JPH09291347A - 形状記憶合金部材及びその製造方法 - Google Patents
形状記憶合金部材及びその製造方法Info
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Abstract
に優れた長寿命の形状記憶合金部材及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】 形状記憶合金板材に二次加工を施し、形
状記憶合金部材を製造する方法において、前記二次加工
以前または二次加工と同時に200〜400℃の温度で
低温熱処理を行った後、部分的に400〜700℃の温
度に急速加熱、急速冷却処理を施すことを特徴とする形
状記憶合金部材の製造方法。
Description
ファスナー、コネクター等に用いられる形状記憶合金部
材及びその製造方法に関するものであり、主にNi−T
i系の形状記憶合金部材及びその製造方法に関するもの
である。
性、制振特性に優れた合金として、種々の分野への利用
が検討されており、一部実用化がはかられている。従
来、断面が円形の線材を中心に検討されてきたが、近
年、上記合金の板材が得られるようになり、皿バネ、板
バネ、クリップ、ファスナ等への利用も検討されるよう
になってきた。従来、前記板材から上記のような部品を
製造する場合、あらかじめNi−Ti系合金の所定寸法
の板材を製造した後、これを打ち抜きあるいは切断等の
加工を施し、さらに曲げ加工を行う方法が一般的に行わ
れている。
方法で得られた形状記憶合金部材は、繰り返し特性に劣
り、寿命が短いという問題があった。
なされたものであり、強度的な性能を維持したまま、繰
り返し特性に優れた長寿命の形状記憶合金部材及びその
製造方法を提供することを目的とするものである。
板材に二次加工を施し、形状記憶合金部材を製造する方
法において、前記二次加工以前または二次加工と同時に
200〜400℃の温度で低温熱処理を行った後、部分
的に400〜700℃の温度に急速加熱、急速冷却処理
を施すことを特徴とする形状記憶合金部材の製造方法で
ある。
板材に二次加工を施し、形状記憶合金部材を製造する方
法において、前記二次加工以前または二次加工と同時に
200〜400℃の温度で低温熱処理を行った後、前記
形状記憶合金部材の使用時に応力集中する部分に400
〜700℃の温度に急速加熱、急速冷却処理を施し、部
分的にヤング率を高くすることを特徴とする形状記憶合
金部材の製造方法である。
板材に二次加工を施し、形状記憶合金部材を製造する方
法において、前記形状記憶合金板材に200〜400℃
の温度で低温熱処理を行った後、前記形状記憶合金部材
の使用時に応力集中する部分を400〜700℃の温度
に急速加熱しながら前記二次加工を施すことを特徴とす
る形状記憶合金部材の製造方法である。
方法を、レーザ加熱、直接通電加熱、赤外線加熱のいず
れかの方法により行うことを特徴とする請求項1〜3の
形状記憶合金部材の製造方法である。
部材の使用時に応力が集中する部分のヤング率が、他部
より高いことを特徴とする形状記憶合金部材である。
としては、Ni49.5〜52.0at%、Ti50.
5〜48.0at%、さらに必要に応じてNi及び/又
はTiの一部をV、Cr、Fe、Co、Nb、Zr、C
uから選ばれる1種で0.01〜10at%置換したN
i−Ti系合金や、Cu−Zn−Al系合金、Cu−A
l−Ni系合金等が挙げられるが、最も好ましい合金
は、Ni−Ti系合金である。なお、本発明で言う形状
記憶合金とは、超弾性合金も含むものである。
明する。図1〜3は本発明の形状記憶合金部材の一例を
示すものである。図1はクリップ、図2は板バネ、図3
はU字バネを示すものであり、(11)は、いずれも最
も大きな機械的な応力を受ける部分である。図1に示さ
れるものは、予め部材全体を200〜400℃の比較的
低温で熱処理した後、(11)のみに400〜700℃
の温度で、局部的に急熱、急冷処理を施したものであ
る。しかして、局部処理を行った(11)の部分は、そ
の他の部分よりもヤング率(弾性係数)が大きい。した
がって、前記部材を繰り返し使用した場合、機械的な歪
は(11)以外の部分で受けるため、歪が分散し、疲労
特性を改善することができる。
法について、その一例を説明する。Ni−Ti系形状記
憶合金の場合、先ずその板材を製造するわけであるが、
その方法は、Ni、Tiのそれぞれを予め所定の原子比
に配合、溶解して得られたNi−Ti系合金母材を製造
した後、熱間加工を施し、熱処理や冷間加工を繰り返し
行う工程を経ることにより製造することができる。
打ち抜き、切断、曲げ加工などの二次加工を施し、完成
品の形状記憶合金部材と同じ形にまで成形する。
熱処理を施すことにより、形状記憶処理し、ヤング率を
小さくするが、200℃未満では熱処理の効果がなく、
400℃を越えるとヤング率が大きくなってしまうので
好ましくない。なお、前記二次加工と同時に前記低温熱
処理を行うと、板材に割れが生じなく、打ち抜き等の工
具が長寿命化する等の利点がある。
急速加熱、急速冷却処理を施すことにより、部分的にヤ
ング率を高くするが、前記加熱温度が400℃未満では
十分にヤング率を高くすることができず、700℃を越
えると、部材及び治具が酸化してしまうので好ましくな
い。また、急速加熱、急速冷却処理は、二次加工と同時
に行ってもよく、その場合でも同様に部分的にヤング率
を高くすることができる。
接通電加熱、赤外線加熱等のうちいずれかの方法により
行われるが、形状記憶合金板材から形状記憶合金部材を
切り離した後に加熱する方法の他、当該板材と部材とが
部分的に連結したまま二次加工を行い、低温熱処理、部
分加熱処理を施し、その後に、当該板材と部材とを切り
離すことも可能である。
合金はNi51at%、Ti49at%のNi−Ti系
合金である。前記合金を高周波真空溶解法により鋳塊と
し、熱間加工を施した後に、熱処理と冷間圧延を繰り返
し行う工程を経て、幅50mm、厚さ0.8mmの長尺
板材とした。この板材に打ち抜き加工、曲げ加工を施し
て、図1に示すようなクリップを製造した。次にこれら
の部材に表1に示す種々の温度で低温熱処理した。さら
に、図1の(11)の部分にレーザを照射して局部的に
加熱し、冷却した。この時の温度を輻射温度計で測定
し、得られた部材について繰り返し曲げ特性を評価し
た。その結果を表1に示す。表1から、本発明品は従来
品及び比較品よりも疲労特性が格段に優れていることが
分かる。
合金製長尺板材に、実施例1と同様に打ち抜き加工、曲
げ加工を行い、表2に示す種々の温度で低温熱処理し、
次いで図2の(11)の部分に赤外線加熱で表2に示す
種々の温度に急速加熱・急速冷却する部分熱処理を施し
て、図2に示すような板バネを製造した。これらの板バ
ネについても実施例1と同様な繰り返し曲げ試験を行っ
た。その結果は表2に示す。表2から、本発明品は従来
品及び比較品よりも疲労特性が格段に優れていることが
分かる。
った他は、実施例2と同様の製造方法、製造条件で、実
施例2と同一の板バネを製造した。これらの板バネにつ
いても実施例2と同様に繰り返し曲げ試験を行ったが、
実施例2と全く同じ結果が得られた。しかし、実施例3
では打ち抜き工具の寿命が実施例2よりも長かった。
合金製長尺板材にテンションローラーレベラーを使用し
て表3に示す温度で整直形状記憶処理を施し、これを打
ち抜いて表3に示す温度で曲げ加工部のみを局部的に通
電加熱しながら曲げ加工を行い、図3に示すようなU字
バネを作成した。これらのU字バネについても実施例1
と同様な繰り返し曲げ試験を行った。結果は表3に示
す。表3から、本発明品は従来品び比較品よりも疲労特
性が格段に優れていることが分かる。
疲労特性及び繰り返し特性に優れた形状記憶合金部材が
得られる等工業上顕著な効果を奏するものである。
図である。 (b)本発明の実施例1に係るクリップの断面図であ
る。
視図である。 (b)本発明の実施例2、3に係る板バネの断面図であ
る。
図である。 (b)本発明の実施例4に係るU字バネの断面図であ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】形状記憶合金板材に二次加工を施し、形状
記憶合金部材を製造する方法において、前記二次加工以
前または二次加工と同時に200〜400℃の温度で低
温熱処理を行った後、部分的に400〜700℃の温度
に急速加熱、急速冷却処理を施すことを特徴とする形状
記憶合金部材の製造方法。 - 【請求項2】形状記憶合金板材に二次加工を施し、形状
記憶合金部材を製造する方法において、前記二次加工以
前または二次加工と同時に200〜400℃の温度で低
温熱処理を行った後、前記形状記憶合金部材の使用時に
応力集中する部分に400〜700℃の温度に急速加
熱、急速冷却処理を施し、部分的にヤング率を高くする
ことを特徴とする形状記憶合金部材の製造方法。 - 【請求項3】形状記憶合金板材に二次加工を施し、形状
記憶合金部材を製造する方法において、前記形状記憶合
金板材に200〜400℃の温度で低温熱処理を行った
後、前記形状記憶合金部材の使用時に応力集中する部分
を400〜700℃の温度に急速加熱しながら前記二次
加工を施すことを特徴とする形状記憶合金部材の製造方
法。 - 【請求項4】前記急速加熱方法を、レーザ加熱、直接通
電加熱、赤外線加熱のいずれかの方法により行うことを
特徴とする請求項1〜3の形状記憶合金部材の製造方
法。 - 【請求項5】形状記憶合金部材の使用時に応力が集中す
る部分のヤング率が、他部より高いことを特徴とする形
状記憶合金部材。
Priority Applications (1)
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JP10658796A JP3691579B2 (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 形状記憶合金部材及びその製造方法 |
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Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
JP2002531707A (ja) * | 1998-12-04 | 2002-09-24 | エタ ソシエテ アノニム ファブリク デボーシュ | 物体のレーザー処理方法 |
JP2013500864A (ja) * | 2009-08-07 | 2013-01-10 | イノベーティブ プロセッシング テクノロジーズ インコーポレーテッド | 形状記憶材料を含む材料の加工方法およびその装置 |
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GB2578591A (en) * | 2018-10-31 | 2020-05-20 | Laser Micromachining Ltd | Method and component |
-
1996
- 1996-04-26 JP JP10658796A patent/JP3691579B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US9186853B2 (en) | 2009-08-07 | 2015-11-17 | Smarter Alloys Inc. | Methods and systems for processing materials, including shape memory materials |
US10047421B2 (en) | 2009-08-07 | 2018-08-14 | Smarter Alloys Inc. | Methods and systems for processing materials, including shape memory materials |
JP2016520722A (ja) * | 2013-05-17 | 2016-07-14 | ゲー・ラウ・ゲー・エム・ベー・ハー・ウント・コー・カー・ゲーG. Rau Gmbh & Co. Kg | 金属材料特にニチノールを再融解及び/又は再融解合金化するための方法及び装置 |
US10422018B2 (en) | 2013-05-17 | 2019-09-24 | G. Rau Gmbh & Co. Kg | Method and device for remelting and/or remelt-alloying metallic materials, in particular Nitinol |
GB2578591A (en) * | 2018-10-31 | 2020-05-20 | Laser Micromachining Ltd | Method and component |
GB2578591B (en) * | 2018-10-31 | 2020-12-02 | Laser Micromachining Ltd | Processing a shape memory material by a laser |
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