JPH09283971A - 珪酸カルシウムからなる電波吸収体 - Google Patents

珪酸カルシウムからなる電波吸収体

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JPH09283971A
JPH09283971A JP9806696A JP9806696A JPH09283971A JP H09283971 A JPH09283971 A JP H09283971A JP 9806696 A JP9806696 A JP 9806696A JP 9806696 A JP9806696 A JP 9806696A JP H09283971 A JPH09283971 A JP H09283971A
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Japan
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radio wave
wave absorber
calcium silicate
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JP9806696A
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English (en)
Inventor
Shigeru Osawa
茂 大沢
Takayoshi Imai
隆嘉 今井
Hidekatsu Tanabe
英勝 田辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ii & C Eng Kk
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Ii & C Eng Kk
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量、不燃性で優れた電波吸収能を有する電
波吸収体を提供する。 【解決手段】 珪酸カルシウム成形体中に炭素繊維がラ
ンダム且つ均一に分散しており、炭素繊維の平均長さが
30mm以下であり、その含有量が0.01〜50g/
lであり、嵩密度が0.1〜0.5g/cm3 であり、
且つアーチ法による試験において3ギガヘルツ及び10
ギガヘルツの周波数で測定した場合の電波吸収率が85
%以上である電波吸収体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電波吸収体、特に軽
量かつ不燃性で、加工性に優れた電波吸収体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】電波吸収体には既に50年の歴史があ
り、電波の測定に用いられる電波暗室をはじめ、各種の
用途に供されている。現在実用に供されている電波吸収
体は、発泡ポリウレタンや発泡ポリスチレンなどに黒鉛
その他の炭素粉を混入させたものである。この炭素粉
は、電波エネルギーを熱に変換する損失誘電体として機
能する。このような発泡プラスチックに炭素粉などを分
散させたものが良好な電波吸収性を示すのは、複素誘電
率の実数部がほぼ1である空気を多量に包含しているこ
とによる。電波吸収体の電気的性質は複素誘電率により
表現されるが、このうち虚数部だけが電波エネルギーの
熱への変換に寄与する。実数部はこれに寄与しないだけ
でなく、電波吸収体のインピーダンスを低下させ、空間
のそれと乖離させるので、空間から電波吸収体への電波
の伝播を阻害し、電波吸収性能を低下させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来から用いられてい
る発泡プラスチックに炭素粉などを分散させた電波吸収
体の問題点は、高温で変形し易く、且つ燃焼し易いこと
である。また紫外線などにより劣化しやすい。このよう
な問題のない電波吸収体として、無機系のものもいくつ
か提案されている。例えば特開平3−99496には、
コンクリート系の電波吸収体が記載されているが、この
ものは嵩密度が大きく、また電波吸収性を良好にするた
めに多層構造にするなど、製造及び使用上、いくつかの
難点がある。また、コンクリート系の欠点である嵩密度
が大きい点を改良する方法として、マイクロバルーンな
どの軽量骨材を用いることも提案されているが、必然的
に高価なものとなる。従って本発明は、これらの欠点の
ない電波吸収体を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電波吸収体
は、珪酸カルシウム成形体中に炭素繊維をランダム且つ
均一に分散させたもので、炭素繊維の平均長さが30m
m以下であり、その含有量が0.01〜50g/lであ
り、嵩密度が0.1〜0.5g/cm3 であり、且つア
ーチ法による試験において3ギガヘルツ及び10ギガヘ
ルツの周波数で測定した場合の電波吸収率が85%以上
であることを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明について更に詳細に説明す
るに、本発明に係る電波吸収体は、炭素繊維を含む珪酸
カルシウムスラリーを、常法により脱水成形・乾燥する
か又は脱水成形・水蒸気養生・乾燥することにより製造
することができる。珪酸カルシウムスラリーは、周知の
ように、石灰質原料と珪酸質原料とを水に分散させたス
ラリーを加熱することにより製造される。原料の種類や
組成及び加熱条件により、ゾノトライト、トバモライト
などの結晶質のものから、C−S−H−I、C−S−H
−II、さらには非晶質のものまで各種の珪酸カルシウム
スラリーが生成するが、本発明ではこれらのいずれをも
用いることができる。脱水成形に供する珪酸カルシウム
スラリーの濃度(無水物としての固形分濃度)は、通常
は10重量%以下であり、生産性を考慮すると3〜8重
量%が好ましい。
【0006】本発明の電波吸収体の製造に際しては、珪
酸カルシウムスラリーの脱水成形に先立ち、スラリー中
に炭素繊維を含有させる。炭素繊維としては短く切断さ
れた所謂チョップドストランドを用いる。チョップドス
トランドはPAN系でもピッチ系でもよく、また原料ス
ラリー中に添加しておいてもよく、また生成した珪酸カ
ルシウムスラリーに添加してもよい。スラリー中でチョ
ップドストランドは個々の単繊維にまで分散しているの
が好ましい。スラリー中での分散の容易さからして、炭
素繊維の平均長さ(累積重量分布が50%の点の繊維
長)は30mm以下、特に15mm以下が好ましい。炭
素繊維は珪酸カルシウム成形体中に0.01〜50g/
l含有させる。炭素繊維の好適な含有量はその平均長さ
により異なり、一般に平均長さが長いほど、少ない含有
量で良好な電波吸収性を示す。通常は含有量を対数で表
示した片対数グラフ上で、繊維の平均長さ(mm)と含
有量(g/l)との関係が、A点(0.3,0.5)、
B点(3,0.01)、C点(6,0.05)、D点
(10,0.01)、E点(30,0.01)、F点
(30,1)、G点(10,1)、H点(6,5)、I
点(3,10)及びJ点(0.3,50)の各点で囲ま
れた範囲にあるようにする。炭素繊維の含有量が過少で
あると良好な電波吸収性能を示さない。また、過大であ
ると電波を反射するようになり、且つ可燃性となる危険
があることに加えて断熱性能が低下する。好ましくは上
記の範囲内で、炭素繊維の平均長さが15mm以下であ
り、且つ含有量が0.05〜5g/lとなるようにす
る。このようにすると、断熱材として好適な70℃にお
ける熱伝導率を0.08cal/m.hr.℃以下とす
ることができる。特に好適なのは、含有量を対数で表示
した片対数グラフ上で、繊維の平気長さ(mm)と含有
量との関係が、K点(0.3,1)、L点(3,0.
5)、M点(6,0.3)、N点(10,0.1)、P
点(10,0.4)、Q点(6,1.2)、R点(3,
2.5)及びS点(0.3,4)の各点で囲まれた範囲
にあるものである。
【0007】なお、脱水成形に供するスラリー中には、
通常の珪酸カルシウム成形体の製造の場合と同じく、石
綿、ガラス繊維などの無機繊維や、ナイロン、ポリプロ
ピレン、ビニロン、ポリエチレンなどの合成繊維を補強
材として添加してもよい。また、これらの補強材に加え
て更にカルボキシル化SBRラテックスなどを添加し
て、得られる成形体の曲げ強度、靱性、加工性などを向
上させることもできる。
【0008】珪酸カルシウムスラリーからの成形体の製
造は、常法に従って行なうことができる。通常は珪酸カ
ルシウムスラリーを成形型に流し込んで脱水成形し、次
いでそのまま乾燥するか又は水蒸気養生したのち乾燥す
ることにより、目的とする成形体を得ることができる。
得られる成形体の嵩密度は0.5g/cm3 、特に0.
35g/cm3 以下とするのが好ましい。しかし、0.
1g/cm3よりも小さくすることは一般に困難であ
る。この嵩密度は脱水成形の際の圧力を調節することに
より制御できる。特に嵩密度の小さい成形体を所望の場
合には、珪酸カルシウムスラリーとして沈降体積の大き
いものを用いる。得られた成形体の乾燥は、通常100
℃以上、好ましくは100〜180℃、特に105〜1
50℃で行なわれる。乾燥に要する時間は、成形体の大
きさにより異なるが、通常5〜24時間である。
【0009】このようにして製造される電波吸収体は、
珪酸カルシウムマトリックス中に炭素繊維が不定方向に
且つ均一に分散した組織を有している。そして、0.1
〜0.5g/cm3 という小さな嵩密度並びに炭素繊維
の含有量とその分散状態とが総合的に作用して、優れた
電波吸収能を示す。例えばアーチ法による試験におい
て、3メガヘルツ及び10メガヘルツの周波数での吸収
率を85%とすることは容易であり、90%以上とする
ことも困難ではない。
【0010】
【実施例】次に実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 実施例1〜3及び比較例1 生石灰(CaO:96.2%)49.6重量部に温水を
加えて消石灰スラリーとした。これに珪石粉(Si
2 :96.4%)50.4重量部を加え、更に水でス
ラリー総重量を2850重量部とした。このスラリーを
オートクレーブに入れ、15kg/cm2 Gの圧力下で
4時間水熱合成して、珪酸カルシウム(ゾノトライト)
のスラリーとした。
【0011】この珪酸カルシウムスラリーに、珪酸カル
シウムに対して1重量%のガラス繊維(セントラルグラ
スファイバー(株)製品、ELS25−004)、及び
2重量%のパルプ(晒クラフトパルプ N−BKP)並
びに炭素繊維(呉羽化学工業(株)製品、クレカチョッ
プ C−206S、平均長さ6mm)を添加し、撹拌し
て均一に分散させた。この珪酸カルシウムスラリーを3
00×300の型枠に注入し、脱水成形して厚さ50m
mの成形体とし、150℃で20時間乾燥した。このよ
うにして得た製品につき、嵩密度、70℃における熱伝
導率並びに3ギガヘルツ及び10ギガヘルツの周波数に
おける電波吸収率をアーチ法により測定した。結果を表
−1に示す。
【0012】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 隆嘉 東京都豊島区南大塚三丁目43番11号 三菱 化学株式会社東京支社内 (72)発明者 田辺 英勝 静岡県引佐郡細江町中川2020番地 日本ケ イカル株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪酸カルシウム成形体中に短く切断され
    た炭素繊維が不定方向に且つ均一に分散している電波吸
    収体であって、炭素繊維の平均長さが30mm以下であ
    り、その含有量が0.01〜50g/lであり、嵩密度
    が0.1〜0.5g/cm3 であり、且つアーチ法によ
    る試験において3ギガヘルツ及び10ギガヘルツの周波
    数で測定した場合の電波吸収率が85%以上であること
    を特徴とする電波吸収体。
  2. 【請求項2】 炭素繊維の平均長さと含有量とが、片対
    数グラフ上において、A点(0.3,0.5)、B点
    (3,0.01)、C点(6,0.05)、D点(1
    0,0.01)、E点(30,0.01)、F点(3
    0,1)、G点(10,1)、H点(6,5)、I点
    (3,10)及びJ点(0.3,50)の各点で囲まれ
    た範囲にあることを特徴とする請求項1記載の電波吸収
    体。
  3. 【請求項3】 炭素繊維の平均長さが15mm以下であ
    り、その含有量が0.05〜5g/lであることを特徴
    とする請求項2記載の電波吸収体。
  4. 【請求項4】 炭素繊維の平均長さと含有量とが、片対
    数グラフ上において、K点(0.3,1)、L点(3,
    0.5)、M点(6,0.3)、N点(10,0.
    1)、P点(10,0.4)、Q点(6,1.2)、R
    点(3,2.5)及びS点(0.3,4)の各点で囲ま
    れた範囲にあることを特徴とする請求項1記載の電波吸
    収体。
  5. 【請求項5】 70℃における熱伝導率が0.08ca
    l/m.hr.℃以下であることを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれかに記載の電波吸収体。
  6. 【請求項6】 嵩密度が0.1〜0.35g/cm3
    あることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記
    載の電波吸収体。
JP9806696A 1996-04-19 1996-04-19 珪酸カルシウムからなる電波吸収体 Pending JPH09283971A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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