JP3713627B2 - 食器洗浄機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば食器類に付着した汚れを洗剤を使用することなく除去することができる食器洗浄機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の食器洗浄機は、電気分解水やアルカリ水を生成してから洗浄、すすぎをするタイプで、電気分解水やアルカリ水が食器類の汚れと化学反応することで、洗剤を使用することなく食器類の洗浄が行えるもので、例えば特開平8−47473号公報に記載されたものと同様の構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の食器洗浄機では、通常の食器洗浄機での洗浄水の代わりに電気分解水やアルカリ水を使用するため、洗浄水に相当する量の電気分解水やアルカリ水を生成しなければならず、一般的な洗浄行程のサイクルでは洗浄1回、すすぎ3〜4回を実施するから、各回で電気分解水やアルカリ水の生成にかかる時間を洗浄時間に追加すると、通常の洗浄時間に対し、かなりの時間増加となり、実用的でないという問題点があった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、電気分解水やアルカリ水の生成量を少なくし、生成時間を短縮して洗剤を使用することなく食器類の汚れを除去し易くした食器洗浄機を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る食器洗浄機は、食器類を収容する洗浄槽と、洗浄槽への水の供給を制御する給水弁装置と、前記洗浄槽の底部に貯まった電気分解水又は洗浄水を食器類に対して噴射或いは機外に排出させる洗浄用ポンプと、交流電源から直流電圧を発生する直流電気発生装置と、直流電気発生装置からの直流電圧により水を電気分解して電気分解水を生成し、前記洗浄槽へ電気分解水を給水する電気分解装置と、加熱手段を有するボイラーと、ボイラーに接続され、前記洗浄槽内に蒸気を噴射する蒸気噴射部と、前記電気分解装置又は前記ボイラーへの給水を切換える水路2方向切換装置と、前記洗浄槽内の電気分解水を前記水路2方向切換装置に給水する給水ポンプと、前記給水弁装置、前記洗浄用ポンプ、前記直流電気発生装置、前記加熱手段、前記水路2方向切換装置及び前記給水ポンプを駆動制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記給水弁装置を開いて前記洗浄槽内に所定量の水を給水し、その後前記給水弁装置を閉じて前記給水ポンプを駆動させると共に前記水路2方向切換装置を前記電気分解装置への給水に切換動作させ、前記直流電気発生装置を動作させて前記電気分解装置が生成した電気分解水を前記洗浄槽を経て再び前記電気分解装置へと所定時間循環させ、その後前記水路2方向切換装置を前記ボイラーへの給水に切換動作させると共に前記加熱手段に通電させ、前記ボイラーで加熱蒸気化した電気分解水を前記蒸気噴射部から前記洗浄槽内に収容された食器類に噴射して洗浄を所定時間行うようにしたものである。
【0006】
本発明の請求項2に係る食器洗浄機は、前記制御手段は前記ボイラーで加熱蒸気化した電気分解水を前記蒸気噴射部から前記洗浄槽内に収容された食器類に噴射して洗浄を所定時間行った後に、前記給水ポンプを停止させると共に前記加熱手段の通電を停止させ、前記洗浄用ポンプを駆動させて前記洗浄槽の底部に貯まった電気分解水を食器類に対して噴射させるようにしたものである。
【0007】
本発明の請求項3に係る食器洗浄機は、食器類を収容する洗浄槽と、洗浄槽の底部に貯まったアルカリ水、酸性水又は洗浄水を食器類に対して噴射或いは機外に排出させる洗浄用ポンプと、酸性水を一時貯蔵する電気分解水一時貯蔵タンクと、加熱手段を有するボイラーと、ボイラーに接続され、前記洗浄槽内に蒸気を噴射する蒸気噴射部と、交流電源から直流電圧を発生する直流電気発生装置と、直流電気発生装置からの直流電圧により水を電気分解してアルカリ水と酸性水とを分離して生成し、アルカリ水を前記ボイラーへ給水し、酸性水を前記一時貯蔵タンクを介して前記洗浄槽へ給水する電気分解装置と、電気分解装置又は前記ボイラーへの給水を切換える水路2方向切換装置と、前記洗浄槽内のアルカリ水を前記水路2方向切換装置に給水する給水ポンプと、前記給水弁装置、前記洗浄用ポンプ、前記直流電気発生装置、前記加熱手段、前記水路2方向切換装置及び前記給水ポンプを駆動制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記給水弁装置を開いて前記洗浄槽内に所定量の水を給水し、その後前記給水弁装置を閉じて前記給水ポンプを駆動させると共に前記水路2方向切換装置を前記電気分解装置への給水に切換動作させ、前記直流電気発生装置を動作させて前記電気分解装置が生成したアルカリ水を前記洗浄槽を経て再び前記電気分解装置へと所定時間循環させ、その後前記水路2方向切換装置を前記ボイラーへの給水に切換動作させると共に前記加熱手段に通電させ、前記ボイラーで加熱蒸気化したアルカリ水を前記蒸気噴射部から前記洗浄槽内に収容された食器類に噴射して洗浄を所定時間行うようにしたものである。
【0008】
本発明の請求項4に係る食器洗浄機は、前記蒸気噴射部が複数の蒸気噴射口としたものである。
【0009】
本発明の請求項5に係る食器洗浄機は、前記ボイラーが高速噴射型ボイラーであり、前記蒸気噴射部がジェットノズルとしたものである。
【0010】
本発明の請求項6に係る食器洗浄機は、前記ボイラーが高速噴射型ボイラーであり、前記蒸気噴射部が拡散ノズルとしたものである。
【0011】
本発明の請求項7に係る食器洗浄機は、前記電気分解装置に対して印加する前記直流電気発生装置の電圧の極性を切換え、該電気分解装置により生成した酸性水をボイラーに送り、ボイラーで加熱蒸気化した酸性水を蒸気噴射部から洗浄槽内に収容された食器類に噴射して洗浄を所定時間行うようにしたものである。
【0012】
本発明の請求項8に係る食器洗浄機は、前記電気分解装置により分離生成して前記洗浄槽に給水する酸性水又はアルカリ水を、前記食器洗浄機本体に着脱自在に設けた分解水収納装置に貯留させるようにしたものである。
【0013】
本発明の請求項7に係る食器洗浄機は、前記電気分解装置に対して印加する前記直流電気発生装置の電圧の極性を切換え、前記電気分解装置により生成した酸性水をボイラーに送り、ボイラーで加熱蒸気化した酸性水を前記蒸気噴射部から前記洗浄槽内に収容された食器類に噴射して洗浄を所定時間行うようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機の構成を示す断面図、図2は同食器洗浄機に食器類が収納された状態を示す断面図、図3は同食器洗浄機の操作部の説明図、図4は同食器洗浄機の要部を示す断面図、図5同食器洗浄機の制御を示すブロック図である。
この実施の形態1の食器洗浄機は循環式混合型と呼ばれるものである。
図1、2において、1は食器洗浄機本体、2は食器洗浄機本体1内に形成された洗浄槽、3は食器洗浄機本体1の前面に設けられた扉、4は食器洗浄機本体1の前面下部に設けられた操作部である。
8は洗浄槽2の背面に設けられ、交流電源から直流を発生する直流電気発生装置、9aは洗浄槽2の背面に設けられ、直流電気発生装置8からの直流により電気分解を行い、生成されたアルカリ水と酸性水が混合した電気分解水を排出する混合型の電気分解装置である。
【0015】
13は洗浄槽2の側壁内面に設けたリブ(図示せず)に支持され、洗浄槽2内に出し入れ可能に収納された食器かご、15は洗浄槽2内に給水される水の流量を計測する流量計、16は洗浄槽2の下部に設けられた貯水タンク、17は貯水タンク16から取水する第1の取水管、18は第1の取水管17に接続された洗浄用ポンプ、19は洗浄ポンプ18に接続された第1の導水管、20は第1の導水管19に接続された回転ノズルで、水が給水されると自動的に回転して水を噴射するものである。
21は貯水タンク16の上部に設けられた第1の加熱手段である第1のヒータ、22は貯水タンク16に設けられ、洗浄により食器類14から落ちた残滓を濾過する残滓フィルタ、23は食器洗浄機本体1に水道水を給水する給水ホースである。
【0016】
29は食器洗浄機本体1の上部に配置された円筒状の高速噴射型ボイラー、30は高速噴射型ボイラー29に接続され、蒸気を洗浄槽2にジェット噴射する微孔からなる蒸気噴射部であるジェットノズル、31は高速噴射型ボイラー29に設けられた第2の加熱手段である第2のヒータである。37は高速噴射型ボイラー29と後述する水路2方切換装置とを接続する連絡管である。
38は第1の取水管17に接続された排水ホース、39は給水ポンプ、40は貯水タンク16から取水する第2の取水管で、給水ポンプ39に接続されている。41は給水ポンプ39に接続されている第2の導水管、42は給水ホース23に接続され、洗浄槽2内に給水する給水弁装置、43は第2の導水管14に接続され、水道水を電気分解装置と円筒状のボイラー29とにそれぞれ切換えて供給する水路2方切換装置である。
44は塩投入装置、46は貯水タンク16の底部に設けられたろ過フィルタである。
【0017】
図3において、51は操作部4の電源の入/切を行う電源キー、52は操作部4の設定したコースを開始させるためのスタート/一時停止キー、53は操作部4の洗剤レス洗浄を行うための洗剤レス洗浄キー、54は電気分解が完了すると点灯する電気分解完了ランプ、55は食後にすぐ洗うときの標準コース、汚れが少ないときの節約コース、油汚れが多いときの高温コースという各コースを設定するコースキー、56はいくつかの乾燥時間を設定する乾燥キー、57は短時間で洗うときのスピードコース、乾燥するときの乾燥コース、下洗いをするときの予洗コースという各コースを設定する専用キーである。
【0018】
図4において、25は電気分解装置9aの第1の電極、26は電気分解装置9aの第2の電極、27は第1の電極25と第2の電極26とにそれぞれ設けられたスペーサである。47は塩自動投入装置44の下部に設けられ、洗浄槽2内に塩24を投入する塩投入口、48は塩自動投入装置44に内蔵され、塩投入口47を開閉する塩投入口開閉用ソレノイド、49は塩自動投入装置44の下部に設けられた塩補充用口である。
図4において、5は例えばマイクロコンピュータで構成される制御手段である制御部で、洗浄行程〜すすぎ行程に至るプログラム等を記憶する記憶部(図示省略)と、各行程の時間を管理するタイマ部(図示省略)とを有している。
制御部5は操作部4における各種キー、流量計15からの各信号が入力されると、これらの入力信号並びに記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、直流電気発生装置8、洗浄用ポンプ18、第1のヒータ21、第2のヒータ31,給水ポンプ39、給水装置42並びに水路2方切換装置43を駆動制御する。
【0019】
次に、本発明の実施の形態1の食器洗浄機の動作を図1〜図5に基づいて説明する。
まず、操作部4の電源キー51を押して電源を入力し、次にコースキー55を1回押すと標準コースが設定され、スタート/一時停止キー52の入力待ちとなる。
そこで、スタート/一時停止キー52を押すと、設定された標準コースについて運転を開始し、まず洗浄行程を実行し、次にすすぎ行程を実行し、乾燥行程を実行して運転は終了する。
この実施の形態1の食器洗浄機は洗浄行程とすすぎ行程に特徴があるので、洗浄行程とすすぎ行程の動作について説明する。また、この実施の形態1の食器洗浄機は循環式混合型と呼ばれるものである。
【0020】
操作部4のスタート/一時停止キー52を押してスタートすると、制御部5は給水弁装置42を開く。そうすると、給水ホース23からの給水は、給水弁装置42を経て洗浄槽2の底部に貯められる。
流量計15は洗浄噌2内に所定量の水が給水されたどうかを検出しており、水位が所定量に達しことを検出した流量計15は検出信号を制御部5に入力する。そうすると、制御部5は給水弁装置42を閉じ、給水を停止させる。
その後、制御部5は塩投入装置44の塩投入口開閉用ソレノイド48を所定時間動作させて塩投入口を47を開いて洗浄槽2の底部に貯まった水に所定量の塩24を投入させる。
【0021】
しかる後に、制御部5は給水ポンプ39を駆動させ、洗浄槽2の底部に貯められた水は貯水タンク16から第2の取水管40を通って給水ポンプ39に入り、給水ポンプ39より第2の導水管41及び水路2方切換装置43を経て、電気分解装置9aに送られる。
このとき、制御部5は直流電気発生装置8を駆動させ、直流電圧が電気分解装置9aに印加され、電気分解装置9aでは電気分解水を生成する。この電気分解水の生成の際に、洗浄、殺菌等に効果のある次亜塩素酸が生成される。
その電気分解装置9aによって生成された電気分解水は洗浄槽2に戻され、洗浄槽2から再び電気分解装置9aに送るという電気分解水の循環を例えば約10分間繰り返す。この循環によって電気分解水の濃度が高められ、最終的にpH値は11〜12となる。
なお、この電気分解水の生成時には、洗浄槽2内に汚れた食器類14を入れず、電気分解水の循環が終了した後に入れられる。
【0022】
かかる電気分解水の循環が終了すると、制御部5は水路2方切換装置43を切換駆動させ、電気分解装置9a側からボイラー29側に水路が切換えられる。それと同時に、制御部5は直流電気発生装置8の駆動を停止させ、直流電圧が電気分解装置9aに印加されないようにする。
そして、今度は所定の濃度となった電気分解水は高速噴射型ボイラー29へ送られる。高速噴射型ボイラー29に入った電気分解水は、制御部5によって通電された第2のヒータ31の加熱によって蒸気化され、ジェットノズル30より洗浄槽2内の食器類14に対しジェット噴射される。このジェットノズル30によるジェット噴射は約1分間の所定時間行われる。
ジェットノズル30よるジェット噴射が所定時間行われた後は、制御部5は給水ポンプ39の駆動を停止させると共に、第2のヒータ31への通電も停止させる。
【0023】
しかる後に、制御部5は洗浄用ポンプ18を正転動作するよう駆動させ、洗浄槽2の底部に貯まった電気分解水は貯水タンク16から第1の取水管17及び洗浄用ポンプ18を経て第1の導水管19を通り、回転ノズル20へと導かれ、回転ノズル20から食器類14に噴射される。
こうして洗浄が終了すると、制御部5が洗浄用ポンプ18の逆回転動作を開始させ、洗浄槽2内に貯まっていた電気分解水は貯水タンク16から第1の取水管17を通り、洗浄用ポンプ18に取り込まれ、排水ホース38を通り、食器洗浄機本体1外へ排水される。そして、洗浄用ポンプ18は一定時間(通常約1分間)逆回転動作を連続又は断続的に行う。
【0024】
このように電気分解水の排水が終わると、給水弁装置42を閉とし、すすぎ行程が開始される。
すすぎ行程は、まず給水ホース23から給水されたすすぎ用水が給水弁装置42を通り洗浄槽2に給水される。
流量計15は洗浄噌2内に所定量の水道水が給水されたどうかを検出しており、水位が所定量に達しことを検出した流量計15は検出信号を制御部5に入力する。そうすると、制御部5は給水弁装置42を閉じ、給水を停止させ、すすぎ行程は開始される。
すすぎ行程が開始されると、制御部5は洗浄用ポンプ18を正転動作させる。そうすると、すすぎ用水は貯水タンク16から第1の取水管17を通り、洗浄用ポンプ18に入り、第1の導水管19を通り回転ノズル20へと導かれ、食器類14に噴射される。
【0025】
そして、一定時間(1、2分から数10分)の噴射の後、洗浄用ポンプ18を逆回転動作をさせ、洗浄槽2内に貯まっていたすすぎ用水は貯水タンク16から第1の導水管17を通り、洗浄用ポンプ18に取り込まれ、排水ホース38を通り、食器洗浄機本体1外へ排水される。洗浄用ポンプ18は一定時間(通常約1分以内)逆回転動作を連続又は断続的に行わせる。
これがすすぎ行程で、複数回繰り返される(通常は4回、4回目は第1のヒータ21が通電され、すすぎ用水が温水になる)。
すすぎは、洗浄用水で行うが、電気分解水で行っても良い。そして、すすぎ行程が終了すれば、その後は必要に応じて乾燥ファン(図示省略)を駆動させて乾燥を行う。
【0026】
この実施の形態1では、洗浄槽2の貯水タンク16に所定量の水を貯め、しかる後にその水を電気分解装置9aに送り、電気分解装置9aにより電気分解水を生成し、生成された電気分解水を洗浄槽2に戻してから再び電気分解装置9aに送るという電気分解水の循環を所定時間繰り返して所定濃度の電気分解水を生成し、その所定濃度の電気分解水を高速噴射型ボイラー39に送り、高速噴射型ボイラー29で電気分解水を蒸気化し、ジェットノズル30から洗浄槽2内に収容された食器類14に電気分解水の高温蒸気を噴射するようにしたので、ジェットノズル30の蒸気のジェット噴射の噴射力で食器類14の当接面の汚れを落とすことができ、更に循環により所定の濃度に高められた電気分解水に含まれる次亜鉛塩素酸の効果により、洗浄槽2内に収容された食器類14の汚れが分解され、浮かして簡単に除去される。なお、電気分解装置9aにより電気分解水を生成するのに、塩自動投入装置44を動作させて洗浄槽2の底部に貯められた水に塩24を添加するのは電気分解の生成効率を高め、より電気分解水の生成時間を短縮するためである。
【0027】
また、ジェットノズル30からは高温蒸気の状態にして食器類14に噴射されるため、電気分解水の生成は少量で済み、従来のように電気分解水の生成に時間を要することはない。
さらに、ジェットノズル30による高温蒸気の食器類14に対する上からの噴射で汚れの分解、浮かしができ、その後の洗浄用ポンプ18を駆動して回転ノズル20による電気分解水の食器類14に対する下からの噴射で洗浄を繰り返すことにより、食器類14の汚れがまんべんなく除去され、洗浄能力がアップする。
【0028】
実施の形態2.
図6は本発明の実施の形態2に係る食器洗浄機の構成を示す断面図、図7は同食器洗浄機の要部を示す断面図である。
この実施の形態2の食器洗浄機も循環式混合型と呼ばれるものである。
この実施の形態2において、実施の形態1と同一の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
この実施の形態2は、電気分解装置9aに第2のヒータが設けられた箱状のボイラー10が接続され、そのボイラー10に蒸気を洗浄槽2に噴射する蒸気噴射部である3つの噴射口12が設けられている構成が実施の形態1と異なる点である。
【0029】
この実施の形態2では、洗浄槽2の貯水タンク16に所定量の水を貯め、しかる後にその水を電気分解装置9aに送り、電気分解装置9aにより電気分解水を生成し、生成された電気分解水を洗浄槽2に戻してから再び電気分解装置9aに送るという電気分解水の循環を所定時間繰り返して所定濃度の電気分解水を生成し、その所定濃度の電気分解水をボイラー10に送り、ボイラー10で電気分解水を蒸気化し、3つの蒸気噴射口12からそれぞれ洗浄槽2内に収容された食器類14にまんべんなく電気分解水の高温蒸気を噴射するようにしたので、3つの蒸気噴射口12のそれぞれの蒸気の噴射の噴射力で食器類14の当接面の汚れをまんべなく落とすことができ、更に循環により所定の濃度に高められた電気分解水に含まれる次亜鉛塩素酸の効果により、洗浄槽2内に収容された食器類14の汚れがまんべなく分解され、浮かして簡単に除去されることとなる。
なお、他の作用効果は実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。
【0030】
実施の形態3.
図8は本発明の実施の形態3に係る食器洗浄機の構成を示す断面図、図9は同食器洗浄機の拡散ノズルを示す断面図である。
この実施の形態3の食器洗浄機も循環式混合型と呼ばれるものである。
この実施の形態3において、実施の形態1と同一の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
この実施の形態3は、電気分解装置9aに第2のヒータ31が設けられた高速噴射型ボイラー29が接続され、その高速噴射型ボイラー29に蒸気を洗浄槽2に拡散噴射する蒸気噴射部である拡散ノズル32が接続されている構成が実施の形態1と異なる点である。
【0031】
この拡散ノズル32は図9に示すようにホローコーンタイプといわれるもので、内部に中空の螺旋室が形成されたノズル本体32aと、ノズル本体32aの先端部に形成された噴射孔32bと、ノズル本体32aの上部に形成された横方向の水取入口32cと、ノズル本体32aを覆い、ノズル本体32a内中央に入り込む旋回用突部を有するノズルキャップ32dとで構成されている。
かかる拡散ノズル32は水取入口32cから入ってきた蒸気又は水がノズル本体32aの螺旋室で旋回し、噴射孔32bから拡散噴射するものである。
【0032】
この実施の形態3では、洗浄槽2の貯水タンク16に所定量の水を貯め、しかる後にその水を電気分解装置9aに送り、電気分解装置9aにより電気分解水を生成し、生成された電気分解水を洗浄槽2に戻してから再び電気分解装置9aに送るという電気分解水の循環を所定時間繰り返して所定濃度の電気分解水を生成し、その所定濃度の電気分解水をボイラー10に送り、ボイラー10で電気分解水を蒸気化し、拡散ノズル32から洗浄槽2内に収容された食器類14に電気分解水の高温蒸気を拡散噴射するようにしたので、拡散ノズル32の蒸気の拡散噴射の噴射力で食器類14の当接面の汚れをまんべなく落とすことができ、更に循環により所定の濃度に高められた電気分解水に含まれる次亜鉛塩素酸の効果により、洗浄槽2内に収容された食器類14の汚れがまんべなく分解され、浮かして簡単に除去されることとなる。
なお、他の作用効果は実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。
【0033】
実施の形態4.
図10は本発明の実施の形態4に係る食器洗浄機の構成を示す断面図、図11は同食器洗浄機の操作部の説明図、図12は同食器洗浄機の要部を示す断面図である。
この実施の形態4の食器洗浄機は循環式分離型と呼ばれるものである。
この実施の形態4の循環式分離型において、実施の形態1の循環式混合型と同一の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
この実施の形態4の循環式分離型は、電気分解装置9bの構成が実施の形態1の電気分解装置9aと相違することと、電気分解装置9bの一方の排出側に電気分解水一時貯蔵タンク70を設けたことと、操作部4に新たにアルカリ/酸性水質切換キー58を設けたものであり、他の構成は同じである。
【0034】
この実施の形態4の電気分解装置9bは水を電気分解してアルカリ水と酸性水に分離するもので、図12に示すように、第1の電極25と、第2の電極26と、第1の電極25と第2の電極26とにそれぞれ設けられたスペーサ27と、これらスペーサ27の間に設けた隔膜28とを備えて構成されている。
この電気分解装置9bの第1の電極25の排出口側は高速噴射型ボイラー29に接続され、第2の電極26の排出側は電気分解水一時貯蔵タンク70に接続され、電気分解水一時貯蔵タンク70の排出側は洗浄槽2に接続されている。
そして、第1の電極25に直流電気発生装置8のマイナスの電圧が、第2の電極26にプラスの電圧が印加されるように接続され、第1の電極25にアルカリ水が生成され、第2の電極26に酸性水が生成される。
【0035】
次に、本発明の実施の形態4の食器洗浄機の動作を説明する。
操作部4を操作して運転を開始し、まず洗浄行程を実行し、次にすすぎ行程を実行し、乾燥行程を実行して運転は終了する。
この実施の形態4の食器洗浄機は洗浄行程及びすすぎ行程に特徴があるので、洗浄行程及びすすぎ行程の動作について説明する。また、この実施の形態4の食器洗浄機は循環式分離型と呼ばれるものである。
【0036】
操作部4のスタート/一時停止キー52を押してスタートすると、制御部5は給水弁装置42を開く。そうすると、給水ホース23からの給水は、給水弁装置42を経て洗浄槽2の底部に貯められる。
流量計15は洗浄噌2内に所定量の水が給水されたどうかを検出しており、水位が所定量に達しことを検出した流量計15は検出信号を制御部5に入力する。そうすると、制御部5は給水弁装置42を閉じ、給水を停止させる。
その後、制御部5は塩投入装置44の塩投入口開閉用ソレノイド48を所定時間動作させて塩投入口を47を開いて洗浄槽2の底部に貯まった水に所定量の塩24を投入させる。
【0037】
しかる後に、制御部5は給水ポンプ39を駆動させ、洗浄槽2の底部に貯められた水は貯水タンク16から第2の取水管40を通って給水ポンプ39に入り、給水ポンプ39より第2の導水管41及び水路2方切換装置43を経て、電気分解装置9bに送られる。
このとき、制御部5は直流電気発生装置8を駆動させ、直流電圧が電気分解装置9aに印加される。電気分解装置9bでは電気分解を起こし、第1の電極25にアルカリ水を生成し、第2の電極26に酸性水を生成する。
その電気分解装置9bによって第1の電極25に生成されたアルカリ水は洗浄槽2に戻され、第2の電極26に生成された酸性水は電気分解水一時貯蔵タンク70に送られて貯蔵される。
その電気分解装置9bによって生成されたアルカリ水は洗浄槽2に戻され、洗浄槽2から再び電気分解装置9aに送るというアルカリ水の循環を例えば約10分間繰り返す。この循環によってアルカリ水の濃度が高められ、最終的にpH値は11〜12となる。
【0038】
かかるアルカリ水の循環が終了すると、制御部5は水路2方切換装置43を切換駆動させ、電気分解装置9b側から高速噴射型ボイラー29側に水路が切換えられる。それと同時に、制御部5は直流電気発生装置8の駆動を停止させ、直流電圧が電気分解装置9aに印加されないようにする。
そして、今度は所定の濃度となったアルカリ水は高速噴射型ボイラー29へ送られる。高速噴射型ボイラー29に入ったアルカリ水は、制御部5によって通電された第2のヒータ31の加熱によって蒸気化され、ジェットノズル30より洗浄槽2内の食器類14に対しジェット噴射される。このジェットノズル30によるジェット噴射は約1分間の所定時間行われる。
ジェットノズル30よるジェット噴射が所定時間行われた後は、制御部5は給水ポンプ39の駆動を停止させると共に、第2のヒータ31への通電も停止させる。
【0039】
こうして洗浄が終了すると、電気分解水一時貯蔵タンク70に貯まった酸性水を電気分解水一時貯蔵タンク70に設けられている開閉弁(図示省略)を開いて洗浄槽2内に排出させる。なお、開閉弁の開閉を制御部5で開閉制御されるようにしてもよい。
しかる後に、制御部5が洗浄用ポンプ18の逆回転動作を開始させ、洗浄槽2内に貯まっていたアルカリ水と電気分解水一時貯蔵タンク70からの酸性水とが混ざっている混合水は貯水タンク16から第1の取水管17を通り、洗浄用ポンプ18に取り込まれ、排水ホース38を通り、食器洗浄機本体1外へ排水される。そして、洗浄用ポンプ18は一定時間(通常約1分間)逆回転動作を連続又は断続的に行う。
【0040】
このように混合水の排水が終わると、給水弁装置42を閉とし、すすぎ行程が開始される。
すすぎ行程は、まず給水ホース23から給水されたすすぎ用水が給水弁装置42を通り洗浄槽2に給水される。
流量計15は洗浄噌2内に所定量の水道水が給水されたどうかを検出しており、水位が所定量に達しことを検出した流量計15は検出信号を制御部5に入力する。そうすると、制御部5は給水弁装置42を閉じ、給水を停止させ、すすぎ行程は開始される。
すすぎ行程が開始されると、制御部5は洗浄用ポンプ18を正転動作させる。そうすると、すすぎ用水は貯水タンク16から第1の取水管17を通り、洗浄用ポンプ18に入り、第1の導水管19を通り回転ノズル20へと導かれ、食器類14に噴射される。
【0041】
そして、一定時間(1、2分から数10分)の噴射の後、洗浄用ポンプ18を逆回転動作をさせ、洗浄槽2内に貯まっていたすすぎ用水は貯水タンク16から第1の導水管17を通り、洗浄用ポンプ18に取り込まれ、排水ホース38を通り、食器洗浄機本体1外へ排水される。洗浄用ポンプ18は一定時間(通常約1分以内)逆回転動作を連続又は断続的に行わせる。
これがすすぎ行程で、複数回繰り返される(通常は4回、4回目は第1のヒータ21が通電され、すすぎ用水が温水になる)。
すすぎは、洗浄用水で行うが、電気分解水で行っても良い。そして、すすぎ行程が終了すれば、その後は必要に応じて乾燥ファン(図示省略)を駆動させて乾燥を行う。
【0042】
この実施の形態4では、洗浄槽2の貯水タンク16に所定量の水を貯め、しかる後にその水を電気分解装置9bに送り、電気分解装置9bによりアルカリ水を生成し、生成されたアルカリ水を洗浄槽2に戻してから再び電気分解装置9bに送るというアルカリ水の循環を所定時間繰り返して所定濃度のアルカリ水を生成し、その所定濃度のアルカリ水を高速噴射型ボイラー39に送り、高速噴射型ボイラー29でアルカリ水を蒸気化し、ジェットノズル30から洗浄槽2内に収容された食器類14にアルカリ水の高温蒸気を噴射するようにしたので、ジェットノズル30の蒸気のジェット噴射の噴射力で食器類14の当接面の汚れを落とすことができ、更に循環により所定の濃度に高められたアルカリ水の効果により、洗浄槽2内に収容された食器類14の汚れが分解され、浮かして簡単に除去される。なお、電気分解装置9aによりアルカリ水と酸性水を生成するのに塩を添加するのは電気分解の生成効率を高め、よりアルカリ水の生成時間を短縮するためである。
【0043】
また、ジェットノズル30からは高温蒸気の状態にして食器類14に噴射されるため、アルカリ水の生成は少量で済み、従来のようにアルカリ水の生成に時間を要することはない。
また、この実施の形態4において、操作部4のアルカリ/酸性水質切換キー58を押して電気分解装置9bの第1の電極25にプラスの電圧を印加し、第2の電極26にマイナスの電圧を印加するように、電極の極性を逆転させることで、酸性水を漂白、殺菌用に食器類14に拡散噴射することもできる。
【0044】
実施の形態5.
図13は本発明の実施の形態5に係る食器洗浄機の構成を示す断面図、図14は同食器洗浄機の要部を示す断面図である。
この実施の形態5の食器洗浄機も循環式分離型と呼ばれるものである。
この実施の形態5において、実施の形態4と同一の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
この実施の形態5は、電気分解装置9bの第1の電極25側に第2のヒータ31が設けられた箱状のボイラー10が接続され、そのボイラー10に蒸気を洗浄槽2に噴射する蒸気噴射部である3つの噴射口12が設けられている構成が実施の形態4と異なる点である。
【0045】
この実施の形態5では、洗浄槽2の貯水タンク16に所定量の水を貯め、しかる後にその水を電気分解装置9bに送り、電気分解装置9bによりアルカリ水を生成し、生成されたアルカリ水を洗浄槽2に戻してから再び電気分解装置9bに送るというアルカリ水の循環を所定時間繰り返して所定濃度のアルカリ水を生成し、その所定濃度のアルカリ水をボイラー10に送り、ボイラー10でアルカリ水を蒸気化し、3つの噴射口12からそれぞれ洗浄槽2内に収容された食器類14にまんべんなくアルカリ水の高温蒸気を噴射するようにしたので、3つの噴射口12のそれぞれの蒸気の噴射の噴射力で食器類14の当接面の汚れをまんべんなく落とすことができ、更に循環により所定の濃度に高められたアルカリ水の効果により、洗浄槽2内に収容された食器類14の汚れが分解され、浮かして簡単に除去される。
【0046】
なお、電気分解装置9bによりアルカリ水と酸性水を生成するのに塩投入装置7により塩を添加するのは電気分解の効率を高めるためである。
また、3つの噴射口12からは高温蒸気の状態にして食器類14に噴射されるため、電気分解水の生成は少量で済み、従来のように電気分解水の生成に時間を要することはない。
また、この実施の形態5において、操作部4のアルカリ/酸性水質切換キー58を押して電気分解装置9bの第1の電極25にプラスの電圧を印加し、第2の電極26にマイナスの電圧を印加するように、電極の極性を逆転させることで、酸性水を漂白、殺菌用に食器類14に拡散噴射することもできる。
【0047】
実施の形態6.
図15は本発明の実施の形態6に係る食器洗浄機の構成を示す断面図である。
この実施の形態6の食器洗浄機も循環式分離型と呼ばれるものである。
この実施の形態6において、実施の形態4と同一の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
この実施の形態6は、電気分解装置9bの第1の電極a側に第2のヒータ31が設けられた高速噴射型ボイラー29が接続され、その高速噴射型ボイラー29に蒸気を洗浄槽2に拡散噴射する蒸気噴射部である拡散ノズル32が接続されている構成が実施の形態4と異なる点である。
【0048】
この実施の形態6では、洗浄槽2の貯水タンク16に所定量の水を貯め、しかる後にその水を電気分解装置9bに送り、電気分解装置9bによりアルカリ水を生成し、生成されたアルカリ水を洗浄槽2に戻してから再び電気分解装置9bに送るというアルカリ水の循環を所定時間繰り返して所定濃度のアルカリ水を生成し、その所定濃度のアルカリ水を高速噴射型ボイラー29に送り、高速噴射型ボイラー29でアルカリ水を蒸気化し、拡散ノズル32から洗浄槽2内に収容された食器類14にまんべんなくアルカリ水の高温蒸気を拡散噴射するようにしたので、拡散ノズル32のそれぞれの蒸気の拡散噴射の噴射力で食器類14の当接面の汚れをまんべんなく落とすことができ、更に循環により所定の濃度に高められたアルカリ水の効果により、洗浄槽2内に収容された食器類14の汚れがまんべんなく分解され、浮かして簡単に除去される。
【0049】
なお、電気分解装置9bによりアルカリ水と酸性水を生成するのに塩投入装置7により塩を添加するのは電気分解の効率を高めるためである。
また、拡散ノズル32からは高温蒸気の状態にして食器類14に噴射されるため、アルカリ水の生成は少量で済み、従来のようにアルカリ水の生成に時間を要することはない。
また、この実施の形態6において、操作部4のアルカリ/酸性水質切換キー58を押して電気分解装置9bの第1の電極25にプラスの電圧を印加し、第2の電極26にマイナスの電圧を印加するように、電極の極性を逆転させることで、酸性水を漂白、殺菌用に食器類14に拡散噴射することもできる。
【0050】
実施の形態7.
図16は本発明の実施の形態7に係る食器洗浄機の構成を示す断面図、図17は同食器洗浄機の要部を示す断面図である。
この実施の形態7の食器洗浄機も循環式分離型と呼ばれるものである。
この実施の形態7は実施の形態4の変形例というべきもので、実施の形態4と同一の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
上記実施の形態4では電気分解装置9bの第2の電極26側から生成された酸性水を電気分解水一時貯蔵タンク70に洗浄が終わるまで貯蔵し、その後に洗浄槽2に排水されるようにしていたが、この実施の形態7では、その酸性水を送水管67を介して食器洗浄機本体1の上部に設けられた電気分解水収容タンク33に給水するようにしたものである。
34は電気分解水収容タンク33と送水管39との接続部に設けられたパッキン、35は電気分解水収容タンク32に設けられたドレンキャップ、36は電気分解水収容タンク33を食器洗浄機本体1の上部に着脱自在とする固定部である。
【0051】
この実施の形態7の洗浄行程及びすすぎ行程は実施の形態4と同様であるので、その動作及び効果の説明は省略する。
この実施の形態7では、電気分解装置9bの第2の電極26側から生成された酸性水は送水管67を介して食器洗浄機本体1の上部に設けられた電気分解水収容タンク33に給水される。
そして、電気分解水収容タンク33に貯められた酸性水を漂白剤として別の用途に使用されるようにしたものである。
また、操作部4のアルカリ/酸性水質切換キー58を押して電気分解装置9bの第1の電極25にプラスの電圧を印加し、第2の電極26にマイナスの電圧を印加するように、電極の極性を逆転させることで、電気分解装置9bの第2の電極26側から生成されたアルカリ水を電気分解水収容タンク33に給水させ、第1の電極25側に生成された酸性水を漂白、殺菌用に食器類14に拡散噴射することもできる。
この場合は、電気分解水収容タンク33に貯められたアルカリ水を化粧水等の別の用途に使用されるようにすることもできる。
【0052】
実施の形態8.
図18は本発明の実施の形態8に係る食器洗浄機の構成を示す断面図、図19は同食器洗浄機の要部を示す断面図である。
この実施の形態8の食器洗浄機も循環式分離型と呼ばれるものである。
この実施の形態8は実施の形態5の変形例というべきもので、実施の形態5と同一の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
上記実施の形態5では電気分解装置9bの第2の電極26側から生成された酸性水を電気分解水一時貯蔵タンク70に洗浄が終わるまで貯蔵し、その後に洗浄槽2に排水されるようにしていたが、この実施の形態8では、その酸性水を送水管67を介して食器洗浄機本体1の上部に設けられた電気分解水収容タンク33に給水するようにしたものである。
【0053】
この実施の形態8の洗浄行程及びすすぎ行程は実施の形態5と同様であるので、その動作及び効果の説明は省略する。
この実施の形態8では、電気分解装置9bの第2の電極26側から生成された酸性水は送水管67を介して食器洗浄機本体1の上部に設けられた電気分解水収容タンク33に給水される。
そして、電気分解水収容タンク33に貯められた酸性水を漂白剤として別の用途に使用されるようにしたものである。
また、操作部4のアルカリ/酸性水質切換キー58を押して電気分解装置9bの第1の電極25にプラスの電圧を印加し、第2の電極26にマイナスの電圧を印加するように、電極の極性を逆転させることで、電気分解装置9bの第2の電極26側から生成されたアルカリ水を電気分解水収容タンク33に給水させ、第1の電極25側に生成された酸性水を漂白、殺菌用に食器類14に拡散噴射することもできる。
この場合は、電気分解水収容タンク33に貯められたアルカリ水を化粧水等の別の用途に使用されるようにすることもできる。
【0054】
実施の形態9.
図20は本発明の実施の形態9に係る食器洗浄機の構成を示す断面図である。
この実施の形態9の食器洗浄機も循環式分離型と呼ばれるものである。
この実施の形態9は実施の形態6の変形例というべきもので、実施の形態6と同一の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
上記実施の形態6では電気分解装置9bの第2の電極26側から生成された酸性水を電気分解水一時貯蔵タンク70に洗浄が終わるまで貯蔵し、その後に洗浄槽2に排水されるようにしていたが、この実施の形態9では、その酸性水を送水管67を介して食器洗浄機本体1の上部に設けられた電気分解水収容タンク33に給水するようにしたものである。
【0055】
この実施の形態9の洗浄行程及びすすぎ行程は実施の形態6と同様であるので、その動作及び効果の説明は省略する。
この実施の形態9では、電気分解装置9bの第2の電極26側から生成された酸性水は送水管67を介して食器洗浄機本体1の上部に設けられた電気分解水収容タンク33に給水される。
そして、電気分解水収容タンク33に貯められた酸性水を漂白剤として別の用途に使用されるようにしたものである。
また、操作部4のアルカリ/酸性水質切換キー58を押して電気分解装置9bの第1の電極25にプラスの電圧を印加し、第2の電極26にマイナスの電圧を印加するように、電極の極性を逆転させることで、電気分解装置9bの第2の電極26側から生成されたアルカリ水を電気分解水収容タンク33に給水させ、第1の電極25側に生成された酸性水を漂白、殺菌用に食器類14に拡散噴射することもできる。
この場合は、電気分解水収容タンク33に貯められたアルカリ水を化粧水等の別の用途に使用されるようにすることもできる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1の食器洗浄機によれば、制御手段が給水弁装置を開いて洗浄槽内に所定量の水を給水し、その後給水弁装置を閉じて給水ポンプを駆動させると共に水路2方向切換装置を電気分解装置への給水に切換動作させ、直流電気発生装置を動作させて電気分解装置が生成した電気分解水を洗浄槽を経て再び電気分解装置へと所定時間循環させ、その後水路2方向切換装置をボイラーへの給水に切換動作させると共に加熱手段に通電させ、ボイラーで加熱蒸気化した電気分解水を蒸気噴射部から洗浄槽内に収容された食器類に噴射して洗浄を所定時間行うようにしたので、電気分解水の循環生成により次亜塩素酸を含む電気分解水の濃度が短時間で高められ、蒸気噴射部からの蒸気の噴射の噴射力と所定の濃度に高められた電気分解水に含まれる次亜塩素酸の効果により、洗浄槽内に収容された食器類の汚れが分解され、浮かして簡単に除去されるという効果がある。
また、蒸気噴射部からは高温蒸気の状態にして食器類に噴射されるため、電気分解水の生成は少量で済み、従来のように電気分解水の生成に時間を要することはないという効果もある。
【0057】
本発明の請求項2に係る食器洗浄機によれば、制御手段がボイラーで加熱蒸気化した電気分解水を蒸気噴射部から洗浄槽内に収容された食器類に噴射して洗浄を所定時間行った後に、給水ポンプを停止させると共に加熱手段の通電を停止させ、洗浄用ポンプを駆動させて洗浄槽の底部に貯まった電気分解水を食器類に対して噴射させるようにしたので、蒸気噴射部による高温蒸気の食器類に対する上からの噴射で汚れの分解、浮かしができ、その後の洗浄用ポンプによる洗浄槽の底部に貯まった電気分解水の食器類に対する下からの噴射で洗浄を繰り返すことで、食器類の汚れがまんべんなく除去され、洗浄能力がアップするという効果がある。
【0058】
本発明の請求項3に係る食器洗浄機によれば、制御手段が給水弁装置を開いて洗浄槽内に所定量の水を給水し、その後給水弁装置を閉じて給水ポンプを駆動させると共に水路2方向切換装置を電気分解装置への給水に切換動作させ、直流電気発生装置を動作させて電気分解装置が生成したアルカリ水を洗浄槽を経て再び電気分解装置へと所定時間循環させ、その後水路2方向切換装置をボイラーへの給水に切換動作させると共に加熱手段に通電させ、ボイラーで加熱蒸気化したアルカリ水を蒸気噴射部から洗浄槽内に収容された食器類に噴射して洗浄を所定時間行うようにしたので、アルカリ水の循環生成によりアルカリ水の濃度が短時間で高められ、蒸気噴射部からの蒸気の噴射の噴射力と所定の濃度に高められたアルカリ水の効果により、洗浄槽内に収容された食器類の汚れが分解され、浮かして簡単に除去されるという効果がある。
また、蒸気噴射部からは高温蒸気の状態にして食器類に噴射されるため、アルカリ水の生成は少量で済み、従来のように電気分解水の生成に時間を要することはないという効果もある。
【0059】
本発明の請求項4に係る食器洗浄機によれば、蒸気噴射部が複数の蒸気噴射口としたので、洗浄槽内に収容された食器類に対してまんべなく電気分解水又はアルカリ水の高温蒸気を噴射することができ、食器類の汚れがまんべんなく除去されるという効果がある。
【0060】
本発明の請求項5に係る食器洗浄機によれば、ボイラーが高速噴射型ボイラーであり、蒸気噴射部がジェットノズルとしたので、ジェットノズルによる噴射力で食器類の当接面の汚れを落とせるという効果がある。
【0061】
本発明の請求項6に係る食器洗浄機は、ボイラーが高速噴射型ボイラーであり、前記蒸気噴射部が拡散ノズルとしたので、噴射拡散能力がアップし、食器類の汚れを落す効果を更に均一化できるという効果がある。
【0062】
本発明の請求項7に係る食器洗浄機は、電気分解装置に対して印加する直流電気発生装置の電圧の極性を切換え、該電気分解装置により生成した酸性水をボイラーに送り、ボイラーで加熱蒸気化した酸性水を蒸気噴射部から洗浄槽内に収容された食器類に噴射して洗浄を所定時間行うようにしたので、酸性水を漂白、殺菌用に食器類に拡散噴射することもできるという効果がある。
【0063】
本発明の請求項8に係る食器洗浄機は、電気分解装置により分離生成して前記洗浄槽に給水する酸性水又はアルカリ水を、食器洗浄機本体に着脱自在に設けた分解水収納装置に貯留させるようにしたので、電気分解水収容タンクに貯められた酸性水を漂白剤として、また電気分解水収容タンクに貯められたアルカリ水を化粧水等の別の用途に使用することもできるという効果がある。
【0064】
本発明の請求項9に係る食器洗浄機によれば、食器洗浄機本体が塩投入装置を備え、該塩投入装置は前記洗浄槽に貯留した水に塩を投入するようにしたので、電気分解装置による電気分解水又はアルカリ水の生成効率が高まり、より電気分解水又はアルカリ水の生成時間が短縮されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機の構成を示す断面図である。
【図2】 同食器洗浄機に食器類が収納された状態を示す断面図である。
【図3】 同食器洗浄機の操作部の説明図である。
【図4】 同食器洗浄機の要部を示す断面図である。
【図5】 同食器洗浄機の制御を示すブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態2に係る食器洗浄機の構成を示す断面図である。
【図7】 同食器洗浄機の要部を示す断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態3に係る食器洗浄機の構成を示す断面図
ある。
【図9】 同食器洗浄機の拡散ノズルを示す断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態4に係る食器洗浄機の構成を示す断面図である。
【図11】 同食器洗浄機の操作部の説明図である。
【図12】 同食器洗浄機の要部を示す断面図である。
【図13】 本発明の実施の形態5に係る食器洗浄機の構成を示す断面図である。
【図14】 同食器洗浄機の要部を示す断面図である。
【図15】 本発明の実施の形態6に係る食器洗浄機の構成を示す断面図である。
【図16】 本発明の実施の形態7に係る食器洗浄機の構成を示す断面図である。
【図17】 同食器洗浄機の要部を示す断面図である。
【図18】 本発明の実施の形態8に係る食器洗浄機の構成を示す断面図である。
【図19】 同食器洗浄機の要部を示す断面図である。
【図20】 本発明の実施の形態9に係る食器洗浄機の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 食器洗浄機本体、2 洗浄槽、5 制御部、8 直流電気発生装置、9a電気分解装置、13 食器かご、14 食器類、15 流量計、16 貯水タンク、18 洗浄用ポンプ、20 回転ノズル、21 第1のヒータ、23 給水ホース、29 高速噴射型ボイラー、30 ジェットノズル、31 第2のヒータ、38 排水ホース、39 給水ポンプ、42 給水弁装置、43 水路2方切換弁、44 塩自動投入装置。

Claims (9)

  1. 食器類を収容する洗浄槽と、洗浄槽への水の供給を制御する給水弁装置と、前記洗浄槽の底部に貯まった電気分解水又は洗浄水を食器類に対して噴射或いは機外に排出させる洗浄用ポンプと、交流電源から直流電圧を発生する直流電気発生装置と、直流電気発生装置からの直流電圧により水を電気分解して電気分解水を生成し、前記洗浄槽へ電気分解水を給水する電気分解装置と、加熱手段を有するボイラーと、ボイラーに接続され、前記洗浄槽内に蒸気を噴射する蒸気噴射部と、前記電気分解装置又は前記ボイラーへの給水を切換える水路2方向切換装置と、前記洗浄槽内の電気分解水を前記水路2方向切換装置に給水する給水ポンプと、前記給水弁装置、前記洗浄用ポンプ、前記直流電気発生装置、前記加熱手段、前記水路2方向切換装置及び前記給水ポンプを駆動制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記給水弁装置を開いて前記洗浄槽内に所定量の水を給水し、その後前記給水弁装置を閉じて前記給水ポンプを駆動させると共に前記水路2方向切換装置を前記電気分解装置への給水に切換動作させ、前記直流電気発生装置を動作させて前記電気分解装置が生成した電気分解水を前記洗浄槽を経て再び前記電気分解装置へと所定時間循環させ、その後前記水路2方向切換装置を前記ボイラーへの給水に切換動作させると共に前記加熱手段に通電させ、前記ボイラーで加熱蒸気化した電気分解水を前記蒸気噴射部から前記洗浄槽内に収容された食器類に噴射して洗浄を所定時間行うようにしたことを特徴とする食器洗浄機。
  2. 前記制御手段は前記ボイラーで加熱蒸気化した電気分解水を前記蒸気噴射部から前記洗浄槽内に収容された食器類に噴射して洗浄を所定時間行った後に、前記給水ポンプを停止させると共に前記加熱手段の通電を停止させ、前記洗浄用ポンプを駆動させて前記洗浄槽の底部に貯まった電気分解水を食器類に対して噴射させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の食器洗浄機。
  3. 食器類を収容する洗浄槽と、洗浄槽の底部に貯まったアルカリ水、酸性水又は洗浄水を食器類に対して噴射或いは機外に排出させる洗浄用ポンプと、酸性水を一時貯蔵する電気分解水一時貯蔵タンクと、加熱手段を有するボイラーと、ボイラーに接続され、前記洗浄槽内に蒸気を噴射する蒸気噴射部と、交流電源から直流電圧を発生する直流電気発生装置と、直流電気発生装置からの直流電圧により水を電気分解してアルカリ水と酸性水とを分離して生成し、アルカリ水を前記ボイラーへ給水し、酸性水を前記一時貯蔵タンクを介して前記洗浄槽へ給水する電気分解装置と、電気分解装置又は前記ボイラーへの給水を切換える水路2方向切換装置と、前記洗浄槽内のアルカリ水を前記水路2方向切換装置に給水する給水ポンプと、前記給水弁装置、前記洗浄用ポンプ、前記直流電気発生装置、前記加熱手段、前記水路2方向切換装置及び前記給水ポンプを駆動制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記給水弁装置を開いて前記洗浄槽内に所定量の水を給水し、その後前記給水弁装置を閉じて前記給水ポンプを駆動させると共に前記水路2方向切換装置を前記電気分解装置への給水に切換動作させ、前記直流電気発生装置を動作させて前記電気分解装置が生成したアルカリ水を前記洗浄槽を経て再び前記電気分解装置へと所定時間循環させ、その後前記水路2方向切換装置を前記ボイラーへの給水に切換動作させると共に前記加熱手段に通電させ、前記ボイラーで加熱蒸気化したアルカリ水を前記蒸気噴射部から前記洗浄槽内に収容された食器類に噴射して洗浄を所定時間行うようにしたことを特徴とする食器洗浄機。
  4. 前記蒸気噴射部は複数の蒸気噴射口であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の食器洗浄機。
  5. 前記ボイラーは高速噴射型ボイラーであり、前記蒸気噴射部はジェットノズルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の食器洗浄機。
  6. 前記ボイラーは高速噴射型ボイラーであり、前記蒸気噴射部は拡散ノズルであることを特徴とする請求項1〜3記載の食器洗浄機。
  7. 前記電気分解装置に対して印加する前記直流電気発生装置の電圧の極性を切換え、前記電気分解装置により生成した酸性水をボイラーに送り、ボイラーで加熱蒸気化した酸性水を前記蒸気噴射部から前記洗浄槽内に収容された食器類に噴射して洗浄を所定時間行うようにしたことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の食器洗浄機。
  8. 前記電気分解装置により分離生成して前記洗浄槽に給水する酸性水又はアルカリ水を、前記食器洗浄機本体に着脱自在に設けた分解水収納装置に貯留させるようにしたことを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の食器洗浄機。
  9. 前記食器洗浄機本体は塩投入装置を備え、該塩投入装置は前記洗浄槽に貯留した水に塩を投入するようにしたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の食器洗浄機。
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