JPH0928763A - 薬剤容器のホルダー - Google Patents

薬剤容器のホルダー

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Publication number
JPH0928763A
JPH0928763A JP7203863A JP20386395A JPH0928763A JP H0928763 A JPH0928763 A JP H0928763A JP 7203863 A JP7203863 A JP 7203863A JP 20386395 A JP20386395 A JP 20386395A JP H0928763 A JPH0928763 A JP H0928763A
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JP
Japan
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container
lid
holder
drug
medicine
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Application number
JP7203863A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Suzuki
龍夫 鈴木
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
Hiroshi Motobayashi
博志 本林
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
Original Assignee
Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接続部での滅菌が多様且つ簡単にでき、また
接続部の長期間の無菌的維持ができると共に、組立が簡
単にできる医療用容器が接続される薬剤容器のホルダー
を提案。 【構成】 医療用容器に接続される接続部を有し、且つ
該医療容器内と連通接続される薬剤容器を保持するホル
ダーにおいて、上記薬剤容器を収容する収容部内に連通
して、内部が無菌的に維持される上記接続部を有した収
容部材と、上記収容部と接続部との連通口を上記薬剤容
器の口部用弾性栓体で、或いは弾性部材を介して覆って
いる該薬剤容器を該栓体或いは弾性部材に向けて押圧し
て、上記収容部材に取り付けられる蓋体とからなり、上
記蓋体は、ポリプロピレン系樹脂成形物からなり、該樹
脂のメルトインデックスが1〜100g/10minで
あることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬剤容器のホルダーに
関するものであり、より詳細には直前に二以上の薬剤を
無菌的に調整して使用する場合における連通部或いは接
続部を備えた医療用容器に接続される薬剤容器のホルダ
ーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】点滴注射に用いられる輸液等のバック、
コンテナ等の医療用容器は、一般に樹脂容器である。ま
た医療用容器には、抗生物質等の高圧蒸気滅菌ができな
い薬剤のバイアル等を接続するものや、使用直前まで薬
液を分けて保存した薬液容器を使用時に接続又は連通す
るものがある。更に、予め医療用容器と薬剤バイアル等
を接続可能な状態にさせたものがあり、その薬剤容器と
医療用容器本体との連通部が滅菌処理してある薬剤キッ
ト等の提案がある。
【0003】従来の薬剤キットは、実公平5−4283
3号公報に提案され、図7に示す如く、医療用容器70
の接続口70aに接続ポート72が取り付けられ、接続
ポート72の連通孔には連通針74が取り付けられ、連
通針74には液止めキャップ76が取り付けられる。ま
た、接続口70aの上方には薬剤バイアル78及びバイ
アルホルダー80が配せられ、薬剤バイアル78は下動
可能に設けられると共に、その下動時に口部のゴム栓体
82に連通針74が刺針される。バイアルホルダー80
は、収容カプセル84及び蓋86とからなり、収容カプ
セル84は接続ポート72に液密に連通する接続部84
aが形成される。蓋86は、外側に吊り下げ部86aが
形成され、内側にバイアル78を保持すると共に下動さ
せる保持機構88が設けられている。そして、保持機構
88はバイアル78の底部を保持している。また、収容
カプセル84、接続ポート72及び蓋86で仕切られる
チャンバー90は無菌が維持されなければならない。こ
のため、蓋86或いは収容カプセル84の一部はガス透
過性に形成され、エチレンオキサドガス滅菌などがなさ
れる。
【0004】このように構成された薬剤キットにおいて
は、蓋86が回転されることにより、ホルダー80内の
バイアル78が下動し、連通針74は、キャップ76を
突き破り、ゴム栓82が刺針される。これにより、医療
用容器70内とバイアル78内とが連通され、薬剤と溶
解液とが混合可能となる。この場合、ゴム栓82の外表
面が無菌維持されるためには上述の滅菌処理が十分に必
要とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
医療用容器に接続される薬剤容器のホルダーは以下の問
題点がある。収容カプセル84内の滅菌が必要される
が、カプセル84内の全体を滅菌する必要があるため、
カプセル内の薬剤に影響を与えずに滅菌しようとする
と、ガス滅菌などの限られた滅菌処理方法しか採用でき
ない。また、従来の収容カプセル84と蓋86との間
は、液密にしなければ保存時に滅菌が維持されない。こ
のため、蓋86には液密に保持するための弾性部材や特
殊な樹脂部材を使用する必要があり、組立が煩雑な他
に、これらの部材は一般に透明性がなく、使用時にホル
ダー80の外側から十分に薬剤の状態を監視することが
できない。
【0006】また、ホルダー全体の滅菌を避け、接続部
の易滅菌を可能にした構造のものも提供されている。例
えば、医療用容器の接続部と薬剤容器のゴム栓体部分と
を加熱レジンで固めた接続方法を採用した薬剤キットで
ある(特公平3−73307号公報)。このような方法
は、接続部の滅菌が容易であっても、保存時にゴム栓体
部分とレジンとの間に隙間ができたり、またその製造工
程が容易ではないという問題がある。
【0007】従って、本発明の目的は、接続部での滅菌
が多様且つ簡単にでき、また接続部の長期間の無菌的維
持ができると共に、組立が簡単にできる医療用容器が接
続される薬剤容器のホルダーを提案することにある。ま
た、本発明の目的は、薬剤容器内の薬剤の混合状態を十
分に確認しながら混合操作ができる医療用容器が接続さ
れる薬剤容器のホルダーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、医療用容器に
接続される接続部を有し、且つ該医療容器内と連通接続
される薬剤容器を保持するホルダーにおいて、上記薬剤
容器を収容する収容部内に連通して、内部が無菌的に維
持される上記接続部を有した収容部材と、上記収容部と
接続部との連通口を上記薬剤容器の口部用弾性栓体で、
或いは弾性部材を介して覆っている該薬剤容器を該栓体
或いは弾性部材に向けて押圧して、上記収容部材に取り
付けられる蓋体とからなり、上記蓋体は、ポリプロピレ
ン系樹脂成形物からなり、該樹脂のメルトインデックス
が1〜100g/10min(JIS K6758:2
30℃、2.16kgf )であることを特徴とする薬剤容
器のホルダーを提供することにより、上記目的を達成し
たものである。
【0009】本発明に係るホルダーにおいて、上記収容
部材と蓋体とには互いに係合する係合部が形成され、該
係合部の係合により上記蓋体が上記薬剤容器を押圧して
上記収容部材に係着して取り付けられることを特徴とす
る。本発明に係るホルダーにおいて、上記収容部材及び
蓋体は、上記薬剤容器内の薬剤の認識可能な透明樹脂成
形物であることを特徴とする。本発明に係るホルダーに
おいて、上記蓋体のポリプロピレン系樹脂は、引張強さ
(JISK6758法:kgf/cm2)が400kgf/cm2
下、引張破壊伸び(JISK6758法:%)が90〜
1000%の範囲であることを特徴とする。本発明に係
るホルダーにおいて、上記蓋体の側壁がテーパ形成さ
れ、上記薬剤容器の底部の周縁が該テーパ側壁と当接し
て押圧された状態で配されていることを特徴とする。本
発明に係るホルダーにおいて、上記蓋体の側壁にはテー
パ状の突起リブが形成され、上記薬剤容器の底部の周縁
が該突起リブと当接して押圧された状態で配されている
ことを特徴とする。本発明に係るホルダーにおいて、上
記薬剤容器を押圧する押圧面には突起リブが形成される
ことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明のホルダーにおいては、蓋体と収容部材
とは、蓋体が薬剤容器を押圧した状態で取り付けられて
いる。押圧した状態とは、薬剤容器の栓体或いは栓体に
密着して設けられる弾性部材を圧縮変形させて、蓋体が
収容部材に取り付けられている状態である。蓋体の押圧
に対して弾性部材はその弾性力を反力としている。そし
て、かかる弾性力は、上記接続部の連通口にもかかり、
薬剤容器の栓体或いは、弾性部材は上記収容部材の接続
部と薬剤容器本体の収容部とを完全に液密遮断する。こ
のため、従来のホルダーと異なり、接続部のみが滅菌さ
れ、また保存時に無菌的に維持できれば良いことにな
る。従って、接続部のみの滅菌を重点的にすれば良いた
め、薬剤に影響を与えずにγ線滅菌や易電子線滅菌や加
熱滅菌や過酸化水素処理などの化学滅菌などの多様な滅
菌方法を用いることができる。
【0011】また、上記薬剤容器、ホルダーの収容部
材、及び蓋体が正確な寸法で成形される場合は、栓体及
び弾性部材には常に一定した押圧力がかかり、弾性部材
等の劣化を考慮したとしても接続部の機密性が長期間維
持することができ、保存期間の安全性も高まる。しかし
ながら、薬剤容器、ホルダーの収容部材、及び蓋体の寸
法、特にガラス製の薬剤バイアルの寸法は、一定したも
のが提供されない場合がある。かかる場合、接続部での
機密性が失われ、最悪の場合は、所定の保存期間後に機
密性が失われることがあり、医療用容器としては問題と
なる。一方、弾性部材にかかる押圧力を強めに設定する
と、薬剤容器の寸法に微妙な誤差が生じると、弾性部材
に過大な押圧力がかかる。このため、弾性部材からの反
力が蓋体の押圧面に過剰にかかり、その結果、蓋体と収
容部材との組立が困難となり、生産ラインにおいても歩
留まりを悪くする。そこで、収容部材及び蓋体、特に蓋
体を汎用なポリプロピレン系樹脂からなる樹脂成形物と
して、その樹脂成形物の変形歪みを利用して弾性部材等
にかかる押圧を一定の範囲内となるようにすることがで
きる。
【0012】即ち、成形物のポリプロピレン系樹脂は、
メルトインデックスが1〜100g/10min(JI
S K6758:230℃、2.16kgf )範囲内にあ
るため、上記変形歪みに対応した成形物に形成すること
ができる。また、引張強さ(JISK6758法:kgf/
cm2)が400kgf/cm2以下、引張破壊伸び(JISK6
760法:%)が90〜1000%の範囲にあると、薬
剤バイアル等の寸法が多少大きく、蓋体の押圧面が容器
に当接したとき、弾性部材等の反力が強すぎても、押圧
面はある程度の形状を保ちながら変形し、その反力が一
定に成るように吸収する。この場合、ポリエチレン系樹
脂の引張強さが400kgf/cm2以下であれば、薬剤容器
の寸法誤差を十分に吸収することができる。また上記範
囲を上回ると、蓋体が変形するのにかなりの反力を要す
るため、弾性部材が異常な圧縮変形を起こすおそれがあ
る。また、樹脂の引張破壊伸びが上記範囲内であれば、
蓋体にある程度の変形と伸びが生じて、寸法誤差がかか
る変形及び伸びにより吸収され、弾性部材に対する押圧
力が一定の範囲に収めることができる。またホルダー
は、収容部材と蓋体との間を液密にシールする必要がな
いため、ホルダーの収容部材と蓋体の取り付けを係合部
による係着とした場合、例えば、互いに係合するフック
同士、或いは突起部とそれに嵌着する係合孔等とした場
合等のラフな取り付けが可能となる。このため、製造が
煩雑で不透明な螺合部材などを使用することがない。更
に、薬剤容器を下動させる機構もない。このため、収容
部材及び蓋体の全てを透明な樹脂成形物にすると、内部
の薬剤の混合状態を容易に把握することができる。ま
た、蓋体の側壁をテーパ状にして薬剤容器をかかる壁に
当接させながら押圧すると、その壁面の変形が過剰な反
力の吸収となる。更に、蓋体の押圧面に突起リブが形成
されると、上記弾性部材に対する押圧の調整がリブの高
さ及びその変形等により決め細かくすることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係るホルダーの好ましい実施
例を添付図面を参照しながら詳述する。図1は本発明に
係るホルダーの半断面図、図2は図1のホルダーの分解
側面図、図3は図1のホルダーにおける蓋体の接合面の
平面図、図4は図1のホルダーにおける収容部材の接合
面の平面図、図5は図1の使用中の要部の半断面図であ
る。
【0014】図1乃至図5に示す如く、本実施例のホル
ダー1は、医療用容器2に接続される接続部15を有
し、且つ該医療容器2内と連通接続される薬剤バイアル
5を保持する。そして、ホルダー1においては、薬剤バ
イアル5を収容する収容部内と連通して、内部が無菌的
に維持される接続部15を有した収容部材11と、収容
部と接続部15との連通口14を薬剤バイアル5の口部
用ゴム栓体7及び弾性緩衝部材13を介して覆っている
薬剤バイアルを、ゴム栓体7及び緩衝部材13に向けて
押圧して、収容部材11に取り付けられる蓋体12とか
らなり、蓋体12は、ポリプロピレン系樹脂成形物から
なり、樹脂のメルトインデックスが1〜100g/10
minである。
【0015】本実施例に係るホルダー1を更に詳しく説
明すると、先ず、ホルダー1が使用される医療用容器2
は、非定型性の柔軟な樹脂容器からなる。本実施例にお
いて具体的には、容器2は、低密度ポリエチレンをイン
フレーション成形により作製したチューブシートから形
成される。即ち、かかるシートが所定の長さに裁断さ
れ、その上下端が熱溶着により完全密着シールがされ
る。下端のシール部には、図1で図示しないが樹脂成形
物からなる排出口が熱溶着と共に取り付けられ、上端シ
ール部2Aには薬剤容器(薬剤バイアル)5との接続口
4が取り付けられて製造される。
【0016】図1に示す如く、接続口4は、接続口パイ
プ4A、連通針4B及び止め部材4Cからなる。接続口
パイプ4Aは、先端を薄肉膜41で閉止したスリーブ部
分が形成され、その基端部分44が熱シールにより液密
に容器2に固着される。連通針4Bは棒状の中空部材で
あり、先端が上記接続口パイプ4A内に挿入され、基端
が容器本体2内に位置した状態で配される。連通針4B
の先端には接続口パイプ4Aの薄肉膜41を貫通しうる
刺針部45が形成されると共に、連通針4Bの中空部と
連通する流通口46、46が形成される。また連通針4
Bの基端には、容器本体2外から連通針4Bを移動操作
する際に指等のかかりを良くする肉厚フランジ部47が
形成される。
【0017】容器本体2には、排出口及び接続口4が熱
シールにより取り付けられた後、排出口から溶解液3が
充填され、ゴム栓で排出口を封止した後、高圧蒸気滅菌
される。尚、安全性が保証されれば、無菌充填でも良
い。溶解液3は輸液用の基本投与物であり、後述する薬
剤容器5内の薬剤6を溶解、希釈或は混合等するもので
ある。具体的には、アミノ酸液、グルコースが主体の高
カロリー輸液の基本液、生理食塩水、5%ブドウ糖液、
注射用蒸留水のほか、各種電解質を含む溶液等が用いら
れる。高圧蒸気滅菌処理は、局方の高圧蒸気滅菌方法に
基づいて行われる。
【0018】薬剤容器5は、ガラスバイアルである。但
し、本実施例のようにガラス製とする必要はなく、その
素材が低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及び
ポリプロピレン等を組成物とした樹脂成形物でも良い。
薬剤容器5に第二成分である薬剤6が凍結乾燥により、
無菌的に充填されて口部がゴム栓7で密栓されて無菌的
に維持される。本実施例では第二成分の薬剤6は粉末の
抗性物質である。しかし、本実施例にあっては、薬剤7
を粉末に限る必要はなく液剤であっても良い。また具体
的な液剤としては、アミノ酸の一種であるグルタミン酸
がある。特に、グルタミン酸水溶液を100℃に加熱す
ると一部ヒロリドン化し変質してしまうので、高圧蒸気
滅菌ができない。このように水溶液の状態で滅菌できな
い薬剤も対象となる。
【0019】本実施例に係るホルダー1は、収容部材1
1と蓋体12とからなり、収容部材11内には弾性部材
であるゴム緩衝部材13が配せられる。図2及び図4に
示す如く、収容部材11は樹脂成形物で、大径な薬剤バ
イアル5の収容部内に連通する小径な接続部15を有し
た筒部材である。収容部と接続部15との間の連通口1
4には緩衝部材13が配され、また接続部15は上述の
接続口パイプ4Aのスリーブ部分に液密に嵌着される。
緩衝部材13の中央部には連通路16が形成され、連通
路16は接続部15内と連通される。収容部材11内に
は、口部を挿入端として薬剤バイアル5が挿入配置さ
れ、薬剤容器5の配置後、収容部材11の接合開口端に
蓋体12が係着により取り付けられる。
【0020】図3及び図4に示す如く、収容部材11の
接合端にはフランジ17が形成され、フランジ17の所
定の4カ所には、係合孔18、18、18、18が形成
される。一方、蓋体12はほぼキャップ状に形成され、
その接合端にはフランジ19が形成され、フランジ19
の所定の4カ所には、係合孔18に嵌合する突起部2
0、20、20、20が形成される。突起部20は首状
の付け根形成され、一旦、係合孔18に嵌合すると破壊
しない限り係脱不可となっている。また、蓋体12は、
薬剤容器5を介して緩衝部材13を押圧して収容部材1
1に係着され、緩衝部材13は圧縮されて連通口14の
周縁とゴム栓体7の外表面を弾性力で付勢している。こ
のため、接続部15内は、ゴム栓体7と緩衝部材13に
よって液密に維持される。そして、図1に示す如く、接
続部15の開口は、緩衝部材13と容器5のゴム栓体7
で覆われた状態となっている。収容部材11と蓋体12
の取り付け機構は、上記実施例に限ることはない。例え
ば、互いに螺合する雄螺子と雌捻子とを刻設した取り付
け構造であっても良い。但し、収容部材11及び蓋体1
2を透明な樹脂成形物とした場合は、薬剤6の混合状態
が十分に確認できるような簡単な係着機構であることが
望ましい。また、本実施例では、係合部を係合孔18と
したが、嵌合溝であっても良く、簡単に係着させて組み
立てることができる限り、本実施例に限ることはなく、
またその樹脂の射出成形上、好ましい係合部であれば問
題はない。
【0021】図2に示す如く、蓋体12は、キャップ状
でその側壁12Aがテーパに形成されている。蓋体12
は接合開口から奥に向かうに従って小径に形成され、側
壁5が薬剤バイアル5の底部の周縁に当接する。薬剤バ
イアル5の挿入方向に対する側壁のテーパ角度は2〜4
5度、好ましくは3〜30度である。かかる範囲内にあ
ると、側壁5面が折り曲がった状態で薬剤バイアル5に
当接することから、薬剤バイアル5の長さに多少のばら
つきがあっても底部を確実に当接押圧するとともに、係
合部の係合孔18と突起部20との係着組立が簡単にで
きる。従って、生産組立が更に向上することとなる。ま
た、蓋体12の外側には折り畳み式の吊り部22が形成
され、吊り部22には吊り孔23が設けられる。
【0022】蓋体12は、汎用なポリプロピレン系樹脂
成形物であり、ポリプロピレン系樹脂のメルトインデッ
クスは、1〜100g/10min、特に3〜50g/
10minであることが望ましい。かかる範囲内にあれ
ば、蓋体としての成形物の成形性が良く、成形物に支障
が生じない。また、当該樹脂の引張強さ(JISK67
58法:kgf/cm2)が400kgf/cm2以下、特に300kg
f/cm2以下の範囲にあることが望ましい。またその樹脂
は、引張破壊伸び(JISK6758法:%)が90〜
1000%、特に200〜900%の範囲であることが
望ましい。このような樹脂を蓋体12に用いると、蓋体
12の押圧面が緩衝部材13からの反力を曲げ変形によ
り吸収することができるため、薬剤容器5の寸法に微妙
な誤差を生じても、緩衝部材13に過大な押圧がかかっ
たり、或いは全く押圧力がかからなかったりすることは
ない。このため、蓋体12のポリエチレン系樹脂成形物
の引張強さが上記範囲を上回り、蓋体の押圧面に過大な
反力がかかると、組立作業上、蓋体12は収容部材11
に容易に取り付けることができず、また組立生産ライン
においても歩留まりを悪くする。また引張破壊伸びが上
記範囲を下回ると、曲げ変形状態での蓋体12の破損の
おそれが大きくなる。ポリプロピレン系樹脂は、ポリエ
チレン系樹脂を主体とし、その他のオレフィン類を含ん
だ組成でも良く、またブレンド物であっても良い。
【0023】収容部材11は、汎用樹脂の成形物でも良
いが、好ましくは上記蓋体12と同様な樹脂であること
が好ましい。また、蓋体12及び収容部材11は、透明
成形物であることが望ましい、ある程度の透明性を有す
れば、薬剤容器5内の薬剤6の混合状態を容易に知るこ
とができる。弾性緩衝部材13は、ゴム材からなる成形
物である。緩衝部材13の厚みはゴム材の弾性にもよる
が、好ましくは30mm以下、特に10mm以下3mm
以上であることが好ましい。本実施例ではゴム材を使用
しているが、弾性を有する部材であれば、かかる材に限
ることはなく、例えば熱可塑性エラストマー等であって
も良い。また、本実施例では、連通口14での弾性力を
高めるために緩衝部材13を使用したが、薬剤バイアル
5のゴム栓体7が十分な弾性力と機密性を有していれ
ば、緩衝部材13はなくても良い。
【0024】このように構成されたホルダー1にあって
は、弾性緩衝部材13が収容部材11内の連通口14に
配され、次に薬剤バイアル5が配される。そして、蓋体
12で薬剤バイアル5の底部が押圧され、蓋体12の突
起部20が収容部材11の係合孔18に押し込まれ、突
起部20の首部が係合孔18の周縁に係止される。これ
により、蓋体12は緩衝部材13を押圧した状態で収容
部材11に取り付けられる。この場合、緩衝部材13の
弾性力により、接続部15の内壁と緩衝部材13の外壁
との間が隙間無く密封され、ゴム栓体7と緩衝部材13
の外壁との間が隙間無く密封される。そして、連通針4
Bが移動する緩衝部材13の連通路16内は、密封され
た状態に維持されるため、長期間無菌的に維持すること
が可能となる。また、収容部材11の全体を滅菌する必
要がなく、接続部15内の滅菌に限られるため、γ線、
電子線等の照射滅菌、過酸化水素水による化学滅菌等の
多様な滅菌処理が何等問題なくすることができる。
【0025】また、ホルダー1の収容部材11と蓋体1
2が係合孔18及び突起部20の係着により取り付けら
れると、収容部材11及び蓋体12は複雑な形状が要求
されないため、全体を透明材で成形すれば、薬剤バイア
ル5内の薬剤6の混合状態が容易に確認できる。更に、
蓋体12の成形樹脂に上記特性を有するものを使用すれ
ば、通常、寸法等にかなりな誤差を生じる薬剤バイアル
5に適用する場合でも、接続部15内の長期間の無菌的
維持が全てのロットに維持され、その一方、生産組立ラ
インにおける取り付け失敗等による歩留まりの減少がみ
られない。また、側壁12Aをテーパ状に形成したこと
により、良品の生産組立が更に良くなり、寸法調整も容
易にできる。
【0026】尚、医療用容器2を使用する際には、先
ず、容器2の外側から連通針4Bを操作し、図5に示す
如くスリーブ部分の薄肉膜41及びゴム栓7に突き刺し
て、連通針4Bの中空部及び流通口46を介して容器2
と、薬剤バイアル5とを連通する。これにより、溶解液
3がポンピング等により一部薬剤バイアル5側に流入さ
れ薬剤6と混合する。完全に混合後、容器2に戻し、排
出口に連通針等を刺針して患者に混合薬剤を投与する。
【0027】・性能評価 上記実施例において、容器2に溶解液の代わりに、以下
の2種類の培地A、Bを充填して、かかる容器2を高圧
蒸気滅菌すると共に、薬剤バイアル5を空にして内部を
滅菌した後、容器2と薬剤バイアル5と過酸化水素水に
より滅菌して接続した。そしてかかる医療用容器2を1
00個製造した。尚、ホルダー1の組立に際しては組立
不良を全く起こさなかった。医療用容器2と薬剤バイア
ル5を連通し一旦、薬剤バイアル5側に入れて、これを
戻した後、1週間、医療用容器2及びホルダー1の全体
を培地にドブ付けして、その後、一ヶ月間観察した。1
00個の全てに、菌は繁殖しなかった。 A培地:チオグリコール酸培地II(32℃、7日間培
養) B培地:ブドウ糖・ペプトン培地(24℃、7日間培
養) 尚、上記実施例では、側壁12Aをテーパ状としたが、
上記作用効果を生じる限り側壁12Aにテーパ状に形成
される突起リブを設けても良い。
【0028】図6は、本発明に係る医療用容器に接続さ
れる薬剤容器のホルダーの第二実施例を示す図である。
図6に示すホルダー51は、第一実施例のホルダーほぼ
同様な構成になっており、同様な部分、又は部材につい
ては図1と同一の符号を付してその詳しい説明を省略す
るが、第一実施例のホルダー1と異なる点は以下の点で
ある。ホルダー51の蓋体53は、第一実施例の蓋体1
2と同様な樹脂による成形物であるが、側壁12Aがテ
ーパ状になっておらず、蓋体54の底面に突起リブ54
を有している。突起リブ54は、薬剤容器5の寸法に応
じて所定の高さに形成される。突起リブ54は、少なく
とも0.5mm以上、特に0.5〜10mmの範囲にあ
ることが望ましい。突起リブ54は薬剤容器5の寸法調
整になると共に、ある程度、押圧面に局部的な反力をか
けるため押圧面を容易に歪め、またそれ自身が多少の屈
曲を生じるので、薬剤容器5の寸法に微妙な誤差を生じ
ても、緩衝部材13に過大な押圧がかかったり、或いは
全く押圧力がかからなかったりすることを防止する。こ
のような構成においても、実施例1とほぼ同様な効果を
奏する。
【0029】上記各実施例では、医療用容器の接続口4
の構造を容器本体内に連通針を備えるものとしたが、接
続口4はこれに限る必要はなく、接続口がホルダー1、
51の接続部と無菌的に接続されるものである限り、本
発明に係るホルダーに適用することができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明の医療用容器
に接続されるホルダーは、上記薬剤容器を収容する収容
部内に連通して、内部が無菌的に維持される上記接続部
を有した収容部材と、上記収容部材に取り付けられ、上
記収容部と接続部との連通口を上記薬剤容器の口部用弾
性栓体で、或いは弾性部材を介して覆っている該薬剤容
器を該栓体或いは弾性部材に向けて押圧する蓋体とから
なり、上記蓋体は、ポリプロピレン系樹脂成形物からな
り、該樹脂のメルトインデックスが1〜100g/10
minであるので、接続部での滅菌が多様且つ簡単にで
き、また接続部の長期間の無菌的維持ができると共に、
組立が簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るホルダーの第一実施例の半断面図
である。
【図2】第一実施例の分解側面図である。
【図3】第一実施例のホルダーにおける蓋体の接合面の
平面図である。
【図4】第一実施例のホルダーにおける収容部材の接合
面の平面図である。
【図5】第一実施例における医療用容器の使用中の要部
の半断面図である。
【図6】本発明に係るホルダーの第二実施例の半断面図
である。
【図7】従来のホルダーの断面図である。
【符号の説明】
1 ホルダー 2 医療用容器 2A 上端シール部 3 溶解液(投与剤) 4 接続口 5 薬剤バイアル 6 薬剤 7 ゴム栓体 11 収容部材 12 蓋体 12A テーパ状側壁 13 弾性緩衝部材 14 連通口 15 接続部 16 連通路 17 接合面フランジ 18 係合孔 20 突起部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医療用容器に接続される接続部を有し、
    且つ該医療容器内と連通接続される薬剤容器を保持する
    ホルダーにおいて、 上記薬剤容器を収容する収容部内に連通して、内部が無
    菌的に維持される上記接続部を有した収容部材と、 上記収容部と接続部との連通口を上記薬剤容器の口部用
    弾性栓体で、或いは弾性部材を介して覆っている該薬剤
    容器を該栓体或いは弾性部材に向けて押圧して、上記収
    容部材に取り付けられる蓋体とからなり、 上記蓋体は、ポリプロピレン系樹脂成形物からなり、該
    樹脂のメルトインデックスが1〜100g/10min
    であることを特徴とする薬剤容器のホルダー。
  2. 【請求項2】 上記収容部材と蓋体とには互いに係合す
    る係合部が形成され、該係合部の係合により上記蓋体が
    上記薬剤容器を押圧して上記収容部材に係着して取り付
    けられることを特徴とする請求項1記載のホルダー。
  3. 【請求項3】 上記収容部材及び蓋体は、上記薬剤容器
    内の薬剤の認識可能な透明樹脂成形物であることを特徴
    とする請求項2記載のホルダー。
  4. 【請求項4】 上記蓋体のポリプロピレン系樹脂は、引
    張強さ(JISK6758法:kgf/cm2)が400kgf/c
    m2以下、引張破壊伸び(JISK6758法:%)が9
    0〜1000%の範囲であることを特徴とする請求項1
    〜3の何れかに記載のホルダー。
  5. 【請求項5】 上記蓋体の側壁がテーパ形成され、上記
    薬剤容器の底部の周縁が該テーパ側壁と当接して押圧さ
    れた状態で配されていることを特徴とする請求項1〜4
    の何れかに記載のホルダー。
  6. 【請求項6】 上記蓋体の側壁にはテーパ状の突起リブ
    が形成され、上記薬剤容器の底部の周縁が該突起リブと
    当接して押圧された状態で配されていることを特徴とす
    る請求項1〜4の何れかに記載のホルダー。
  7. 【請求項7】 上記薬剤容器を押圧する押圧面には突起
    リブが形成されることを特徴とする請求項1〜4の何れ
    かに記載のホルダー。
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