JPH09289007A - 電池用セパレーターの製造方法 - Google Patents

電池用セパレーターの製造方法

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JPH09289007A
JPH09289007A JP8099769A JP9976996A JPH09289007A JP H09289007 A JPH09289007 A JP H09289007A JP 8099769 A JP8099769 A JP 8099769A JP 9976996 A JP9976996 A JP 9976996A JP H09289007 A JPH09289007 A JP H09289007A
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water
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JP8099769A
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Yoshiyuki Okui
良幸 奥井
Noriaki Sato
典明 佐藤
Hiroyuki Futaki
弘之 二木
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Glass Fiber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セパレーターに親水性の領域と撥水性の領域
が正確に分かれており、かつ親水性の領域と撥水性の領
域の区分けが微細なパターンで可能なセパレーターの製
造方法を提供する。 【解決手段】 表面に半導体微粒子を担持させたオレフ
ィン系樹脂繊維の不織布の表面の所定領域のみに光を照
射してその領域に親水性を付与し前記所定領域以外の領
域に撥水性を残すことを特徴とする電池用セパレーター
の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電池用セパレーター
の製造方法、特に、精密な部分撥水パターンを有する電
池用セパレーターを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクス技術の目ざまし
い進歩に伴い、エレクトロニクス機器の小型軽量化と同
時に、コードレス化、ポータブル化が急速に進んでい
る。コードレス機器用の電源には、繰り返し使用できる
ニッケル水素電池、密閉式ニッケルカドニウム電池、密
閉式ニッケル亜鉛電池あるいは密閉型鉛蓄電池に代表さ
れる二次電池が採用されている。
【0003】電池性能は電極性能に支配されることはも
ちろんであるが、セパレーター性能にも強く依存するた
めに、セパレーターの改良にも力が注がれている。セパ
レーターの役割の第一は電池の正極と負極をたがいに絶
縁することにあるが、ニッケル水素電池、密閉式ニッケ
ルカドニウム電池、密閉式ニッケル亜鉛電池あるいは密
閉型鉛蓄電池などの密閉型電池には、それ以外に次にあ
げるような重要な機能が要求されている。その一つは、
電池を充電する際に電解液中の水が電気分解をおこして
正極より酸素ガスが発生するが、この酸素ガスを負極内
に吸収させて、電池の内圧の上昇を抑える必要があり、
セパレーターには正極で発生した酸素ガスを円滑に負極
側へ透過させる機能(この機能のことを酸素透過機能と
呼ぶことがある)が要求される。また、密閉型電池では
電解液をセパレーターに含浸させているが、円滑な電池
反応を行わせるために必要な量の電解液を確保する機能
(この機能を保液機能と呼ぶことがある)がセパレータ
ーに要求される。
【0004】この酸素透過機能と保液機能は、セパレー
ターの構造にとって互いに相反する機能となっている。
すなわち、酸素透過機能を向上させるため、および保液
機能を向上させるためには、セパレーターの密度を下げ
てセパレーター内の空間を大きくとることにより実現で
きるが、同じ密度であっても、セパレーターを構成する
素材である繊維同士の間の空間の寸法を大きくして空間
の個数を少なくすると、セパレーターの表面層では電解
液を保持できるがセパレーターの内部層には電解液を保
持することが難しくなり、セパレーターの保液機能は十
分ではない。一方、セパレーターを構成する繊維同士の
間の空間の寸法を小さくしてその空間の数を多くする
と、その空間全体を電解液が占有してしまい、酸素が透
過する道筋を奪うこととなり、セパレーターの酸素透過
機能は十分ではない。
【0005】この問題を解決するために、たとえば特開
平6−103969あるいは特開平5−129014に
おいてはセパレーターを親水性を示すシート部分と撥水
性を示すシート部分に分けて、親水性を示すシート部分
に保液機能を受け持たせ、撥水性を示すシート部分に電
解液が入り込むのを抑えて酸素透過機能を受け持たせる
方法が提案されている。
【0006】前記の特開平6−103969には、親水
性の領域と撥水性の領域に分ける方法として、構成繊維
がポリプロピレン繊維のような疎水性繊維を主体とする
繊維シートに撥水性の領域を形成しようとする部分の両
側に、ポリエチレンなどのフィルムを融着したり、疎水
性の樹脂でコーティングすることにより保護した後、親
水性樹脂を含浸、付着或いは塗布などの方法で親水性を
付与した後、このフィルムまたは樹脂を除去する方法が
例示されている。
【0007】しかし、繊維より形成されたシート状セパ
レーターでは、通常はその平面方向に繊維が配向してお
り、前記の親水性樹脂は配向した繊維の長さに沿って含
浸しやすいので、目的とするシートの厚み方向への含浸
とともにシートの平面方向への含浸が進行する傾向があ
り、疎水性樹脂の保護コーティング層の下へ、親水性樹
脂が浸透するので、正確なパターンで親水領域を設ける
ことは難しくなり、撥水領域を小さな面積で確保するこ
とは難しくなる。
【0008】また、前記の特開平5−129014に
は、親水性イオン透過膜に部分的に形成された開口を塞
ぐように撥水性ガス透過膜を固着することが記述されて
おり、その固着の方法として熱融着を例示しているが、
上記親水性イオン透過膜の開口は6mm程度であり、こ
の方法では小面積で数多くの撥水領域を設けることは難
しい。
【0009】密閉型蓄電池において酸素透過機能と保液
機能を両立させるために、上述のようにセパレーターを
親水性の領域と撥水性の領域に分ける場合、電池の電極
中の活物質にとっては酸素透過機能と保液機能の両方が
必要となるので、親水性の領域と撥水性の領域はなるべ
く微細で互いに入り交じった状態で存在する必要があ
り、正確で微細な親水性と疎水性の区分けができること
が好ましいが、上述のように実際にはその実現が困難で
あった。
【0010】上述の酸素透過機能と保液機能の両立の問
題とは別に、密閉型鉛蓄電池においては次のような課題
がある。密閉型鉛畜電池の充電時に極板の活物質より放
出される比重の大きな硫酸が電池の下方に沈降して、数
多くの充放電を繰り返すうちに電池の下部は硫酸の濃度
が高く、逆に、上部は硫酸の濃度の低い状態となり(こ
の状態になる現象を成層化現象と呼ぶことがある)、円
滑な電池反応を妨げる問題がある。この問題を解決する
ために、特開昭62−117258においては本来親水
性を示すセパレーターに水平方向に伸びる帯状あるいは
線状などの撥水領域を形成し、比重の高い電解液がその
撥水領域より下に沈降するのを防止する堰として機能さ
せ、成層化現象を防止する提案がある。そしてシリコン
樹脂溶液またはフッ素樹脂をディスパージョンさせた溶
液などの撥水剤を、あらかじめ形成したパターンの型枠
に塗布または含浸させ、この型枠を、元来親水性を有し
ている極細ガラス繊維を主体とした多孔性セパレーター
の表面に圧接し、前記撥水剤を所望のパターンになるよ
うにセパレーターに含浸させ、これに乾燥加熱処理を施
して、任意のパターンの撥水領域を多孔性セパレーター
に形成する方法が述べられている。
【0011】この密閉型鉛蓄電池の成層化現象を防止す
るために大部分が親水性の領域のセパレーターに帯状或
いは線状の撥水領域を設けるにあたって、親水性の領域
は電解液を保持する役割を持っているので、少しでも多
くの電解液を保持するためにその領域の面積は広ければ
広い程よい。一方、比重の高い電解液の沈降を防止する
ためにはその堰の役割を果たす帯状或いは線状の撥水領
域に切れ目があってはならない。したがって、非常に細
い帯状或いは線状の撥水領域を切れ目なく正確に設ける
ことが必要となる。
【0012】しかし、繊維より形成されたシート状セパ
レーターでは、前述のように通常はその平面方向に繊維
が配向しており、前記の撥水剤のような液状物は配向し
た繊維の長さに沿って含浸しやすいので、正確なパター
ンで撥水領域を設けることは難しくなる。従って目的と
する密閉型鉛畜電池の成層化防止の堰として機能して堰
の切れ目が無いようにするには撥水領域の面積を大きく
確保する必要があり、従って親水性領域の総面積が小さ
くなってしまうという問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明はセパレーター
に親水性の領域と撥水性の領域が正確に分かれており、
かつ親水性の領域と撥水性の領域の区分けが微細なパタ
ーンで可能なセパレーターの製造方法を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面に半導体
微粒子を担持させたオレフィン系樹脂繊維の不織布の表
面の所定領域のみに光を照射してその領域に親水性を付
与し前記所定領域以外の領域に撥水性を残すことを特徴
とする電池用セパレーターの製造方法である。
【0015】本発明の部分撥水性を有する電池用セパレ
ーターの製造は、基本的に撥水性を有するポリオレフィ
ン系樹脂基材に撥水性を残したい領域以外に親水性を付
与することによりなされる。
【0016】本発明において使用する不織布基材を構成
するオレフィン系樹脂繊維の表面には半導体微粒子を担
持させてあり、この不織布基材の表面の所定領域に光を
照射してその照射部分に親水性を付与する。
【0017】本発明はオレフィン系樹脂繊維の表面に坦
持させた半導体微粒子の光触媒活性に基づくものであ
る。即ち、半導体微粒子はそのバンドギャップ以上のエ
ネルギーを有する光を吸収することにより、価電子帯に
ある電子が伝導帯に励起され、価電子帯には電子の抜け
穴、即ち、正孔が生成する。これらのフォトキャリヤー
(正孔−励起電子)が半導体微粒子表面の吸着水または
酸素と反応することにより O2 -,O2H,HOラジカル
等の活性酸素種が生じる。ポリオレフィン系樹脂繊維表
面は本来はメチレン基やメチル基で覆われているために
撥水性を示すが、そのメチレン基およびメチル基は、ポ
リオレフィン繊維表面に付着坦持された半導体微粒子表
面に生成した活性酸素種により効率的に酸化されて、親
水性を示すヒドロキシル基、カルボニル基に変化するの
で、光照射されたポリオレフィン繊維表面は親水性に変
化する。
【0018】上記酸化反応は半導体微粒子と樹脂繊維と
の接触界面が起こるので、半導体微粒子の単位重量あた
りの接触面積を大きくすることが好ましく、そのために
は半導体微粒子の直径は小さい程良い。通常の液相また
は気相法で製造できる半導体微粒子の直径の下限は0.
01μm程度である。従って半導体微粒子の大きさは
0.01〜1μmの直径を有するものが好ましく用いら
れる。更に好ましい半導体微粒子直径は0.01〜0.
1μmである。
【0019】半導体微粒子をこのオレフィン系樹脂繊維
表面に分散固定させる方法としては、オレフィン系樹脂
の繊維の成形中または成形後にその表面に半導体微粒子
を埋め込みまたは付着させたり、オレフィン系樹脂の繊
維を抄造または融着して不織布を形成させる際または形
成後に繊維表面または不織布表面に半導体微粒子を埋め
込みまたは付着させることができる。これらの中で、
(1)半導体微粒子分散液の中に不織布を浸漬してその
不織布を構成する繊維表面に半導体微粒子を付着させた
り、(2)オレフィン系樹脂の繊維を湿式抄造して不織
布を製造する際にオレフィン系樹脂の繊維を分散した原
料液中に半導体微粒子を分散させておくことが簡単な操
作でできるので好ましい。
【0020】半導体微粒子の担持量が少なすぎると十分
な酸化速度が得られない。一方、多すぎると粒子が繊維
表面で互いに凝集したり繊維の表面全面を覆ってしまっ
て、粒子/繊維界面における酸化反応の効率が低下す
る。従って半導体微粒子担持量は不織布の重量に対して
0.1〜20重量%の範囲であることが望ましく、特に
1〜10重量%の範囲にあるのが良い。
【0021】光照射する場合の光の波長は半導体のバン
ドギャップ励起を可能にする様に選ぶ必要がある。半導
体微粒子の種類により異なるが、酸化チタンの場合には
約400nm以下の波長の光を照射すれば良い。実際の
光源としては、高圧および低圧水銀灯などを用いること
ができる。光照射時間と光の強度は要求される酸化速度
に応じて設定することができる。
【0022】この親水性付与は上述のようにポリオレフ
ィン系樹脂繊維表面に付着した半導体粒子の光触媒活性
に基づくものであるため、光がポリオレフィン系樹脂繊
維に付着した半導体微粒子に到達しなければポリオレフ
ィン系樹脂の表面に親水基を付与する反応は起こらな
い。したがって、光を照射した不織布領域を構成するポ
リオレフィン系樹脂繊維にのみが親水性が付与され、光
が照射されなかった不織布領域はポリオレフィン系樹脂
繊維の本来の撥水性が残ったままとなって撥水領域を形
成する。
【0023】光を照射する部分と光を照射しない部分を
分けるには、ビーム状にした光を用いて、必要に応じて
照射光を時間的に遮ったり透過したりしながら光を照射
すべき領域に照射させることにより親水化したい部分の
みにその光があたるようにすれば実現できるが、微細な
パターンで親水性領域と撥水性領域を分けるには光ビー
ムの照射面積が非常に小さくなるように絞らなくてはな
らず、光を照射したり、照射しなかったりするためのし
くみを導入する必要があり、光源のしくみ全体が煩雑で
高価なものとなってしまう。ポリオレフィン系樹脂繊維
不織布の広い範囲が照射されるような照射光源を用意
し、親水化したい部分は光を透過させ、撥水性を残した
い部分は光を遮るように適当に穴が開けられた光を透過
しない素材よりなるシート(以後、光不透過シートと呼
ぶ)を光源とポリオレフィン樹脂繊維不織布の中間に配
置すれば、簡単な光源で光不透過シートの孔に対応した
微細なパターンのポリオレフィン系樹脂繊維不織布の親
水化が行える。
【0024】また、光不透過シートの遮光部のエッジで
光が散乱、回折が起こるので、非常に微細なパターンで
親水領域と撥水領域を分けたいときには、光不透過シー
トをオレフィン系樹脂繊維不織布に当接させて光照射す
ることが望ましい。
【0025】親水化されずに撥水性のままを維持する領
域は0.1〜1.0mmの最小幅(領域が楕円形の場合
はその短直径)を有し、そして親水化領域は0.5〜
5.0mmの最小幅を有することが好ましい。撥水性の
ままの領域の合計面積はセパレーター面積の5〜50%
の範囲から適宜選ばれる。また成層化防止のためには親
水化されずに撥水性のままの領域は電池用セパレーター
の一つの端辺から垂直方向に前記端辺と対向する他方の
端辺へ達する連続した幅0.2〜1.0mmの細長い形
状を有することが好ましい。
【0026】本発明に用いられる半導体粒子としては酸
化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化カドミウ
ム等を用いることができる。中でも特に、強い酸化力を
有する酸化チタンを好適に用いることができる。
【0027】本発明に使用することのできるポリオレフ
ィン系樹脂は、特に限定はなく、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブチレン等いかなるものでもよい。中で
も、電池用セパレーターとしてもっとも一般的な材料で
あるポリエチレンおよびポリプロピレンを特に好適に用
いることができる。
【0028】また、本発明は光照射をSO2およびO2
含む雰囲気中で行うことにより、酸素原子と半導体表面
に吸着したSO2が結合し、非常に反応性の高いSO3
生成する。ポリオレフィン表面のメチレン基やメチル基
は、前記の過程を経て生成したSO3 と反応し、スルホ
ン基が生成する。スルホン基は親水性を示す基であり、
電池セパレーターとして用いた場合、その電池は自己放
電しがたいという特徴を有するので、本発明には好適で
ある。
【0029】本発明によれば、直進性のある光の有無を
撥水領域と親水親水領域の区分けに利用している。光源
としてビーム光を利用したり、適当な多孔シートで遮っ
たりすることにより、微細な寸法精度で光の照射と非照
射にコントロールできるので、撥水領域と親水領域の正
確で微細な区分けを行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づいて本発明を
詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定さ
れるものではない。 実施例1 ポリプロピレン樹脂製ペレットを原料にしてメルトブロ
ー法により、繊維直径が約3μmのポリプロピレン繊維
を融着した形のポリプロピレン不織布(厚み0.15m
m、単位面積1m2 当たり重量60g、サイズ=30×
60mm)を3枚製造した。1枚目は特に表面処理を行
わずそのまま評価に供した(参照試料)。
【0031】2枚目は従来法の1例として、あらかじめ
処理を施したいパターンを形成した型枠に処理剤を塗布
または含浸させて、この型枠を被処理シートに圧接し
て、処理剤を被処理シートに付着させる方法で部分親水
化処理を施した。具体的には直径1mm、高さ2mmの
鋼鉄円柱の一方端面(円形表面)に、親水剤を保持しや
すくするために梨地加工を施し、大きさ35mm×65
mmのゴム板に2mmのピッチで格子状に、約540個
の鋼鉄円柱をその梨地加工を施していない他方端面を接
着固定して型枠を製作し、この型枠の梨地表面部に界面
活性剤のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナト
リウム(花王株式会社製、「ペレックスSS−H」)の
1%水溶液をローラー転写塗布を行い、型枠を前記ポリ
プロピレン不織布に押し当てて、界面活性剤を不織布に
付着せしめ、このポリプロピレン不織布を50℃、15
分間加熱乾燥して、部分的な親水性付与の処理を行った
(試料b)。
【0032】直径が約25nmのTiO2 微粒子(De
gussa製、「P−25」)0.42gを200mL
のエタノール中に超音波照射することにより分散させ、
3枚目のポリプロピレン不織布をこの分散液中に約3秒
間浸漬して引き上げ後、空気中で乾燥させた。この操作
を3回繰繰り返すことによりTiO2 微粒子を約6重量
%担持させた被処理シートを得た。なお、この被処理シ
ートはTiO2 微粒子を担持させる前の不織布と同等の
撥水性を有していた。
【0033】厚み0.1mm、大きさ35mm×65m
mのステンレス板に直径1mmの開口(貫通孔)を2m
mのピッチで格子状に約540個あけた遮光板を上記被
処理シートの上に置き、遮光板上部より200mmの位
置より、2kWの高圧水銀灯により光照射を60分間大
気中照射した(試料a)。365nmにおける照射光強
度は16.2mW/cm2 であった。
【0034】親水化できた部分と撥水部分の区分けが正
確にできているかどうかの評価は次に述べる方法で行っ
た。蒸留水に着色染料を溶かした溶液に上記3種類のポ
リプロピレン不織布を不織布全体が浮かぶようにそっと
水面に浮かべ、10分後に溶液から不織布を取り出し、
CCD内蔵顕微鏡で親水化された部分に着色水がどのよ
うにしみ込んでいるかを観察した。
【0035】図1〜図3はその観察結果を図示したもの
である。図中、破線で示した円は目標とした親水部と撥
水部の境界を示したもので、直径1mmの円である。灰
色で示した領域は着色水が不織布にしみ込んでいる様子
を示している。図3は全く親水化の処理を施していない
参照試料を着色水に浮かべたときの図で、全く着色水が
しみ込んでおらず、灰色で示すべき部分はない。また、
従来法で作成した試料bでは着色水は図2に示すように
目標の破線円を大きくはみ出しており、隣の親水化領域
と結合しているものも見られた。一方、本発明の方法で
作成した試料aでは図1に示すように、ほぼ目標円に近
い親水化領域を得ることができた。
【0036】実施例2 ポリプロピレン樹脂製ペレットを原料にしてメルトブロ
ー法により、繊維直径が約3μmのポリプロピレン繊維
を融着した形のポリプロピレン不織布(厚み0.10m
m、単位面積1m2 当たり重量30g、サイズ=30×
60mm)を2枚製造した。この二枚の不織布に直径が
約25nmのTiO2 微粒子(Degussa製、「P
−25」)0.42gを200mLのエタノール中に超
音波照射することにより分散させ、3枚目のポリプロピ
レン不織布をこの分散液中に約3秒間浸漬して引き上げ
後、空気中で乾燥させた。この操作を3回繰繰り返すこ
とによりTiO2 微粒子を約6重量%担持させた被処理
シートを2枚得た。この2枚のシートの内、1枚目は厚
み0.1mm 、大きさ35mm×65mmのステンレス
板にフォトエッチング処理により直径1mmの開口(貫
通孔)を1.2mmのピッチで格子状に約1550個あ
けた遮光板を前記被処理シートの上に置いて被処理シー
トごとガラス製の密閉容器内に入れ、容器内部に1気圧
で常温のSO2/空気の混合ガス(1:1体積比、SO2/
2 (モル比)は約5)を満たし、容器の外に設けた2
kW高圧水銀灯を光源として200mmの距離からサン
プル表面に60分間照射した(試料c)。
【0037】また、もう一枚は、前記遮光板を被処理シ
ートを使用せず、被処理シートのみガラス製の密閉容器
内に入れ、容器内部を試料cと同様の雰囲気に保ち、同
様の光照射を行った(試料d)。これらの試料について
実施例1と同様の着色水試験を行ったところ、図示して
いないが、試料aと同様の目標円に近い親水化領域を得
ることができた。
【0038】また、2つの試料をそれぞれ、乾燥重量を
測定した後、純水に1時間浸漬後、試料を取り出し、垂
直につり下げて、10分後に湿潤重量を測定し、次式に
より保液量を測定した。 保液量(%)=(湿潤重量−乾燥重量)/乾燥重量×10
【0039】試料dの保液量180%に対し、試料cの
保液量は103%となり、試料cの保液量と試料dの保
液量の比は0.57となり、計算した遮光板の開口の面
積比0.55とほぼ一致しており、撥水性を維持する領
域の最小幅が狭くとも、正確な撥水性と親水性の区分け
が行えることが確認できた。
【0040】
【発明の効果】本発明は従来法と比べ、正確な親水部分
と撥水部分の区分けが可能であり、目標とした親水部分
あるいは撥水部分の形状と面積を忠実に得ることがで
き、電池セパレーターとして用いた場合、より多くの親
水部分の確保と切れ目や設計と異なる形状のない確実な
撥水部分の確保を両立することができる。その結果、優
れた酸素透過機能と優れた保液機能の両方を有する電池
セパレーターが得られる。また密閉型鉛畜電池セパレー
ターでは成層化を効率的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって製造したセパレーターの性能を
示す平面図。
【図2】従来法によって製造したセパレーターの性能を
示す平面図。
【図3】他の従来法によって製造したセパレーターの性
能を示す平面図。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に半導体微粒子を担持させたオレフ
    ィン系樹脂繊維の不織布の表面の所定領域のみに光を照
    射してその領域に親水性を付与し前記所定領域以外の領
    域に撥水性を残すことを特徴とする電池用セパレーター
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記光照射は光源と前記オレフィン系樹
    脂繊維の不織布の間に前記所定領域に対応する開口を有
    する光不透過性シートを配置することによって行う請求
    項1記載の電池用セパレーターの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記光不透過性シートをオレフィン系樹
    脂繊維の不織布に当接して配置する請求項2記載の電池
    用セパレーターの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記所定領域以外の領域は0.1〜1.
    0mmの最小幅を有る請求項1〜3のいずれかに記載の
    電池用セパレーターの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記所定領域以外の領域は電池用セパレ
    ーターの一つの端辺から垂直方向に前記端辺と対向する
    他の端辺へ達する連続した幅0.2〜1.0mmの細長
    い形状を有する請求項1〜3のいずれかに記載の電池用
    セパレーターの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記半導体微粒子が酸化チタンである請
    求項1〜5のいずれかに記載の電池用セパレーターの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記オレフィン系樹脂がポリエチレンま
    たはポリプロピレンである請求項1〜6のいずれかに記
    載の電池用セパレーターの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記光の照射をSO2およびO2の存在下
    で行う請求項1〜7のいずれかに記載の電池用セパレー
    ターの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014194911A (ja) * 2013-03-29 2014-10-09 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 鉛蓄電池

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