JPH09291009A - 義歯安定剤 - Google Patents
義歯安定剤Info
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- JPH09291009A JPH09291009A JP9045379A JP4537997A JPH09291009A JP H09291009 A JPH09291009 A JP H09291009A JP 9045379 A JP9045379 A JP 9045379A JP 4537997 A JP4537997 A JP 4537997A JP H09291009 A JPH09291009 A JP H09291009A
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- Japan
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- denture
- polyvinyl alcohol
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- denture stabilizer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 粘着性、滞留性および保形性に優れ、かつ口
腔内においても流出することが少なく、好適に使用でき
る義歯安定剤を提供すること。 【解決手段】 特定の架橋型ポリビニルアルコールを含
有してなる義歯安定剤。
腔内においても流出することが少なく、好適に使用でき
る義歯安定剤を提供すること。 【解決手段】 特定の架橋型ポリビニルアルコールを含
有してなる義歯安定剤。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着性、滞留性お
よび保形性に優れ、かつ口腔内へ流出することが少な
く、好適に使用できる義歯安定剤に関する。
よび保形性に優れ、かつ口腔内へ流出することが少な
く、好適に使用できる義歯安定剤に関する。
【０００２】
【従来の技術】加齢や炎症などの要因で口腔環境が変化
し、顎堤への義歯の適合性が低下することから、多くの
義歯装着者が、固いものが食べられない、しゃべりづら
いなど義歯の安定に悩みを持っている。その様な場合、
義歯の安定性を向上させるために義歯装着者は暫間的に
義歯安定剤を使用している。
し、顎堤への義歯の適合性が低下することから、多くの
義歯装着者が、固いものが食べられない、しゃべりづら
いなど義歯の安定に悩みを持っている。その様な場合、
義歯の安定性を向上させるために義歯装着者は暫間的に
義歯安定剤を使用している。
【０００３】市販の義歯安定剤は、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウムやポリエチレングリコールなどの水
溶性高分子を流動パラフィンやワセリンなどの油性基剤
に分散させ、口腔中の水分による水溶性高分子の粘着力
により義歯の安定性を向上させる軟膏タイプと、ポリ酢
酸ビニルをエタノールなどの溶剤で可塑化し、義歯と顎
堤粘膜の隙間を埋めて義歯の安定性を向上させるクッシ
ョンタイプとに大別される。
ルロースナトリウムやポリエチレングリコールなどの水
溶性高分子を流動パラフィンやワセリンなどの油性基剤
に分散させ、口腔中の水分による水溶性高分子の粘着力
により義歯の安定性を向上させる軟膏タイプと、ポリ酢
酸ビニルをエタノールなどの溶剤で可塑化し、義歯と顎
堤粘膜の隙間を埋めて義歯の安定性を向上させるクッシ
ョンタイプとに大別される。
【０００４】しかし、従来の軟膏タイプ義歯安定剤では
装着中に唾液や食物からの水分により義歯安定剤中の水
溶性高分子が口腔中へ流れ出し、十分な安定効果が得ら
れないだけではなく不快感をも与える。一方、クッショ
ンタイプの義歯安定剤は可塑剤であるエタノールなどの
溶剤による口腔粘膜への刺激や、その可塑剤の溶出によ
り義歯安定剤が硬化し、義歯材料へ固着し取り除きにく
くなり、口腔粘膜を刺激したりする悪影響が問題とされ
ている。
装着中に唾液や食物からの水分により義歯安定剤中の水
溶性高分子が口腔中へ流れ出し、十分な安定効果が得ら
れないだけではなく不快感をも与える。一方、クッショ
ンタイプの義歯安定剤は可塑剤であるエタノールなどの
溶剤による口腔粘膜への刺激や、その可塑剤の溶出によ
り義歯安定剤が硬化し、義歯材料へ固着し取り除きにく
くなり、口腔粘膜を刺激したりする悪影響が問題とされ
ている。
【０００５】そのうち、軟膏タイプの義歯安定剤におけ
る技術課題は、その粘膜および義歯材料に対する粘着安
定力の義歯装着者の満足すべきレベルへ向上を図ること
と、その義歯安定剤を使用している間に咀嚼などの行為
により義歯安定剤が義歯と口腔粘膜より流出を抑制する
ことである。
る技術課題は、その粘膜および義歯材料に対する粘着安
定力の義歯装着者の満足すべきレベルへ向上を図ること
と、その義歯安定剤を使用している間に咀嚼などの行為
により義歯安定剤が義歯と口腔粘膜より流出を抑制する
ことである。
【０００６】粘着安定性を図り、かつ義歯安定剤の口腔
内での滞留性を向上すべく検討された従来の技術として
は、特開平３−１７１０４号公報、特開平６−５０８１
７４号公報、特開平６−５０４０６６号公報にて低級ア
ルキルビニルエ−テル−マレイン酸共重合体の特定カチ
オン部分塩を用いて口腔内での長期間にわたる安定化を
向上させる技術や、特開平４−９５００６号公報にて曳
糸性高分子のポリアクリル酸塩粉末とカルボキシビニル
ポリマ−粉末を用いて義歯安定剤の拡散溶解を抑制する
技術がこれまでに開示されているが、十分に満足し得る
ものは見出されていない。
内での滞留性を向上すべく検討された従来の技術として
は、特開平３−１７１０４号公報、特開平６−５０８１
７４号公報、特開平６−５０４０６６号公報にて低級ア
ルキルビニルエ−テル−マレイン酸共重合体の特定カチ
オン部分塩を用いて口腔内での長期間にわたる安定化を
向上させる技術や、特開平４−９５００６号公報にて曳
糸性高分子のポリアクリル酸塩粉末とカルボキシビニル
ポリマ−粉末を用いて義歯安定剤の拡散溶解を抑制する
技術がこれまでに開示されているが、十分に満足し得る
ものは見出されていない。
【０００７】一方、数多くある高分子化合物のうちでポ
リビニルアルコールは医薬品の錠剤コーティング剤やバ
インダー、眼薬類の増粘・懸濁剤、化粧品のパック剤の
ベース素材として用いられているが、その素材の特性の
ひとつに優れた粘着性がある。ポリビニルアルコールを
義歯安定剤へ応用した従来の技術には米国特許第５,３
０２,６２８号明細書にてポリアクリル酸とともに用い
られることが示されているが、これらは水溶性の非架橋
型のポリビニルアルコ−ルであり、口腔内での長期滞留
性を意図するものではない。
リビニルアルコールは医薬品の錠剤コーティング剤やバ
インダー、眼薬類の増粘・懸濁剤、化粧品のパック剤の
ベース素材として用いられているが、その素材の特性の
ひとつに優れた粘着性がある。ポリビニルアルコールを
義歯安定剤へ応用した従来の技術には米国特許第５,３
０２,６２８号明細書にてポリアクリル酸とともに用い
られることが示されているが、これらは水溶性の非架橋
型のポリビニルアルコ−ルであり、口腔内での長期滞留
性を意図するものではない。
【０００８】また、特開昭６３−１６１９５３号公報で
はポリビニルアルコ−ルを含む外層と内層に異なる組成
物を含有する薄片状義歯安定剤が示されている。この技
術ではポリビニルアルコ−ルは両層に配合されることが
示されているが、外層は溶解することが示されている。
すなわち、ポリビニルアルコ−ルが口腔内での滞留性向
上を担う素材として用いられたものではないことは明ら
かである。
はポリビニルアルコ−ルを含む外層と内層に異なる組成
物を含有する薄片状義歯安定剤が示されている。この技
術ではポリビニルアルコ−ルは両層に配合されることが
示されているが、外層は溶解することが示されている。
すなわち、ポリビニルアルコ−ルが口腔内での滞留性向
上を担う素材として用いられたものではないことは明ら
かである。
【０００９】この他、特開昭６１−５８６５４号公報、
特開平２−１９６７０５号公報、特開平４−２９９０６
号公報、特開平４−９９７０６号公報、特開平４−３０
５５０８号公報、特開平６−２１１６１８号公報には、
義歯安定剤に配合される水溶性高分子化合物の例のひと
つとして、ポリビニルアルコ−ルが示されている。この
ようにポリビニルアルコ−ルを水溶性高分子として、義
歯安定剤に用いるという技術は、慣用技術として用いら
れてきたものであるが、本質的に義歯安定剤のもつ技術
課題である口腔内の滞留性を解決するために用いられた
ものは見当らない。
特開平２−１９６７０５号公報、特開平４−２９９０６
号公報、特開平４−９９７０６号公報、特開平４−３０
５５０８号公報、特開平６−２１１６１８号公報には、
義歯安定剤に配合される水溶性高分子化合物の例のひと
つとして、ポリビニルアルコ−ルが示されている。この
ようにポリビニルアルコ−ルを水溶性高分子として、義
歯安定剤に用いるという技術は、慣用技術として用いら
れてきたものであるが、本質的に義歯安定剤のもつ技術
課題である口腔内の滞留性を解決するために用いられた
ものは見当らない。
【００１０】上記のように、従来技術では相対的に義歯
安定剤の水に対する溶解性を遅らすことや粘着力の向上
が図られてはいるものの充分でなく、口腔内滞留性が満
足できる義歯安定剤は得られていないのが現状である。
安定剤の水に対する溶解性を遅らすことや粘着力の向上
が図られてはいるものの充分でなく、口腔内滞留性が満
足できる義歯安定剤は得られていないのが現状である。
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、口腔
粘膜および義歯に用いられるアクリル樹脂などの材料へ
の粘着性に優れ、特にその粘着力が従来の技術による製
剤より格段に長期にわたって滞留、持続し保形性に優
れ、食餌などの咀嚼に対しても口腔内へ流出することの
少ない義歯安定剤を提供することである。
粘膜および義歯に用いられるアクリル樹脂などの材料へ
の粘着性に優れ、特にその粘着力が従来の技術による製
剤より格段に長期にわたって滞留、持続し保形性に優
れ、食餌などの咀嚼に対しても口腔内へ流出することの
少ない義歯安定剤を提供することである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の技
術と異なる手段により義歯安定剤の粘着力の持続性およ
び保形性を改良し、その口腔内滞留性を向上させるべく
鋭意研究を重ねた結果、耐水性で、水膨潤性であり、か
つ粘着性を有する架橋型ポリビニルアルコールを配合す
ることにより、その課題が解決されることを見出し本発
明を完成するに至った。
術と異なる手段により義歯安定剤の粘着力の持続性およ
び保形性を改良し、その口腔内滞留性を向上させるべく
鋭意研究を重ねた結果、耐水性で、水膨潤性であり、か
つ粘着性を有する架橋型ポリビニルアルコールを配合す
ることにより、その課題が解決されることを見出し本発
明を完成するに至った。
【００１３】すなわち、本発明は、架橋型ポリビニルア
ルコールを含有することを特徴とする義歯安定剤を提供
するものである。本発明によれば、上記のような問題を
解消して、粘着性、滞留性および保形性に優れ、かつ口
腔内において流出することが少なく、好適に使用できる
義歯安定剤が提供できる。
ルコールを含有することを特徴とする義歯安定剤を提供
するものである。本発明によれば、上記のような問題を
解消して、粘着性、滞留性および保形性に優れ、かつ口
腔内において流出することが少なく、好適に使用できる
義歯安定剤が提供できる。
【００１４】
【発明の実施の形態】本発明で用いる架橋型ポリビニル
アルコールは、ポリビニルアルコールを架橋したもので
あればいずれでもよく、その製造方法は特に限定される
ものではない。例えば、放射線や電子線の照射により生
じたラジカルポリマ−から架橋体を製造する方法、架橋
剤を用いて製造する方法などが挙げられ、特開平２−１
５５７２５号公報、特開昭５９−４５４３０号公報およ
び特開昭６３−１７９０５号公報などに開示の方法が利
用できる。特開平２−１５５７２５号公報は電気回路基
板の金属箔への粉塵付着防止のための高分子多層膜とし
て架橋型ポリビニルアルコールを得るために重クロム酸
イオン存在下で光照射する方法を開示し、特開昭５９−
４５４３０号公報はエレクトロクロミック表示素子へ用
いる架橋型ポリビニルアルコ−ルを得るため架橋剤とし
てマレイン酸などのジカルボン酸を用いる方法を開示
し、また特開昭６３−１７９０５号公報は水系ゲルパー
ミエイションクロマトグラフィー用の充填剤として好適
な多孔質ポリビニルアルコール粒子を得るために架橋剤
としてグルタルアルデヒドやグリオキザ−ルなどのジア
ルデヒド化合物、１,２,３,４−ジエポキシブタンなど
のジエポキシ化合物、エチレングリコ−ルジグリシジル
エ−テルなどのグリシジルエ−テル化合物、エピクロル
ヒドリン、エピブロモヒドリンなどのエピハロヒドリン
化合物を用いる方法とポリビニルアルコ−ルを合成する
際のモノマ−に架橋剤としてビニル基２つ以上もつなど
多官能基を有するモノマ−を配合して共重合することに
より架橋する方法を開示している。
アルコールは、ポリビニルアルコールを架橋したもので
あればいずれでもよく、その製造方法は特に限定される
ものではない。例えば、放射線や電子線の照射により生
じたラジカルポリマ−から架橋体を製造する方法、架橋
剤を用いて製造する方法などが挙げられ、特開平２−１
５５７２５号公報、特開昭５９−４５４３０号公報およ
び特開昭６３−１７９０５号公報などに開示の方法が利
用できる。特開平２−１５５７２５号公報は電気回路基
板の金属箔への粉塵付着防止のための高分子多層膜とし
て架橋型ポリビニルアルコールを得るために重クロム酸
イオン存在下で光照射する方法を開示し、特開昭５９−
４５４３０号公報はエレクトロクロミック表示素子へ用
いる架橋型ポリビニルアルコ−ルを得るため架橋剤とし
てマレイン酸などのジカルボン酸を用いる方法を開示
し、また特開昭６３−１７９０５号公報は水系ゲルパー
ミエイションクロマトグラフィー用の充填剤として好適
な多孔質ポリビニルアルコール粒子を得るために架橋剤
としてグルタルアルデヒドやグリオキザ−ルなどのジア
ルデヒド化合物、１,２,３,４−ジエポキシブタンなど
のジエポキシ化合物、エチレングリコ−ルジグリシジル
エ−テルなどのグリシジルエ−テル化合物、エピクロル
ヒドリン、エピブロモヒドリンなどのエピハロヒドリン
化合物を用いる方法とポリビニルアルコ−ルを合成する
際のモノマ−に架橋剤としてビニル基２つ以上もつなど
多官能基を有するモノマ−を配合して共重合することに
より架橋する方法を開示している。
【００１５】本発明で用いる架橋型ポリビニルアルコー
ルのケン化度は、５％〜１００％であり、好ましくは５
０％〜１００％であり、さらに７８％〜１００％が好ま
しい。また、その架橋度は、０.００５％〜４０％であ
り、好ましくは０.０１％〜１５％である。
ルのケン化度は、５％〜１００％であり、好ましくは５
０％〜１００％であり、さらに７８％〜１００％が好ま
しい。また、その架橋度は、０.００５％〜４０％であ
り、好ましくは０.０１％〜１５％である。
【００１６】本発明の義歯安定剤は、架橋型ポリビニル
アルコールのみを単独で用いてよいが、さらに、粘着力
の増強剤として、例えば、アルキルビニルエ−テル−マ
レイン酸共重合体、高分子量ポリエチレングリコ−ルな
どの多価アルコ−ルまたはアルキレンオキサイドを重合
した高分子化合物、カルボキシメチルセルロ−スナトリ
ウムなどのセルロ−ス系高分子化合物、アクリル酸（メ
タクリル酸）のホモポリマ−および共重合体あるいはそ
れら塩、アルギン酸などの天然多糖類、ゼラチンなどの
アミノ酸により構成される高分子化合物などの水溶性高
分子を組み合わせて用いることもできる。
アルコールのみを単独で用いてよいが、さらに、粘着力
の増強剤として、例えば、アルキルビニルエ−テル−マ
レイン酸共重合体、高分子量ポリエチレングリコ−ルな
どの多価アルコ−ルまたはアルキレンオキサイドを重合
した高分子化合物、カルボキシメチルセルロ−スナトリ
ウムなどのセルロ−ス系高分子化合物、アクリル酸（メ
タクリル酸）のホモポリマ−および共重合体あるいはそ
れら塩、アルギン酸などの天然多糖類、ゼラチンなどの
アミノ酸により構成される高分子化合物などの水溶性高
分子を組み合わせて用いることもできる。
【００１７】本発明の義歯安定剤の性状は限定するもの
ではなく、常法により、例えば、固体粉末状、油性また
は水性のペースト状、ガム状、フィルム状、およびシー
ト状などで提供できる。義歯安定剤がペースト状やガム
状の場合、ポリビニルアルコールは溶解、乳化、懸濁、
固体粒子のままに単純に分散などのいずれの状態で製剤
中に配合でき、固体粉末状にあっては、架橋型ポリビニ
ルアルコールの粒子の大きさが６０メッシュ以下、好ま
しくは１００メッシュ以下の微粉末であることが望まし
い。
ではなく、常法により、例えば、固体粉末状、油性また
は水性のペースト状、ガム状、フィルム状、およびシー
ト状などで提供できる。義歯安定剤がペースト状やガム
状の場合、ポリビニルアルコールは溶解、乳化、懸濁、
固体粒子のままに単純に分散などのいずれの状態で製剤
中に配合でき、固体粉末状にあっては、架橋型ポリビニ
ルアルコールの粒子の大きさが６０メッシュ以下、好ま
しくは１００メッシュ以下の微粉末であることが望まし
い。
【００１８】また、本発明の義歯安定剤には、その性状
に応じて適宜他の助剤、添加剤などが配合でき、油性基
剤、水性基剤、粉体基剤、ガム基剤、賦形剤、乳化剤、
湿潤剤、ｐＨ調整剤、粘度調整剤、防腐剤、色素、甘味
剤、香料、水などの公知の成分が配合される。
に応じて適宜他の助剤、添加剤などが配合でき、油性基
剤、水性基剤、粉体基剤、ガム基剤、賦形剤、乳化剤、
湿潤剤、ｐＨ調整剤、粘度調整剤、防腐剤、色素、甘味
剤、香料、水などの公知の成分が配合される。
【００１９】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。また、特にことわらない限り「％」は「重量％」を
表わす。
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。また、特にことわらない限り「％」は「重量％」を
表わす。
【００２０】表１に示す実施例１〜６の各成分をそれぞ
れ撹拌し、これをチューブ容器に充填することにより義
歯安定剤を製造した。また、比較例として、非架橋型ポ
リビニルアルコ−ルを配合した試作義歯安定剤（比較例
１、２）、カルボキシメチルセルロ−スナトリウムと高
分子量ポリエチレングリコ−ルを主成分とした市販品
（比較例３）とポリアクリル酸ナトリウムを主成分とし
た市販品（比較例４）を用いた。さらに、これら実施例
１〜６および比較例１〜４の義歯安定剤の義歯粘着安定
力（口腔内滞留性）、および総合的な評価を官能評価に
より試験した。評価方法を示す。
れ撹拌し、これをチューブ容器に充填することにより義
歯安定剤を製造した。また、比較例として、非架橋型ポ
リビニルアルコ−ルを配合した試作義歯安定剤（比較例
１、２）、カルボキシメチルセルロ−スナトリウムと高
分子量ポリエチレングリコ−ルを主成分とした市販品
（比較例３）とポリアクリル酸ナトリウムを主成分とし
た市販品（比較例４）を用いた。さらに、これら実施例
１〜６および比較例１〜４の義歯安定剤の義歯粘着安定
力（口腔内滞留性）、および総合的な評価を官能評価に
より試験した。評価方法を示す。
【００２１】評価方法 １．義歯粘着安定力 本試験のために募った被験者５名に上記実施例、比較例
を１品１日に割り付けて、各被験者が１０品すべてを使
用し評価するように実施した。被験者は、割り付けられ
た義歯安定剤を早朝より装着し、朝、昼、夕の３度の食
事を経て、装着初期、朝食後、昼食後、夕食後での粘着
安定性を官能により評価した。評価はそれぞれの時間に
おいて、義歯の粘着安定の状態を、 良好（ずれない、ぐらつかない）：評点３ 普通（少しずれる） ：評点２ 不良（ぐらついて安定しない） ：評点１ の３段階で評価し、その評点の平均値を用いて判定し
た。 （判定基準） ○：評点の平均値が２.３４以上 △：評点の平均値が１.６８〜２.３３ ×：評点の平均値が１.６７以下
を１品１日に割り付けて、各被験者が１０品すべてを使
用し評価するように実施した。被験者は、割り付けられ
た義歯安定剤を早朝より装着し、朝、昼、夕の３度の食
事を経て、装着初期、朝食後、昼食後、夕食後での粘着
安定性を官能により評価した。評価はそれぞれの時間に
おいて、義歯の粘着安定の状態を、 良好（ずれない、ぐらつかない）：評点３ 普通（少しずれる） ：評点２ 不良（ぐらついて安定しない） ：評点１ の３段階で評価し、その評点の平均値を用いて判定し
た。 （判定基準） ○：評点の平均値が２.３４以上 △：評点の平均値が１.６８〜２.３３ ×：評点の平均値が１.６７以下
【００２２】２．総合評価 １．の評価と同時に総合的な評価を下記の基準により判
定した。 ○：夕食後の評価までが良好であったもの。 △：昼食後の評価までが良好であったもの。 ×：昼食後の評価までで良好と評価されなかったもの。 これらの結果を合わせて表１に示す。
定した。 ○：夕食後の評価までが良好であったもの。 △：昼食後の評価までが良好であったもの。 ×：昼食後の評価までで良好と評価されなかったもの。 これらの結果を合わせて表１に示す。
【００２３】
【表１】
【００２４】表１に示すように、本発明の義歯安定剤
は、その優れた口腔内滞留性により、粘着安定性が改善
され、比較例に比べて優れた義歯安定剤であると認めら
れた。
は、その優れた口腔内滞留性により、粘着安定性が改善
され、比較例に比べて優れた義歯安定剤であると認めら
れた。
【００２５】さらに、常法により製造した実施例７〜１
０、および実施例１１、１２の義歯安定剤も同様に良好
な口腔内滞留性により、優れた義歯安定性を有すること
が確認された。
０、および実施例１１、１２の義歯安定剤も同様に良好
な口腔内滞留性により、優れた義歯安定性を有すること
が確認された。
【００２６】 実施例７：ペ−スト状義歯安定剤 成分 分量（％） ポリビニルアルコ−ル ３０.０ （架橋度：０.２、ケン化度：８０） ヒドロキシエチルセルロース ５.０ 塩化マグネシウム ２.０ 防腐剤 微量 色素 微量 グリセリン 適量 計 １００.０
【００２７】 実施例８：ペ−スト状義歯安定剤 成分 分量（％） ポリビニルアルコ−ル １０.０ （架橋度：０.０１、ケン化度：７８） カルボキシメチルセルロ−スナトリウム １５.０ ポリエチレングリコ−ル(平均分子量４００万) １５.０ 防腐剤 微量 ソルビット液 適量 計 １００.０
【００２８】 実施例９：ペ−スト状義歯安定剤 成分 分量（％） ポリビニルアルコ−ル １５.０ （架橋度：５、ケン化度：８０） カルボキシメチルセルロ−スナトリウム １０.０ メチルビニルエ−テル・マレイン酸共重合体 １５.０ 防腐剤 微量 ワセリン 適量 流動パラフィン １０.０ 計 １００.０
【００２９】 実施例１０：ガム状義歯安定剤 成分 分量（％） ポリビニルアルコ−ル １０.０ （架橋度：１５、ケン化度：８６） ポリ酢酸ビニル ５０.０ ポリプロピレングリコ−ル ５.０ エタノ−ル 適量 計 １００.０
【００３０】実施例１１：フィルム状義歯安定剤 ポリビニルアルコ−ル（架橋度：２５、ケン化度：９
８）、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、ポリエ
チレングリコ−ル(平均分子量４００万)およびポリブテ
ンを混合・攪拌後、押出し機にて押出し成型し、フィル
ム状義歯安定剤を得る。混合時の配合比率は、混合物の
総量に対して、ポリビニルアルコ−ル（架橋型）４０
％、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム１０％、ポ
リエチレングリコ−ル４０％、ポリブテン１０％であ
る。
８）、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、ポリエ
チレングリコ−ル(平均分子量４００万)およびポリブテ
ンを混合・攪拌後、押出し機にて押出し成型し、フィル
ム状義歯安定剤を得る。混合時の配合比率は、混合物の
総量に対して、ポリビニルアルコ−ル（架橋型）４０
％、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム１０％、ポ
リエチレングリコ−ル４０％、ポリブテン１０％であ
る。
【００３１】実施例１２：シ−ト状義歯安定剤 ポリビニルアルコ−ル（架橋度：３７、ケン化度：７
８）１％およびカルボキシメチルセルロ−スナトリウム
５％を分散・溶解させた水・エタノ−ル１：１溶液の槽
に不織布を浸漬・乾燥を５回繰返しシ−ト状の義歯安定
剤を得る。
８）１％およびカルボキシメチルセルロ−スナトリウム
５％を分散・溶解させた水・エタノ−ル１：１溶液の槽
に不織布を浸漬・乾燥を５回繰返しシ−ト状の義歯安定
剤を得る。
【００３２】
【発明の効果】本発明は架橋型ポリビニルアルコールを
含有する義歯安定剤に関するものである。これにより、
従来の義歯安定剤のように次第にそれが流出して義歯安
定性を損なうこともなく長時間のあいだ義歯を安定に装
着できる優れた義歯安定剤が提供できる。
含有する義歯安定剤に関するものである。これにより、
従来の義歯安定剤のように次第にそれが流出して義歯安
定性を損なうこともなく長時間のあいだ義歯を安定に装
着できる優れた義歯安定剤が提供できる。
Claims (6)
- 【請求項１】 架橋型ポリビニルアルコールを含有する
ことを特徴とする義歯安定剤。 - 【請求項２】 架橋型ポリビニルアルコールのケン化度
が５％〜１００％である請求項１記載の義歯安定剤。 - 【請求項３】 架橋型ポリビニルアルコールのケン化度
が５０％〜１００％である請求項１記載の義歯安定剤。 - 【請求項４】 架橋型ポリビニルアルコールのケン化度
が７８％〜１００％である請求項１記載の義歯安定剤。 - 【請求項５】 架橋型ポリビニルアルコールの架橋度が
０.００５％〜４０％である請求項１〜４いずれか１項
記載の義歯安定剤。 - 【請求項６】 架橋型ポリビニルアルコールの架橋度が
０.０１％〜１５％である請求項１〜４いずれか１項記
載の義歯安定剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9045379A JPH09291009A (ja) | 1996-03-01 | 1997-02-28 | 義歯安定剤 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8-45034 | 1996-03-01 | ||
| JP4503496 | 1996-03-01 | ||
| JP9045379A JPH09291009A (ja) | 1996-03-01 | 1997-02-28 | 義歯安定剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09291009A true JPH09291009A (ja) | 1997-11-11 |
Family
ID=26384987
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9045379A Withdrawn JPH09291009A (ja) | 1996-03-01 | 1997-02-28 | 義歯安定剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09291009A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007186510A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-26 | Sunstar Inc | 義歯安定剤組成物 |
-
1997
- 1997-02-28 JP JP9045379A patent/JPH09291009A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007186510A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-26 | Sunstar Inc | 義歯安定剤組成物 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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