間
(別の言い方をすればトランジスタQ10のエミッタ抵
抗Re1の一端とキャパシタCb2のプラス側との間)
に接続される。なお、抵抗Rspは、スピーカが接続さ
れない状態においてトランジスタQ20のコレクタ回路
電位が不安定になるを防止する機能を持っている。
パシタCb2のプラス側は接地される。トランジスタQ
10のエミッタ抵抗Re1の一端およびトランジスタQ
20のコレクタは、抵抗Rsp(数100Ω〜数kΩ程
度)を介して、キャパシタCb1のマイナス側とキャパ
シタCb2のプラス側との接続点に接続される。図12
のアンプがドライブするスピーカは、トランジスタQ2
0のコレクタとキャパシタCb1のマイナス側との間
(別の言い方をすればトランジスタQ10のエミッタ抵
抗Re1の一端とキャパシタCb2のプラス側との間)
に接続される。なお、抵抗Rspは、スピーカが接続さ
れない状態においてトランジスタQ20のコレクタ回路
電位が不安定になるを防止する機能を持っている。
【0148】ドライバトランス20の三次巻線(磁化制
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
【0149】以上の構成では、トランジスタQ01のベ
ース電流i20AおよびトランジスタQ02のベース電
流i20Bは定常状態では同じ大きさで流れる方向が逆
であり、かつその電流値も極めて小さい。(トランジス
タQ10、Q20の電流増幅率HFEが100であり、
トランジスタQ01、Q02の電流増幅率HFEが10
0であり、トランジスタQ10、Q20のコレクタアイ
ドリング電流が1000mAであるとすれば、電流i2
0A、i20Bの大きさは0.1mAにしかならな
い。)このため、ドライバ管プレート電流i10による
トランス20の直流磁化を電流i20Aおよびi20B
で打ち消すことはできない。ドライバ管プレート電流i
10によるトランス20の磁気回路コアMCの直流磁化
は、三次巻線(磁化制御巻線)W3に適当な電流i30
を流すことで、打ち消すことができる。
ース電流i20AおよびトランジスタQ02のベース電
流i20Bは定常状態では同じ大きさで流れる方向が逆
であり、かつその電流値も極めて小さい。(トランジス
タQ10、Q20の電流増幅率HFEが100であり、
トランジスタQ01、Q02の電流増幅率HFEが10
0であり、トランジスタQ10、Q20のコレクタアイ
ドリング電流が1000mAであるとすれば、電流i2
0A、i20Bの大きさは0.1mAにしかならな
い。)このため、ドライバ管プレート電流i10による
トランス20の直流磁化を電流i20Aおよびi20B
で打ち消すことはできない。ドライバ管プレート電流i
10によるトランス20の磁気回路コアMCの直流磁化
は、三次巻線(磁化制御巻線)W3に適当な電流i30
を流すことで、打ち消すことができる。
【0150】たとえば、トランス20の巻線W1,W2
A+W2B,W3の巻数比が1:0.1+0.1:1であ
り、ドライバ管プレート電流i10が20mAである場
合、巻線W3に図12の矢印方向に20mAの磁化制御
電流i30を流すことで、トランス20の磁気回路の直
流磁化を打ち消すことができる。
A+W2B,W3の巻数比が1:0.1+0.1:1であ
り、ドライバ管プレート電流i10が20mAである場
合、巻線W3に図12の矢印方向に20mAの磁化制御
電流i30を流すことで、トランス20の磁気回路の直
流磁化を打ち消すことができる。
【0151】また、巻線W3に繋がる負荷インピーダン
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば4.7kΩとし巻線W3の直流
抵抗を220Ωとし、巻線W3へ20mAの磁化制御電
流i30を流すとすれば、定電圧電源50Aは+98.
4Vを出力すればよい。すなわち、ドライバ管10に対
する所定の交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えた
あと、この抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁
化制御電流(トランスコアの磁化打消電流)i30が流
れるように、電源50Aの出力電圧が決定される。
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば4.7kΩとし巻線W3の直流
抵抗を220Ωとし、巻線W3へ20mAの磁化制御電
流i30を流すとすれば、定電圧電源50Aは+98.
4Vを出力すればよい。すなわち、ドライバ管10に対
する所定の交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えた
あと、この抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁
化制御電流(トランスコアの磁化打消電流)i30が流
れるように、電源50Aの出力電圧が決定される。
【0152】あるいは、定電圧電源50Aの出力電圧を
たとえば+50Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を20mA〜5mAの間で任意に調整できる。この調整
方法を取る場合は、磁化制御電流i30の大きさと同時
にドライバ管10に対する負荷インピーダンスの大きさ
も変わる。したがって、トランスコアMCの直流磁化打
ち消し状態の変化とともにドライバ管10に対する負荷
インピーダンスの変化によって、図12の増幅器全体の
聴感上の音質変化を得ることができる。
たとえば+50Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を20mA〜5mAの間で任意に調整できる。この調整
方法を取る場合は、磁化制御電流i30の大きさと同時
にドライバ管10に対する負荷インピーダンスの大きさ
も変わる。したがって、トランスコアMCの直流磁化打
ち消し状態の変化とともにドライバ管10に対する負荷
インピーダンスの変化によって、図12の増幅器全体の
聴感上の音質変化を得ることができる。
【0153】抵抗VR50Aの値、および電流i30の
大きさは、図12のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試聴結
果により、適宜変更するとよい。
大きさは、図12のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試聴結
果により、適宜変更するとよい。
【0154】なお、トランジスタQ01およびQ10を
NPN型とし、トランジスタQ02およびQ20をPN
P型としてコンプリメンタリSEPPを構成した場合
も、この発明の磁化制御巻線付トランス20を利用して
トランス結合増幅装置を作ることができる。
NPN型とし、トランジスタQ02およびQ20をPN
P型としてコンプリメンタリSEPPを構成した場合
も、この発明の磁化制御巻線付トランス20を利用して
トランス結合増幅装置を作ることができる。
【0155】図13は、図1の回路をベースにして、出
力段をパワーMOSFETによるシングルエンドプッシ
ュプル(SEPP)で構成したトランス結合増幅装置を
示す。ここでは、ドライブ信号源10として6V6型ビ
ーム管の三極管接続を用い、負荷40としてスピーカ
(図示せず)を直接用いている。
力段をパワーMOSFETによるシングルエンドプッシ
ュプル(SEPP)で構成したトランス結合増幅装置を
示す。ここでは、ドライブ信号源10として6V6型ビ
ーム管の三極管接続を用い、負荷40としてスピーカ
(図示せず)を直接用いている。
【0156】すなわち、ドライバ管10の第1グリッド
はグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリッド
抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ドライ
バ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して接地
される。この抵抗Rk1にはカソードバイパスキャパシ
タCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソードは
交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーングリ
ッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管10
のプレートに接続され、このプレートはドライバトラン
ス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(たとえ
ば+250V)に接続される。(巻線W1のコールド側
がドライバ管10のプレートに繋がる。)ドライバ管1
0の動作バイアスは、カソード抵抗Rk1を流れるプレ
ート電流およびスクリーングリッド電流の和(トランス
20の一次電流i10)による電圧降下で与えられる。
はグリッド抵抗Rg1を介して接地され、このグリッド
抵抗Rg1の両端に外部信号入力が印加される。ドライ
バ管10のカソードはカソード抵抗Rk1を介して接地
される。この抵抗Rk1にはカソードバイパスキャパシ
タCk1が並列接続され、ドライバ管10のカソードは
交流的に接地される。ドライバ管10のスクリーングリ
ッドはスクリーン抵抗Rsg1を介してドライバ管10
のプレートに接続され、このプレートはドライバトラン
ス20の一次巻線W1を介してドライバ電源1(たとえ
ば+250V)に接続される。(巻線W1のコールド側
がドライバ管10のプレートに繋がる。)ドライバ管1
0の動作バイアスは、カソード抵抗Rk1を流れるプレ
ート電流およびスクリーングリッド電流の和(トランス
20の一次電流i10)による電圧降下で与えられる。
【0157】ドライバトランス20の第1二次巻線W2
Aのホット側はNチャネル型パワーMOSトランジスタ
Q101のゲートに接続され、そのコールド側は抵抗R
11の一端とR12の一端との接続点に接続される。抵
抗R11の他端はトランジスタQ101のドレインに接
続され、抵抗R12の他端はソース抵抗Rs1の一端に
接続される。抵抗Rs1の他端はトランジスタQ101
のソースに接続される。トランジスタQ101は図示し
ない放熱板に取り付けられる。
Aのホット側はNチャネル型パワーMOSトランジスタ
Q101のゲートに接続され、そのコールド側は抵抗R
11の一端とR12の一端との接続点に接続される。抵
抗R11の他端はトランジスタQ101のドレインに接
続され、抵抗R12の他端はソース抵抗Rs1の一端に
接続される。抵抗Rs1の他端はトランジスタQ101
のソースに接続される。トランジスタQ101は図示し
ない放熱板に取り付けられる。
【0158】ドライバトランス20の第2二次巻線W2
Bのコールド側はNチャネル型パワーMOSトランジス
タQ102のゲートに接続され、そのホット側は抵抗R
21の一端とR22の一端との接続点に接続される。抵
抗R21の他端はトランジスタQ102のドレインに接
続され、抵抗R22の他端はソース抵抗Rs2の一端に
接続される。抵抗Rs2の他端はトランジスタQ102
のソースに接続される。トランジスタQ102は図示し
ない放熱板に取り付けられる。
Bのコールド側はNチャネル型パワーMOSトランジス
タQ102のゲートに接続され、そのホット側は抵抗R
21の一端とR22の一端との接続点に接続される。抵
抗R21の他端はトランジスタQ102のドレインに接
続され、抵抗R22の他端はソース抵抗Rs2の一端に
接続される。抵抗Rs2の他端はトランジスタQ102
のソースに接続される。トランジスタQ102は図示し
ない放熱板に取り付けられる。
【0159】トランジスタQ101ドレインは大容量電
源キャパシタ(数千μ〜数万μファラド程度)Cb1の
プラス側に接続される。トランジスタQ102のソース
抵抗Rs2の一端は大容量電源キャパシタ(数千μ〜数
万μファラド程度)Cb2のマイナス側に接続される。
源キャパシタ(数千μ〜数万μファラド程度)Cb1の
プラス側に接続される。トランジスタQ102のソース
抵抗Rs2の一端は大容量電源キャパシタ(数千μ〜数
万μファラド程度)Cb2のマイナス側に接続される。
【0160】トランジスタQ101のソース抵抗Rs1
の一端はトランジスタQ102のドレインに接続され、
キャパシタCb1のマイナス側はキャパシタCb2のプ
ラス側に接続される。キャパシタCb1のプラス側およ
びキャパシタCb2のマイナス側は、電源VB(具体的
には電源トランスの二次巻線出力をダイオードブリッジ
で整流したもの)に接続される。
の一端はトランジスタQ102のドレインに接続され、
キャパシタCb1のマイナス側はキャパシタCb2のプ
ラス側に接続される。キャパシタCb1のプラス側およ
びキャパシタCb2のマイナス側は、電源VB(具体的
には電源トランスの二次巻線出力をダイオードブリッジ
で整流したもの)に接続される。
【0161】キャパシタCb1のマイナス側およびキャ
パシタCb2のプラス側は接地される。トランジスタQ
101のソース抵抗Rs1の一端およびトランジスタQ
102のドレインは、抵抗Rsp(数100Ω〜数kΩ
程度)を介して、キャパシタCb1のマイナス側とキャ
パシタCb2のプラス側との接続点に接続される。図1
3のアンプがドライブするスピーカは、トランジスタQ
102のドレインとキャパシタCb1のマイナス側との
間(別の言い方をすればトランジスタQ101のソース
抵抗Rs1の一端とキャパシタCb2のプラス側との
間)に接続される。なお、抵抗Rspは、スピーカが接
続されない状態においてトランジスタQ102のドレイ
ン回路電位が不安定になるを防止する機能を持ってい
る。
パシタCb2のプラス側は接地される。トランジスタQ
101のソース抵抗Rs1の一端およびトランジスタQ
102のドレインは、抵抗Rsp(数100Ω〜数kΩ
程度)を介して、キャパシタCb1のマイナス側とキャ
パシタCb2のプラス側との接続点に接続される。図1
3のアンプがドライブするスピーカは、トランジスタQ
102のドレインとキャパシタCb1のマイナス側との
間(別の言い方をすればトランジスタQ101のソース
抵抗Rs1の一端とキャパシタCb2のプラス側との
間)に接続される。なお、抵抗Rspは、スピーカが接
続されない状態においてトランジスタQ102のドレイ
ン回路電位が不安定になるを防止する機能を持ってい
る。
【0162】ドライバトランス20の三次巻線(磁化制
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
【0163】以上の構成では、MOSトランジスタQ1
01のゲート電流i20AおよびMOSトランジスタQ
102のゲート電流i20Bは殆どゼロとなる。このた
め、ドライバ管プレート電流i10によるトランス20
の直流磁化を電流i20Aおよびi20Bで打ち消すこ
とはできない。ドライバ管プレート電流i10によるト
ランス20の磁気回路コアMCの直流磁化は、三次巻線
(磁化制御巻線)W3に適当な電流i30を流すこと
で、打ち消すことができる。
01のゲート電流i20AおよびMOSトランジスタQ
102のゲート電流i20Bは殆どゼロとなる。このた
め、ドライバ管プレート電流i10によるトランス20
の直流磁化を電流i20Aおよびi20Bで打ち消すこ
とはできない。ドライバ管プレート電流i10によるト
ランス20の磁気回路コアMCの直流磁化は、三次巻線
(磁化制御巻線)W3に適当な電流i30を流すこと
で、打ち消すことができる。
【0164】たとえば、トランス20の巻線W1,W2
A+W2B,W3の巻数比が1:0.5+0.5:1であ
り、ドライバ管プレート電流i10が10mAである場
合、巻線W3に図13の矢印方向に10mAの磁化制御
電流i30を流すことで、トランス20の磁気回路の直
流磁化を打ち消すことができる。
A+W2B,W3の巻数比が1:0.5+0.5:1であ
り、ドライバ管プレート電流i10が10mAである場
合、巻線W3に図13の矢印方向に10mAの磁化制御
電流i30を流すことで、トランス20の磁気回路の直
流磁化を打ち消すことができる。
【0165】また、巻線W3に繋がる負荷インピーダン
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば4.7kΩとし巻線W3の直流
抵抗を220Ωとし、巻線W3へ10mAの磁化制御電
流i30を流すとすれば、定電圧電源50Aは+49.
2Vを出力すればよい。すなわち、ドライバ管10に対
する所定の交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えた
あと、この抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁
化制御電流(トランスコアの磁化打消電流)i30が流
れるように、電源50Aの出力電圧が決定される。
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば4.7kΩとし巻線W3の直流
抵抗を220Ωとし、巻線W3へ10mAの磁化制御電
流i30を流すとすれば、定電圧電源50Aは+49.
2Vを出力すればよい。すなわち、ドライバ管10に対
する所定の交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えた
あと、この抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁
化制御電流(トランスコアの磁化打消電流)i30が流
れるように、電源50Aの出力電圧が決定される。
【0166】あるいは、定電圧電源50Aの出力電圧を
たとえば+25Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を10mA〜2.5mAの間で任意に調整できる。この
調整方法を取る場合は、磁化制御電流i30の大きさと
同時にドライバ管10に対する負荷インピーダンスの大
きさも変わる。したがって、トランスコアMCの直流磁
化打ち消し状態の変化とともにドライバ管10に対する
負荷インピーダンスの変化によって、図13の増幅器全
体の聴感上の音質変化を得ることができる。
たとえば+25Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を10mA〜2.5mAの間で任意に調整できる。この
調整方法を取る場合は、磁化制御電流i30の大きさと
同時にドライバ管10に対する負荷インピーダンスの大
きさも変わる。したがって、トランスコアMCの直流磁
化打ち消し状態の変化とともにドライバ管10に対する
負荷インピーダンスの変化によって、図13の増幅器全
体の聴感上の音質変化を得ることができる。
【0167】抵抗VR50Aの値、および電流i30の
大きさは、図13のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試聴結
果により、適宜変更するとよい。
大きさは、図13のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試聴結
果により、適宜変更するとよい。
【0168】なお、トランジスタQ101をNチャネル
型とし、トランジスタQ102をPチャネル型としてコ
ンプリメンタリSEPPを構成した場合も、この発明の
磁化制御巻線付トランス20を利用してトランス結合増
幅装置を作ることができる。
型とし、トランジスタQ102をPチャネル型としてコ
ンプリメンタリSEPPを構成した場合も、この発明の
磁化制御巻線付トランス20を利用してトランス結合増
幅装置を作ることができる。
【0169】また、ドライバ管10をNチャネル型FE
Tで構成すれば、トランス結合のオールFETアンプを
構成することもできる。
Tで構成すれば、トランス結合のオールFETアンプを
構成することもできる。
【0170】図12または図13のアンプにおいてSE
PP出力側のアース(スピーカの一端アース)をドライ
ブ管10側のアースと分離すれば、グランド分離型広帯
域不平衡増幅器を得ることができる。
PP出力側のアース(スピーカの一端アース)をドライ
ブ管10側のアースと分離すれば、グランド分離型広帯
域不平衡増幅器を得ることができる。
【0171】図14は、図13の変形例であって、出力
段をブリッジ接続(あるいはBTL接続)したパワーM
OSFETで構成したトランス結合増幅装置を示す。ド
ライバ管の回路構成は図13と共通である。
段をブリッジ接続(あるいはBTL接続)したパワーM
OSFETで構成したトランス結合増幅装置を示す。ド
ライバ管の回路構成は図13と共通である。
【0172】ドライバトランス20の第1二次巻線W2
Aのホット側はNチャネル型パワーMOSトランジスタ
Q101のゲートに接続され、そのコールド側は抵抗R
11の一端とR12の一端との接続点に接続される。抵
抗R11の他端はトランジスタQ101のドレインに接
続され、抵抗R12の他端はソース抵抗Rs1の一端に
接続される。抵抗Rs1の他端はトランジスタQ101
のソースに接続される。トランジスタQ101は図示し
ない放熱板に取り付けられる。
Aのホット側はNチャネル型パワーMOSトランジスタ
Q101のゲートに接続され、そのコールド側は抵抗R
11の一端とR12の一端との接続点に接続される。抵
抗R11の他端はトランジスタQ101のドレインに接
続され、抵抗R12の他端はソース抵抗Rs1の一端に
接続される。抵抗Rs1の他端はトランジスタQ101
のソースに接続される。トランジスタQ101は図示し
ない放熱板に取り付けられる。
【0173】ドライバトランス20の第2二次巻線W2
Bのコールド側はNチャネル型パワーMOSトランジス
タQ102のゲートに接続され、そのホット側は抵抗R
21の一端とR22の一端との接続点に接続される。抵
抗R21の他端はトランジスタQ102のドレインに接
続され、抵抗R22の他端はソース抵抗Rs2の一端に
接続される。抵抗Rs2の他端はトランジスタQ102
のソースに接続される。トランジスタQ102は図示し
ない放熱板に取り付けられる。
Bのコールド側はNチャネル型パワーMOSトランジス
タQ102のゲートに接続され、そのホット側は抵抗R
21の一端とR22の一端との接続点に接続される。抵
抗R21の他端はトランジスタQ102のドレインに接
続され、抵抗R22の他端はソース抵抗Rs2の一端に
接続される。抵抗Rs2の他端はトランジスタQ102
のソースに接続される。トランジスタQ102は図示し
ない放熱板に取り付けられる。
【0174】ドライバトランス20の第3二次巻線W2
Cのコールド側はNチャネル型パワーMOSトランジス
タQ103のゲートに接続され、そのホット側は抵抗R
31の一端とR32の一端との接続点に接続される。抵
抗R31の他端はトランジスタQ103のドレインに接
続され、抵抗R32の他端はソース抵抗Rs3の一端に
接続される。抵抗Rs3の他端はトランジスタQ103
のソースに接続される。トランジスタQ103は図示し
ない放熱板に取り付けられる。
Cのコールド側はNチャネル型パワーMOSトランジス
タQ103のゲートに接続され、そのホット側は抵抗R
31の一端とR32の一端との接続点に接続される。抵
抗R31の他端はトランジスタQ103のドレインに接
続され、抵抗R32の他端はソース抵抗Rs3の一端に
接続される。抵抗Rs3の他端はトランジスタQ103
のソースに接続される。トランジスタQ103は図示し
ない放熱板に取り付けられる。
【0175】ドライバトランス20の第2二次巻線W2
Dのホット側はNチャネル型パワーMOSトランジスタ
Q104のゲートに接続され、そのコールド側は抵抗R
41の一端とR42の一端との接続点に接続される。抵
抗R41の他端はトランジスタQ104のドレインに接
続され、抵抗R42の他端はソース抵抗Rs4の一端に
接続される。抵抗Rs4の他端はトランジスタQ104
のソースに接続される。トランジスタQ104は図示し
ない放熱板に取り付けられる。
Dのホット側はNチャネル型パワーMOSトランジスタ
Q104のゲートに接続され、そのコールド側は抵抗R
41の一端とR42の一端との接続点に接続される。抵
抗R41の他端はトランジスタQ104のドレインに接
続され、抵抗R42の他端はソース抵抗Rs4の一端に
接続される。抵抗Rs4の他端はトランジスタQ104
のソースに接続される。トランジスタQ104は図示し
ない放熱板に取り付けられる。
【0176】トランジスタQ101およびQ103ドレ
インは大容量電源キャパシタ(数千μ〜数万μファラド
程度)Cbのプラス側に接続される。トランジスタQ1
02のソース抵抗Rs2の一端およびトランジスタQ1
04のソース抵抗Rs4の一端は、大容量電源キャパシ
タ(数千μ〜数万μファラド程度)Cbのマイナス側に
接続される。トランジスタQ101のソース抵抗Rs1
の一端はトランジスタQ102のドレインに接続され、
トランジスタQ103のソース抵抗Rs3の一端はトラ
ンジスタQ104のドレインに接続される。
インは大容量電源キャパシタ(数千μ〜数万μファラド
程度)Cbのプラス側に接続される。トランジスタQ1
02のソース抵抗Rs2の一端およびトランジスタQ1
04のソース抵抗Rs4の一端は、大容量電源キャパシ
タ(数千μ〜数万μファラド程度)Cbのマイナス側に
接続される。トランジスタQ101のソース抵抗Rs1
の一端はトランジスタQ102のドレインに接続され、
トランジスタQ103のソース抵抗Rs3の一端はトラ
ンジスタQ104のドレインに接続される。
【0177】図14のアンプがドライブするスピーカ
は、トランジスタQ102のドレインとトランジスタQ
103のソース抵抗Rs3の一端との間(別の言い方を
すればトランジスタQ101のソース抵抗Rs1の一端
とトランジスタQ104のドレインとの間)に接続され
る。
は、トランジスタQ102のドレインとトランジスタQ
103のソース抵抗Rs3の一端との間(別の言い方を
すればトランジスタQ101のソース抵抗Rs1の一端
とトランジスタQ104のドレインとの間)に接続され
る。
【0178】ドライバトランス20の三次巻線(磁化制
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
御巻線)W3のホット側は接地され、そのコールド側は
可変抵抗器VR50Aを介して定電圧電源50Aのプラ
ス端子に接続される。電源50Aのマイナス端子は接地
される。
【0179】以上の構成では、MOSトランジスタQ1
01〜Q104のゲート電流はいずれも殆どゼロとな
る。このため、ドライバ管プレート電流i10によるト
ランス20の直流磁化を第1二次巻線W2A〜第4二次
巻線W2Dの電流で打ち消すことはできない。したがっ
て、ドライバ管プレート電流i10によるトランス20
の磁気回路コアMCの直流磁化は、三次巻線(磁化制御
巻線)W3に適当な電流i30を流すことで、打ち消す
ことができる。
01〜Q104のゲート電流はいずれも殆どゼロとな
る。このため、ドライバ管プレート電流i10によるト
ランス20の直流磁化を第1二次巻線W2A〜第4二次
巻線W2Dの電流で打ち消すことはできない。したがっ
て、ドライバ管プレート電流i10によるトランス20
の磁気回路コアMCの直流磁化は、三次巻線(磁化制御
巻線)W3に適当な電流i30を流すことで、打ち消す
ことができる。
【0180】たとえば、トランス20の巻線W1,W2
A+W2B+W2C+W2D,W3の巻数比が1:0.
5+0.5+0.5+0.5:1であり、ドライバ管プレ
ート電流i10が10mAである場合、巻線W3に図1
4の矢印方向に10mAの磁化制御電流i30を流すこ
とで、トランス20の磁気回路の直流磁化を打ち消すこ
とができる。
A+W2B+W2C+W2D,W3の巻数比が1:0.
5+0.5+0.5+0.5:1であり、ドライバ管プレ
ート電流i10が10mAである場合、巻線W3に図1
4の矢印方向に10mAの磁化制御電流i30を流すこ
とで、トランス20の磁気回路の直流磁化を打ち消すこ
とができる。
【0181】また、巻線W3に繋がる負荷インピーダン
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば4.7kΩとし巻線W3の直流
抵抗を220Ωとし、巻線W3へ10mAの磁化制御電
流i30を流すとすれば、定電圧電源50Aは+49.
2Vを出力すればよい。すなわち、ドライバ管10に対
する所定の交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えた
あと、この抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁
化制御電流(トランスコアの磁化打消電流)i30が流
れるように、電源50Aの出力電圧が決定される。
スは、抵抗VR50Aにより決定することができる。抵
抗VR50Aをたとえば4.7kΩとし巻線W3の直流
抵抗を220Ωとし、巻線W3へ10mAの磁化制御電
流i30を流すとすれば、定電圧電源50Aは+49.
2Vを出力すればよい。すなわち、ドライバ管10に対
する所定の交流負荷の大きさを抵抗VR50Aで与えた
あと、この抵抗VR50Aを介して巻線W3へ所定の磁
化制御電流(トランスコアの磁化打消電流)i30が流
れるように、電源50Aの出力電圧が決定される。
【0182】あるいは、定電圧電源50Aの出力電圧を
たとえば+25Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を10mA〜2.5mAの間で任意に調整できる。この
調整方法を取る場合は、磁化制御電流i30の大きさと
同時にドライバ管10に対する負荷インピーダンスの大
きさも変わる。したがって、トランスコアMCの直流磁
化打ち消し状態の変化とともにドライバ管10に対する
負荷インピーダンスの変化によって、図14の増幅器全
体の聴感上の音質変化を得ることができる。
たとえば+25Vに固定し、可変抵抗器VR50Aを2
280Ω〜9780Ωの間で調整する(この場合、巻線
W3の直流抵抗220Ωを加算すると2.5kΩ〜10
kΩの間で抵抗値が変化する)と、磁化制御電流i30
を10mA〜2.5mAの間で任意に調整できる。この
調整方法を取る場合は、磁化制御電流i30の大きさと
同時にドライバ管10に対する負荷インピーダンスの大
きさも変わる。したがって、トランスコアMCの直流磁
化打ち消し状態の変化とともにドライバ管10に対する
負荷インピーダンスの変化によって、図14の増幅器全
体の聴感上の音質変化を得ることができる。
【0183】抵抗VR50Aの値、および電流i30の
大きさは、図14のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試聴結
果により、適宜変更するとよい。
大きさは、図14のパワーアンプの完成後、電気的特性
(歪み特性、周波数特性など)の測定結果および試聴結
果により、適宜変更するとよい。
【0184】なお、トランジスタQ101およびQ10
3をNチャネル型とし、トランジスタQ102およびQ
104をPチャネル型としてコンプリメンタリSEPP
ブリッジを構成した場合も、この発明の磁化制御巻線付
トランス20を利用してトランス結合増幅装置を作るこ
とができる。
3をNチャネル型とし、トランジスタQ102およびQ
104をPチャネル型としてコンプリメンタリSEPP
ブリッジを構成した場合も、この発明の磁化制御巻線付
トランス20を利用してトランス結合増幅装置を作るこ
とができる。
【0185】また、ドライバ管10をNチャネル型FE
Tで構成すれば、トランス結合のオールFET・BTL
(ブリッジ)アンプを構成することもできる。
Tで構成すれば、トランス結合のオールFET・BTL
(ブリッジ)アンプを構成することもできる。
【0186】なお、MOSトランジスタQ101をNチ
ャネル型とし、MOSトランジスタQ102をPチャネ
ル型として第1のコンプリメンタリSEPPを構成する
ときは、MOSトランジスタQ101およびトランジス
タQ102を共通の同相信号でドライブできるので、ト
ランス20の二次巻線W2AまたはW2Bのいずれか一
方を省略できる。
ャネル型とし、MOSトランジスタQ102をPチャネ
ル型として第1のコンプリメンタリSEPPを構成する
ときは、MOSトランジスタQ101およびトランジス
タQ102を共通の同相信号でドライブできるので、ト
ランス20の二次巻線W2AまたはW2Bのいずれか一
方を省略できる。
【0187】同様に、MOSトランジスタQ103をN
チャネル型とし、MOSトランジスタQ104をPチャ
ネル型として第2のコンプリメンタリSEPPを構成す
るときは、MOSトランジスタQ103およびトランジ
スタQ104を共通の逆相信号でドライブできるので、
トランス20の二次巻線W2CまたはW2Dのいずれか
一方を省略できる。
チャネル型とし、MOSトランジスタQ104をPチャ
ネル型として第2のコンプリメンタリSEPPを構成す
るときは、MOSトランジスタQ103およびトランジ
スタQ104を共通の逆相信号でドライブできるので、
トランス20の二次巻線W2CまたはW2Dのいずれか
一方を省略できる。
【0188】図14のBTLアンプでは出力側(スピー
カの両端)がアースから浮いており、かつは出力側(ス
ピーカの両端)が平衡出力となっているから出力側のア
ース(図示せず)をドライブ管10側のアースと分離す
れば、グランド分離型広帯域平衡増幅器を得ることがで
きる。
カの両端)がアースから浮いており、かつは出力側(ス
ピーカの両端)が平衡出力となっているから出力側のア
ース(図示せず)をドライブ管10側のアースと分離す
れば、グランド分離型広帯域平衡増幅器を得ることがで
きる。
【0189】なお、例示した各種実施の形態では、ドラ
イブトランス20をドライブする能動素子として三極管
接続したビーム管が用いられているが、このドライブ素
子は三極管接続しない多極管でもよいし、純粋な三極管
でもよいし、バイポーラトランジスタでもよいし、種々
な形式の電解効果トランジスタ(ジャンクションFE
T、V−FET、MOSーFETなど)でもよい。
イブトランス20をドライブする能動素子として三極管
接続したビーム管が用いられているが、このドライブ素
子は三極管接続しない多極管でもよいし、純粋な三極管
でもよいし、バイポーラトランジスタでもよいし、種々
な形式の電解効果トランジスタ(ジャンクションFE
T、V−FET、MOSーFETなど)でもよい。
【0190】また、ドライブトランス20の一次側駆動
信号は、真空管プレート回路から取り出す代わりに、カ
ソード回路から取り出してもよい。
信号は、真空管プレート回路から取り出す代わりに、カ
ソード回路から取り出してもよい。
【0191】この発明は、クラーフ方式のように結合キ
ャパシタを用いることなく、結合トランスの一次巻線に
直流電流を流しながらもトランス磁気回路の直流磁化を
防止若しくは低減して、広い周波数領域に分布する交流
信号の低域から高域までを広帯域電力伝送するトランス
結合増幅装置(広帯域アンプシステム)を提供するもの
である。この発明の具体的用途を例示すると、次のよう
になる: (1)トランス結合型真空管シングルパワーアンプ(図
2、図8、図11など)。
ャパシタを用いることなく、結合トランスの一次巻線に
直流電流を流しながらもトランス磁気回路の直流磁化を
防止若しくは低減して、広い周波数領域に分布する交流
信号の低域から高域までを広帯域電力伝送するトランス
結合増幅装置(広帯域アンプシステム)を提供するもの
である。この発明の具体的用途を例示すると、次のよう
になる: (1)トランス結合型真空管シングルパワーアンプ(図
2、図8、図11など)。
【0192】(2)結合トランスを位相反転に利用した
トランス結合型真空管あるいは半導体プッシュプルアン
プ(図9、図10、図12〜図14など)。
トランス結合型真空管あるいは半導体プッシュプルアン
プ(図9、図10、図12〜図14など)。
【0193】(3)真空管あるいは半導体を用いたトラ
ンス結合広帯域アンプ(たとえば図8あるいは図13に
おいて、ドライバ管10として低内部抵抗で高周波特性
のよいビデオ増幅用高gm管あるいは高gmFETを用
い、トランス20の一次/二次インピーダンスを低めに
取ると、広帯域トランス結合アンプが得られる)。
ンス結合広帯域アンプ(たとえば図8あるいは図13に
おいて、ドライバ管10として低内部抵抗で高周波特性
のよいビデオ増幅用高gm管あるいは高gmFETを用
い、トランス20の一次/二次インピーダンスを低めに
取ると、広帯域トランス結合アンプが得られる)。
【0194】(4)グランド分離型広帯域平衡増幅器
(たとえば図9の構成において、トランス20の直列二
次巻線対W2AおよびW2Bから平衡出力を取り出し、
二次巻線対W2AおよびW2Bの接続点/センタータッ
プのグランドを、ドライバ管10のグランド回路から分
離したもの)。
(たとえば図9の構成において、トランス20の直列二
次巻線対W2AおよびW2Bから平衡出力を取り出し、
二次巻線対W2AおよびW2Bの接続点/センタータッ
プのグランドを、ドライバ管10のグランド回路から分
離したもの)。
【0195】(5)グランド分離型広帯域不平衡増幅器
(たとえば図2の構成において、トランス20の二次巻
線W2のホット側から平衡出力を取り出し、二次巻線W
2のコールド側グランドを、ドライバ管10のグランド
回路から分離したもの)。
(たとえば図2の構成において、トランス20の二次巻
線W2のホット側から平衡出力を取り出し、二次巻線W
2のコールド側グランドを、ドライバ管10のグランド
回路から分離したもの)。
【0196】
【発明の効果】この発明では、結合トランス20の一次
巻線W1に直流電流i10を流しても、この電流i10
による直流磁化が打ち消される方向の電流i30を磁化
制御巻線W3に流すように構成したから、トランス20
の磁気回路を高透磁率の磁性材料でギャップなし(ある
いはナローギャップ)に構成できる。すると、比較的大
きな一次インダクタンスを確保しながらもトランスコア
のサイズを小さくできるから、巻線サイズもコンパクト
なものとなり、結果的に伝送周波数範囲の広い(つまり
ワイドレンジな)トランス結合増幅器が得られる。
巻線W1に直流電流i10を流しても、この電流i10
による直流磁化が打ち消される方向の電流i30を磁化
制御巻線W3に流すように構成したから、トランス20
の磁気回路を高透磁率の磁性材料でギャップなし(ある
いはナローギャップ)に構成できる。すると、比較的大
きな一次インダクタンスを確保しながらもトランスコア
のサイズを小さくできるから、巻線サイズもコンパクト
なものとなり、結果的に伝送周波数範囲の広い(つまり
ワイドレンジな)トランス結合増幅器が得られる。
【0197】また、磁化制御巻線W3に流す磁化制御電
流i30によりトランス20の直流磁化状態を任意に調
整できるから、トランス20を含む増幅器全体の特性
(図3〜図7)を色々と変化させることができる。
流i30によりトランス20の直流磁化状態を任意に調
整できるから、トランス20を含む増幅器全体の特性
(図3〜図7)を色々と変化させることができる。
【0198】さらに、磁化制御巻線W3に磁化制御電流
i30を供給する電源50の内部抵抗(図1のVR50
AまたはVR50B)を調整することにより、ドライバ
管10に対する交流的な負荷状態を変えることが可能に
なる。この交流負荷状態の調整によりドライバ管10の
歪み発生状態が変化し、結果的に、ドライバ管10の二
次歪みによる出力管30の二次歪みの打ち消し量を任意
にコントロールできるようになる。
i30を供給する電源50の内部抵抗(図1のVR50
AまたはVR50B)を調整することにより、ドライバ
管10に対する交流的な負荷状態を変えることが可能に
なる。この交流負荷状態の調整によりドライバ管10の
歪み発生状態が変化し、結果的に、ドライバ管10の二
次歪みによる出力管30の二次歪みの打ち消し量を任意
にコントロールできるようになる。
【0199】さらに、直流磁化量制御電源50の内部抵
抗(図1のVR50AまたはVR50B)と磁化制御電
流i30の大きさを適切に調整すると、増幅器全体でみ
た歪率特性/周波数特性のバランスを取ることができ、
小型広帯域トランス20を用いた高効率電力伝送を実現
できる。
抗(図1のVR50AまたはVR50B)と磁化制御電
流i30の大きさを適切に調整すると、増幅器全体でみ
た歪率特性/周波数特性のバランスを取ることができ、
小型広帯域トランス20を用いた高効率電力伝送を実現
できる。
【0200】さらに、トランスドライブ信号源10がシ
ングルエンドであっても、小型広帯域トランス20を用
いて位相反転、平衡出力、グランド分離などを容易に実
現できる。
ングルエンドであっても、小型広帯域トランス20を用
いて位相反転、平衡出力、グランド分離などを容易に実
現できる。
【0201】さらに、三相200Vインバータ等におい
てパワーICをトランスドライブする場合にも、この発
明を利用できる。すなわち、直流磁化制御巻線を備えた
ドライブトランス20からパワーICをドライブする電
流を取り出すように構成する。そして、トランス20が
そのドライブ回路により直流磁化される場合、直流磁化
制御巻線に適宜電流を流すことにより、この直流磁化を
打ち消す。このようにすれば、一次電流・二次電流がア
ンバランスな状態でエアギャップのない小型トランス2
0を使用しても、トランスコアの直流磁化を避けながら
パワーICを十分にパワードライブできる。
てパワーICをトランスドライブする場合にも、この発
明を利用できる。すなわち、直流磁化制御巻線を備えた
ドライブトランス20からパワーICをドライブする電
流を取り出すように構成する。そして、トランス20が
そのドライブ回路により直流磁化される場合、直流磁化
制御巻線に適宜電流を流すことにより、この直流磁化を
打ち消す。このようにすれば、一次電流・二次電流がア
ンバランスな状態でエアギャップのない小型トランス2
0を使用しても、トランスコアの直流磁化を避けながら
パワーICを十分にパワードライブできる。
【図1】この発明の一実施の形態に係るトランス結合増
幅装置(シングルアンプ)の概要を説明する回路図。を
説明する図。
幅装置(シングルアンプ)の概要を説明する回路図。を
説明する図。
【図2】図1の回路をベースにして、出力段をセルフバ
イアス型直熱三極管(定常状態でグリッド電流なし)で
構成したトランス結合増幅装置(シングルアンプ)を説
明する回路図。
イアス型直熱三極管(定常状態でグリッド電流なし)で
構成したトランス結合増幅装置(シングルアンプ)を説
明する回路図。
【図3】図2のトランス結合増幅装置において、トラン
ス20の磁化制御巻線W3を図1の定電流源50Bで励
磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁化制御電流)
に対する増幅器の出力電圧の関係を説明するグラフ図。
ス20の磁化制御巻線W3を図1の定電流源50Bで励
磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁化制御電流)
に対する増幅器の出力電圧の関係を説明するグラフ図。
【図4】図2のトランス結合増幅装置において、トラン
ス20の磁化制御巻線W3を図1の定電流源50Bで励
磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁化制御電流)
に対する増幅器の出力歪みの関係を説明するグラフ図。
ス20の磁化制御巻線W3を図1の定電流源50Bで励
磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁化制御電流)
に対する増幅器の出力歪みの関係を説明するグラフ図。
【図5】図2のトランス結合増幅装置において、トラン
ス20の磁化制御巻線W3を図1の定電圧源50Aで励
磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁化制御電流)
に対する増幅器の出力電圧の関係を説明するグラフ図。
ス20の磁化制御巻線W3を図1の定電圧源50Aで励
磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁化制御電流)
に対する増幅器の出力電圧の関係を説明するグラフ図。
【図6】図2のトランス結合増幅装置において、トラン
ス20の磁化制御巻線W3を図1の定電圧源50Aで励
磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁化制御電流)
に対する増幅器の出力歪みの関係を説明するグラフ図。
ス20の磁化制御巻線W3を図1の定電圧源50Aで励
磁した場合の、巻線W3励磁電流(直流磁化制御電流)
に対する増幅器の出力歪みの関係を説明するグラフ図。
【図7】図2のトランス結合増幅装置において、定電圧
源50Aによりトランス20の直流磁化を打ち消した場
合の出力電圧周波数応答(太い実線)と、定電流源50
Bによりトランス20の直流磁化を打ち消した場合の出
力電圧周波数応答(太い破線)と、トランス20の直流
磁化打消を行わない場合の出力電圧周波数応答(細い実
線)とを例示するグラフ図。
源50Aによりトランス20の直流磁化を打ち消した場
合の出力電圧周波数応答(太い実線)と、定電流源50
Bによりトランス20の直流磁化を打ち消した場合の出
力電圧周波数応答(太い破線)と、トランス20の直流
磁化打消を行わない場合の出力電圧周波数応答(細い実
線)とを例示するグラフ図。
【図8】図1の回路をベースにして、出力段を固定プラ
スバイアス型直熱三極管(定常状態でトランス20の直
流磁化を打ち消す方向にグリッド電流が流れる)で構成
したトランス結合増幅装置(シングルアンプ)を説明す
る回路図。
スバイアス型直熱三極管(定常状態でトランス20の直
流磁化を打ち消す方向にグリッド電流が流れる)で構成
したトランス結合増幅装置(シングルアンプ)を説明す
る回路図。
【図9】図1の回路をベースにして、出力段を1対のセ
ルフバイアス型直熱三極管(定常状態でグリッド電流な
し)で構成したトランス結合増幅装置(プッシュプルア
ンプ)を説明する回路図。
ルフバイアス型直熱三極管(定常状態でグリッド電流な
し)で構成したトランス結合増幅装置(プッシュプルア
ンプ)を説明する回路図。
【図10】図1の回路をベースにして、出力段を1対の
固定プラスバイアス型直熱三極管(定常状態でグリッド
電流が流れる)で構成したトランス結合増幅装置(プッ
シュプルアンプ)を説明する回路図。
固定プラスバイアス型直熱三極管(定常状態でグリッド
電流が流れる)で構成したトランス結合増幅装置(プッ
シュプルアンプ)を説明する回路図。
【図11】図1の回路をベースにして、出力段をセルフ
バイアス型傍熱多極管(定常状態でグリッド電流なし)
で構成したトランス結合増幅装置(カソードNF付シン
グルアンプ)を説明する回路図。
バイアス型傍熱多極管(定常状態でグリッド電流なし)
で構成したトランス結合増幅装置(カソードNF付シン
グルアンプ)を説明する回路図。
【図12】図1の回路をベースにして、出力段をシング
ルエンドプッシュプル(SEPP)のバイポーラトラン
ジスタ(定常状態でベース電流が流れる)で構成したト
ランス結合増幅装置を説明する回路図。
ルエンドプッシュプル(SEPP)のバイポーラトラン
ジスタ(定常状態でベース電流が流れる)で構成したト
ランス結合増幅装置を説明する回路図。
【図13】図1の回路をベースにして、出力段をシング
ルエンドプッシュプル(SEPP)のMOSFET(定
常状態でベース電流なし)で構成したトランス結合増幅
装置を説明する回路図。
ルエンドプッシュプル(SEPP)のMOSFET(定
常状態でベース電流なし)で構成したトランス結合増幅
装置を説明する回路図。
【図14】図13の変形例であって、出力段をブリッジ
接続(あるいはBTL接続)のMOSFET(定常状態
でベース電流なし)で構成したトランス結合増幅装置を
説明する回路図。
接続(あるいはBTL接続)のMOSFET(定常状態
でベース電流なし)で構成したトランス結合増幅装置を
説明する回路図。
10…ドライバ管; 20…ドライブトランス(結合トランス); W1…一次巻線;W2…二次巻線;W3…磁化制御巻
線; 30…出力管(出力手段;シングル用);30A,30
B…出力管(出力手段;PP用); 40…負荷(出力トランスあるいはスピーカ); 40PP…プッシュプル用出力トランス(出力合成手
段); 50…直流磁化量制御電源; 50A…電圧可変の定電圧源;50B…電流可変の定電
流源; 60…定電圧源(出力管を+バイアスするバイアス手
段) VR50A…定電圧源の可変内部抵抗;VR50B…定
電流源の可変内部抵抗; Rg1…グリッド抵抗;Rsg1…スクリーン抵抗; Rk1,Rk2…カソードバイアス抵抗(セルフバイア
ス用); VRF…フィラメントハムバランサ; Rb…出力管+バイアスの電流制限抵抗; Ck1,Ck2…カソードバイパスキャパシタ; Q01,Q02,Q10,Q20…バイポーラトランジ
スタ; Q101〜Q104…MOSFET; TH1,TH2…サーミスタ; R11〜R44…バイアス回路抵抗; Re1,Re2…エミッタ抵抗; Rs1〜Rs4…ソース抵抗。
線; 30…出力管(出力手段;シングル用);30A,30
B…出力管(出力手段;PP用); 40…負荷(出力トランスあるいはスピーカ); 40PP…プッシュプル用出力トランス(出力合成手
段); 50…直流磁化量制御電源; 50A…電圧可変の定電圧源;50B…電流可変の定電
流源; 60…定電圧源(出力管を+バイアスするバイアス手
段) VR50A…定電圧源の可変内部抵抗;VR50B…定
電流源の可変内部抵抗; Rg1…グリッド抵抗;Rsg1…スクリーン抵抗; Rk1,Rk2…カソードバイアス抵抗(セルフバイア
ス用); VRF…フィラメントハムバランサ; Rb…出力管+バイアスの電流制限抵抗; Ck1,Ck2…カソードバイパスキャパシタ; Q01,Q02,Q10,Q20…バイポーラトランジ
スタ; Q101〜Q104…MOSFET; TH1,TH2…サーミスタ; R11〜R44…バイアス回路抵抗; Re1,Re2…エミッタ抵抗; Rs1〜Rs4…ソース抵抗。
Claims (10)
- 【請求項1】磁気回路コアに一次巻線、二次巻線、およ
び三次巻線を施したドライブトランスと;ドライブ段直
流電流が重畳された交流ドライブ信号を前記ドライブト
ランスの一次巻線に流すドライブ信号源と;前記ドライ
ブトランスの一次巻線に流された交流ドライブ信号に対
応した交流信号を前記ドライブトランスの二次巻線から
取り出し、この二次巻線交流信号を増幅する出力手段
と;前記ドライブトランスの磁気回路コアの直流磁化の
程度が変わるように、前記ドライブトランスの三次巻線
へ所定の磁化制御電流を提供する直流磁化量制御手段と
を備え、 所定の状態が得られるように、前記ドライブ段直流電流
による前記ドライブトランスの磁気回路コアの直流磁化
状態を前記磁化制御電流により変更できるように構成し
たことを特徴とするトランス結合増幅装置。 - 【請求項2】磁気回路コアに一次巻線、二次巻線、およ
び三次巻線を施したドライブトランスと;ドライブ段直
流電流が重畳された交流ドライブ信号を前記ドライブト
ランスの一次巻線に流すドライブ信号源と;前記ドライ
ブトランスの一次巻線に流された交流ドライブ信号に対
応した交流信号を前記ドライブトランスの二次巻線から
取り出し、この二次巻線交流信号を増幅する出力手段
と;前記ドライブトランスの磁気回路コアの直流磁化の
程度が変わるように前記ドライブトランスの三次巻線へ
所定の磁化制御電流を提供するものであって、所定の内
部インピーダンスを持つ直流磁化量制御手段とを備え、 前記ドライブトランスの磁気回路コアの直流磁化の程度
が減少される状態となるように、前記ドライブトランス
の三次巻線へ前記磁化制御電流を流すとともに、 前記ドライブトランスの一次巻線から二次巻線までの周
波数応答特性を含む増幅器特性が所定の特性となるよう
に、前記ドライブトランスの三次巻線へ流れる前記磁化
制御電流の大きさおよび前記直流磁化量制御手段の内部
インピーダンスを選択するように構成したことを特徴と
するトランス結合増幅装置。 - 【請求項3】磁気回路コアに一次巻線、第1二次巻線、
第2二次巻線、および三次巻線を施したドライブトラン
スと;ドライブ段直流電流が重畳された交流ドライブ信
号を前記ドライブトランスの一次巻線に流すドライブ信
号源と;前記ドライブトランスの一次巻線に流された交
流ドライブ信号に対応した第1交流信号を前記ドライブ
トランスの第1二次巻線から取り出し、この第1交流信
号を増幅する第1出力手段と;前記ドライブトランスの
一次巻線に流された交流ドライブ信号に対応するもので
あって前記第1交流信号に対して逆位相の第2交流信号
を前記ドライブトランスの第2二次巻線から取り出し、
この第2交流信号を増幅する第2出力手段と;前記第1
交流信号を増幅した前記第1出力手段の第1出力および
前記第2交流信号を増幅した前記第2出力手段の第2出
力を合成して出力する出力合成手段と;前記ドライブト
ランスの磁気回路コアの直流磁化の程度が変わるよう
に、前記ドライブトランスの三次巻線へ所定の磁化制御
電流を提供する直流磁化量制御手段とを備え、 所定の状態が得られるように、前記ドライブ段直流電流
による前記ドライブトランスの磁気回路コアの直流磁化
状態を前記磁化制御電流により変更できるように構成し
たことを特徴とするトランス結合増幅装置。 - 【請求項4】磁気回路コアに一次巻線、第1二次巻線、
第2二次巻線、および三次巻線を施したドライブトラン
スと;ドライブ段直流電流が重畳された交流ドライブ信
号を前記ドライブトランスの一次巻線に流すドライブ信
号源と;前記ドライブトランスの一次巻線に流された交
流ドライブ信号に対応した第1交流信号を前記ドライブ
トランスの第1二次巻線から取り出し、この第1交流信
号を増幅する第1出力手段と;前記ドライブトランスの
一次巻線に流された交流ドライブ信号に対応するもので
あって前記第1交流信号に対して逆位相の第2交流信号
を前記ドライブトランスの第2二次巻線から取り出し、
この第2交流信号を増幅する第2出力手段と;前記第1
交流信号を増幅した前記第1出力手段の第1出力および
前記第2交流信号を増幅した前記第2出力手段の第2出
力を合成して出力する出力合成手段と;前記ドライブト
ランスの磁気回路コアの直流磁化の程度が変わるよう
に、前記ドライブトランスの三次巻線へ所定の磁化制御
電流を提供する直流磁化量制御手段とを備え、 前記ドライブトランスの磁気回路コアの直流磁化の程度
が減少される状態となるように、前記ドライブトランス
の三次巻線へ前記磁化制御電流を流すとともに、 前記ドライブトランスの一次巻線から二次巻線までの周
波数応答特性を含む増幅器特性が所定の特性となるよう
に、前記ドライブトランスの三次巻線へ流れる前記磁化
制御電流の大きさおよび前記直流磁化量制御手段の内部
インピーダンスを選択するように構成したことを特徴と
するトランス結合増幅装置。 - 【請求項5】磁気回路コアに一次巻線、二次巻線、およ
び三次巻線を施したドライブトランスと;ドライブ段直
流電流が重畳された交流ドライブ信号を前記ドライブト
ランスの一次巻線に流すドライブ信号源と;前記ドライ
ブトランスの一次巻線に流された交流ドライブ信号に対
応した交流信号を前記ドライブトランスの二次巻線から
取り出し、この二次巻線交流信号を増幅する出力手段
と;前記ドライブトランスの一次巻線に流された前記ド
ライブ段直流電流による前記磁気回路コアの直流磁化の
程度が軽減される方向に、前記ドライブトランスの二次
巻線を介して前記出力手段へ直流バイアス電流を供給す
るバイアス手段と;前記ドライブトランスの磁気回路コ
アの直流磁化の程度が変わるように、前記ドライブトラ
ンスの三次巻線へ所定の磁化制御電流を提供する直流磁
化量制御手段とを備え、 所定の状態が得られるように、前記ドライブ段直流電流
および前記直流バイアス電流による前記ドライブトラン
スの磁気回路コアの直流磁化状態を、前記磁化制御電流
により変更できるように構成したことを特徴とするトラ
ンス結合増幅装置。 - 【請求項6】磁気回路コアに一次巻線、二次巻線、およ
び三次巻線を施したドライブトランスと;ドライブ段直
流電流が重畳された交流ドライブ信号を前記ドライブト
ランスの一次巻線に流すドライブ信号源と;前記ドライ
ブトランスの一次巻線に流された交流ドライブ信号に対
応した交流信号を前記ドライブトランスの二次巻線から
取り出し、この二次巻線交流信号を増幅する出力手段
と;前記ドライブトランスの一次巻線に流された前記ド
ライブ段直流電流による前記磁気回路コアの直流磁化の
程度が軽減される方向に、前記ドライブトランスの二次
巻線を介して前記出力手段へ直流バイアス電流を供給す
るバイアス手段と;前記ドライブトランスの磁気回路コ
アの直流磁化の程度が変わるように、前記ドライブトラ
ンスの三次巻線へ所定の磁化制御電流を提供する直流磁
化量制御手段とを備え、 前記ドライブトランスの一次巻線から二次巻線までの周
波数応答特性を含む増幅器特性が所定の特性となるよう
に、前記ドライブトランスの三次巻線へ流れる前記磁化
制御電流の大きさおよび前記直流磁化量制御手段の内部
インピーダンスを選択するように構成したことを特徴と
するトランス結合増幅装置。 - 【請求項7】磁気回路コアに一次巻線、第1二次巻線、
第2二次巻線、および三次巻線を施したドライブトラン
スと;ドライブ段直流電流が重畳された交流ドライブ信
号を前記ドライブトランスの一次巻線に流すドライブ信
号源と;前記ドライブトランスの一次巻線に流された交
流ドライブ信号に対応した第1交流信号を前記ドライブ
トランスの第1二次巻線から取り出し、この第1交流信
号を増幅する第1出力手段と;前記ドライブトランスの
一次巻線に流された交流ドライブ信号に対応するもので
あって前記第1交流信号に対して逆位相の第2交流信号
を前記ドライブトランスの第2二次巻線から取り出し、
この第2交流信号を増幅する第2出力手段と;前記第1
交流信号を増幅した前記第1出力手段の第1出力および
前記第2交流信号を増幅した前記第2出力手段の第2出
力を合成して出力する出力合成手段と;前記ドライブト
ランスの第1二次巻線を介して前記第1出力手段へ第1
直流バイアス電流を供給するとともに、前記ドライブト
ランスの第2二次巻線を介して前記第2出力手段へ第2
直流バイアス電流を供給するバイアス手段と;前記ドラ
イブトランスの磁気回路コアの直流磁化の程度が変わる
ように、前記ドライブトランスの三次巻線へ所定の磁化
制御電流を提供する直流磁化量制御手段とを備え、 所定の状態が得られるように、前記ドライブ段直流電流
による前記ドライブトランスの磁気回路コアの直流磁化
状態を前記磁化制御電流により変更できるように構成し
たことを特徴とするトランス結合増幅装置。 - 【請求項8】磁気回路コアに一次巻線、第1二次巻線、
第2二次巻線、および三次巻線を施したドライブトラン
スと;ドライブ段直流電流が重畳された交流ドライブ信
号を前記ドライブトランスの一次巻線に流すドライブ信
号源と;前記ドライブトランスの一次巻線に流された交
流ドライブ信号に対応した第1交流信号を前記ドライブ
トランスの第1二次巻線から取り出し、この第1交流信
号を増幅する第1出力手段と;前記ドライブトランスの
一次巻線に流された交流ドライブ信号に対応するもので
あって前記第1交流信号に対して逆位相の第2交流信号
を前記ドライブトランスの第2二次巻線から取り出し、
この第2交流信号を増幅する第2出力手段と;前記第1
交流信号を増幅した前記第1出力手段の第1出力および
前記第2交流信号を増幅した前記第2出力手段の第2出
力を合成して出力する出力合成手段と;前記ドライブト
ランスの第1二次巻線を介して前記第1出力手段へ第1
直流バイアス電流を供給するとともに、前記ドライブト
ランスの第2二次巻線を介して前記第2出力手段へ第2
直流バイアス電流を供給するバイアス手段と;前記ドラ
イブトランスの磁気回路コアの直流磁化の程度が変わる
ように、前記ドライブトランスの三次巻線へ所定の磁化
制御電流を提供する直流磁化量制御手段とを備え、 前記ドライブトランスの一次巻線から二次巻線までの周
波数応答特性を含む増幅器特性が所定の特性となるよう
に、前記ドライブトランスの三次巻線へ流れる前記磁化
制御電流の大きさおよび前記直流磁化量制御手段の内部
インピーダンスを選択するように構成したことを特徴と
するトランス結合増幅装置。 - 【請求項9】前記直流磁化量制御手段が、所定の内部抵
抗を持つ定電圧源を含むことを特徴とする請求項1ない
し請求項8のいずれかに記載の増幅装置。 - 【請求項10】前記直流磁化量制御手段が、所定の内部
抵抗を持つ定電流源を含むことを特徴とする請求項1な
いし請求項8のいずれかに記載の増幅装置。
Priority Applications (2)
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---|---|---|---|
JP8106610A JPH09294027A (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | トランス結合増幅装置 |
US08/847,769 US5838196A (en) | 1996-04-26 | 1997-04-23 | Transformer-coupled amplifier |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8106610A JPH09294027A (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | トランス結合増幅装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09294027A true JPH09294027A (ja) | 1997-11-11 |
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ID=14437897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8106610A Pending JPH09294027A (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | トランス結合増幅装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5838196A (ja) |
JP (1) | JPH09294027A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006025043A (ja) * | 2004-07-06 | 2006-01-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 増幅装置 |
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US6144258A (en) * | 1998-03-27 | 2000-11-07 | Schwenk; Tracy R. | Apparatus and method for amplifying an audio signal without reference to ground |
CN101888213A (zh) * | 2010-04-30 | 2010-11-17 | 苏州英诺迅科技有限公司 | 线性度和效率提高的推挽式射频功率放大器 |
CN101888216A (zh) * | 2010-04-30 | 2010-11-17 | 苏州英诺迅科技有限公司 | 推挽式结构射频功率放大器 |
US10218320B1 (en) * | 2017-08-31 | 2019-02-26 | Echowell Electronics Co., Ltd. | Vacuum tube audio amplifier |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS58196705A (ja) * | 1982-05-11 | 1983-11-16 | Kazutoshi Yamada | 音声用真空管増幅器 |
US5422599A (en) * | 1993-07-16 | 1995-06-06 | Larsen; Lawrence E. | Single-ended, transformer coupled audio amplifiers |
-
1996
- 1996-04-26 JP JP8106610A patent/JPH09294027A/ja active Pending
-
1997
- 1997-04-23 US US08/847,769 patent/US5838196A/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006025043A (ja) * | 2004-07-06 | 2006-01-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 増幅装置 |
Also Published As
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US5838196A (en) | 1998-11-17 |
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