JPH09286995A - ステンレス伸線用水性処理剤、及び、ステンレス伸線方法 - Google Patents

ステンレス伸線用水性処理剤、及び、ステンレス伸線方法

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JPH09286995A
JPH09286995A JP12237596A JP12237596A JPH09286995A JP H09286995 A JPH09286995 A JP H09286995A JP 12237596 A JP12237596 A JP 12237596A JP 12237596 A JP12237596 A JP 12237596A JP H09286995 A JPH09286995 A JP H09286995A
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JP
Japan
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stainless steel
wire drawing
film
stainless
lubricant
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Masahiro Jo
昌博 條
Masaki Hosomi
正樹 細見
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 迅速に均一な皮膜を形成することができるス
テンレス伸線用水性処理剤、及び、高速での伸線を長時
間にわたって連続的に実施することができるインライン
でのステンレス伸線方法を提供する。 【解決手段】 硫酸カリウム及びβ−ナフタレンスルホ
ン酸ナトリウムホルマリン縮合物を必須成分として含有
し、前記β−ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリ
ン縮合物の含有量が、前記硫酸カリウム100重量部に
対して0.02重量部以上であるステンレス伸線用水性
処理剤、並びに、ステンレスの表面に前記ステンレス伸
線用水性処理剤の皮膜を形成させる皮膜形成工程
(1)、皮膜を乾燥させる皮膜乾燥工程(2)、潤滑剤
を付着させる潤滑剤処理工程(3)、及び、引抜加工し
て細線とする伸線工程(4)、の各工程をこの順にイン
ラインで行うステンレス伸線方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引抜加工によりス
テンレスを細線形状に伸線する際に使用するステンレス
伸線用水性処理剤、及び、ステンレス伸線方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ステンレス細線は、精密機械用のバネ
材、調理用のザル等に広く使用されている。このような
ステンレス細線は、原料のステンレス線材を引抜加工し
て製造される。この引抜加工においては、まず、原料の
ステンレス線材を、充分な細さになるまで、一気に伸線
する中間引抜加工を施し、その後、所望の細線を得るた
めに仕上げ引抜加工が施される。
【0003】この際、特に、中間引抜加工においては、
ステンレスと引抜用ダイスとの間に生じる過大な摩擦や
磨耗の低減を図るために、ステンレスの表面に潤滑処理
が施される。このような潤滑処理としては、ステンレス
の表面に、潤滑剤が引抜用ダイスへ有効に引き込まれる
ように、潤滑剤のキャリアーとなる皮膜を設けた後、ア
ルカリ金属石けん等の潤滑剤を付着させる方法が一般的
である。
【0004】このような潤滑剤のキャリアーとなる皮膜
を形成するための処理剤としては、各種の組成物が開示
されている。例えば、特開昭52−114442号公報
には、アルカリ金属ホウ酸塩とアルカリ金属硫酸塩とを
含有する組成物が開示されている。
【0005】特公昭62−13399号公報には、熱可
塑型水溶性樹脂とメラミンシアヌル酸付加物とを含有す
る組成物が開示されている。
【0006】特開平2−229893号公報には、硫酸
カリウム及び硫酸ナトリウムからなる群より選択される
少なくとも1種とアルカリ金属石けんとを含有する組成
物、更には、これらとアルカリ金属ホウ酸塩とを含有す
る組成物が開示されている。
【0007】ところで、ステンレス伸線の生産効率を向
上させるためには、ステンレスの潤滑処理、及び、その
後の引抜加工を、インラインで連続的に実施することが
でき、更には、高速で長時間にわたり伸線できることが
求められる。
【0008】しかしながら、アルカリ金属ホウ酸塩とア
ルカリ金属硫酸塩とを含有する組成物は、皮膜の形成、
乾燥に長時間を要する。そのため、短時間で潤滑処理を
行う必要があるインライン工程では均一な皮膜を得るこ
とができず、高速で伸線することができない。
【0009】熱可塑型水溶性樹脂とメラミンシアヌル酸
付加物とを含有する組成物は、得られる皮膜の均一性に
劣り、また、高速で伸線を行った場合には、組成物中の
樹脂成分の飛散等により、短時間で皮膜乾燥用のエアノ
ズルが詰まってしまう。その結果、皮膜の乾燥が不充分
となり、潤滑効果が低下し、引抜用ダイスに焼付きが発
生するので、高速での伸線を連続して長時間行うことが
できない。
【0010】硫酸カリウム及び硫酸ナトリウムからなる
群より選択される少なくとも1種とアルカリ金属石けん
とを含有する組成物、更には、これらとアルカリ金属ホ
ウ酸塩とを含有する組成物は、皮膜の形成、乾燥に時間
がかかり、インライン処理では均一な皮膜を得ることが
できず、高速で伸線することができない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、迅速に均一な皮膜を形成することができるステンレ
ス伸線用水性処理剤、及び、高速での伸線を長時間にわ
たって連続的に実施することができるインラインでのス
テンレス伸線方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、ステン
レスを伸線して細線とする引抜加工をインラインで行う
ステンレス伸線方法に使用するステンレス伸線用水性処
理剤であって、硫酸カリウム及びβ−ナフタレンスルホ
ン酸ナトリウムホルマリン縮合物を必須成分として含有
し、前記β−ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリ
ン縮合物の含有量が、前記硫酸カリウム100重量部に
対して0.02重量部以上であるステンレス伸線用水性
処理剤そのものにある。
【0013】本発明の要旨は、また、ステンレスの表面
にステンレス伸線用水性処理剤の皮膜を形成させる皮膜
形成工程(1)、前記皮膜形成工程(1)で形成した皮
膜を乾燥させる皮膜乾燥工程(2)、前記皮膜乾燥工程
(2)で乾燥させた皮膜の上に潤滑性を付与するために
潤滑剤を付着させる潤滑剤処理工程(3)、及び、前記
潤滑剤処理工程(3)で潤滑剤を付着させたステンレス
を引抜加工して細線とする伸線工程(4)、の各工程を
この順にインラインで行うステンレス伸線方法におい
て、前記ステンレス伸線用水性処理剤が、硫酸カリウム
及びβ−ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮
合物を必須成分として含有し、前記β−ナフタレンスル
ホン酸ナトリウムホルマリン縮合物を、前記硫酸カリウ
ム100重量部に対して0.02重量部以上含有するも
のであるステンレス伸線方法にある。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0014】本発明のステンレス伸線用水性処理剤は、
硫酸カリウム(K2 SO4 )及びβ−ナフタレンスルホ
ン酸ナトリウムホルマリン縮合物を必須成分として含有
する。
【0015】上記硫酸カリウムは、処理対象であるステ
ンレスの表面を被覆し、処理されたステンレスを伸線す
る際に用いられる潤滑剤のキャリアーとなり、伸線工程
における潤滑剤のダイスへの引き込み性を向上させるこ
とができる。
【0016】上記硫酸カリウムは、硫酸ナトリウム等の
その他のアルカリ金属硫酸塩に比べて吸湿性が低いの
で、皮膜が吸湿することにより伸線工程が阻害されるお
それがない。
【0017】上記硫酸カリウムとしては、化学的に純粋
なものでもよく、また、工業的純度のものであってもよ
いが、コストの観点から、工業的純度のものが好まし
い。
【0018】上記β−ナフタレンスルホン酸ナトリウム
ホルマリン縮合物は、β−ナフタレンスルホン酸ナトリ
ウムとホルムアルデヒドとの縮合物であり、下記式
(1)で表される繰り返し単位からなるものである。
【0019】
【化1】
【0020】上記β−ナフタレンスルホン酸ナトリウム
ホルマリン縮合物は、アニオン系界面活性剤として作用
することができ、その結果、本発明のステンレス伸線用
水性処理剤の被処理表面へのヌレ性を向上させることが
できる。このため、本発明のステンレス伸線用水性処理
剤は、ステンレスの表面に均一に展開することができ、
乾燥後に形成される硫酸カリウムからなる被覆皮膜の均
一性を顕著に向上することができる。
【0021】上記β−ナフタレンスルホン酸ナトリウム
ホルマリン縮合物としては、上記式(1)で表される繰
り返し単位からなるものであれば特に限定されないが、
本発明においては、例えば、ラベリンFM−L(第一工
業製薬社製)等を好適に用いることができる。上記ラベ
リンFM−L(第一工業製薬社製)は、40重量%水溶
液の浮秤り法による比重が、25℃において、1.20
0であり、回転粘度計(BL型粘度計)による粘度が、
40℃において、10.3(mPa・s)を示し、ま
た、1.0重量%水溶液のトラウベ法による表面張力
は、70℃において、63.17dyne/cmを示
し、本発明に特に好適である。
【0022】本発明においては、上記β−ナフタレンス
ルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量は、硫酸
カリウム100重量部に対して、固形分換算で0.02
重量部以上である。0.02重量部未満であると、本発
明のステンレス伸線用水性処理剤のヌレ性が改善され
ず、均一な皮膜を形成することができないので、上記範
囲に限定される。好ましくは0.08〜4重量部であ
る。4重量部を超えても、経済的に不利になるだけで、
効果の増大を期待できない。
【0023】本発明のステンレス伸線用水性処理剤にお
いては、潤滑性向上のために、更に、四ホウ酸ナトリウ
ムを添加してもよい。上記四ホウ酸ナトリウムの添加量
は、硫酸カリウム100重量部に対して1〜15重量部
が好ましい。より好ましくは3〜10重量部である。
【0024】本発明のステンレス伸線用水性処理剤にお
いては、生成する皮膜の吸湿性を防止するために、更
に、ホウ酸を添加してもよい。上記ホウ酸の添加量は、
硫酸カリウム100重量部に対して2〜10重量部が好
ましい。
【0025】本発明のステンレス伸線用水性処理剤の製
造方法としては特に限定されず、例えば、硫酸カリウム
及びβ−ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮
合物を仕込み、更に所望により、四ホウ酸ナトリウム、
ホウ酸を仕込んだ後、ニーダー等により10分間程度混
合攪拌する方法等を採用することができる。
【0026】本発明においては、上で詳細に説明した上
記ステンレス伸線用水性処理剤を用いることにより、ス
テンレスをインラインで伸線することができる。上記伸
線の方法は、皮膜形成工程(1)、皮膜乾燥工程
(2)、潤滑剤処理工程(3)、及び、伸線工程
(4)、の各工程をこの順にインラインで行うことによ
り実施することができる。
【0027】即ち、本発明のステンレス伸線方法におい
ては、先ず、皮膜形成工程(1)として、ステンレスの
表面に、本発明のステンレス伸線用水性処理剤の皮膜を
形成させる。
【0028】この場合において、本発明のステンレス伸
線用水性処理剤は、水に溶解させて処理液となして使用
することが好ましい。上記処理液の濃度は、ステンレス
の表面にできるだけ厚い皮膜を形成させてより高い潤滑
効果を得るために、本発明の効果を損なわない範囲で、
できるだけ高くすることが求められる。このため、上記
処理液を調製し、ステンレスの表面に皮膜を形成させる
際の処理温度は、本発明のステンレス伸線用水性処理剤
の水に対する充分な溶解度を確保することが可能である
85〜90℃の高温が好ましい。上記処理温度範囲内と
することにより、上記処理液の濃度は、本発明のステン
レス伸線用水性処理剤の水に対する溶解度の最大値であ
る20重量%程度とすることができる。
【0029】上記処理液の濃度は、比重を測定すること
により簡便に知ることができ、皮膜形成工程(1)にお
ける処理液の濃度管理を容易に実施可能である。
【0030】上記処理液の調製方法としては特に限定さ
れず、例えば、本発明のステンレス伸線用水性処理剤を
60℃程度の水に添加し、攪拌溶解させながら、上記処
理温度にまで昇温することにより調製する方法等を採用
することができる。
【0031】本発明のステンレス伸線用水性処理剤の皮
膜をステンレスの表面に形成する方法としては特に限定
されず、例えば、浸漬、スプレー、ハケ塗り、流しか
け、ロールコーター等の方法を採用することができる。
【0032】本発明のステンレス伸線用水性処理剤は、
ヌレ性に優れているので、ステンレスの表面に展開して
皮膜を形成するのに必要な時間は、通常2〜3秒で充分
であり、長くても10秒程度である。
【0033】本発明においては、次に、皮膜乾燥工程
(2)として、上記皮膜生成工程(1)で形成された皮
膜を乾燥させる。上記皮膜を乾燥させる方法としては特
に限定されず、例えば、ホットエアブロー法等を採用す
ることができる。
【0034】本発明においては、次に、潤滑剤処理工程
(3)として、上記皮膜の上に、潤滑性を付与するため
の潤滑剤を付着させる。上記潤滑剤としては特に限定さ
れず、例えば、油脂又は鉱油をベースにした潤滑油、金
属石けん潤滑剤等を挙げることができるが、本発明にお
いては、これらのうち、アルカリ金属石けんを好適に用
いることができる。上記アルカリ金属石けんとしては特
に限定されず、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリ
ン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛等からなる市販のアル
カリ金属石けん等を挙げることができる。
【0035】本発明においては、上記潤滑剤処理工程
(3)の後、伸線工程(4)として、表面が本発明のス
テンレス伸線用水性処理剤により被覆され、更に、潤滑
剤が付着された上記ステンレスを引抜加工により伸線し
て細線とする。
【0036】上記引抜加工の方法としては特に限定され
ず、例えば、ダイスを有する伸線機を用いる方法等を採
用することができる。
【0037】このように、本発明のステンレス伸線用水
性処理剤はヌレ性に優れており、均一な皮膜を形成する
ことができるので、上記皮膜形成工程(1)、上記皮膜
乾燥工程(2)、上記潤滑剤処理工程(3)及び上記伸
線工程(4)を、インラインで連続的に行うことが可能
となる。また、本発明のステンレス伸線用水性処理剤
は、均一でかつ充分な膜厚とすることができ、潤滑剤処
理とあいまって、優れた潤滑効果を発揮することができ
るので、特に、中間引抜加工等の過大な摩擦力が発生す
る加工に好適に適用することができる。
【0038】上記伸線工程(4)を施した細線は、その
後、必要に応じて、シュウ酸等の皮膜をつけ、仕上げ引
抜加工を施し、更に、細くすることができる。
【0039】本発明のステンレス伸線方法により得られ
る細線形状のステンレスは、精密機械用のバネ材、調理
用のザル等に好適に使用することができる。
【0040】本発明のステンレス伸線用水性処理剤は、
ステンレスのみならず、鋼線、銅線等の一般に引抜によ
り加工される各種の金属の伸線にも用いることができ
る。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を詳
細に説明する。本発明の好ましい態様においては、予め
酸及び水で洗浄し乾燥させたコイル状の原料ステンレス
材であって、線径が、例えば、φ2.8mm程度のもの
を、コイルから順次連続的に供給して、インラインの一
端に配置された皮膜形成工程(1)を行うための本発明
のステンレス伸線用水性処理剤の入った容器に導き入れ
るとともに、インラインの他端に配置された巻き取り装
置によりコイル状に巻き取っていく。この場合の巻き取
り速度は、500〜600m/分程度の高速とすること
ができる。
【0042】この程度の高速巻き取り速度においては、
ステンレスは、本発明のステンレス伸線用水性処理剤の
入った容器中を、2〜3秒の通過時間で通過することが
できるが、この条件のもとにおいても、本発明のステン
レス伸線用水性処理剤はヌレ性が優れているので、均一
な皮膜を形成するのに充分な浸漬を行うことができる。
【0043】連続した一連のステンレスは、巻き取られ
て、次に、皮膜乾燥工程(2)である80℃のホットエ
アブロー装置中を通過する。この場合において、乾燥に
必要な時間は、通常1〜2秒程度である。
【0044】その後、ステンレスは、巻き取られること
により、次に、潤滑剤処理工程(3)であるアルカリ金
属石けんの入った容器中を通過する。ステンレスの表面
には、上記皮膜形成工程(1)及び上記皮膜乾燥工程
(2)を通過することにより、既に、均一かつ充分に乾
燥した皮膜が形成されている。従って、アルカリ金属石
けんは、その皮膜上に良好に付着することができるの
で、ステンレスが巻き取られて更に前進するにつれて、
ステンレスと共にアルカリ金属石けんもダイスに引き込
まれ、その結果、良好な引抜性を発揮する。
【0045】連続した一連のステンレスは、更に、伸線
工程(4)である伸線機のダイスを通して引き抜かれ
る。この場合において、伸線機は、例えば、ダイスを1
0連有するものが好ましく、ステンレスは、第一ダイス
により一気に伸線され、更に、残りの9個のダイスによ
り少しずつ伸線されて、例えば、線径φ2.8mmのス
テンレスは、線径φ1.0mmまで伸線される。
【0046】このようにして、インラインで上記皮膜形
成工程(1)、上記皮膜乾燥工程(2)、上記潤滑剤処
理工程(3)及び上記伸線工程(4)により細線形状に
伸線されたステンレスは、順次、コイル状に巻き取られ
る。このようにして、1コイル分の伸線が完了したら、
更に、新たなコイル状の原料ステンレス材の前端を、既
に細線形状に伸線されたステンレスの後端に溶接し、上
述の工程を繰り返すことができる。
【0047】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるもの
ではない。
【0048】実施例1 硫酸カリウム99.4重量部、及び、ラベリンFM−L
(β−ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合
物の40重量%水溶液、第一工業製薬社製)0.6重量
部を、ニーダーにて10分間混合攪拌し、ステンレス伸
線用水性処理剤を調製した。得られたステンレス伸線用
水性処理剤を、60℃の水に20重量%分添加し、攪拌
溶解させながら85℃に昇温し、処理液を調製した。
【0049】線径φ2.8mmのステンレスの表面に、
得られた処理液の皮膜を形成し乾燥させ、ステアリン酸
カルシウムを付着させることにより、潤滑処理を施し
た。更に、潤滑処理が施されたステンレスを、ダイス1
0連を有する伸線機(昭和機械社製)により、線径φ
1.0mmまで伸線した。上記潤滑処理及び上記伸線機
による伸線は、インラインで連続的に行った。この場合
における伸線結果を評価し、結果を表1に示した。
【0050】実施例2〜4、比較例1〜3 表1に示す配合物、及び、配合量としたこと以外は、実
施例1と同様にしてステンレスの伸線を行い、評価し
た。結果を表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】本発明のステンレス伸線用水性処理剤を使
用した各実施例においては、連続して24時間以上、高
速で伸線することが可能であり、均一性に優れた皮膜が
形成されていることが判明した。一方、比較例1におい
ては、伸線開始から30分後にダイスが焼き付き、比較
例2及び3においては、高速で長時間伸線することがで
きなかった。
【0053】
【発明の効果】本発明のステンレス伸線用水性処理剤
は、上述の構成により、ステンレスの表面に均一性に優
れた皮膜を形成することができ、また、連続して長時間
伸線を行っても、装置等の目詰まり等を引き起こさな
い。そのため、ステンレスの伸線をインラインで長時間
連続的に行うことができ、かつ、伸線速度を高めること
ができ、生産効率を向上させることができる。また、本
発明のステンレス伸線用水性処理剤を使用するステンレ
ス伸線方法は、既存の設備をそのまま活用して実施する
ことが可能であり、新たな設備投資をする必要がない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 103:06 151:04) C10N 10:02 30:06 40:24 50:02 80:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレスを伸線して細線とする引抜加
    工をインラインで行うステンレス伸線方法に使用するス
    テンレス伸線用水性処理剤であって、硫酸カリウム及び
    β−ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物
    を必須成分として含有し、前記β−ナフタレンスルホン
    酸ナトリウムホルマリン縮合物の含有量が、前記硫酸カ
    リウム100重量部に対して0.02重量部以上である
    ことを特徴とするステンレス伸線用水性処理剤。
  2. 【請求項2】 ステンレスの表面にステンレス伸線用水
    性処理剤の皮膜を形成させる皮膜形成工程(1)、前記
    皮膜形成工程(1)で形成した皮膜を乾燥させる皮膜乾
    燥工程(2)、前記皮膜乾燥工程(2)で乾燥させた皮
    膜の上に潤滑性を付与するために潤滑剤を付着させる潤
    滑剤処理工程(3)、及び、前記潤滑剤処理工程(3)
    で潤滑剤を付着させたステンレスを引抜加工して細線と
    する伸線工程(4)、の各工程をこの順にインラインで
    行うステンレス伸線方法において、前記ステンレス伸線
    用水性処理剤が、硫酸カリウム及びβ−ナフタレンスル
    ホン酸ナトリウムホルマリン縮合物を必須成分として含
    有し、前記β−ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマ
    リン縮合物を、前記硫酸カリウム100重量部に対して
    0.02重量部以上含有するものであることを特徴とす
    るステンレス伸線方法。
  3. 【請求項3】 潤滑剤が、アルカリ金属石けんである請
    求項2記載のステンレス伸線方法。
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