JPH09282007A - 圧力制御系および流量制御系の調整装置および制御検証装置,ならびに流量制御装置 - Google Patents

圧力制御系および流量制御系の調整装置および制御検証装置,ならびに流量制御装置

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JPH09282007A
JPH09282007A JP8086950A JP8695096A JPH09282007A JP H09282007 A JPH09282007 A JP H09282007A JP 8086950 A JP8086950 A JP 8086950A JP 8695096 A JP8695096 A JP 8695096A JP H09282007 A JPH09282007 A JP H09282007A
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弘 木川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現場における試運転が必要であり、実際にフ
ァン,ポンプ等のプラントに試験信号を入力し、流路内
に流体を駆動することにより発生する静圧あるいは流量
を実際に検出して試験信号と静圧あるいは流量との関係
を求める必要があるなどの課題があった。 【解決手段】 ファン駆動信号108から静圧検出信号
107までのステップ応答を演算するステップ応答演算
手段105と、ステップ応答演算手段105で演算され
たステップ応答からPID制御手段103のPID制御
パラメータを求めてPID制御手段103に対して出力
するPIDパラメータ演算手段106とを備えたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ダクト,配管等
の流路内の流体の圧力制御系および流量制御系の調整装
置および制御検証装置,ならびに流量制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】気体または液体からなる流体を、ファン
またはポンプにより送出し、ダクトまたは配管からなる
流路と流路より分岐した枝流路を介して複数の被供給部
に供給する制御装置には、流路または枝流路内の流体の
圧力を目的値に制御する圧力制御装置と、流路または枝
流路内の流体の流量を目的値に制御する流量制御装置が
ある。この圧力制御装置および流量制御装置の制御にお
いては一般にPID(比例積分微分)制御手段が用いら
れており、PID制御手段は、現在の圧力または流量と
目的値との偏差を入力し、この偏差に対して、比例ゲイ
ンKp ,積分時間TI ,微分時間TD 等のPID制御パ
ラメータにより決定される変換を行う。このPID制御
手段からの出力がファンまたはポンプの駆動手段に入力
されることにより、圧力制御または流量制御が行われ
る。そして、このPID制御手段のPID制御パラメー
タを自動決定することにより圧力制御装置や流量制御装
置の制御調整を行う圧力制御系や流量制御系の調整装置
も用いられている。
【0003】圧力制御系の調整装置に関する従来技術に
は、例えば、特開平7−261805号公報に示された
「比例積分微分制御パラメータ自動調整装置」がある。
図28は、この従来の圧力制御系の調整装置を示すブロ
ック図である。
【0004】図28における制御系の調整装置は、目標
値1001と例えばファン,ポンプ等のプラント100
4の出力1005との偏差が入力されるPID制御装置
1002の出力をその入力1003とする上記プラント
1004の入力1003と出力1005を入力して同プ
ラント1004を一次遅れ+無駄時間モデルで同定する
プラント同定手段1006、およびプラント同定手段1
006から上記モデルを入力してPID制御パラメータ
であるプラントの比例ゲインKp ,積分時間TI ,およ
び微分時間TD を算出して上記PID制御装置1002
へ出力するPIDパラメータ決定手段1007から構成
されている。
【0005】このような構成において、プラント同定手
段1006は得られたプラントモデルに対して、PID
パラメータ決定手段1007は、ジグラー・ニコルスの
限界感度調整則等によって、PID制御装置1002の
比例ゲインKp ,積分時間TI ,および微分時間TD を
求め、これをPID制御装置1002に入力してPID
制御装置1002のPID制御パラメータを修正する。
なお、ここに示した従来技術は、一般のプラントの制御
系について扱っているが、ダクト内気体あるいは配管内
液体の圧力制御系および流量制御系の制御調整も同様の
技術で実施されている。
【0006】流量制御系の制御装置に関する従来技術に
は、例えば、特開平7−63404号公報に示された
「空気調和機」がある。図29は、従来のダクト式空気
調和機における風量制御装置を示すブロック図である。
【0007】図において、1は空気調和機の対象となる
被空調室であり、この例では3部屋の場合を示してい
る。2は被空調室1の天井内などに配設され、冷風又は
温風の送風源として機能する室内機を構成する集中送風
装置であり、空気を冷却又は加熱する熱交換器4、およ
び冷風又は温風を送風するファン5で構成されている。
なお、熱交換器4およびファン5からの送風温度は温度
検出器15により検出される。
【0008】6は集中送風装置2の空気吹出口に連通す
る主ダクト、7は主ダクト6から各被空調室1の数に応
じて分岐された枝ダクト、8は各枝ダクト7に設けら
れ、各被空調室1への送風量を調整する絞り形式の送風
量調整装置であり、回動可能に取り付けられたダンパ9
を有している。
【0009】21は集中送風装置2の出口空気圧と入口
空気圧との圧力差を検出する圧力差検出器、22はファ
ン5のファンモータの回転速度を検出する回転速度検出
手段、23は同じくファンモータの運転周波数を検出す
るファンモータ運転周波数検出手段、24は各ダンパ9
の開度を制御するダンパ制御手段であり、ダンパ9には
それぞれ図示しない駆動機構が接続されており、ダンパ
制御手段24からの開度信号に応じてそれぞれの駆動機
構が作動し、対応するダンパ9の開度の制御が行われ
る。
【0010】25は回転速度検出手段22の出力とファ
ンモータ運転周波数検出手段23の出力から風量を算出
する風量算出手段、26は圧力差検出器21の検出信号
に基づいて、実際の送風圧力差を測定する圧力差測定手
段、27は圧力差測定手段26と風量算出手段25とダ
ンパ制御手段24の各出力により、送風量調整装置8の
通過風量とダンパ9の開度と送風圧力差との関係を演算
する風量演算手段である。
【0011】この風量演算手段27は、圧力差測定手段
26と風量算出手段25とダンパ制御手段24の各出力
の関係を演算評価し、テーブル化又は定式化することに
より、各ダクト内の送風抵抗を算出する。
【0012】次に動作について説明する。使用者が図示
しない各ルームサーモスタットで温度を設定すると、こ
の設定温度と、検出された現在の実際の室温との温度差
に応じて、送風量調整装置8のダンパ9の開度がそれぞ
れ任意の位置に調整される。
【0013】このダンパ9の開度に応じて、ファン5に
よる送風量が調整される。また、送風量の変化に伴い熱
交換器4の出口側の送風温度も変化するため、この変化
を温度検出器15が検出し、あらかじめ設定された送風
温度となるように、熱交換機4の能力が制御される。こ
のような一連の制御により、ほぼ、一定温度に調整され
た適量かつ適温の空気が、吹出口から被空調室1内に吹
き出される。
【0014】ここで、風量演算手段27の機能および動
作を図30により説明する。図30において、縦軸は、
ファン5による集中送風装置2の出口空気圧と入口空気
圧との圧力差から求まる送風圧力差P、横軸は風量Q、
Aはファン5の特性曲線、Bは所定のダンパ9に至る枝
ダクト7等の送風抵抗を示す抵抗曲線、Cはダンパ9の
閉方向を示す矢印である。
【0015】ここで、抵抗曲線Bのパラメータは、各ダ
ンパ9の開度Dである。なお、送風特性曲線Aは、ファ
ン5のファンモータ運転周波数を所定の周波数に固定し
た場合を示している。枝ダクト7等の送風抵抗を示す抵
抗曲線Bはダンパ9の開度Dによって変化する。
【0016】この特性図を利用することにより、所定の
ダンパ9の開度Dを数段階にわたって順次変化させる。
このとき、他のダンパ9は全閉状態とされる。このとき
の各風量Q1 〜Q3 と、この風量に対応する送風圧力差
P1 〜P3 を測定すれば、送風圧力差Pと風量Qとダン
パ9の開度Di の相関関係が判明する。
【0017】従って、所定のダンパ9の開度をD1 と
し、他のダンパ9を全閉状態にしたときの風量がQ1
で、送風圧力差がP1 であれば、点aはそのときのファ
ン5の送風特性曲線Aと抵抗曲線Bの交点となる。すな
わち、この送風圧力差P1 はファン5による集中送風装
置2の出口空気圧と入口空気圧との圧力差であるととも
に、この送風圧力差が風量Q1 としたときの該当ダンパ
9を含むダクト管路の送風抵抗と等しい。
【0018】この考え方に従えば、単にダクト内圧力に
よる送風抵抗を求める考え方に比べ、いっそう正確にダ
クト管路の送風抵抗が求まる。これは、ダクト内圧力に
よる場合には、吸込側の圧力は評価されずに、単に吹出
側の圧力だけからダクト管路の送風抵抗を求めるものだ
からである。上記と同様の操作を、他のダンパ9につい
て行なうことにより、それぞれの送風風路についての送
風圧力差Pと風量Qとダンパ開度Di の関係をテーブル
化又は定式化できる。そして、このテーブル化は、定式
化された結果を用いれば、送風圧力差Pとダンパ9の開
度Di を既知として、各風量Qを算出することができ
る。又は、各送風量調整装置8を通過する通過風量をあ
らかじめ設定すれば、集中送風装置2の送風圧力差Pの
ときの各ダンパ9の開度Di をそれぞれ算出することが
できる。
【0019】従って、上記のような風量演算手段27等
を用いて空気調和機を構成すれば、従来から要求されて
いた各被空調室1ごとの精度の高い送風制御を、各ダン
パ9の開度および風量を制御指標としたファン5の送風
容量制御により行うことができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従来の圧力制御系およ
び流量制御系の制御装置および調整装置は以上のように
構成されているので、両装置とも現場における試運転が
必要であり、プラントすなわちファンあるいはポンプに
試験信号を入力し、ダクト内あるいは配管内に気体ある
いは流体を駆動することにより発生する静圧あるいは流
量を実際に検出して試験信号と静圧あるいは流量との関
係を求める必要があるなどの課題があった。
【0021】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、実際にプラントに試験信号を与え
て試運転する必要なくPID制御手段の適切なPID制
御パラメータを求めて、精度の高い圧力制御系または流
量制御系の制御調整を行うことができる圧力制御系およ
び流量制御系の調整装置を得ることを目的とする。
【0022】また、この発明は、コストの上昇を招く圧
力センサ等のセンサの新たな設置を必要とせずに、送出
量調節手段のダンパ,バルブ等の開度調節信号を得るこ
とにより現在の流量を把握し、これを基に各室に要求さ
れる流量を精度よく供給する流量制御を行う流量制御装
置を得ることを目的とする。
【0023】さらに、この発明は、PID制御手段が出
力する駆動信号により変化する実際の圧力制御系または
流量制御系における各部の静圧または流量をシミュレー
トして、PID制御手段の制御動作や制御条件の妥当性
を、実際の圧力制御系を用いずに検証し、PID制御手
段の調整を事前に精度よく行うことを可能とする制御検
証装置を得ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る圧力制御系の調整装置は、PID制御手段より集中送
出手段に与えられる駆動信号から静圧検出信号までのス
テップ応答を演算するステップ応答演算手段と、前記ス
テップ応答演算手段で演算されたステップ応答からPI
D制御手段のPID制御パラメータを求めて前記PID
制御手段に対して出力するPIDパラメータ演算手段と
を備えたものである。
【0025】請求項2記載の発明に係る圧力制御系の調
整装置は、ステップ応答演算手段が、ステップ応答計算
に必要な初期値を設定する初期値設定工程の後に、1計
算時間ステップ前の質量流量もしくは体積流量の値か
ら、流路または枝流路内の圧力の損失係数を(式1)に
より、さらに前記損失係数を用いて、圧力損失を(式
2)により、また、集中送出手段の流体への駆動力を
(式3)により、現計算時間ステップにおける質量流量
もしくは体積流量の一次関数の形で求める係数演算工程
と、前記係数演算工程の結果を、流路網内における流体
の一次元の運動量の保存を表す運動量保存式を微小変位
で積分すると共に計算時間ステップで離散化することに
より得た(式4)に入力して求めた数式と、流路網にお
ける質量保存の式(式5)とからなる、全圧を未知数と
した多元連立一次方程式を解く圧力連立方程式演算工程
と、前記圧力連立方程式演算工程で求めた全圧の値から
質量流量もしくは体積流量の値を求める流量演算工程
と、前記圧力連立方程式演算工程で求めた全圧の値と前
記流量演算工程で求めた質量流量もしくは体積流量の値
とから静圧を求める静圧演算工程とを各計算時間ステッ
プ毎に繰り返し行うことにより、ステップ応答を演算す
るものである。
【0026】請求項3記載の発明に係る圧力制御系の調
整装置は、ステップ応答演算手段が初期値設定工程にお
いて、流路または枝流路内の全圧および質量流量もしく
は体積流量の仮想値、ならびに前記仮想値の収束を判定
するしきい値を設定する仮初期値設定工程を行った後
に、1計算繰り返しステップ前の質量流量もしくは体積
流量の値から、流路または枝流路内の圧力の損失係数を
(式6)により、さらに前記損失係数を用いて圧力損失
を(式7)により、また、集中送出手段の流体への駆動
力を(式8)により、現計算繰り返しステップにおける
質量流量もしくは体積流量の一次関数の形で求める係数
演算工程と、係数演算工程の結果を、流路網内における
流体の一次元の定常状態における運動量保存式を微小変
位で積分することにより得た(式9)に入力して求めた
式と、流路網における質量保存の式(式5)とからな
る、全圧を未知数とした多元連立一次方程式を解く圧力
連立方程式演算工程と、前記圧力連立方程式演算工程で
求めた全圧の値から質量流量もしくは体積流量の値を求
める流量演算工程と、前記圧力連立方程式演算工程で求
めた全圧の値と前記流量演算工程で求めた質量流量もし
くは体積流量の値とから静圧を求める静圧演算工程とか
らなる計算繰り返しステップを、前記流量演算工程で求
めた現計算繰り返しステップにおける質量流量もしくは
体積流量と1計算繰り返しステップ前の質量流量もしく
は体積流量との偏差が前記仮初期値設定工程で設定した
しきい値より小さくなるまで繰り返し行い、得られた収
束値を初期値に設定するものである。
【0027】請求項4記載の発明に係る流量制御系の調
整装置は、PID制御手段より集中送出手段に与えられ
る駆動信号から流量検出信号までのステップ応答を演算
するステップ応答演算手段と、前記ステップ応答演算手
段で演算されたステップ応答から前記PID制御手段の
PID制御パラメータを求めて前記PID制御手段に対
して出力するPIDパラメータ演算手段とを備えたもの
である。
【0028】請求項5記載の発明に係る流量制御系の調
整装置は、ステップ応答演算手段が、ステップ応答計算
に必要な初期値を設定する初期値設定工程の後に、1計
算時間ステップ前の質量流量もしくは体積流量の値か
ら、流路または枝流路内の圧力の損失係数を(式1)に
より、さらに前記損失係数を用いて、圧力損失を(式
2)により、また、集中送出手段の流体への駆動力を
(式3)により、現計算時間ステップにおける質量流量
もしくは体積流量の一次関数の形で求める係数演算工程
と、前記係数演算工程の結果を、流路網内における流体
の一次元の運動量の保存を表す運動量保存式を微小変位
で積分すると共に計算時間ステップで離散化することに
より得た(式4)に入力して求めた数式と、流路網にお
ける質量保存の式(式5)とからなる、全圧を未知数と
した多元連立一次方程式を解く圧力連立方程式演算工程
と、前記圧力連立方程式演算工程で求めた全圧の値から
質量流量もしくは体積流量の値を求める流量演算工程と
を各計算時間ステップ毎に繰り返し行うことにより、ス
テップ応答を演算するものである。
【0029】請求項6記載の発明に係る流量制御系の調
整装置は、ステップ応答演算手段が初期値設定工程にお
いて、流路または枝流路内の全圧および質量流量もしく
は体積流量の仮想値、ならびに前記仮想値の収束を判定
するしきい値を設定する仮初期値設定工程を行った後
に、1計算繰り返しステップ前の質量流量もしくは体積
流量の値から、流路または枝流路内の圧力の損失係数を
(式6)により、さらに前記損失係数を用いて圧力損失
を(式7)により、また、集中送出手段の流体への駆動
力を(式8)により、現計算繰り返しステップにおける
質量流量もしくは体積流量の一次関数の形で求める係数
演算工程と、係数演算工程の結果を、流路網内における
流体の一次元の定常状態における運動量保存式を微小変
位で積分することにより得た(式9)に入力して求めた
式と、流路網における質量保存の式(式5)とからな
る、全圧を未知数とした多元連立一次方程式を解く圧力
連立方程式演算工程と、前記圧力連立方程式演算工程で
求めた全圧の値から質量流量もしくは体積流量の値を求
める流量演算工程とからなる計算繰り返しステップを、
前記流量演算工程で求めた現計算繰り返しステップにお
ける質量流量もしくは体積流量と1計算繰り返しステッ
プ前の質量流量もしくは体積流量との偏差が前記仮初期
値設定工程で設定したしきい値より小さくなるまで繰り
返し行い、得られた収束値を初期値に設定するものであ
る。
【0030】請求項7記載の発明に係る圧力制御系の制
御検証装置は、請求項2記載のステップ応答演算手段の
処理と同様の処理を用いて、PID制御手段が出力する
駆動信号により変化する圧力制御系の流路または枝流路
の静圧を繰り返し演算することにより、前記PID制御
手段により制御される圧力制御系をシミュレートすると
ともに、前記静圧と静圧目標値との偏差を演算する計算
機手段と、前記計算機手段において演算された前記偏差
を信号変換して前記PID制御手段に入力する入力信号
変換手段と、前記PID制御手段の出力信号を前記計算
機手段に入力する出力信号変換手段とを備えたものであ
る。
【0031】請求項8記載の発明に係る圧力制御系の制
御検証装置は、請求項2記載のステップ応答演算手段の
処理を用いて得たステップ応答波形を数階の常微分方程
式の解で近似して前記常微分方程式の最適なパラメータ
を求めるステップ応答近似工程を行った後に、前記ステ
ップ応答近似工程において得られた前記最適なパラメー
タを持つ前記常微分方程式を解いて静圧検出手段におけ
る静圧を求める状態方程式演算工程を繰り返すことによ
り、PID制御手段が出力する駆動信号により変化する
圧力制御系をシミュレートするとともに、前記静圧と静
圧目標値との偏差を演算する計算機手段と、前記計算機
手段において演算された前記偏差を信号変換して前記P
ID制御手段に入力する入力信号変換手段と、前記PI
D制御手段の出力信号を前記計算機手段に入力する出力
信号変換手段とを備えたものである。
【0032】請求項9記載の発明に係る流量制御系の制
御検証装置は、請求項5記載のステップ応答演算手段の
処理と同様の処理を用いて、PID制御手段が出力する
駆動信号により変化する流量制御系の流路または枝流路
の流量を繰り返し演算することにより、前記PID制御
手段により制御される流量制御系をシミュレートすると
ともに、前記流量と流量目標値との偏差を演算する計算
機手段と、前記計算機手段において演算された前記偏差
を信号変換して前記PID制御手段に入力する入力信号
変換手段と、前記PID制御手段の出力信号を前記計算
機手段に入力する出力信号変換手段とを備えたものであ
る。
【0033】請求項10記載の発明に係る流量制御系の
制御検証装置は、請求項5記載のステップ応答演算手段
の処理を用いて得たステップ応答波形を数階の常微分方
程式の解で近似して前記常微分方程式の最適なパラメー
タを求めるステップ応答近似工程を行った後に、前記ス
テップ応答近似工程において得られた前記最適なパラメ
ータを持つ前記常微分方程式を解いて流量を求める状態
方程式演算工程を繰り返すことにより、PID制御手段
が出力する駆動信号により変化する流量制御系をシミュ
レートするとともに、前記流量と流量目標値との偏差を
演算する計算機手段と、前記計算機手段において演算さ
れた前記偏差を信号変換して前記PID制御手段に入力
する入力信号変換手段と、前記PID制御手段の出力信
号を前記計算機手段に入力する出力信号変換手段とを備
えたものである。
【0034】請求項11記載の発明に係る流量制御系の
制御検証装置は、計算機手段が、ステップ応答近似工程
において、常微分方程式として(式9)を,その解とし
て(式10)を用い、ステップ応答波形を近似する前記
(式10)の最適なパラメータzおよびωを求めるもの
である。
【0035】請求項12記載の発明に係る流量制御装置
は、気体または液体からなる流体をファンあるいはポン
プで、流路および枝流路を介して複数の被供給部に送出
する集中送出手段と、前記各枝流路に装着され前記被供
給部への流体の送出量を調整する送出量調節手段と、前
記送出量調節手段の開度調節信号を入手する開度調節信
号入手手段と、前記開度調節信号入手手段により得た開
度信号とファンあるいはポンプの回転数信号を基に、流
路および枝流路の現在の流量を計算する現在流量演算手
段と、前記現在流量演算手段により計算された現在の流
量と前記送出量調節手段の開度の変化とから、ファンあ
るいはポンプに必要な流量を求める必要流量演算手段
と、前記必要流量演算手段から得られた流量から、ファ
ンあるいはポンプの流体出口からファンあるいはポンプ
の流体入口に至るまでの圧力損失を演算し、ファンある
いはポンプに必要な駆動力を演算する駆動力演算手段
と、前記駆動力演算手段から得られた駆動力を発生する
のに必要なファンあるいはポンプの回転数を演算する必
要回転数演算手段と、前記必要回転数演算手段からの信
号に従ってファンまたはポンプを駆動する駆動手段を備
えたものである。
【0036】請求項13記載の発明に係る流量制御装置
は、現在流量演算手段として、開度調節信号入手手段に
より得た開度信号とファンあるいはポンプの回転数信号
を基に、請求項3記載の初期値演算工程と同様の処理を
用いて流路および枝流路の現在の流量を計算する定常流
量演算手段を備えたものである。
【0037】請求項14記載の発明に係る流量制御装置
は、現在流量演算手段として、開度調節信号入手手段に
より得た開度信号とファンあるいはポンプの回転数信号
を基に、請求項2記載の係数演算工程,圧力連立方程式
演算工程,流量演算工程,および静圧演算工程と同様の
処理を用いて流路および枝流路の現在の流量を計算する
非定常流量演算手段を備えたものである。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による圧
力制御系の調整装置の圧力制御装置への適用を示す説明
図であり、3室に空気搬送する空気調和機のダクト内圧
力制御系の調整装置として実施した例を示している。図
において、1は空気調和機の対象となる被空調室(被供
給部)であり、この例では3部屋の場合を示している。
2は被空調室1の天井内などに配設され、冷風又は温風
の送風源として機能する室内機を構成する集中送風装置
(集中送出手段)であり、空気を冷却又は加熱する熱交
換器4、および冷風又は温風を送風するファン5で構成
されている。6は集中送風装置2の空気吹出口に連通す
る主ダクト(流路)、7は主ダクト6から各被空調室1
の数に応じて分岐された枝ダクト(枝流路)、8は各枝
ダクト7に装着され、各被空調室1への送風量を調整す
る絞り形式の送風量調整装置(送出量調節手段)であ
り、回動可能に取り付けられたダンパ9(送出量調節手
段)を有している。
【0039】101は主ダクト6内の空気の静圧を検出
し静圧検出信号107に変換する静圧検出手段、102
は主ダクト6内空気の静圧の目標値設定を与える目標値
設定手段、103は前記目標値設定手段102からの信
号と前記静圧検出手段101からの信号との偏差信号に
PID補償を行ってファン駆動手段104にファン駆動
信号(駆動信号)108を与えるPID制御手段、10
4はファン5を駆動するファン駆動手段(集中送出手
段)である。
【0040】105は、ファン駆動信号108から静圧
検出信号107までのステップ応答を演算するステップ
応答演算手段、106は、演算されたステップ応答に基
づきPID制御パラメータを演算するPIDパラメータ
演算手段であり、演算されたPID制御パラメータはP
ID制御手段103に設定される。なお、圧力制御系の
調整装置は、このステップ応答演算手段105およびP
IDパラメータ演算手段106により構成されている。
【0041】ここで、ステップ応答演算手段105の機
能動作について説明する。図2は、式101の伝達関数
で演算したファン駆動信号108から静圧検出手段10
1における静圧検出信号107までのステップ応答波形
を表している。
【数21】 式101において、sはラプラス演算子を、Kはファン
5の設計機外静圧[mmH2 O]を、Lは静圧検出手段
101の検出時間遅れ[s]を、Tはファン駆動信号1
08からファン5の回転数の追従までの遅れの時定数
[s]をそれぞれ表している。
【0042】また、静圧検出手段101の検出時間遅れ
Lは、例えば式102で演算した値を使用する。
【数22】 式102において、Qはファン5の定格流量[m3 /m
in]、Vはファン5における空気出口から静圧検出手
段101を設置している箇所までのダクト容積V[m
3 ]を表している。時定数Tは、例えば式103で演算
した値を使用する。
【数23】 式103において、Cはファン5の粘性抵抗係数、Jは
ファン5の慣性モーメントを表している。また、ファン
5の粘性抵抗係数は算出困難であれば、時定数Tとして
経験的な値を用いてもよい。ステップ応答演算手段10
5では、以上に示した数式によりステップ応答を演算す
る。
【0043】次にPIDパラメータ演算手段106の機
能動作について説明する。式104は、PID制御手段
103の伝達関数を表している。
【数24】 ここで、KP は比例ゲイン、TI は積分時間、TD は微
分時間を表している。PIDパラメータ演算手段106
は、ステップ応答演算手段105の演算結果と図3に示
す各パラメータ設定式により、各KP ,TI ,およびT
D の決定を行う。ここでRは、図2に示すステップ応答
波形の最大勾配を表す値である。なお、TおよびKが既
知であれば式105を用いてもよい。
【数25】
【0044】以上の手続きにより、例えばPI制御で調
整を行うのであれば、
【数26】
【数27】 となる。
【0045】図4は、以上のステップ応答演算手段10
5およびPIDパラメータ演算手段106の動作を表す
フローチャートである。図において、ステップ応答演算
手段105では、設計静圧K、式102等により時間遅
れL、さらに式103により時定数Tを設定する。これ
らの設定より図2に示したような時間応答波形を得る。
さらに、PIDパラメータ演算手段106では、図2よ
り最大勾配Rを求めるか、あるいは式105で最大勾配
Rを演算する。次に図3に示した関係より各KP ,TI
,およびTD を求める。以上の動作によりPIDパラ
メータが求められる。
【0046】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、プラントの駆動信号、すなわちファン駆動信号10
8から静圧検出信号107までのステップ応答を演算す
るステップ応答演算手段105から得られるステップ応
答波形を使用して、PIDパラメータ演算手段106に
より適切なPID制御パラメータが求められ、これがP
ID制御手段103に入力されるため、実際にプラント
に試験信号を与えることなく、PID制御手段103の
適切なPID制御パラメータを求めて圧力制御系の制御
調整を行うことができ、現場での試運転が不必要となる
効果がある。
【0047】実施の形態2.この実施の形態2において
は、前記実施の形態1の圧力制御系の調整装置における
ステップ応答演算手段105およびPIDパラメータ演
算手段106の詳細な処理の一例について説明する。
【0048】図5は、この発明の実施の形態2による圧
力制御系の調整装置におけるステップ応答演算手段の動
作を示すフローチャートであり、図において、ステップ
ST201はステップ応答計算に必要な初期値を設定す
る初期値設定工程、ステップST202は計算時間ステ
ップの初期値を0に設定する工程、ステップST203
は計算時間ステップを1時刻進める工程、ステップST
204はファン駆動手段104への指令信号であるファ
ン駆動信号108から実際のファン回転数までの特性を
考慮して実際のファン回転数を演算するファン回転数演
算工程、ステップST205は1計算時間ステップ前の
流速の値から、ダクト内の圧力損失に係わる係数と流体
の駆動力に係わる係数を求める係数演算工程、ステップ
ST206は、ステップST205で求められた係数を
設定し、ダクト内における流体の一次元の運動量の保存
を表す運動量保存式を微小変位で積分するとともに計算
時間ステップで離散化することにより得た式と、ダクト
内流体の質量保存式とで、全圧を未知数とした多元連立
一次方程式を解く圧力連立方程式演算工程、ステップS
T207はステップST206の圧力連立方程式演算工
程で求められた全圧の値からダクト内の流体の流量を演
算する流量演算工程、ステップST208は、求められ
た全圧の値と流速の値から静圧を演算する静圧演算工
程、ステップST209は、必要な計算終了時刻を判定
する工程とから構成されている。
【0049】次に、具体的な各工程での演算式を詳細に
説明する。一般に一次元のダクト内流体の質量保存則は
式201、
【数28】 および運動量保存則は式202、
【数29】 で表される。ここで、ρは流体の密度、uは流体の速
度、Pは静圧、Kx はダクト内の摩擦や曲がりによる運
動量損失を表す。また、tは時間を表す変数、xは変位
を表す変数である。また、∂f/∂tは関数fのtに関
する偏微分を、∂f/∂xは関数fのxに関する偏微分
を、それぞれ表している。
【0050】図6は、ダクト内空気に計算のためのノー
ドを定義して、ダクト内空気の集中定数の計算モデルを
示している。図6において、Pi はノードiにおける静
圧、ui はノードiにおける空気の流速、Pj はノード
jにおける静圧、uj はノードjにおける空気の流速、
Δx はノードiからノードjまでのノード長さ、Wi,j
はノードiからノードjに向かう空気の質量流量を表し
ている。また、ノードiにおけるダクトの断面積をAi
、ノードjにおけるダクトの断面積をAj とする。
【0051】図6において、
【数30】 である。また、ダクトに分岐等がある場合には、図7に
示すようにWi,j を定義する。図7は、ノードiから1
からmのノードへ分岐する流れについて表しており、こ
のときWi,jは、
【数31】 と表す。ノードiにおいて、流体の非圧縮性
【数32】 を仮定して、微小変位Δx と計算時間ステップΔt で離
散化すると、質量保存式201は
【数33】 となる。
【0052】また運動量保存式202は、
【数34】 となる。ここで、Wi,j-1 は、現時刻よりΔt前の質量
流量を表している。また、全圧Hi は、
【数35】 であり、ノードiにおける全圧を表している。また、ζ
x は損失係数を、Ex は流体に与える駆動力を、gは重
力加速度を、Δhx はノードの高低差を示している。
【0053】さらに、計算の便宜上、式207の右辺第
3項のWi,j2を、
【数36】 さらに、式207の右辺第4項のファンの駆動力Ex を
【数37】 で表すと式211となる。
【数38】 ここで、
【数39】
【数40】 である。ただし、C1 ,C2 ,C3 ,およびC4 は、式
214で表される係数である。
【数41】 式214は、定格回転数Ns で動作するファン体積流量
Qs と静圧上昇Es の関係式の一例である。また、Nは
現時刻のファンの回転数を、N-1は1計算時間ステップ
前のファンの回転数をそれぞれ表す。
【0054】また、損失係数ζx は例えば、式215で
計算する。
【数42】 ここで、Reはレイノルズ数であり、例えば、Wi,j-1
を用いて
【数43】 で計算する。ここで、lはダクトあるいは管路の内周り
長さ、νは動粘性係数であり、常温における空気の動粘
性係数は約0.16[cm2 /s]である。
【0055】以上の結果を用いると、1計算時間ステッ
プ前のノードiからノードjへの質量流量Wi,j-1 は既
知であるため式211はWi,j の1次式であり、式21
1より、Wi,j はHi およびHj を用いて式217のよ
うに表すことができる。
【数44】 ここで、式217のWi,j に関しては質量保存式206
が成り立つため、
【数45】 を得る。式218より、Hi に関してダクト内に設定し
たノード数と同じ数だけの連立方程式が得られる。これ
をHi に関して解くと全ノードでの、全圧Hi を演算す
ることができる。
【0056】さらに、全圧Hi を式217に代入するこ
とにより、質量流量Wi,j が演算することができる。さ
らに、分岐が無いダクト内のノードでの静圧Pi は、式
203と式208から、
【数46】 により演算する。また、分岐があるダクト内のノードで
の静圧Pi,j は、
【数47】 より演算する。
【0057】次に、具体例を用いた説明を行う。図8
は、図1のダクト空調系を集中系のノードで近似した計
算用モデルである。このモデルにおいては、外気の代表
点にノード1を設定し、外気を取り込むダクトをダクト
1とする。また、取り込んだ外気と被空調室からの一部
の還気を混合する点にノード2を設定し、図1の集中送
風装置2の出口(主ダクト入口)にノード3を設定し、
集中送風装置2を含みノード2からノード3まで繋ぐダ
クトをダクト2と設定する。図1の主ダクト6に対応
し、主ダクト入口にノード3を、各枝ダクト7への分岐
点にノード4,ノード6,ノード8を、さらに各ノード
間にダクト3,ダクト4,ダクト6をそれぞれ設定す
る。また、枝ダクト7に対応し、各被空調室の中間位置
にノード5,ノード7,ノード9を、さらに各ノード間
にダクト5,ダクト7,ダクト8をそれぞれ設定する。
また、各被空調室から排出される空気を導く還気ダクト
の枝ダクトに対応し、その合流点にノード10,ノード
11,ノード12を設定し、各被空調室の中間位置のノ
ードから、ダクト9,ダクト10,ダクト11をそれぞ
れ設定する。還気の一部を送風機手段に導くための分岐
点にノード13を設定し、ノード12,ノード11,お
よびノード10、さらにダクト13,ダクト12,およ
びダクト14からなる還気ダクトを設定する。還気の一
部を外気に排出するダクトをダクト16とし、還気の一
部を集中送風装置2に送るダクトをダクト15とする。
【0058】このモデルにおいて、ダクト5には送風量
調節装置としてのVAV(Variable Air
Volume)1、ダクト7にはVAV2、ダクト8に
はVAV3をそれぞれ設定し、各被空調室への風量を調
整できるようにしている。ダクト1にはダンパー1、ダ
クト15にはダンパー2、ダクト16にはダンパー3を
設定し、各ダクト内の風量が変更できるようになってい
る。図9は、図8の計算モデルで設定しているダクトお
よびファンの性能を示した表である。
【0059】次に、ステップ応答演算手段105の動作
を図5のフローチャートによって説明する。ステップS
T201の初期値設定工程では、各ノードでの全圧Hと
流量Wの初期値、計算時間ステップΔt、および計算終
了時間Tmax を設定する。ステップST202では、計
算時刻tを0に設定する。ステップST203では、計
算時刻tをΔt進める。ステップST204のファン回
転数演算工程では、ファン駆動手段104へのファン駆
動信号108から実際のファン回転数Nまでの時間遅れ
を時定数Tの一次遅れで演算する。ここで、ファン駆動
信号108の値df はt≧0でdf =1である。
【数48】
【0060】ステップST205の係数演算工程では、
ファンの駆動力Ex の係数D1 およびD2 を式212お
よび式213より演算し、さらに損失係数ζx を、式2
15および式216で演算する。ステップST206の
圧力連立方程式演算工程では、全圧Hi の連立方程式2
18を解き、全圧Hi を演算する。ステップST207
の流量演算工程では、全圧Hi の結果を式217に代入
して、必要なダクト内の流量Wi,j を演算する。ステッ
プST208の静圧演算工程では、全圧Hi と流量Wi,
j より、必要なノードでの静圧Pi を式119あるいは
式220で演算する。ステップST209は計算終了時
間を判定する工程であり、計算時刻tがTmax より大き
ければ計算を終了し、そうでない場合はステップST2
03以降の工程を繰り返す。
【0061】具体的な計算結果例を図10に示す。これ
は図8に示したモデルにおいて、ファン駆動信号108
にステップ信号を入力したときのノード3における静圧
変化を計算した結果である。全てのVAVのダンパー角
度を、それぞれ0゜(全開),27゜,45゜,54゜
(最小開度)に固定した時の応答波形を示している。
【0062】以下に、ステップ応答演算手段105によ
り得られたステップ応答波形からPIDパラメータを演
算するPIDパラメータ演算手段106の処理手順の一
例を説明する。図11は上記手順を説明するフローチャ
ートである。ステップST210は、ステップ応答演算
手段105で得られたステップ応答波形をその最終値G
p により正規化し、適当なサンプリング時間Δtで離散
化する工程である。ステップST211は正規化したス
テップ応答波形を近似する常微分方程式を非線形最小2
乗法により求める工程である。ステップST212は制
御系の位相余裕を設定する工程である。ステップST2
13は、ステップST211で求められた常微分方程式
とステップST212で与えられた位相余裕条件からP
IDパラメータを演算する工程である。
【0063】次に上記各工程での動作を詳細に説明す
る。ステップST210では、近似したいステップ応答
波形をその最終値Gp で除して正規化した波形をy^と
し、さらに適当なサンプリング時間Δtで波形y^を離
散化した値をy^(k)とする。ステップST211で
は、評価関数Γ
【数49】 を最小にする、ステップ応答波形を解が近似する常微分
方程式を非線形最小2乗法により求める。ここで、Nは
近似するステップ応答波形の長さに応じて決める。離散
化された解y(k)の設定を以下に説明する。
【数50】 式223は、dy/dtおよびyの初期値を0として常
微分方程式224の右辺uに大きさ1のステップ信号を
入力したときの時間関数を表す解である。2階の常微分
方程式224は減衰振動を表す常微分方程式であり、ス
テップ応答を表すのに適している。
【数51】 ここで、d2y/dt2はyの時間tに関する2階微分
を、またdy/dtはyの時間tに関する1階微分を表
す。zおよびωはこの常微分方程式の特性を決めるパラ
メータである。
【0064】ここで、y(k)はサンプリング時間Δt
によりyを離散化したものであり、式225で表され
る。
【数52】 具体的にステップST211では、評価関数Γを最小に
するzおよびωを非線形最小2乗法により求めるように
動作する。例えば、図10におけるθ=27゜における
波形を近似すると、z=0.78,ω=2.0となる。
その結果を図12に示す。+印の波形はステップ応答演
算手段105から求められた波形であり、実線はその近
似曲線である。この図より、よい近似が行われているこ
とが分かる。この例では、Δt=0.1[s]、N=2
5とした。なお、Gp=21である。
【0065】図11において、ステップST212は制
御系に要求する位相余裕をθm を設定する工程である。
ステップST213はPID制御パラメータを演算する
工程であり、例えば、制御系に要求する位相余裕をθm
[゜]とすると、例えばPI制御の場合には、
【数53】
【数54】
【数55】 と設定することで、交差周波数ω[rad/s]、位相
余裕θm [゜]の制御系が設計される。例えば、図10
におけるθ=27゜のステップ応答を近似するための、
位相余裕θm =40[゜]を確保するPIDパラメータ
は、 KP =4.8×10-2 TI =4.2×10-1 TD =0 となる。図13aにその開ループのボード線図を示す。
交差周波数=2[rad/s]、位相余裕=40[゜]
の制御系が設計できていることが分かる。
【0066】図13bおよび図13cは、以上の動作に
より得られたPIDパラメータにより、図8でモデル化
した集中送風系の圧力制御の結果を示したものである。
図13bは、全てのVAV1〜3のダンパ角度をまず最
小開度(θ=54゜)の状態で、ダクト内静圧一定制御
(この場合は18[mmH2 O])を起動し、起動20
[s]後に全ダンパ角度を最大開度(全開)にしたとき
の、ダクト内静圧の時間挙動を示したものである。さら
に図13bには、PIDパラメータの設計仕様である位
相余裕θm を20゜,40゜,60゜としたときの波形
をそれぞれ表している。
【0067】図13cは、全てのVAV1〜3のダンパ
角度をまず最大開度(θ=0゜)の状態で、ダクト内静
圧一定制御(この場合は18[mmH2 O])を起動
し、起動20[s]後に全ダンパ角度を最小開度(θ=
54゜)にしたときの、ダクト内静圧の時間挙動を示し
たものである。さらに図13cには、PIDパラメータ
の設計仕様である位相余裕θm を20゜,40゜,60
゜としたときの波形をそれぞれ表している。
【0068】図13bおよび図13cより、ダンパ開度
が全開の時と最小開度の時の起ち上がり、ダンパ開度が
全開から最小開度に変化した場合、最小開度から全開に
変化した場合とも安定に制御されていることがわかる。
このように、開度の最も大きな変化に対して安定である
ので、あらゆる開度に対しても安定に制御されると考え
られる。また、位相余裕を大きくとすると起ち上がりは
滑らかになるが、VAVの開度変化に対しての回復が遅
くなることが分かる。このことから、位相余裕は20゜
が適当であると判断できる。
【0069】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、高精度のステップ応答を演算することができ、圧力
制御系の制御調整において詳細な検討およびパラメータ
最適化が可能になる。また、特に、運動量保存の式20
7を用いる際に、式中に現れてくる流量Wi,j の線形で
ない項を、式209および式210を用いて既知の1計
算時間ステップ前の流量Wi,j-1 により近似して線形化
しているため、式207と式206とからなる連立方程
式を容易に解いて各値を求めることを可能としている。
【0070】実施の形態3.この実施の形態3において
は、前記実施の形態2の圧力制御系の調整装置のステッ
プ応答演算手段105がステップST201において行
う初期値設定工程の詳細な処理の一例について説明す
る。
【0071】図14は、この発明の実施の形態3による
圧力制御系の調整装置におけるステップ応答演算手段の
初期値設定工程のフローチャートである。図において、
ステップST301は初期値設定に必要な圧力ならびに
流量の仮の初期値と、圧力ならびに流量解の収束を判断
するためのしきい値を設定する仮初期値設定工程、ステ
ップST302は初期状態におけるファン回転数やダン
パの開度を設定する初期状態設定工程、ステップST3
03は計算の繰り返しステップを1ステップ進める工
程、ステップST304は1繰り返しステップ前の流速
の値から、ダクト内の圧力損失に係わる係数と流体の駆
動力に係わる係数を求める係数演算工程、ステップST
305は、ステップST304で求められた係数を設定
し、ダクト内における流体の一次元の定常状態の運動量
保存式を微小変位で積分することにより得た式と、ダク
ト内流体の質量保存式とで、全圧を未知数とした多元連
立一次方程式を解く圧力連立方程式演算工程、ステップ
ST306はステップST305の圧力連立方程式演算
工程で求められた全圧の値からダクト内の流体の流量を
演算する流量演算工程、ステップST307は、求めら
れた全圧の値と流量の値とから静圧を演算する静圧演算
工程、ステップST308は、流量演算工程ステップS
T306で求めた現計算繰り返しステップにおける流速
と、1計算繰り返しステップ前の流量との偏差が前記仮
初期値設定工程で設定したしきい値以上であれば、新た
な流量を設定して次の計算繰り返しステップへ進み計算
を続行し、前記流量の偏差が前記しきい値よりも小さけ
れば、このときの流量ならびに圧力を初期値として決定
する初期値収束判断工程である。
【0072】次に、具体的な各工程での演算式を詳細に
説明する。初期値設定工程では、計算初期状態における
圧力および流量の定常的な釣り合いを求めて、これを初
期値として設定するものである。従って、演算式は式3
01で表される定常状態における一次元のダクト内流体
の質量保存則、
【数56】 および、式302で表される定常状態における運動量保
存則
【数57】 に対して、微小変位Δx による積分を行い、質量保存式
303、
【数58】 および、運動量保存式304を得る。
【数59】 ここで、Hin はn回目の計算繰り返しステップにおけ
るノードiにおける全圧解、Wi,jn はn回目の計算繰
り返しステップにおけるノードi−j間の質量流量解で
ある。
【0073】さらに、計算の便宜上、式304の右辺代
3項の(Wi,jn2 を、n−1回目の計算繰り返しステ
ップにおけるノードiからノードjへの質量流量解Wi,
jn-1を用いて、
【数60】 さらに、式304の右辺第4項のファンの駆動力Ex を
【数61】 で表すと式307となる。
【数62】 ここで、
【数63】
【数64】 である。ただし、C1,C2,C3,およびC4は、式31
0で表される係数である。
【数65】 式310は、定格回転数Ns で動作するファンの体積流
量Qs と静圧上昇Esの関係式の一例である。また、N0
は初期条件として与えたファンの回転数を表す。
【0074】また、損失係数ζx は例えば、式215で
計算する。
【数66】 ここで、Re はレイノルズ数であり、例えば、Wi,jn-1
を用いて
【数67】 で計算する。ここで、lはダクトあるいは管路の内周り
長さ、νは動粘性係数であり、常温における空気の動粘
性係数は約0.16[cm2/s ]である。
【0075】以上の式変形により、1計算繰り返しステ
ップ前のノードiからノードjへの質量流量Wi,jn-1
既知とすれば、式307のHinおよびHjnはWi,jnの一
次関数で表すことができる。そこで、式307をWi,jn
について整理すると、
【数68】 となる。式312を質量保存式303で整理すると、
【数69】 を得る。式313は、Hinに関してダクト内に設定した
ノード数と同じ数だけの連立方程式が得られる。これを
Hinに関して解くと全ノードでの全圧Hinを演算でき
る。また、全圧Hinを式312に代入することにより、
質量流量Wi,jnが演算できる。さらに、全圧Hinと質量
流量Wi,jnを式307に代入することにより、静圧Pi
が演算できる。
【0076】このとき、n回目の計算繰り返しステップ
における質量流量解Wi,jnとn−1回目の計算繰り返し
ステップにおける質量流量解Wi,jn-1の偏差が式314
で表される関係を満たすとき、
【数70】 質量流量は収束したと判断され、初期値設定計算を終了
し、このときの質量流量Wi,jnならびに全圧Hinが、前
記ステップ応答演算手段における初期値として採用され
る。ここで、εはステップST301の前記仮初期値設
定工程で設定した初期値の収束を判断するためのしきい
値である。一方、n回目の計算繰り返しステップにおけ
る質量流量解Wi,jnとn−1回目の計算繰り返しステッ
プにおける質量流量解Wi,jn-1の偏差が式314を満た
さない場合は、式315で表される新たなWi,jnを設定
し、前記ステップST303に戻り、n+1回目の計算
繰り返しステップに進み、初期値設定計算を続行する。
【数71】
【0077】次に、初期値設定工程での動作を図14の
フローチャートによって説明する。ステップST301
の仮初期値設定工程では、各ノードでの全圧Hと流量W
の仮初期値、および初期値の収束を判断するためのしき
い値εを設定し、さらに計算繰り返しステップを0に設
定する。ステップST302の初期状態設定工程では、
ダンパ開度やファンの初期回転数などの初期条件を設定
する。ステップST303では、計算繰り返しステップ
を増やして演算を続行する。ステップST304の係数
演算工程では、ファンの駆動力Ex の係数D1 およびD
2 を式308および式309より演算し、さらに損失係
数ζx を式304および式305で演算する。ステップ
ST305の圧力連立方程式演算工程では、式307の
全圧Hiの連立方程式を解き、Hi を演算する。ステッ
プST306の流量演算工程では、全圧Hi の結果を式
306に代入して、各ダクト内の流量Wi,j を演算す
る。ステップST307の静圧演算工程では、全圧Hi
と流量Wi,j を式307に代入して、各ノードでの静圧
Pi を演算する。ステップST308は、初期値の収束
を判定する工程であり、n回目の計算繰り返しステップ
における質量流量解Wi,jnとn−1回目の計算繰り返し
ステップにおける質量流量解Wi,jn-1の偏差の絶対値が
しきい値εより小さければ計算を終了し、n回目の計算
繰り返しステップにおける質量流量解Wi,jnと全圧解H
in、およびその時の静圧解Pinをステップ応答演算手段
105の初期値として設定する。そうでない場合はn回
目の計算繰り返しステップにおける質量流量解Wi,jn
(式315)で表される値に設定し、n+1回目の計算
繰り返しステップに入り、ステップST303以降の工
程を繰り返す。
【0078】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、高い精度の初期値を求めることができ、この初期値
を用いて高精度のステップ応答を演算して高精度のPI
D制御パラメータを求めることができるため、精度の高
い圧力制御系の制御調整を行うことができる。
【0079】実施の形態4.図15はこの発明の実施の
形態4による圧力制御系の制御検証装置の構成を示すブ
ロック図、図16はその動作を説明するフローチャート
であり、図において、103は制御検証装置に対して接
続されて検証が行われるPID制御手段、121はPI
D制御手段103の出力信号を計算機手段122に入力
する例えばアナログ−デジタル変換器によって構成され
た出力信号変換手段、122は前記実施の形態2におい
て説明したステップ応答演算手段105の処理と同様の
処理を用いて、PID制御手段103が出力するファン
駆動信号108により変化する圧力制御系の主ダクト6
または枝ダクト7の静圧を繰り返し演算することによ
り、PID制御手段103により制御される圧力制御系
をシミュレートするとともに、前記静圧と静圧目標値と
の偏差を演算する計算機手段、120は前記計算機手段
122で数値シミュレーションされた信号を前記PID
制御手段103に入力する例えばデジタル−アナログ変
換器により構成された入力信号変換手段である。
【0080】次に動作について説明する。図16のフロ
ーチャートにおいて、上部のステップST400,20
2,401,402,および203は図15に示した計
算機手段122によって実施される。ステップST40
0は初期値演算工程であり、前記実施の形態3の図14
を用いて詳細に説明した初期値設定工程により必要な初
期値を演算し、また、この装置の最大稼働時間Tmax を
設定する。次に、ステップST202において時間変数
tを0に設定する。ステップST401は静圧目標値設
定工程であり、PID制御手段103に与える静圧目標
値を設定する。ステップST402は静圧偏差演算工程
であり、前記静圧目標値と後述のステップST208の
静圧演算工程で得られる静圧との偏差を演算する。ここ
で、上記ステップST401の静圧目標値設定工程は前
記実施の形態1において図1に示した目標値設定手段1
02をシミュレートするものであり、また、前記ステッ
プST208の静圧演算工程は図1に示した静圧検出手
段101をシミュレートするものである。そして、ステ
ップST402の静圧偏差演算工程は図1に示したPI
D制御手段103前段で偏差をとる動作をシミュレート
している。ステップST203は時間変数tをこの装置
のサンプリング時間Δt進める工程である。
【0081】ステップST402の静圧偏差演算工程で
演算された偏差を示す信号は、入力信号変換手段120
により信号変換されてPID制御手段103に入力され
る。PID制御手段103は例えば式104をその伝達
関数にもつPID制御を実施する。PID制御手段10
3から出力される信号、すなわち実際の系においてファ
ン駆動手段104に対して出力されるべきファン駆動信
号108は、出力信号変換手段121により信号変換さ
れて計算機手段122に対して出力される。
【0082】以降のステップST204,205,20
6,207,208,および209は、計算機手段12
2により実施される。ステップST204のファン回転
数演算工程においては、式401および式402より、
ファン回転数Nが演算される。
【数72】
【数73】 ここで、df はPID制御手段103から出力されるフ
ァン駆動信号108、Tはファン駆動信号108からフ
ァン回転数Nまでの時間遅れを表す時定数、Ns はファ
ンの定格回転数、およびχは状態変数をそれぞれ表して
いる。
【0083】ステップST205からステップST20
8においては、前記実施の形態2で説明したステップS
T205からステップST208までと同様の動作を行
い、圧力連立方程式演算工程(ステップST206)に
おいて実際の系を模したモデル中の各部の全圧を、流量
演算工程(ステップST207)において流量を、静圧
演算工程(ステップST208)において静圧を演算す
る。ステップST209においては、時間変数tがTma
x より大きくなると以上に示した動作を終了し、Tmax
以下ではステップST402の静圧偏差演算工程以降を
サンプリング時間Δtで繰り返し実行する。上記ステッ
プST205からステップST208までの動作によ
り、PID制御手段103が出力するファン駆動信号1
08により変化する実際の系の全圧,流量,静圧等がシ
ミュレートされる。
【0084】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、PID制御手段103が出力するファン駆動信号1
08により変化する、実際の系におけるファン回転数、
各部の全圧,流量,静圧等をシミュレートすることがで
き、PID制御手段103の制御動作や制御条件の妥当
性を、実際の系を用いずに検証することができる。従っ
て例えば、PID制御手段103のPID制御パラメー
タを複数検証することにより実際の系を用いずに有効な
PID制御パラメータを決定することなどが可能とな
り、PID制御手段103の調整を現場において行う必
要なく、事前に精度よい調整を行うことが可能となる。
【0085】実施の形態5.図17はこの発明の実施の
形態5による圧力制御系の制御検証装置の構成を示すブ
ロック図、図18はその動作を説明するフローチャート
であり、図において、122aは前記実施の形態2で説
明したステップ応答演算手段105の処理を用いて得た
ステップ応答波形を数階の常微分方程式の解で近似して
前記常微分方程式の最適なパラメータを求めるステップ
応答近似工程を行い、前記ステップ応答近似工程におい
て得られた前記最適なパラメータを持つ前記常微分方程
式を解いて静圧検出手段101における静圧を求める状
態方程式演算工程を繰り返すことにより、PID制御手
段103が出力するファン駆動信号108により変化す
る圧力制御系をシミュレートするとともに、前記静圧と
静圧目標値との偏差を演算する計算機手段である。な
お、図15に示した部分と同一または相当の部分につい
ては同一符号を付して重複説明を省略する。
【0086】次に動作について説明する。図18のフロ
ーチャートにおいて、上部のステップST400,40
3,404,202,401,402,203、および
下部のステップST405,209は図17に示した計
算機手段122aによって実施される。なお、ステップ
ST400,202,401,402,203,および
209は、前記実施の形態4における各工程の処理と同
様であるが、ステップST402の静圧偏差演算工程に
おける偏差の演算は前記静圧目標値と後述のステップ状
態方程式演算工程(ST405)で得られる静圧との間
で行われる。
【0087】ステップST403は、ファン駆動信号1
08から制御したい主ダクト6内の静圧検出信号107
までのステップ応答を演算するステップ応答演算工程で
あり、前記実施の形態2に示したステップ応答演算手段
105と同様の処理により、必要なステップ応答波形を
演算する。ステップST404はステップ応答近似工程
であり、ステップST403で得られたステップ応答波
形を解が近似する常微分方程式のパラメータを、前記実
施の形態2の図11のステップST210およびステッ
プST211において説明した処理と同様の処理により
求める。
【0088】このステップ応答演算工程(ステップST
403)およびステップ応答近似工程(ステップST4
04)はステップST402からステップST209ま
での繰り返しによる圧力制御系のシミュレート以前に行
われ、ファン駆動信号108から主ダクト6内の静圧検
出信号107までのステップ応答波形を解が近似する常
微分方程式の最適なパラメータが決定される。
【0089】PID制御手段103,入力信号変換手段
120,出力信号変換手段121の動作は、前記実施の
形態4において図16で説明した動作と同様である。
【0090】ステップST405は状態方程式演算工程
であり、ステップ応答近似工程(ステップST404)
で求められた常微分方程式と等価な状態方程式を解くこ
とにより、静圧検出手段101における静圧を求める。
具体的には、前記実施の形態2において説明した2階の
常微分方程式(式224)の解(式223)により近似
を行う場合、最適近似パラメータとしてzとωとGp が
ステップ応答近似工程で得られたとすると、ステップS
T405の状態方程式演算工程では、式500のdf に
ファン駆動手段104に入力するファン駆動信号df を
代入して解き、式501のy(t)を必要な静圧検出信
号107のシミュレーションとして演算する。
【数74】
【数75】 ここで、
【数76】
【数77】
【数78】
【数79】 である。
【0091】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、計算機手段122aは前記実施の形態4において示
した計算機手段122におけるように複雑な計算および
多数の工程を逐次的に行う必要がなく、状態方程式演算
工程において数階の常微分方程式を解く処理のみを行う
ため、極めて高い処理能力を持たない低速で安価な計算
機を用いることができ、PID制御手段103の制御動
作や制御条件の妥当性の検証や調整を、実際の系を用い
ずに事前に、かつ低コストにより行うことができる。
【0092】実施の形態6.図19はこの発明の実施の
形態6による流量制御装置の構成を示す説明図であり、
3室に空気を搬送する空気調和機のダクト内流量制御装
置として実施した例を示している。なお、従来例および
前記各実施の形態に示したものと同一または相当の部分
については同一符号を付して重複説明を省略する。
【0093】図において、8は流路に設置した板状のダ
ンパ9の流れに対する角度の調節により風量調節を行う
送風量調節装置、601は各枝ダクト7内に設置された
送風量調節装置8のダンパ9の開度調節信号を入手する
開度調節信号入手手段である。なお、送風量調節装置8
のダンパ9の開度を調節する開度調節信号は送風量調節
装置8用の図示しないコントローラが逐次送信してお
り、開度調節信号入手手段601は、前記コントローラ
からの信号線より信号を入手している。
【0094】602は、開度調節信号入手手段601が
入手した開度調節信号から実際のダンパ開度の時間遅れ
を考慮してダンパ開度を演算する開度演算手段、603
は、開度演算手段602により求めたダンパ開度と、後
述のファン回転数演算手段204で求めたファン5の回
転数Rfにより、現在の各ダクトの流量を演算する定常
流量演算手段である。604は、1サンプリング時間経
過後のダンパ開度の変化と、前記定常流量演算手段60
3により演算された流量から、ファン5に要求される流
量を求める必要流量演算手段。605は、前記必要流量
演算手段604により演算された流量を得るためにファ
ン5に要求される駆動力を計算する駆動力演算手段。6
06は、前記駆動力演算手段605により求めた駆動力
から、ファン5に必要な回転数を求めてファン駆動手段
104に回転数信号を発信する必要回転数演算手段。2
04は、前記必要回転数演算手段606より発信した回
転数信号から、実際のファン回転数の時間遅れを考慮し
て現在のファン回転数Rfを演算するファン回転数演算
手段。104は必要回転数演算手段606の回転数信号
を受けてファン5の回転数を調節するファン駆動手段で
ある。
【0095】次に動作について説明する。開度調節信号
入手手段601は、現在のダンパ開度信号Sd1,Sd
2,Sd3,および外気導入ダンパ開度信号Sdoを取
り込み、開度演算手段602に送信する。開度演算手段
602では、開度調節信号入手手段601からの信号S
dから実際のダンパ開度Adまでの時間遅れを時定数T
の一次遅れとして実際のダンパ開度Adを演算する。
【数80】
【0096】定常流量演算手段603においては、ファ
ン回転数演算手段204により演算された現在のファン
回転数Rf、ならびに開度演算手段602により演算さ
れた現在の各ダンパ開度Ad1,Ad2,Ad3,Ad
oから、前記実施の形態3の図14において説明した初
期値設定工程と同様の演算工程を用いて、定常状態に達
したときの各ダクトにおける質量流量Wd1,Wd2,
Wd3,Wdoを演算する。この際、ステップST30
2の初期状態設定工程において、初期ファン回転数R
f,ダンパ開度Ad1,Ad2,Ad3,Adoを設定
し、この条件下で定常状態に達したときの各ダクトにお
ける質量流量Wd1,Wd2,Wd3,Wdoを演算す
る。
【0097】必要流量演算手段604においては、1サ
ンプリング時間Δt経過後に開度調節信号入手手段60
1で入手される各ダンパ9の開度信号がSd1,Sd
2,Sd3,SdoからSd1+1,Sd2+1,Sd
+1,Sdo+1に変化したとすると、その時のダンパ開
度と流量の特性から各ダンパ9において要求される流量
を計算する。例えば、ダンパ開度と流量の特性が図20
に示すように線形であるとすると、各ダンパ9を通過す
る要求流量Wd1+1,Wd2+1,Wd3+1,Wdo+1
式602で表される。
【数81】 従ってこの場合、ファンに要求される必要流量WfはW
d1+1とWd2+1とWd3+1の和で表される。
【0098】駆動力演算手段605においては、前記必
要流量演算手段604で算出した各ダンパ9において要
求される流量を式603に代入してダクトシステム内の
全ての圧力損失ΔPを計算する。
【数82】 ここで、ζは管摩擦,曲がり,合流・分岐,ダンパ,入
口・出口などによる圧力損失係数、Wdはダクト内を流
れる空気の質量流量、Aは該当ダクトの断面積を示して
いる。次に、各ダクトに要求流量を確保するためにファ
ン5に必要とされる駆動力を求める。この場合、式60
2により求めた各ダンパ9を通過する要求流量Wd
+1,Wd2+1,Wd3+1,Wdo+1を用いて算出した
圧力損出は経路1,経路2,経路3において一致せず圧
力のバランスが成り立たないため、最も圧力損失の大き
い経路を選択し、この経路を通過する空気入口から空気
出口までの全経路における圧力損失を算出し、この損失
分をファン5に要求される駆動力Efとする。これによ
り、全てのダクトに必要流量が確保される。
【0099】必要回転数演算手段606においては、フ
ァン5の必要回転数Ndは、前記駆動力演算手段605
で算出した駆動力Efと流量Wfを用いて式604のよ
うに表されるので、これを必要回転数Ndについて解
き、新たなファン回転数信号Ndをファン駆動手段10
4に発信する。
【数83】 ここで、Nsはファンの定格回転数、ρは空気の密度、
C1,C2,C3,C4はファン5の定格運転時の性能
曲線を質量流量Wと駆動力Esを用いて式605のよう
に表したときの係数である。
【数84】 ファン駆動手段104は、必要回転数演算手段606よ
りファン回転数信号Ndを受け、ファン5の回転数をN
dとなるように調整する。
【0100】次に、図21のフローチャートを用いてこ
の実施の形態6の流量制御装置の処理の流れについて説
明する。ステップST610の仮初期値設定工程では、
各ノードでの全圧Hと流量Wの仮初期値、および初期値
の収束を判断するためのしきい値εを設定し、さらに計
算繰り返しステップおよび時刻を0に設定する。ステッ
プST611の初期状態設定工程では、開度調節信号入
手手段601からの開度信号Sdを基に開度演算手段6
02が演算した現在のダンパ開度Adやファン5の回転
数Rfを、初期条件として設定する。
【0101】ステップST303,係数演算工程(ステ
ップST304),圧力連立方程式演算工程(ステップ
ST305),流量演算工程(ステップST306),
静圧演算工程(ステップST307),およびステップ
ST308は、前記実施の形態3と同様であり説明を省
略する。ステップST308までの工程により、各ダク
トにおける質量流量Wd1,Wd2,Wd3,Wdoが
求められる。
【0102】ステップST612では、時刻を1計算時
間ステップΔt進めて演算を続行する。ここで、Δtは
サンプリング時間と等しいものとする。次に、必要流量
演算手段604は、開度調節信号入手手段601からの
開度信号Sd+1と1サンプリング時間Δt前の開度信号
Sdの変化率と、前記ステップST308において初期
値として設定された各ダクトにおける流量とから、ファ
ン5に必要とされる流量Wfを演算する。
【0103】駆動力演算手段605は、必要流量演算手
段604により演算された流量Wfを確保するために必
要なファン5の駆動力Efを演算する。必要回転数演算
手段606は、駆動力演算手段605により演算された
駆動力Efから、駆動力Efを得るのに必要な回転数N
dを演算し、ファン駆動手段104に回転数信号Ndと
して送信する。ファン駆動手段104は回転数信号Nd
に従ってファン5を駆動する。
【0104】定常流量演算手段603は定常流量演算工
程(ステップST603)において、開度調節信号入手
手段601により入手した開度信号Sdを基に開度演算
手段602が演算した現在のダンパ開度Adと、必要回
転数演算手段606が演算した必要回転数Ndを基にフ
ァン回転数演算手段204が演算した現在のファン回転
数Rfとから、この条件下での定常状態での各ダクトに
おける流量を演算する。
【0105】ステップST603の定常流量演算工程
は、計算繰り返しステップ数nを0に設定する工程(ス
テップST613)、開度調節信号入手手段601から
の開度信号Sdを基に開度演算手段602によって演算
した現在のダンパ開度Adやファン5の回転数Rfを初
期条件として設定する初期状態設定工程(ステップST
614)、繰り返しステップを1つ増やして演算を続行
する工程(ステップST303)、係数演算工程(ステ
ップST304)、圧力連立方程式演算工程(ステップ
ST305)、流量演算工程(ステップST306)、
静圧演算工程(ステップST307)、各ダクトの定常
流量計算が収束したことを判断する工程(ステップST
615)からなる。ステップST615では、n回目の
計算繰り返しステップにおける各ダクトにおける質量流
量解Wi,jnとn−1回目の繰り返しステップにおける質
量流量解Wi,jn-1の偏差の絶対値がしきい値εより小さ
ければ、n回目の計算繰り返しステップにおける質量流
量解Wi,jnを各ダクトの定常流量として設定する。そう
でない場合はn回目の計算繰り返しステップにおける質
量流量解Wi,jnを式315で表される値に設定し、n+
1回目の計算繰り返しステップに入り、ステップST3
03以降の工程を繰り返す。ステップST616では、
ダクト空調システムが動作を停止しているかどうかを判
断し、停止している場合には演算を終了し、そうでない
場合には、ステップST612以降の演算を繰り返す。
【0106】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、コストの上昇を招く圧力センサ等のセンサの新たな
設置を必要とせずに、信号線から入手した送風量調節装
置8のダンパ9の開度調節信号を基にして前記実施の形
態3に示したの初期値演算工程と同様の処理により現在
の流量を把握し、これを基に各被供給部に要求される流
量を精度よく供給する流量制御を行うことができる。
【0107】実施の形態7.図22はこの発明の実施の
形態7による流量制御装置の構成を示す説明図であり、
図において、701は、開度演算手段602により求め
たダンパ開度と、ファン回転数演算手段204で求めた
ファン5の回転数信号により、現在の各ダクトの流量を
演算する非定常流量演算手段である。なお、前記実施の
形態6に示した部分と同一または相当の部分については
同一符号を付して重複説明を省略する。
【0108】次に動作について説明する。開度調節信号
入手手段601,開度演算手段602,必要流量演算手
段604,駆動力演算手段605,必要回転数演算手段
606,ファン回転数演算手段204,およびファン駆
動手段104の動作は、前記実施の形態6と同様であり
重複説明を省略する。
【0109】非定常流量演算手段701においては、フ
ァン回転数演算手段204により演算された現在のファ
ン回転数Rf、ならびに開度演算手段602により演算
された現在の各ダンパ開度Ad1,Ad2,Ad3,A
doから、前記実施の形態2の図5で説明したステップ
応答演算手段105の演算工程中の、係数演算工程(ス
テップST205),圧力連立方程式演算工程(ステッ
プST206),流量演算工程(ステップST20
7),静圧演算工程(ステップST208)を用いて、
現在の各ダクトにおける質量流量Wd1,Wd2,Wd
3,Wdoを演算する。
【0110】次に、図23のフローチャートを用いてこ
の実施の形態7の流量制御装置の処理の流れについて説
明する。仮初期値設定工程(ステップST610),初
期状態設定工程(ステップST611),ステップST
303,係数演算工程(ステップST304),圧力連
立方程式演算工程(ステップST305),流量演算工
程(ステップST306),静圧演算工程(ステップS
T307),およびステップST308については、前
記実施の形態6と同様であり説明を省略する。
【0111】ステップST612においては、時刻を1
計算時間ステップΔt進めて演算を続行する。ここで、
Δtはサンプリング時間に等しいとする。次に、必要流
量演算手段604は、ファン5に必要とされる流量Wf
を演算する。駆動力演算手段605は、流量Wfを確保
するために必要なファン5の駆動力Efを演算する。必
要回転数演算手段606は、駆動力Efを得るのに必要
な回転数Ndを演算し、ファン駆動手段104に回転数
信号Ndとして送信する。ファン駆動手段104は回転
数信号Ndに従ってファン5を駆動する。
【0112】非定常流量演算手段701は非定常流量演
算工程(ステップST701)において、開度調節信号
入手手段601からの開度信号Sdを基に開度演算手段
602が演算した現在のダンパ開度Adと、必要回転数
演算手段606が演算した必要回転数Ndを基にファン
回転数演算手段204が演算した現在のファン回転数R
fと、1サンプリング時間Δt前の各ダクトの流量とか
ら、現在の各ダクトにおける流量を演算する。
【0113】ステップST701の非定常流量演算工程
は、開度調節信号入手手段601により入手した開度信
号Sdを基に開度演算手段602が演算した現在のダン
パ開度Ad,ファンの回転数Rf,および1サンプリン
グ時間Δt前の各ダクトの流量から、圧力損失ならびに
駆動力を流量の一次の関数として表したときの係数を演
算する係数演算工程(ステップST205),圧力連立
方程式演算工程(ステップST206),流量演算工程
(ステップST207),および静圧演算工程(ステッ
プST208)からなる。
【0114】ステップST702では、ダクト空調シス
テムが動作を停止しているかどうかを判断し、停止して
いる場合には演算を終了し、そうでない場合にはステッ
プST612に戻り、時刻を1サンプリング時間Δt進
めるとともに、非定常流量演算手段701で求めた各ダ
クト内の流量を1サンプリング時間Δt前の流量として
設定し、ステップST612以降の演算を繰り返す。
【0115】以上のように、この実施の形態7によれ
ば、前記実施の形態6の定常流量演算手段603の代わ
りに非定常流量演算手段701を備えており、定常流量
演算工程における繰り返し処理を行わないため、前記実
施の形態6と比較して非定常流量の演算を短い演算時間
で高速に行いながら、各室に要求される風量を精度よく
供給する流量制御を行うことができる。
【0116】実施の形態8.図24は、この発明の実施
の形態8による流量制御系の調整装置の流量制御装置へ
の適用を示す説明図であり、3室に空気搬送する空気調
和機のダクト内流量制御系の調整装置として実施した例
を示している。前記実施の形態1は圧力制御装置に対す
る調整装置であったが、この実施の形態8においては流
量制御装置に対する調整装置を示しており、図1に示し
た圧力制御装置における静圧検出手段101は図24に
おいて、流量制御装置における流量検出手段110に置
き換えられている。この流量検出手段110としては、
図24に示したように流量を直接検出するセンサを用い
ることが可能であるが、例えば圧力の検出を基に流量を
検出する流量検出手段等を用いることも可能である。な
お、図1に示した部分と同一または相当の部分について
は同一符号を付して重複説明を省略する。
【0117】図25は、実施の形態8におけるステップ
応答演算手段105の動作を説明するフローチャートで
ある。ステップST201では、前記実施の形態3の図
14において詳細に説明した初期値設定工程と同様な動
作により演算に必要な初期値を演算する。ステップST
202からステップST209の動作は前記実施の形態
2と同様であり、ステップST208の静圧演算工程は
省略している。
【0118】図26は、図8に示したモデルにおいてフ
ァン駆動信号108にステップ信号を入力したときのダ
クト3における流量のステップ応答波形を計算した結果
を示すグラフ図である。以上のようにしてステップ応答
演算手段105で演算された、ファン5の駆動信号から
ダクト内の流量までのステップ応答波形を利用して、P
IDパラメータ演算手段106がPID制御手段103
に必要なパラメータを演算して、流量制御系の調整が実
施される。PIDパラメータ演算手段106は前記実施
の形態2において説明したものと同様の動作を行う。
【0119】以上のように、この実施の形態8によれ
ば、プラントの駆動信号、すなわちファン駆動信号10
8から流量検出信号111までのステップ応答を演算す
るステップ応答演算手段105から得られるステップ応
答波形を使用して、PIDパラメータ演算手段106に
より適切なPID制御パラメータが求められ、これがP
ID制御手段103に入力されるため、実際にプラント
に試験信号を与えることなく、PID制御手段103の
適切なPID制御パラメータを求めて流量制御系の制御
調整を行うことができ、現場での試運転が不要となる。
【0120】実施の形態9.なお、実施の形態8におい
ては、前記実施の形態1〜3に示した圧力制御系の調整
装置と同様に、流量制御系の調整装置も実施可能である
ことを示したが、前記実施の形態4,5における圧力制
御系の制御検証装置と同様に、流量制御系の制御検証装
置も実施可能であり、同様な効果が得られることはいう
までもない。
【0121】実施の形態10.図27はこの発明の実施
の形態10による圧力制御系の調整装置の圧力制御装置
への適用を示す説明図であり、図において、130は配
管内の液体に駆動力を与えるポンプ(集中送出手段)、
131はポンプ130を駆動するポンプ駆動手段(集中
送出手段)、132はPID制御手段103からポンプ
駆動手段131に送信されるポンプ駆動信号(駆動信
号)、133は主配管(流路)、134は液体を各2次
熱交換器(被供給部)136へ分岐させるための枝配管
(枝流路)、135は2次熱交換器136への送液量を
調整するバルブ(送出量調節手段)、137は1次熱交
換器である。
【0122】前記実施の形態1から実施の形態9には、
気体を主ダクト6および枝ダクト7を介して各被空調室
1に送出する集中送風装置2に対して適用した実施の形
態を示したが、この発明は、一例として図27に示した
ように、液体を主配管133および枝配管134を介し
て各2次熱交換器136に送出する集中送液装置に対し
て適用した圧力制御系あるいは流量制御系の調整装置や
流量制御装置等において実施が可能であることはいうま
でもない。
【0123】実施の形態11.なお、前記各実施の形態
における式中等においては、流量として質量流量Wを用
いたが、流量として体積流量Qを用いることも可能であ
る。この場合、各式において、体積流量Qと質量流量W
との間にW=ρ×Q(ρは流体の密度)の関係が成り立
つことを用いて適宜式中のWをρ×Qに変更して用いれ
ばよい。
【0124】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、PID制御手段より集中送出手段に与えられる駆
動信号から静圧検出信号までのステップ応答を演算する
ステップ応答演算手段と、前記ステップ応答演算手段で
演算されたステップ応答からPID制御手段のPID制
御パラメータを求めて前記PID制御手段に対して出力
するPIDパラメータ演算手段とを備えるように構成し
たので、集中送出手段を駆動するファン駆動手段,ポン
プ駆動手段等へPID制御手段より出力される駆動信号
から静圧検出手段における静圧検出信号までのステップ
応答を演算するステップ応答演算手段により得られたス
テップ応答波形を使用して、PIDパラメータ演算手段
により適切なPID制御パラメータが求められ、これが
PID制御手段に入力されるため、実際にプラントに試
験信号を与えることなく、PID制御手段の適切なPI
D制御パラメータを求めて圧力制御系の制御調整を行う
ことができ、現場での試運転が不必要となる効果があ
る。
【0125】請求項2記載の発明によれば、ステップ応
答演算手段が、ステップ応答計算に必要な初期値を設定
する初期値設定工程の後に、1計算時間ステップ前の質
量流量もしくは体積流量の値から、流路または枝流路内
の圧力の損失係数を(式1)により、さらに前記損失係
数を用いて、圧力損失を(式2)により、また、集中送
出手段の流体への駆動力を(式3)により、現計算時間
ステップにおける質量流量もしくは体積流量の一次関数
の形で求める係数演算工程と、前記係数演算工程の結果
を、流路網内における流体の一次元の運動量の保存を表
す運動量保存式を微小変位で積分すると共に計算時間ス
テップで離散化することにより得た(式4)に入力して
求めた数式と、流路網における質量保存の式(式5)と
からなる、全圧を未知数とした多元連立一次方程式を解
く圧力連立方程式演算工程と、前記圧力連立方程式演算
工程で求めた全圧の値から質量流量もしくは体積流量の
値を求める流量演算工程と、前記圧力連立方程式演算工
程で求めた全圧の値と前記流量演算工程で求めた質量流
量もしくは体積流量の値とから静圧を求める静圧演算工
程とを各計算時間ステップ毎に繰り返し行うことによ
り、ステップ応答を演算するように構成したので、精度
の高いステップ応答を演算して適切なPID制御パラメ
ータを求め、圧力制御系の制御調整を高精度に行うこと
ができる効果がある。また、特に、運動量保存の(式
4)を用いる際に、式中に現れてくる流量の線形でない
項を、(式2)および(式3)を用いて既知の1計算時
間ステップ前の流量により近似して線形化しているた
め、(式4)と(式5)とからなる連立方程式を容易に
解いて各値を求めることが可能となる効果がある。
【0126】請求項3記載の発明によれば、ステップ応
答演算手段が初期値設定工程において、流路または枝流
路内の全圧および質量流量もしくは体積流量の仮想値、
ならびに前記仮想値の収束を判定するしきい値を設定す
る仮初期値設定工程を行った後に、1計算繰り返しステ
ップ前の質量流量もしくは体積流量の値から、流路また
は枝流路内の圧力の損失係数を(式6)により、さらに
前記損失係数を用いて圧力損失を(式7)により、ま
た、集中送出手段の流体への駆動力を(式8)により、
現計算繰り返しステップにおける質量流量もしくは体積
流量の一次関数の形で求める係数演算工程と、係数演算
工程の結果を、流路網内における流体の一次元の定常状
態における運動量保存式を微小変位で積分することによ
り得た(式9)に入力して求めた式と、流路網における
質量保存の式(式5)とからなる、全圧を未知数とした
多元連立一次方程式を解く圧力連立方程式演算工程と、
前記圧力連立方程式演算工程で求めた全圧の値から質量
流量もしくは体積流量の値を求める流量演算工程と、前
記圧力連立方程式演算工程で求めた全圧の値と前記流量
演算工程で求めた質量流量もしくは体積流量の値とから
静圧を求める静圧演算工程とからなる計算繰り返しステ
ップを、前記流量演算工程で求めた現計算繰り返しステ
ップにおける質量流量もしくは体積流量と1計算繰り返
しステップ前の質量流量もしくは体積流量との偏差が前
記仮初期値設定工程で設定したしきい値より小さくなる
まで繰り返し行い、得られた収束値を初期値に設定する
ように構成したので、高い精度の初期値を求めることが
でき、この初期値を用いて高精度のステップ応答を演算
して適切なPID制御パラメータを求めることができる
ため、圧力制御系の制御調整を高精度に行うことができ
る効果がある。
【0127】請求項4記載の発明によれば、PID制御
手段より集中送出手段に与えられる駆動信号から流量検
出信号までのステップ応答を演算するステップ応答演算
手段と、前記ステップ応答演算手段で演算されたステッ
プ応答からPID制御手段のPID制御パラメータを求
めて前記PID制御手段に対して出力するPIDパラメ
ータ演算手段とを備えるように構成したので、集中送出
手段を駆動するファン駆動手段,ポンプ駆動手段等へP
ID制御手段より出力される駆動信号から流量検出手段
における流量検出信号までのステップ応答を演算するス
テップ応答演算手段により得られたステップ応答波形を
使用して、PIDパラメータ演算手段により適切なPI
D制御パラメータが求められ、これがPID制御手段に
入力されるため、実際にプラントに試験信号を与えるこ
となく、PID制御手段の適切なPID制御パラメータ
を求めて流量制御系の制御調整を行うことができ、現場
での試運転が不必要となる効果がある。
【0128】請求項5記載の発明によれば、ステップ応
答演算手段は、ステップ応答計算に必要な初期値を設定
する初期値設定工程の後に、1計算時間ステップ前の質
量流量もしくは体積流量の値から、流路または枝流路内
の圧力の損失係数を(式1)により、さらに前記損失係
数を用いて、圧力損失を(式2)により、また、集中送
出手段の流体への駆動力を(式3)により、現計算時間
ステップにおける質量流量もしくは体積流量の一次関数
の形で求める係数演算工程と、前記係数演算工程の結果
を、流路網内における流体の一次元の運動量の保存を表
す運動量保存式を微小変位で積分すると共に計算時間ス
テップで離散化することにより得た(式4)に入力して
求めた数式と、流路網における質量保存の式(式5)と
からなる、全圧を未知数とした多元連立一次方程式を解
く圧力連立方程式演算工程と、前記圧力連立方程式演算
工程で求めた全圧の値から質量流量もしくは体積流量の
値を求める流量演算工程とを各計算時間ステップ毎に繰
り返し行うことにより、ステップ応答を演算するように
構成したので、精度の高いステップ応答を演算して適切
なPID制御パラメータを求め、流量制御系の制御調整
を高精度に行うことができる効果がある。また、特に、
運動量保存の(式4)を用いる際に、式中に現れてくる
流量の線形でない項を、(式2)および(式3)を用い
て既知の1計算時間ステップ前の流量により近似して線
形化しているため、(式4)と(式5)とからなる連立
方程式を容易に解いて各値を求めることが可能となる効
果がある。
【0129】請求項6記載の発明によれば、ステップ応
答演算手段は初期値設定工程において、流路または枝流
路内の全圧および質量流量もしくは体積流量の仮想値、
ならびに前記仮想値の収束を判定するしきい値を設定す
る仮初期値設定工程を行った後に、1計算繰り返しステ
ップ前の質量流量もしくは体積流量の値から、流路また
は枝流路内の圧力の損失係数を(式6)により、さらに
前記損失係数を用いて圧力損失を(式7)により、ま
た、集中送出手段の流体への駆動力を(式8)により、
現計算繰り返しステップにおける質量流量もしくは体積
流量の一次関数の形で求める係数演算工程と、係数演算
工程の結果を、流路網内における流体の一次元の定常状
態における運動量保存式を微小変位で積分することによ
り得た(式9)に入力して求めた式と、流路網における
質量保存の式(式5)とからなる、全圧を未知数とした
多元連立一次方程式を解く圧力連立方程式演算工程と、
前記圧力連立方程式演算工程で求めた全圧の値から質量
流量もしくは体積流量の値を求める流量演算工程とから
なる計算繰り返しステップを、前記流量演算工程で求め
た現計算繰り返しステップにおける質量流量もしくは体
積流量と1計算繰り返しステップ前の質量流量もしくは
体積流量との偏差が前記仮初期値設定工程で設定したし
きい値より小さくなるまで繰り返し行い、得られた収束
値を初期値に設定するように構成したので、高い精度の
初期値を求めることができ、この初期値を用いて高精度
のステップ応答を演算して適切なPID制御パラメータ
を求めることができるため、流量制御系の制御調整を高
精度に行うことができる効果がある。
【0130】請求項7記載の発明によれば、請求項2記
載のステップ応答演算手段の処理と同様の処理を用い
て、PID制御手段が出力する駆動信号により変化する
圧力制御系の流路または枝流路の静圧を繰り返し演算す
ることにより、前記PID制御手段により制御される圧
力制御系をシミュレートするとともに、前記静圧と静圧
目標値との偏差を演算する計算機手段と、前記計算機手
段において演算された前記偏差を信号変換して前記PI
D制御手段に入力する入力信号変換手段と、前記PID
制御手段の出力信号を前記計算機手段に入力する出力信
号変換手段とを備えるように構成したので、PID制御
手段が出力する駆動信号により変化する実際の圧力制御
系における各部の静圧をシミュレートすることができ、
PID制御手段の制御動作や制御条件の妥当性を、実際
の圧力制御系を用いずに検証することができる効果があ
る。従って例えば、PID制御手段のPID制御パラメ
ータを複数検証することにより実際の系を用いずに有効
なPID制御パラメータを決定することなどが可能とな
り、PID制御手段の調整を現場において行う必要な
く、事前に精度よい調整を行うことが可能となる効果が
ある。
【0131】請求項8記載の発明によれば、請求項2記
載のステップ応答演算手段の処理を用いて得たステップ
応答波形を数階の常微分方程式の解で近似して前記常微
分方程式の最適なパラメータを求めるステップ応答近似
工程を行った後に、前記ステップ応答近似工程において
得られた前記最適なパラメータを持つ前記常微分方程式
を解いて静圧検出手段における静圧を求める状態方程式
演算工程を繰り返すことにより、PID制御手段が出力
する駆動信号により変化する圧力制御系をシミュレート
するとともに、前記静圧と静圧目標値との偏差を演算す
る計算機手段と、前記計算機手段において演算された前
記偏差を信号変換して前記PID制御手段に入力する入
力信号変換手段と、前記PID制御手段の出力信号を前
記計算機手段に入力する出力信号変換手段とを備えるよ
うに構成したので、計算機手段は請求項7記載の計算機
手段におけるように複雑な計算および多数の工程を逐次
的に行う必要がなく、状態方程式演算工程において数階
の常微分方程式を解く処理のみを行うため、極めて高い
処理能力を持たない低速で安価な計算機を用いることが
でき、PID制御手段の制御動作や制御条件の妥当性の
検証や調整を、実際の圧力制御系を用いずに事前に、か
つ低コストにより行うことができる効果がある。
【0132】請求項9記載の発明によれば、請求項5記
載のステップ応答演算手段の処理と同様の処理を用い
て、PID制御手段が出力する駆動信号により変化する
流量制御系の流路または枝流路の流量を繰り返し演算す
ることにより、前記PID制御手段により制御される流
量制御系をシミュレートするとともに、前記流量と流量
目標値との偏差を演算する計算機手段と、前記計算機手
段において演算された前記偏差を信号変換して前記PI
D制御手段に入力する入力信号変換手段と、前記PID
制御手段の出力信号を前記計算機手段に入力する出力信
号変換手段とを備えるように構成したので、PID制御
手段が出力する駆動信号により変化する実際の流量制御
系における各部の流量をシミュレートすることができ、
PID制御手段の制御動作や制御条件の妥当性を、実際
の流量制御系を用いずに検証することができる効果があ
る。従って例えば、PID制御手段のPID制御パラメ
ータを複数検証することにより実際の系を用いずに有効
なPID制御パラメータを決定することなどが可能とな
り、PID制御手段の調整を現場において行う必要な
く、事前に精度よい調整を行うことが可能となる効果が
ある。
【0133】請求項10記載の発明によれば、請求項5
記載のステップ応答演算手段の処理を用いて得たステッ
プ応答波形を数階の常微分方程式の解で近似して前記常
微分方程式の最適なパラメータを求めるステップ応答近
似工程を行った後に、前記ステップ応答近似工程におい
て得られた前記最適なパラメータを持つ前記常微分方程
式を解いて流量を求める状態方程式演算工程を繰り返す
ことにより、PID制御手段が出力する駆動信号により
変化する流量制御系をシミュレートするとともに、前記
流量と流量目標値との偏差を演算する計算機手段と、前
記計算機手段において演算された前記偏差を信号変換し
て前記PID制御手段に入力する入力信号変換手段と、
前記PID制御手段の出力信号を前記計算機手段に入力
する出力信号変換手段とを備えるように構成したので、
計算機手段は請求項9記載の計算機手段におけるように
複雑な計算および多数の工程を逐次的に行う必要がな
く、状態方程式演算工程において数階の常微分方程式を
解く処理のみを行うため、極めて高い処理能力を持たな
い低速で安価な計算機を用いることができ、PID制御
手段の制御動作や制御条件の妥当性の検証や調整を、実
際の流量制御系を用いずに事前に、かつ低コストにより
行うことができる効果がある。
【0134】請求項11記載の発明によれば、計算機手
段が、ステップ応答近似工程において、常微分方程式と
して(式9)を,その解として(式10)を用い、ステ
ップ応答波形を近似する前記(式10)の最適なパラメ
ータzおよびωを求めるように構成したので、ステップ
応答の近似を適切に行うことができる効果がある。従っ
て、圧力制御系の静圧または流量制御系の流量のシミュ
レーションを適切に行い、PID制御手段の制御動作や
制御条件の妥当性の検証や調整を有効に行うことができ
る効果がある。
【0135】請求項12記載の発明によれば、気体また
は液体からなる流体をファンあるいはポンプで、流路お
よび枝流路を介して複数の被供給部に送出する集中送出
手段と、前記各枝流路に装着され前記被供給部への流体
の送出量を調整する送出量調節手段と、前記送出量調節
手段の開度調節信号を入手する開度調節信号入手手段
と、前記開度調節信号入手手段により得た開度信号とフ
ァンあるいはポンプの回転数信号を基に、流路および枝
流路の現在の流量を計算する現在流量演算手段と、前記
現在流量演算手段により計算された現在の流量と前記送
出量調節手段の開度の変化とから、ファンあるいはポン
プに必要な流量を求める必要流量演算手段と、前記必要
流量演算手段から得られた流量から、ファンあるいはポ
ンプの流体出口からファンあるいはポンプの流体入口に
至るまでの圧力損失を演算し、ファンあるいはポンプに
必要な駆動力を演算する駆動力演算手段と、前記駆動力
演算手段から得られた駆動力を発生するのに必要なファ
ンあるいはポンプの回転数を演算する必要回転数演算手
段と、前記必要回転数演算手段からの信号に従ってファ
ンまたはポンプを駆動する駆動手段を備えるように構成
したので、コストの上昇を招く圧力センサ等のセンサの
新たな設置を必要とせずに、信号線から入手した送出量
調節手段のダンパ,バルブ等の開度調節信号を基にして
現在の流量を把握し、これを基に各室に要求される流量
を精度よく供給する流量制御を行うことができる効果が
ある。
【0136】請求項13記載の発明によれば、現在流量
演算手段として、開度調節信号入手手段により得た開度
信号とファンあるいはポンプの回転数信号を基に、請求
項3記載の初期値演算工程と同様の処理を用いて流路お
よび枝流路の現在の流量を計算する定常流量演算手段を
備えるように構成したので、コストの上昇を招く圧力セ
ンサ等のセンサの新たな設置を必要とせずに、信号線か
ら入手した送出量調節手段のダンパ,バルブ等の開度調
節信号を基にして請求項3記載の初期値演算工程と同様
の処理により現在の流量を把握し、これを基に各被供給
部に要求される流量を精度よく供給する流量制御を行う
ことができる効果がある。
【0137】請求項14記載の発明によれば、現在流量
演算手段として、開度調節信号入手手段により得た開度
信号とファンあるいはポンプの回転数信号を基に、請求
項2記載の係数演算工程,圧力連立方程式演算工程,流
量演算工程,および静圧演算工程と同様の処理を用いて
流路および枝流路の現在の流量を計算する非定常流量演
算手段を備えるように構成したので、請求項13記載の
定常流量演算手段におけるような繰り返し処理を行わな
い非定常流量演算手段により非定常流量の演算を短い演
算時間で高速に行いながら、各被供給部に要求される流
量を精度よく供給する流量制御を行うことができる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による圧力制御系の
調整装置の圧力制御装置への適用を示す説明図である。
【図2】 ファン駆動信号から静圧検出信号までのステ
ップ応答波形の一例を示すグラフ図である。
【図3】 PIDパラメータの設定式を示す表図であ
る。
【図4】 この発明の実施の形態1におけるステップ応
答演算手段およびPIDパラメータ演算手段の動作を表
すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態2による圧力制御系の
調整装置におけるステップ応答演算手段の動作を示すフ
ローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2における数学モデル
を示す説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態2におけるダクト網を
示す説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態2における集中送風ダ
クト系の計算モデルを示す説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態2における集中送風ダ
クト系の幾何学形状の値の説明図である。
【図10】 この発明の実施の形態2におけるステップ
応答の演算結果例を示すグラフ図である。
【図11】 この発明の実施の形態2におけるPIDパ
ラメータ演算手段の処理手順を説明するフローチャート
である。
【図12】 この発明の実施の形態2におけるステップ
応答近似の例を示すグラフ図である。
【図13】 (a)は、この発明の実施の形態2におけ
るPID制御のボード線図、(b)は、この発明の実施
の形態2における圧力制御の挙動を示すグラフ図、
(c)は、この発明の実施の形態2における圧力制御の
挙動を示すグラフ図である。
【図14】 この発明の実施の形態3による圧力制御系
の調整装置におけるステップ応答演算手段の初期値設定
工程のフローチャートである。
【図15】 この発明の実施の形態4による圧力制御系
の制御検証装置の構成を示すブロック図である。
【図16】 図15の装置の動作を説明するフローチャ
ートである。
【図17】 この発明の実施の形態5による圧力制御系
の制御検証装置の構成を示すブロック図である。
【図18】 図17の装置の動作を説明するフローチャ
ートである。
【図19】 この発明の実施の形態6による流量制御装
置の構成を示す説明図である。
【図20】 この発明の実施の形態6におけるダンパ通
過流量とダンパ開度の関係の一例を示す図である。
【図21】 この発明の実施の形態6による流量制御装
置の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図22】 この発明の実施の形態7による流量制御装
置の構成を示す説明図である。
【図23】 この発明の実施の形態7による流量制御装
置の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図24】 この発明の実施の形態8による流量制御系
の調整装置の流量制御装置への適用を示す説明図であ
る。
【図25】 この発明の実施の形態8におけるステップ
応答演算手段105の動作を説明するフローチャートで
ある。
【図26】 この発明の実施の形態8におけるステップ
応答波形の計算例を説明するグラフ図である。
【図27】 この発明の実施の形態10による圧力制御
系の調整装置の圧力制御装置への適用を示す説明図であ
る。
【図28】 従来の圧力制御系の調整装置を示すブロッ
ク図である。
【図29】 従来の流量制御系の制御装置における風量
制御装置を示すブロック図である。
【図30】 従来の流量制御系の制御装置における風量
演算手段の機能および動作を説明するグラフ図である。
【符号の説明】
1 被空調室(被供給部)、2 集中送風装置(集中送
出手段)、5 ファン、6 主ダクト(流路)、7 枝
ダクト(枝流路)、8 送風量調節装置(送出量調節手
段)、9 ダンパ(送出量調節手段)、101 静圧検
出手段、102目標値設定手段、103 PID制御手
段、104 ファン駆動手段(集中送出手段)、105
ステップ応答演算手段、106 PIDパラメータ演
算手段、107 静圧検出信号、108 ファン駆動信
号(駆動信号)、110 流量検出手段、111 流量
検出信号、120 入力信号変換手段、121 出力信
号変換手段、122,122a 計算機手段、130
ポンプ(集中送出手段)、131 ポンプ駆動手段(集
中送出手段)、132 ポンプ駆動信号(駆動信号)、
133 主配管(流路)、134 枝配管(枝流路)、
135 バルブ(送出量調節手段)、136 2次熱交
換器(被供給部)、601 開度調節信号入手手段、6
03 定常流量演算手段(現在流量演算手段)、604
必要流量演算手段、605 駆動力演算手段、606
必要回転数演算手段、701 非定常流量演算手段
(現在流量演算手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05D 16/20 G05D 16/20 C

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体または液体からなる流体を流路およ
    び該流路より分岐した枝流路を介して複数の被供給部に
    送出する集中送出手段と、前記各枝流路に設けられ、前
    記各枝流路を介して前記各被供給部へ送出される流体の
    送出量を調整する送出量調節手段と、前記流路内の流体
    の静圧を検出する静圧検出手段と、前記流路内の流体の
    静圧の目標値を与える目標値設定手段と、前記目標値設
    定手段からの信号と前記静圧検出手段からの静圧検出信
    号との偏差信号にPID補償を行って前記集中送出手段
    に駆動信号を与えるPID制御手段とを備えた圧力制御
    装置に対して制御調整を行う圧力制御系の調整装置にお
    いて、 前記駆動信号から前記静圧検出信号までのステップ応答
    を演算するステップ応答演算手段と、前記ステップ応答
    演算手段で演算されたステップ応答から前記PID制御
    手段のPID制御パラメータを求めて前記PID制御手
    段に対して出力するPIDパラメータ演算手段とを備え
    たことを特徴とする圧力制御系の調整装置。
  2. 【請求項2】 ステップ応答演算手段は、ステップ応答
    計算に必要な初期値を設定する初期値設定工程の後に、
    1計算時間ステップ前の質量流量もしくは体積流量の値
    から、流路または枝流路内の圧力の損失係数を(式1)
    により、さらに前記損失係数を用いて、圧力損失を(式
    2)により、また、集中送出手段の流体への駆動力を
    (式3)により、現計算時間ステップにおける質量流量
    もしくは体積流量の一次関数の形で求める係数演算工程
    と、前記係数演算工程の結果を、流路網内における流体
    の一次元の運動量の保存を表す運動量保存式を微小変位
    で積分すると共に計算時間ステップで離散化することに
    より得た(式4)に入力して求めた数式と、流路網にお
    ける質量保存の式(式5)とからなる、全圧を未知数と
    した多元連立一次方程式を解く圧力連立方程式演算工程
    と、前記圧力連立方程式演算工程で求めた全圧の値から
    質量流量もしくは体積流量の値を求める流量演算工程
    と、前記圧力連立方程式演算工程で求めた全圧の値と前
    記流量演算工程で求めた質量流量もしくは体積流量の値
    とから静圧を求める静圧演算工程とを各計算時間ステッ
    プ毎に繰り返し行うことにより、ステップ応答を演算す
    ることを特徴とする請求項1記載の圧力制御系の調整装
    置。 【数1】 【数2】 【数3】 【数4】 【数5】 ただし、 i :(ダクトあるいは)配管内の任意の圧力観測点 j :(ダクトあるいは)配管内の任意の圧力観測点 x :i,j間の任意の点 ζx :xにおける(ダクトあるいは)配管内の圧力損失
    係数 f(α) :αに関する任意の非線形関数 Ax :x における(ダクトあるいは)配管の断面積 Wi,j :i,j間を流れる流体の現時刻における質量流
    量 Wi ,j-1 :i,j間を流れる流体の現時刻より1計算
    時間ステップ前における質量流量 Qi ,j :i,j間を流れる流体の現時刻における体積
    流量 Qi ,j-1 :i,j間を流れる流体の現時刻より1計算
    時間ステップ前における体積流量 ΔPx :xにおける圧力損失 Ex :xにおける駆動力 D1 ,D2 :係数 Δt :計算時間ステップ Δx :微小変位 ρ:流体の密度 Ai :iにおける断面積 Aj :jにおける断面積 Δhx :xを含む微小管の高低差 Hi :iにおける全圧 Hj :jにおける全圧 m:iにつながる圧力観測点の総数
  3. 【請求項3】 ステップ応答演算手段は初期値設定工程
    において、 流路または枝流路内の全圧および質量流量もしくは体積
    流量の仮想値、ならびに前記仮想値の収束を判定するし
    きい値を設定する仮初期値設定工程を行った後に、 1計算繰り返しステップ前の質量流量もしくは体積流量
    の値から、流路または枝流路内の圧力の損失係数を(式
    6)により、さらに前記損失係数を用いて圧力損失を
    (式7)により、また、集中送出手段の流体への駆動力
    を(式8)により、現計算繰り返しステップにおける質
    量流量もしくは体積流量の一次関数の形で求める係数演
    算工程と、係数演算工程の結果を、流路網内における流
    体の一次元の定常状態における運動量保存式を微小変位
    で積分することにより得た(式9)に入力して求めた式
    と、流路網における質量保存の式(式5)とからなる、
    全圧を未知数とした多元連立一次方程式を解く圧力連立
    方程式演算工程と、前記圧力連立方程式演算工程で求め
    た全圧の値から質量流量もしくは体積流量の値を求める
    流量演算工程と、前記圧力連立方程式演算工程で求めた
    全圧の値と前記流量演算工程で求めた質量流量もしくは
    体積流量の値とから静圧を求める静圧演算工程とからな
    る計算繰り返しステップを、前記流量演算工程で求めた
    現計算繰り返しステップにおける質量流量もしくは体積
    流量と1計算繰り返しステップ前の質量流量もしくは体
    積流量との偏差が前記仮初期値設定工程で設定したしき
    い値より小さくなるまで繰り返し行い、 得られた収束値を初期値に設定することを特徴とする請
    求項2記載の圧力制御系の調整装置。 【数6】 【数7】 【数8】 【数9】 ただし、 n:初期値の繰り返し計算における現在の計算繰り返し
    ステップ数 Wi,jn-1:i,j間を流れる流体のn−1回目の計算繰
    り返しステップにおける質量流量 Wi,jn:i,j間を流れる流体のn回目の計算繰り返し
    ステップにおける質量流量 Qi,jn-1:i,j間を流れる流体のn−1回目の計算繰
    り返しステップにおける体積流量 Qi,jn:i,j間を流れる流体のn回目の計算繰り返し
    ステップにおける体積流量
  4. 【請求項4】 気体または液体からなる流体を流路およ
    び該流路より分岐した枝流路を介して複数の被供給部に
    送出する集中送出手段と、前記各枝流路に設けられ、前
    記各枝流路を介して前記各被供給部へ送出される流体の
    送出量を調整する送出量調節手段と、前記流路内の流体
    の流量を検出する流量検出手段と、前記流路内の流体の
    流量の目標値を与える目標値設定手段と、前記目標値設
    定手段からの信号と前記流量検出手段からの流量検出信
    号との偏差信号にPID補償を行って前記集中送出手段
    に駆動信号を与えるPID制御手段とを備えた流量制御
    装置に対して制御調整を行う流量制御系の調整装置にお
    いて、 前記駆動信号から前記流量検出信号までのステップ応答
    を演算するステップ応答演算手段と、前記ステップ応答
    演算手段で演算されたステップ応答から前記PID制御
    手段のPID制御パラメータを求めて前記PID制御手
    段に対して出力するPIDパラメータ演算手段とを備え
    たことを特徴とする流量制御系の調整装置。
  5. 【請求項5】 ステップ応答演算手段は、ステップ応答
    計算に必要な初期値を設定する初期値設定工程の後に、
    1計算時間ステップ前の質量流量もしくは体積流量の値
    から、流路または枝流路内の圧力の損失係数を(式1)
    により、さらに前記損失係数を用いて、圧力損失を(式
    2)により、また、集中送出手段の流体への駆動力を
    (式3)により、現計算時間ステップにおける質量流量
    もしくは体積流量の一次関数の形で求める係数演算工程
    と、前記係数演算工程の結果を、流路網内における流体
    の一次元の運動量の保存を表す運動量保存式を微小変位
    で積分すると共に計算時間ステップで離散化することに
    より得た(式4)に入力して求めた数式と、流路網にお
    ける質量保存の式(式5)とからなる、全圧を未知数と
    した多元連立一次方程式を解く圧力連立方程式演算工程
    と、前記圧力連立方程式演算工程で求めた全圧の値から
    質量流量もしくは体積流量の値を求める流量演算工程と
    を各計算時間ステップ毎に繰り返し行うことにより、ス
    テップ応答を演算することを特徴とする請求項4記載の
    流量制御系の調整装置。 【数10】 【数11】 【数12】 【数13】 【数14】 ただし、 i :(ダクトあるいは)配管内の任意の圧力観測点 j :(ダクトあるいは)配管内の任意の圧力観測点 x :i,j間の任意の点 ζx :xにおける(ダクトあるいは)配管内の圧力損失
    係数 f(α) :αに関する任意の非線形関数 Ax :x における(ダクトあるいは)配管の断面積 Wi,j :i,j間を流れる流体の現時刻における質量流
    量 Wi ,j-1 :i,j間を流れる流体の現時刻より1計算
    時間ステップ前における質量流量 Qi ,j :i,j間を流れる流体の現時刻における体積
    流量 Qi ,j-1 :i,j間を流れる流体の現時刻より1計算
    時間ステップ前における体積流量 ΔPx :xにおける圧力損失 Ex :xにおける駆動力 D1 ,D2 :係数 Δt :計算時間ステップ Δx :微小変位 ρ:流体の密度 Ai :iにおける断面積 Aj :jにおける断面積 Δhx :xを含む微小管の高低差 Hi :iにおける全圧 Hj :jにおける全圧 m:iにつながる圧力観測点の総数
  6. 【請求項6】 ステップ応答演算手段は初期値設定工程
    において、 流路または枝流路内の全圧および質量流量もしくは体積
    流量の仮想値、ならびに前記仮想値の収束を判定するし
    きい値を設定する仮初期値設定工程を行った後に、 1計算繰り返しステップ前の質量流量もしくは体積流量
    の値から、流路または枝流路内の圧力の損失係数を(式
    6)により、さらに前記損失係数を用いて圧力損失を
    (式7)により、また、集中送出手段の流体への駆動力
    を(式8)により、現計算繰り返しステップにおける質
    量流量もしくは体積流量の一次関数の形で求める係数演
    算工程と、係数演算工程の結果を、流路網内における流
    体の一次元の定常状態における運動量保存式を微小変位
    で積分することにより得た(式9)に入力して求めた式
    と、流路網における質量保存の式(式5)とからなる、
    全圧を未知数とした多元連立一次方程式を解く圧力連立
    方程式演算工程と、前記圧力連立方程式演算工程で求め
    た全圧の値から質量流量もしくは体積流量の値を求める
    流量演算工程とからなる計算繰り返しステップを、前記
    流量演算工程で求めた現計算繰り返しステップにおける
    質量流量もしくは体積流量と1計算繰り返しステップ前
    の質量流量もしくは体積流量との偏差が前記仮初期値設
    定工程で設定したしきい値より小さくなるまで繰り返し
    行い、 得られた収束値を初期値に設定することを特徴とする請
    求項5記載の流量制御系の調整装置。 【数15】 【数16】 【数17】 【数18】 ただし、 n:初期値の繰り返し計算における現在の計算繰り返し
    ステップ数 Wi,jn-1:i,j間を流れる流体のn−1回目の計算繰
    り返しステップにおける質量流量 Wi,jn:i,j間を流れる流体のn回目の計算繰り返し
    ステップにおける質量流量 Qi,jn-1:i,j間を流れる流体のn−1回目の計算繰
    り返しステップにおける体積流量 Qi,jn:i,j間を流れる流体のn回目の計算繰り返し
    ステップにおける体積流量
  7. 【請求項7】 請求項2記載のステップ応答演算手段の
    処理と同様の処理を用いて、PID制御手段が出力する
    駆動信号により変化する圧力制御系の流路または枝流路
    の静圧を繰り返し演算することにより、前記PID制御
    手段により制御される圧力制御系をシミュレートすると
    ともに、前記静圧と静圧目標値との偏差を演算する計算
    機手段と、前記計算機手段において演算された前記偏差
    を信号変換して前記PID制御手段に入力する入力信号
    変換手段と、前記PID制御手段の出力信号を前記計算
    機手段に入力する出力信号変換手段とを備えた圧力制御
    系の制御検証装置。
  8. 【請求項8】 請求項2記載のステップ応答演算手段の
    処理を用いて得たステップ応答波形を数階の常微分方程
    式の解で近似して前記常微分方程式の最適なパラメータ
    を求めるステップ応答近似工程を行った後に、前記ステ
    ップ応答近似工程において得られた前記最適なパラメー
    タを持つ前記常微分方程式を解いて静圧検出手段におけ
    る静圧を求める状態方程式演算工程を繰り返すことによ
    り、PID制御手段が出力する駆動信号により変化する
    圧力制御系をシミュレートするとともに、前記静圧と静
    圧目標値との偏差を演算する計算機手段と、前記計算機
    手段において演算された前記偏差を信号変換して前記P
    ID制御手段に入力する入力信号変換手段と、前記PI
    D制御手段の出力信号を前記計算機手段に入力する出力
    信号変換手段とを備えた圧力制御系の制御検証装置。
  9. 【請求項9】 請求項5記載のステップ応答演算手段の
    処理と同様の処理を用いて、PID制御手段が出力する
    駆動信号により変化する流量制御系の流路または枝流路
    の流量を繰り返し演算することにより、前記PID制御
    手段により制御される流量制御系をシミュレートすると
    ともに、前記流量と流量目標値との偏差を演算する計算
    機手段と、前記計算機手段において演算された前記偏差
    を信号変換して前記PID制御手段に入力する入力信号
    変換手段と、前記PID制御手段の出力信号を前記計算
    機手段に入力する出力信号変換手段とを備えた流量制御
    系の制御検証装置。
  10. 【請求項10】 請求項5記載のステップ応答演算手段
    の処理を用いて得たステップ応答波形を数階の常微分方
    程式の解で近似して前記常微分方程式の最適なパラメー
    タを求めるステップ応答近似工程を行った後に、前記ス
    テップ応答近似工程において得られた前記最適なパラメ
    ータを持つ前記常微分方程式を解いて流量を求める状態
    方程式演算工程を繰り返すことにより、PID制御手段
    が出力する駆動信号により変化する流量制御系をシミュ
    レートするとともに、前記流量と流量目標値との偏差を
    演算する計算機手段と、前記計算機手段において演算さ
    れた前記偏差を信号変換して前記PID制御手段に入力
    する入力信号変換手段と、前記PID制御手段の出力信
    号を前記計算機手段に入力する出力信号変換手段とを備
    えた流量制御系の制御検証装置。
  11. 【請求項11】 計算機手段は、ステップ応答近似工程
    において、常微分方程式として(式10)を,その解と
    して(式11)を用い、ステップ応答波形を近似する前
    記(式11)の最適なパラメータzおよびωを求めるこ
    とを特徴とする請求項8または請求項10記載の圧力制
    御系または流量制御系の制御検証装置。 【数19】 【数20】
  12. 【請求項12】 気体または液体からなる流体をファン
    あるいはポンプで、流路および枝流路を介して複数の被
    供給部に送出する集中送出手段と、前記各枝流路に装着
    され前記被供給部への流体の送出量を調整する送出量調
    節手段と、前記送出量調節手段の開度調節信号を入手す
    る開度調節信号入手手段と、前記開度調節信号入手手段
    により得た開度信号とファンあるいはポンプの回転数信
    号を基に、流路および枝流路の現在の流量を計算する現
    在流量演算手段と、前記現在流量演算手段により計算さ
    れた現在の流量と前記送出量調節手段の開度の変化とか
    ら、ファンあるいはポンプに必要な流量を求める必要流
    量演算手段と、前記必要流量演算手段から得られた流量
    から、ファンあるいはポンプの流体出口からファンある
    いはポンプの流体入口に至るまでの圧力損失を演算し、
    ファンあるいはポンプに必要な駆動力を演算する駆動力
    演算手段と、前記駆動力演算手段から得られた駆動力を
    発生するのに必要なファンあるいはポンプの回転数を演
    算する必要回転数演算手段と、前記必要回転数演算手段
    からの信号に従ってファンまたはポンプを駆動する駆動
    手段を備えた流量制御装置。
  13. 【請求項13】 現在流量演算手段として、開度調節信
    号入手手段により得た開度信号とファンあるいはポンプ
    の回転数信号を基に、請求項3記載の初期値演算工程と
    同様の処理を用いて流路および枝流路の現在の流量を計
    算する定常流量演算手段を備えたことを特徴とする請求
    項12記載の流量制御装置。
  14. 【請求項14】 現在流量演算手段として、開度調節信
    号入手手段により得た開度信号とファンあるいはポンプ
    の回転数信号を基に、請求項2記載の係数演算工程,圧
    力連立方程式演算工程,流量演算工程,および静圧演算
    工程と同様の処理を用いて流路および枝流路の現在の流
    量を計算する非定常流量演算手段を備えたことを特徴と
    する請求項12記載の流量制御装置。
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