JPH09291899A - 遠心ファンのスクロール型ケーシング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 舌部周辺でのスクロール型ケーシングの広が
り形状を、対数らせん以外の形状に変更することによ
り、遠心ファンの静音性を損なうことなく、遠心ファン
のスクロール型ケーシングを小型化する。 【解決手段】 遠心ファンのスクロール型ケーシング
は、α≦Θ≦α＋βの範囲ではｒ＝ｒ_o ・ｅｘｐ〔αｔ
ａｎθ_c 〕、α＋β≦Θ≦２πの範囲では、ｒ＝ｒ_o ・
ｅｘｐ〔（Θ−β）ｔａｎθ_c 〕、（但し、ｒ：羽根車
の中心から計ったケーシング側壁の半径、ｒ_o ：羽根車
の外半径、Θ：基準線からの角度、α：基準線から舌部
までの角度、β：所定角度、θ_c ：広がり角）で表され
る広がり形状を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、遠心ファンのスク
ロール型ケーシングに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】シロッコファン、ターボファン、ラジア
ルファン、多層円板ファン等の遠心ファンのケーシング
として、ｒ＝ｒ_o ・ｅｘｐ〔Θｔａｎθ_c 〕、（但し、
ｒ：羽根車の中心から計ったケーシング側壁の半径、ｒ
_o ：羽根車の外半径、Θ：基準線からの角度、θ_c ：広
がり角）で表される対数らせんの広がり形状を有するス
クロール型ケーシングが従来から使用されてきた。遠心
ファンの羽根車からの吹出風は、図２に示すように、羽
根車からの距離の如何に係わらず広がり角θ_c が不変の
自由渦を形成するので、羽根車を収容するケーシングの
広がり形状を上式で表される対数らせんとすることによ
り、遠心ファンの稼働時の騒音を低減させることがき
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】遠心ファンの静音性を
阻害することなく、遠心ファンのスクロール型ケーシン
グを小型化することが望まれている。遠心ファンのケー
シングは、必ず舌部を有する。舌部周辺では、羽根車か
らの吹出風が乱され、前記吹出風は自由渦を形成しない
ので、舌部周辺でのスクロール型ケーシングの広がり形
状を、対数らせん形状以外の形状に変更しても、遠心フ
ァンの静音性に大きな変化は生じないと考えられる。本
発明は上記認識に基づいてなされたものであり、舌部周
辺でのスクロール型ケーシングの広がり形状を、対数ら
せん以外の形状に変更することにより、遠心ファンの静
音性を損なうことなく、遠心ファンのスクロール型ケー
シングを小型化することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、α≦Θ≦α＋βの範囲ではｒ＝
ｒ_o ・ｅｘｐ〔αｔａｎθ_c 〕、α＋β≦Θ≦２πの範
囲では、ｒ＝ｒ_o ・ｅｘｐ〔（Θ−β）ｔａｎθ_c 〕、
（但し、ｒ：羽根車の中心から計ったケーシング側壁の
半径、ｒ_o ：羽根車の外半径、Θ：基準線からの角度、
α：基準線から舌部までの角度、β：所定角度、θ_c ：
広がり角）で表される広がり形状を有することを特徴と
する遠心ファンのスクロール型ケーシングを提供する。
本発明においては、舌部周辺でのスクロール型ケーシン
グの広がり形状を円弧とし、舌部周辺を除くスクロール
型ケーシングの広がり形状を対数らせんとしたので、舌
部周辺を含めてスクロール型ケーシングの広がり形状を
対数らせんとした場合に比べて、スクロール型ケーシン
グが小型化される。前述のごとく、舌部周辺では、羽根
車からの吹出風が乱され、前記吹出風は自由渦を形成し
ないので、舌部周辺でのスクロール型ケーシングの広が
り形状を、対数らせんから円弧に変更しても、遠心ファ
ンの静音性は損なわれない。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の実施例を図１に基づいて
説明する。円板と、円板から所定の間隔を隔てて円板と
同心に配設された円環板と、円板と円環板との間に周方
向に互いに間隔を隔てて配設された複数の径向き翼とが
一体に連結された、多翼ラジアルファンの羽根車１００
が、スクロール型ケーシング１内に格納されている。ス
クロール型ケーシング１は、次式で表される対数らせん
の広がり形状を有している。 ｒ＝ｒ_o ・ｅｘｐ〔αｔａｎθ_c 〕 但し、α≦Θ≦α＋β ＝ｒ_o ・ｅｘｐ〔（Θ−β）ｔａｎθ_c 〕 但し、α＋β≦Θ≦２π ｒ：羽根車の中心から計ったケーシング側壁の半径 ｒ_o ：羽根車の外半径 Θ：基準線からの角度 α：基準線から舌部までの角度 β：所定角度 θ_c ：広がり角

【０００６】本スクロール型ケーシング１は、基準線か
らの角度Θがα≦Θ≦α＋βの範囲にある舌部周辺の部
分では、ｒ＝ｒ_o ・ｅｘｐ〔αｔａｎθ_c 〕で表される
円弧の広がり形状を有しており、基準線からの角度Θが
α＋β≦Θ≦２πの範囲にある舌部周辺を除く部分で
は、ｒ＝ｒ_o ・ｅｘｐ〔（Θ−β）ｔａｎθ_c 〕表され
る対数らせんの広がり形状を有している。この結果、本
スクロール型ケーシング１は、基準線からの角度Θがα
≦Θ≦２πの範囲で、すなわち舌部周辺を含めて、ｒ＝
ｒ_o ・ｅｘｐ〔Θｔａｎθ_c 〕で表される対数らせんの
広がり形状を有する従来のスクロール型ケーシングに比
べて、小型である。ｒ_o ＝６ｃｍ、α＝（１／６）π、
α＋β＝（１／２）π、θ_c ＝４．５度とした場合、図
１におけるＣ−Ｂ間距離は、従来のスクロール型ケーシ
ングでは約１７５ｍｍであるのに対し、本実施例のスク
ロール型ケーシング１においては約１６８ｍｍである。
舌部周辺では、羽根車１００からの吹出風が乱され、
前記吹出風は自由渦を形成しないので、舌部周辺でのス
クロール型ケーシング１の広がり形状を、対数らせんか
ら円弧に変更しても、遠心ファンの静音性は損なわれな
い。

【０００７】

【発明の効果】以上説明したごとく、本発明において
は、舌部周辺でのスクロール型ケーシングの広がり形状
を円弧とし、舌部周辺を除くスクロール型ケーシングの
広がり形状を対数らせんとしたので、舌部周辺を含めて
スクロール型ケーシングの広がり形状を対数らせんとし
た場合に比べて、スクロール型ケーシングが小型化され
る。前述のごとく、舌部周辺では、羽根車からの吹出風
が乱され、前記吹出風は自由渦を形成しないので、舌部
周辺でのスクロール型ケーシングの広がり形状を、対数
らせんから円弧に変更しても、遠心ファンの静音性は損
なわれない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る遠心ファンのスクロール
型ケーシングの平面図である。

【図２】遠心ファンの羽根車からの吹出風の流線を示す
図である。

【符号の説明】

１ スクロール型ケーシング １００ 羽根車

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠山 真 北九州市小倉北区中島２丁目１番１号 東 陶機器株式会社内 (72)発明者 新原 登 北九州市小倉北区中島２丁目１番１号 東 陶機器株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 α≦Θ≦α＋βの範囲ではｒ＝ｒ_o ・ｅ
   ｘｐ〔αｔａｎθ_c〕、α＋β≦Θ≦２πの範囲では、
   ｒ＝ｒ_o ・ｅｘｐ〔（Θ−β）ｔａｎθ_c 〕、（但し、
   ｒ：羽根車の中心から計ったケーシング側壁の半径、ｒ
   _o ：羽根車の外半径、Θ：基準線からの角度、α：基準
   線から舌部までの角度、β：所定角度、θ_c ：広がり
   角）で表される広がり形状を有することを特徴とする遠
   心ファンのスクロール型ケーシング。