JPH09289964A - 食器洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄に使用する洗剤量を削減し、或いは、廃
止することができる食器洗浄装置を提供する。 【解決手段】 食器洗浄装置ＤＷＡは、洗浄室内におい
て、被洗浄物の洗浄及びすすぎ工程を実行するものであ
って、アルカリ性水と酸性水を生成するイオン水生成器
３１を備えており、このイオン水生成器３１にて生成さ
れたアルカリ性水を、洗浄工程における洗浄水として使
用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄室内にて被洗
浄物の洗浄及びすすぎ工程を実行する食器洗浄装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来よりこの種食器洗浄機は、例えば実
公昭６１−３６２０９号公報（Ａ４７Ｌ１５／４２）に
示される如く、本体上部に形成された洗浄室内の上下に
洗浄ノズルとすすぎノズルをそれぞれ回転自在に配設
し、これらの間の洗浄室内に収納した皿、椀等の食器
（被洗浄物）の洗浄工程とすすぎ工程を行うように構成
されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ここで、前記洗浄工程
において使用される洗浄水としては、従来水道水にアル
カリ洗剤を約０．２％添加して使用しており、この洗浄
水がそのまま排水されるために、環境保全上の問題が持
ち上がっていた。

【０００４】本発明は、係る従来の技術的課題を解決す
るために成されたものであり、洗浄に使用する洗剤量を
削減し、或いは、廃止することができる食器洗浄装置を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の食器洗浄装置
は、洗浄室内において、被洗浄物の洗浄及びすすぎ工程
を実行するものであって、アルカリ性水と酸性水を生成
するイオン水生成手段を備えており、このイオン水生成
手段にて生成されたアルカリ性水を、洗浄工程における
洗浄水として使用するものである。

【０００６】本発明によれば、アルカリ性水と酸性水を
生成するイオン水生成手段が生成した前記アルカリ性水
を、洗浄及びすすぎ工程における洗浄水として使用する
ので、洗浄水自体が洗浄効果を発揮するようになる。従
って、洗剤量を削減しても、アルカリ性水と洗剤との相
乗効果で著しい洗浄能力の向上を図ることができ、低ラ
ンニングコストを実現することが可能となる。更に、洗
剤の投入自体を廃止することも可能となるので、環境上
の問題も効果的に解消することができるようになるもの
である。

【０００７】請求項２の発明の食器洗浄装置は、上記に
おいて洗浄工程において生じる排水に、イオン水生成手
段にて生成された酸性水を混合して排出するものであ
る。

【０００８】請求項２の発明によれば、上記に加えて洗
浄工程において生じる排水に、イオン水生成手段にて生
成された酸性水を混合して排出するようにしたので、洗
浄後の排水を中和してから排出することができるように
なり、アルカリ性水或いは酸性水を使用すること自体に
より生じる環境上の問題も解消することができるように
なるものである。

【０００９】請求項３の発明の食器洗浄装置は、上記各
発明においてイオン水生成手段は強アルカリ性水を生成
し、洗浄工程においてはこの強アルカリ性水を使用する
と共に、温水若しくは弱アルカリ性温水にて被洗浄物の
前洗浄工程を実行する前洗浄手段を備えたものである。

【００１０】請求項３の発明によれば、上記各発明に加
えてイオン水生成手段により強アルカリ性水を生成し、
洗浄工程においてこの強アルカリ性水を使用するように
したので、洗浄工程における洗浄効果を向上させること
ができるようになる。

【００１１】特に、温水若しくは弱アルカリ性温水にて
被洗浄物の前洗浄工程を実行する前洗浄手段を設けたの
で、強アルカリ性水では変性してしまい、却って落ち難
くなる未変性のタンパク質などをこの前洗浄工程にて洗
い落とすことができるようになり、総じて洗浄能力の一
層の向上を図ることができるようになるものである。

【００１２】請求項４の発明の食器洗浄装置は、上記各
発明において洗浄水が流れる経路に、スケールの析出を
防止若しくは抑制するスケール除去手段を設けたもので
ある。

【００１３】請求項４の発明によれば、上記各発明に加
えて洗浄水が流れる経路に、スケールの析出を防止若し
くは抑制するスケール除去手段を設けたので、アルカリ
性水では生じ易いスケールが洗浄水の経路に付着して目
詰まりなどを引き起こす不都合を未然に回避することが
可能となり、安定した洗浄運転を実現することができる
ようになるものである。

【００１４】請求項５の発明の食器洗浄装置は、上記各
発明においてすすぎ工程におけるすすぎ水は温水を使用
するものである。

【００１５】請求項５の発明によれば、上記各発明に加
えてすすぎ工程においてはすすぎ水として温水を使用す
るようにしたので、洗浄に使用したアルカリ性水を被洗
浄物から洗い落とすことができるようになり、アルカリ
性水が被洗浄物に残留することによって生ずる被洗浄物
或いはそれに盛られる食品の変質などの不都合を未然に
回避することができるようになるものである。

【００１６】

【発明の実施の形態】次に、図面に基づき本発明の実施
形態を詳述する。図１は本発明の食器洗浄装置ＤＷＡの
正面図、図２は食器洗浄装置ＤＷＡの概略縦断側面図を
示している。本発明の食器洗浄装置ＤＷＡは、従来同様
の食器洗浄機１と、イオン水生成手段としてのイオン水
生成器３１と、前洗浄手段としての前洗浄槽３２とから
構成されている。

【００１７】前記食器洗浄機１の本体２上部には洗浄室
３が画成されており、この洗浄室３の周囲が上下動され
る箱状のドアー１７によって開閉自在とされている。ま
た、１８はこのドアー１７を上下に開閉するためのハン
ドルである。

【００１８】洗浄室３の上部には洗浄水を下向きに噴射
する複数の洗浄ノズル口を有する上洗浄ノズル４が回転
可能に配設されると共に、この上洗浄ノズル４の若干下
位には上洗浄ノズル４と同心上で回転する上すすぎノズ
ル５が配設されている。この上すすぎノズル５は、すす
ぎ水を下向きに噴射する複数のすすぎノズル口を有して
いる。

【００１９】また、洗浄室３の下部には洗浄水を上向き
に噴射する複数の洗浄ノズル口を有する下洗浄ノズル６
が回転可能に配設され、この下洗浄ノズル６の若干上位
にはすすぎ水を上向きに噴射する複数のすすぎノズル口
を有する下すすぎノズル７が下洗浄ノズル６と同心上で
回転可能に配設されている。

【００２０】更に、本体２には＋８０℃程の高温のすす
ぎ水を貯留するためのブースタタンク１５が並設されて
いる。このブースタタンク１５と上下すすぎノズル５、
７の間には、ブースタタンク１５に貯留せる前記すすぎ
水を、すすぎ配管１９を介して上下すすぎノズル５、７
に給送するためのすすぎポンプ（図示せず）が配設され
ている。

【００２１】また、洗浄室３の下方の本体２内にはフィ
ルタによって洗浄室３と区画され、電気ヒーターにて加
熱される図示しない洗浄タンクが設けられ、この洗浄タ
ンク内にはオーバーフロー管（図示せず）が立設され
て、洗浄タンクの洗浄水面を所定水位に規制する位置に
て開口している。また、上下洗浄ノズル４、６と洗浄タ
ンクの間には、洗浄タンクに貯留されるアルカリ洗剤が
混入された＋６０℃程の洗浄水を、洗浄配管１８を介し
て上下洗浄ノズル４、６に循環するための洗浄ポンプ
（図示せず）が配設されている。

【００２２】一方、前記イオン水生成器３１は、給水管
３３から供給される水道水に例えば塩分を添加して電気
分解することにより、ｐＨ１１以上の強アルカリ性水と
副産物としての強酸性水を生成するものであり、生成さ
れた強アルカリ性水はアルカリ性水経路３４を経て前記
洗浄タンク内に供給される。また、前記ブースタータン
ク１５には水道水が供給されると共に、このブースター
タンク１５内の水は、図示しない電気ヒーターなどによ
って前記＋８０℃程の温度に加熱され、温水とされる。

【００２３】また、上記アルカリ性水経路３４中にはス
ケール除去手段としてのスケールウォッチャーなどのス
ケール防止装置３６が設けられている。このスケール防
止装置３６は、アルカリ性水経路３４を流れるカルシウ
ムイオンなどを多く含んだ強アルカリ性水に電界を加え
ることにより、アルカリ性水経路３４及びその後段の洗
浄タンク、各ノズル４、６内の経路において、スケール
（炭酸塩など）が析出し難くするものである。

【００２４】上記イオン水生成器３１にて生成された強
酸性水は、酸性水経路３７から流出する。また、本体２
内の前記洗浄タンクのオーバーフロー管には排水管３８
が連通接続されると共に、更に、この排水管３８の途中
には前記酸性水経路３７が連通接続されている。尚、実
施例ではイオン水生成器３１を食器洗浄機１に並設した
が、食器洗浄機１の本体２内に一体に設けても良い。

【００２５】他方、前記前洗浄槽３２は上方に開口した
前洗浄室４１を備えており、前洗浄槽３２の給水管４２
からは、図示しない他のイオン水生成器と湯沸器などか
ら供給される約＋４０℃〜＋５０℃程の弱アルカリ性水
が前洗浄室４１内に供給される。この前洗浄室４１に
は、その所定水位を規制するオーバーフロー管４３が立
設されており、更に、この前洗浄室４１内の洗浄水はポ
ンプ４４にて攪拌される構造とされている。尚、前洗浄
水は弱アルカリ性の温水に限らず、通常（中性）温水あ
っても良い。

【００２６】以上の構成で、次に食器洗浄装置ＤＷＡの
動作を説明する。被洗浄物としての食器ＤＳを洗浄する
際には、先ずそれらをトレー４６上に載置し、そのまま
前洗浄槽３２の前洗浄室４１内に貯留された洗浄水中に
浸漬して前洗浄工程を実施する。この前洗浄室４１内で
は、上述の如き弱アルカリ性水から成る温水が攪拌され
るため、ここでは、食器ＤＳに付着している未変性のタ
ンパク質が洗い落とされる。

【００２７】一方、食器洗浄機１は、電源の投入と同時
に給湯運転を開始し、イオン水生成器３１からアルカリ
性水経路３４を経て前記洗浄タンク内に強アルカリ性水
が供給され、加熱されながら貯留されて行く。洗剤はこ
の段階で洗浄タンク内に所定量投入されるが、この給湯
により洗浄タンク内が満水となると給湯運転は停止さ
れ、食器洗浄機１は待機状態となる。

【００２８】そして、係る待機状態の食器洗浄機１の洗
浄室３内には、ドアー１７を開いた状態で前述の如く前
洗浄工程を終了した食器ＤＳが収納される。そして、ド
アー１７を閉じた後、以下に説明する洗浄工程が開始さ
れる。

【００２９】この洗浄工程では前記洗浄ポンプが運転さ
れ、前記洗浄タンク内の洗浄水を洗浄配管１８を介して
上下洗浄ノズル４、６に循環する。そして、上下洗浄ノ
ズル４、６より洗浄室３内に噴射し、食器ＤＳを洗浄し
て行く。このとき、洗浄ノズル４、６から噴射される洗
浄水は前述の如く強アルカリ性水に洗剤が混入されたも
のであるので、食器ＤＳの汚れは迅速に落とされてい
く。そして、係る洗浄工程は所定時間実行された後、終
了され、次に食器洗浄機１は所定時間休止する。これに
よって、食器ＤＳの洗浄水を水切りする。

【００３０】この休止時間が経過すると、次にすすぎ工
程が開始される。このすすぎ工程では前記すすぎポンプ
が運転され、ブースタタンク１５内のすすぎ水（温水）
を、すすぎ配管１９を介して上下すすぎノズル５、７か
ら洗浄室３内に噴射し、食器ＤＳの洗浄水をすすぐ。

【００３１】係るすすぎ工程は所定時間で終了され、食
器ＤＳの洗浄は完了する。係る洗浄工程及びすすぎ工程
において、洗浄タンクのオーバーフロー管から溢れ出た
洗浄水（或いはすすぎ水）は排水管３８から排出される
が、このとき、酸性水経路３７からはイオン水生成器３
１で生成された強酸性水が流入し、洗浄水に合流して中
和した後、排出される。

【００３２】このように本発明では、強アルカリ性水と
強酸性水を生成するイオン水生成器３１が生成した強ア
ルカリ性水を、洗浄工程における洗浄水として使用して
いるので、洗浄水自体が洗浄効果を発揮するようにな
る。従って、洗浄水に投入する洗剤量を削減しても、強
アルカリ性水と洗剤との相乗効果で著しい洗浄能力の向
上を図ることができ、低ランニングコストを実現するこ
とが可能となる。特に、洗剤の投入自体を廃止すること
も可能となるので、環境上の問題も効果的に解消するこ
とができるようになる。

【００３３】また、洗浄工程において生じる排水には、
イオン水生成器３１にて生成された強酸性水を混合して
排出するようにしているので、洗浄後の排水を中和して
から排出することができるようになり、強アルカリ性水
或いは強酸性水を使用すること自体により生じる環境上
の問題も解消することができる。

【００３４】更に、温水若しくは弱アルカリ性温水にて
食器ＤＳの前洗浄工程を実行する前洗浄槽３２を設けた
ので、強アルカリ性水では変性してしまい、却って落ち
難くなる未変性のタンパク質などを、この前洗浄工程に
て洗い落とすことができるようになり、総じて洗浄能力
の一層の向上を図ることができるようになる。

【００３５】また、アルカリ性水経路３４中にはスケー
ルの析出を防止若しくは抑制するスケール防止装置３６
を設けたので、アルカリ性水では生じ易いスケールが洗
浄配管１８やノズル４、６に付着して目詰まりなどを引
き起こす不都合を未然に回避することが可能となり、安
定した洗浄運転を実現することができるようになる。

【００３６】更に、すすぎ工程においてはすすぎ水とし
て温水を使用するようにしたので、洗浄に使用したアル
カリ性水を食器ＤＳからきれいに洗い落とすことができ
るようになり、アルカリ性水が食器ＤＳに残留すること
によって生ずる食器ＤＳ自体或いはそれに盛られる食品
の変質などの不都合を未然に回避することができるよう
になる。

【００３７】尚、すすぎ水の流入によって洗浄タンク内
のアルカリ性度が低下するが、その場合には、一旦洗浄
タンク内の洗浄水を廃棄してから給湯運転を行い、洗浄
工程を開始するようにする。

【００３８】

【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、アル
カリ性水と酸性水を生成するイオン水生成手段が生成し
た前記アルカリ性水を、洗浄工程における洗浄水として
使用するので、洗浄水自体が洗浄効果を発揮するように
なる。従って、洗剤量を削減しても、アルカリ性水と洗
剤との相乗効果で著しい洗浄能力の向上を図ることがで
き、低ランニングコストを実現することが可能となる。
更に、洗剤の投入自体を廃止することも可能となるの
で、環境上の問題も効果的に解消することができるよう
になるものである。

【００３９】請求項２の発明によれば、上記に加えて洗
浄工程において生じる排水に、イオン水生成手段にて生
成された酸性水を混合して排出するようにしたので、洗
浄後の排水を中和してから排出することができるように
なり、アルカリ性水或いは酸性水を使用すること自体に
より生じる環境上の問題も解消することができるように
なるものである。

【００４０】請求項３の発明によれば、上記各発明に加
えてイオン水生成手段により強アルカリ性水を生成し、
洗浄工程においてこの強アルカリ性水を使用するように
したので、洗浄工程における洗浄効果を向上させること
ができるようになる。

【００４１】特に、温水若しくは弱アルカリ性温水にて
被洗浄物の前洗浄工程を実行する前洗浄手段を設けたの
で、強アルカリ性水では変性してしまい、却って落ち難
くなる未変性のタンパク質などをこの前洗浄工程にて洗
い落とすことができるようになり、総じて洗浄能力の一
層の向上を図ることができるようになるものである。

【００４２】請求項４の発明によれば、上記各発明に加
えて洗浄水が流れる経路に、スケールの析出を防止若し
くは抑制するスケール除去手段を設けたので、アルカリ
性水では生じ易いスケールが洗浄水の経路に付着して目
詰まりなどを引き起こす不都合を未然に回避することが
可能となり、安定した洗浄運転を実現することができる
ようになるものである。

【００４３】請求項５の発明によれば、上記各発明に加
えてすすぎ工程においてはすすぎ水として温水を使用す
るようにしたので、洗浄に使用したアルカリ性水を被洗
浄物から洗い落とすことができるようになり、アルカリ
性水が被洗浄物に残留することによって生ずる被洗浄物
或いはそれに盛られる食品の変質などの不都合を未然に
回避することができるようになるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の食器洗浄装置の正面図である。

【図２】本発明の食器洗浄装置の概略縦断側面図であ
る。

【符号の説明】

ＤＷＡ 食器洗浄装置 １ 食器洗浄機 ３ 洗浄室 ４ 上洗浄ノズル ５ 上すすぎノズル ６ 下洗浄ノズル ７ 下すすぎノズル １５ ブースタタンク １７ ドアー ３１ イオン水生成器 ３２ 前洗浄槽 ３６ スケール防止装置

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄室内において、被洗浄物の洗浄及び
   すすぎ工程を実行する食器洗浄装置において、 アルカリ性水と酸性水を生成するイオン水生成手段を備
   え、このイオン水生成手段にて生成された前記アルカリ
   性水を、前記洗浄工程における洗浄水として使用するこ
   とを特徴とする食器洗浄装置。
2. 【請求項２】 洗浄工程において生じる排水に、イオン
   水生成手段にて生成された酸性水を混合して排出するこ
   とを特徴とする請求項１の食器洗浄装置。
3. 【請求項３】 イオン水生成手段は強アルカリ性水を生
   成し、洗浄工程においてはこの強アルカリ性水を使用す
   ると共に、温水若しくは弱アルカリ性温水にて被洗浄物
   の前洗浄工程を実行する前洗浄手段を備えたことを特徴
   とする請求項１又は請求項２の食器洗浄装置。
4. 【請求項４】 洗浄水が流れる経路に、スケールの析出
   を防止若しくは抑制するスケール除去手段を設けたこと
   を特徴とする請求項１、請求項２又は請求項３の食器洗
   浄装置。
5. 【請求項５】 すすぎ工程におけるすすぎ水は温水を使
   用することを特徴とする請求項１、請求項２、請求項３
   又は請求項４の食器洗浄装置。