JPH0928787A - 材料組成物及び成形物 - Google Patents

材料組成物及び成形物

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JPH0928787A
JPH0928787A JP7203950A JP20395095A JPH0928787A JP H0928787 A JPH0928787 A JP H0928787A JP 7203950 A JP7203950 A JP 7203950A JP 20395095 A JP20395095 A JP 20395095A JP H0928787 A JPH0928787 A JP H0928787A
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compound
isocyanate
mol
polyaddition reaction
isocyanate group
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JP7203950A
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Inventor
Tetsuo Yokoyama
哲夫 横山
Kyoko Hiraoka
教子 平岡
Hiroto Kidokoro
広人 木所
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高伸縮率の要求される部分に適用可能で、毒
性が低く、引裂強度、引張強度及び伸びが大きく且つ永
久伸びが小さい成形物及びこの成形物を得るための材料
組成物を提供する。 【解決手段】 ジフェニルメタンジイソシアナート10
0ミリモルと、分子量1000のポリオキシテトラメチ
レングリコール50ミリモルとを仕込み重付加反応させ
ウレタンプレポリマーを得、別に分子量1000のポリ
オキシテトラメチレングリコール25ミリモル、1,4
−ブタンジオール22ミリモル及びトリメチロールプロ
パン3ミリモルを加熱融解して延長化剤を得、それぞれ
を液温70℃に調整し、両者を混合して医用材料組成物
を得た。該組成物を押出機のカラム内に導入し重付加反
応させながら押出機ノズルから押し出し、ステンレス線
からなる芯材に被覆膜を形成し、脱型してチューブを得
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形物及び材料組成物に
関し、さらに詳しくは、特にカテーテルのバルーンのご
とき高い伸縮率の要求される部分に適用可能で、毒性が
低く、引裂強度、引張強度及び伸びが大きく且つ永久伸
びが小さい医用成形物及びこの成形物を得るための医用
材料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の治療等に用いるカテーテル、人工
血管のごとき成形物には、毒性が低く、引裂強度、引張
強度及び伸びが大きく且つ永久伸びが小さいことが要求
される。バルーンカテーテルのバルーン用等の成形物を
得るための材料としては、天然ゴムがよく知られてい
る。しかし、天然ゴムは、少量のタンパク質が含まれて
いるため、天然ゴムを材料とする成形物を使用した場合
に生体アレルギー反応を起こすことが最近判明し、その
ため天然ゴムに代わる材料組成物の開発が望まれてい
る。天然ゴム代替材料としては、熱可塑性ポリウレタン
が知られている。この熱可塑性ポリウレタンは、ジイソ
シアナートと、ジオール又はジアミンとをほぼ等しいモ
ル割合で重付加反応して得られるポリマーである。しか
し、この熱可塑性ポリウレタンをバルーンカテーテルの
バルーンのごとく500%以上の高伸縮率が要求される
部分に適用した場合には、そのバルーンが収縮した時バ
ルーン表面に皺ができて血流に淀みが生じるので、血栓
が多量に発生することが知られている。また、この熱可
塑性ポリウレタンはその成形物の引張強度、伸びなどが
天然ゴムに比べ小さく、永久伸びが大きいものであるた
め天然ゴムの代替材料としては適当でなかった。熱可塑
性ポリウレタンの永久伸びを小さくするために3個以上
の官能基を有する架橋剤を用いて該ポリウレタンの分子
鎖を橋架けすることが行われる。しかし、該架橋熱可塑
性ポリウレタンでは引張強度及び引裂強度が低下して、
高強度が要求される材料としては不適であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高伸
縮率の要求される部分に適用可能で、毒性が低く、引裂
強度、引張強度及び伸びが大きく且つ永久伸びが小さい
成形物及びこの成形物を得るための材料組成物を提供す
ることにある。本発明者らは、この目的を達成すべく鋭
意研究を行った結果、特定の鎖延長化剤を用いて得られ
たポリウレタンを用いることによって、前記目的を達成
できることを見いだし、この知見に基いて本発明を完成
するに到った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、多官能イソシアナート(a)、分子量600〜35
00でイソシアナート基と重付加反応する官能基を2個
以上有する化合物(b)、分子量500以下でイソシア
ナート基と重付加反応合する官能基を2個有する化合物
(c)及び分子量700以下でイソシアナート基と重付
加反応合する官能基を3個以上有する化合物(d)を必
須成分とし、化合物(c)中及び化合物(d)中のイソ
シアナート基と重付加反応する官能基の量の合計量が多
官能イソシアナート(a)中のイソシアナート基100
モルに対して1〜35モルであり、化合物(d)中のイ
ソシアナート基と重付加反応する官能基の量が多官能イ
ソシアナート(a)中のイソシアナート基100モルに
対して0.1〜18モルであり、化合物(b)中のイソ
シアナート基と重付加反応する官能基の量が多官能イソ
シアナート(a)中のイソシアナート基100モルに対
して60〜100モルであり、且つ化合物(b)中、化
合物(c)中及び化合物(d)中のイソシアナート基と
重付加反応する官能基の合計量が多官能イソシアナート
(a)中のイソシアナート基100モルに対して80〜
110モルであることを特徴とする材料組成物が提供さ
れる。また、本発明によれば、前記の材料組成物を構成
する多官能イソシアナート(a)と、化合物(b)、化
合物(c)及び化合物(d)とを重付加反応してなる成
形物が提供される。
【0005】本発明の材料組成物は、多官能イソシアナ
ート(a)と、特定分子量のイソシアナート基と重付加
反応する官能基を有する化合物(b)、(c)及び
(d)を必須成分とするものである。
【0006】本発明の材料組成物において用いる多官能
イソシアナート(a)は、イソシアナート基を2個以上
有する化合物である。具体的には、ジフェニルメタンジ
イソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、トリレ
ンジイソシアナート、テトラメチルキシレンジイソシア
ナート、キシレンジイソシアナートのごとき芳香族イソ
シアナート;ジシクロヘキサンジイソシアナート、ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレン
ジイソシアナート、イソホロンジイソシアナートのごと
き脂肪族イソシアナートなどが挙げられる。これら多官
能イソシアナートのうちジフェニルメタンジイソシアナ
ートが生体に対する安全性が高いので好ましい。
【0007】本発明の材料組成物において用いる化合物
(b)はイソシアナート基と重付加反応する官能基を2
個以上有するものである。イソシアナート基と重付加反
応する官能基は、活性水素を有する官能基である。具体
的には水酸基又はアミノ基が挙げられる。なお、活性水
素とは化合物の一部を構成する酸素原子又は窒素原子に
結合している水素原子のことをいう。イソシアナート基
と重付加反応する官能基を有する化合物(b)は、その
分子量の下限が600、好ましくは700であり、上限
が3500、好ましくは2500である。600未満で
は材料組成物を重付加反応して得られる成形物の引張強
度及び伸びが小さくなる。逆に3500を超えると成形
物の成形が困難になり、成形できたとしても永久伸びが
大きくなる。なお、化合物(b)の分子量は、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィを用いて、テトラヒドロ
フランをキャリアとして測定し、標準ポリスチレンの重
量平均分子量の検量線を基に求めた値である。
【0008】イソシアナート基と重付加反応する官能基
を有する化合物(b)の具体例としては、ポリオキシテ
トラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコールのごときポリエーテルポリオー
ル;アジピン酸などの多価カルボン酸とグリコールやト
リオール等の多価アルコールとの脱水縮合物、ポリカー
ボネートジオールのごときポリエステルポリオール;ポ
リブタジエンポリオール等が挙げられる。化合物(b)
は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ
る。これら化合物(b)のうち、ポリエーテル、特にポ
リオキシテトラメチレングリコールは生体適合性が良く
生体に対して安全であるので好ましい。
【0009】化合物(b)の量は、化合物(b)中のイ
ソシアナート基と重付加反応する官能基の量が多官能イ
ソシアナート(a)中のイソシアナート基100モルに
対して、60〜100モル、好ましくは70〜95モル
の割合になるものである。60モル未満では成形物の引
張強度が小さくなり、また伸びが小さくなる。逆に99
モルを超えると永久伸びが大きくなる。
【0010】本発明の材料組成物において用いる化合物
(c)は、イソシアナート基と重付加反応する官能基を
2個有する化合物である。
【0011】化合物(c)は、その分子量が500以
下、好ましくは400以下である。下限は、通常、30
程度である。500を超えるものを用いると成形物の強
度が低下する。なお、分子量は質量スペクトルを用いて
測定して得られる値である。
【0012】化合物(c)の具体例としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、のごときジオール;エチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルメチレンジ
アミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレ
ンジアミンのごときジアミンなどが挙げられる。化合物
(c)のうち、エチレンジアミン又は1,4−ブタンジ
オールは、これらを用いることによって成形物の強度が
高くなるので好ましく用いられる。
【0013】本発明の材料組成物において用いる化合物
(d)は、イソシアナート基と重付加反応する官能基を
3個以上有する化合物である。
【0014】化合物(d)は、その分子量が700以
下、好ましくは600以下である。700を超えるもの
を用いると成形物の強度が低下する。分子量の下限は、
通常40程度である。なお、分子量は質量スペクトルを
用いて測定して得られる値である。
【0015】化合物(d)の具体例としては、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
ソルビトール、メチレングリコシド、N−テトラプロピ
ノールジエチルアミン、ショ糖のごとき3官能以上のポ
リオール;1,3,5−トリアミノベンゼンのごとき3
官能以上のポリアミンなどが挙げられる。これら化合物
(d)のうちトリメチロールプロパンが好適に用いられ
る。
【0016】成形物の引裂強度及び引張強度を大きく且
つ永久伸びを小さくするために特に好適な化合物(c)
と化合物(d)との組合せは化合物(c)としてエチレ
ンジアミン又は1,4−ブタンジオールを用い、化合物
(d)としてトリメチロールプロパンを用いる組合せで
ある。
【0017】化合物(c)及び化合物(d)の合計量
は、化合物(c)中及び化合物(d)中のイソシアナー
ト基と重付加反応する官能基の量の合計量が多官能イソ
シアナート(a)中のイソシアナート基100モルに対
して1〜35モル、好ましくは3〜35モルの割合にな
るものである。
【0018】化合物(c)の量は化合物(c)中のイソ
シアナート基と重付加反応する官能基の量が多官能イソ
シアナート(a)中のイソシアナート基100モルに対
して通常、0.9〜34.9モル、好ましくは2〜25
モルの割合になるものである。
【0019】化合物(d)の量は化合物(d)中のイソ
シアナート基と重付加反応する官能基の量が多官能イソ
シアナート(a)中のイソシアナート基100モルに対
して0.1〜18モル、好ましくは1〜10モルの割合
になるものである。
【0020】化合物(c)の量は、化合物(c)中のイ
ソシアナート基と重付加反応する官能基の量が化合物
(c)中及び化合物(d)中のイソシアナート基と重付
加反応する官能基の合計量に対して、通常、70〜97
モル%、好ましくは80〜95モル%の割合になるもの
である。70モル%未満では成形物の伸び及び引裂強度
が小さくなる。逆に97モル%を超えると、成形物の引
裂強度及び引張強度を大きくする効果がなくなる。化合
物(d)の量は、化合物(d)中のイソシアナート基と
重付加反応する官能基の量が化合物(c)中及び化合物
(d)中のイソシアナート基と重付加反応する官能基の
合計量に対して、通常、3〜30モル%、好ましくは5
〜20モル%になる範囲のものである。
【0021】化合物(b)と化合物(c)と化合物
(d)との合計量は、化合物(b)中、化合物(c)中
及び化合物(d)中のイソシアナート基と重付加反応す
る官能基の量が多官能イソシアナート(a)中のイソシ
アナート基100モルに対して、80〜110モル、好
ましくは85〜105モルの割合になる範囲のものであ
る。この範囲を外れると永久伸びが大きくなる。
【0022】本発明の材料組成物には、必要に応じてコ
ロイダルシリカ、ホワイトカーボン、炭酸カルシウムな
どの充填材;ジブチルフタレート、ジ(2−エチルヘキ
シル)フタレート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペー
トなどの可塑剤;ホワイトオイル、パラフィンなどの軟
化剤;多官能イソシアナート(a)と化合物(b)、
(c)及び(d)との反応を促進する三級アミン並びに
アルキル錫などを配合できる。
【0023】本発明の材料組成物は、その性状により限
定されない。多官能イソシアナート(a)と化合物
(b)、化合物(c)及び化合物(d)の一部との混合
物、並びに化合物(b)、化合物(c)及び化合物
(d)の残部の混合物を加熱融解した後、該二組の混合
物を混合してなる組成物は、型に流し込み加熱するだけ
で成形できる。また多官能イソシアナート(a)と化合
物(b)、(c)及び(d)との有機溶媒溶液とした組
成物は浸漬成形法による成形に適する。但し、有機溶媒
溶液としたものは、多官能イソシアナート(a)中のイ
ソシアナート基100モルに対して化合物(a)、
(b)ならびに(d)中のイソシアナート基と反応可能
な官能基の合計量を95モル以下とすることが好まし
い。95モルを超えると、多官能イソシアナート(a)
と化合物(b)、(c)及び(d)との間で重付加反応
が開始し溶液が難溶となり浸漬成形法が困難になること
がある。有機溶媒溶液に使用する有機溶媒は、通常、水
と相溶しないもの又は水と相溶して得られる水溶液のp
Hが6〜8になるものである。具体的にはベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフ
タン、シクロヘキサノン等のエーテル;メチルエチルケ
トン、イソブチルエチルケトン等のケトン;ヘキセン、
ヘキサン等の脂肪族炭化水素;アセトニトリル、ジメチ
ルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミドなどが挙げられる。
【0024】本発明の材料組成物は、その調製方法によ
って限定されない。調製は、通常、多官能イソシアナー
ト(a)と化合物(b)とを混合した後、化合物(c)
及び化合物(d)の溶液を添加するか、化合物(b)と
化合物(c)及び化合物(d)とを混合した後、多官能
イソシアナート(a)を添加するか、多官能イソシアナ
ート(a)と化合物(b)の一部とを混合した後、化合
物(b)の残部、化合物(c)及び化合物(d)を添加
する、などの方法で行う。これら調製法のうち、多官能
イソシアナート(a)と化合物(b)の一部とを混合し
た後、これに化合物(b)の残部、化合物(c)及び化
合物(d)を添加する調製方法が引張強度などを大きく
するために好適である。
【0025】多官能イソシアナート(a)と化合物
(b)の一部とを混合した(第一段目)後、これに化合
物(b)の残部、化合物(c)及び化合物(d)を添加
して(第二段目)調製する場合において、第一段目に多
官能イソシアナート(a)と混合する化合物(b)の量
は、化合物(b)中のイソシアナート基と重付加反応す
る官能基の量が多官能イソシアナート(a)中のイソシ
アナート基100モルに対して、通常、35〜65モ
ル、好ましくは40〜60モルの割合になる範囲にす
る。35モル未満又は65モルを超えると引張強度など
を大きくする効果が小さくなることがある。多官能イソ
シアナート(a)と化合物(b)の一部とを混合する際
又は混合した後、加熱することが好ましい。加熱によっ
て多官能イソシアナート(a)と化合物(b)の一部と
が重付加反応する。加熱温度は、通常、50〜100
℃、好ましくは60〜90℃である。50℃未満では結
合するのに時間がかかり、逆に100℃を超えると第2
段目の操作が困難になるとともに、成形物の永久伸びが
大きく、引張強度、引裂強度及び伸びが小さくなる。加
熱時間は、通常10〜480分、好ましくは30〜12
0分である。加熱終了後、化合物(b)の残部、化合物
(c)及び化合物(d)を添加する。化合物(b)の残
部の量は、化合物(b)中のイソシアナート基と重付加
反応する官能基の量が多官能イソシアナート(a)中の
イソシアナート基100モルに対して、通常、35〜6
5モル、好ましくは40〜60モルになる割合のもので
ある。
【0026】本発明の材料組成物を構成する多官能イソ
シアナート(a)と、化合物(b)、化合物(c)及び
化合物(d)とを重付加反応することによって成形物を
得ることができる。重付加反応は材料組成物を成形中、
成形後又は成形前のいずれかに、好ましくは成形中に行
う。成形は、通常、溶融成形法、キャスティング成形
法、ディッピング成形法、反応押出成形法、好ましくは
反応押出成形法によって行われる。反応押出成形法で
は、所望の形状の型に、融解した材料組成物を加熱反応
させながら押出成形を行い。さらに重付加反応を完結さ
せるために、成形後加熱する。
【0027】重付加反応は、材料組成物を加熱すること
により行われる。加熱は、材料組成物に含まれる溶媒、
分散媒などの揮発性成分及び空気(気泡として含まれ
る。)の量を、材料組成物に対して、通常、1重量%以
下、好ましくは0.1重量%以下まで除去してから行う
のが好ましい。1重量%を超えると加熱時の組成物が発
泡して成形物に空隙ができてしまうので好ましくない。
加熱温度は、反応促進剤を使用していないときは、通
常、60〜170℃、好ましくは100〜130℃であ
る。60℃未満では重付加反応が困難であり、170℃
を超えると分解反応が起きて成形物が劣化しやすいもの
となる。加熱時間は、成形物の形状によって異なるが、
通常、6〜120時間、好ましくは12〜48時間であ
る。時間が短いと成形物の永久伸びが大きくなり、長い
と成形物の引張強度が低下する。なお、重付加反応を促
進するために反応促進剤を添加してもよい。反応促進剤
としては三級アミン、有機錫などが挙げられる。反応促
進剤を用いれば、低温加熱で且つ短時間で重付加反応を
完結できる。なお、重付加反応後、通常、4〜14日間
室温下に放置して、重付加反応生成物(成形物)を熟成
することが好ましい。熟成することによって成形物の永
久伸びがより小さくなる。
【0028】本発明の成形物は、その破断時の引張強度
が、通常、15〜50MPa、好ましくは18〜40M
Paであり、破断時の伸びが、通常、600%以上、好
ましくは700%以上であり且つ引張除力後の伸びが、
通常、20%以下、好ましくは10%以下であるので、
チューブ;バルーンカテーテルなどのカテーテル;人工
心臓;人工血管;人工弁などに適用できる。特にバルー
ンカテーテルのバルーン部分のごとく高伸縮率が要求さ
れる部分への適用が好ましい。
【0029】本発明の好適な態様を以下に示す。 (1) 多官能イソシアナート(a)、分子量600〜
3500でイソシアナート基と重付加反応する官能基を
2個以上有する化合物(b)、分子量500以下でイソ
シアナート基と重付加反応合する官能基を2個有する化
合物(c)及び分子量700以下でイソシアナート基と
重付加反応合する官能基を3個以上有する化合物(d)
を必須成分とし、化合物(c)中及び化合物(d)中の
イソシアナート基と重付加反応する官能基の量との合計
量が多官能イソシアナート(a)中のイソシアナート基
100モルに対して1〜35モル、好ましくは2〜25
モルであり、化合物(d)中のイソシアナート基と重付
加反応する官能基の量が多官能イソシアナート(a)中
のイソシアナート基100モルに対して0.1〜18モ
ル、好ましくは1〜10モルであり、化合物(b)中の
イソシアナート基と重付加反応する官能基の量が多官能
イソシアナート(a)中のイソシアナート基100モル
に対して60〜100モル、好ましくは70〜95モル
であり、且つ化合物(b)中、化合物(c)中及び化合
物(d)中のイソシアナート基と重付加反応する官能基
の合計量が多官能イソシアナート(a)中のイソシアナ
ート基100モルに対して80〜110モル、好ましく
は85〜105モルであることを特徴とする材料組成
物。 (2)多官能イソシアナート(a)がジフェニルメタン
ジイソシアナートであることを特徴とする前記(1)の
材料組成物。 (3)化合物(b)がポリエーテル、好ましくはポリオ
キシテトラメチレングリコールであることを特徴とする
前記(1)の材料組成物。 (4)化合物(c)がエチレンジアミン又は1,4−ブ
タンジオールであることを特徴とする前記(1)の材料
組成物。 (5)化合物(d)がトリメチロールプロパンであるこ
とを特徴とする前記(1)の材料組成物。 (6)化合物(c)中のイソシアナート基と重付加反応
する官能基の量が化合物(c)中及び化合物(d)中の
イソシアナート基と重付加反応する官能基の合計量に対
して70〜97モル%、好ましくは80〜95モル%化
合物(d)中のイソシアナート基と重付加反応する官能
基の量が化合物(c)中及び化合物(d)中のイソシア
ナート基と重付加反応する官能基の合計量に対して3〜
30モル%、好ましくは5〜20モル%の割合になる量
の化合物(c)及び化合物(d)を用いたことを特徴と
する前記(1)の材料組成物。 (7)化合物(c)がエチレンジアミン又は1,4−ブ
タンジオールであり、化合物(d)がトリメチロールプ
ロパンであることを特徴とする前記(1)又は(6)の
材料組成物。 (8)多官能イソシアナート(a)と化合物(b)の一
部とを混合した後、化合物(b)の残部、化合物(c)
及び化合物(d)を添加攪拌することを特徴とする前記
(1)の材料組成物の調製方法。 (9)化合物(b)中のイソシアナート基と重付加反応
する官能基の量が多官能イソシアナート(a)中のイソ
シアナート基の量100モルに対して35〜65モルの
割合で多官能イソシアナート(a)と化合物(b)とを
混合し加熱した後、化合物(b)の残部(但し、化合物
(b)中のイソシアナート基と重付加反応する官能基の
合計量は多官能イソシアナート(a)中のイソシアナー
ト100モルに対して60〜100モルである。)、化
合物(d)中のイソシアナート基と重付加反応する官能
基の量が多官能イソシアナート(a)中のイソシアナー
ト100モルに対して0.1〜18モル及び化合物
(c)中のイソシアナート基と重付加反応する官能基の
量が多官能イソシアナート(a)中のイソシアナート1
00モルに対して0.9〜34モルの割合で、化合物
(b)、(c)及び(d)を添加することを特徴とする
前記(8)の調製方法。 (10)多官能イソシアナート(a)と化合物(b)の
一部とを混合した後の加熱温度が50〜100℃である
ことを特徴とする前記(9)の調製方法。 (11)前記(1)の材料組成物を構成する多官能イソ
シアナート(a)と、化合物(b)、化合物(c)及び
化合物(d)とを重付加反応してなる成形物。 (12)前記(1)の材料成形物を60〜170℃、好
ましくは100〜130℃に加熱して重付加反応してな
る前記(11)の成形物。
【0030】
【発明の効果】本発明の材料組成物を重付加反応してな
る成形物は、高伸縮率の要求される部材として使用した
場合にも高い抗血栓性を有するので、医療用バルーンに
好適に使用することができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は実施例に限定されるものではな
い。
【0032】本実施例において行った評価方法を以下に
説明する。 (引張試験)2mm厚のシートを3号形ダンベル(JI
S K6301)で打ち抜き、これをJIS K630
1に準じて、チャック間距離20mm、引張速度500
mm/分、温度23℃、相対湿度65%の条件で、引っ
張り破断時の伸度及び引張強度を求めた。
【0033】(永久伸び)2mm厚のシートを3号形ダ
ンベル(JIS K6301)で打ち抜き、それの表面
に引張方向に2cm間隔で標線をマークした。チャック
間距離20mm、引張速度500mm/分、温度23
℃、相対湿度65%の条件で、伸度500%になるまで
引っ張り、その状態で10分間保持した。除力後、10
分間放置し、標線の間隔を測定した。引張前後における
標線間隔の差を、引張前の標線間隔(2cm)に対する
比(%)で求め、これを永久伸びとした。
【0034】(引裂試験)2mm圧のシートを、60m
m×12mmの長方形で長辺の中央に深さ(直角部分を
頂点とする高さ)2mmの直角三角形の切れ込みのある
形に打ち抜き、これを上記引張試験と同様にして引き裂
き破断時の強度を求めた。
【0035】(抗血栓性)バルーンカテーテルをヤギの
大動脈から右心房付近まで挿入した後、該カテーテルに
生理食塩水を圧入してバルーンを直径1cmになるまで
膨張させ、10分間放置し、次いで収縮させ、収縮から
30分経過後、大動脈からバルーンカテーテルを抜き出
し、バルーン部分の表面を肉眼により血栓の有無を観察
した。 ○:血栓が全く生じていない。 △:わずかに血栓が生じているが、そのまま継続して使
用してもヤギの体調を崩すほどではない。 ×:血栓が生じていて、そのまま継続して使用するとヤ
ギの体調を崩す恐れがある。
【0036】実施例1 窒素置換した反応器にジフェニルメタンジイソシアナー
ト100ミリモルと、分子量1000のポリオキシテト
ラメチレングリコール50ミリモルとを仕込み90℃で
1時間攪拌して重付加反応させウレタンプレポリマーを
得た。次に分子量1000のポリオキシテトラメチレン
グリコール25ミリモル、1,4−ブタンジオール22
ミリモル及びトリメチロールプロパン2ミリモルを加熱
融解して延長化剤を得た後、前記ウレタンプレポリマー
の入った反応器に70℃で添加し、攪拌し、さらにバキ
ュームポンプを用いて3分間脱泡を行って、材料組成物
を得た。この材料組成物を10cm角の鉄板二枚の間隙
に(間隔2mm)流し込み100℃で24時間加熱し成
形してシート(成形物)を得た。このシートの評価結果
を表1に示した。
【0037】また、前記ウレタンプレポリマーと前記延
長化剤とをそれぞれ液温70℃に調整し、両者をギアポ
ンプを用いた混合機で2ml/分、5atmの速度で混
合し、該混合物(医用材料組成物)を130〜160℃
に加熱した内容量約10mlの押出機のカラム内に導入
し重付加反応させながら押出機ノズルから押し出し、
1.8mmφのステンレス線からなる芯材に厚さ0.2
mmの被覆膜を形成させた。被覆されたステンレス線を
冷却ブロワーを用いて冷却し、水平なベルトコンベアー
に載せて移送し、切断機を用いて長さ5〜12cmに切
断した。切断後、110℃で24時間加熱し、次いでエ
タノール70%水溶液に4時間浸漬し、その後ステンレ
ス線から被覆膜(チューブ)を脱型し、70℃で乾燥
し、次いで、長さを1.5cmに調整した。このチュー
ブを血管内留置用カテーテルチューブの先端部のバルー
ン用側孔を覆うようにして装着しバルーンカテーテルを
得た。このバルーンカテーテルの抗血栓性評価の結果を
表1に示した。
【0038】実施例2〜19及び比較例1〜6 実施例1において用いた化合物の種類または量を表1、
表2、表3、表4又は表5に示すものに変えた他は実施
例1と同様にして材料組成物、シート及びバルーンカテ
ーテルを得た。シート及びバルーンカテーテルの評価結
果を表1、表2、表3、表4又は表5に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】以上から、化合物(b)の量が少なくなる
と(比較例1)又は化合物(d)の量が多くなると(比
較例3)引張強度及び引裂強度が小さくなることがわか
る。化合物(b)の量が多くなると(比較例2)永久伸
びが大きくなり、化合物(b)の分子量が大きくなる
(比較例5)と成形物の製造が困難になり、分子量が小
さくなる(比較例4)と伸びが小さくなり、抗血栓性が
低くなることがわかる。また、化合物(d)の量が少な
くなる(比較例6)と永久伸びが大きくなることがわか
る。一方、イソシアナート基と重付加反応する官能基を
2個有する化合物(c)と、イソシアナート基と重付加
反応する官能基を3個以上有する化合物(d)とを組み
合わせて使用した材料組成物を重付加反応してなる成形
物は引裂強度及び引張強度が大きく、永久伸びが小さく
なっていることがわかる。またバルーン部分に適用して
も血栓を発生し難いことがわかる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多官能イソシアナート(a)、分子量6
    00〜3500でイソシアナート基と重付加反応する官
    能基を2個以上有する化合物(b)、分子量500以下
    でイソシアナート基と重付加反応合する官能基を2個有
    する化合物(c)及び分子量700以下でイソシアナー
    ト基と重付加反応合する官能基を3個以上有する化合物
    (d)を必須成分とし、 化合物(c)中及び化合物(d)中のイソシアナート基
    と重付加反応する官能基の量の合計量が多官能イソシア
    ナート(a)中のイソシアナート基100モルに対して
    1〜35モルであり、 化合物(d)中のイソシアナート基と重付加反応する官
    能基の量が多官能イソシアナート(a)中のイソシアナ
    ート基100モルに対して0.1〜18モルであり、 化合物(b)中のイソシアナート基と重付加反応する官
    能基の量が多官能イソシアナート(a)中のイソシアナ
    ート基100モルに対して60〜100モルであり、 且つ化合物(b)中、化合物(c)中及び化合物(d)
    中のイソシアナート基と重付加反応する官能基の合計量
    が多官能イソシアナート(a)中のイソシアナート基1
    00モルに対して80〜110モルであることを特徴と
    する材料組成物。
  2. 【請求項2】 化合物(b)の一部と多官能イソシアナ
    ート(a)と混合した後、化合物(b)の残部、化合物
    (c)及び化合物(d)を添加することを特徴とする請
    求項1記載の材料組成物の製法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の材料組成物を構成する多
    官能イソシアナート(a)と、化合物(b)、化合物
    (c)及び化合物(d)とを重付加反応してなる成形
    物。
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US08/793,253 US5795633A (en) 1994-08-22 1995-08-21 Material composition and shaped article
DE69530928T DE69530928T2 (de) 1994-08-22 1995-08-21 Gegenstand aus polyurethane in einer tubularen ballon form
PCT/JP1995/001649 WO1996005871A1 (fr) 1994-08-22 1995-08-21 Composition d'un materiau et article moule constitue dudit materiau

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0956806A (ja) * 1995-08-22 1997-03-04 Sumitomo Bakelite Co Ltd コンプライアントバルーン

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0956806A (ja) * 1995-08-22 1997-03-04 Sumitomo Bakelite Co Ltd コンプライアントバルーン

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