JPH09284470A - 画像読み書きヘッド - Google Patents

画像読み書きヘッド

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JPH09284470A
JPH09284470A JP9227096A JP9227096A JPH09284470A JP H09284470 A JPH09284470 A JP H09284470A JP 9227096 A JP9227096 A JP 9227096A JP 9227096 A JP9227096 A JP 9227096A JP H09284470 A JPH09284470 A JP H09284470A
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JP
Japan
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image sensor
head
wiring pattern
substrate
head substrate
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JP9227096A
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English (en)
Inventor
Hisayoshi Fujimoto
久義 藤本
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Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イメージセンサとしての画像読み取り機能と、
サーマルプリントヘッドとしての画像記録機能とを併せ
有する画像読み書きヘッドを提供する。 【解決手段】ケース21と、このケース21の上面に取付け
られたガラスカバー22と、上記ケース21の底部に取付け
たヘッド基板23とを備えており、上記ヘッド基板23の上
面には、複数のイメージセンサチップ24と、複数の発光
素子とが設けられているとともに、上記ガラスカバー22
と上記複数のイメージセンサチップ24との間にロッドレ
ンズアレイ27が配置されており、上記発光素子28によっ
て照明された上記ガラスカバー22上の原稿からの反射光
が上記複数のイメージセンサチップ24上に集束するよう
に構成されているとともに、上記ヘッド基板23の裏面に
は、列状に配置された複数の発熱ドット30と、各発熱ド
ットを駆動するための駆動回路とが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、画像読み取り機
能と、熱転写方式または感熱方式による印字機能とを併
せ備える画像読み書きヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、ファクシミリ装置などの画像
処理装置においては、画像読み取り機能をつかさどるイ
メージセンサと、受信した画像または上記イメージセン
サによって読み取った画像を感熱記録紙等に記録するた
めのサーマルプリントヘッドとが別個に設けられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】画像処理装置におい
て、画像読み取り機能と画像を感熱記録紙等に記録する
ことができる機能とを併せ備えるヘッドが実現できれ
ば、上記のようなファクシミリ装置の組立て部品点数が
減少するし、また、ヘッドの占有スペースが節約できて
ファクシミリ装置等のさらなる小型化が大いに期待でき
るが、従来、このような画像読み書き一体ヘッドは存在
しなかった。
【0004】その理由は種々考えられるが、一つには、
従来の密着型イメージセンサの基本構成が原因して、上
記のような画像読み書き一体ヘッドの実現を阻害してい
たと考えることができる。
【0005】図16に、従来の密着型イメージセンサ1
0の構造を示す。樹脂等でできたケース11の底面に配
置した基板12には、読み取り幅と対応した長さ範囲に
複数個のイメージセンサチップ13が取付けられてい
る。ケース11の上面には、透明なガラスカバー14が
取付けられ、このカバーガラス14に設定した読み取り
ラインLと上記イメージセンサチップ13との間には、
上記読み取りラインLに沿う明暗画像を正立等倍にイメ
ージセンサチップ列上に集束させるためのロッドレンズ
アレイ15が配置されている。ケース11の内部空間に
はまた、上記カバーガラス14の裏側から原稿Dを照明
するための光源としての複数個のLED16が、基板1
7に搭載された恰好で配置されている。
【0006】たとえば、A4幅の原稿を8画素/mmで読
み取るようにこの種のイメージセンサを構成する場合、
1728ビットの受光部を配列する必要がある。一つの
イメージセンサチップ上にたとえば96ビットの受光部
を配置する場合、18個のイメージセンサチップ13が
基板12上に取付けられることになる。
【0007】イメージセンサチップ13には、上記受光
部に相当する複数のフォトトランジスタ、各フォトトラ
ンジスタと直列に接続されたアナログスイッチ、クロッ
クパルスによって上記アナログスイッチを順次選択して
オン駆動するためのシフトレジスタなどが一体に造りこ
まれたものであり、上記各アナログスイッチの出力端
は、チップの出力端子に引き回される。
【0008】各フォトトランジスタは、読み取り周期の
間の受光量に応じた電流を流す。当該イメージセンサチ
ップが選択されると、たとえば、クロックパルスの各立
ち下がりの期間、上記アナログスイッチが順次オンさ
れ、その結果、チップの出力端子には、各フォトトラン
ジスタの受光量に相当するアナログ微小電流データがシ
リアルに出力される。一方、チップの端子出力は、基板
上に設置した負荷抵抗に接続され、この負荷抵抗の一端
における電位差が基板上に搭載される増幅回路によって
増幅される。
【0009】上記チップから出力されるアナログ出力
は、高インピーダンス出力であるとともに微小電流によ
る出力であるため、図17に示すように、クロックパル
ス信号が交流成分として混入しやすい。したがって、基
板12には、種々のノイズ対策が施される。たとえば、
イメージセンサチップ13から増幅回路にいたるアナロ
グ出力配線をグランド配線で囲んだり、クロックパルス
信号配線を基板の裏面のできるだけ上記イメージセンサ
チップ13の配置領域から遠い領域に配置したりという
ノイズ対策が施される。
【0010】このように、従来の密着型イメージセンサ
においては、イメージセンサチップ13を搭載する基板
12には、ノイズ対策として、この基板の表面および裏
面に配線の工夫を施す必要があるとともに、上記のよう
にイメージセンサチップ以外に、増幅回路やそのゲイン
を調整するための各種の電子部品を表面および裏面の双
方に取付ける必要がある。したがって、上記のような従
来の密着型イメージセンサのチップ搭載基板を利用し
て、これにサーマルプリントヘッドとしての機能を設け
ることは、スペース的に無理がある。また、上記従来の
密着型イメージセンサにおけるチップ搭載基板は、いわ
ゆるプリント配線基板と同様の、ガラスエポキシ基材に
プリント配線を施したものが常識的に使用されており、
耐熱性が要求されるサーマルプリントヘッドの基板とし
て共用することができない。
【0011】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、イメージセンサとしての画像読
み取り機能と、サーマルプリントヘッドとしての画像記
録機能とを併せ有する画像読み書きヘッドを提供するこ
とをその課題としている。
【0012】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0013】すなわち、本願発明の画像読み書きヘッド
は、ケースと、このケースの上面に取付けられたガラス
カバーと、上記ケースの底部に取付けたヘッド基板とを
備えており、上記ヘッド基板の上面には、複数のイメー
ジセンサチップと、複数の発光素子とが設けられている
とともに、上記ガラスカバーと上記複数のイメージセン
サチップとの間にロッドレンズアレイが配置されてお
り、上記発光素子によって照明された上記ガラスカバー
上の原稿からの反射光が上記複数のイメージセンサチッ
プ上に集束するように構成されているとともに、上記ヘ
ッド基板の裏面には、列状に配置された複数の発熱ドッ
トと、各発熱ドットを駆動するための駆動回路とが設け
られていることを特徴とする。
【0014】上記画像読み書きヘッドは、ケースの上面
に取付けたガラスカバー上に案内されてくる原稿の画像
を上記ヘッド基板の上面に配置したイメージセンサチッ
プが読み取る。一方、ケースの裏面側に臨む上記ヘッド
基板の裏面に配置された複数の発熱ドットが印字データ
にしたがって駆動回路によって駆動させることにより、
この発熱ドットに接触するようにして送られる感熱記録
紙に画像を記録する。このように、上記構成の画像読み
書きヘッドは、その上面に読み取り原稿の搬送経路を設
定し、下面に記録紙の搬送経路を設定することができる
ので、この画像読み書きヘッドを搭載する画像処理装置
は、とくにその原稿および記録紙送り方向(副走査方
向)の寸法を、著しく短縮することができる。
【0015】好ましい実施形態において、上記イメージ
センサチップは、受光部としての所定個数の光電変換素
子と、各光電変換素子にそれぞれ直列的に接続されるア
ナログスイッチと、クロック信号によって上記アナログ
スイッチを順次的にオンする切り換え回路と、上記各光
電変換素子とこれに対応するアナログスイッチとからな
る各セットに直列的かつ共通的に接続される出力負荷
と、上記出力負荷の光電変換素子側の電位を増幅する増
幅回路と、この増幅回路のゲイン調整用抵抗とを一体的
に造り込まれて備えているものが使用される。
【0016】好ましい実施形態において、上記イメージ
センサチップの上記ゲイン調整用抵抗は、直列に接続さ
れた複数の抵抗と、上記複数の抵抗の全部または一部の
それぞれに設けたレーザ光によって切断可能なバイパス
配線とを備えて形成されている。
【0017】上記イメージセンサチップは、受光部とし
ての所定個数の光電変換素子、各光電変換素子にそれぞ
れ直列的に接続されるアナログスイッチ、クロック信号
によって上記アナログスイッチを順次的にオンする切り
換え回路などからなるイメージセンサチップとしての基
本的構成に加え、各光電変換素子のための出力負荷と、
この出力負荷の一端電位を増幅するための増幅回路と、
この増幅回路のためのゲインを調整するための抵抗まで
もが1チップ内に一体に造り込まれたものである。とく
に、増幅回路のゲインは、このイメージセンサチップを
作製するためのウエハの段階において、上記直列に接続
された複数の抵抗のうち、選択した抵抗を、そのバイパ
ス配線をレーザカットして活かすことによって上記ゲイ
ン調整抵抗の全抵抗を設定することにより、簡便に調整
することができる。
【0018】このようなイメージセンサチップにおいて
は、画像読み取り信号として各光電変換素子から出力さ
れる微小電流信号は、センサチップ外に出ることなく、
上記出力負荷の光電変換素子側の電位が増幅回路によっ
て増幅されたアナログ電圧信号として外部に出力され
る。したがって、従来の密着型イメージセンサの場合の
ように、クロック信号に起因するノイズによって画像読
み取り性能が悪化するという不具合は著しく軽減され、
または解消される。その結果、このイメージセンサチッ
プが搭載される上記ヘッド基板の上面には、増幅回路や
それに関連する電子部品を搭載する必要がなくなるとと
もに、ノイズ対策のための特別な配線パターンを採用す
る必要もなくなり、上記ヘッド基板の上面のみに、画像
読み取り機能を達成するためのすべての構成、すなわ
ち、上記イメージセンサチップのほか、照明光源として
の発光素子を配置することが容易になる。
【0019】好ましい実施形態においてはまた、上記ヘ
ッド基板は、セラミック基板材料の上面に、上記複数の
イメージセンサチップと、上記複数の発光素子とを配置
するための配線パターンが形成されているとともに、上
記セラミック基板材料の裏面に、上記複数の発熱ドット
のための共通電極パターンおよび個別電極パターンを含
む配線パターンが形成されたものとして形成されてい
る。
【0020】上記ヘッド基板は、耐熱性と絶縁性に優れ
たセラミック材料を基材としているので、その下面に構
成されるサーマルプリントヘッド機能のための基板とし
て求められる要件を満足する。そして、その上面にイメ
ージセンサ機能を構成するための配線パターンのみを、
その下面にサーマルプリントヘッド機能を構成するため
の配線パターンのみを形成している。サーマルプリント
ヘッド機能を構成するための配線パターンは、共通電極
パターンおよび個別電極パターンの双方が微細なパター
ンであるため、フォトリソ工程を必要とするが、上記構
成のヘッド基板は、まず、基板材料の上面に対してイメ
ージセンサ機能を形成するための配線パターンをたとえ
ばスクリーン印刷法によって形成した後、このヘッド基
板中間品を、従前のサーマルプリントヘッドのためのヘ
ッド基板を製造するための工程に導入することにより、
簡便に製造することが可能となる。
【0021】好ましい実施形態においてはまた、上記ヘ
ッド基板の上面における上記配線パターンおよび上記ヘ
ッド基板の裏面における上記配線パターンはそれぞれ保
護層で覆われており、かつ、上記ヘッド基板の上面の配
線パターンを覆う保護層の軟化温度を上記ヘッド基板の
裏面の配線パターンを覆う保護層の軟化温度よりも高く
設定されている。
【0022】このようにすれば、まずヘッド基板の上面
を形成した後に、ヘッド基板の下面を形成する場合に、
下面の保護層を形成するに際して、すでに形成されてい
る上面の保護層が悪影響を受けることがなくなる。
【0023】本願発明のその他の特徴および利点は、図
面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかと
なろう。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施形
態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0025】まず、図1および図2を参照して、本願発
明に係る画像読み書きヘッド20の一実施形態の概略構
成を説明する。この画像読み書きヘッド20は、略矩形
状の断面形状と、所定の長手寸法を有するケース21を
有しており、このケース21は、樹脂成形によって作製
することができる。そして、このケース21は、図2に
良く表れているように、上下に貫通する内部空間Sをも
ち、上部開口を封鎖するようにしてガラスカバー22が
取付けられているとともに、下部開口を封鎖するように
して、ヘッド基板23が取付けられている。このヘッド
基板23の上面における幅方向一側寄りには、複数個の
イメージセンサチップ24が取付けられており、幅方向
他側寄りには、照明光源としての複数個のLEDチップ
25が取付けられている。ケース21の内部空間Sに
は、上記LEDチップからの光を効率的に上記ガラスカ
バー22上の原稿Dに照射するための透明樹脂からなる
導光板26と、原稿面Dからの反射光を正立等倍に上記
イメージセンサチップ24に集束させるためのロッドレ
ンズアレイ27が設けられている。
【0026】たとえば、A4幅の原稿を8画素/mmの主
走査密度で読み取るように構成する場合、1728個の
受光素子を等間隔一列に配列する必要がある。このよう
な受光素子は、複数個の受光素子28を設けたイメージ
センサチップ24を複数個並設して実現される。たとえ
ば、96個の受光素子を有するイメージセンサチップ2
4を用いる場合、すべての受光素子28のピッチが一定
となるように、18個のイメージセンサチップ28を長
手方向に互いに密接させてヘッド基板23上に搭載する
ことになる。
【0027】上記カバーガラス22の上面と対向するよ
うにして、プラテンローラ29が配置されており、この
プラテンローラ29にバックアップされて、読み取り原
稿Dが上記カバーガラス22上に案内される。以上の構
成が、ガラスカバー22上に案内された原稿Dの画像を
読み取るイメージセンサとしての機能を実現する。すな
わち、カバーガラス22上に設定された読み取りライン
Lに沿う原稿D上の明暗画像がそのままイメージセンサ
チップ24上の受光素子列に反映され、1読み取りライ
ンごとに、各受光素子28の受光量を表すデータがシリ
アルにつなげられたアナログデータが読み取りデータと
して出力される。
【0028】一方、上記ヘッド基板23の下面における
幅方向一側寄りには、複数列状に配列された発熱ドット
30が設けられ、幅方向他側寄りには、上記発熱ドット
30を個別発熱制御するための複数個の駆動IC45が
搭載されている。発熱ドット列と対向するようにして、
プラテンローラ32が配置され、このプラテンローラ3
2にバックアップされるようにして、感熱記録紙等の記
録紙Pが上記発熱ドット30に押しつけられるようにし
て、搬送される。ヘッド基板23の下面に形成された以
上の構成が、サーマルプリントヘッドとしての機能を実
現する。すなわち、駆動IC45は、印字データにした
がって、1印字ラインごとに、発熱ドッ列のうちの選択
した発熱ドット30を発熱駆動する。
【0029】以下、上記ヘッド基板23の上面に形成さ
れるイメージセンサ機能のための具体的構成およびその
動作、ならびに、ヘッド基板23の下面に形成されるサ
ーマルプリントヘッド機能のための具体的構成およびそ
の動作について、説明する。
【0030】図3は、上記ヘッド基板23の上面に取付
けられたイメージセンサチップ24の1単位を平面的に
示している。このイメージセンサチップ24は、シリコ
ンウエハ上にマスクワークを施すことによって所定の素
子や端子を一体に造り込んだのち、ダイシングによって
単位チップに分割したものであり、その上面一側縁に沿
って、上記受光素子28が8個/mmのピッチで等間隔に
配置されているとともに、上面他側縁に沿って、シリア
ル・イン(SI)、クロック(CLK)、ロジック電源
(VDD)、グランド(GND)、アナログ・アウト
(AO)、シリアル・アウト(SO)などの端子パッド
が配列されている。これらの端子パッドは、後述するよ
うに、ヘッド基板23上に形成された所定の配線パター
ンに対して、ワイヤボンディングによって結線される。
【0031】図5は、上記イメージセンサチップ24の
等価回路構成を示す。受光素子としての複数個(図に示
す形態においては96個)の光電変換素子、より具体的
にはフォトトランジスタ28が、それらのエミッタをロ
ジック電源(VDD)に共通接続するようにして配設さ
れている。各フォトトランジスタ28のコレクタには、
アナログスイッチ33がそれぞれ直列に接続されてい
る。これらのアナログスイッチ33は、当該イメージセ
ンサチップ24が選択された状態において、クロック信
号によって作動する切り換え回路34によって、順次的
にオンされる。このような切り換え回路34としては、
シフトレジスタが好適に採用される。したがって、この
シフトレジスタ34には、シリアル・イン(SI)信
号、および、クロック(CLK)信号が入力される。
【0032】各アナログスイッチ33の出力端とグラン
ド(GND)端子との間には、所定の抵抗値をもつ抵抗
負荷35が、直列的かつ共通的に接続されている。そし
て、この抵抗負荷35と並列に、コンデンサ負荷36が
介装されている。これは、抵抗負荷35とコンデンサ負
荷36とが協働して、フォトトランジスタ28のための
出力負荷を構成する。すなわち、これら抵抗負荷35お
よびコンデンサ負荷36の光電変換素子側の端部は、増
幅回路としてのオペアンプ37の非反転入力に接続され
ている。このオペアンプ37の反転入力には、グランド
との間に介装された抵抗群Raと、オペアンプ37の出
力端との間に介装された抵抗群Rbとからなるゲイン調
整用抵抗Rが接続されている。周知のとおり、オペアン
プ37のゲインGは、G=1+(Rb /Ra )の関係に
よって定まる。
【0033】上記ゲイン調整用抵抗Rは、より具体的に
は、次のように構成されている。すなわち、上記抵抗群
Ra は、20kΩの基準抵抗Ra0に、2kΩ、4kΩ、
8kΩおよび16kΩの4つの調整用抵抗Ra1, Ra2,
Ra3, Ra4が直列に接続されており、各調整用抵抗に
は、バイパス配線38がそれぞれ並列に設けられて構成
されている。また、上記抵抗群Rb は、200kΩの基
準抵抗Rb0に、20kΩ、40kΩ、80kΩおよび1
60kΩの4つの調整用抵抗Rb1, Rb2, Rb3,Rb4
直列に接続されており、各調整用抵抗には、バイパス配
線38がそれぞれ並列に設けられている。上記バイパス
配線38は、シリコンウエハ上に形成された微細なアル
ミニウム配線である。上記抵抗群Ra についていえば、
すべてのバイパス配線38がつながっている状態におい
て、上記基準抵抗Ra0のみが活きており、したがって、
この抵抗群Ra の全抵抗は20kΩである。同様に上記
抵抗群Rb についていえば、すべてのバイパス配線38
がつながっている状態において、全抵抗は200kΩで
ある。したがって、この状態でのオペアンプ37のゲイ
ンGは、G=1+(200/20)=11となる。
【0034】上記のゲインGを高めるには、上記抵抗群
Rb の全抵抗を高める。上記ゲインGを低めるには、上
記抵抗群Ra の全抵抗を高める。各抵抗群Ra ,Rb の
全抵抗を高めるには、それらを構成する直列接続の調整
抵抗Ra1, Ra2, Ra3, Ra4, Rb1, Rb2, Rb3, Rb4
のどれを活かすかを選択し、その選択された抵抗のバイ
パス配線38を切断する。図に示す実施形態において
は、たとえば抵抗群Raについては、その調整抵抗Ra1,
Ra2, Ra3, Ra4が2kΩ、22 kΩ、23 kΩ、2
4 kΩの4つの抵抗からなっているので、調整抵抗のう
ちのどの抵抗を選択するかにより、20kΩから2kΩ
きざみで50kΩまでの抵抗値を選択することができ
る。同様に、抵抗群Rb については、200kΩから2
0kΩきざみで500kΩまでの抵抗値を選択すること
ができる。ゲインの調整は、ダイシングによるチップ分
割前のウエハの状態において、所定の照明条件のもとで
各チップ領域についてアナログ出力をチェックし、この
段階でのアナログ出力に対してユーザ等によって求めら
れるアナログ出力レベルを得るために必要なアンプ37
のゲインを演算し、こうして演算されたゲインとなるよ
うに、上記抵抗群Ra および抵抗群Rb の全抵抗を設定
するべく、選択した調整抵抗のバイパス配線38をレー
ザカットにより切断することにより行う。このようなレ
ーザカットは、たとえばエキシマレーザのビームを入・
切制御しつつ、ウエハ上を走査させることにより簡便に
行うことができる。
【0035】一方、上記抵抗負荷35およびコンデンサ
負荷36からなる出力負荷と並列にアナログスイッチ3
9が介装され、このアナログスイッチ39は、チップ選
択回路40からの信号によってオン・オフされる。ま
た、上記オペアンプ37の出力端とアナログ・アウト
(AO)端子との間には、アナログスイッチ41が介装
され、このアナログスイッチ41は、上記チップ選択回
路40からの信号によってオン・オフされる。上記シフ
トレジスタ34の一端は、シリアル・アウト(SO)端
子および上記チップ選択回路40に接続されており、上
記チップ選択回路40には、シリアル・イン(SI)信
号およびクロック(CLK)信号が入力される。
【0036】上記チップ選択回路40は、上記シリアル
・イン(SI)からのパルス信号が入力されてから、シ
フトレジスタ34の出口からのパルス信号の出力までの
期間、上記アナログスイッチ41をオンし、クロックパ
ルスの各立ち上がりの期間、上記アナログスイッチ39
をオンする。
【0037】上記のようにして形成されたイメージセン
サチップ24は、次のようにして基板23上にボンディ
ングされる。すなわち、図4に示すように、各イメージ
センサチップ24のロジック電源(VDD)端子は基板
23上のロジック電源配線パターン42VDD に、グラン
ド(GND)端子は基板上のグランド配線パターン42
GND に、クロック信号(CLK)端子は基板上のクロッ
ク信号配線パターン42CLK に、アナログ・アウト(A
O)端子は基板上のアナログ・アウト配線パターン42
AOに、それぞれワイヤボンディングによって共通接続さ
れるとともに、隣接するイメージセンサチップのシリア
ル・イン(SI)端子とシリアル・アウト(SO)端子
間は、基板上の配線パターン42S を介して、カスケー
ド接続される。
【0038】上記ヘッド基板23にはまた、照明光源と
しての複数個のLEDチップ25を配設するための配線
パターン42LED も形成されており、これらの配線パタ
ーンを利用して、上記複数個のLEDチップ25が、所
定間隔をおいて配設されている。
【0039】上記の各配線パターン42VDD ,4
GND ,42CLK ,42AO,42S ,42 LED は、アル
ミナセラミックからなる基板材料の上面に、たとえば、
金ペースト、あるいは銀・パラジウムペーストを用いた
スクリーン印刷および焼成を行うことにより、好適に形
成することができる。なお、好適には、このような配線
パターンを形成した基板には、さらに、図6に示すよう
に、ガラスペーストによって印刷および焼成を行うこと
による、保護層が形成される。各配線パターンは、基板
23の一定部位に集められ、たとえば適当なコネクタを
装着しておくなどして、外部接続に備えられる。
【0040】次に、上記イメージセンサ機能の動作を説
明する。ガラスカバー22に設定される読み取りライン
L上にある原稿Dの明暗画像が1728個の受光素子2
8に集束させられる。すなわち、読み取りライン上の明
暗画像に対応する強さの光が一列に並ぶ上記1728個
の受光素子のそれぞれに照射される。
【0041】図7のタイミングチャートに示されるよう
に、当該チップにシリアル・イン(SI)端子からのパ
ルス信号が入力された時点で、上記チップ選択回路40
は、アナログ・アウト(AO)端子におけるアナログス
イッチ41をオンし、この状態は、シフトレジスタ34
からパルス信号が出力(SO)されるまで継続する。す
なわち、上記アナログスイッチ41がオンとなっている
期間、アナログ・アウト(AO)端子から画像読み取り
データがシリアルに出力される。
【0042】シフトレジスタ34の一端に入力されたパ
ルス信号は、クロックパルスによって順次シフトされ、
これにともない、各フォトトランジスタ28に直列接続
されているアナログスイッチ33が順次的にオンされ
る。こうして、読み取り信号を取り出すべきフォトトラ
ンジスタ28が順次的に選択される。一方、上記チップ
選択回路40はまた、クロックパルスの各立ち上がり期
間上記アナログスイッチ39をオンし、クロックパルス
の立ち下がり期間上記アナログスイッチ39をオフする
から、図7のタイミングチャートに示されるように、ク
ロックパルスの各立ち下がり期間、上記のように順次的
に選択されるフォトトランジスタ28によって所定の読
み取り周期の間に当該フォトトランジスタが受けた光の
強さに応じた電荷が上記抵抗負荷35およびコンデンサ
負荷36からなる出力負荷を流れる。このときの微小電
流信号は、上記出力負荷35,36のフォトトランジス
タ側の電位として検出され、これは、上記オペアンプ3
7によって電圧波形に変換されるとともに所定のゲイン
によって増幅され、このような電圧波形よりなるアナロ
グデータが上記アナログ・アウト(AO)端子からシリ
アルに出力される。シフトレジスタ34の出口から出力
されたパルス信号は、シリアル・アウト(SO)端子か
らヘッド基板23上のパターンを介して隣接するチップ
に送られ、隣接するチップでは、上述したのと同様に、
各フォトトランジスタ28によって検出された信号が、
シリアルデータとして読み出される。
【0043】図7にはまた、上記実施形態に係るイメー
ジセンサチップ24について、照明光の強さを変更した
場合の出力波形が示されている。この図から判るよう
に、光を照射しない暗レベルにおいて、図16および図
17に示した従来例のようにクロックパルスが交流成分
として出力波形に乗るということがない。これは、上記
のイメージセンサチップ24においては、出力負荷3
5,36および増幅回路37がイメージセンサチップ2
4内に一体に組み込まれているために、従来例のように
ノイズを拾いやすい高インピーダンス出力が基板に引き
出されることがないためである。したがって、出力波形
は、各フォトトランジスタ28が受ける光の強さに対応
した適正なものとなり、その結果、このイメージセンサ
チップによる画像読み取り性能は、飛躍的に高まる。
【0044】ところで、上記実施形態においては、受光
素子としてのフォトトランジスタ28の負荷として、抵
抗負荷35とコンデンサ負荷36とを協働させた構成を
採用している。前述のように、フォトトランジスタ28
は、読み取り周期の間に受けた光の量に応じた電流を、
上記アナログスイッチ39がオフとなっている期間に出
力するが、このとき、出力負荷中のコンデンサとしての
特質から、フォトトランジスタ28に滞留していた電荷
が一挙にこのコンデンサ36に流入し、上記アナログス
イッチ39のオフ期間が終了した時点でとくにフォトト
ランジスタ28のベースに残留する電荷量を低減するこ
とができる。
【0045】図8は、原稿Dに「白」部分と「黒」部分
とを設け、「白」部分に引き続いて「黒」部分を読み取
った場合のアナログ出力について、フォトトランジスタ
28の出力負荷として種々のものを設定した場合につい
て実験した結果をまとめたものである。すなわち、図8
(a) は、上記出力負荷しとて47kΩの抵抗を設けた場
合、図8(b) は上記出力負荷として100kΩの抵抗を
設けた場合、図8(c)は上記出力負荷として容量33p
Fのコンデンサを設けた場合、図8(d) は上記出力負荷
として容量100pFのコンデンサを設けた場合、図8
(e) は上記出力負荷として容量200pFのコンデンサ
を設けた場合につき、それぞれ、「白」読み取り時での
出力と「黒」読み取り時での出力を量的に表している。
なお、この場合の電源電圧は5V、照明光源の光量は
0.796μW、読み取り周期は5ms、オペアンプの
ゲインは10倍である。この図から判るように、理想的
には出力レベルが0であるはずの「黒」読み取りにおい
ても、ある程度のレベルの出力が生じる。これは、
「白」読み取り時にフォトトランジスタにおけるとくに
ベースに残留した電荷が「黒」読み取り時に出力された
結果である。すなわち、「黒」読み取り時のアナログ出
力は、その直前の「白」読み取り時における残留電荷量
に相当する。
【0046】図8から判るように、出力負荷として抵抗
を設けた場合には、上記残留電荷量の「白」読み取り時
の出力に対する比率は26%を超えるが、出力負荷とし
てコンデンサを設けた場合には、上記比率はより低く、
容量の設定によっては、16%近くまで下げることがで
きる。このような残留電荷量の比率が低くなるほど、細
い横罫線の読み取りが適正に行えるのであり、したがっ
て、実施形態に採用されている上記イメージセンサチッ
プ24によれば、横罫線の読み取りという観点からみて
も、その性能が向上させられている。
【0047】また、出力負荷中に抵抗負荷35を上記の
ようにして含ませることにより、かつ、この抵抗負荷3
5の抵抗値を選択することにより、図9に示すように、
アナログ・アウト(AO)端子から出力される明出力波
形を変更することができる。すなわち、抵抗負荷が相対
的に大きい場合には、図9(a) に示すように、出力波形
は右上がりの鋸刃状を呈し、抵抗負荷を小さくしてゆく
にしたがって、波形の頂部の終端部が下がり傾向とな
る。画像読み取りデータの最適な処理にあたっては、図
9(b) に示すように、このような明出力波形ができるだ
け矩形波に近い、頂部に水平部または略水平部が形成さ
れるような波形であることが望ましいが、かかる波形
は、上記抵抗負荷の抵抗値を適切に選択することによっ
て得ることができる。
【0048】図10ないし図15は、ヘッド基板23の
下面に形成されるサーマルプリントヘッド機能の構成例
を示している。図に示される実施形態においては、いわ
ゆる厚膜型のサーマルプリントヘッドとしての構成が上
記ヘッド基板23の下面に形成されている。図10ない
し図13に示されるように、上記ヘッド基板23の下面
の一側縁に沿うようにして、上記発熱ドット30を構成
するための発熱抵抗体44が直線状に設けられており、
上記発熱ドット30を所定個数毎に分担して駆動するた
めの駆動IC45が、上記ヘッド基板23の下面の他側
縁に沿うようにして複数個搭載されている。
【0049】図14および図15に詳示するように、上
記発熱抵抗体44の外側には、これと平行に延びるよう
にして共通電極配線46が形成されている。この共通電
極配線46からは、発熱抵抗体44の下層にもぐり込む
ようにしてヘッド基板23の幅方向に櫛歯状のコモンパ
ターン47が延ばされている。また、このコモンパター
ン47の各間の領域には、櫛歯状の個別電極パターン4
8が入り込まされている。この櫛歯状個別電極パターン
48の基端部は、上記駆動IC45の一側近傍まで延ば
されており、各個別配線パターン48は、上記駆動IC
45の出力パッドDROに対してワイヤボンディングに
よって結線されている。
【0050】上記各駆動IC45は、これに入力される
印字データにしたがって、選択した個別電極パターン4
8に電流を流す。そうすると、発熱抵抗体44におい
て、当該個別電極パターン48を挟んで両側に位置する
コモンパターン47間の領域に電流が流れ、この領域が
発熱する。すなわち、発熱抵抗体44は、図14に詳示
するように、その下にもぐり込んでのびる櫛歯状のコモ
ンパターン47によって、長手方向に微小領域毎に区画
され、各区画された領域が発熱ドット30として機能す
る。
【0051】図12に示すように、各駆動IC45の上
面には、上記した出力パッドDROのほか、信号系のパ
ッドと、電源系のパッドとが形成される。信号系のパッ
ドとしては、データ・インパッドDI、データ・アウト
パッドDO、クロック信号パッドCLK、ストローブ信
号パッドSTB、ラッチ信号入力パッドLA、等があ
る。電源系のパッドとしては、ロジック電源パッドVD
D、およびパワーグランドパッドPG等がある。
【0052】上記データ・インパッドDIは、各駆動I
C45の左方に設けられており、データ・アウトパッド
DOは右方に設けられている。そして、隣合うIC間の
データ・アウトパッドDOとデータ・インパッドDI間
は、ヘッド基板23上に形成された配線パターン50
DATAを利用するなどして、カスケード接続されている。
上記ストローブ信号入力パッドSTB、クロック信号入
力パッドCLK、ラッチ信号入力パッドLAは、それぞ
れ、ヘッド基板23上に形成されたストローブ信号用配
線パターン50STB 、クロック信号用配線パターン50
CLK 、グランド用配線パターン50GND にそれぞれ共通
接続される。また、上記ロジック電源パッドVDDおよ
びパワーグランドパッドPGもまた、基板上に形成され
たロジック電源用配線パターン50VDD およびパワーグ
ランド用配線パターン50PGに、それぞれ共通接続され
る。上記駆動IC45の各入出力パッドとヘッド基板2
3上の各配線パターンとの間の接続は、ワイヤボンディ
ングによって行われる。
【0053】ヘッド基板23の裏面に形成される上記の
各種の配線パターン、すなわち、各発熱ドットに接続さ
れるコモン配線パターン47、個別電極パターン48、
駆動IC45に接続される信号系配線パターンおよび電
源系配線パターンは、上記コモン配線パターン47およ
び個別配線パターン48が微細な配線パターンであるた
めに、セラミック基板材料上に金ペーストを印刷・焼成
して金被膜を形成した後、この金被膜に対してフォトリ
ソ工程を施すことによって形成される。なお、サーマル
プリントヘッド機能を形成するためのヘッド基板23の
下面にはまた、上記配線パターンを形成するに先立っ
て、ガラスペーストを印刷・焼成することによるグレー
ズ層51が形成されている。また、配線パターンの形成
後の表面には、やはりガラス等からなる保護層52が形
成される。すでに述べたように、ヘッド基板23の上面
側の配線パターンを覆うようにして保護層43が形成さ
れるが、上記ヘッド基板23の形成は、まず、上面のイ
メージセンサ機能のための配線パターン42VDD ,42
GND ,42CLK ,42AO,42S 等の形成を行った後、
下面のサーマルプリントヘッド機能のための配線パター
ン47,48,50D,50DATA,50STB ,5
CLK ,50GND ,50VDD ,50PG等の形成を行うよ
うにすることが好適であり、その場合、上面側の保護層
43は、下面側の配線パターンや保護層52の形成や、
発熱ドット30の抵抗値調整を行うパルストリミング時
に発生する熱によってはたやすく軟化溶融して不具合が
発生することがないように、相対的に軟化温度が高い材
質が採用される。
【0054】たとえば、8ドット/mmの印字密度でA4
幅の印字を行うように構成する場合、上記発熱抵抗体3
上に1728個の発熱ドットが形成される。一つの駆動
ICが、それぞれ96個の発熱ドットを担当してこれを
駆動する場合、ヘッド基板23上には、18個の駆動I
C31が搭載されることになる。
【0055】データ用配線パターン50DATAを介して1
728ドット分の印字データが入力されると、各駆動I
Cのシフトレジスタ内には、96ドット分ずつの印字デ
ータがストアされる。ついでラッチ信号が入力さると、
シフトレジスタ内のデータはラッチレジスタに移送され
る。ついでストローブ信号が入力されている間、ラッチ
レジスタにおけるハイレベルとなっている桁と対応する
発熱ドット30を駆動するべく、上記個別電極パターン
48に電流が流される。
【0056】このとき、発熱抵抗体44には、感熱記録
紙Pがプラテンローラ32に押圧されて接触させられて
おり、上記のように駆動されて発熱させられている発熱
ドット30接触する部分が変色して印字記録が行われ
る。そして、感熱記録紙Pが1ピッチずつ副走査方向に
送られて上記と同様の作動により印字が行われる。
【0057】以上説明したように、本願発明に係る上記
画像読み書きヘッド20は、ケース21の上面に取付け
たガラスカバー22上に案内されてくる原稿Dの画像を
上記ヘッド基板23の上面に配置したイメージセンサチ
ップ24が読み取る。一方、ケース21の裏面側に臨む
上記ヘッド基板23の下面に配置された複数の発熱ドッ
ト30が印字データにしたがって駆動回路45によって
駆動させることにより、この発熱ドット30に接触する
ようにして送られる感熱記録紙Pに画像を記録する。こ
のように、上記構成の画像読み書きヘッド20は、その
上面に読み取り原稿Dの搬送経路を設定し、下面に記録
紙Pの搬送経路を設定することができるので、この画像
読み書きヘッド20を搭載する画像処理装置は、とくに
その原稿および記録紙送り方向(副走査方向)の寸法
を、著しく短縮することができる。
【0058】また、図に示す形態においては、上記イメ
ージセンサチップ24は、受光部としての所定個数の光
電変換素子28、各光電変換素子にそれぞれ直列的に接
続されるアナログスイッチ33、クロック信号によって
上記アナログスイッチ33を順次的にオンする切り換え
回路34などからなるイメージセンサチップとしての基
本的構成に加え、各光電変換素子28のための出力負荷
35,36と、この出力負荷35,36の一端電位を増
幅するための増幅回路37と、この増幅回路37のため
のゲインを調整するための抵抗Rまでもが1チップ内に
一体に造り込まれたものである。とくに、増幅回路のゲ
インは、このイメージセンサチップ24を作製するため
のウエハの段階において、上記直列に接続された複数の
抵抗Ra1,Ra2,Ra3,Ra4,Rb1,Rb2,Rb3,Rb4
のうち、選択した抵抗を、そのバイパス配線38をレー
ザカットして活かすことによって上記ゲイン調整抵抗の
全抵抗を設定することにより、簡便に調整することがで
きる。そうして、このようなイメージセンサチップ24
においては、画像読み取り信号として各光電変換素子2
8から出力される微小電流信号は、センサチップ外に出
ることなく、上記出力負荷35,36の光電変換素子側
の電位が増幅回路37によって増幅されたアナログ電圧
信号として外部に出力される。したがって、従来の密着
型イメージセンサの場合のように、クロック信号に起因
するノイズによって画像読み取り性能が悪化するという
不具合は著しく軽減され、または解消される。
【0059】図に示す実施形態においては、上記ヘッド
基板23は、耐熱性と絶縁性に優れたセラミック材料を
基材としているので、その下面に構成されるサーマルプ
リントヘッド機能のための基板として求められる要件を
満足する。そして、その上面にイメージセンサ機能を構
成するための配線パターンのみを、その下面にサーマル
プリントヘッド機能を構成するための配線パターンのみ
を形成している。サーマルプリントヘッド機能を構成す
るための配線パターンは、共通電極パターン47および
個別電極パターン48の双方が微細なパターンであるた
め、フォトリソ工程を必要とするが、上記構成のヘッド
基板23は、まず、アルミナセラミックからなる基板材
料の上面に対してイメージセンサ機能を形成するための
配線パターンをたとえばスクリーン印刷法によって形成
した後、このヘッド基板中間品を、従前のサーマルプリ
ントヘッドのためのヘッド基板を製造するための工程に
導入することにより、簡便に製造することが可能とな
る。
【0060】もちろん、この発明の範囲は上述した実施
形態に限定されるものではない。図に示す実施形態で
は、ヘッド基板23として、セラミック基板材料の上面
にイメージセンサとしての機能を構成し、セラミック基
板材料の下面にサーマルプリントヘッドとしての機能を
構成したが、たとえば、ガラスエポキシ基板材料の上面
に上記イメージセンサとしての機能を構成する一方、セ
ラミック基板材料の下面に上記サーマルプリントヘッド
としての機能を構成し、これらの基板を背中合わせに貼
り合わせててヘッド基板を構成することもできる。
【0061】また、図に示す実施形態においては、ヘッ
ド基板23の下面には、いわゆる厚膜型のサーマルプリ
ントヘッドを形成したが、いわゆる薄膜型のサーマルプ
リントヘッドを構成してもよいことはもちろんである。
【0062】さらに、図に示す実施形態においては、イ
メージセンサ機能において、各光電変換素子28に直列
に接続されるアナログスイッチ33は、各光電変換素子
28に対してグランド側に接続されているが、電源側に
接続することもできる。また、コンデンサ負荷36およ
び抵抗負荷35は、図に示す実施形態のように光電変換
素子に対してグランド側に共通接続するほか、電源側に
共通接続し、その端部間の電位差を増幅回路によって増
幅するようにしてもよい。
【0063】さらに、図に示す実施形態においては、フ
ォトトランジスタ28のための出力負荷として、コンデ
ンサ負荷36と抵抗負荷35とを並列接続して構成した
が、抵抗負荷35のみ、あるいはコンデンサ負荷36の
みで構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る画像読み書きヘッドの一実施形
態の分解斜視図。
【図2】図1に示される画像読み書きヘッドの組立て状
態での断面図。
【図3】上記画像読み書きヘッドのヘッド基板の上面に
イメージセンサ機能を構成するために搭載されるイメー
ジセンサチップの一実施形態の拡大平面図。
【図4】上記ヘッド基板の上面の部分拡大平面図。
【図5】上記イメージセンサチップの等価回路図。
【図6】図4のVI−VI線断面図。
【図7】図5の回路構成をもつイメージセンサチップの
動作を説明するためのタイミングチャート。
【図8】図5の回路構成をもつイメージセンサチップの
作用を説明するためのグラフ。
【図9】図5の回路構成をもつイメージセンサチップの
作用を説明するための出力波形図。
【図10】上記ヘッド基板の下面に形成されるサーマル
プリントヘッド機能部の全体図。
【図11】図10に示されるサーマルプリントヘッド機
能部の左方部の詳細図。
【図12】図10に示されるサーマルプリントヘッド機
能部の長手方向中央部付近の詳細図。
【図13】図10に示されるサーマルプリントヘッド機
能部の右方部の詳細図。
【図14】図10ないし図13に示されるサーマルプリ
ントヘッド機能部における発熱ドット部の詳細図。
【図15】図14のXV−XV線断面図。
【図16】従来例に係るイメージセンサの断面図。
【図17】従来例の動作を説明するためのタイミングチ
ャート。
【符号の説明】 20 画像読み書きヘッド 21 ケース 22 ガラスカバー 23 ヘッド基板 24 イメージセンサチップ 25 LEDチップ 26 導光板 27 ロッドレンズアレイ 28 受光素子(フォトトランジスタ) 29 プラテンローラ 30 発熱ドット 32 プラテンローラ 33 アナログスイッチ 34 切り換え回路(シフトレジスタ) 35 抵抗負荷(出力負荷) 36 コンデンサ負荷(出力負荷) 37 増幅回路(オペアンプ) 38 バイパス配線 39 アナログスイッチ 40 チップ選択回路 41 アナログスイッチ 42VDD 電源用配線パターン 42CLK クロック用配線パターン 42AO アナログ出力用配線パターン 42GND グランド用配線パターン 42S シリアルデータ用配線パターン 42LED LEDチップ用配線パターン 43 保護層 44 発熱抵抗体 45 駆動IC 46 共通電極配線 47 コモンパターン 48 個別電極パターン 50D データ用配線パターン 50DATAデータ用配線パターン 50STB ストローブ信号用配線パターン 50CLK クロック信号用配線パターン 50GND グランド用配線パターン 50VDD 電源用配線パターン 50PG パワーグランド用配線パターン 51 グレーズ層 52 保護層 R ゲイン調整用抵抗 Ra 抵抗群 Rb 抵抗群 Ra1, Ra2, Ra3, Ra4 調整用抵抗 Rb1, Rb2, Rb3, Rb4 調整用抵抗 L 読み取りライン D 原稿面 P 記録紙

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケースと、このケースの上面に取付けら
    れたガラスカバーと、上記ケースの底部に取付けたヘッ
    ド基板とを備えており、 上記ヘッド基板の上面には、複数のイメージセンサチッ
    プと、複数の発光素子とが設けられているとともに、上
    記ガラスカバーと上記複数のイメージセンサチップとの
    間にロッドレンズアレイが配置されており、上記発光素
    子によって照明された上記ガラスカバー上の原稿からの
    反射光が上記複数のイメージセンサチップ上に集束する
    ように構成されているとともに、 上記ヘッド基板の裏面には、列状に配置された複数の発
    熱ドットと、各発熱ドットを駆動するための駆動回路と
    が設けられていることを特徴とする、画像読み書きヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 上記イメージセンサチップは、受光部と
    しての所定個数の光電変換素子と、各光電変換素子にそ
    れぞれ直列的に接続されるアナログスイッチと、クロッ
    ク信号によって上記アナログスイッチを順次的にオンす
    る切り換え回路と、上記各光電変換素子とこれに対応す
    るアナログスイッチとからなる各セットに直列的かつ共
    通的に接続される出力負荷と、上記出力負荷の光電変換
    素子側の電位を増幅する増幅回路と、この増幅回路のゲ
    イン調整用抵抗とを一体的に造り込まれて備えているも
    のである、請求項1に記載の画像読み書きヘッド。
  3. 【請求項3】 上記ゲイン調整用抵抗は、直列に接続さ
    れた複数の抵抗と、上記複数の抵抗の全部または一部の
    それぞれに設けたレーザ光によって切断可能なバイパス
    配線とを備えて形成されている、請求項2に記載の画像
    読み書きヘッド。
  4. 【請求項4】 上記ヘッド基板は、セラミック基板材料
    の上面に、上記複数のイメージセンサチップと、上記複
    数の発光素子とを配置するための配線パターンが形成さ
    れているとともに、上記セラミック基板材料の裏面に、
    上記複数の発熱ドットのための共通電極パターンおよび
    個別電極パターンを含む配線パターンが形成されたもの
    である、請求項2または3に記載の画像読み書きヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 上記ヘッド基板の裏面における少なくと
    も上記発熱ドットの下層には、蓄熱グレーズ層が形成さ
    れている、請求項4に記載の画像読み書きヘッド。
  6. 【請求項6】 上記ヘッド基板の上面における上記配線
    パターンおよび上記ヘッド基板の裏面における上記配線
    パターンはそれぞれ保護層で覆われており、かつ、上記
    ヘッド基板の上面の配線パターンを覆う保護層の軟化温
    度を上記ヘッド基板の裏面の配線パターンを覆う保護層
    の軟化温度よりも高く設定したこと特徴とする、請求項
    3ないし5のいずれかに記載の画像読み書きヘッド。
  7. 【請求項7】 上記ヘッド基板は、樹脂製基板材料の上
    面に上記複数のイメージセンサチップと上記複数の発光
    素子とを配置するための配線パターンが形成された第1
    基板と、セラミック製基板材料の裏面に上記複数の発熱
    ドットのための共通電極パターンおよび個別電極パター
    ンを含む配線パターンが形成された第2基板とを重ね合
    わせたものである、請求項2または3に記載の画像読み
    書きヘッド。
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