JPH09293460A - カラー受像管 - Google Patents

カラー受像管

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JPH09293460A
JPH09293460A JP10761896A JP10761896A JPH09293460A JP H09293460 A JPH09293460 A JP H09293460A JP 10761896 A JP10761896 A JP 10761896A JP 10761896 A JP10761896 A JP 10761896A JP H09293460 A JPH09293460 A JP H09293460A
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公一 西方
Masao Hayashi
正夫 林
Kazuya Fushimoto
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2229/00Details of cathode ray tubes or electron beam tubes
    • H01J2229/07Shadow masks
    • H01J2229/0727Aperture plate
    • H01J2229/0766Details of skirt or border
    • H01J2229/0772Apertures, cut-outs, depressions, or the like

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  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程中の熱工程においてシャドウマスク
の曲面が変形し、そのシャドウマスクの曲面の変形に伴
い、カラー受像管の色純度が劣化する。 【解決手段】 シャドウマスクが、シャドウマスク本体
9とこのシャドウマスク本体9の周囲を囲むように備え
られたマスクフレーム10とを有し、シャドウマスク本
体9の周囲に備えられたスカート部とマスクフレーム1
0の内面部とが固着されているカラー受像管において、
シャドウマスク本体9のコーナー部におけるスカート部
11に切り込み17が形成され、コーナー部におけるス
カート部11の長さがシャドウマスク本体9の対角線の
長さの4.5%から6.0%の範囲内にある構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャドウマスク本
体の曲面の変形に伴うカラーブラウン管の色純度の劣化
を防止する技術に関し、詳しくは、製造工程における熱
工程時のシャドウマスクの熱変形を防止するシャドウマ
スク本体の形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シャドウマスク型カラー受像管は、図2
に示すように、パネル1、シャドウマスク2、ファンネ
ル3、偏向ヨーク4、ネック5、電子銃6およびスクリ
ーン8を有している。図2におけるシャドウマスク2
は、電子銃6から放出される電子ビーム7を選別してス
クリーン8に正しくランディングさせるために設けられ
ている。
【0003】シャドウマスク2は、図1に示すように、
シャドウマスク本体9とマスクフレーム10とにより構
成されている。このシャドウマスク本体9とマスクフレ
ーム10とは、シャドウマスク本体9のスカート部11
と、マスクフレーム10の内面部とがシャドウマスクの
長辺中央、短辺中央、各コーナーにあたる位置で溶接さ
れることによって構成されている。
【0004】また、スカート部11とマスクフレーム1
0の溶接点近傍、すなわち、シャドウマスク2の対角部
および長辺、短辺の各中央部には切り込み17が設けら
れている。この切り込み17は、金属薄板をプレス成型
してスカート部11を形成する際の肉余りの防止のた
め、また、カラー受像管動作時に電子ビームが射突する
ことによって生ずるシャドウマスク本体9の温度上昇に
ともなう、マスク曲面の変形を防止するためのものであ
る。
【0005】このようなシャドウマスク2は、シャドウ
マスク本体9の曲面を保持するために、スカート部11
をマスクフレーム10内に押し込むようにして組み合わ
されて溶接されるので、スカート部11とマスクフレー
ム10との接合部や、溶接機により相互に押圧される溶
接部に応力歪みを残しやすい。
【0006】シャドウマスク型カラー受像管を製造する
際には、スクリーン8形成後のパネル1の内面にシャド
ウマスク2が配設され、そのパネル1とファンネル3と
に対しフリット封着工程および排気工程等が行われる。
そうすると、これらの各工程(フリット封着工程および
排気工程等)の際の加熱等により、シャドウマスク2の
溶接部分およびその周辺に残っていた歪みが解放され、
シャドウマスク本体9の曲面を変形させてしまう。この
シャドウマスク本体9の曲面の変形が、カラーブラウン
管の色純度を劣化させる。
【0007】シャドウマスク本体9に用いるための材料
としては、厚さ0.1〜0.2mm程度のアルミキルド
(AK)材、もしくは近年の受像管の大型高輝度に伴っ
て開発されたインバー材(低膨脹材料)等が考えられ
る。マスクフレーム10としては、軟鋼材により形成さ
れているものが一般的である。
【0008】以上の二種類(AK材製、インバー材製)
のシャドウマスクについて製造工程時におけるシャドウ
マスク本体9の変形の大小を調査したところ、インバー
材製のものの方が、AK材製のものに比べて変形が大き
いということが確認できた。このシャドウマスク本体9
の変形の相違は、シャドウマスク本体9とマスクフレー
ム10との熱膨脹の違いによるものである。AK材製シ
ャドウマスク(以下「AKマスク」ともいう。)はマス
クフレーム10とほぼ同じ熱膨脹率であるが、インバー
材製シャドウマスク(以下「インバーマスク」ともい
う。)はマスクフレーム10より熱膨張率が小さいため
に、溶接部での熱膨張差の影響をシャドウマスク本体9
が受け易くなる。
【0009】そこで従来から製造工程時においては、シ
ャドウマスク2を加熱して歪みによる変形をあらかじめ
除去する、ダミーベーキング処理(例えば450度以上
で40〜50分)を行っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のシャドウマスクにおいては、シャドウマス
ク本体に、特に熱工程での変形の大きなインバー材製の
ものを用いている場合はもちろん、比較的熱変形の小さ
なAK材製のものであっても、より精度の良いシャドウ
マスクを得るためにはダミーベーキングが不可欠であ
る。
【0011】このダミーベーキングは、後の熱工程でシ
ャドウマスクに加わる熱量よりも大きい熱量を与えなく
てはならないので、前述のように最高温度が450度以
上、その保持時間が40〜50分以上とする必要があ
る。従って、ダミーベーキング工程全体では約3時間の
時間が必要となる。
【0012】このような、膨大な時間とエネルギーを要
する工程が必要であることは、カラー受像管の製造を行
う上で、生産効率・生産コストの上で大きな問題となっ
ていた。
【0013】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、シャドウマスク曲面のカラー受像管
製造工程中の熱変形を、ダミーベーキング工程なしで防
止し、カラー受像管の色純度を劣化させないとともに、
カラー受像管生産工程のコスト削減と生産性の向上を図
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るカラー受像管は、シャドウマスクがシャ
ドウマスク本体とこのシャドウマスク本体の周囲を囲む
ように備えられたマスクフレームとを有し、前記シャド
ウマスク本体の周囲に備えられたスカート部と前記マス
クフレームの内面部とが固着されているカラー受像管に
おいて、前記シャドウマスク本体のコーナー部における
前記スカート部に切り込みが形成され、前記コーナー部
における前記スカート部の長さが前記シャドウマスク本
体の対角線の長さの4.5%から6.0%の範囲内にあ
ることを特徴とする。
【0015】従来、熱工程によりシャドウマスク本体の
熱膨脹変位とマスクフレームの熱膨張変位とが異なると
きに、溶接部に歪が加わり溶接部のスカート部が変形し
て、その影響がシャドウマスク曲面に現れていたが、本
発明のような構成にすることにより、規定されたスカー
ト部のその長さによって熱膨張変位を吸収し、スカート
部の変形がシャドウマスク曲面に影響するのを防止する
ことができる。
【0016】また、前記切り込みの長さが、前記スカー
ト部の長さの60%から90%の範囲内にあることが好
ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
および実施例に基づいて説明する。図2は、シャドウマ
スク型カラー受像管の断面図を示している。このカラー
受像管は、その外側が箱型のパネル1と漏斗型のファン
ネル3とにより構成され、パネル1の内面に蛍光体の塗
布されたスクリーン8を有し、これに対面する形でシャ
ドウマスク2が配置されている。また、ファンネル3の
ネック5内には電子銃6が備えられており、その電子銃
6から放射された電子ビーム7が、ファンネル3の外周
に配置された偏向ヨーク4の磁界により偏向してシャド
ウマスク2の孔を通り、スクリーン8にランディングし
てカラー画像を表示している。
【0018】図1は、シャドウマスク2の斜視図を示し
ている。この図1に示されているシャドウマスク2は、
シャドウマスク本体9とマスクフレーム10とにより構
成され、両者はシャドウマスク本体9のスカート部11
とマスクフレーム10の側面で溶接されて組立られてい
る。
【0019】一例として、シャドウマスク本体9の材料
としてインバー材を用いて板厚0.1mmとし、マスク
フレーム10の材料として軟鋼材を用いて板厚1.2m
mとし、36cm管のシャドウマスクを形成した。この
とき、シャドウマスク本体9の対角線の長さは320m
m、コーナー溶接部スカート部寸法は、図3に示すよう
に、スカート部の長さ12は15mm(従来は10m
m)、切り込み17の長さ13は13mm(従来は8m
m)とした。溶接位置14は、従来と同様スカート部先
端より1〜2mmの範囲とした。
【0020】以上のような寸法のシャドウマスク本体9
とマスクフレーム10とを用いてシャドウマスク2を形
成すると、コーナー溶接部のスカート部が、溶接時の熱
による歪みの発生を効果的に吸収する。そこで、このシ
ャドウマスク2を用いてカラー受像管を作製すると、熱
工程の際に、シャドウマスク2の溶接時の歪み等に起因
して発生していたシャドウマスク本体9の曲面変形を減
少させることが可能となり、従来のダミーベーキングを
行った場合と同等の品質のカラー受像管を得ることがで
きる。
【0021】したがって、従来のダミーベーキングを行
ってカラーブラウン管の色純度を保っていた場合と同様
の品質を、本実施形態に係るシャドウマスク2を用いる
ことにより、ダミーベーキングを行わずに得ることがで
きる。
【0022】図4は、本実施形態に係るシャドウマスク
と従来のシャドウマスクとの熱工程時における曲面変形
量を示したグラフであり、それぞれのシャドウマスク2
は36cm管インバーマスクである。このグラフにおい
て、●は、熱工程時における従来のシャドウマスク本体
の曲面変形量15を示し、○は、熱工程時における本実
施形態に係るシャドウマスク本体の曲面変形量16を示
している。本実施形態に係るシャドウマスク本体は、上
述したように、コーナー溶接部スカート部寸法を規定し
ている。
【0023】この図から明らかなように、従来品の曲面
変形量15と、本実施形態に係るシャドウマスク本体の
曲面変形量16とは、各測定位置において、その値が大
きく異なっている。コーナー溶接部スカート部寸法を規
定した本実施形態に係るシャドウマスク本体の方が、す
べての測定位置において良好な結果(曲面変形量が小さ
い)を示している。
【0024】本実施形態において、コーナー溶接部スカ
ート部寸法を規定したのは、スカート部11の変形に余
裕を持たせるためである。コーナー溶接部の剛性は他の
溶接部に比べて高いために従来品においては、そのコー
ナー溶接部の状態がシャドウマスク本体9の曲面に直接
影響を与えていた。しかし本実施形態においては、コー
ナー溶接部スカート部に溶接の際の変形を考慮した切込
み等を入れてその寸法を規定したので、溶接時における
熱膨脹をスカート部11で緩和することが可能となり、
シャドウマスク本体9への影響を減少させることができ
る。また、熱膨張によるスカート部11のシャドウマス
ク本体9への影響は、コーナー溶接部においては他の溶
接部と逆方向の変化を示す。本実施形態によれば、この
変化量の絶対値を小さくすることが可能である。
【0025】図5は、コーナー部スカート長さとランデ
ィング変化量との関係を示すグラフである。この図にお
いて、コーナー部スカート長さがシャドウマスク本体の
対角線の長さの4.4%以下のときには、ランディング
変化量が0.02mm以上となるので、十分な効果は得
られず、コーナー部スカート長さがシャドウマスク本体
の対角線の長さの6.1%以上になると、一定量(ラン
ディング変化量がほぼ0.01mm)以下の効果は望め
ない。したがって本発明に係る実施形態においては、コ
ーナー部スカート長さをシャドウマスク本体の対角線の
長さの4.5%から6.0%までとした。
【0026】また、スカート部の切り込み寸法について
は、コーナー部スカート長さの59%以下では効果が得
られず、コーナー部スカート長さの91%以上では強度
的に問題があるという結果が得られた。したがって、本
発明に係る実施形態においては、スカート部の切り込み
寸法をコーナー部スカート長さの60%から90%まで
とした。
【0027】本実施形態においては、36cm管の場合
について説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はない。例えば、他のサイズや品種(大型管、ワイド
管)についても、板厚や曲面形状等の条件に合せて、本
発明の範囲内でコーナー溶接部のスカート部11の寸法
を調整することにより、本実施形態と同様の効果を得る
ことができる。
【0028】また、本実施形態においては、インバーマ
スクを用いてダミーベーキングを行わずにシャドウマス
クを製作した場合について説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、例えば、AKマスクを用いる
場合においても、本発明を実施することにより、熱処理
による曲面変形を減少させるという効果を得ることがで
きる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、シ
ャドウマスク本体のコーナー部のスカート部および切り
込みの寸法を規定することにより、熱工程時のスカート
部の変形に起因するシャドウマスク曲面の変形を防止す
ることができるので、製造工程中の熱処理によるシャド
ウマスク曲面の変形に伴うカラー受像管の色純度の劣化
を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー受像管に備えられるシャドウマスクの斜
視図
【図2】カラー受像管の概略断面図
【図3】本発明の実施形態に係るシャドウマスクのコー
ナー溶接部におけるスカート部の概略図
【図4】36cm管インバーマスクに、本発明の実施形
態に係るシャドウマスク本体と従来技術に係るシャドウ
マスク本体とを用いて、それぞれに熱工程を経た場合に
おける、それぞれのシャドウマスク本体の各測定位置の
曲面変形量を示したグラフ
【図5】シャドウマスク本体のコーナー部のスカート長
さ比率と、カラー受像管の色純度劣化基準となるランデ
ィング変化量との関係を示したグラフ
【符号の説明】
2 シャドウマスク 9 シャドウマスク本体 10 マスクフレーム 11 スカート部 12 スカート部の長さ 13 切り込みの長さ 17 切り込み

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャドウマスクが、シャドウマスク本体
    とこのシャドウマスク本体の周囲を囲むように備えられ
    たマスクフレームとを有し、前記シャドウマスク本体の
    周囲に備えられたスカート部と前記マスクフレームの内
    面部とが固着されているカラー受像管において、前記シ
    ャドウマスク本体のコーナー部における前記スカート部
    に切り込みが形成され、前記コーナー部における前記ス
    カート部の長さが前記シャドウマスク本体の対角線の長
    さの4.5%から6.0%の範囲内にあることを特徴と
    するカラー受像管。
  2. 【請求項2】 前記切り込みの長さが、前記スカート部
    の長さの60%から90%の範囲内にある請求項1記載
    のカラー受像管。
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