JPH09288105A - 生体成分測定用試薬 - Google Patents
生体成分測定用試薬Info
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- JPH09288105A JPH09288105A JP12251196A JP12251196A JPH09288105A JP H09288105 A JPH09288105 A JP H09288105A JP 12251196 A JP12251196 A JP 12251196A JP 12251196 A JP12251196 A JP 12251196A JP H09288105 A JPH09288105 A JP H09288105A
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Abstract
用の抗菌剤を提案し、これを添加した新しい生体成分測
定用試薬を提供する事である。 ・試薬本来の反応に影響を与えない ・微生物の繁殖を効果的に抑制する ・製造工程で危険な化合物を生成しない ・環境衛生上の問題とならない 【解決手段】本発明の課題は、ミロキサシン、アミフロ
キサシン、およびロメフロキサシン他の特定のキノロン
系の抗菌剤を利用する事によって解決される。 【効果】本発明は、免疫学的活性から酵素学的活性ま
で、幅広い成分に対して影響を与えることなく微生物の
繁殖を効果的に防止する。
Description
野に利用される生体成分測定用試薬に関するものであ
る。生体成分測定用試薬は、分析に必要な酵素、抗原や
抗体のような免疫学的活性成分、あるいはこれらの成分
を含む血清蛋白のような蛋白質で構成されている。また
各種の分析に必要な標準物質は、物質濃度を検定した血
清や、血清に一定の濃度となるように各種の成分を添加
したものによって構成される。
多くは、抗体や酵素のような蛋白質、あるいは糖類やビ
タミンのような生物学的な成分を含んでいる。たとえば
免疫学的な分析のための試薬には、抗原や抗体が含まれ
ている。酵素標識を利用した場合には、酵素や、その基
質となる化合物も含むことになる。また酵素学的な分析
のための試薬であれば、酵素や酵素基質が試薬中に存在
する。更に分析にあたっては、検量線の作成や分析精度
の確認のために標準物質が必要となる。標準物質は分析
対象となる化合物の含有量を検定した血清、あるいは一
定量の分析対象物を血清に添加することによって構成さ
れている。これらの生物学的成分は、微生物の栄養素と
して利用され、微生物の繁殖の原因となる。試薬におけ
る微生物の繁殖は、成分の分解によって試薬自身の品質
を低下させるのみならず、分析環境に微生物の汚染を引
き起こす原因となるため避けなければならない問題であ
る。しかし生物学的な成分を高い濃度で含む試薬や標準
物質を、微生物の繁殖から完全に保護することは容易で
はない。
抗菌剤と呼ぶ)は多く知られているが、これらを試薬に
添加するには次のような注意が必要である。まず、その
試薬に期待されている反応性を阻害しないように注意し
なければならない。試薬は、それが免疫学的なものであ
れ、酵素学的なものであれ、なんらかの反応を利用して
分析を行うためのものである。したがってこの反応を阻
害するような抗菌剤は用いるべきではない。
加されていたアジ化物は、免疫学的な反応には影響を与
えにくいが、使用濃度によっては酵素反応、特にペルオ
キシダーゼの活性に重大な影響を与えることが知られて
いる。ペルオキシダーゼは、結合分析のための標識酵素
や酸化酵素によって生成する過酸化水素の測定に広く利
用されている酵素なので、その活性を阻害する抗菌剤は
試薬に添加するものとして不都合がケースが多い。アジ
化物は、この他にアスコルビン酸オキシダーゼに対して
も阻害的に作用することが知られている。アスコルビン
酸オキシダーゼは、ペルオキシダーゼによる過酸化水素
の発色系において妨害物質となるアスコルビン酸を酸化
除去する酵素として利用される酵素であり、この酵素に
阻害的に作用する抗菌剤は組み合わせを避けるべきであ
る。
する試みもある。たとえばペニシリンG−ストレプトマ
イシン−ファンギゾンの混合溶液(以下PSFと省略す
る、和光純薬工業等からPenicillin-Streptomycin-Fung
izone-Mixtureとして市販されている)が試薬用の抗菌
剤として用いられた。しかしPSFの抗菌力は、たとえ
ば血清をベースとした標準品のようにきわめて細菌の繁
殖しやすい環境のもとでは、必ずしも十分に維持できな
い場合がある。また動物の血液に感染した状態で実験環
境に持ちこまれることの多いマイコプラズマに対してP
SFは抗菌力を持たない。更に本発明者らの知見によれ
ば、PSFの存在下では一部の反応が影響を受けること
が明らかとなった。具体的には、たとえば遊離サイロキ
シンの免疫学的な測定において、PSF共存下で測定値
が上昇する場合の有ることが観察された。
用されている試薬用の抗菌剤は、試薬の用途にしたがっ
て様々な化合物を使い分けているのが現状である。しか
し非常に多様な成分で構成される幅広い用途の試薬に対
して、それぞれに適した抗菌剤を選択することは決して
容易なことではない。他方、現在市販されている試薬の
中には、特定の分析対象物に限定できない品目も存在す
る。たとえば、多くの成分を同時に検定した多項目の標
準物質がそうである。多項目標準物質は、多くの項目の
分析において標準として用いられるので、項目ごとにま
ったく異なった反応系を適用される可能性が大きい。具
体的には、物質AについてはRIA(ラジオイムノアッ
セイ)用の標準となるかもしれないが、物質BはELI
SA(酵素免疫測定法)のための標準として用いられる
可能性も有るということである。このような場合、RI
Aでは問題とならない抗菌剤がELISAでは酵素反応
を妨害してしまうかもしれない。したがって、できるだ
け広い範囲の試薬に適用することができる抗菌剤が必要
となるのである。
試薬中の成分を変性させることが有ってはならない。試
薬中には、免疫学的な活性物質、酵素学的に活性な物
質、そして化学的に活性な物質といった、さまざまな活
性と、多様な構造を持つ成分が存在する可能性が有る。
これらの化合物の活性を保存中に変性させる可能性のあ
るものは利用できない。
の特性によって不利益をもたらす場合もある。たとえば
アジ化物に代えてよく用いられていたチメロサールは、
その構造中に有機水銀を含むため、環境衛生上の問題か
ら使われなくなってきた。また代表的なアジ化物である
アジ化ナトリウムは、銅や鉛のような金属と反応して爆
発性の金属アジドを生じることが知られている。末端の
検査施設における廃液中においてはアジ化ナトリウムの
濃度が低いので危険性は小さいが、常に比較的高い濃度
のアジ化ナトリウムと接触する可能性の有る製造施設に
おいては無視することのできない問題である。
使用される環境のもとで十分な抗菌活性を維持すること
である。試薬は、さまざまな反応を提供するものである
ため、そのpH、塩濃度、溶媒といった環境が大きく変
動する。したがって様々な条件のもとで十分な抗菌活性
を維持することが試薬の抗菌剤には求められる。以上の
ような背景のもとで、試薬の抗菌剤として有用な幾つか
の組み合わせが報告されている。
メチル−4−イソチアゾリン−3−オン−ヒドロクロリ
ド、2−ヒドロキシピリジン−N−オキシド、クロルア
セトアミド、{N,N−メチレン−ビス[(N−1−ヒ
ドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリ
ジニル]}−尿素及び5−ブロム−5−ニトロ−1,3
−ジオキサンを利用した保存剤組成物が提案されている
[ 1]。また特定のアリールフルオロキノロンとp−ヒド
ロキシ安息香酸誘導体の組み合わせも公知である[ 2]。
この他にも、サルファメトキサゾールとトリメトプリム
の組み合わせ[3]、あるいはミクロシド類の応用[ 4]を
試みた報告が有る。これらの報告は、いずれも以上のよ
うな問題点の解決を目的として提案されたものである。
しかし先に述べたような理由から、様々な反応系に対応
するためには抗菌剤の選択の幅は広い方が好ましいし、
また特定の抗菌剤を連続して使用することは耐性菌の出
現につながる可能性が有る。更に本発明者らは、これら
の抗菌剤の組み合わせのうちp−ヒドロキシ安息香酸誘
導体を利用したもの[ 2]では、一部の免疫学的な測定系
において重大な反応系への影響が観察される場合のある
ことを確認した。即ち、アリールフルオロキノロンとp
−ヒドロキシ安息香酸誘導体の組み合わせを、遊離型の
サイロキシンの免疫学的測定用標準に抗菌剤として添加
すると、標識物と抗体の結合率が無添加の場合に比較し
て1/3以下まで減少することがある。このような抗菌
剤は少なくとも特定の測定項目のための試薬や標準には
利用することができない。
試薬に適用することができ、多様な微生物に対してさま
ざまな環境のもとで十分な抗菌活性を示し、しかも耐性
菌の出現を起こしにくい新たな抗菌剤の提供を課題とし
ている。試薬中の微生物の繁殖を効果的に防止し、試薬
本来の性能に悪影響を与えることなく試薬中の活性成分
を微生物の繁殖から保護することが本発明の課題であ
る。
構造を持つキノロン系抗生物質から選択した少なくとも
1種の薬剤を添加した、生体成分測定用試薬によって解
決される。以下のキノロン系抗生物質は塩であってもか
まわない。
質は、それぞれ前記のような構造と次のような一般名を
持つ化合物である。本発明に用いるキノロン系抗生物質
の多くは構造中にフッ素を含む、いわゆるフルオロキノ
ロン系抗生物質である。これらのキノロン系抗生物質
は、もともと各種感染症の治療を目的として開発された
ものであるが、本発明者らは、これらの抗菌剤が試薬に
添加した時に先に述べたような多くの課題を解決する抗
菌剤として有用性の高い化合物であることを見出し、本
発明を完成した。以下、各抗菌剤について説明する。
-1,3-dioxolo[4,5-g]quinoline-7-carboxylic acid)[
5]は、3環式キノロンに属する合成キノロン系抗菌剤で
ある。Fuldazine等の商品名で市販されてお
り、細菌に対して特に有効な抗生物質である。さまざま
なグラム陰性細菌に有効で、特にインビトロでの活性は
Enterobacteriaceae やHaemophilusに対し、ナリジクス
酸の8〜16倍のoxolinic acidと同等の抗菌活性があ
り、嫌気菌に対してはoxolinic acidより強い抗菌活性
を示す[ 6]。
n) アミフロキサシン(amifloxacin;6-Fluoro-1,4-dihydro-
1-(methyl-amino)-7-(4-methyl-1-piperazinyl)-4-oxo-
3-quinolinecarboxylic acid)[ 7]は、フッ素を導入し
た3環式キノロン系抗菌剤である。細菌、特に黄色ブド
ウ球菌等に強い抗菌活性を示す。
rrolidin-1-yl)1,4dihydro-4-oxo-1,8 naphthydine-3-c
arboxylic acid)は、フッ素を導入した合成キノロン系
抗菌剤である。ブドウ球菌、レンサ球菌、緑膿菌等に対
する抗菌活性を持つ。この化合物は広い抗菌スペクトル
を持ち、特にグラム陽性菌例えば、Staphylococcus aur
eus、Streptococcus pneumoniae、Enterococcus faecal
isに有効である。EnterobacteriaceaeやPseudomonas ae
ruginosaに対しては、BMY−40868はciprofloxa
cinと同等の抗菌活性を、Bacteroides fragilisやClost
ridium に対してはciprofloxacinよりも強い抗菌活性を
示す。Chlamidiaに関しては、difloxacinやtetracyclin
の5〜8倍の抗菌活性が、ciprofloxacinに対しては、
100倍の抗菌活性がある[ 8]。
azinyl)-4H-[1,3]thiazeto[3,2-a]3-quinolinecarboxyl
ic acid)[ 9]は、6位にフッ素を導入したチアゼチヂ
ン環を備えたキノロン系合成抗菌剤である。グラム陽性
菌、およびグラム陰性菌等、広範囲の細菌に対して有効
な抗菌活性を備えた化合物として報告されている。抗菌
力はシプロフロキサシンと同程度である[10]。
l-2,3,4,9-tetrahydroisothioazolo-[5,4-b]quinoline-
3,4-diones)は、フッ素を導入した合成キノロン系抗菌
剤である。ブドウ球菌、レンサ球菌、緑膿菌等に対する
抗菌活性を持つ[11]。連鎖球菌属や黄色ブドウ球菌及び
緑膿菌に対してシプロフロキサシンの4〜10倍の抗菌
力を有し、3位のカルボン酸を修飾して活性の高い誘導
体が得られた最初の例である[10]。
cin) スパルフロキサシン(sparfloxacin;5-amino-1-cyclopro
pyl-6,8-difluoro-7-(cis-3,5-dimethyl-1-piperaziny
l)-4(1H)-oxoquinoline-3-carboxylic acid)[12]は、オ
キソキノリン骨格の5位にアミノ基を、6位と8位にフ
ッ素を、7位に3,5−ジメチルピペラジニル基を有す
る3環式のキノロン系合成抗菌剤である。肺炎球菌、M
RSAを含む黄色ブドウ球菌、グラム陽性菌、グラム陰
性菌、マイコプラズマ、クラミジア、結核菌等、広範囲
の微生物に対する抗菌活性を備えており、その作用は殺
菌的である。キノロン剤の中でもその抗菌活性は最も強
い部類に属すると言われている。
oro-7-[3-amino-1-pyrrolidinyl]-1,4-dihydro-4-oxo-3
-quinolinecarboxylic acid)[13][14]は、2つのフッ
素を導入した合成キノロン系抗菌剤である。細菌に対す
る抗菌活性が確認されている。PD−124816は、
嫌気性、好気性グラム陽性球菌に対してciprofloxacin
の4〜8倍の抗菌活性がある。例えば、Listeria monoc
ytogenesや嫌気性グラム陽性杯菌に対しては2〜8倍の
抗菌活性が。Enterobacteriaceaeに対しては同等以上
の。Acinetobacter sppやpseudomonadsには2〜8倍
の。Bacteroides fragilisには16〜64倍の抗菌活性
がある[15]。
yrrolidinyl]-6,8-difluoro-1,4-dihydro-4-oxo-3-quin
olinecarboxylic acid)[16]は、2つのフッ素を導入し
た合成キノロン系抗菌剤である。細菌に対する抗菌活性
が確認されている。7位に3−エチルアミノメチルピロ
リジニル基が導入されたニューキノロン剤で、ブドウ球
菌のみならず連鎖球菌にも強い抗菌力を発揮するのが大
きな特徴である。主な細菌に対するMICは次のように
なっている[17][18]。 Staphylococcus aureus:0.05-0.1 Escherichia coli:0.1 Pseudomonas aeruginosa:1.6
(3-amino-5-methyl-1-pyrrolidinyl)-1,4dihydro-4-oxo
-1,8 naphthydine-3-carboxylic acid)は、フッ素を導
入した合成キノロン系抗菌剤である。ブドウ球菌、レン
サ球菌、緑膿菌等に対する抗菌活性を持つ。7位に3−
エチルアミノメチルピロリジニル基が導入されたニュー
キノロン剤で、ブドウ球菌のみならず連鎖球菌にも強い
抗菌力を発揮するのが大きな特徴である。主な細菌に対
するMICは次のようになっている[17][18]。 Staphylococcus aureus:0.06 Escherichia coli:0.03 Pseudomonas aeruginosa:0.5
-pyridinyl)-6-fluoro-1,4-dihydro-4-oxo-3-quinoline
carboxylic acid)[19]は、フッ素を導入した合成キノ
ロン系抗菌剤である。黄色ブドウ球菌をはじめとする各
種細菌に対する抗菌活性が確認されている。2,6-ジメチ
ル-4-ピリミジル基を有する。シプロフロキサシンに比
べグラム陽性菌に対して格段に優れた抗菌力を示す。嫌
気性菌に対しても抗菌活性は強いがグラム陰性菌に対す
る抗菌活性は低い。MRSA及び連鎖球菌属に極めて抗
菌力が強く、緑膿菌にはシプロフロキサシンの1/10
程度の抗菌力である[10][17]。
cin) ロメフロキサシン(lomefloxacin;(±)-1-ethyl-6,8-dif
luoro-1,4-dihydro-7-(3-methyl-1-piperazinyl)-4-oxo
-3-quinolinecarboxylic acid)[20]は、3環式キノロン
に属する合成キノロン系抗菌剤である。グラム陽性細
菌、陰性細菌、および嫌気性細菌に対して広い抗菌スペ
クトルを示し、その作用は殺菌的である。酸性側では抗
菌活性が低下する傾向が有る。主に塩酸塩として流通し
ている。
のであれば入手が容易である。また市販されていないも
のであっても、類似の構造を持つ化合物の製造法を基に
合成することが可能である。
し、何種類かを混合して添加しても良い。何種類かを混
合して用いれば耐性菌が出現しにくくなるという効果を
期待できる。また単独で用いるにしろ、混合する場合に
しろ、これらのキノロン系抗生物質の試薬中における好
ましい使用濃度は、0.0005%W/V(5μg/ml)以上
である。この濃度よりも低い場合には、特に血清をベー
スとした微生物の繁殖し易い試薬における抗菌力が不十
分になる場合が有る。またより広範囲の微生物に対して
十分な抗菌活性を保証し、しかも耐性菌の出現しにくい
環境を実現するためには、0.001−0.01%W/V
(10−100μg/ml)の範囲で用いると良い。本発明
の抗菌剤はこのような非常に高い濃度で用いても、免疫
反応や酵素反応に影響を与える可能性が低い。たとえば
ロメフロキサシンの場合は、RIAにおいて0.05%W
/V(500μg/ml)まで反応に影響を与えないことを確
認しているが、一部の酵素反応には阻害的に働くことも
有るのであまりにも高い濃度は限定された反応系でしか
利用できないものと思われる。基本的には本発明で用い
るキノロン系抗菌剤は、高い濃度で用いても各種反応系
に対して影響の出にくいものである。したがって高い濃
度で使ってはならないということではない。ただ、不必
要に高い濃度は原料コストの上昇につながるので好まし
くない。また溶解度を越える濃度で用いても添加量に応
じた効果は期待できないので、この程度の濃度で用いる
のが効率的である
とができる試薬は、微生物の繁殖から保護すべき成分を
含む試薬である。具体的には、酵素を含むもの、抗原や
抗体のような免疫学的活性物質を含むもの、血清蛋白を
含むもの等をあげることができる。抗原や抗体のような
免疫学的活性物質を含む試薬には、トリヨードサイロニ
ン、サイロキシン、甲状腺刺激ホルモン、卵巣刺激ホル
モン、黄体ホルモン、絨毛性ゴナドトロピン、インスリ
ンといった各種ホルモン、インターフェロン、インター
ロイキン、マクロファージ遊走阻止因子、顆粒球コロニ
ー刺激因子といったリンホカイン、ウイルス粒子やその
断片、細菌、毒素、CEAやAFPのような腫瘍マーカ
ーを分析するための抗体を含む試薬を示すことができ
る。あるいはウイルス粒子、細菌、あるいは毒素等に対
する抗体を測定するための抗原を含む試薬をこの免疫学
的活性成分を含む試薬の範疇に入る。これら免疫学的な
活性成分は、ラジオアイソトープ、酵素、補酵素、酵素
基質、発光物質、あるいは蛍光物質等の標識成分と結合
していても良い。またラテックス粒子、金属コロイド粒
子、試験管の内壁やビーズ等の固相に結合した状態であ
っても良い。更にこれらの測定対象成分の含有量をあら
かじめ検定した標準物質も含めて、本発明における試薬
とする。標準物質は、微生物の繁殖し易い血清をベース
とすることが多く特に抗菌剤の添加が重要である。血清
をベースとする試薬では、蛋白濃度が高いうえに微生物
の繁殖に必要なその他の栄養素も豊富に存在しているの
で微生物にとってはかっこうの繁殖場所になる。それだ
けに、この種の抗菌剤の効果が大きく現れる。
リヨードサイロニンやサイロキシンは本発明によって特
別な効果が期待できる測定項目の一つである。これらの
甲状腺ホルモンは、血中でTBG(Thyroxine Binding G
lobulin)やアルブミン等の血清蛋白と結合した状態にあ
るものと、遊離の状態で存在するものとが知られてい
る。両者は生体内で微妙な平衡状態にあり、このうち遊
離の状態にあるものがホルモンとしての生理活性を持っ
ている。そしてこの遊離型のホルモンの測定が、内分泌
機能の診断において有用な情報となる。遊離の状態にあ
るホルモンは、結合状態にあるものとの平衡をくずさな
いように測定しなければ臨床的に意味のある測定値とな
らない。本発明者らが確認したところによれば、いくつ
かの抗生物質はこの平衡状態に影響を与え、遊離分画の
測定値を実際よりも大きくしてしまう。本発明が提案す
る抗菌剤は、このような測定系において測定値に与える
影響が小さく、遊離の状態にあるホルモンの免疫学的な
測定用試薬や、標準物質を微生物の繁殖から保護するた
めに有用である。
において血清蛋白との結合率が50%以下である抗菌剤
が有用であることを見出した。したがって、本発明は前
記のような特定構造のキノロン系抗生物質の試薬用防腐
剤としての用途を提供するのみならず、血清蛋白との結
合率が50%以下である抗菌剤の、遊離型リガンド測定
用試薬のための抗菌剤としての新しい用途を提供するも
のである。血清蛋白との結合率が50%以下である抗菌
剤の代表的なものがロメフロキサシンで、ヒト血清蛋白
に対する結合率は24.4%である。本発明における結
合率が50%以下の抗菌剤としては、次のような抗菌剤
を挙げられる[21][22]。これら血清蛋白との結合率が5
0%以下である抗菌剤は、遊離型リガンドの測定値に影
響を与えにくい優れた化合物である。 ノルフロキサシン(norfloxacin) 10.2% オフロキサシン(ofloxacin) 6.3% シプロフロキサシン(ciprofloxacin) 36.7% トスフロキサシン(tosfloxacin) 37.4% ロメフロキサシン(lomefloxacin) 24.4% フレロキサシン(fleroxacin) 32.0% スパルフロキサシン(sparfloxacin) 42.2% なお薬剤の血清蛋白との結合率とは、薬物動態を把握す
る上で重要な情報である。そのため抗菌剤としてヒトへ
の投与を目的とする化合物であれば少なくともヒト血清
蛋白に対する結合率が公知となっている。試薬用の抗菌
剤として用いるときには、ヒト以外の動物血液が試料と
なる可能性、あるいは測定試薬成分や標準試薬の媒体と
してヒト以外の血清を含む可能性等が考えられる。この
ような場合には、ヒト血清蛋白との結合率ではなく想定
される血液蛋白の結合率を求めることも可能である。血
清蛋白結合率を求める方法は公知である[22]。
ことができる血清蛋白結合率は、血清中に含まれる多様
な蛋白質のどの蛋白質と結合するのかは問題としておら
ず、単にある化合物がどのていど血清蛋白と結合するの
かを求めているに過ぎない。したがって、特定の遊離型
リガンドの測定値に与える影響をこのような薬物動態を
示す一般的な数値から推測することは困難である。本発
明者らは、新たに見出した遊離リガンドの測定値に影響
を与えにくい抗菌剤の血清蛋白結合率を公知の抗菌剤の
ものと比較分析し、特定の血清蛋白結合率を境に測定値
への影響が無視できるていどに抑制できることを確認し
本発明を完成した。
コレステロール、トリグリセライド、クレアチニンとい
った各種酵素基質を酵素反応によって測定するための試
薬や、アミラーゼ、LDH、γGTP、GOT、GPT
といった酵素の活性を測定するためにその基質や共役酵
素を含む試薬等を例示できる。酵素や基質についても免
疫学的な活性物質と同じように含有量をあらかじめ検定
した標準物質が求められるので、抗菌剤の添加が必要な
ことに変わりはない。
薬剤感受性試験と呼ばれる分析方法が有る。単離した微
生物を抗菌剤の存在下で培養し、その培養成績を基に抗
菌剤に対する感受性を決定するための分析技術である。
この分析技術においては培養用の栄養素や増殖指示薬と
いった試薬成分と抗菌剤の組み合わせが利用されてい
る。しかしこれらの試薬成分は微生物によって消費され
る成分であって、微生物の増殖から保護すべき成分とは
言えないので、本発明における試薬とは明瞭に区別され
る。
いるので従来用いられていた抗菌成分の添加を省略する
ことができる。たとえば製造工程において爆発性の金属
アジドを生成するおそれの有るアジ化ナトリウム、有機
水銀を含むため利用を避けたいチメロサールのような公
知の抗菌剤はもはや添加の必要はないし、本発明の利点
を生かすために添加するべきではない。また試薬の反応
を妨害するおそれの有る抗菌剤も不要とする。たとえば
遊離サイロキシンの測定を大きく妨害するPSFは、本
発明の試薬によりもはや添加の必要はない。
ロン系製剤は、主として細菌やマイコプラズマに対して
有効な薬剤である。したがって糸状菌に対しては抗菌活
性が不足する場合が考えられる。このような場合には、
アンホテリシンB(以下AMPH−Bと省略する)の添
加が有効である。AMPH−Bはファンギゾンとも呼ば
れPSFに含有されている抗真菌性の化合物であるが、
本発明による特定のキノロン系製剤と組み合わせた場合
には遊離サイロキシン測定の妨害作用を示すこともな
く、好ましい組み合わせとして示すことができる。AM
PH−Bは、およそ0.5〜30μg/mlの濃度で添加す
ると十分な抗真菌活性を期待できる。AMPH−Bの他
に同様の抗真菌活性を期待できる化合物として、ナイス
タチン、フルシトシン、ミコナゾール、およびイトラコ
ナゾール等を示すことができる。これらの抗真菌活性を
持つ化合物のうち、フルシトシンは血清蛋白とほとんど
結合せず本発明によって提供される遊離型リガンド測定
用試薬に添加する場合に有利である。
来試薬に期待されている反応性に有害な影響を与えるこ
となく、微生物に分解されやすい試薬成分を微生物の繁
殖から守る。しかも非常に微生物の繁殖し易い血清ベー
スの試薬においてさえ十分な抗菌活性をもたらす。これ
らの抗菌剤は、免疫学的活性成分、酵素的に活性な成分
といった試薬中に含まれる各種の活性成分を保存中に変
性させる事もない。
スという核酸合成に関与する酵素を阻害する事によって
抗菌活性を示す化合物である。この酵素は現在利用され
ている臨床検査用試薬には使われておらず、また分析対
象ともなっていないので反応系に影響の無い抗菌剤とし
て利用する事ができる。ただし、同様の機構によって抗
菌活性を示す化合物であれば、試薬用の抗菌剤として何
でも応用可能ということではない。薬剤の生理活性は非
常に複雑であり一面的に捉える事はできない。実際、同
じキノロン系の薬剤であっても副作用や抗菌性能、ある
いは溶解性といった本来の抗菌活性以外の特性も総合的
に考慮したうえで開発が進められている事は言うまでも
ない。このような配慮は試薬用の抗菌剤として利用する
ときにも当然配慮されるべき事柄である。もちろん、治
療用の判断基準と試薬用の抗菌剤として用いるときに配
慮すべき事項とは全く異なる。たとえば治療用に用いる
ときにもっとも配慮の必要な点は安全性である。しかし
試薬においては、安全性よりもむしろ試薬の反応に影響
を与えない事が最優先されるべき事項である。本発明者
らは治療用に開発されている各種キノロン系薬剤につい
て、試薬用の抗菌剤としての有用性を見出したのであ
る。
供する。本発明における抗菌剤は、試薬中の微生物の繁
殖を効果的に抑制する。また免疫学的な試薬から酵素学
的な試薬にいたる幅広い種類の反応性を持つ様々な試薬
において、本来の反応性に大きな影響を与えることがな
い。更に、製造上も、環境衛生上も問題となりにくい安
全性の高い抗菌剤である。本発明のキノロン剤によって
期待できる利点について、いくつかの例を具体的に示
す。まず、アジ化物によって酵素活性を阻害されるペル
オキシダーゼは本発明の抗菌剤によって影響を受けな
い。アジ化ナトリウムのように製造工程で爆発性の化合
物を生じない。PSFによって測定値に影響の出る遊離
サイロキシンは、本発明のキノロン剤の存在下では測定
値にほとんど影響を受けない。
菌剤は、これまでに用いられていた各種抗菌剤に比べて
高い濃度で用いても反応性に影響しにくいので、高濃度
で用いる事が可能であり、耐性菌の出現防止に有効であ
る。特に抗菌剤によって誤差を生じやすい遊離の状態に
あるホルモンの免疫学的な反応に基づく測定系におい
て、本発明による抗菌剤は測定値に影響を与えにくい優
れた抗菌剤と言うことができる。以下、実施例によって
本発明をより具体的に説明する。
ン」、以下LFLXと記す)、およびスパルフロキサシ
ン(大日本製薬製、商品名「スパラ」、以下SPFXと
記す)を用い、ヒト血清中における抗菌効果について調
査した。LFLXは1NのNaOHでいったん溶解後
に、SPFXはそのまま蒸留水で溶解して目的の濃度と
した。比較対照として、ストレプトマイシン硫酸塩(和
光純薬工業製、以下SMと記す)、およびペニシリンG
カリウム(和光純薬工業製、以下PCGと記す)を蒸留
水で目的濃度に希釈して用いた。
00μlのヒトプール血清に50μlの各種抗菌剤溶液、
および50μlの微生物混濁液を添加した。実験に用い
た微生物は次の3菌種である。各菌数を測定後、トータ
ルで1,000,000 Cells/mlとなるように等菌数
混合して微生物混濁液とした。抗菌剤を添加した6種類
の試験材料(プール血清)は、37℃のインキュベータ
ー中で1週間保存した。保存後の各試験材料について、
650nmにおける吸光度を測定し無菌の状態の同じプー
ル血清の吸光度を0としたときの吸光度が0.1以上の
ものを白濁と判定し、抗菌剤の効果を確認した。結果は
表1に示した。 使用菌株 Escherichia coli (ATCC 11229) Pseudomonas aeruginosa (ATCC 9027) Staphylococcus aureus (ATCC 25923) 条件1:抗菌剤添加無し 条件2:SM 200μg/ml 条件3:PCG 200U/ml 条件4:アジ化ナトリウム 0.01%W/V 条件5:LFLX 50μg/ml 条件6:SPFX 50μg/ml
で(条件1)、アジ化ナトリウム(条件2)、SM(条
件3)、PCG(条件4)をそれぞれ加えた場合48時
間で血清の白濁が認められ、細菌の増殖が確認された。
これに対して本発明による抗菌剤を加えた場合(条件
5、6)では、37℃で6日間放置後も血清の白濁は認
められず、この時点で細菌の増殖していないことが確認
された。
目としてはIgEを選び、実験に用いた抗菌剤と使用濃
度は以下のとおりである。 条件1:抗菌剤添加無し 条件2:SM 200μg/m 条件3:PCG 200U/ml 条件4:アジ化ナトリウム 0.1%W/V 条件5:LFLX 50μg/ml 条件6:SPFX 50μg/ml 本実施例では、標識抗体、および検体に抗菌剤を添加し
た。試験管に、抗菌剤をこの濃度となるように添加した
血清検体20μl(または標準物質)、抗ヒトIgE抗
体固相化ビーズ、やはりこの濃度で各抗菌剤を添加した
125I標識抗ヒトIgE抗体(300,000cpm)10
0μlを混和し、25℃で2時間インキュベーション後
に試験管中の未反応標識抗体を生理食塩水で洗浄した。
最終的に固相化ビーズに結合した125I標識抗ヒトIg
E抗体の放射活性をガンマーカウンターで測定した。結
果は表2に示した。この値は二重測定で1回測定してデ
ータの平均値をとったものである。RIAの場合にはこ
れらの抗菌剤が測定系に影響を与えないことが確認でき
た。
体を固定した反応カップに血清検体60μl、希釈緩衝
液200μl、7分反応後POD標識抗ヒトCEAモノ
クローナル抗体40μlを添加して25℃で7分間イン
キュベートし、反応液を除去した。反応カップを希釈緩
衝液で5回洗浄し、H2O2と発光試薬を各100μl加
えて発光値(3秒間の積算値)を計測した。H2O2は0.1
Mのリン酸緩衝液(pH8.0)で30%W/Vに希釈したもの
を用いた。また発光試薬は、ルミノール220mg、p−
ヨードフェノール11mgを同じリン酸緩衝液に溶解した
ものを用いた。測定結果を表3に示した。この測定値は二
重測定で1回測定してデータの平均値をとったものであ
る。 化学発光分析系では、本発明による抗菌剤を検体に添加
する限り測定値に影響を与えないことが確認できた。一
方これまで用いられていたアジ化ナトリウムでは測定値
の低下が観察された。POD標識抗体が検体と接触して
いる間に酵素活性が影響を受け、検体を除いた後に酵素
反応を行わせているのにも関らず測定値が低下している
ものと考えられる。
の影響を調査するために、以下のような実験を行った。
利用した抗菌剤と使用濃度(検体中の濃度)は次のとお
りである。 条件1:抗菌剤添加無し 条件2:SM 2000μg/m 条件3:PCG 2000U/ml 条件4:AMPH−B 5μg/ml 条件5:LFLX 500μg/ml 反応は、上記濃度の抗菌剤を含む検体20μl、125I標
識HCG結合サイロキシン溶液50μl、抗サイロキシ
ン・ウサギ血清含有抗血清50μl、抗ウサギIgG抗
体結合ビーズ1コを混和し、37℃水浴中で2時間反応
させた。反応後に未反応試薬を洗浄後、γカウンタ−で
ビーズに結合した標識抗原のカウントを測定した。HC
G結合サイロキシンは、抗サイロキシン抗体との免疫学
的な結合活性を持つ一方で、生体内における結合パート
ナーであるTBG等とはHCGによる修飾のために結合
できない。このような特殊な標識抗原を利用することに
よって遊離サイロキシンと、TBG等と結合した状態に
有るサイロキシンとの平衡を乱すことなく遊離サイロキ
シンの測定が可能となる。各検体は10重測定を行い、
その測定値の平均値を表4に示す。SMやPCGを加え
た場合に測定値が大きくなり、抗菌剤の添加によって誤
差が生じる場合のあることが確認された。本発明の抗菌
剤であるLFLXではこのような大きな誤差は生じてお
らず、測定系への影響が小さいことは明らかである。こ
のような現象は、PCG等の抗菌剤がTBGやアルブミ
ンと結合したサイロキシン(本実施例では測定対象では
ない)と、遊離の状態で存在するサイロキシン(本実施
例における測定対象)との間に成立している微妙な平衡
関係に影響を与えたためと推測される。PCGは血清蛋
白との結合率が53%(超遠心法)〜56%(透析平衡
法)の化合物[22]であるのに対して、LFLXは24.
4%であり結合率が50%を越える場合に無視できない大
きさの誤差の原因につながることが確認された。。
− 遊離サイロキシンの免疫学的な測定に与える各種抗菌剤
の影響を調査するために、以下のような実験を行った。
利用した抗菌剤と使用濃度(検体中の濃度)は次のとお
りである。p−ヒドロキシ安息香酸エチル(表中にEthy
lparabenで示した)、あるいはp−ヒドロキシ安息香酸
メチル(表中にMethylparabenで示した、いずれも和光
純薬工業製)とキノロン剤の組み合わせは、試薬用の防
腐剤として過去に提案された[ 2]ものである。抗菌剤の
組み合わせを変更した他は4と同じ操作により遊離サイ
ロキシン測定系への影響を観察した。結果は表5に示す
とおりである。公知の抗菌剤の組み合わせであるp−ヒ
ドロキシ安息香酸エチル(あるいはメチル)を利用した
場合に測定値が小さくなることが確認された。本発明に
よる抗菌剤であるLFLXが4ではるかに高い濃度で用
いているのにもかかわらず測定値に影響を与えないのに
対して、p−ヒドロキシ安息香酸エチル等を組み合わせ
ると大きな誤差の原因となることが確認された。4と同
じように、これらの薬剤が遊離サイロキシン−TBG結
合サイロキシンとの平衡関係に影響を与えたものと推測
された。 条件1:抗菌剤添加無し 条件2:LFLX 50μg/ml 条件3:p−ヒドロキシ安息香酸エチル 0.1%(w/v)
+LFLX 10μg/ml 条件4:p−ヒドロキシ安息香酸メチル 0.1%(w/v)
+LFLX 10μg/ml
ールとトリグリセライドの酵素学的な反応による測定結
果に与える各種抗菌剤の影響を調査した。コレステロー
ルの測定にはコレステザイム−V555'栄研'(栄研化
学製、登録商標)を、またトリグリセライドの測定には
トリグリザイム−600'栄研'(栄研化学製、登録商
標)を用いた。本実施例では以下の濃度の抗菌剤を添加
したヒト血清検体を試料として用意した。対照として各
抗菌剤を溶解した溶媒のみを添加した血清をそれぞれ測
定した。測定操作は試薬キットの指示書にしたがい、各
検体を2重測定してその平均値を求めた。
l
ける測定値は、試料によって最終的な希釈率が異なる場
合が有るので容量補正を施した後の値である。また表中
に「測定値/対照」の数値を%で示した。本発明による
抗菌剤の添加によって、酵素学的な反応による測定結果
は影響を受けていないことが確認できた。なお各薬剤の
溶解に用いた溶媒、すなわちNaOH(0.05Nと
0.005N)、精製水、ジメチルスルホキシド(0.
005%)+NaOH(0.05N)、およびジメチルス
ルホキシド(0.0005%)+NaOH(0.005
N)のみを添加したものについても測定値の変化を観察
したが、これらの溶媒添加による影響は確認できなかっ
た。
40,1980 Jul [ 7] USP 4499091 ;1985 [ 8] REVIEWS OF INFECTIOU DISEASES,1989,V11,S5,PS9
12 [ 9] 特開昭63−107990 [10] 「ニューキノロン剤の正しい使い方」 −医薬ジ
ャーナル社 藤井良知 島田 馨編p290 [11] structure-activity relationship in quinolone
antibacterials:Design,synthesis and biological act
ivities of novel isothiazoloquinolones.DrugsExptl.
Clin.Res.XIV(6).379-383 1988. [12] Antimicrob. Agents Chemother.,33,1167-1173(19
89) [13] 特開昭63−104974 [14] 5-Amino-7-(3-amino-1-pyrrolidinyl)-1-cyclopro
pyl-6,8-difluoro-1,4-dihydro-4-oxo-3-quinolinecarb
oxylic acid(PD 124816):synthesis and biological ev
aluation of a new class of quinolone antibacterial
s.Drugs Exp ClinRes 14:453,1988 [15] Diagnostic Microbiology & Infectious Disease.
14(3):245-58,1991 May-Jun [16] 特開昭59−67269 [17] 「ニューキノロン」三橋 進編 学会出版センタ
ー p57 [18] L.A.Mitscher et al.:international telesympasi
um on Quinolones P.B.Fernandes.J.R.Prous Sciense,
S.A.,pp3-20(1989) [19] 特開平1−100166 [20] Antimicrob.Agents Chemother.31(6):854-859,198
7 [21] 医薬ジャーナル VOL.31,S-1,P135-143,1995 [22] Antibiotics in Laboratory Medicine 2nd ed. C.
13 p.477-514(1986)
Claims (23)
- 【請求項1】下記の構造を持つキノロン系抗生物質から
選択した少なくとも1種の薬剤を添加した、生体成分測
定用試薬 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 - 【請求項2】生体成分測定用試薬が、微生物の繁殖を目
的としないものである請求項1の試薬 - 【請求項3】キノロン系抗生物質を0.001−0.0
1%W/Vで添加する請求項1の試薬 - 【請求項4】更に抗真菌剤を含む請求項1の試薬
- 【請求項5】抗真菌剤がアンホテリシンB、ナイスタチ
ン、フルシトシン、ミコナゾール、およびイトラコナゾ
ールからなる群から選択される請求項4の試薬 - 【請求項6】生体成分測定用試薬が、酵素、抗体、抗
原、および血清蛋白で構成される群から選択される成分
を含む請求項1の試薬 - 【請求項7】生体成分測定用試薬が、酵素学的分析用試
薬、または免疫学的分析用試薬である請求項1の試薬 - 【請求項8】生体成分測定用試薬が、酵素学的分析用標
準物質、または免疫学的分析用標準物質である請求項1
の試薬 - 【請求項9】生体成分測定用試薬が、体外診断用のもの
である請求項6、7または8の試薬 - 【請求項10】生体成分測定用試薬が、血清をベースと
している請求項8の試薬 - 【請求項11】生体成分測定用試薬が液状である請求項
1の試薬 - 【請求項12】生体成分測定用試薬が乾燥状態である請
求項1の試薬 - 【請求項13】アジ化物、およびチメロサールのいずれ
も含まない請求項1の試薬 - 【請求項14】生体成分測定用試薬が、血清蛋白と結合
していない遊離の状態にあるサイロキシンおよび/また
はトリヨードサイロニンの免疫学的分析用試薬、または
免疫学的分析用標準物質である請求項1の試薬 - 【請求項15】ペニシリンG、およびストレプトマイシ
ンから選択される抗生物質のいずれも含まない請求項1
の試薬 - 【請求項16】生体成分測定用試薬に含まれる微生物の
繁殖から保護すべき成分を、下記の構造を持つキノロン
系抗生物質から選択した少なくとも1種の薬剤によって
保護する方法 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 【化16】 【化17】 【化18】 【化19】 【化20】 【化21】 【化22】 - 【請求項17】サイロキシンおよび/またはトリヨード
サイロニンの免疫学的な測定に必要な試薬に、下記の構
造を持つキノロン系抗生物質から選択した少なくとも1
種の薬剤を添加して、血清蛋白と結合していない遊離の
状態にあるサイロキシン、および/またはトリヨードサ
イロニンの免疫学的な測定に影響を与えることなく微生
物の繁殖を抑制する方法 【化23】 【化24】 【化25】 【化26】 【化27】 【化28】 【化29】 【化30】 【化31】 【化32】 【化33】 - 【請求項18】血液試料中で結合パートナーと結合した
状態で存在するリガンドと共存している遊離型のリガン
ドを特異的に測定するための試薬に防腐剤として添加す
る抗菌剤であって、血清蛋白との結合率が50%以下で
あることを特徴とする抗菌剤 - 【請求項19】リガンドが、ホルモン、ステロイド、薬
剤、ビタミン、およびこれらの化合物の代謝産物からな
る群から選択される請求項18の抗菌剤 - 【請求項20】ホルモンがサイロキシン、トリヨードサ
イロニン、およびコルチゾールからなる群から選択され
る請求項19の抗菌剤 - 【請求項21】血液試料中で結合パートナーと結合した
状態で存在するリガンドと共存している遊離型のリガン
ドを特異的に測定するための試薬組成物であって、血清
蛋白との結合率が50%以下である抗菌剤を含むことを
特徴とする試薬組成物 - 【請求項22】試薬組成物が、以下の群から選択される
成分で構成されるものであるこ請求項21の試薬組成物 1)遊離型のリガンドとの結合性成分 2)前記結合性成分との結合活性に比べて、前記結合パ
ートナーとの結合活性が低くなるように設計されたリガ
ンド類縁体 3)標準として用いるための予め濃度を検定した遊離型
リガンド - 【請求項23】血液試料中で結合パートナーと結合した
状態で存在するリガンドと共存している遊離型のリガン
ドを特異的に測定するための試薬組成物において、血清
蛋白との結合率が50%以下である抗菌剤を添加するこ
とによって遊離リガンドの測定値に影響を与えることな
く微生物の繁殖を抑制する方法
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003025561A1 (fr) * | 2001-09-14 | 2003-03-27 | Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha | Procede de mesure simultanee de la valeur rb et du taux de liaison aux proteines plasmatiques |
US8044204B2 (en) | 2005-07-27 | 2011-10-25 | Achillion Pharmaceuticals, Inc. | 8-methoxy-9H-isothiazolo[5,4-b]quinoline-3,4-diones and related compounds as anti-infective agents |
US8173636B2 (en) | 2009-04-03 | 2012-05-08 | Achillion Pharmaceuticals, Inc. | Hydroxylthienoquinolones and related compounds as anti-infective agents |
-
1996
- 1996-04-19 JP JP12251196A patent/JP3616454B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
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WO2003025561A1 (fr) * | 2001-09-14 | 2003-03-27 | Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha | Procede de mesure simultanee de la valeur rb et du taux de liaison aux proteines plasmatiques |
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US8946422B2 (en) | 2005-07-27 | 2015-02-03 | Achillion Pharmaceuticals, Inc. | 8-methoxy-9H-isothiazolo[5,4-B]quinoline-3,4-diones and related compounds as anti-infective agents |
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