JPH09287465A - 過給エンジン搭載車両 - Google Patents

過給エンジン搭載車両

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JPH09287465A
JPH09287465A JP9723196A JP9723196A JPH09287465A JP H09287465 A JPH09287465 A JP H09287465A JP 9723196 A JP9723196 A JP 9723196A JP 9723196 A JP9723196 A JP 9723196A JP H09287465 A JPH09287465 A JP H09287465A
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JP
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engine
cylinder
air
fuel
carburetor
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JP9723196A
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Atsushi Tagami
淳 田上
Masahisa Kuranishi
雅久 倉西
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/16Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/02Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving cycles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62KCYCLES; CYCLE FRAMES; CYCLE STEERING DEVICES; RIDER-OPERATED TERMINAL CONTROLS SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES; CYCLE AXLE SUSPENSIONS; CYCLE SIDE-CARS, FORECARS, OR THE LIKE
    • B62K2202/00Motorised scooters
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
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    • F02F1/24Cylinder heads
    • F02F2001/244Arrangement of valve stems in cylinder heads
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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料を円滑に供給可能にし、排気ガスのHCを
軽減するとともに、エンジン性能への悪影響を回避でき
る。 【解決手段】シリンダCを前傾して配置し、過給装置5
0により加圧した新気を加圧吸気通路53、55、吸気
弁を経て燃焼室65に導く過給エンジン搭載車両におい
て、シリンダCの上方位置に燃料供給装置Nを配置して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は、過給装置を備える過給エンジ
ン搭載車両に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジン出力の向上を図る目的か
ら、例えばクランク室内に吸入された空気をコンロッド
の揺動により圧縮して燃焼室に供給するようにしたコン
ロッド過給機構を備えた過給装置が提案されている(例
えば、特開平6−93869号公報参照)。このコンロ
ッド過給機構やピストンの往復動によりクランク室内に
吸入された空気を圧縮するピストン過給機構を備える過
給装置はクランク室過給装置といわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような過給装置を
備えたエンジンを車両に搭載する場合、シリンダを前傾
して配置したエンジンでは、特に燃料供給装置から供給
される燃料を円滑に供給するように配慮する必要があ
る。例えば、燃料供給装置からの供給管内に燃料が付着
し、この燃料が固まりとなって燃焼室に供給されると不
完全燃焼の原因となり、排気ガスのHCが増加する等の
問題があり、場合によってはエンジン性能に悪影響を与
えるという懸念もある。
【0004】この発明は前記実情に鑑みてなされたもの
で、燃料を円滑に供給可能にし、排気ガスのHCを軽減
するとともに、エンジン性能への悪影響を回避できる過
給エンジン搭載車両を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、請求項1記載の発明は、シリン
ダを前傾して配置し、過給装置により加圧した新気を加
圧吸気通路、吸気弁を経て燃焼室に導く過給エンジン搭
載車両において、前記シリンダの上方位置に燃料供給装
置を配置したことを特徴としている。
【0006】燃料供給装置から供給される燃料が供給管
内に付着して固まりとなって燃焼室に供給されることが
防止され、燃料を円滑に供給可能になり、排気ガスのH
Cを軽減するとともに、エンジン性能への悪影響を回避
することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明の過給エンジン搭
載車両を図面に基づいて説明する。
【0008】まず、過給エンジン搭載車両が採用される
スクータ型自動二輪車について説明する。図1はスクー
タ型自動二輪車の概略構成図である。図において、1は
この発明が採用されたスクータ型自動二輪車であり、こ
れの車体フレーム2はアンダーボーン型のもので、ヘッ
ドパイプ2aに側面視略L字状のメインフレーム2bの
上端を接続し、メインフレーム2bの下端に左右一対の
サイドフレーム2cの前端を接続し、両サイドフレーム
2cを上方に立ち上げ、さらに後方に延長した構造にな
っている。また、ヘッドパイプ2aには、下端で前輪3
を軸支する前フォーク4が左右に操向自在に軸支されて
おり、前フォーク4の上端には操向ハンドル5が固定さ
れている。
【0009】操向ハンドル5の周囲はハンドルカバー6
で、ヘッドパイプ2aの周囲は前カバー7aと後カバー
7bとの2分割構造のフロントカバー7でそれぞれ覆わ
れている。また、メインフレーム2bとサイドフレーム
2cとの接続部には足載部を構成するフートボード8が
配設されており、サイドフレーム2cの左右側方にはサ
イドカバー9が配設されている。このサイドカバー9の
上部にシート10が配置されている。
【0010】左右サイドフレーム2cの上方屈曲部下方
付近にユニットスイング式エンジンユニット11が搭載
されている。このエンジンユニット11は、左右方向水
平に配置されるピボット軸32a(図5、図7等参照)
まわりに揺動可能に懸架支持され、略水平前方に延びる
エンジン本体12と、エンジン本体12の左側部に後方
に延びるよう一体に接続形成された後輪伝動装置13と
からなり、後輪伝動装置13の後端部には後輪14が軸
支されている。また、後輪伝動装置13の後端部はリヤ
サスペンション15を介してサイドフレーム2cに支持
されている。
【0011】ここで記すエンジン前傾とは、エンジン本
体12がピボット軸32aより前方にある場合であり、
エンジン本体12がクランク軸64を通る鉛直面より前
方に延びていることをいう。ここで、図4のエンジン塔
載状態を示す要部外観図において、エンジン前傾の別の
実施例を示す。エンジン本体12のシリンダ軸が、鉛直
方向より前方に傾斜している。図中番号で示す部品の詳
細は下記する。スイング式エンジンユニット11はピボ
ット軸32aまわりに回動可能とされている。
【0012】次に、ユニットスイング式エンジンユニッ
ト11の後輪駆動系について説明する。図2はエンジン
の回転方向と同じ方向に後輪が回転する後輪駆動系の断
面図である。ユニットスイング式エンジンユニット11
の後輪伝動装置13は、エンジン本体12の一側部から
後方に延びている。後輪伝動装置13の伝動ケース20
内に収容される動力伝達機構21は、Vベルト自動変速
装置22と、遠心クラッチ23と、出力軸26及び歯車
列24からなっている。
【0013】Vベルト自動変速装置22は、入力軸22
a、前側シーブ22b、Vベルト22c、後側シーブ2
2d及び出力軸22e等から構成される。エンジン本体
12からの動力は、入力軸22aに伝達され、さらに前
側シーブ22bからVベルト22cを介して後側シーブ
22dにより自動変速され、出力軸22eから遠心クラ
ッチ23へ伝達される。
【0014】遠心クラッチ23は、インナハウジング2
3a、アウタハウジング23b及び遠心カム23c等か
ら構成される。Vベルト自動変速装置22の出力軸22
eからの動力は、インナハウジング23aに伝達され、
遠心力で外方へ開く遠心カム23cからアウタハウジン
グ23bへ伝達され、さらに出力軸26に伝達される。
【0015】歯車列24は、第1歯車24a、第2歯車
24b、第3歯車24c及び第4歯車24d等から構成
される。出力軸26に設けられた第1歯車24aから第
2歯車24b、第3歯車24c、第4歯車24dにより
減速されて後車軸25に伝達され、この歯車列24によ
ってエンジンの回転方向と同じ方向に後輪14が回転す
るようになっている。すなわち、車体が前進する時の後
輪14の回転方向とエンジン回転方向が一致する。後車
軸25は、出力軸26と同軸上において離間している。
【0016】図3はエンジンの回転方向と同じ方向に後
輪が回転する後輪駆動系の他の実施例の断面図である。
ユニットスイング式エンジンユニット11の後輪伝動装
置13は、前記実施例と同様に後輪伝動装置13の伝動
ケース20内に収容される動力伝達機構21は、Vベル
ト自動変速装置22と、遠心クラッチ23と、出力軸2
6及び歯車列24からなっているが、遠心クラッチ23
と歯車列24の構成が異なっている。
【0017】遠心クラッチ23は、インナハウジング2
3f、アウタハウジング23g、摩擦板23h,23i
及び遠心コロ23j等から構成される。Vベルト自動変
速装置22からの動力は、遠心クラッチ23のアウタハ
ウジング23gに伝達され、遠心力で遠心コロ23jが
外方へ移動することで、インナハウジング23f及びア
ウタハウジング23gにW軸方向へのみ移動可能に係合
されて摩擦板23h,23iが係合してインナハウジン
グ23fへ動力が伝達され、さらに出力軸26に伝達さ
れる。
【0018】歯車列24は、第1歯車24f、第2歯車
24g、第3歯車24h及び第4歯車24i等から構成
される。出力軸26に設けられた第1歯車24fから第
2歯車24g、第3歯車24h、第4歯車24iにより
減速されて後車軸25に伝達され、この歯車列24によ
ってエンジンの回転方向と同じ方向に後輪14が回転す
るようになっている。後車軸25は、出力軸26より後
方に位置している。
【0019】次に、第1の実施例のユニットスイング式
エンジンユニット11の概略構成について説明する。ま
ず、図5及び図6は空冷式4サイクルの過給エンジンを
搭載したユニットスイング式エンジンユニットの第1の
実施例であり、図5はユニットスイング式エンジンユニ
ットの側面図、図6はユニットスイング式エンジンユニ
ットの平面図である。
【0020】左右サイドフレーム2cの上方屈曲部下方
付近にユニットスイング式エンジンユニット11が搭載
されている。このエンジンユニット11は、後輪伝動装
置13の伝動ケース20の前側に設けられたブラケット
30と、サイドフレーム2cのブラケット31とがリン
ク32を介して支持され、伝動ケース20の後側に設け
られたブラケット33と、サイドフレーム2cのブラケ
ット34とがリヤサスペンション15を介して支持さ
れ、エンジンユニット11はリンク32とブラケット3
1との間のピボット軸32aの回りに回動可能になって
いる。また、ブラケット31とリンク32との間には不
図示の弾性ブッシュが介装され、弾性ブッシュによりリ
ンク32が支持軸32bまわりで大きく回動変位しない
ように保持されている。
【0021】また、後輪伝動装置13の上方への揺動を
規制するストッパ35が設けられている。これにより、
エンジンユニット11に回動自在に支持されるスタンド
11aを立てて転倒を防ぎつつ車体を保持する時、エン
ジンユニット11が突き上げられ、リンク32が上方に
回動するが、リンク32の一部がストッパ35に当接
し、エンジン本体12の他の部品の干渉を防止する。
【0022】エンジン本体12は強制空冷式4サイクル
単気筒型のものであり、これはクランクケース40にシ
リンダブロック41及びシリンダヘッド42を接続した
構造である。シリンダブロック41のシリンダボア60
内にピストン61を摺動自在に挿入配置するとともに、
ピストン61をコンロッド62でクランク室63に配置
されるクランク軸64に連結している。
【0023】エンジン本体12には冷却空気を供給する
強制冷却ファン43が装着され、またシリンダブロック
41には放熱面積を増大するための冷却フィン44が設
けられている。なお、シリンダヘッド42にも図示はし
ていないが冷却フィンがある。シート10の下方のサイ
ドカバー9には、前側空気取入口45が設けられ、この
前側空気取入口45はスリット45aとルーバ45bか
ら構成され、走行風が前側からエンジン本体12方向へ
導かれる。また、フートボード8の下方の下カバー46
には、下側空気取入口47が設けられ、この下側空気取
入口47はスリット47aとルーバ47bから構成さ
れ、走行風が下側からエンジン本体12方向へ導かれ
る。
【0024】エンジン本体12は、コンロッド過給式の
過給装置50を備えている。エアクリーナ51でろ過さ
れた空気が吸入管52を介してクランクケース40下側
のクランク室吸入口40aからクランク室 63に吸入
される。エンジン本体12内のコンロッド過給機構で加
圧された空気は、クランクケース40上側のクランク室
吐出口40bから加圧吸気路を構成する加圧吸気管53
を介して燃料供給装置Nを構成するキャブレタ54に送
られる。キャブレタ54は加圧吸気管55を介して燃料
がシリンダヘッド42上側の吸入口42aから燃焼室6
5に供給される。図中407はキャブレタ54を制御す
るスロットルケ−ブルであるエンジンユニット11は走
行中変位するので、車体に固定されるエアクリーナ51
とエンジン本体12との間の吸入管52は一部あるいは
全ての部分に撓み可能部を配置している。また、キャブ
レタ54はシリンダブロック41あるいはシリンダヘッ
ド42に不図示の振動減衰用のゴムマウントを介して固
定されている。このため同様に加圧吸気管53、55の
一部あるいは全ての部分に撓み可能部を配置している。
そして、エンジンユニット11は走行中の変位に伴い、
キャブレタ54、加圧吸気管53、55及び下記する排
気管56がエンジン本体12と略一体となって変位す
る。
【0025】シリンダヘッド42下側の排気出口42b
には、排気管56が接続され、排気管56はエンジンユ
ニット11の右側側方を後方に向かって延び、その後端
部にはマフラ57が接続されている。
【0026】また、エンジン本体12には、潤滑装置4
60が備えられ、この潤滑装置460は、2サイクル潤
滑油を吸引加圧し、この加圧された潤滑油はクランク軸
64回りの各軸受、シリンダブロック41のピストン摺
動部等に供給される。シリンダヘッド42内の動弁系に
は不図示の潤滑装置により4サイクルオイルが循環供給
される。なお、潤滑については図15の説明において詳
説する。
【0027】また、燃料供給装置Nを構成するキャブレ
タ54が、シリンダの上方位置に配置され、キャブレタ
54から供給される燃料が加圧吸気管55内に付着して
固まりとなって燃焼室65へ供給されることが防止さ
れ、燃料を円滑に供給可能になり、排気ガスのHCを軽
減するとともに、エンジン性能への悪影響を回避するこ
とができる。なお、この実施例においては特許請求の範
囲に記載の構成以外にも、多くの独自の構成により多く
の作用効果を奏する。以下にこれらの特徴を記載する。
【0028】第1に、エアクリーナ51は、サイドカバ
ー9の前側空気取入口45の後方位置に配置され、吸入
管52は、シリンダヘッド42及びシリンダブロック4
1の左側に沿ってクランクケース40の下側に接続さ
れ、クランク室63に下側から吸入される。エアクリー
ナ51は、図5に示すようにクランク室63より車体前
側で、かつ図6に示すように後輪伝動装置13側に配置
され、冷たい新気を吸入できるので充填効率が向上し、
エンジン性能が向上する。また、走行風がエアクリーナ
51により邪魔されることがなく、走行風の冷たい空気
が、クランクケース40内において加圧され昇温した新
気が通る加圧吸気管53、キャブレタ54及び加圧吸気
管55に当たるため、冷却性がよく、充填効率の上昇に
よりエンジン性能及び耐久性が向上する。また、排気管
56及びジェネレータ250の冷却性も増し、耐久性が
向上する。
【0029】第2に、エンジン本体12は、車体への支
持部であるブラケット31より前方にあり、このためシ
リンダCが前傾とされる。そして、クランク軸64が水
平に配置され、クランク室吸入口40aがクランク軸6
4より下側に配置され、クランク室吐出口40bはクラ
ンク軸64より上側に配置されている。このため、ピス
トン61摺動部やクランク軸64まわりへ供給する潤滑
オイルが燃焼室65に入り難く、クランクケース40内
に滞留し、ピストン61摺動部、コンロッド62の大小
端の軸受及びクランク軸64まわりの潤滑必要部の潤滑
に寄与するので、その分潤滑オイルの供給を減らすこと
ができ、潤滑オイルの消費が軽減される。
【0030】また、第3に、キャブレタ54はエンジン
軸線L1より上方位置に配置され、キャブレタ54が車
体フレーム2側に位置しており、キャブレタ54が走行
時の石打によって損傷することが防止される。
【0031】また、第4に、クランク室63と、加圧吸
気管53と、キャブレタ54が車体上面視で同一ライン
上に配列されており、クランク室63での加圧後の吸気
通路の曲がりが少なく、流路抵抗を低減でき充填効率が
向上し、エンジン性能が向上する。
【0032】さらに、第5に、図5に示すように、エン
ジン軸線L1から視てクランク室吐出口40bと、シリ
ンダヘッド42の吸気側が同じになっており、加圧吸気
管53が短縮でき、流路抵抗を低減でき充填効率が向上
し、エンジン性能が向上する。
【0033】また、第6に、エンジン本体12には、エ
ンジン下側に排気出口42bが設けられており、排気管
56が走行風等の外気に触れ易い位置であり冷却性がよ
く、熱影響が軽減されて排気管56の耐久性が向上し、
しかも排気圧力が低下して排気効率が向上し、エンジン
性能が向上する。また、重量物の排気管56が車体の低
位置にあり走行安定性がよい。さらに、排気管56は、
燃料の水分や燃焼による水分により腐食し易いが、排気
管が車体の外側にあり交換作業が簡単である。
【0034】図7及び図8は水冷一部空冷式4サイクル
の過給エンジンを搭載したユニットスイング式エンジン
ユニットの第2の実施例であり、図7はユニットスイン
グ式エンジンユニットの側面図、図8はユニットスイン
グ式エンジンユニットの平面図である。この実施例のエ
ンジンユニット11は、図5及び図6の空冷式に代えて
水冷式とした以外は、同様に構成されるため、同じ符号
を付して説明を省略する。
【0035】サイドカバー9の前側空気取入口45の後
方位置には、ラジエータ70がエアクリーナ51と並列
に配置されている。ラジエータ70には、エンジン本体
12を冷却した冷却水が戻し配管71を介して戻され、
ラジエータ70で冷却されて再び送り配管72を介して
エンジン本体12に送られ、冷却水をエンジン本体12
シリンダヘッド42内の不図示の冷却水ジャケットへ循
環させて冷却する。シリンダ41の外周には空冷フィン
をつけており、空冷としている。なお、この実施例にお
いても特許請求の範囲に記載の構成以外にも、第1の実
施例の説明において第1から第6として記載した多くの
特徴を有する。
【0036】なお、第1の特徴に関連しては、エアクリ
ーナ51を、図8に示すようにエンジン本体12の左側
で、かつ後輪伝動装置13の前側に配置することがで
き、この場合は、走行風がエアクリーナ51により邪魔
されることがなく、ラジエータ70との間を通過、走行
風の冷たい空気が、加圧吸気管53、キャブレタ54及
び加圧吸気管55に当たるため、冷却性がよく、エンジ
ン性能及び耐久性が向上する。なお、排気管56及びジ
ェネレータ250等はラジエータ70を通過した走行風
が当たり冷却する。
【0037】図9及び図10は空冷式4サイクルの過給
エンジンを搭載したユニットスイング式エンジンユニッ
トの第3の実施例であり、図9はユニットスイング式エ
ンジンユニットの側面図、図10はユニットスイング式
エンジンユニットの平面図である。この実施例のエンジ
ンユニット11は、図5及び図6の空冷式と同様に構成
されるため、同じ符号を付して説明を省略するが、エア
クリーナ51の配置位置が相違している。
【0038】エアクリーナ51は、クランク軸64より
車体後方で、かつ後輪伝動装置13の上方位置に配置
し、後輪伝動装置13の上方の空間を利用して配置され
る。吸入管52は後輪伝動装置13の伝動ケース20を
上方から下方に貫通し、この貫通位置はVベルト22c
より車体内側の空間を利用している。なお、この実施例
においても特許請求の範囲に記載の構成以外にも、第1
の実施例の説明において記載した第1から第6として記
載した多くの特徴を有する。特にエアクリーナ51がエ
ンジン本体12前上方に配置されていないので、加圧吸
気管53、55等の冷却はより確実になされエンジン性
能を向上できる。
【0039】図11及び図12は水冷一部空冷式4サイ
クルの過給エンジンを搭載したユニットスイング式エン
ジンユニットの第4の実施例であり、図11はユニット
スイング式エンジンユニットの側面図、図12はユニッ
トスイング式エンジンユニットの平面図である。この実
施例のエンジンユニット11は、図7及び図8の水冷式
と同様に構成されるため、同じ符号を付して説明を省略
するが、エアクリーナ51の配置位置が相違している。
【0040】エアクリーナ51は、クランク軸64より
車体後方で、かつ後輪伝動装置13の上方位置に配置
し、後輪伝動装置13の上方の空間を利用して配置され
る。吸入管52は後輪伝動装置13の伝動ケース20を
上方から下方に貫通し、この貫通位置はVベルト22c
より車体内側の空間を利用している。ここで、エアクリ
ーナ51は伝動ケース20のブラケット20aに固定さ
れ、エンジンユニット11の揺動時一体的に揺動する。
【0041】なお、この実施例においても特許請求の範
囲に記載の構成以外にも、第1の実施例の説明において
第1から第6として記載した多くの特徴を有する。特に
排気管56及びジェネレータ250等がラジエータ70
を通過した走行風で冷却できる点は、第2の実施例と同
じである。なお、ラジエータ70の位置を第lの実施例
で示したエアクリーナ51の位置に配置する場合には、
排気管56及びジェネレータ250等をより冷たい走行
風で冷却することができ、性能あるいは耐久性を向上す
ることができる。
【0042】図13及び図14は空冷式4サイクルの過
給エンジンを搭載したユニットスイング式エンジンユニ
ットの第5の実施例であり、図13はユニットスイング
式エンジンユニットの側面図、図14はユニットスイン
グ式エンジンユニットの平面図である。この実施例のエ
ンジンユニット11は、図9及び図10の空冷式と同様
に構成されるため、同じ符号を付して説明を省略する
が、エアクリーナ51の配置位置が相違している。
【0043】エアクリーナ51は、クランク軸64より
車体後方で、かつ後輪伝動装置13の上方位置に配置
し、エアクリーナ51に連結される吸入管52は扁平状
にしてクランクケース40の上方後部に連結されてい
る。クランクケース40内のカムチエーン48の後方か
つクランク室63の側方には上下方向に貫通する吸入路
40gが形成され、下記する吸入通路135に開口して
いる。エアクリーナ51は、後輪伝動装置13の上方の
空間を利用して配置され、伝動ケース20のブラケット
20aに固定されている。
【0044】次に、前記各実施例に適用される過給エン
ジンを、図15乃至図17に基づいて詳細に説明する。
図15は水冷式過給エンジンの断面図、図16は図15
のXVI-XVI線に沿う断面図(但し、冷却系については図
15のエンジンとは異なり空冷式過給エンジンとして図
示する)、図17は図15のXVII-XVII線に沿う断面図
である。
【0045】図において、100はクランク軸横置き4
サイクル単気筒クランク室過給式エンジンであり、この
エンジン100のクランクケース40の合面にはシリン
ダブロック41が接続されており、シリンダブロック4
1の合面にはシリンダヘッド42が接続されている。シ
リンダヘッド42の合面のシリンダボア60に対向する
部分には燃焼室65を構成する凹部42cが設けられ、
凹部42c内には点火プラグ200が挿入されている。
【0046】図l5の水冷式過給エンジンにおいてはシ
リンダブロック41とシリンダヘッド42の両方に冷却
水ジャケットを配置しているが、図l6の空冷式過給エ
ンジンにおいては、シリンダブロック41とシリンダヘ
ッド42の両方の外周にそれぞれ複数の空冷フィンカが
配置されている。なお、図7及び、図8、図11及び図
l2、図13及び図14の各実施例においてはシリンダ
ヘッド42は水冷、シリンダブロック41は空冷とする
水冷一部空冷式過給エンジンを搭載しているが、これら
の実施例において、シリンダヘッド42及びシリンダブ
ロック41を水冷とする水冷式過給エンジンを搭載させ
るようにしても良い。
【0047】シリンダヘッド42の凹部42cには吸気
ポート105、排気ポート106がそれぞれ開口してお
り、吸気ポート105はシリンダヘッド42の上壁側
に、排気ポート106は下壁側にそれぞれ導出されてい
る。また、吸気ポート105の燃焼室開口には吸気バル
ブ107が、排気ポート106の燃焼室開口には排気バ
ルブ108がそれぞれ各開口を開閉自在に配置されてお
り、吸気バルブ107及び排気バルブ108はバルブス
プリング109により閉方向に付勢されている。
【0048】シリンダヘッド42には吸気バルブ107
及び排気バルブ108を開閉駆動する動弁機構としての
カム軸110が紙面と直角方向に向けて配置されてい
る。カム軸110の一端はスプロケット201が設けら
れ、カムチエーン48を介してクランク軸64に結合さ
れた駆動スプロケット113に連結され、カム軸110
はクランク軸64の1/2の回転数に減速されている。
カム軸110の上下側にはこれと平行に延びる一対のロ
ッカシャフト111が配置されており、各ロッカシャフ
ト111にはロッカアーム112が揺動自在に装着され
ている。ロッカアーム112の一端部はカム軸110の
カムノーズに当接しており、他端部は吸気バルブ107
及び排気バルブ108の上端に当接している。
【0049】シリンダブロック41のシリンダボア60
内にはピストン61が摺動自在に挿入配置されている。
ピストン61を境として燃焼室65と反対側のシリンダ
ボア60及びクランクケース40によりクランク室63
が形成されている。ピストン61にはコンロッド62の
小端部62aがピストンピン66に軸受67を介して連
結されており、コンロッド62の大端部62bはクラン
ク軸64のクランクピン68に軸受69を介して連結さ
れている。
【0050】クランク軸64はクランク室63内に収容
されており、円板状の一対のクランクウェブ124同士
をクランクピン68で連結するとともに、各クランクウ
ェブ124にジャーナル部125を一体形成した構造と
なっており、ジャーナル部125はジャーナル軸受12
6を介してクランクケース40に支持されている。ま
た、ジャーナル部125はクランクケース40の外方に
突出しており、一方の突出部にはジェネレータ250が
装着されている。なお、クランク室63両側の127
a,127bはオイルシールである。
【0051】クランクケース40のクランク軸64と直
交する左右内側壁40cと、シリンダブロック41のク
ランクケース40への嵌合部41aの図示上下に形成さ
れた切欠き41bとは面一になっており、これらの左右
内側壁40c及び切欠き41bにはコンロッド62の左
右側面62cが微小な隙間を持って互いに相対したまま
移動可能とされるか、互いに接触して摺接しており、ま
たクランクケース40のクランク軸64を囲むように形
成された円弧状内周壁40dにはコンロッド62の大端
部62bの外周面が極めて微小な隙間を持って互いに相
対したまま移動可能とされるか、互いに接触して摺接し
ている。また、クランクケース40の左右内側壁40c
には各クランクウェブ124が挿入配置される円形凹部
40eが設けられており、円形凹部40eとクランクウ
ェブ124との間には僅かな隙間が設けられている。そ
して、クランクウェブ124のコンロッド側側壁124
aとコンロッド62の左右側面62cとも微小な隙間を
持って互いに相対したまま移動可能とされるか、互いに
接触して摺接している。左右の円形凹部40eのそれぞ
れの口元には、リング300がクランクケース40に固
定して配置されており、リング300がクランクウェブ
124の凸条の外周に接触して摺接あるいはほとんど0
の隙閲を持って互いに相対している。リング300はプ
ラスチック、ゴム、カーボン等の材料からなる。リング
300は若干内周を小さく製作しておくことにより精度
不良があっても、クランクウェブl24の凸条の外周が
摺接する時磨耗あるいは変形して、クランクウェブl2
4の凸条の外周との隙間を0にすることが可能となる。
【0052】また、ピストン61のスカート部には略三
角形状の凹部61aが設けられており、この凹部61a
のスカート外周との対向部は切欠き61bとなってい
る。この凹部61a内にコンロッド62の小端部62a
が挿入配置されている。凹部61aの内周面にはコンロ
ッド62の小端部62aの外周面が、また凹部61aの
左右側面61cには左右側面62cがそれぞれ微小な隙
間を持って互いに相対したまま移動可能とされるか、互
いに接触して摺接している。
【0053】上述の構成によりクランク室63、クラン
クウェブ124及びピストン61で囲まれた部分がコン
ロッド収容室となっている。ピストン61が上死点付近
に位置する場合を除くクランク角度においてコンロッド
62は上下の内、少なくとも一方のクランクケース40
の左右内側壁40cあるいはシリンダブロック41の切
欠き41bに嵌り合うこととなり、コンロッド収容室は
コンロッド62によって吸入室Aと圧縮室Bとに区分け
されている。また、ピストン61が上死点に位置する時
コンロッド62と両左右内側壁40cとの嵌合はない
が、ピストン61のスカート端部がシリンダボア60の
端部とほとんど一致するのでコンロッド62による吸入
室Aと圧縮室Bとの区分けは維持される。このようにし
てピストン61が上死点に位置する状態からクランク軸
64が反時計方向に回転するに伴い、図16に示すよう
に、コンロッド62が図示一点鎖線位置、二点鎖線位
置、さらに実線位置に移動することにより吸入室Aの容
積が増大して空気が吸入されるとともに圧縮室Bの容積
が減少し前行程で吸入された空気が圧縮される容積型過
給機が構成されている。なお、係る構造は上述の特開平
6−93869号公報に詳細に記載されている。
【0054】クランクケース40の下面には吸入室Aに
連通し、かつ下方に開口する吸入通路135が一体形成
されている。この吸入通路135に連通するように前側
壁面にクランク室吸入口40aが形成されており、クラ
ンク室吸入口40aには吸入管52の下流端が接続さ
れ、上流端にはエアクリーナ51が接続されている。
【0055】クランクケース40の上面には圧縮室Bに
連通し、かつ上方に開口する加圧吸気通路138が一体
形成されており、加圧吸気通路138には、この通路1
38と圧縮室Bとを仕切る隔壁部139が一体形成され
ている。この隔壁部139には加圧吸気通路138と圧
縮室Bとを連通する弁開口140が形成されており、弁
開口140の開口面積は通気抵抗を十分に小さくできる
大きさに設定されている。
【0056】なお、加圧吸気通路138はシリンダスト
ローク容積より大きい所定の容積を持っており、クラン
ク軸64の回転毎に圧縮室Bから送られる加圧された新
気を貯え、クランク軸64の2回転毎に燃焼室65へ加
圧吸気を供給するための蓄圧室として機能する。
【0057】隔壁部139の外面には弁開口140を開
閉するリード弁142が配設されている。加圧吸気通路
138の上端開口はカバー板145により閉塞されてお
り、カバー板145と加圧吸気通路138とで蓄圧室が
構成されている。カバー板145には加圧吸気通路13
8に連通する加圧吸気管53の上流端が接続されてお
り、加圧吸気管53の下流端はシリンダヘッド42の吸
気ポート105に接続されている。
【0058】なお、リード弁l42に加え、クランク室
吸入口40aの吸入通路l35側にクランク室内方向ヘ
の新気の流れを許容し、逆流を阻止するリード弁をさら
に配置しても良い。なお、吸入通路l35側にリード弁
を配置する場合にはリード弁l42を廃止しても良い加
圧吸気通路138と吸入通路135とは、エンジン10
0外側に配置されるバイパスパイプ150を介して連通
されている。バイパスパイプ150はバイパス弁151
により開閉自在となっている。バイパス弁151はスロ
ットル301に連動して開閉され、例えばスロットル開
度が小さいときバイパスパイプ150を開いて加圧吸気
通路138内の圧力を下げる。
【0059】そして、加圧吸気管53の途中には、燃料
供給装置Nを構成するキャブレタ54が設けられてい
る。このキャブレタ54は、キャブボディ401に燃料
溜まり部としてのフロートチャンバ402をボルト締結
したものである。
【0060】キャブボディ401には有底円筒状の可変
ピストンバルブ405が軸方向に摺動自在に挿入されて
いる。ピストンバルブ405にはスロットルケーブル4
07の一端が接続されており、スロットルケーブル40
7の延長端はスロットル301に連結されている。スロ
ットル301の操作によりピストンバルブ405が上下
方向に移動してベンチュリ部403の通路面積を全閉か
ら全開の間で変化させるようになっている。ピストンバ
ルブ405の上下移動に伴ってニードル412が進退移
動し、ベンチュリ通路403内に吸引される燃料量を調
整するようになっている。
【0061】キャブボディ401には加圧パイプ426
の一端が接続されており、加圧パイプ426の他端はカ
バー板145を貫通して加圧吸気通路138内に連通接
続されている。これにより加圧吸気通路138内の過給
圧をフロートチャンバ402内の液面に付加するように
構成されている。
【0062】そして、加圧パイプ426の途中は、第
1,第2加圧通路426a,426bによって2経路に
分岐されている。この第1,第2加圧通路426a,4
26bには大径,小径の絞り孔を有する絞り部430
a,430bが形成されている。また、第1加圧通路4
26aの絞り部430aより上流側には第1加圧通路4
26aを開閉するソレノイドバルブ431が介設されて
おり、ソレノイドバルブ431はCPU432により閉
閉制御される。
【0063】CPU432は、エンジン回転数、スロッ
トル開度を読み込み、アイドリング時、低速回転域では
ソレノイドバルブ431を全閉に、中速〜高速回転域で
は全開に切り替え制御するように構成されている。従っ
て、過給圧は、アイドリング等の低吸入空気量運転域で
は小径の絞り孔430bで大きく減衰され、高速回転時
等の高吸入空気量運転域では大径の絞り孔430aで絞
り孔430bよりは小さく減衰される。
【0064】460は潤滑装置であり、これは第1潤滑
システム461と、これとは独立して設けられた第2潤
滑システム462とから構成されている。第1潤滑シス
テム461は、4サイクル用オイルが充填された第1貯
留タンク463に供給ポンプ464を介在させてオイル
供給管465を接続し、供給管465の供給口465a
をシリンダヘッド42の動弁機構を構成するカム軸11
0部分に接続して構成されている。また、カム軸110
部分を潤滑したオイルはカムチェーン45が収容された
チェーン室110b内に戻り、ここでカムチェーン4
8、駆動スプロケット113、及び被駆動スプロケット
201をそれぞれ潤滑し、この後回収管466を通って
第1貯留タンク463に回収されるようになっている。
【0065】第2潤滑システム462は、2サイクル用
オイルが充填された第2貯留タンク470に主供給管4
71、圧送ポンプ472を接続し、圧送ポンプ472に
第1及び第2副供給管473,474を接続し、第1副
供給管473をシリンダブロック41のピストン摺動部
に接続するとともに、第2副供給管474をクランク室
63のジャーナル軸受部(左右のジャ−ナル軸受12
6,126)に接続して構成されている。
【0066】圧送ポンプ472は、図示しないが、電磁
式オートルーブポンプのソレノイドを改良したもので、
プランジャのプッシュロッドにアーマチュアを固着し、
アーマチュアをソレノイドで吸引する方式のものであ
る。これにより圧送ポンプ472からの吐出圧力が増大
し、過給圧に打ち勝ってオイルを供給できるようになっ
ている。
【0067】第1副供給管473のオイル吐出口473
aはクランク軸64と直交方向にシリンダブロック41
のライナ部を貫通しており、下死点に位置するピストン
61の第2ピストンリング350よりクランク室側に位
置している。また、ピストン61の第2ピストンリング
350よりクランク室側の外面にはクランク軸方向に2
つのオイル溜め用の凹部475,476が平行に切り欠
いて形成されている。この凹部475は、ピストン61
の移動により吐出口473aに一致した時に吐出口47
3aから供給されて溜まったオイルにより、また凹部4
76は下記するようにして吐出口473aから供給され
て溜まったオイルにより、それぞれ吐出口473aがピ
ストン61で塞がった時点での潤滑を行い、その結果、
この吐出口473aがピストン61で塞がれることによ
って生じる潤滑上のトラブルを防止している。
【0068】また、コンロッド62の小端部62aの外
周面にはこれの周方向に延びるオイルガイド溝481が
形成されており、ピストン61にはこのガイド溝481
と下側の凹部476とを連通する連通孔477が形成さ
れている。また、小端部62aの連通孔477と反対側
にはピストンピン66、軸受67に連通する連通孔47
8が形成されている。これにより吐出口473aと下記
するオイル回収孔480から供給されるガイド溝481
内のオイルの一部が連通孔478から軸受67に供給さ
れ、残りの一部が連通孔477から小端部62aとピス
トン61との摺動面に供給され、さらに凹部476に供
給されるようになっている。
【0069】第2副供給管474のオイル吐出口474
aはクランクケース40を貫通して図17における右側
のジャーナル軸受126に達している。そして、この右
側のジャーナル軸受126に供給されたオイルは、クラ
ンクケース40の各内周壁40c,40d及び円形凹部
40eとクランク軸64との隙間及び各摺動面に供給さ
れる。
【0070】回収孔480が形成されており、さらにク
ランクケース40の下部に取付けられるカバー部136
には回収通路483が形成されている。回収通路483
には回収管484が接続されており、この回収管484
は第2貯留タンク470に接続されている。これにより
第1及び第2副供給管473,474から供給されたオ
イルは各摺動面を潤滑した後、吸入通路135内のカバ
ー部136上面に集まり、ここから回収される。 この
実施例では、エンジン100を横置きとし、過給圧の高
い圧縮室Bを上に向けて配置するとともに、空気をクラ
ンクケース40の下方から吸入する構成を採用してい
る。従って、重力と過給圧との相互作用によって潤滑オ
イルはクランクケース40の最下部に集まることとな
り、そのためオイルの回収が確実となり、再使用が可能
となったものである。クランクケース40内は図17左
側のオイルシール127bを境にして、クランク室63
側が2サイクルオイルで、チェーン室110b側が4サ
イクルオイルで潤滑される。
【0071】
【発明の効果】前記したように、請求項1記載の発明で
は、シリンダを前傾して配置し、エンジンにコンロッド
の揺動により吸気を圧縮する過給装置を備え、シリンダ
の上方位置に燃料供給装置を配置したから、燃料供給装
置から供給される燃料が加圧吸気管内に付着して固まり
となって燃焼室に供給されることが防止され、燃料を円
滑に供給可能になり、排気ガスのHCを軽減するととも
に、エンジン性能への悪影響を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクータ型自動二輪車の概略構成図である。
【図2】エンジンの回転方向と同じ方向に後輪が回転す
る後輪駆動系の断面図である。
【図3】エンジンの回転方向と同じ方向に後輪が回転す
る後輪駆動系の他の実施例の断面図である。
【図4】エンジン搭載状態を示す要部外観図である。
【図5】第1の実施例の空冷式4サイクルのユニットス
イング式エンジンユニットの側面図である。
【図6】第1の実施例の空冷式4サイクルのユニットス
イング式エンジンユニットの平面図である。
【図7】第2の実施例の水冷式4サイクルのユニットス
イング式エンジンユニットの側面図である。
【図8】第2の実施例の水冷式4サイクルのユニットス
イング式エンジンユニットの平面図である。
【図9】第3の実施例の空冷式4サイクルのユニットス
イング式エンジンユニットの側面図である。
【図10】第3の実施例の空冷式4サイクルのユニット
スイング式エンジンユニットの平面図である。
【図11】第4の実施例の水冷式4サイクルのユニット
スイング式エンジンユニットの側面図である。
【図12】第4の実施例の水冷式4サイクルのユニット
スイング式エンジンユニットの平面図である。
【図13】第5の実施例の空冷式4サイクルのユニット
スイング式エンジンユニットの他の実施例の側面図であ
る。
【図14】第5の実施例の空冷式4サイクルのユニット
スイング式エンジンユニットの平面図である。
【図15】過給エンジンの断面図である。
【図16】図15のXVI-XVI線に沿う断面図である。
【図17】図15のXVII-XVII線に沿う断面図である。
【符号の説明】
62 コンロッド 100 エンジン C シリンダ N燃料供給装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダを前傾して配置し、過給装置によ
    り加圧した新気を加圧吸気通路、吸気弁を経て燃焼室に
    導く過給エンジン搭載車両において、前記シリンダの上
    方位置に燃料供給装置を配置したことを特徴とする過給
    エンジン搭載車両。
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