JPH092919A - 新規ゲル化剤及びゲル組成物 - Google Patents

新規ゲル化剤及びゲル組成物

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JPH092919A
JPH092919A JP7151261A JP15126195A JPH092919A JP H092919 A JPH092919 A JP H092919A JP 7151261 A JP7151261 A JP 7151261A JP 15126195 A JP15126195 A JP 15126195A JP H092919 A JPH092919 A JP H092919A
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JP
Japan
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water
protein
agent
gel composition
insoluble protein
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JP7151261A
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Yuuki Miyauchi
勇貴 宮内
Takashi Ichimura
孝 市村
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ジスルフィド結合を有する水不溶性蛋白質の
ジスルフィド結合中のスルフィド基の一部又は全部がカ
ルボキシメチルジスルフィド基(-S-S-CH2COOH)で置換
された水可溶性蛋白質を有効成分とするゲル化剤及び当
該水可溶性蛋白質及び親水性媒体を含有するゲル組成
物。 【効果】 このゲル化剤は、ゲル化能に優れているだけ
でなく、安全性が高く、生分解性も良好であり、これを
用いて得られるゲル組成物は化粧料、医薬、食品、繊維
等の分野に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゲル化剤及びゲル組成物
に関し、更に詳細には化粧料、医薬、食品、繊維原料等
の分野で広く使用できるゲル化剤及び当該ゲル化剤を含
むゲル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料、医薬あるいは食品の分野におい
て近年広く使用されている剤型にゲル製剤がある。ゲル
製剤は化粧料の分野では、ゼリーあるいはジェルと呼称
される剤型で、外観状態が均一で透明〜半透明を示して
おり、水々しい感触を与えることから水分補給、保湿、
血行促進、洗浄・メイク落とし用製品等に使用されてい
る。
【0003】かかるゲル製剤は、通常カルボキシビニル
ポリマー、メチルセルロース等の水溶性高分子のゲル化
能や界面活性剤のゲル化能や液晶構造を利用して製造さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ゲル化剤では安全性、ゲル化能、生分解性、生体適合性
等の面で充分満足できない場合も多く、更に新たなゲル
化剤の開発が望まれている。従って本発明の目的はゲル
化能に優れ、かつ安全性の高いゲル化剤及びこれを用い
たゲル組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは従来
の多糖類や合成高分子でなく蛋白質に着目して種々検討
した結果、水不溶性蛋白質にカルボキシメチルジスルフ
ィド基を導入することにより水可溶性とした蛋白質が、
優れたゲル化能を有し、かつ安全性、生分解性が高くゲ
ル化剤として有用であること及びこのゲル化剤と親水性
媒体とを組み合せて用いれば広い分野で利用可能なゲル
組成物が得られることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち本発明は、ジスルフィド結合を有
する水不溶性蛋白質のジスルフィド結合中のスルフィド
基の一部又は全部がカルボキシメチルジスルフィド基
(-S-S-CH2COOH)で置換された水可溶性蛋白質を有効成
分とするゲル化剤を提供するものである。
【0007】また、本発明は上記水可溶性蛋白質及び親
水性媒体を含有するゲル組成物を提供するものである。
【0008】本発明に用いられる水可溶性蛋白質は、例
えばジスルフィド結合を有する水不溶性蛋白質を還元
後、酸化剤の存在下にチオグリコール酸を反応させるこ
とにより製造することができる。
【0009】ここで使用される水不溶性蛋白質として
は、天然のケチラン蛋白質、例えば動物の毛、羽毛、
蹄、角、爪等が挙げられる。動物の毛としては、特にそ
の種を限定するものではないが、例えばメリノ種、リン
カーン種などの羊毛、人毛などが挙げられる。これらの
水不溶性蛋白質は、必要により細断又は粉砕した後、適
当な還元剤水溶液に浸漬し、還元する。
【0010】還元に使用される還元剤としては、水に溶
解する還元剤であればその種類を問わないが、チオグリ
コール酸又はその塩、チオ乳酸又はその塩、チオグリセ
ロール、ジチオスレイトール、2−メルカプトエタノー
ル、システアミン、グルタチオン、チオ尿素、トリ−n
−ブチルフォスフィン、水素化ホウ素ナトリウム等が好
ましく、そのうちチオグリコール酸又はその塩が最も好
ましい。チオグリコール酸及びチオ乳酸の塩の例として
は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙
げられる。
【0011】使用する還元剤の量は、水不溶性蛋白質中
のジスルフィド結合をSH基量より適宜計算して求める
ことができるが、1gの水不溶性蛋白質に対し、0.0
005〜0.5モル、特に0.005〜0.05モルが
好ましい。当該溶液の濃度は、通常0.01M〜10
M、特に0.1M〜1Mであることが好ましい。
【0012】また、還元剤としてチオグリコール酸を利
用する場合、チオグリコール酸量は、水不溶性蛋白質中
のジスルフィド結合をSH基に還元した後も、酸化によ
ってカルボキシメチルジスルフィドを形成するのに必要
な量を残存させておくこともできる。
【0013】還元剤のアルカリ水溶液のpHは、7〜13
の範囲、特にpH9〜12の範囲とすることが好ましい。
還元剤として酸を用いた場合、水溶液のpHを調整するた
めに用いるアルカリ剤は、特に限定されるものではない
が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミンの他、アル
ギニン、リジンなどの塩基性アミノ酸、重炭酸ナトリウ
ム、重炭酸アンモニウムなどの塩を1種類又は2種類以
上を組み合せて使用することが好ましい。また、還元濃
度は10〜60℃程度、還元時間は10分〜48時間程
度とするのが好ましい。
【0014】また、水不溶性蛋白質の可溶化効率を向上
させるためには、必要により、還元操作の後、蛋白質変
性剤を用いても良い。このような蛋白質変性剤として
は、2〜8Mの尿素水溶液又は2〜5Mの塩酸グアニジ
ン水溶液が使用される。この蛋白質変性剤による処理
は、通常還元された水不溶性蛋白質を0〜40℃で1〜
48時間程度、攪拌しつつ浸漬することにより行われ
る。
【0015】上記の還元反応が終了した後、この蛋白質
とチオグリコール酸とを酸化剤の存在下で反応させる。
このとき、上記の還元処理における還元剤としてチオグ
リコール酸が用いられており、かつ充分な量のチオグリ
コール酸が残存している場合は、このチオグリコール酸
を反応に用いることができる。一方、上記の還元処理に
おける還元剤としてチオグリコール酸以外のものが用い
られていた場合は、還元処理を行った蛋白質を濾集し、
還元剤水溶液を充分取り除いた後、今度はチオグリコー
ル酸水溶液に浸漬するのが好ましい。
【0016】使用するチオグリコール酸の量は、水不溶
性蛋白質中のSH基を酸化によってカルボキシメチルジ
スルフィドに変換させることが可能な量とすることが必
要であり、水不溶性蛋白質1gに対して0.0005〜
0.5モル、特に0.005〜0.05モルが好まし
い。当該溶液濃度は、0.01M〜10M、特に0.1
M〜1Mであることが好ましい。
【0017】次いで、チオグリコール酸水溶液に、酸を
加えて溶液のpHを5〜9、好ましくは6〜8に調整す
る。酸は特に限定されるものではないが、酢酸、乳酸、
クエン酸、コハク酸などの有機酸及びリン酸が好まし
い。
【0018】酸化剤は特に限定されるものではないが、
空気、酸素あるいは、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウ
ム、過酸化水素等が挙げられる。
【0019】この酸化反応は、0〜40℃で反応系中に
空気を通しながら行うか、あるいは前記の酸化剤の水溶
液を添加しながら行われる。酸化反応は、メルカプト臭
が感じられなくなる程度で終了すれば良いが、液の一部
をサンプリングし、中性の0.1Mのジニトロビス安息
香酸ナトリウム水溶液に適当量を添加して、412nmの
吸光度を測定することにより、SH基の消失を確認し終
了させても良い。
【0020】このようにして得られる水可溶性蛋白質
は、必要により適当な精製手段を用いて精製を行っても
良い。例えば、水可溶性蛋白質水溶液を電気透析等の透
析手段を用いることにより、還元剤の酸化物、尿素など
の蛋白質変性剤、低分子ポリペプチド、電解質等を除去
することができる。更に必要により、濾過、遠心分離に
より不溶分を除去することもできる。
【0021】以上の様にして得られる水可溶性蛋白質
は、次のような性質を有するものである。
【0022】(1)水可溶性蛋白質のアミノ酸分析 水可溶性蛋白質中には、本来羊毛蛋白質には含有されて
いないシステインとチオグリコール酸間のジスルフィド
結合化合物が生成されている。(図1) (2)分子量:4万〜6万(SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法) なお、処理過程で蛋白質が加水分解されることによって
生じる分子量数万の低分子領域での発色は検出されな
い。 (3)円偏光二色性(CD):209nmと222nmに負
の極値をもっており、水中でα−ヘリックス構造を取っ
ている。(図2)
【0023】上記結果から明らかなように、水可溶性蛋
白質は、水不溶性蛋白質の有するジスルフィド結合(−
S−S−結合)の一部又は全部が解裂し、このジスルフ
ィド結合から導かれたSH基が-S-S-CH2COOH基に代わっ
た構造を持つものである。そして、この-S-S-CH2COOH基
は、通常の状態下でシスチンのジスルフィド結合に戻る
ことはないので、長期間、安定して溶液状態で保存でき
る。
【0024】この水不溶性蛋白質を用いてゲルを調製す
るには当該水可溶性蛋白質の親水性媒体溶液を加熱後冷
却することにより行われる。
【0025】ここで親水性媒体としては、水、アルコー
ル類(より好ましくは炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖ア
ルコール)、水と親和性のあるポリオール類(より好ま
しくは炭素数2〜10のグリコール及びグリセリン)、
ジメチルスルホキシド等が挙げられるが、このうち水、
メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブチレングリコール及びこれらの混合
物が特に好ましい。
【0026】親水性媒体中の水可溶性蛋白質の濃度は特
に制限されないが、0.5〜10重量%、特に2〜10
重量%が好ましい。
【0027】溶液の加熱濃度は、50〜180℃、特に
90〜140℃が好ましい。
【0028】加熱後の冷却は、自然放冷でも良いし、強
制的に冷却しても良い。冷却は常温までとすれば良い。
当該冷却により、良好なゲルが形成される。
【0029】本発明においては、ゲル調製時の溶液中に
種々の成分を含有せしめることにより、各種の用途に応
じたゲル組成物とすることができる。例えば化粧料用の
ゲル組成物の場合には、皮脂抑制剤、抗しわ剤、紫外線
吸収剤、保水成分、美白成分等を配合することができ
る。また、医薬用のゲル組成物の場合には、例えば、抗
炎症剤、抗菌剤、血行促進剤等の薬効成分を配合するこ
とができる。また食品用のゲル組成物の場合には、香
料、果汁、果肉、色素、必須栄養素、食物繊維等を配合
することができる。
【0030】更に、本発明ゲル組成物を形成時に薄膜化
技術を応用することにより繊維状とすることもできる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例になんら制約されるも
のではない。
【0032】製造例1 羊毛1.0gに、あらかじめ3Mの水酸化カリウムを用
いてpH9.6に調整した0.2Mのチオグリコール酸水
溶液50mlを加え、30℃で3時間処理を行った。次い
で、この処理液に8Mになるように24gの尿素を加
え、更に、30℃で24時間攪拌し、還元処理を行っ
た。その後、この溶液に酢酸を滴下しながらpH7に調整
し、更に、空気を通しながら3日間酸化処理を行った。
この時点でメルカプト臭は消失した。
【0033】得られた溶液を、分子量が1万以下を除去
できる透析膜を用いて処理し、溶液中の尿素などを除去
した。次に透析過程で析出した水に不溶な部分と水に溶
解している部分を遠心分離(2500rpm、10分)に
よって分離し、目的とする水可溶化羊毛ケラチン蛋白質
を得た。
【0034】更に、凍結乾燥によって可溶化蛋白質の粉
末を得て重量測定により、収率を計算した結果、可溶化
率は51.4%であった。また、常法に従い、SDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量の測定
を行った結果、分子量4万及び6万にケラチン蛋白質特
有のバンドが検出され、蛋白質の加水分解によって生じ
る、より低分子領域での発色は検出されなかった。
【0035】製造例2 羊毛1.0gに、あらかじめ3Mの水酸化カリウムを用
いてpH10に調整した1.0Mの2−メルカプトエタノ
ール水溶液50mlを加え、30℃、3時間処理を行っ
た。次に還元処理により膨張した羊毛を濾別し、これに
3Mの水酸化カリウムを用いてpH10に調整した0.2
Mのチオグリコール酸水溶液50mlを加え、更にこの処
理液に8Mとなるように24gの尿素を加え、更に、3
0℃、24時間攪拌し還元処理を行った。その後、この
処理液に酢酸を滴下しながらpH7に調整した後、1Mの
臭素酸ナトリウム水溶液50mlを滴下しながら室温下で
2時間酸化処理を行った。この時点でメルカプト臭は消
失した。
【0036】次に分子量が1万以下を除去できる透析膜
を用いて、処理液中の尿素などを除去した。次に透析過
程で析出した水に不溶の部分と水に溶解している部分を
遠心分離(2500rpm、10分)によって分離し、目
的とする羊毛ケラチン蛋白質の水への可溶化物を得た。
更に凍結乾燥によって可溶化蛋白質の粉末を得て重量測
定により、収率を計算した結果、可溶化率は53%であ
った。
【0037】また製造例1と同様にSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動による分子量の測定を行った結
果、分子量4万及び分子量6万にケラチン蛋白質特有の
バンドが検出され、蛋白質の加水分解によって生じるよ
り低分子領域での発色は検出されなかった。
【0038】実験例1 可溶化羊毛ケラチン蛋白質のアミノ酸組成 製造例1で得られた可溶化羊毛ケラチン蛋白質1.4mg
を1mlの6N塩酸で加水分解した後、減圧乾固後、2ml
の0.02N塩酸に溶解した。そのうち10μlをアミ
ノ酸分析器(L−8500型 日立(株))に注入し
た。分析結果を図1に示す。可溶化蛋白質中には、本来
羊毛蛋白質には含有されていないシステインとチオグリ
コール酸間のジスルフィド結合化合物が生成されてい
る。(図1)
【0039】実験例2 人毛母細胞中のハードケラチン抗体に対する免疫活性:
製造例1のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
に準じて可溶化蛋白質を分離した後、蛋白質をポリビニ
ルジフルオライト膜に転写し、人毛母細胞中のハードケ
ラチンから得られた抗体に対する反応性を常法(J. Cel
l Biol. 103, 2593(1987))により調べた。この結果、
還元処理を行った試料でのみ、ケラチン蛋白質と抗体と
の反応性が確認できた。
【0040】実験例3 円偏光二色性(CD)の測定 製造例1で得られた羊毛ケラチン蛋白質の水への可溶化
物の凍結乾燥粉末2mgを再び2mlのイオン交換蒸留水に
溶かし、この溶液1mmのセルを使用し、日本分光A−2
0型CD/ORD分光計を用い、200−250nmの波
長範囲で測定した。この結果を図2に示す。
【0041】図から明らかなように、溶液のスペクトル
は、209nmと222nmに負の極値をもっており、可溶
化蛋白質は水中でα−ヘリックス構造を取っていること
が判明した。
【0042】製造例3 毛髪1.0gに、あらかじめ3Mの水酸化カリウム水溶
液50mlを加えてpHを11に調整した。この溶液に、
0.2Mのチオグリコール酸水溶液50mlを加え、50
℃で20分処理を行った後、この溶液に8Mになるよう
に24gの尿素を加え、更に、30℃で24時間攪拌
し、還元処理を行った。その後、この溶液に酢酸を滴下
しながらpH7に調整し、空気を通しながら3日間酸化処
理を行った。この時点でメルカプト臭は消失した。
【0043】得られた溶液を、分子量が1万以下を除去
できる透析膜で処理し、溶液中の尿素などを除去した。
次いで透析過程で析出した水に不溶な部分と水に溶解し
ている部分を遠心分離(2500rpm、10分)によっ
て分離し、目的とする可溶化毛髪ケラチン蛋白質を得
た。凍結乾燥によって得た可溶化蛋白質粉末の重量を測
定することにより収率を計算した結果、可溶化率は3
1.7%であった。
【0044】実施例1 製造例1で得られた水可溶性蛋白質を表1に示す溶媒に
3重量%となるように溶解した後、100℃に加熱後冷
却してゲル化させた。得られたゲルの強度を崩壊試験法
(日本薬局方、一般試験法)によって評価した。また、
溶媒に対する溶解性及びゲル化の容易性についても併せ
て表1に示した。
【0045】(1)溶解性 ◎:非常によい。 ○:よい。 △:どちらともいえない。 ×:わるい。
【0046】(2)ゲル化の容易性 ○:容易にゲル化する。 ×:ゲル化しない。
【0047】(3)ゲル強度 ◎:非常にかたい。 ○:かたい。 △:どちらともいえない。 ×:やわらかい。
【0048】
【表1】
【0049】表1より本発明の水可溶性蛋白質の水性媒
体溶液は、加熱後冷却することにより良好なゲルを容易
に形成することがわかる。
【0050】また、水可溶性蛋白質の濃度を変化させた
ところ、0.5重量%〜10重量%、特に2〜10重量
%で良好なゲルが形成された。さらに、加熱温度を変化
させたところ、50℃以上、特に70℃以上に加熱後冷
却させた場合に良好なゲルが形成された。
【0051】
【発明の効果】本発明のゲル化剤は、ゲル化能に優れて
いるだけでなく、安全性が高く、生分解性も良好であ
り、これを用いて得られるゲル組成物は化粧料、医薬、
食品、繊維等の分野に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】可溶化羊毛ケラチン蛋白質のアミノ酸組成を示
す図面である。
【図2】本発明可溶化蛋白質の円偏光二色性(CD)ス
ペクトルを示す図面である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジスルフィド結合を有する水不溶性蛋白
    質のジスルフィド結合中のスルフィド基の一部又は全部
    がカルボキシメチルジスルフィド基(-S-S-CH2COOH)で
    置換された水可溶性蛋白質を有効成分とするゲル化剤。
  2. 【請求項2】 水可溶性蛋白質が、ジスルフィド結合を
    有する水不溶性蛋白質を還元後、酸化剤の存在下にチオ
    グリコール酸を反応させることにより得られるものであ
    る請求項1記載のゲル化剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の水可溶性蛋白質及び親水
    性媒体を含有するゲル組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の水可溶性蛋白質の親水性
    媒体溶液を加熱後冷却することにより得られるものであ
    る請求項3記載のゲル組成物。
  5. 【請求項5】 親水性媒体が、水、アルコール類、ポリ
    オール類及びジメチルスルホキシドから選ばれる1種又
    は2種以上の液体である請求項3又は4記載のゲル組成
    物。
  6. 【請求項6】 水可溶性蛋白質が、ジスルフィド結合を
    有する水不溶性蛋白質を還元後、酸化剤の存在下にチオ
    グリコール酸を反応させることにより得られるものであ
    る請求項3〜5のいずれかの項記載のゲル組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009153923A1 (ja) * 2008-06-16 2009-12-23 茨城県 可溶性羽毛ケラチン蛋白質の製造方法
JP2010031066A (ja) * 2008-07-02 2010-02-12 Umeda Jimusho:Kk 羽毛粉体、羽毛粉体の製造方法、土壌改良材およびそれを含む植物栽培土
JP2010132595A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Nicca Chemical Co Ltd 毛髪の保護、損傷防止、及び修復効果を有する毛髪用処理剤

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