JPH09286776A - モノ過酸の製造方法 - Google Patents

モノ過酸の製造方法

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JPH09286776A
JPH09286776A JP32726396A JP32726396A JPH09286776A JP H09286776 A JPH09286776 A JP H09286776A JP 32726396 A JP32726396 A JP 32726396A JP 32726396 A JP32726396 A JP 32726396A JP H09286776 A JPH09286776 A JP H09286776A
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acid
hydrogen peroxide
metal salt
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monopercarboxylic
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JP32726396A
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English (en)
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Stefano Scialla
ステファーノ、スチアルラ
Giulia Ottavia Bianchetti
ギュリア、オッタビア、ビアンケッティ
Furia Fulvio Di
フルビオ、ディ、フリア
Massimo Verzini
マッシモ、ベルツィーニ
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Procter and Gamble Co
Original Assignee
Procter and Gamble Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液状洗剤組成物の中に容易に混入することが
できる過酸の製造方法を提供する。 【解決手段】 モノ過カルボン酸またはそのアルカリ金
属塩もしくはアルカリ土類金属塩の製造方法であって、
対応するジカルボン酸と過酸化水素の濃溶液とを強酸の
水溶液の存在下に1時間以下の時間反応させ、そして生
成した前記モノ過カルボン酸を抽出する工程を含んでな
る方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モノ過カルボン酸
およびそれらの塩を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようする課題】過カル
ボン酸(以下、過酸とよぶこともある)を含んでなる、
極めて多数のクリーニング組成物がこの技術分野におい
て記載されてきている。このような過酸を含んでなるク
リーニング組成物を提供するために、このようなクリー
ニング組成物の中に前記過酸源として過酸前駆体を混入
することが一般に行われている。事実、このような過酸
を含有する組成物は、過酸化水素に対応する過酸前駆
体、例えば、対応する酸との間の反応を使用する種々の
方法により製造することができる。しかしながら、反応
媒体からその過酸を単離し、それを純粋な原料として液
状洗剤組成物の中に混入することが配合者にとって望ま
しいことがある。
【0003】したがって、本発明の目的は、液状洗剤組
成物の中に容易に混入することができる過酸を提供する
ことである。
【0004】過カルボン酸は種々の方法により合成する
ことができる。例えば、ジ過カルボン酸は、対応するジ
カルボン酸を過酸化水素の濃溶液と反応させることによ
って合成することができる。しかしながら、過酸化水素
の濃溶液の存在下の対応するジカルボン酸からのモノ過
カルボン酸の合成は、ジ過カルボン酸が主として生成す
るので、困難である。
【0005】したがって、本発明の他の目的は、対応す
るジカルボン酸からモノ過カルボン酸を製造する方法を
開発することである。
【0006】本発明者らは、上記目的は、対応するジカ
ルボン酸を過酸化水素の濃溶液と強酸の水溶液の存在下
に1時間以下の時間反応させ、そして生成した前記モノ
過カルボン酸を抽出することによって、効果的に達成で
きることを見出した。事実、対応するジカルボン酸と前
記濃過酸化水素溶液との間の接触時間を1時間より短く
制限し、次いで生成した前記モノ過カルボン酸を抽出し
た場合に、モノ過カルボン酸のより高い収率が達成され
ることが見出された。
【0007】本発明による方法の利点は、過カルボン酸
を含有する液状洗剤組成物の配合において大きい融通性
が得られることである。事実、本発明に従って得ること
ができるモノ過カルボン酸は、出発物質として同一のジ
カルボン酸から生成した対応するジ過カルボン酸、およ
び出発物質として対応するモノカルボン酸から生成した
対応するモノ過カルボン酸より、高い酸度および高い溶
解度を有している。したがって、本発明に従い得ること
ができる前記モノ過カルボン酸は、液状組成物の中に容
易に混入することができる。さらに、出発物質として対
応するジカルボン酸を使用して、本発明に従い得ること
ができるモノ過カルボン酸は、対応するジ過カルボン酸
より、低い平均O含量(Av.O content)を
有する。平均O含量が高くなるほど、過酸はいっそう危
険となる、すなわち、乾燥した場合における爆発の危険
がより高くなる。
【0008】過酸化水素溶液を有機カルボン酸および/
または無水物と反応させることによって過酸溶液を製造
する方法は、この技術分野においてよく知られている。
欧州特許出願第94202608.9号明細書は、過酸
を含んでなる水性組成物の製造方法を開示しており、こ
こで前記方法は対応する無水物を前記対応する無水物の
1モル当量当たり少なくとも3モルの前記過酸化水素を
含んでなる濃過酸化水素溶液と反応させることによって
前記過酸を生成する工程を含む。その最大または最大付
近である過酸濃度は5時間より短い期間において得ら
れ、そして無水物を濃過酸化水素溶液と混合する瞬間か
ら出発して5分以下の期間は、特に非常に酸性の環境
(pH=0〜1)において、十分である。ジカルボン酸
は出発物質として使用されていない。
【0009】米国特許第3,227,655号明細書
は、過酸化水素および無水酢酸を、水性媒質中で約2〜
4以下のpHにおいて、アンモニア、水酸化アンモニウ
ムまたは有機第一、第二または第三アミン塩基の形態で
導入されたアンモニウムイオンの存在下に反応させるこ
とによって、モノ過酢酸溶液をこれらの試薬から製造で
きることを開示している。アンモニウム塩基の存在は漂
白プロセスに対して好適な効果を有し、そして特に天然
ワックスの除去を促進すると記載されている。
【0010】WO第93/0516号公報は、7個以下
の炭素原子を有するヒドロキシ脂肪族ペルオキシカルボ
ン酸を含んでなる希薄水溶液を製造する方法を開示して
おり、ここで第1工程において、前記ペルオキシカルボ
ン酸前駆体、すなわち、ペルオキシ脂肪族カルボン酸の
濃水溶液を、好ましくは少なくとも50重量%の過酸化
水素を含有する濃過酸化水素溶液と、必要に応じて触媒
としての強酸の存在下において、混合し、第2工程にお
いて、前記ペルオキシカルボン酸の濃度がその最大に到
達するまで、混合物を貯蔵し、次いで混合物を水で希釈
する。WO第93/0516号公報は、前記ヒドロキシ
脂肪族カルボン酸はモノカルボン酸、または好ましくは
ジカルボン酸、またはトリカルボン酸であることができ
ることを開示している。前記酸の例は、乳酸、酒石酸、
リンゴ酸およびクエン酸である。WO第93/0516
号公報は、8時間より短い期間において最大または最大
付近である過酸濃度を達成できることを述べており、前
記反応期間は少なくとも45分である。抽出/分離工程
は開示されていない。WO第93/0516号公報は、
ジ過カルボン酸とモノ過カルボン酸との間の区別を行っ
ていない。
【0011】欧州特許出願(EP−A)第024,21
9号公報は、3〜5個の炭素原子のジカルボン酸を過酸
化水素の濃溶液(60%〜90%)と触媒の存在下に反
応させ、次いで生ずる組成物を希釈することによって、
脂肪族カルボキシ過酸の希薄組成物を製造する方法を開
示している。反応時間は最大48時間である。抽出/分
離工程は開示されていない。欧州特許出願(EP−A)
第024,219号公報は、ジ過カルボン酸とモノ過カ
ルボン酸との間の区別を行っていない。
【0012】WO第91/13058号公報は低級脂肪
族過酸の希薄溶液を提供する方法を開示しており、ここ
で過酸化水素を低級脂肪族酸と初期の高い濃度において
接触させる。この方法は、低級脂肪族過酸に富んだ反応
混合物がそれ自体平衡に到達する前に、それを希釈する
ことを特徴とする。抽出/分離工程は開示されてはいな
い。
【0013】過酸それ自体を製造する方法も、また、既
知である。欧州特許出願(EP−A)第127,783
号公報は水不溶性脂肪族または芳香族ペルオキシカルボ
ン酸の感度を減ずる方法を開示しており、ここでカルボ
ン酸(モノまたはジ−)を過酸化水素溶液と硫酸ナトリ
ウムの存在下に規定した温度において反応させ、必要に
応じて反応混合物を冷却し、次いで混合物の中に存在す
る硫酸を水酸化ナトリウム(pH=2〜6)の添加によ
り硫酸ナトリウムに変換し、最後に得られる反応生成物
を反応混合物から分離し、乾燥することによって、前記
過カルボン酸を製造する。過酸化水素溶液とジカルボン
酸との間の除去時間は、2、4、6および8時間である
(実施例を参照のこと)。欧州特許出願(EP−A)第
127,783号公報は、ジ過カルボン酸とモノ過カル
ボン酸との間の区別を行っていない。
【0014】ベルギー国特許(BE−A)第86413
5号公報は、鉱酸、例えば、硫酸を含有する水性媒質中
で過酸化水素をカルボン酸と反応させることを包含する
過酸の連続的製造法を開示しており、前記過酸化水素は
反応混合物にいくつかの段階において添加して、すべて
の場所において過酸化水素の濃度を制限する。有機溶媒
を含有する有機相の中に、生成した過酸を抽出する。反
応および抽出は同時に実施される。ベルギー国特許(B
E−A)第864135号公報は、使用するカルボン酸
が好ましくは少なくとも2個であるが、6個より少ない
炭素原子を有する非置換モノカルボン酸であることを教
示している。出発物質としてジカルボン酸は明白に記載
されてはいない。
【0015】米国特許第4,650,612号明細書
は、対応する無水物をアニオン交換樹脂の存在下におい
て過酸化水素と、生成する過酸に対して安定な有機溶媒
中で反応させることによって、モノペルオキシジカルボ
ン酸を製造する方法を開示している。5分〜5時間、好
ましくは10分〜1時間の反応時間を使用する。米国特
許第4,650,612号明細書における反応条件は有
機溶媒を必要とするが、本発明の方法においては、水性
媒質、すなわち、強酸の水溶液を使用する。出発物質と
してジカルボン酸は開示されてはいない。脂肪族モノ過
カルボン酸は開示されてはいない。
【0016】¨Synthesis and prop
erties long chain peracid
s¨、W.E.Parkerおよびall.著、J.A
m.Chem.Soc.1955、77、4037は、
水性硫酸媒質の存在下に親カルボン酸および濃過酸化水
素(50%〜65%)から直接長鎖脂肪族過酸を製造で
きることを開示している。反応は10〜30℃において
急速であり、そして1時間より長い反応時間はほとんど
必要ではなく、そして反応混合物を冷水で希釈し、次い
で濾過するか、または有機溶媒で抽出する(例えば、過
ラウリン酸の製造を参照のこと)ことによって、生成物
を単離する。この文献において出発物質として使用され
るカルボン酸はモノカルボン酸であり、ジカルボン酸は
モノ過酸を製造する出発物質として開示されている。
【0017】出発物質として、対応するジカルボン酸と
過酸化水素の濃溶液とを、強酸の水溶液の存在下におい
て、1時間以下の時間反応させ、生成したモノ過カルボ
ン酸を抽出することによって、モノ過カルボン酸を製造
することは、これらの先行技術のいずれにも開示されて
はいない。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、モノ過カルボ
ン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金
属塩の製造方法であって、対応するジカルボン酸と過酸
化水素の濃溶液とを強酸の水溶液の存在下に1時間以下
の時間反応させ、そして生成した前記モノ過カルボン酸
を抽出する工程を含んでなる方法である。
【0019】本発明は、また、本明細書に記載する方法
により得ることができる、モノ過カルボン酸またはその
アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を包含す
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明による方法は、モノ過カル
ボン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類
金属塩の製造方法であって、対応するジカルボン酸と過
酸化水素の濃溶液とを強酸の水溶液の存在下に1時間以
下の時間反応させ、そして生成した前記モノ過カルボン
酸を抽出する工程を含んでなる方法である。
【0021】第1の必須成分として、本発明の方法は
「対応するジカルボン酸」の使用を必要とする。「対応
するジカルボン酸」とは、所望のモノ過カルボン酸また
はそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を製
造するために、出発物質として、本発明において使用す
べきジカルボン酸であって、前記モノ過カルボン酸に対
応するジカルボン酸であることを理解すべきである。前
記ジカルボン酸は、本発明の条件において、濃過酸化水
素溶液との反応により、前記モノ過カルボン酸を生成す
る。
【0022】本発明において、所望のモノ過カルボン酸
を得るために過酸化される対応ジカルボン酸は、下記式
に従ういかなる置換もしくは非置換の脂肪族ジカルボン
酸、またはそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金
属塩、またはそれらの混合物であることもできる。
【0023】HOOC−A−COOH 式中、Aは少なくとも1個の炭素原子の置換もしくは非
置換の脂肪族鎖、好ましくは1〜30個の炭素原子、よ
り好ましくは2〜12個の炭素原子、最も好ましくは5
〜10個の炭素原子の置換もしくは非置換の脂肪族鎖で
ある。
【0024】モノ過カルボン酸を得るために過酸化され
る好適な他の対応するジカルボン酸は、少なくとも5
個、好ましくは5〜10個、より好ましくは5〜6個の
芳香族炭素原子を有するいかなる置換もしくは非置換の
芳香族ジカルボン酸であることもでき、ここで前記芳香
族原子の少なくとも2つは−Cn−COOHにより置換
されており、ここでnは1〜10、好ましくは2〜5で
あり、残りの芳香族原子は同一であるか、または異なっ
ていてもよく、水素により置換されているか、または1
〜30個の炭素原子、好ましくは2〜10個の炭素原子
を含有する置換もしくは非置換の脂肪族鎖により置換さ
れているか、または−Cn−COOHにより置換されて
おり、ここでnは5〜10、好ましくは2〜5である。
好ましい置換もしくは非置換の芳香族ジカルボン酸は、
下記式を有する。
【0025】
【化1】 式中、nは1〜10、好ましくは2〜5であり、そして
基R、R、R、R、Rの少なくとも1つは−
Cn−COOHであり、nは1〜10、好ましくは2〜
5であり、そして残りの基は同一であるか、または異な
っていてもよく、そして少なくとも1個、好ましくは1
〜30個、より好ましくは2〜10個の炭素原子を含有
する非置換もしくは置換の脂肪酸アルキルまたは芳香族
鎖、または−Cn−COOH(ここでnは1〜10、好
ましくは2〜5である)、または水素である。
【0026】したがって、本発明に従い使用すべき対応
するジカルボン酸の例は、ピメリン酸(アルドリッヒか
ら固体の形態で商業的に入手可能である)、スベリン酸
(アルドリッヒから固体の形態で商業的に入手可能であ
る)、アジピン酸(アルドリッヒから固体の形態で商業
的に入手可能である)、ドデカンジオン酸(アルドリッ
ヒから固体の形態で商業的に入手可能である)またはそ
のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩またはそ
れらの混合物である。
【0027】第2の必須要素として、本発明の方法は濃
過酸化水素溶液、すなわち、対応するジカルボン酸の1
モル当量当たり少なくとも1.1モル、好ましくは少な
くとも1.5モル、より好ましくは少なくとも2モルの
過酸化水素を含んでなる溶液の使用を必要とする。
【0028】したがって、好ましい態様において、対応
するジカルボン酸を20〜90重量%、好ましくは25
〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%の前記
過酸化水素を含んでなる過酸化水素溶液と混合する。
【0029】第3の必須要素として、本発明の方法は、
強酸またはそれらの混合物の水溶液の使用を必要とす
る。強酸とは、本発明において3以下、好ましくは2以
下、より好ましくは1以下の第1pkaを有する酸であ
る。前記強酸の水溶液は反応媒質および触媒として働
く。前記強酸は、鉱酸および/または有機スルホン酸を
包含する。本発明において使用するために好ましい強酸
は、硫酸、ホスホン酸および/またはメタンスルホン酸
である。
【0030】本発明の方法において、前記強酸またはそ
れらの混合物の水溶液は、90〜98重量%、好ましく
は95〜98重量%、より好ましくは97〜98重量%
の前記強酸を含んでなる。したがって、本発明の過酸化
反応は、1.5以下、好ましくは0.5以下のpHの酸
範囲において、より好ましくはpHが意味をもたない
(すなわち、0以下)酸度において、実施される。
【0031】このような強酸の水溶液を使用するするこ
とによって、高い反応温度を使用しないで好都合な速度
において過酸化反応を実施することができる。本発明の
過酸化反応を実施する温度は、また、使用する過酸化水
素溶液の濃度に依存する。過酸化水素溶液が非常に濃厚
(例えば、70%)である場合、反応は好ましくは約2
0℃において実施する。過酸化水素溶液が濃厚でない
(例えば、36%)場合、反応は好ましくは室温、例え
ば、25℃またはそれより高い温度において実施する。
便宜上、安全性の考慮から、反応温度は多数の態様にお
いて0℃〜40℃の範囲内に維持される。
【0032】第4の必須要件として、モノ過カルボン酸
を製造する本発明の方法は、強酸の溶液の存在下におい
て、1時間以下、好ましくは40分〜60分、より好ま
しくは50分〜55分の過酸化水素の濃溶液と対応する
ジカルボン酸との間の反応時間を必要とする。強酸の溶
液の存在下において、過酸化水素の濃溶液と対応するジ
カルボン酸との間の反応時間を1時間より短く制限し、
次いで生成した前記モノ過カルボン酸を抽出することに
よって、モノ過カルボン酸の高い収率を得られることが
見出された。1時間より長い反応時間は、ジ過カルボン
酸の生成に好適となる。
【0033】本発明の方法において、前述したような反
応工程に引き続いて抽出工程を行い、ここで生成したモ
ノ過カルボン酸を反応混合物から分離する。「抽出工
程」とは、本発明において、生成したモノ過カルボン酸
を反応混合物から単離できるいかなる分離工程をも意味
する。
【0034】したがって、本発明による抽出は、この技
術分野において知られているいかなる分離法をも含む。
したがって、抽出は(NH42SO4による沈澱、濾
過、遠心分離、有機溶媒による抽出などを包含する。
【0035】本発明において好ましい抽出工程は、残留
する反応混合物から生成することがあるジ過カルボン酸
を濾過除去し、そして前記モノ過カルボン酸を有機溶媒
で抽出することを包含する。
【0036】本発明において使用するために適当な有機
溶媒は、エチルエーテル、酢酸エチル、塩素化炭化水
素、例えば、CH2Cl2、CHCl3を包含する。
【0037】本発明の方法に関連する利点は、高い収率
でモノ過カルボン酸を迅速にかつ容易に製造できること
である。本発明の方法に関連する他の利点は、高い反応
温度を使用しないで上記有利な効果が得られることであ
る。
【0038】「収率」とは、本発明において、対応する
ジカルボン酸に関して計算して得られたモノ過カルボン
酸の百分率であることを理解すべきである。下記方程式
を前記収率の計算に適用する。
【0039】(モノ過カルボン酸の濃度/対応するジカ
ルボン酸の濃度)×100=収率% 前記方程式において、濃度はモル/リットルで表され
る。事実、所定量の対応するジカルボン酸から出発し、
強酸の水溶液の存在下に濃過酸化水素溶液と1時間以下
の時間反応させた後に抽出する本発明の方法によると、
対応するジカルボン酸を前記濃過酸化水素溶液とより長
い期間接触させたままにした後に抽出する同様な方法と
比較して、モノ過カルボン酸のより高い収率が得られる
ことが、驚くべきことに、見出された。
【0040】本発明は、また、本発明の方法に従い得ら
れた、脂肪族モノ過カルボン酸またはそのアルカリ金属
塩もしくはアルカリ土類金属塩を包含する。対応するジ
カルボン酸から得ることができる本発明による前記脂肪
族モノ過カルボン酸は、同一の対応するジカルボン酸か
ら得られる対応するジ過カルボン酸より高い酸度および
高い溶解度を有する。本発明の脂肪族モノ過カルボン酸
は、過カルボン酸のカルボキシル基よりいっそう酸性で
あるカルボキシル基を維持する。さらに、本発明による
モノ過カルボン酸と水分子との水素結合は、出発物質と
して同一のジカルボン酸を使用して得られるジ過カルボ
ン酸についてより有効である。したがって、本発明の脂
肪族モノ過カルボン酸は、対応するジ過カルボン酸およ
びモノカルボン酸を出発物質として生成した対応するモ
ノ過酸よりも可溶性であるので、液状水性洗剤組成物の
中への混入は容易である。事実、本発明の方法により得
ることができる前記脂肪族モノ過カルボン酸は、洗濯洗
剤、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、皿洗浄組成物、カーペ
ットクリーナー、便器クリーナー、硬質表面クリーナー
および液状消毒剤の中に混入することができる。
【0041】さらに、出発物質として対応するジカルボ
ン酸から出発して本発明の方法により得ることができる
モノ過カルボン酸は、同一出発物質から得ることができ
る対応するジ過カルボン酸よりも低い平均O(Av.
O)含量を有する。平均O含量は、過酸酸素の数×16
/過酸の分子量として定義される。平均O含量がより高
くなるほど、過酸はいっそう危険である、すなわち、過
酸が乾燥する場合、爆発の危険がより高くなる。残る1
つカルボン酸基の存在は、他のペルオキシ誘導体、例え
ば、エステルまたは無水物の製造のために、そしてポリ
マーのマトリックスへのモノ過酸の固定のために使用す
ることができる。
【0042】本発明の方法に従い得ることができる脂肪
族モノ過カルボン酸は、下記式を有する。
【0043】HOOC−A−COOH 式中、Aは少なくとも1個の炭素原子の置換もしくは非
置換の脂肪族鎖、好ましくは1〜30個の炭素原子、よ
り好ましくは2〜12個の炭素原子、最も好ましくは5
〜10個の炭素原子の置換もしくは非置換の脂肪族鎖で
ある。
【0044】本発明の方法に従い得ることができる脂肪
族モノ過カルボン酸は、モノ過酸の有効酸素(しばしば
Avoxと略される)を測定することができる同定する
ことができる。過酸Avoxを評価する試験法はクロマ
トグラフィーにより実施される(参照、F.Di Fu
ria et alt.、Gas−liquid ch
romatography method for d
etermination of peracids、
Analyst、Vol.109、August 19
84、p.985−987;または前掲 vol.11
3、May 1988、p.793−795)。
【0045】
【実施例】本発明を下記の実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0046】実施例 下記の方法を実施することによって、モノ過カルボン
酸、例えば、モノ過ピメリン酸またはモノ過スベリン酸
を得た。0.02モルの対応するジカルボン酸、すなわ
ち、ピメリン酸またはスベリン酸を18gの硫酸の濃水
溶液(95重量%)中に溶解した。次いで、前記溶液を
撹拌しながら濃過酸化水素溶液(70重量%)と接触さ
せ、ここで前記濃過酸化水素溶液をピメリン酸に関して
100%過剰まで滴下した。前記濃過酸化水素溶液の添
加後、反応混合物を室温(約20〜25℃)において5
0分間撹拌した。その後、反応混合物を硫酸アンモニウ
ムの低温(0℃)水溶液(35g/100gの水)で洗
浄し、生成することがあるジ過カルボン酸(すなわち、
ジ過ピメリン酸、ジ過スベリン酸)を濾過除去し、そし
てエチルエーテルを使用する抽出により残りの混合物か
ら1.69gのモノ過ピメリン酸および1.24gのモ
ノ過スベリン酸を単離することによって、抽出を実施し
た。モノ過ピメリン酸の収率は48%であった。モノ過
スベリン酸の収率は33%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 592043805 ONE PROCTER & GANBL E PLAZA,CINCINNATI, OHIO,UNITED STATES OF AMERICA (72)発明者 ギュリア、オッタビア、ビアンケッティ イタリー国ローマ、ビア、カテリーナ、ト ロイアーニ、25 (72)発明者 フルビオ、ディ、フリア イタリー国パドバ、ビア、デル、レニエ ル、10 (72)発明者 マッシモ、ベルツィーニ イタリー国ベローナ、カルディエロ、ビ ア、テメル、10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モノ過カルボン酸またはそのアルカリ金属
    塩もしくはアルカリ土類金属塩の製造方法であって、 対応するジカルボン酸と過酸化水素の濃溶液とを強酸の
    水溶液の存在下において1時間以下の時間反応させ、そ
    して生成した前記モノ過カルボン酸を抽出する工程を含
    んでなる方法。
  2. 【請求項2】前記過酸化水素の溶液が、前記対応するジ
    カルボン酸の1モル当量当たり少なくとも1.1モル、
    好ましくは少なくとも1.5モル、より好ましくは少な
    くとも2モルの前記過酸化水素を含んでなる、請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記過酸化水素の溶液が、20〜90重量
    %、好ましくは25〜80重量%、より好ましくは30
    〜70重量%の前記過酸化水素を含んでなる、請求項1
    または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記ジカルボン酸が下記式 HOOC−A−COOH (式中、Aは少なくとも1個の炭素原子の置換もしくは
    非置換の脂肪族鎖、好ましくは1〜30個の炭素原子、
    より好ましくは2〜12個の炭素原子、最も好ましくは
    5〜10個の炭素原子の置換もしくは非置換の脂肪族鎖
    である)によって表わされる置換もしくは非置換の脂肪
    族ジカルボン酸、またはそのアルカリ金属塩もしくはア
    ルカリ土類金属塩、またはそれらの混合物、 少なくとも5個、好ましくは5〜10個、より好ましく
    は5〜6個の芳香族炭素原子を有する置換もしくは非置
    換の芳香族ジカルボン酸(ただし、前記芳香族原子の少
    なくとも2つは−Cn−COOHにより置換されてお
    り、ここでnは1〜10、好ましくは2〜5であり、残
    りの芳香族原子は同一であるか、または異なっていても
    よく、水素により置換されているか、または1〜30個
    の炭素原子、好ましくは2〜10個の炭素原子を含有す
    る置換もしくは非置換の脂肪族鎖により置換されている
    か、または−Cn−COOHにより置換されており、こ
    こでnは1〜10、好ましくは2〜5である)、または
    それらの混合物である、請求項1〜3のいずれか一項に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】前記ジカルボン酸がピメリン酸、スベリン
    酸、アジピン酸、ドデカンジオン酸、またはそのアルカ
    リ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩またはそれらの混
    合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】前記強酸が3以下、好ましくは2以下のp
    kaを有する酸であり、より好ましくは硫酸、ホスホン
    酸および/またはメタンスルホン酸である、請求項1〜
    5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記強酸の水溶液が90〜98重量%、好
    ましくは95〜98重量%、より好ましくは97〜98
    重量%の強酸を含んでなる、請求項1〜6のいずれか一
    項に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記過酸化水素の濃溶液と前記対応するジ
    カルボン酸とを強酸の水溶液の存在下に40〜60分
    間、好ましくは50〜55分間反応させた後、前記モノ
    過カルボン酸を抽出する、請求項1〜7のいずれか一項
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記抽出が濾過ならびに有機溶媒、好まし
    くは酢酸エチルおよび/または塩素化炭化水素を使用す
    る抽出を含んでなる、請求項1〜8のいずれか一項に記
    載の方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれか一項に記載の方
    法により得ることができる、脂肪族モノ過カルボン酸ま
    たはそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩。
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