JPH09287836A - 極低温冷凍機 - Google Patents

極低温冷凍機

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JPH09287836A
JPH09287836A JP28983996A JP28983996A JPH09287836A JP H09287836 A JPH09287836 A JP H09287836A JP 28983996 A JP28983996 A JP 28983996A JP 28983996 A JP28983996 A JP 28983996A JP H09287836 A JPH09287836 A JP H09287836A
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refrigerator
station
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Hiroyuki Morishita
弘之 森下
Hirotoshi Torii
宏年 鳥居
Kenji Fujiwara
健治 藤原
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起動時のクールダウン時間を長くすることな
く被冷却部の温度振幅を低減する。 【解決手段】 ヒートステーション31の側面31a
に、板状に形成された熱緩衝材32を取り付ける。熱緩
衝材32は、ヒートステーション31の温度振幅を低減
するために熱伝導率がエルビウム3ニッケル(Er3Ni)
よりも高く、高い冷凍能力を保持するために少なくとも
エルビウム3ニッケル(Er3Ni)程度の高比熱を有し、
且つ、機械加工が可能な材質で形成する。こうして、ヒ
ートステーション31の重量を大きくすることなく、換
言すれば、起動時のクールダウン時間を長くすることな
く被冷却部の温度振幅を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高圧冷媒ガスの
導入とその膨張とを繰り返して極低温を得る極低温冷凍
機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エルビウム3ニッケル(Er3Ni)
等の磁性蓄冷材を使用した極低温冷凍機(クライオ冷凍
機)として図11に示すようなものがある。この極低温
冷凍機は、内部に蓄冷材を収納した第1室を有して第1
シリンダ1内に封入された第1ディスプレーサ3と、第
1室に連通されると共に蓄冷材を収納した第2室を有し
て第2シリンダ5内に封入された第2ディスプレーサ7
を備えている。そして、上記第1ディスプレーサ3の第
1室は、バルブステム9およびバルブ10を介して、導
入口11を有する高圧室12あるいは排出口13を有す
る低圧室14に切り替え連通される。
【0003】上記第1室から高圧室12あるいは低圧室
14への連通路の切り替えは、シンクロナスモータ15
でバルブ10を回転させることによって行われる。
【0004】上記構成を有する極低温冷凍機は次のよう
に動作する。図11において、圧縮機(図示せず)等から
供給された高圧の冷媒ガスは、上記導入口11からバル
ブ10およびバルブステム9を介して第1ディスプレー
サ3の第1室内に導かれ、第1室内の蓄冷材と冷熱交換
を行って冷却される(第1ステージ)。こうして冷却され
た冷媒ガスは更に第2ディスプレーサ7内の第2室に導
かれて、第2室内の蓄冷材と冷熱交換を行って更に冷却
される(第2ステージ)。
【0005】そうした後、上記シンクロナスモータ15
によってバルブ10が回転され、第1室が低圧室14に
連通される。そうすると、上記第1室および第2室内に
導入されている高圧の冷媒ガスが一気に膨張されてガス
温度が低下する。こうして、冷媒ガスの膨張によって得
られた冷熱は蓄冷材に蓄積される。上述のように、上記
第1室及び第2室への高圧冷媒ガスの導入とその膨張と
を繰り返して(すなわち、冷凍サイクルを繰り返して)超
低温が得られるのである。
【0006】図11に示すような構造を有する極低温冷
凍機においては、第2シリンダ5の先端部24が最も冷
却される箇所であり、ヒートステーションと呼ばれてい
る。
【0007】また、上述のような極低温冷凍機を予冷冷
凍機として用い、この予冷冷凍機によって得られた20
Kレベルの冷気をジュールトムソン回路(以下、J−T
回路と略称する)を用いて更に冷却して4Kレベルの極
低温を得る極低温冷凍装置がある。この極低温冷凍装置
は、図12に示すように、図11に示す極低温冷凍機と
同様の構成を有する予冷冷凍機101と、J−T回路1
02とから構成される。
【0008】上記J−T回路102においては、圧縮機
103から吐出された高圧の冷媒ガス(例えば、ヘリウ
ムガス)は第1ジュールトムソン熱交換器(以下、J-T
熱交換器と略称する)104によって戻りガス冷媒と熱
交換を行って冷却され、20Kレベルに冷却された予冷
冷凍機101のヒートステーション(予冷機ヒートステ
ーション)105および第2J-T熱交換器106よって
更に冷却されて、ジュールトムソン弁(以下、J-T弁と
略称する)107に至る。そして、J−T弁107によ
って急激に膨張されて極低温度となったガス冷媒は、予
冷冷凍機101で得られた20Kレベルの冷気が供給さ
れるヒートステーション108に設けられた冷却器10
9で熱交換を行ってヒートステーション108を4Kレ
ベルまで冷却するのである。以下、4Kレベルまで冷却
されるヒートステーション108を4Kヒートステーシ
ョンと言う。そうした後、上記冷却器109で熱交換を
行った後のガス冷媒は、第2J-T熱交換器106およ
び第1J-T熱交換器104において供給ガス冷媒と熱
交換を行った後に圧縮機103に戻る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の極低温冷凍機においては、20K以下の極低温にな
ると、高圧冷媒ガスの導入とその膨張との冷凍サイクル
において被冷却部に温度振幅が生ずる。そこで、通常、
ヒートステーション24の重量を大きくすることによっ
て被冷却部の温度振幅を低減するようにしている。とこ
ろが、上述のように、温度振幅に対処するためにヒート
ステーション24の重量を大きくすると、起動時のクー
ルダウン時間が長くなるという別の問題が発生する。
【0010】また、上記従来の極低温冷凍装置において
も、予冷冷凍機101の冷凍サイクルにおいて予冷機ヒ
ートステーション105の被冷却部に温度振幅が生ず
る。そして、予冷機ヒートステーション105の被冷却
部に発生した温度振幅が4Kヒートステーション108
に伝わり、この4Kヒートステーション108に取り付
けられた宇宙からの電波を検知する電波センサ等の被冷
却物に対するノイズ源になる。そこで、従来は、4Kヒ
ートステーション108の材質を純度の高い銅にした
り、大型化を図って重量を重くしたりすることにとによ
って対処している。したがって、起動時のクールダウン
時間が長くなることの他に、コストが上昇するという問
題が生ずる。
【0011】そこで、この発明の目的は、起動時におけ
るクールダウン時間を長くすることなく被冷却部の温度
振幅を低減できる極低温冷凍機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明の極低温冷凍機は、最終ヒート
ステーションの先端に、金属単体の熱緩衝材を設けたこ
とを特徴としている。上記構成によれば、最終ヒートス
テーションの先端に設けられた熱緩衝材の作用によっ
て、上記ヒートステーションの温度振幅が低減される。
こうして、上記ヒートステーションの重量を大きくする
ことなく、換言すれば起動時のクールダウン時間が長く
なるのを押さえて、被冷却部の温度振幅が低減される。
【0013】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明の極低温冷凍機において、上記熱緩衝材はネオ
ジウム(Nd)単体で形成されていることを特徴としてい
る。上記構成によれば、上記熱緩衝材は、エルビウム3
ニッケル(Er3Ni)と同等の比熱を有し、且つ、上記エ
ルビウム3ニッケル(Er3Ni)より十分高い熱伝導率を
有して、機械加工性の良いネオジウム(Nd)単体によっ
て形成される。したがって、上記熱緩衝材は、ヒートス
テーションの先端形状にマッチし且つ密着可能に形成さ
れて、上記ヒートステーション先端に密着して取り付け
られる。こうして、上記ヒートステーションの重量を大
きくすることなく被冷却部の温度振幅が低減される。
【0014】また、請求項3に係る発明は、請求項1に
係る発明の極低温冷凍機において、上記熱緩衝材は鉛
(Pb)単体で形成されていることを特徴としている。上
記構成によれば、上記熱緩衝材は、20K近傍の温度で
は上記ヒートステーションとして十分な比熱を有し、且
つ、上記エルビウム3ニッケル(Er3Ni)より十分高い
熱伝導率を有して、機械加工性の良い鉛(Pb)単体によ
って形成される。したがって、上記熱緩衝材は、上記ヒ
ートステーション先端に密着して取り付けることが可能
になる。その結果、20K近傍の温度において、上記ヒ
ートステーションの重量を大きくすることなく被冷却部
の温度振幅が低減される。
【0015】また、請求項4に係る発明の極低温冷凍機
は、最終ヒートステーションの先端に、高熱伝導率の単
体金属中に高比熱の金属化合物を分散させて成る熱緩衝
材を設けたことを特徴としている。上記構成によれば、
上記熱緩衝材は、高熱伝導率と高比熱を有するので、上
記ヒートステーションの重量を大きくすることなく被冷
却部の温度振幅が低減される。さらに、上記単体金属と
して機械加工性の良い金属を用いることによって、上記
熱緩衝材は、ヒートステーションの先端形状にマッチし
且つ密着可能に形成されて、上記ヒートステーション先
端に密着して取り付けられる。
【0016】また、請求項5に係る発明の極低温冷凍機
は、最終ヒートステーションの先端に、高熱伝導率の単
体金属中に高比熱の単体金属を分散させて成る熱緩衝材
を設けたことを特徴としている。上記構成によれば、機
械加工性の良い上記単体金属を用いて形成された熱緩衝
材は、高熱伝導率と高比熱とを有すると共に、機械加工
性が良い。したがって、上記ヒートステーション先端に
密着して取り付けられて、上記ヒートステーションの重
量を大きくすることなく被冷却部の温度振幅が低減され
る。さらに、高熱伝導率の単体金属中に高比熱の単体金
属が分散されているので、上記単体金属の酸化が防止さ
れる。
【0017】また、請求項6に係る発明は、請求項4に
係る発明の極低温冷凍機において、上記高比熱を有する
金属化合物は、Er3Co,ErNi,Er3Ni,HoCu2,HoA
l2,Ho2Al,ErNi0.8Co0.2およびErNi0.9Co0.1
何れか一つであることを特徴としている。上記構成によ
れば、高熱伝導率の単体金属中に分散される金属化合物
は、上記エルビウム3ニッケル(Er3Ni)と同等の高比
熱を有する。したがって、形成される熱緩衝材は、上記
高熱伝導率の単体金属による温度振幅の低減に加えて、
上記金属化合物によって高い冷凍能力が保持される。
【0018】また、請求項7に係る発明は、請求項4ま
たは請求項5に係る発明の極低温冷凍機において、上記
熱緩衝材は、最終ヒートステーションの先端に設けられ
た高熱伝導率構造物の凹部に鋳込まれて、上記高熱伝導
率構造物と一体に構成されていることを特徴としてい
る。上記構成によれば、高熱伝導率の単体金属中に高比
熱の単体金属あるいは金属化合物を分散させて形成され
た熱緩衝材は、ヒートステーションの先端形状にマッチ
し且つ密着可能に形成されている高熱伝導率構造物の凹
部に鋳込まれて一体に構成される。こうして、上記熱緩
衝材がヒートステーション先端に密着して取り付けられ
て、更に効率良く温度振幅が低減される。
【0019】また、請求項8に係る発明の極低温冷凍機
は、最終ヒートステーションの先端に、高熱伝導率の容
器中に高比熱金属の粒子を低沸点ガスと共に充填して成
る熱緩衝材を設けたことを特徴としている。上記構成に
よれば、低沸点ガスの対流と上記低沸点ガスの温度およ
び圧力によって生ずる凝縮とによって熱伝導性が向上し
て、温度分布が均一になる。こうして、効率良く温度振
幅が低減される。
【0020】また、請求項9に係る発明の極低温冷凍機
は、極低温ヒートステーションを予冷する予冷冷凍機
と,上記予冷された極低温ヒートステーションを更に冷
却するジュールトムソン回路を有する極低温冷凍機にお
いて、上記極低温ヒートステーションに、請求項1乃至
請求項8の何れか一つに係る発明の熱緩衝材を設けたこ
とを特徴としている。上記構成によれば、予冷冷凍機の
冷凍サイクルにおいて上記予冷冷凍機のヒートステーシ
ョンに生じた温度振幅は、熱緩衝材の作用によって低減
されて、極低温ヒートステーションには伝達されない。
あるいは、上記予冷冷凍機のヒートステーションに生じ
て極低温ヒートステーションに伝達された温度振幅が、
熱緩衝材の作用によって低減される。こうして、上記極
低温ヒートステーションの重量を大きくすることなく、
換言すれば起動時のクールダウン時間が長くなるのを押
さえて、上記極低温ヒートステーションの温度を安定に
できる。
【0021】また、請求項10に係る発明の極低温冷凍
機は、極低温ヒートステーションを予冷する予冷冷凍機
と,上記予冷された極低温ヒートステーションを更に冷
却するジュールトムソン回路を有する極低温冷凍機にお
いて、上記予冷冷凍機のヒートステーションに、請求項
1乃至請求項8の何れか一つに係る発明の熱緩衝材を設
けたことを特徴としている。上記構成によれば、予冷冷
凍機の冷凍サイクルにおいて上記予冷冷凍機のヒートス
テーションに生じた温度振幅は、熱緩衝材の作用によっ
て低減されて、極低温ヒートステーションには伝達され
ない。こうして、上記極低温ヒートステーションの重量
を大きくしたり、純度の高い銅にしたりすることなく、
上記極低温ヒートステーションの温度を安定化できる。
【0022】また、請求項11に係る発明の極低温冷凍
機は、極低温ヒートステーションを予冷する予冷冷凍機
と,上記予冷冷凍機によって内部の冷媒ガスが冷却され
ると共に,この冷却された冷媒ガスで上記予冷された極
低温ヒートステーションを更に冷却するジュールトムソ
ン回路を有する極低温冷凍機において、上記ジュールト
ムソン回路における上記予冷冷凍機のヒートステーショ
ンと上記極低温ヒートステーションとの間の配管に、請
求項1乃至請求項8の何れか一つに係る発明の熱緩衝材
を設けたことを特徴としている。上記構成によれば、予
冷冷凍機のヒートステーションに生じてジュールトムソ
ン回路中の冷媒ガスに伝達された温度振幅は、上記ジュ
ールトムソン回路における上記ヒートステーションと極
低温ヒートステーションとの間の配管に設けられた熱緩
衝材の作用によって低減される。したがって、上記冷媒
ガスの温度振幅が上記極低温ヒートステーション伝達さ
れることはない。
【0023】また、請求項12に係る発明は、請求項9
乃至請求項11の何れか一つに係る発明の極低温冷凍機
において、上記極低温ヒートステーションは複数存在
し、上記ジュールトムソン回路は全ての極低温ヒートス
テーションを冷却するようになっていることを特徴とし
ている。上記構成によれば、予冷冷凍機のヒートステー
ションに生じた温度振幅、複数の極低温ヒートステーシ
ョンに伝達された温度振幅、あるいは、ジュールトムソ
ン回路中の冷媒ガスに伝達された温度振幅が、上記ヒー
トステーション,各極低温ヒートステーションまたはジ
ュールトムソン回路の配管に設けられた熱緩衝材の作用
によって低減される。こうして、各極低温ヒートステー
ションに対する温度振幅の発生が防止される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の極低
温冷凍機におけるシリンダの先端部の拡大図である。本
極低温冷凍機においては、ヒートステーション31の側
面31aに、板状に形成された熱緩衝材32を取り付け
ている。
【0025】上記熱緩衝材32の材質は、ヒートステー
ション31の温度振幅を低減するために熱伝導率がエル
ビウム3ニッケル(Er3Ni)よりも高く、高い冷凍能力
を保持するために少なくともエルビウム3ニッケル(Er
3Ni)程度の高比熱を有し、且つ、機械加工が可能であ
る必要がある。図2に、上記熱緩衝材32として用いら
れる金属の比熱および熱伝導率をエルビウム3ニッケル
(Er3Ni)と比較して示している。ここで、図2に示す
ように、一般に、ネオジウム(Nd)を除く希土類の合金
は切削,穴あけ,研磨等の機械加工性が良くない。そこ
で、切削や研磨等によって熱緩衝材32を形成するに
は、以下のような工夫が必要である。
【0026】(1)金属単体使用 図2に示すように、ネオジウム金属は、エルビウム3ニ
ッケル(Er3Ni)程度の高比熱を有し、熱伝導率がエル
ビウム3ニッケル(Er3Ni)の10倍〜20倍と高い。
したがって、ネオジウム金属は、単体で、4K近傍の極
低温度でも使用可能な低温用途の熱緩衝材の材料として
最適である。しかも、十分な機械加工性を有しており、
ヒートステーション31の側面31aの形状にマッチし
且つ密着可能な熱緩衝材32を形成できるのである。す
なわち、上記ネオジウム金属は、単体で、最適な熱緩衝
材32を形成することができるのである。
【0027】また、鉛(Pb)は高い熱伝導率を有してい
るが、4K近傍では殆ど比熱が0となる。ところが、2
0K近傍ではヒートステーションとして十分な比熱を有
する。そこで、鉛(Pb)は、20K近傍で使用される高
温用途の熱緩衝材の材料としてであれば、十分使用可能
である。
【0028】尚、上述の例においては、ネオジウム(N
d)あるいは鉛(Pb)を単体で熱緩衝材32として使用し
ているが、図3に示すように、ネオジウム(Nd)または
鉛(Pb)で形成された円板33を高熱伝導率を有する銅
(Cu)等によってヒートステーション31の側面31aの
形状にマッチし且つ密着可能に形成された金属構造物3
4中に取り付けて、熱緩衝材32を構成してもよい。
【0029】(2)分散使用 上述したように、エルビウムコバルト(Er3Co),エルビ
ウムニッケル(ErNi),エルビウム3ニッケル(Er3
i),ホロミウムアルミニウム(HoAl2),ホロミウム銅
(HoCu2),ホロミウム2アルミニウム(Ho2Al),エル
ビウムニッケル合金(ErNi0.8Co0.2),エルビウムニ
ッケル合金(ErNi0.9Co0.1)等の希土類の金属化合物
は、高い比熱を有するが機械加工性が良くない。
【0030】そこで、図4に示すように、これらの希土
類金属化合物35で小径の球や粒を形成し、鉛(Pb)や
インジウム(In)等のエルビウム3ニッケル(Er3Ni)よ
り高い熱伝導率を呈して機械加工性の良い金属36中に
分散させて金属塊を作成するのである。こうして作成さ
れた金属塊は、エルビウム3ニッケル(Er3Ni)程度の
比熱とエルビウム3ニッケル(Er3Ni)より高い熱伝導
率とを合わせ持つ。したがって、良好な熱緩衝材として
機能する。また、上記金属塊は、機械加工性の悪い希土
類金属化合物は機械加工性の良い金属中に分散されてい
るので、上記熱緩衝材32を形成可能な程度の機械加工
性は有している。したがって、上記金属塊を切削・研磨
することによって、ヒートステーション31の側面31
aの形状にマッチし且つ密着可能な熱緩衝材32を形成
することができるのである。
【0031】尚、上述の説明では、機械加工性の悪い希
土類金属化合物を機械加工性の良い金属中に分散させて
金属塊を形成しているが、機械加工性の良い希土類金属
である上記ネオジウム(Nd)を機械加工性の良い鉛(Pb)
金属中に分散させて金属塊を形成しても一向に構わな
い。こうすることによって、鉛(Pb)金属単体使用ある
いはネオジウム(Nd)金属単体使用の場合よりも機械加
工性や冷凍能力は低下するが、ネオジウム(Nd)の酸化
を防止できるという新たな効果を得ることができる。
【0032】(3)鋳込み使用 機械加工性が良くない希土類金属化合物は、小球や粒に
して鉛(Pb)やインジウム(In)等の機械加工性が良い高
熱伝導率の単体金属中に分散させて金属塊を作成するこ
とによって機械加工性を高めることができるが、上記機
械加工性の良い金属に比べると十分な機械加工性が得ら
れるとは言い難い。そこで、図5に示すように、上述の
如く希土類金属化合物を高熱伝導率の単体金属中に分散
させた金属塊または上記ネオジウム(Nd)を鉛(Pb)金属
中に分散させた金属塊(両金属塊を総称して金属塊37
と言う)を、高熱伝導率を有すると共に機械加工性の良
い銅またはネオジウム(Nd)で形成された金属構造物3
8中に鋳込むのである。こうすることによって、上記金
属塊37が有する熱緩衝材能力を更に向上させ、且つ、
より高い機械加工性を得ることができるのである。した
がって、切削や研磨によって上記高熱伝導率の金属構造
物38を形成することによって、ヒートステーション3
1の側面31aの形状にマッチし且つ密着可能な熱緩衝
材32を形成することができるのである。
【0033】(4)ガス中分散使用 上記エルビウム3ニッケル(Er3Ni)よりも高い熱伝導
率とエルビウム3ニッケル(Er3Ni)程度の比熱とを有
して熱緩衝機能および高い冷凍能力の保持機能を合わせ
持つ熱緩衝材は、希土類金属を低沸点ガスと共に充填し
ても得られる。
【0034】図6に示すように、銅合金等のように熱伝
導率が高く機械加工性の良い金属によって、ヒートステ
ーション31の側面31aの形状にマッチし且つ密着可
能な金属容器39を形成する。そして、この金属容器3
9の中に、上述したネオジウム(Nd)または希土類金属
化合物の粒子40を低沸点ガス41と一緒に充填するの
である。尚、上記低沸点ガスとしては、適用温度が30
K以上である場合にはアルゴン(Ar)が適し、適用温度
が20K近傍である場合にはヘリウム(He),水素(H2)
あるいはネオン(Ne)が適し、適用温度が4K近傍であ
る場合にはヘリウム(He)が適している。このように、
上記希土類金属化合物の粒子40を低沸点ガス41中に
分散させることによって、ガスの対流とガスの温度およ
び圧力で生ずる凝縮とによって熱伝導性が向上して、温
度分布が均一になるのである。
【0035】上述のように、本実施の形態においては、
上記ネオジウム(Nd)や鉛(Pb)のように高比熱および高
熱伝導率を有して機械加工性の良い金属単体によって熱
緩衝材32を形成し、あるいは、高い比熱を有する希土
類金属化合物の粒子35を高い熱伝導率を有して機械加
工性の良い金属36中に分散させた金属塊によって熱緩
衝材32を形成し、あるいは、高い熱伝導性を有して機
械加工性のよい金属構造物38中に上記金属塊37を鋳
込んで熱緩衝材32を形成し、あるいは、熱伝導率が高
く機械加工性の良い金属によって形成した金属容器39
中に高比熱を有するネオジウム(Nd)や希土類金属化合
物の粒子40を低沸点ガス41と一緒に充填して熱緩衝
材32を形成する。そして、こうして形成した熱緩衝材
32をヒートステーション31の側面31aに密着して
取り付けている。したがって、上記ヒートステーション
31の重量を大きくすることなく、換言すれば、起動時
のクールダウン時間を長くすることなく、被冷却部の温
度振幅を低減できるのである。
【0036】次に、例えば、図12に示すような、予冷
冷凍機によって得られた20Kレベルの冷気をJ−T回
路を用いてさらに冷却して4Kレベルの極低温を得る極
低温冷凍装置における4Kヒートステーションに生ずる
温度振幅防止について説明する。上述のような極低温冷
凍装置における温度振幅防止方法としては、次のような
方法がある。(a)4Kヒートステーションの端面に熱
緩衝材を設ける。(b)4Kヒートステーションの予冷
機ヒートステーション側に熱緩衝材を設ける。(c)予冷
機ヒートステーションに熱緩衝材を設ける。(d)予冷
機ヒートステーションと4Kヒートステーションとの間
のJ−T回路に熱緩衝材を設ける。
【0037】図7は、4Kヒートステーション51の端
面とこの端面に取り付けられた被冷却物52との間に熱
緩衝材53を設けた場合を示す。こうすることによっ
て、4Kヒートステーション51に生じた温度振幅が熱
緩衝材53の作用によって低減されて、被冷却物52に
伝わることが防止される。したがって、被冷却物52が
電波センサ等のセンサである場合に、このセンサに対す
るノイズを低減できるのである。尚、上記熱緩衝材53
としては、上述した(1)金属単体使用、(2)分散使
用、(3)鋳込み使用、(4)ガス中分散使用の何れのタ
イプの熱緩衝材であってもよい。また、材質も4Kヒー
トステーション51や被冷却物52の形状や冷却温度等
に応じて、上述の材質から適宜選択して選択して用いれ
ばよい。
【0038】図8は、4Kヒートステーション55の予
冷機ヒートステーション側に熱緩衝材56を設けた場合
を示す。こうすることによって、予冷機ヒートステーシ
ョン(図示せず)から4Kヒートステーション55に伝達
される熱の温度分布が均一になり、上記予冷機ヒートス
テーションに生じた温度振幅が4Kヒートステーション
48に伝わることを防止できるのである。尚、上記熱緩
衝材56は、リング状に形成して図8に示すように4K
ヒートステーション55の外周に設けた溝に嵌合しても
よいし、円盤状に形成して4Kヒートステーション55
とこの4Kヒートステーション55を上記予冷機ヒート
ステーションに接続する接続部57との間に挟んで設け
てもよい。また、熱緩衝材56の上記タイプや材質は特
に限定されず、上述したタイプや材質の中から目的に応
じて適宜選択して選択して用いればよい。
【0039】図9は、予冷機ヒートステーション61の
先端に熱緩衝材62を設けた場合を示す。こうすること
によって、予冷機ヒートステーション61から4Kヒー
トステーション63に伝達される熱の温度分布が均一に
なり予冷機ヒートステーション61に生じた温度振幅が
4Kヒートステーション63に伝わることを防止できる
のである。尚、上記熱緩衝材62の上記タイプや材質は
特に限定されず、上述したタイプや材質の中から目的に
応じて適宜選択して選択して用いればよい。
【0040】図10は上記J−T回路に熱緩衝材を設け
た場合を示し、J−T弁65の下流側の配管66あるい
は上流側の配管67の少なくとも一方に、熱緩衝材68
あるいは熱緩衝材69を設ける。この熱緩衝材68,6
9は、例えば、エルビウム3ニッケル(Er3Ni)程度の
高比熱を有し、熱伝導率がエルビウム3ニッケル(Er3
Ni)の10倍〜20倍と高く、且つ、十分な機械加工性
を有しているネオジウム(Nd)金属を用いて、配管66,
67の外径に略等しい内径を有する円筒状に形成して得
る。そして、この円筒状の熱緩衝材68,69内に配管
66あるいは配管67を挿通させて取り付けるのであ
る。こうすることによって、予冷機ヒートステーション
70とJ−T回路中の冷媒ガスとの熱交換の際に上記冷
媒ガスに生じた温度振幅が低減されるのである。したが
って、上記冷媒ガスと4Kヒートステーション71との
熱交換によって4Kヒートステーション71に熱振幅が
発生することはない。
【0041】また、1つの予冷冷凍機に複数の4Kヒー
トステーションを並列に接続し、上記J−T回路におけ
るJ−T弁の下流側に複数の冷却器を設け、各冷却器を
各4Kヒートステーションに直列に取り付けて成る極低
温冷凍装置がある。このような極低温冷凍機において
は、上述した (a)4Kヒートステーションの端面に熱緩衝材を設け
る (b)4Kヒートステーションの予冷機ヒートステーシ
ョン側に熱緩衝材を設ける (c)予冷機ヒートステーションに熱緩衝材を設ける (d)J−T回路に熱緩衝材を設ける を、上記予冷機ヒートステーションあるいは各4Kヒー
トステーションに適宜組み合わせて適用することによっ
て、各4Kヒートステーションに対する温度振幅の発生
を防止できる。
【0042】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の極低温冷凍機は、最終ヒートステーションの先
端に金属単体の熱緩衝材を設けているので、上記熱緩衝
材の作用によって、上記ヒートステーションの温度振幅
が低減される。したがって、上記ヒートステーションの
重量を大きくすることなく、換言すれば起動時のクール
ダウン時間が長くなるのを押さえて、被冷却部の温度振
幅を低減できる。
【0043】また、請求項2にかかる発明の極低温冷凍
機における熱緩衝材は、ネオジウム(Nd)単体で形成さ
れているので、上記熱緩衝材は、エルビウム3ニッケル
(Er3Ni)と同等の比熱を有し、上記エルビウム3ニッ
ケル(Er3Ni)より十分高い熱伝導率を有し、且つ、機
械加工性が良い。したがって、上記熱緩衝材は、上記ヒ
ートステーションの先端形状にマッチし且つ密着可能に
形成することによって、上記ヒートステーション先端に
密着して取り付けることができ、上記ヒートステーショ
ンの重量を大きくすることなく被冷却部の温度振幅を低
減できる。
【0044】また、請求項3に係る発明の極低温冷凍機
における熱緩衝材は、鉛(Pb)単体で形成されているの
で、上記熱緩衝材は、20K近傍の温度では上記ヒート
ステーションとして十分な比熱を有し、上記エルビウム
3ニッケル(Er3Ni)より十分高い熱伝導率を有し、且
つ、機械加工性が良い。したがって、上記熱緩衝材は、
上記ヒートステーション先端に密着して取り付けること
ができ、20K近傍の温度において、上記ヒートステー
ションの重量を大きくすることなく被冷却部の温度振幅
を低減できる。
【0045】また、請求項4に係る発明の極低温冷凍機
は、最終ヒートステーションの先端に、高熱伝導率の単
体金属中に高比熱の金属化合物を分散させて成る熱緩衝
材を設けたので、上記ヒートステーションの重量を大き
くすることなく被冷却部の温度振幅を低減できる。さら
に、上記熱緩衝材は機械加工性が良く、ヒートステーシ
ョンの先端形状にマッチし且つ密着可能に形成すること
ができるので、上記ヒートステーション先端に密着して
取り付けることができる。
【0046】また、請求項5に係る発明の極低温冷凍機
は、最終ヒートステーションの先端に、高熱伝導率の単
体金属中に高比熱の単体金属を分散させて成る熱緩衝材
を設けたので、上記ヒートステーションの重量を大きく
することなく被冷却部の温度振幅を低減できる。さら
に、上記熱緩衝材は、高熱伝導率の単体金属中に高比熱
の単体金属を分散して形成されているので、上記単体金
属の酸化が防止される。さらに、上記熱緩衝材は機械加
工性が良く、ヒートステーションの先端形状にマッチし
且つ密着可能に形成することができる。したがって、上
記ヒートステーション先端に密着して取り付けることが
でき。
【0047】また、請求項6に係る発明の極低温冷凍機
は、上記高比熱を有する金属化合物は、HoCu2,Er3
o,ErNi,Er3Ni,HoAl2,Ho2Al,ErNi0.8Co0.2
よびErNi0.9Co0.1の何れか一つであるので、上記高
熱伝導率の単体金属中に、上記エルビウム3ニッケル
(Er3Ni)と同等の高比熱を有する金属化合物が分散さ
れて上記熱緩衝材が形成される。したがって、上記熱緩
衝材は、被冷却部の温度振幅を低減し、高い冷凍能力を
保持できる。
【0048】また、請求項7に係る発明の極低温冷凍機
は、最終ヒートステーションの先端に設けられた高熱伝
導率構造物の凹部に、高熱伝導率の単体金属中に高比熱
の単体金属あるいは金属化合物を分散させて形成された
熱緩衝材を鋳込んで構成するので、上記熱緩衝材は、上
記ヒートステーション先端に密着して取り付けられて更
に効率良く温度振幅が低減される。
【0049】また、請求項8に係る発明の極低温冷凍機
は、最終ヒートステーションの先端に、高熱伝導率の容
器中に高比熱金属の粒子を低沸点ガスと共に充填して成
る熱緩衝材を設けたので、低沸点ガスの対流と上記低沸
点ガスの温度および圧力によって生ずる凝縮とによって
熱伝導性を向上させて、上記高熱伝導率の容器内の温度
分布を均一にできる。したがって、この発明によれば、
効率良く温度振幅を低減できる。
【0050】また、請求項9に係る発明の極低温冷凍機
は、予冷冷凍機によって予冷される極低温ヒートステー
ションに、請求項1乃至請求項8の何れか一つに記載の
熱緩衝材を設けたので、上記予冷冷凍機の冷凍サイクル
において上記予冷冷凍機のヒートステーションに生じた
温度振幅を上記熱緩衝材の作用によって低減して、極低
温ヒートステーションに伝達しないようにできる。ある
いは、上記予冷冷凍機のヒートステーションに生じて極
低温ヒートステーションに伝達された温度振幅を、上記
熱緩衝材の作用によって低減できる。したがって、上記
極低温ヒートステーションの重量を大きくすることな
く、換言すれば起動時のクールダウン時間が長くなるの
を押さえて、上記極低温ヒートステーションの温度を安
定にできる。さらに、上記極低温ヒートステーションを
純度の高い銅で形成する必要がなく、コストダウンを図
ることができる。すなわち、この発明によれば、宇宙か
らの電波を検知する電波センサ等を被冷却物とする場合
に、上記熱振幅が上記被冷却物に対するノイズ源となる
のを容易に且つ安価に防止できるのである。
【0051】また、請求項10に係る発明の極低温冷凍
機は、極低温ヒートステーションを予冷する予冷冷凍機
のヒートステーションに、請求項1乃至請求項8の何れ
か一つに記載の熱緩衝材を設けたので、上記予冷冷凍機
のヒートステーションに生じた温度振幅を上記熱緩衝材
の作用によって低減して、極低温ヒートステーションに
伝達しないようにできる。したがって、上記極低温ヒー
トステーションの重量を大きくしたり、純度の高い銅に
したりすることなく、上記極低温ヒートステーションの
温度を安定化できる。
【0052】また、請求項11に係る発明の極低温冷凍
機は、予冷冷凍機によって冷却された冷媒ガスで極低温
ヒートステーションを冷却するジュールトムソン回路に
おける上記予冷冷凍機のヒートステーションと極低温ヒ
ートステーションとの間の配管に、請求項1乃至請求項
8の何れか一つに記載の熱緩衝材を設けたので、上記予
冷冷凍機のヒートステーションに生じて上記ジュールト
ムソン回路中の冷媒ガスに伝達された温度振幅を上記熱
緩衝材の作用によって低減できる。したがって、上記ジ
ュールトムソン回路中の冷媒ガスの温度振幅は、上記極
低温ヒートステーション伝達されない。
【0053】また、請求項12に係る発明の極低温冷凍
機は、請求項9乃至請求項11の何れか一つに係る極低
温冷凍機において、上記極低温ヒートステーションは複
数存在し、上記ジュールトムソン回路は全ての極低温ヒ
ートステーションを冷却するようになっているので、予
冷冷凍機のヒートステーションに生じた温度振幅、複数
の極低温ヒートステーションに伝達された温度振幅、あ
るいは、ジュールトムソン回路中の冷媒ガスに伝達され
た温度振幅を、上記ヒートステーション,各極低温ヒー
トステーションまたはジュールトムソン回路の配管に設
けられた熱緩衝材の作用によって低減できる。したがっ
て、複数の極低温ヒートステーションに対する温度振幅
の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の極低温冷凍機におけるヒートステー
ション近傍の拡大図である。
【図2】熱緩衝材として用いられる金属の比熱および熱
伝導率を示す図である。
【図3】図1に示す熱緩衝材の一例を示す断面図であ
る。
【図4】図3とは異なる熱緩衝材の断面図である。
【図5】図3および図4とは異なる熱緩衝材の断面図で
ある。
【図6】図3,図4および図5とは異なる熱緩衝材の断
面図である。
【図7】J−T回路を用いた極低温冷凍装置における4
Kヒートステーションの端面に熱緩衝材を設ける場合の
説明図である。
【図8】J−T回路を用いた極低温冷凍装置における4
Kヒートステーションの予冷機ヒートステーション側に
熱緩衝材を設ける場合の説明図である。
【図9】J−T回路を用いた極低温冷凍装置における予
冷機ヒートステーションに熱緩衝材を設ける場合の説明
図である。
【図10】J−T回路を用いた極低温冷凍装置における
J−T回路に熱緩衝材を設ける場合の説明図である。
【図11】極低温冷凍機としてのクライオ冷凍機を示す
図である。
【図12】J−T回路を用いた極低温冷凍装置を示す図
である。
【符号の説明】
31…ヒートステーション、32,53,56,62,6
8,69…熱緩衝材、33…ネオジウムあるいは鉛の円
板、 34,38…高熱伝導率の金属構造物、35…希
土類金属化合物、 36…高熱伝導率金属、
37…金属塊、 39…高熱伝導
率の金属容器、40…ネオジウムや希土類金属化合物の
粒子、41…低沸点ガス、51,55,63,71…4K
ヒートステーション、61,70…予冷機ヒートステー
ション、65…J−T弁。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最終ヒートステーションの先端に、金属
    単体の熱緩衝材を設けたことを特徴とする極低温冷凍
    機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の極低温冷凍機におい
    て、 上記熱緩衝材はNd単体で形成されていることを特徴と
    する極低温冷凍機。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の極低温冷凍機におい
    て、 上記熱緩衝材はPb単体で形成されていることを特徴と
    する極低温冷凍機。
  4. 【請求項4】 最終ヒートステーションの先端に、高熱
    伝導率の単体金属中に高比熱の金属化合物を分散させて
    成る熱緩衝材を設けたことを特徴とする極低温冷凍機。
  5. 【請求項5】 最終ヒートステーションの先端に、高熱
    伝導率の単体金属中に高比熱の単体金属を分散させて成
    る熱緩衝材を設けたことを特徴とする極低温冷凍機。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の極低温冷凍機におい
    て、 上記高比熱の金属化合物は、Er3Co,ErNi,Er3Ni,
    HoAl2,HoCu2,Ho2Al,ErNi0.8Co0.2およびErN
    i0.9Co0.1の何れか一つであることを特徴とする極低温
    冷凍機。
  7. 【請求項7】 請求項4あるいは請求項5に記載の極低
    温冷凍機において、上記熱緩衝材は、最終ヒートステー
    ションの先端に設けられた高熱伝導率構造物の凹部に鋳
    込まれて、上記高熱伝導率構造物と一体に構成されてい
    ることを特徴とする極低温冷凍機。
  8. 【請求項8】 最終ヒートステーションの先端に、高熱
    伝導率の容器中に高比熱金属の粒子を低沸点ガスと共に
    充填して成る熱緩衝材を設けたことを特徴とする極低温
    冷凍機。
  9. 【請求項9】 極低温ヒートステーション(51,55)
    を予冷する予冷冷凍機と、上記予冷された極低温ヒート
    ステーション(51,55)を更に冷却するジュールトム
    ソン回路を有する極低温冷凍機において、 上記極低温ヒートステーション(51,55)に、請求項
    1乃至請求項8の何れか一つに記載の熱緩衝材を設けた
    ことを特徴とする極低温冷凍機。
  10. 【請求項10】 極低温ヒートステーションを予冷する
    予冷冷凍機と、上記予冷された極低温ヒートステーショ
    ンを更に冷却するジュールトムソン回路を有する極低温
    冷凍機において、 上記予冷冷凍機のヒートステーション(61)に、請求項
    1乃至請求項8の何れか一つに記載の熱緩衝材を設けた
    ことを特徴とする極低温冷凍機。
  11. 【請求項11】 極低温ヒートステーション(71)を
    予冷する予冷冷凍機と、上記予冷冷凍機によって内部の
    冷媒ガスが冷却されると共に、この冷却された冷媒ガス
    で上記予冷された極低温ヒートステーション(71)を更
    に冷却するジュールトムソン回路を有する極低温冷凍機
    において、 上記ジュールトムソン回路における上記予冷冷凍機のヒ
    ートステーション(70)と上記極低温ヒートステーショ
    ン(71)との間の配管に、請求項1乃至請求項8の何れ
    か一つに記載の熱緩衝材を設けたことを特徴とする極低
    温冷凍機。
  12. 【請求項12】 請求項9乃至請求項11の何れか一つ
    に記載の極低温冷凍機において、 上記極低温ヒートステーションは複数存在し、 上記ジュールトムソン回路は、全ての極低温ヒートステ
    ーションを冷却するようになっていることを特徴とする
    極低温冷凍機。
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