JPH09288990A - 走査プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査プローブ顕微鏡

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JPH09288990A
JPH09288990A JP10015796A JP10015796A JPH09288990A JP H09288990 A JPH09288990 A JP H09288990A JP 10015796 A JP10015796 A JP 10015796A JP 10015796 A JP10015796 A JP 10015796A JP H09288990 A JPH09288990 A JP H09288990A
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JP
Japan
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detector
cantilever
sample
signal
mirror
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JP10015796A
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Takashi Sueyoshi
孝 末吉
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Jeol Ltd
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Jeol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】試料を破損することなく高分解能で像観察を行
うようにしながら、しかも操作を簡単にする。 【構成】圧電素子15がカンチレバー1および探針2を
加振すると、検出器7での反射光の入射位置が周期的に
変化するので、検出器7はカンチレバー1の振動および
撓みによる高周波数成分および周波数変化成分との重畳
信号を出力する。ノッチフィルタ30はコンパレータ9
の出力信号の高周波数成分を選択して、誤差増幅器31
を介して圧電素子駆動電源32に供給する。これによ
り、圧電素子駆動電源32は圧電素子21,22を駆動
し、反射光の入射位置が常に検出器7の定位置となるよ
うにミラー6を加振する。振幅検出器37はコンパレー
タ9の出力信号の周波数変化成分を選択して圧電素子駆
動電源11に供給し、この電源11はz軸圧電走査素子
4zを駆動して、探針−試料間の距離制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子間力顕微鏡
(AFM)等の試料からの力を受けて試料表面を測定す
る走査プローブ顕微鏡(SPM)の技術分野に属し、特
に探針を試料から若干離隔させかつ振動させることによ
り、試料表面を測定するノンコンタクトタイプの走査プ
ローブ顕微鏡の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】探針と試料との間に生じる物理的な力を
測定して試料表面を測定するAFMが、従来から開発さ
れている。図5はこのようなAFMのソフトコンタクト
タイプの一例を模式的に示す図である。図中、1は弾性
を有するカンチレバー、2はカンチレバー1の先端に取
り付けられた探針、3は試料、4xはx軸方向の試料の
位置を制御するx軸圧電走査素子、4yはy軸方向の試
料の位置を制御するy軸圧電走査素子、4zはz軸方向
(高さ方向)の試料の位置を制御するz軸圧電走査素
子、5はレーザー光源、6はミラー、7はフォトディテ
クター(以下、検出器ともいう)、8はI/Vアンプ、
10は誤差増幅器、11は圧電素子駆動電源、12はス
キャンジェネレータ、13は中央処理装置(CPU)、
14は画像表示装置である。
【0003】探針2は試料3と対向して配置され、また
レーザー光源5はカンチレバー1の上方に配置されてい
る。更に、フォトディテクター7は4分割されて形成さ
れたフォトセンサー7a,7b,7c,7dからなり、レ
ーザー光源5から発せられたレーザー光がカンチレバー
1の上面に当たって反射し、ミラー6を介してフォトデ
ィテクター7のフォトセンサー7a,7b,7c,7dに
それぞれ入射するように配置されている。そして、フォ
トセンサー7a,7b,7c,7dにそれぞれ入射する光
量のバランスから受光位置の変化を認識することができ
るようになっている。
【0004】このような構成をしたAFMは、まずレー
ザー光源5からレーザー光をカンチレバー1の上面に照
射し、その反射光を検出器7にミラー6を介して入射さ
せる。
【0005】この状態で、探針2と試料3とを1nm以
下の距離まで互いに近づけると、探針2の先端原子と試
料3の表面原子との間に原子間力(引力・斥力)が作用
して、探針2が上下動し、その結果カンチレバー1が上
下方向に撓む。このカンチレバー1の撓みにより、レー
ザー光の反射光が検出器7に入射する位置が変化する。
この変化により、各フォトセンサー7a,7b,7c,7
dに入射する光量が変化するので、フォトセンサー7
a,7bの各出力の和(A+B)とフォトセンサー7c,
7dの各出力の和(C+D)とが異なる。これらのフォ
トセンサー7a,7b,7c,7dの出力が誤差増幅器10
を介して圧電素子駆動電源11に送られ、この圧電素子
駆動電源11はZ軸圧電走査素子4zに対して、探針2
と試料3との間の距離を一定に保つ(すなわち原子間力
を一定に保つ)ようにフィードバック制御を行う。
【0006】そして、このような探針2と試料3との間
の距離制御を行いながら探針2または試料3を2次元走
査することにより、試料3の表面の凹凸画像(定力像)
が画像表示装置14において得られる。
【0007】更に、このときのカンチレバー1のねじれ
(横方向の動き)によるレーザー反射光の入射位置の変
化で、検出器7の各出力信号(A+D)と(B+C)と
が変化する。これらの出力信号の比較により、走査に伴
う試料表面の摩擦力を検出することができる。そして、
この摩擦力の変化を明暗の画像として画像表示装置14
において表示することにより、摩擦力像が得られる。
【0008】しかしながら、カンチレバー1および探針
2を試料3表面に近づけて探針2−」試料3間に働く斥
力を検出するソフトコンタクトタイプのAFMでは、ス
キャン時に探針2が試料表面の凹凸に接触してしまうこ
とがある。このため、表面が比較的弱い試料の場合に
は、この試料表面が破損してしまうことがある。
【0009】そこで、探針2を試料3から若干離隔して
配置するとともに、カンチレバー1を強制的に振動させ
ることにより探針2を振動させ、原子間力の変化により
変化するこの振動の周波数(振動数)や振幅の変化を電
気的に検出して、試料3から少し離れた位置でも比較的
弱い原子間力でも確実に検出することができるノンコン
タクトタイプのAFMが開発されている。
【0010】図6はこのノンコンタクトタイプのAFM
の一例を模式的に示し図である。なお、前述のAFMと
同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、その詳細
な説明は省略する。図6において、15はカンチレバー
1の支持部に取り付けられた加振用の圧電素子、16は
発振電源、17は発振電源16の加振出力信号と同期し
た振幅変化分の信号をセレクトするロックインアンプで
ある。
【0011】I/Vアンプ8の出力信号すなわち検出器
7の出力信号がロックインアンプ17を介して誤差増幅
器10に供給されるとともに発振電源16に供給される
ようになっている。また、発振電源16の加振出力信号
が圧電素子15に供給されるとともにロックインアンプ
17に供給されるようになっている。ロックインアンプ
17は、検出器7の出力信号と発振電源16の加振出力
信号とに含まれる周波数成分を比較し、共通の周波数成
分から信号をセレクトして出力する。
【0012】このような構成をしたAFMにおいては、
発振電源16から発振出力信号が圧電素子15に供給さ
れることにより、カンチレバー1がそのほぼ固有振動数
程度の周波数で加振される。この状態で、探針2を試料
3に数nm程度に接近させると、探針2と試料3との間
の原子間力によりカンチレバー1が撓む。これにより検
出器7の出力が変化し、変化した出力信号がロックイン
アンプ17に供給される。ロックインアンプ17は、供
給された検出器7の出力信号から加振電源の加振出力信
号に同期した信号の振幅変化分の信号を出力し、この出
力信号が誤差増幅器10を介して圧電素子駆動電源11
に送られる。この圧電素子駆動電源11はZ軸圧電走査
素子4zに対して、探針2と試料3との間の距離を一定
に保つフィードバック制御を行う。
【0013】そして、このような探針2と試料3との間
の距離制御を行いながら探針2または試料3を2次元走
査することにより、試料3の表面の凹凸画像が画像表示
装置14において得られる。このようにして、試料3か
ら少し離れた位置でも、比較的弱い原子間力を確実に検
出可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなカンチレバー1を加振しながら試料3の表面を測定
するAFMにおいては、発振電源16の加振出力信号の
周波数とカンチレバー1自体の振動に差が生じたり、あ
るいは発振電源16の出力周波数と検出器7の出力周波
数との間に位相差が発生したりする場合がある。このた
め、ロックインアンプ17における同調制御を正確に行
わなければならないばかりでなく、オペレータは像観察
以外にこのロックインアンプ17の監視も必要となって
しまい、操作が煩雑になるという問題がある。
【0015】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は試料を破損させることなく高
分解能で像観察を行うことができるようにしながら、し
かも操作が簡単である走査プローブ顕微鏡を提供するこ
とである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、光源と、この光源から放出さ
れる光線の光軸中にその先端が配置されるとともに試料
を走査する探針を有するカンチレバーと、このカンチレ
バーを加振する第1加振手段と、前記カンチレバーに前
記光線が当たって反射する反射光線の光路中に配設され
たミラーと、このミラーによって反射された反射光線が
入射される検出器、前記前記検出器の出力信号に基づい
て前記探針と前記試料間の距離制御を行う距離制御手段
とを備えている走査プローブ顕微鏡において、前記ミラ
ーを加振する第2加振手段と、前記検出器の出力信号か
ら前記カンチレバーの加振周波数に関係する信号を分離
検出する第1信号分離検出手段と、前記検出器の出力信
号から前記カンチレバーの加振周波数に関係する該加振
周波数の振幅変化成分の信号を分離検出して前記距離制
御手段に供給する第2信号分離検出手段と、前記第1信
号分離検出手段によって分離検出された信号に基づいて
前記反射光線が前記検出器の定位置に常に入射されるよ
うに前記ミラーを振動制御させるための加振信号を前記
第2加振手段に供給する加振信号発生手段とを備えてい
ることを特徴としている。
【0017】
【作用】このような構成をした本発明の走査プローブ顕
微鏡においては、共振周波数の変化に伴い、カンチレバ
ーとミラーとの間に位相のずれが生じる。この位相ずれ
による検出器への光の入射位置は、入射位置変化の振り
幅を増大する方向へとミラーを振動変化させる。これに
より、探針と試料との間に生じた引力によって発生する
わずかな振幅の変化であっても、このミラー振動の位相
ずれがその振幅を拡大するように動作するので、振幅の
変化を容易に検出可能となる。したがって、試料を破損
することなく、高分解能で像観察を行うことができるよ
うになる。
【0018】また、これにより従来のAFMで必要なロ
ックインアンプや周波数検波器等の検出手段が不要とな
るので、操作がきわめて簡単になる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1ないし図3は本発明にかかる走
査プローブ顕微鏡の実施の形態の一例を示し、図1はこ
の例の走査プローブ顕微鏡を模式的に示す、図6と同様
の図、図2はミラーの支持構造を示し、(a)はその縦
断面図、(b)は(a)における矢視A−A′方向から
見た図、図3はこの例の回路構成の要部を示す図であ
る。
【0020】本例のAFMにおいては、図1に示すよう
にミラー6が支持基板27に揺動可能に支持されてい
る。すなわち具体的に説明すると、図2(a)に示すよ
うにミラー6が支持板20に第1ミラー駆動用圧電素子
21および第1弾性体23を介して支持されている。そ
の場合、図2(b)に示すように第1ミラー駆動用圧電
素子21および第1弾性体23は、ともにミラー6の中
心すなわち支持板20の中心を通る第1軸α上でかつ支
持板20の互いに対向する2辺の中央位置にそれぞれ配
置されている。また、支持板20の中央には、図2
(b)において支持板20の中心を通る紙面に垂直な軸
上にある点を中心とした球面の湾曲部からなる第1球軸
25が形成されている。
【0021】またこの支持板20は、図2(a)に示す
ように支持基板27に第2ミラー駆動用圧電素子22お
よび第2弾性体24を介して支持されている。その場
合、図2(b)に示すように第2ミラー駆動用圧電素子
22および第2弾性体24は、ともにミラー6の中心す
なわち支持板20の中心を通り第1軸αと直交する第2
軸β上でかつ支持基板27すなわち支持板20の互いに
対向する他の2辺の中央位置にそれぞれ配置されてい
る。更に支持基板27の中央には、第1球軸25の凹面
と同一径の球面の突出部からなる第2球軸26が形成さ
れている。そして支持板20は、この第2球軸26の突
出部の表面に、支持板20の第1球軸25の凹面が揺動
可能に嵌合されて支持されている。更に支持基板27は
回転軸28を介して図示しない装置本体に回転位置調整
可能に支持されている。
【0022】したがって、第1ミラー駆動用圧電素子2
1に電圧が印加されてこの第1ミラー駆動用圧電素子2
1が駆動することにより、ミラー6は第2軸βを中心と
して回動するとともに、第2ミラー駆動用圧電素子22
に電圧が印加されてこの第2ミラー駆動用圧電素子22
が駆動し支持板20が第1軸αを中心として回動するこ
とにより、ミラー6は第1軸αを中心として回動するよ
うになっている。
【0023】一方、図6に示す従来のノンコンタクトタ
イプのAFMの回路構成に対して、本例の回路構成は、
図1に示すようにまず図6の従来例のロックインアンプ
17が廃止されるとともに、発振電源16と圧電素子1
5との間に振幅調整器35およびスイッチSW1が接続
され、発振電源16と誤差増幅器31との間に、位相制
御回路34、スイッチSW2および振幅調整器36が接
続されている。更に、コンパレータ9と誤差増幅器10
との間に、ローパスフィルター33および振幅検出器3
7が設けられている。この振幅検出器37は、例えば微
分傾斜検出を行う方式の検出器である。
【0024】また本例においては、検出器7とI/Vア
ンプ8との間の回路、およびI/Vアンプ8とコンパレ
ータ9との間の回路がそれぞれ図3に示すように構成さ
れている。すなわち、検出器7の4つのフォトセンサー
7a,7b,7c,7dのうち、2つのフォトセンサー7
a,7bが、それぞれ個別のI/Vアンプ8a,8bを介
して加算器29に接続されているとともに、この加算器
29がコンパレータ9に接続されている。また、他の2
つのフォトセンサー7c,7dが、それぞれ個別のI/
Vアンプ8c,8dを介して他の加算器29に接続され
ているとともに、この他の加算器29がコンパレータ9
に接続されている。
【0025】したがって本例のAFMにおいては、各フ
ォトセンサー7a,7b,7c,7dにカンチレバー1か
らの反射光が入射されると、各フォトセンサー7a,7
b,7c,7dはそれぞれ反射光の入射量に応じた出力を
発する。そして、フォトセンサー7a,7bからの出力
が1つの加算器29で加算されてコンパレータ9に供給
されるとともに、フォトセンサー7c,7dからの出力
が他の1つの加算器29で加算されてコンパレータ9に
供給されるようになっている。コンパレータ29は、2
つの加算器29からの2つの加算信号の差を演算して出
力し、この差信号が振幅検出器37に供給されて、基準
値に対する誤差信号が圧電素子駆動電源11に供給され
るようになっている。
【0026】コンパレータ9の出力はノッチフィルタ3
0を介して誤差増幅器31に接続されて、この誤差増幅
器31を介して第1および第2ミラー駆動用圧電素子2
1,22をそれぞれ駆動制御する圧電素子駆動電源32
に接続されている。したがって、検出器7の検出信号の
周波数成分と発振電源16の出力信号とが誤差増幅器3
1によって誤差増幅されて圧電素子駆動電源32に供給
されるようになっている。本例のAFMの他の構成は、
図6に示す従来のAFMの構成と同じである。
【0027】このような構成をした本例のAFMにおい
ては、まずスイッチSW1およびSW2がともにOFF
状態(無振動状態)で、光学系のアライメントが行われ
る。すなわち、レーザー光源5から発せられたレーザー
光はカンチレバー1によって反射され、その反射光がミ
ラー6を介して検出器7に送られる。この状態で、カン
チレバー1からの反射光が検出器7の中心に来るよう
に、支持基板27を回転軸28のまわりに回転調整する
ことにより、ミラー6の全体の向きが調整される。その
後、発振電源16がカンチレバー1の固有振動数程度の
周波数f0で駆動され、スイッチSW1がONされる
と、この発振電源16から圧電素子15に交流電圧が供
給される。圧電素子15が駆動されて発振し、その発振
周波数はカンチレバー1の固有振動数程度の周波数に調
整される。これにより、圧電素子15は、カンチレバー
1および探針2を同周波数で加振するようになる。
【0028】このとき、検出器7の検出信号は前記周波
数f0で変調された信号として検出されるので、その振
幅に基づいて探針2の振幅が振幅調整器35によって任
意の値に調整される。次いで、スイッチSW1およびS
W3をOFF状態としてカンチレバー1の振動を停止し
た状態で、スイッチSW2をON状態とする。これによ
り、ミラー6が加振されて検出器7に入射するレーザー
反射光がミラー6の振動周波数、すなわち発振電源16
の周波数で変調されるようになる。このときの検出器7
の検出信号の振幅が前記振幅調整器35によって設定さ
れた任意の値と一致するように振幅調整器3を調整す
る。そして、スイッチSW1、SW2およびSW3がと
もにON状態で、位相制御回路34によってミラー6の
加振信号の位相が調整される。このとき、検出器7は高
周波数成分と原子間力によるカンチレバー1の撓みで変
化する周波数成分(振幅変化および周波数変化)とが重
畳された信号を出力するようになる。このようような入
力信号によって変化するフォトセンサー7a,7bの出
力およびフォトセンサー7a,7bの出力がそれぞれの
加算器29で加算されてコンパレータ9に供給される。
コンパレータ9は1つの加算器29,29から供給され
てくる重畳信号を比較し、その差を演算して差信号を出
力する。このとき、このコンパレータ9が出力する差信
号も、加振による高周波数成分とカンチレバー1の撓み
により変化する周波数成分とが重畳された信号となって
いる。
【0029】ノッチフィルタ30により、コンパレータ
9の出力信号の中の高周波数成分が選択通過され、この
高周波数成分が誤差増幅器31によって誤差増幅され、
圧電素子駆動電源32に供給される。圧電素子駆動電源
32は、誤差増幅器31からの増幅された高周波数の信
号を受けて2つの圧電素子21,22をそれぞれ駆動制
御し、カンチレバー1からの反射光の高周波数成分が除
去されるようにミラー6を加振制御する。すなわち、カ
ンチレバー1が高周波数で振動していても、検出器7に
入射される反射光は高周波数成分が除去されて、その入
射位置が常に検出器7上の一定位置(中心)に入り、出
力信号の演算出力がゼロとなるように調整される。
【0030】このように加振状態のカンチレバー1およ
び探針2を試料3に接近させた場合、この探針2が試料
3から引力を受けるので、カンチレバー1の共振周波数
および発振振幅が微小に低下する。例えば、図4に示す
ようにカンチレバー1の共振周波数f0で探針2と試料
3とを接近させた場合、探針2が試料3から引力を受け
ると、共振周波数は図において左方へ△fだけシフトし
て低下し、周波数はf1となる。このとき同時に振幅の
低下および位相変化も発生する。
【0031】そこで、探針2と試料3との間に一定の力
が働いている場合に任意に設定される振幅検出器37の
リファレンス値(Ref値)をf1と設定することによ
り、振幅検出器37で検出した振幅値と振幅のRef値
とを誤差増幅器10で比較して誤差が生じた場合に、そ
の誤差を増幅して圧電素子4Zに対してフィードバック
制御を行うようにしている。
【0032】すなわち、カンチレバーの振幅低下が発生
すると、検出器7上での入射光の位置変化幅も小さくな
る。更に、この状態で走査を行った場合には試料3表面
のわずかな凹凸の差による引力をカンチレバー1が受け
ても、検出器7上での入射光の位置変化幅もきわめて小
さくなるため、識別が困難となる。そのために、従来の
AFMではこの微少な周波数変化や振幅変化をロックイ
ンアンプや周波数検波器などを検出手段として用いる必
要があった。しかし、本例の場合は、前記共振周波数の
変化に伴い、前記整合をとったカンチレバー1の振動と
ミラー振動との間に位相のずれを生じる。この位相ずれ
による検出器7への光の入射位置は入射位置変化の振り
幅を増大する方向へとミラーを駆動させる変化となる。
このため、探針2と試料3との間に働くわずかな引力変
化を検出器7で大きな変化として検出することができる
ようになる。そして、これによりわずかな引力変化も識
別が容易となり、従来のAFMで必要なロックインアン
プや周波数検波器などの検出手段が不要となる。したが
って、操作がきわめて簡単になる。
【0033】一方、ローパスフィルタ33により、コン
パレータ9の出力信号の中のカンチレバー1の撓みによ
る振幅変化の周波数成分が選択通過され、この周波数成
分中の振幅変化成分が振幅検出器37によって検出さ
れ、誤差増幅器10によって基準値との差を補う信号が
圧電素子駆動電源11に供給される。圧電素子駆動電源
11はz軸圧電走査素子4zを駆動制御して、従来のA
FMにおける探針−試料間の距離制御と同様の探針−試
料間の距離制御を行う。そして、従来のAFMと同様
に、この探針−試料間の距離制御を行いながら、CPU
13はスキャンジェネレータ12を駆動制御し、スキャ
ンジェネレータ12が圧電素子駆動電源11を駆動制御
することにより、x、y軸圧電走査素子4x,4yが駆
動されて、試料3が2次元走査される。こうして、画像
表示装置14において試料表面の凹凸画像(定力像)が
得られる。このように本例のAFMにおいては、ミラー
6の加振制御はカンチレバー1を加振するための発振電
源16に何等関係なく、行われるようになる。本例のA
FMの他の作用は、前述の従来のAFMの作用と同じで
ある。
【0034】このような本例のAFMによれば、探針2
試料3との間に生じた引力によって発生するわずかな振
幅の変化であっても、同時に発生するミラー6の振動の
位相ずれが、その振幅変化を拡大するように動作するこ
とによって、容易に検出可能となるので、探針2と試料
3との間が比較的遠く離隔した状態で、すなわち試料3
から比較的遠い位置からこの原子間力を確実に検出する
ことができるようになる。これにより、試料3を破損さ
せることなく、試料表面の高分解能凹凸画像を得ること
ができるようになる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の走査プローブ顕微鏡によれば、探針と試料との間に生
じた引力によって発生するわずかな振幅の変化であって
も、同時に発生するミラー振動の位相ずれが、その振幅
変化を拡大するように動作することによって、容易に検
出可能となる。したがって、試料を破損することなく高
分解能で像観察を行うことができるようになる。また、
これにより従来のAFMで必要なロックインアンプや周
波数検波器などの検出手段を不要とすることができるの
で、操作がきわめて簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる走査プローブ顕微鏡の実施の
形態の一例を模式的に示す図である。
【図2】 図1における例のミラーの支持構造を示し、
(a)はその部分断面図、(b)は(a)における矢視
AーA′から見た図である。
【図3】 図1における例の回路構成の部分詳細図であ
る。
【図4】 探針を試料に接近させとき引力を受けた場
合、共振周波数、振幅および位相が変化することを説明
する図である。
【図5】 従来の走査プローブ顕微鏡の一例を模式的に
示す図である。
【図6】 従来の走査プローブ顕微鏡の他の例を模式的
に示す図である。
【符号の説明】
1…カンチレバー、2…探針、3…試料、4x…x軸圧
電走査素子、4y…y軸圧電走査素子、4z…z軸圧電
走査素子、5…レーザー光源、6…ミラー、7…フォト
ディテクター(検出器)、8…I/Vアンプ、9…コン
パレータ、10…誤差増幅器、11…圧電素子駆動電
源、12…スキャンジェネレータ、13…中央処理装置
(CPU)、14…画像表示装置、15…圧電素子、1
6…発振電源、20…支持板、21…第1ミラー駆動用
圧電素子、22…第2ミラー駆動用圧電素子、23…第
1弾性体、24…第2弾性体、25…第1球軸、26…
第2球軸、27…支持基板、28…回転軸、29…加算
器、30…ノッチフィルタ(またはバンドフィルタ)、
31…誤差増幅器、32…圧電素子駆動電源、33…ロ
ーパスフィルター、34…位相制御回路、35…振幅調
整器、36…振幅調整器、37…振幅調整器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、この光源から放出される光線の
    光軸中にその先端が配置されるとともに試料を走査する
    探針を有するカンチレバーと、このカンチレバーを加振
    する第1加振手段と、前記カンチレバーに前記光線が当
    たって反射する反射光線の光路中に配設されたミラー
    と、このミラーによって反射された反射光線が入射され
    る検出器、前記前記検出器の出力信号に基づいて前記探
    針と前記試料間の距離制御を行う距離制御手段とを備え
    ている走査プローブ顕微鏡において、 前記ミラーを加振する第2加振手段と、前記検出器の出
    力信号から前記カンチレバーの加振周波数に関係する信
    号を分離検出する第1信号分離検出手段と、前記検出器
    の出力信号から前記カンチレバーの加振周波数に関係す
    る該加振周波数の振幅変化成分の信号を分離検出して前
    記距離制御手段に供給する第2信号分離検出手段と、前
    記第1信号分離検出手段によって分離検出された信号に
    基づいて前記反射光線が前記検出器の定位置に常に入射
    されるように前記ミラーを振動させるための加振信号を
    前記第2加振手段に供給する加振信号発生手段とを備え
    ていることを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
JP10015796A 1996-04-22 1996-04-22 走査プローブ顕微鏡 Withdrawn JPH09288990A (ja)

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