JPH09281823A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH09281823A
JPH09281823A JP9120096A JP9120096A JPH09281823A JP H09281823 A JPH09281823 A JP H09281823A JP 9120096 A JP9120096 A JP 9120096A JP 9120096 A JP9120096 A JP 9120096A JP H09281823 A JPH09281823 A JP H09281823A
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heating
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隆 木村
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武 竹本
Shuji Motomura
修二 本村
Takao Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着ローラ端部温度上昇による、ホットオフ
セットの発生、定着ローラの劣化等が生じることがな
く、可動部を有さない定着装置を提供する。 【解決手段】 加圧ローラ3はバネなどで構成される圧
接機構によって、図中矢印C方向に加圧され、定着ロー
ラ2に圧接するニップ部Nで、トナー像Sの形成された
記録紙やOHPフィルムなどの記録体5を熱定着する装
置に、記録体5を予備加熱するための加熱手段6を記録
体搬送経路上、ニップ部Nの上流側に設け、そして、定
着する前に記録体5をある程度加熱することで、定着ロ
ーラ2の通紙部で消費される熱量を少なくし、定着ロー
ラ2の端部温度上昇を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定着装置に関し、
より詳細には、複写機、FAX、電子写真プリンタ等の
電子写真記録装置において、紙、フィルムなどの記録体
面上に形成された加熱溶融性のトナーからなる画像を加
熱して固着画像として記録体面上に定着する加熱定着装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】紙やフィルムなど記録体の上に形成した
トナー画像を定着する方法としては、加熱定着や加圧定
着等があるが、一般に熱によりトナーを溶融して、定着
させる加熱定着方式が用いられている。加熱定着方式に
は、熱ローラ方式、熱風方式、熱板方式等があり中で
も、熱ローラ方式が熱効率が高く、安全であるなどの理
由で最も広く使われている。これは、2つのローラを圧
接し、その内少なくとも一方のローラを加熱し、この2
つのローラの圧接部分(ニップ部N)で未定着トナー画
像を形成した記録体を加熱し、画像を記録体に定着させ
る方式である。
【0003】2つのローラのうち一方を加熱する場合、
加熱する方のローラを定着ローラと、他方のローラを加
圧ローラと以下呼ぶこととする。定着ローラの内部に
は、ハロゲンランプあるいはセラミックスヒータ等の熱
源が、定着ローラの軸方向に内装されている。定着ロー
ラの外側表面には、温度センサーが取付けられており、
ニップ部Nの温度が定着に適した温度に維持されるよう
に、温度センサーの値によって、熱源への電力供給量が
制御されている。
【0004】前述のような加熱定着装置においては、定
着ローラの幅に比べ小サイズの記録体を定着させる場
合、この小サイズの記録体(記録用紙及び記録用紙上の
未定着トナー)が通過する領域(通紙部領域)では、記
録体を加熱するため定着ローラの熱が消費されるが、記
録体が通過しない(非通紙部領域)では、記録体により
定着ローラの熱が消費されず、非通紙部領域の定着ロー
ラの熱は蓄積し、非通紙部領域の温度が通紙部領域の温
度よりも高くなってしまう(いわゆる端部温度上昇)た
め、定着ローラの軸方向の温度分布を均一にすることが
困難であった。
【0005】このため小サイズ記録体を連続通紙した
後、大サイズ記録体を通紙した場合(例えばA4サイズ
用紙を連続通紙した後、A3サイズの用紙を通紙する場
合)、大サイズの記録体に定着ムラやしわが発生した
り、未定着トナー像の小サイズ紙のときの非通紙部に対
応した部分のトナーが溶けすぎて定着ローラに付着し記
録体の表面を汚す(いわゆるホットオフセット)等の問
題が生じていた。また、非通紙部と通紙部で定着ローラ
に大きな温度差が生じるぐらい非通紙部の温度が高くな
りすぎると、温度による熱膨張の違いから、定着ローラ
に歪みが生じるという問題もある。
【0006】特に、ガラスやセラミックスのパイプ表面
に発熱抵抗体を形成した定着ローラ(表面発熱ローラ)
は、定着ローラの低熱容量化ができ、設定温度に昇温さ
せる時間が短縮可能で、そのため未使用時には定着ロー
ラへの通電をオフでき、省エネルギーであるという点で
優れた定着方式であるが、端部温度上昇が起こり熱膨張
の違いから通紙領域と非通紙領域とでローラ径が異なっ
てしまうと、この表面発熱ローラの場合には、定着ロー
ラが破損してしまうという不具合も生じてしまう。定着
ローラの軸方向の温度分布を均一にして、前述の問題を
解決する手段としては、以下1)〜3)等の技術が提案
されている。
【0007】1)定着装置の非通紙部を選択的に冷却す
る冷却手段を設け、定着装置の温度分布を冷却手段によ
り均一にする技術。具体的には、ファンとダクトによ
り、通紙中にのみ非通紙部領域に選択的に風を送り、非
通紙部領域の温度上昇を防止する技術(特開平4−51
799号公報、参照)。 しかしながら、上記1)は、送風手段(ファン)を用い
ているため、送風時の音が大きく、騒音の要因となる。
また、ファンとダクトを用いることから装置が大がかり
となり、コストが高くなるばかりでなく、画像形成装置
が大きくなってしまうという欠点がある。さらにこの方
法のように、ファンによる冷却手段を用いた場合には、
通紙部分の熱が一部冷却されてしまい、定着ヒータによ
り加熱した熱が、有効に用いられず、熱効率が低下する
という欠点もある。
【0008】2)紙サイズに応じて放熱部材を定着ロー
ラの端部の非通紙部分に当接し、放熱により端部温度上
昇を防止する技術。具体的には、ローラ状の放熱部材を
小サイズ紙通紙時の非通紙領域に配置し、非通紙部の温
度が上昇したときに、放熱部材を定着ローラに当接し
て、上昇した熱を放熱することにより、定着ローラの軸
方向の温度分布を均一にする技術(特開平6−1198
3号公報、参照)。 しかしながら、上記2)の方法では、放熱部材を定着ロ
ーラに圧接、離脱するための駆動機構が必要となり、コ
ストが高くなるという欠点がある。また、可動部を有し
ているため、長時間の使用に対して故障、破損が生じや
すいという欠点もある。さらに、前記放熱部材の放熱効
果を高めるため、ファンによる冷却手段を用いた場合に
は、通紙部分の熱が一部冷却されてしまい、定着ヒータ
により加熱した熱が、有効に用いられず、熱効率が低下
するという欠点もある。
【0009】3)定着ローラ内部に2つ以上の発熱体を
設け、紙幅に応じてこれら発熱体を制御する。詳しく
は、定着ローラの軸方向に熱分布が異なる2つ以上の発
熱体を定着ローラ内部に設け、定着手段の表面温度や記
録体の幅に応じて、発熱体を適宜選択し、駆動すること
によって、端部温度上昇を防止する技術(特開平5−2
81877号公報、参照)。 しかし、定着ローラ内部に2つ以上の発熱体を設けた場
合、定着ローラを小径化することが困難であるという問
題が生じる。特に、使用する紙サイズが多種である場合
(例えば、A3用機でA4,B4,B5,サイズの記録
紙や、さらには、はがき等を使用する場合)、何れの記
録紙でも端部温度上昇を解決し、定着ローラの表面温度
を精度よく均一化するには、発熱分布が異なる発熱体を
紙サイズ種類分用いる必要があり、定着ローラ内部にそ
れら発熱体を設けた場合、定着ローラを大径化しないと
できないという問題が生じ、その結果、装置が大型化し
てしまうという欠点がある。また、熱源を一体化した定
着ローラ(ローラ表面あるいは内面に発熱抵抗体を形成
した定着ローラなど)の場合には、この技術では対処で
きないという欠点もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のごと
き実情に鑑みてなされたものであり、請求項1の発明
は、端部温度上昇を改善し、ホットオフセットの発生、
定着ローラの劣化等が生じない定着装置を提供し、特
に、ガラスやセラミックス等の表面に発熱抵抗体を設け
た定着ローラの場合に生じる端部温度上昇による定着ロ
ーラの破損が発生しない定着装置を提供し、さらには、
端部温度上昇の改善のための可動部を有せず、信頼性の
ある定着装置を提供することをその課題とする。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明の課題
に加え、小サイズ紙を通紙したときの定着ローラの軸方
向温度を精度よく均一化し、さらに大サイズ紙を通紙し
た場合でも、非通紙部での定着不良を生じることの無い
定着装置を提供することをその課題とする。
【0012】請求項3,4の発明は、請求項1の発明の
課題に加え、端部温度上昇を改善した定着装置を実現す
るにあたって、消費電力をさらに低減した定着装置を提
供することをその課題とする。
【0013】請求項5の発明は、請求項1の発明の課題
に加え、端部温度上昇を改善した定着装置を実現するに
あたって、多種の小サイズの記録紙にも対応した定着装
置を提供することをその課題とする。
【0014】請求項6の発明は、請求項1の発明の課題
に加え、端部温度上昇を改善した定着装置を実現するに
あたって、多種の小サイズの記録紙にも対応し、さらに
その定着装置を小型化することをその課題とする。
【0015】請求項7の発明は、請求項1の発明の課題
に加え、端部温度上昇を改善する手段を実施するにあた
って生じる待ち時間の無い定着装置を提供することをそ
の課題とする。
【0016】請求項8の発明は、請求項7の発明の課題
に加え、端部温度上昇を改善する手段を実施するにあた
って生じる待ち時間の無い定着装置を低コストで実現し
た定着装置を提供することをその課題とする。
【0017】請求項9の発明は、請求項1の発明の課題
に加え、端部温度上昇を改善した定着装置を実現するに
あたって、省電力化を図り、さらに端部温度上昇を改善
する手段を交換としたときなどにも位置調整が簡単にで
き、組み付けが容易な定着装置を提供することをその課
題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、内部
あるいは表面に熱源を有する定着ローラを記録体に接触
させることにより定着を行う定着装置において、前記定
着ローラの上流側に、記録体の少なくとも中央部を含む
領域を加熱する加熱手段を有し、記録体を定着する前に
加熱するようにしたものである。
【0019】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記定着ローラの最大長よりも小さい記録体の通過
領域以外のローラ部表面温度を検知する検知手段を有
し、該検知手段の検知信号に応じて、前記加熱手段を制
御するようにしたものである。
【0020】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記加熱手段を、定着ローラと記録体との接触部の
距離が10cm以下となる位置に配設したものである。
【0021】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、前記加熱手段が、記録体と接触し、加熱効率を上げ
るようにしたものである。
【0022】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、前記加熱手段が、前記記録体の搬送方向に配設され
た長さの異なる複数の加熱手段からなり、記録体のサイ
ズに合わせて加熱するようにしたものである。
【0023】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、前記加熱手段が、前記記録体の搬送方向に対して直
角の方向に積層して形成された複数の加熱部からなり、
記録体のサイズに合わせて加熱するようにしたものであ
る。
【0024】請求項7の発明は、請求項1の発明におい
て、前記加熱手段と記録体との距離を変更する距離変更
手段を有し、前記加熱手段と記録体との距離を可変する
ようにしたものである。
【0025】請求項8の発明は、請求項7の発明におい
て、前記距離変更手段が、温度により形状が変化する素
子からなり、温度により自動的に前記加熱手段と記録体
との距離を可変するようにしたものである。
【0026】請求項9の発明は、請求項1の発明におい
て、前記加熱手段における、加熱部材が記録体のガイド
板を兼ね、前記加熱手段と記録体との距離を常に一定に
するようにしたものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
[請求項1,3の発明の実施の形態]図1(A),
(B)は、請求項1の発明の実施の形態を説明するため
の概略図で、図1(A)は図1(B)の断面図、図1
(B)は図1(A)の平面図であり、熱源1はハロゲン
ランプなどからなり、定着ローラ2のローラ軸方向に定
着ローラ2の全長とほぼ等しい長さで配設されており、
定着ローラ2の内面を軸方向に均一に加熱できるように
なっている。加圧ローラ3はバネなどで構成される圧接
機構によって、図中矢印C方向に加圧され、定着ローラ
2に圧接する。ガイド4はトナー像Sの形成された記録
紙やOHPフィルムなどの記録体5をニップ部N(加圧
ローラ2と定着ローラ3との接触部)に導入する。加熱
手段(以下、予備加熱手段)6は記録体5を予備加熱す
るためのものである。予備加熱手段6は記録体搬送経路
上にあり、ニップ部Nの上流側に設けられている。温度
センサ7は定着ローラ2の中央部の表面の温度を検知す
る。
【0028】図2(A)〜図2(D)は、予備加熱手段
6の形態を例示した図で、予備加熱手段6としては、通
電により発熱するものであれば、特に制限は無く、図2
(A)のようなセラミックスヒータ6aを単体で用いて
もよいし、図2(B)のように赤外線ヒータ6aと反射
板6bを用いて予備加熱手段6を構成してもよいし、図
2(C)のように平板型のセラミックスヒータ6aやラ
バーヒータ6aをアルミ等の加熱部材6cに接合して予
備加熱手段6を構成してもよいし、図2(D)のように
棒状ヒータ6aを加熱部材6c中に挿入して構成しても
よい。
【0029】最大通紙幅のサイズWb(大サイズ紙)に
対して、短い幅Wsの記録紙5(小サイズ紙)を通紙す
る場合、予備加熱手段6の長さ(定着ローラ軸方向)
は、最大通紙幅Wbより小さく、少なくとも一部が、中
央部を含む小サイズ紙領域Wsを加熱するように設定さ
れる。予備加熱手段6と記録体5との距離は、あまり離
れすぎると記録体5を加熱するのに大きな電力が必要と
なるため、通常20mm以下、最適には10mm以下に
設けられる。また、予備加熱手段6の配設方向として
は、図1のように、記録体5のトナー像Sが形成された
面側でもよいし、これとは反対側のトナー像Sが形成さ
れていない面側でもよい。
【0030】以下、この実施の形態の動作を説明する。
PPC、レーザプリンタ、PPF等に用いられている電
子写真記録装置では、帯電、露光、現像、転写という電
子写真作像プロセスをたどり記録体5の表面にトナー像
が形成され、次いで、定着プロセスを行う。トナー像が
形成された記録体5は、図1中矢印D方向より搬送さ
れ、ガイド4に沿って定着部すなわち定着ローラ2と加
圧ローラ3によるニップ部Nに搬送される。このとき、
使用する記録体5の種類、つまり、小サイズ紙かどうか
の判断は、図示はしていないが、記録体5を溜めておく
カセットを選択する手段、あるいは、記録体搬送経路上
の大サイズ紙の通過領域であり、かつ、小サイズ紙の非
通過領域に設けたマイクロスイッチや光スイッチ素子の
on/offを検知する手段等により行う。
【0031】小サイズ紙であると判断されたとき、ガイ
ド4に搬送された記録体5は、予備加熱手段6によっ
て、トナー像が形成された表面が加熱され、加熱された
記録体5は、放熱により冷却される以前にニップ部Nに
到達する。記録体5の予備加熱温度は、高すぎるとトナ
ーが予備加熱で溶融して流動化し、記録体中に浸透して
しまい、その後の定着ローラ2による定着で、さらに浸
透するため、定着画像のシャープさが低下してしまう。
従って、記録体5の予備加熱温度は、最適にはトナーの
流動開始温度(一般的なトナーの場合、約100℃〜1
20℃)にならない程度の温度になるように加熱する。
従って、図1のように、予備加熱手段6が、記録体5と
隙間を設けて配置されているような場合には、予備加熱
手段6の温度は、少なくとも記録体5の予備加熱温度以
上に設定する必要がある。
【0032】一方、定着ローラ2は定着に必要な所望温
度に加熱されており、ニップ部Nで記録体5を加熱し、
トナー像Sを記録体5に定着する。このとき、定着ロー
ラ2の熱は、トナーS及び記録体5を加熱するため消費
され、その結果定着ローラ2の温度は低下する。しか
し、この時の低下温度は、予備加熱しないときに比べ、
小さいものである。なお、定着ローラ2の温度は、その
表面の温度を検知する温度センサ7により検知され、常
にほぼ所望温度になるように熱源1を制御している。
【0033】すなわち、定着ローラ2の温度が低下した
ときには、熱源1を駆動して、定着ローラ2を所望温度
まで加熱する。このとき、この実施の形態では、記録体
5が予備加熱手段6によって予め加熱された(予備加
熱)状態になっているので、記録体5の接触により、定
着ローラ表面から奪われる熱量は小さくなる。従って、
定着ローラ2の温度低下が少なくなるため、所望温度に
回復するための熱源1の駆動電力が少なくてすむ。その
結果、定着ローラ2の非通紙部での加熱量が少なくな
り、端部温度上昇が低減される。また、以上のことから
予備加熱手段6は、記録体5がニップ部Nに到達したと
きに、まだ充分加熱された状態である位置に設置する必
要がある。すなわち、予備加熱手段6とニップ部Nとの
距離Lは、記録体5の送り速度にもよるが、距離Lがあ
まり大きすぎると、予備加熱手段6で加熱された後に、
ニップ部Nに到達する以前に、放熱によって記録体5が
冷却されてしまい、前述の端部温度上昇低減の効果がな
くなってしまう。
【0034】なお、大サイズ紙を通紙するときには、予
備加熱手段6を駆動しないようにすることで端部と中央
部とでは同等の熱量供給不足から、端部の定着温度のみ
が上昇することを防ぐことになる。
【0035】〔実施例1〕この実施例は、図1に示され
る構成によるもので、以下に示す条件のA3記録紙用の
定着装置を作製し、それにA4幅の記録紙を連続通紙し
たときの非通紙部の温度上昇を測定したものである。比
較例として、予備加熱手段6を設けない場合での測定も
行った。 ・定着ローラ加熱部の幅………305mm ・定着ローラ熱源供給電力……1000W ・予備加熱手段構成……………図2(C)の構成 加熱部材材質 :アルミ ヒータ :セラミックスヒータ 加熱部材長さ :210mm ヒータ供給電力:150W ・記録紙…………………………リコータイプ6200紙 ・記録紙送り速度………………90mm/s ・定着ローラ設定温度Tc……180℃ ・予備加熱手段距離L…………5cm
【0036】図3(A),(B)は、非通紙部温度Tw
の温度上昇を示したグラフで、図3(A)は前記実施例
1の条件で図1の実施の形態での非通紙部温度昇温を示
したグラフ、図3(B)は前記実施例1の条件で予備加
熱手段を設けなかった場合の非通紙部温度昇温を示した
グラフである。図3(A),(B)から明らかなよう
に、本発明により、小サイズ紙を連続通紙した場合の非
通紙部温度Twの上昇は、予備加熱手段を設けなかった
場合に比べ低下し、定着ローラ設定温度Tc(中央部通
紙部温度)との差が小さくなっている。また、実施例1
の定着装置を用いて、A4サイズ紙(小サイズ紙)を5
0枚連続通紙した直後に、トナー画像を形成したA3サ
イズ紙を通紙して、その定着画像を評価した結果、実施
例1の場合には、良好な定着画像が得られたのに対し、
予備加熱手段を設けなかった場合には、記録紙端部でオ
フセットが生じて劣悪な画像となった。
【0037】図4は、本発明の他の実施の形態を説明す
る図で、図5(A)或いは図5(B)に示す構成の定着
ローラ8を使用した場合の構成図である。図5(A),
(B)は、図4に示した定着ローラ8の具体的な構造を
示した断面図で、図5(A)は基材9の表面に発熱抵抗
体10を形成し、さらにその上に、トナーとの離形性を
向上するとともに、他の部材と発熱体との接触で発熱体
が損傷するのを防ぎ、かつ、発熱抵抗体を電気的に絶縁
する目的で、テフロンなどの耐熱樹脂層11が形成され
た定着ローラ8の例を示し、図5(B)は図5(A)に
示したパイプ状の基材9の内面に発熱抵抗体10を形成
し、基材9の表面には前述の耐熱樹脂層11を形成して
なる定着ローラ8の例を示す。
【0038】基材9の材料としては、ガラスやセラミッ
クス、あるいは、Al,SUSなどの金属が用いられ
る。金属を用いる場合には、発熱抵抗体10との電気的
絶縁のためにSiO2、ポリイミドなどの樹脂材料等に
よる絶縁層を設ける必要がある。また、定着ローラ8と
しては、基材9そのものが発熱体となっているものでも
よい。そのようなものとしては、例えば、セラミックス
中に導電性材料を分散したもの、導電性繊維を筒状に形
成したものなどが挙げられる。これらの定着ローラ8を
用いる定着は、ハロゲンランプ等を用いた定着に比べ、
熱源と定着ローラとが一体となっているので、定着ロー
ラの加熱効率がよく、消費電力の低減が図れるという
点、設定温度にまで昇温する時間が短くなりPPC、レ
ーザプリンタ、PPF等の印字までのいわゆるウエイト
タイムが短くなるという点で優れた定着方式である。
【0039】〔実施例2〕この実施例は、図4に示され
る構成によるもので、以下に示す条件のA3記録紙用の
定着装置を作製し、それにA4幅の記録紙を連続通紙し
たときの非通紙部の温度上昇を測定したものである。比
較例として、予備加熱手段6を設けない場合での測定も
行った。 ・定着ローラ構成………………図5(A) ・定着ローラ熱源供給電力……700W ・定着ローラの加熱部の幅……305mm ・予備加熱手段構成……………図2(C)の構成 加熱部材材質 :アルミ ヒータ :セラミックスヒータ 加熱部材長さ :210mm ヒータ供給電力:150W ・記録紙…………………………リコータイプ6200紙 ・記録紙送り速度………………90mm/s ・定着ローラ設定温度Tc……180℃ ・予備加熱手段距離L…………5cm
【0040】図6(A),(B)は、非通紙部温度Tw
の温度上昇を示したグラフで、図6(A)は前記実施例
2の条件で図4の実施の形態での非通紙部温度昇温を示
したグラフ、図6(B)は前記実施例2の条件で予備加
熱手段を設けなかった場合の非通紙部温度Twの温度上
昇を示したグラフである。図6(A),(B)から明ら
かなように、本発明により、小サイズ紙を連続通紙した
場合の非通紙部温度Twの温度上昇は、予備加熱手段を
設けなかった場合に比べ低下し、定着ローラ設定温度T
c(中央部通紙部温度)との差が小さくなっている。ま
た、実施例2の定着装置を用いて、A4サイズ紙(小サ
イズ紙)を50枚連続通紙した直後に、トナー画像を形
成したA3サイズ紙を通紙して、その定着画像を評価し
た結果、実施例2の場合には、良好な定着画像が得られ
たのに対し、予備加熱手段を設けなかった場合には、記
録紙端部でオフセットが生じて劣悪な画像となった。
【0041】〔実施例3〕実施例2の装置を用い、以下
の条件で記録紙送り速度を20,90,120,180
mm/s、予備加熱手段6とニップ部Nとの距離Lを
2,5,10,15,20cmと変えて、以下の条件で
A4サイズ紙を連続通紙した後に、表面にトナー画像を
形成したA3サイズ紙の定着を行った。 ・定着ローラ構成………………図5(A) ・定着ローラ熱源供給電力……700W ・定着ローラの加熱部の幅……305mm ・予備加熱手段構成……………図2(C)の構成 加熱部材材質 :アルミ ヒータ :セラミックスヒータ 加熱部材長さ :210mm ヒータ供給電力:150W ・記録紙…………………………リコータイプ6200紙 ・定着ローラ設定温度Tc……180℃ その結果を以下の表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1に示した結果のように、記録紙送り速
度180mm/sのいわゆる普及機においては、予備加
熱手段6とニップ部Nとの距離Lは10cm以内にする
ことで、確実に端部温度上昇低減の効果が得られる。
【0044】[請求項2の発明の実施の形態]図7は、
請求項2の発明を説明するための定着部斜視図で、定着
部の構成は図4と同じである。温度検知手段13は通紙
部の温度を測るように定着ローラ中央部に設けられ、こ
の検知温度が所望温度になるように定着ローラの熱源を
制御する。温度検知手段12は定着ローラ8の加熱領域
中で、小サイズ紙通紙時に非通紙領域となる領域に設け
られている。これらの温度検知手段12,13としては
熱電対、測温抵抗体、サーミスタ素子等の一般的な温度
感応素子が好適に用いられるが、中でも、サーミスタ素
子が低コストであるという点で最適である。
【0045】次に本発明による定着動作について説明す
る。印字動作を開始すると、通紙部温度検知手段13の
検知信号に基づいて、定着ローラ表面温度が所望温度に
なるように、定着ローラの熱源を制御する。すなわち、
検知温度が所望温度(定着設定温度)より低い場合に
は、熱源を駆動して定着ローラ8の温度を昇温し、所望
温度より高い場合には、熱源をoffあるいは熱源への
供給電力を小さくして、定着設定温度に下げる。このと
き、非通紙部の温度検知手段12の温度を検知し、非通
紙部の温度が所定の温度(例えば、通紙部温度より、5
℃高い温度)以上であれば、予備加熱手段6を駆動し
て、記録体5を予備加熱する。非通紙部の所定温度とし
ては、中央部との温度差があまり大きくならず、中央部
温度以上であればよい。このことから、予備加熱手段6
を駆動させる非通紙部の所定温度としては、中央部の設
定温度(定着設定温度)以上、中央部設定温度+10℃
以下が望ましい。
【0046】前述のように、定着ローラ8の非通紙部の
温度と通紙部の温度とを検知し、その情報に基づいて、
予備加熱手段6を駆動することは、環境温度等によら
ず、精度よく、必要なときのみ予備加熱を行い、定着ロ
ーラ表面温度の均一化が図れる。もちろん、非通紙部の
絶対温度のみで制御を行う場合も考えられる。実際に、
図7の構成で、A3用定着装置を作製し、前述のような
方法でA4サイズ紙を連続50枚通紙した後、トナー画
像を形成したA3サイズ紙を通紙したところ、良好な定
着画像が得られた。
【0047】[請求項4の発明の実施の形態]図8は、
請求項4の発明の実施の形態を説明するための概略断面
図で、これは、基本的な構成は図4と同様で、予備加熱
手段14を記録体5と接触させたものである。このと
き、予備加熱手段14の形状をローラ形状とし回転可能
とすると、記録体5との接触でこすれたり、未定着のト
ナー画像を乱すことがないため、好ましい。また、記録
体5との接触方向としては、記録体5の表面(トナー画
像が形成された面)方向から接触すると、トナーが未定
着のため予備加熱手段側に転写してしまい(定着で言う
ところの低温オフセットが生ずる)、トナー画像が乱れ
てしまい劣悪な画像となってしまうため、記録体5の裏
面(トナー画像が形成されていない面)方向から接触さ
せるのがよい。
【0048】予備加熱手段と記録体5との接触によるこ
すれを無くす方法としては、予備加熱手段をローラ形状
にする以外でも、予備加熱手段と記録体との間に、記録
体と接触し、該記録体と共に移動する無端ベルト等を設
けた構成でも、前述同様にトナー画像を乱すことがない
ため使用に適している。
【0049】図9(A),(B)は、ローラ状予備加熱
手段14の断面図で、図9(A)はローラ状予備加熱手
段14として、アルミパイプやSUSパイプ等の基材1
6内部にハロゲンヒータなどの熱源を設けたもの、図9
(B)はガラスやセラミックスのパイプ状あるいは筒状
の基材18の表面に、発熱抵抗体層19を形成したもの
である。さらに、これらのローラ表面は、記録体5と接
触するため、記録体5との離形性を向上させるため、テ
フロンなどの離形層17を形成するのがよい。このよう
な、記録体5と直接接触できる予備加熱手段14を用い
ることによって、記録体5を効率よく加熱することがで
きる。その結果、予備加熱に要する電力が低減する。
【0050】さらに、前述の予備加熱手段14にモータ
等の駆動手段を設け、予備加熱手段14を回転させるこ
とで、記録体の搬送ローラを兼ねることもできる。ま
た、予備加熱手段14の最表面がテフロンなどの樹脂層
でコートされているときには、摩擦などによって、ある
いは、予備加熱手段14のローラ、または、ベルトの基
材が金属のような導電性材料で形成されているときに
は、基材に電圧を印加するなどの方法で、ローラやベル
トを帯電させることで、その静電吸引力によって、記録
体5を予備加熱手段14に密着させることができ、より
予備加熱効率が向上する。
【0051】〔実施例4〕この実施例は、図8に示され
る構成によるもので、以下に示す条件のA3記録紙用の
定着装置を作製し、それにA4幅の記録紙を連続通紙し
た後に、表面にトナー画像を形成したA3サイズ紙を通
紙して、その定着画像を評価したものである。 ・定着ローラ構成………………図5(A) ・定着ローラ熱源供給電力……700W ・定着ローラの加熱部の幅……305mm ・予備加熱手段構成……………図9(B)の構成 ローラ基材材料:アルミナセラミックス 加熱部材長さ :210mm ヒータ供給電力:70W ・記録紙…………………………リコータイプ6200紙 ・定着ローラ設定温度Tc……180℃ この結果、良好な定着画像が得られた。予備加熱手段へ
の供給電力は70Wと、図1、図4に示した予備加熱手
段を記録体より離して設置したときの150Wに比べ、
低消費電力化が図れた。
【0052】[請求項5の発明の実施の形態]図10
(A),(B)は請求項5の発明の実施の形態を説明す
るためのA3,A4,B5,はがきサイズが使用できる
定着装置概略図で、図10(A)は図10(B)の断面
図、図10(B)は図10(A)の平面図である。予備
加熱手段6は、複数の紙サイズに対応するように、記録
体5の搬送方向に配設された長さの異なる複数の予備加
熱手段20,21,22から成っており、予備加熱手段
22はA4用、予備加熱手段21はB5用、予備加熱手
段20は、はがき用である。
【0053】次に、図10に示した定着装置の動作につ
いて、説明する。PPC、レーザプリンタ、PPF等に
おいて、コピー開始時、あるいは、印字開始時、印字す
る紙種が選択され、各紙サイズに応じた給紙装置から選
択された紙5が給紙される。その紙にトナー画像(未定
着画像)が形成される。一方、定着装置は、定着ローラ
8表面が所望の定着温度に成るように、定着ローラ熱源
を駆動する。そして、トナー画像が形成された記録紙5
は、定着装置に搬送され、加熱された定着ローラ8に
て、定着される。このとき、小サイズ紙で多数枚連続印
字する場合、ある枚数以上になると、その記録紙サイズ
に応じた予備加熱手段20または21または22のいず
れかを動作させ予備加熱温度に昇温し、定着前の記録紙
5を予備加熱する。これにより、各種小サイズ紙の連続
通紙によって生じる、そのサイズに応じた非通紙部の温
度上昇を低減し、紙種によらず、定着ローラ表面の温度
を均一にすることができる。
【0054】〔実施例5〕この実施例は、図10に示さ
れる構成によるもので、以下に示す条件のA3記録紙用
の定着装置を作製し、それにA4、B5、はがきの3種
類の記録紙を連続50枚通紙して、それぞれの連続通紙
の後に、表面にトナー画像を形成したA3サイズ記録紙
の定着を行ったものである。 ・定着ローラ構成………………図5(A) ・定着ローラ熱源供給電力……700W ・定着ローラの加熱部の幅……305mm ・予備加熱手段構成……………図2(C)の構成 加熱部材材質 :アルミ ヒータ :セラミックスヒータ 加熱部材長さ :A4用 210mm B5用 180mm はがき用100mm ヒータ供給電力:A4用 150W B5用 130W はがき用100W ・記録紙…………………………リコータイプ6200紙 ・定着ローラ設定温度Tc……180℃ 各サイズの記録紙を連続通紙した後の、A3用紙定着画
像を比較すると、どの場合も、良好な定着画像が得られ
ていた。
【0055】[請求項6の発明の実施の形態]図11
は、請求項6の発明の実施の形態を説明するための予備
加熱手段6の構成図で、予備加熱手段6の対応する小サ
イズ紙としてA4、B5、はがきサイズに対応した例を
示す。基材23はセラミックス、ガラスなどで形成さ
れ、あるいはAlやSUSなどの金属表面に絶縁層を形
成したものでもよい。この基材23上にA4サイズ記録
紙用の発熱抵抗体層24とそれに通電するための電極2
7、リード線30が形成され、その上に絶縁層33を形
成し、さらにその上に、B5サイズ記録紙用の発熱抵抗
体層25、それに通電するための電極28、リード線3
1を形成し、さらにその上にはがきサイズ用の発熱抵抗
体層26、電極29、リード線32を形成してある。こ
のように、一つの予備加熱手段6の中に、記録体5の搬
送方向に対して直角の方向に複数種類の(ここでは3種
類)小サイズ紙に対応した発熱領域を持った予備加熱手
段を積層形成している。この定着装置を使い、前述同様
の動作によって、各種小サイズ紙の連続通紙によって生
じる、そのサイズに応じた非通紙部の温度上昇を低減で
き、紙種によらず、定着ローラ表面の温度を均一にする
ことができる。
【0056】〔実施例6〕この実施例は、図4に示され
る構成によるもので、図11に示した予備加熱手段を用
い以下に示す条件のA3記録紙用の定着装置を作製し、
それにA4、B5、はがきの3種類の記録紙を連続50
枚通紙して、それぞれの連続通紙の後に、表面にトナー
画像を形成したA3サイズ記録紙の定着を行ったもので
ある。 ・定着ローラ構成………………図5(A) ・定着ローラ熱源供給電力……700W ・定着ローラの加熱部の幅……305mm ・予備加熱手段構成……………図11の構成 基材材料 :アルミナセラミックス 加熱領域長さ :A4用 210mm B5用 180mm はがき用100mm ヒータ供給電力:A4用 150W B5用 130W はがき用100W ・記録紙…………………………リコータイプ6200紙 ・定着ローラ設定温度Tc……180℃ 各サイズの記録紙を連続通紙した後の、A3用紙定着画
像を比較すると、どの場合も、良好な定着画像が得られ
ていた。そして、この予備加熱手段6は、設置スペース
が一本分の予備加熱手段の幅ですみ、定着装置を小型化
することができた。
【0057】[請求項7の発明の実施の形態]図12
(A),(B)は、請求項7の発明の実施の形態を説明
するための概略断面図で、図12(A)は予備加熱手段
6が記録体と近接した状態の側面図、図12(B)は予
備加熱手段6が記録体に影響を与えない程度離した状態
の側面図である。予備加熱手段6を加熱位置(図12
(A))とそれより離れた位置(図12(B))とに移
動させる手段(距離変更手段)はソレノイド34と支点
35を持つレバー36によって構成され、ソレノイド3
4をon/offすることによって、レバー36を矢印
方向に上下することができ、このレバー36に連結した
予備加熱手段6を上下することができるようにしてあ
る。予備加熱手段6が上下することによって、記録体と
近接した状態(図12(A))と、離れた状態(図12
(B))とを切り替えることができる。
【0058】一般に、加熱手段は、通電を開始して所望
の温度になるまでには、時間を要し、予備加熱手段6も
例外ではない。しかし、この実施の形態により、予備加
熱手段6を動作させる必要がないとき(端部温度上昇が
発生していないとき)には、予備加熱手段6を記録体5
から離れた位置に移動させ、予備加熱手段6を動作させ
るときのみ、記録体5に近接した位置に移動させること
で、予備加熱手段6を常に加熱状態(所望の温度)にし
ておくことが可能となる。すなわち、予備加熱手段を所
望の温度に加熱するための待ち時間が不要になる。
【0059】この距離変更手段を用いた予備加熱手段6
の動作の一例を説明する。定着装置を立ち上げるとき
や、まだ端部温度上昇が生じていないときには、ソレノ
イド34をoffにし、予備加熱手段6を記録体5と離
れた位置(図12(B))に加熱状態で保持し、小サイ
ズ紙の連続通紙により端部温度が高くなると、ソレノイ
ドをonにして、予備加熱手段6を記録体5と近接する
位置(図12(A))まで下げて、記録体5を予備加熱
し、これにより端部温度上昇が改善される。このような
動作により、予備加熱手段6を常に加熱状態にしておい
ても、不必要なときに記録体5を加熱し、定着ローラの
温度が不均一になってしまうことを防げ、必要なときの
み、予備加熱手段6を記録体5と近接させることができ
る。
【0060】また、予備加熱手段を記録体5の裏面(ト
ナー画像が形成されていない面)から加熱する場合に
は、記録体5と近接した位置を、記録体5と接触する位
置に設定することができ、この場合には、予備加熱手段
を接触しない場合より、記録体5の予備加熱効率を向上
させることができる。
【0061】〔実施例7〕この実施例は、図12に示さ
れる構成によるもので、以下に示す条件のA3記録紙用
の定着装置を作製し、前述のようにソレノイドをoff
/onさせて、A4サイズ紙を連続50枚通紙した後
に、表面にトナー画像を形成したA3サイズ記録紙の定
着を行った。なお、ソレノイドをoff/onの切換
は、非通紙部の温度を検知手段(サーミスタ)で測定
し、190℃以上になったらソレノイドをonにして、
予備加熱手段6をA4サイズ紙と近接した位置に移動さ
せるようにしたものである。 ・定着ローラ構成……………………図5(A) ・定着ローラ熱源供給電力…………700W ・定着ローラの加熱部の幅…………305mm ・予備加熱手段構成…………………図2(C)の構成 加熱部材材質 :アルミ ヒータ :セラミックスヒータ 加熱部材長さ :210mm ヒータ供給電力:150W ・予備加熱手段と記録体との距離…近接位置 :5mm 離れた位置:30mm ・記録紙………………………………リコータイプ6200紙 ・定着ローラ設定温度Tc…………180℃ A3サイズ紙の定着画像を見ると、極めて高画質の定着
画像であった。そして、小サイズ紙を連続通紙している
途中で、予備加熱手段が作動した場合でも、予備加熱手
段立ち上げのための待ち時間は不要であり、スムーズに
連続通紙が行えた。
【0062】[請求項8の発明の実施の形態]図13
は、請求項8の発明の実施の形態を説明するための概略
図で、部材37は熱により変形する部材(バイメタル形
状記憶合金など)である。以下、部材37が形状記憶合
金の例を示す。形状記憶合金37は、バネ形状をしてお
り、定着ローラ8の端部と熱的に結合されており、定着
ローラ8が加熱されると、形状記憶合金37のバネも加
熱される状態にある(図では、吸熱板37aを用いて形
状記憶合金37に熱を伝えている)。そして、端部温度
上昇が生じ、定着ローラ8の端部温度が一定以上になる
と、形状記憶合金37のバネが縮み、それに連動したレ
バー38を下げる。レバー38には、予備加熱手段6が
接合されており、レバー38が下がることによって、予
備加熱手段6が下がり、記録体5と近接した位置に移動
する。したがって、端部温度に応じて、予備加熱手段6
を記録体5と近接した位置、離れた位置に自動的に移動
させることができ、モータなどの特別な駆動手段などを
設けることなく、低コストである。また、この実施の形
態では、形状記憶合金を用いた例を示したが、バイメタ
ルを用いても同様の効果を出すことができる。
【0063】〔実施例8〕この実施例は、図13に示さ
れる構成によるもので、以下に示す条件のA3記録紙用
の定着装置を作製し、A4サイズ紙を連続50枚通紙し
た後に、表面にトナー画像を形成したA3サイズ記録紙
の定着を行ったものである。 ・定着ローラ構成……………………図5(A) ・定着ローラ熱源供給電力…………700W ・定着ローラの加熱部の幅…………305mm ・予備加熱手段構成…………………図2(C)の構成 加熱部材材質 :アルミ ヒータ :セラミックスヒータ 加熱部材長さ :210mm ヒータ供給電力:150W ・予備加熱手段と記録体との距離…近接位置 :5mm 離れた位置:30mm ・記録紙………………………………リコータイプ6200紙 ・定着ローラ設定温度Tc…………180℃ A3サイズ紙の定着画像を見ると、極めて高画質の定着
画像であった。
【0064】[請求項9の発明の実施の形態]図14
は、請求項9の発明の実施の形態を説明するための概略
図で、ヒータ39の加熱部材38は、ガイド板を兼ねて
いる。したがって、ヒータ39を動作させることによっ
て、ガイド板38が加熱され、それにより、ガイド板3
8と接触している記録体5を加熱する。ガイド板38の
材料としては、熱伝導率がよく、薄く形成できるもので
あれば用いることができる。そのような材料としては、
例えば、Al,SUS,Ni,Cu等の金属及びその合
金や、高熱伝導性のセラミックス等がある。
【0065】前述のような構成とすることによって、予
備加熱手段(ガイド板38)と記録体5との距離は、常
に一定に保たれ(接触状態)、例えば、予備加熱手段を
交換したときなども、その位置調整が簡単にできるよう
になる。さらに、ガイド板の後端は、比較的ニップ部近
傍にまで来るため、予備加熱された後の記録体5の温度
が、放熱により大きく低下してしまうことがなく、予備
加熱効率が向上する。さらに、ガイド板は薄く形成する
ことが可能であるため、熱容量を小さくすることがで
き、予備加熱の電力を低減することができる。
【0066】〔実施例9〕この実施例は、図14に示さ
れる構成によるもので、以下に示す条件のA3記録紙用
の定着装置を作製し、A4サイズ紙を連続50枚通紙し
た後に、表面にトナー画像を形成したA3サイズ記録紙
の定着を行った。その後ガイド板(予備加熱手段)を交
換して、同様の定着を行ったものである。 ・定着ローラ構成……………………図5(A) ・定着ローラ熱源供給電力…………700W ・定着ローラの加熱部の幅…………305mm ・予備加熱手段構成…………………ガイド板の厚さ:1
mm ガイド板の幅 :210mm ガイド板の長さ:120mm ヒータ :セラミックスヒータ ヒータ供給電力:50W ・記録紙………………………………リコータイプ620
0紙 ・定着ローラ設定温度Tc…………180℃ A3サイズ紙の定着画像を見ると、極めて高画質の定着
画像であった。そして、ガイド板を交換した後の定着画
像も同様に高画質の定着画像であった。
【0067】
【発明の効果】全請求項共通の効果(請求項1に対応す
る効果):定着装置に小サイズ紙を連続通紙(定着)す
るとき、記録体を定着前に加熱することで通紙部の消費
熱量を少なくし、定着ローラの表面の非通紙部の温度上
昇を低減することができ、その後で、大サイズ紙を通紙
してもオフセットが生じず、高品位の定着画像が得られ
た。また、非通紙部の温度上昇改善のための手段に、本
発明は可動部を有しないため、摩擦等による劣化がない
信頼性の高い定着装置が実現できた。さらに、ガラス
や、セラミックス等の表面に発熱抵抗体を設けた定着ロ
ーラの場合でも、定着ローラの劣化、破損が生じない信
頼性の高い定着装置が実現できた。
【0068】請求項2に対応する効果:非通紙部の温度
上昇を検知して、それに基づいて予備加熱手段を制御す
るようにしたので、定着ローラの軸方向温度を精度よ
く、均一化することができ、不要な予備加熱をしないた
め、予備加熱に要する電力を低減することができた。
【0069】請求項4に対応する効果:予備加熱を効率
よく行うことができ、予備加熱の電力の低減が実現でき
た。
【0070】請求項5に対応する効果:多種の小サイズ
紙にも対応して、定着ローラの温度の均一化ができた。
【0071】請求項6に対応する効果:多種の小サイズ
紙にも対応して、定着ローラの温度の均一化ができ、さ
らに、予備加熱手段の設置スペースが小さくてすみ、定
着装置の小型化が実現できた。
【0072】請求項7に対応する効果:予備加熱手段を
記録体から離れた位置に移動させ、予備加熱手段を動作
させるときのみ、記録体に近接した位置に移動させるこ
とで、常に予備加熱手段を加熱することができ予備加熱
手段を加熱するための待ち時間が不要になり、必要なと
きのみ、予備加熱手段を記録体に近接できるので、不必
要なときに、記録体を加熱し、定着ローラの温度が不均
一になってしまうことが防げる。
【0073】請求項8に対応する効果:請求項7の効果
に加え、距離変更手段にモータなどの特別な駆動手段を
設けなくてすみ、低コストである。
【0074】請求項9に対応する効果:予備加熱手段と
記録体との距離を、常に一定に保つ(接触状態)ことが
でき、予備加熱手段を交換したときなどにも、位置調整
が簡単にできる定着装置が実現できた、さらに、加熱さ
れた記録体をその温度を維持したままニップ部に到達さ
せることができ、予備加熱効率が向上し、予備加熱のた
めの電力を小さくした定着装置が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1,3の発明の実施の形態を説明する
ための概略図である。
【図2】 予備加熱手段6の形態を例示する図である。
【図3】 図1において、非通紙部温度Tw上昇を示し
たグラフである。
【図4】 図1の構成とは違う熱し方の定着ローラ8を
使用した場合の構成図である。
【図5】 図5において、前記定着ローラ8の具体的な
構造を示した断面図である。
【図6】 図4において、非通紙部温度Tw上昇を示し
たグラフである。
【図7】 請求項2の発明を説明するための定着部斜視
図である。
【図8】 請求項4の発明の実施の形態を説明するため
の概略断面図である。
【図9】 図3において、ローラ状予備加熱手段14の
断面図である。
【図10】 請求項5の発明の実施の形態を説明するた
めのA3,A4,B5,はがきサイズが使用できる定着
装置概略図である。
【図11】 請求項6の発明の他の実施の形態を説明す
るための予備加熱手段の構成図である。
【図12】 請求項7の発明の実施の形態を説明するた
めの概略図である。
【図13】 請求項8の発明の実施の形態を説明するた
めの概略図である。
【図14】 請求項9の発明の実施の形態を説明するた
めの概略図である。
【符号の説明】
1…熱源、2…定着ローラ、3…加圧ローラ、4…ガイ
ド板、5…記録体、6…加熱手段(予備加熱手段)、7
…温度センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹本 武 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 本村 修二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 井上 隆夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部あるいは表面に熱源を有する定着ロ
    ーラを記録体に接触させることにより定着を行う定着装
    置において、前記定着ローラの上流側に、前記記録体の
    少なくとも中央部を含む領域を加熱する加熱手段を有す
    ることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記定着ローラの最大長よりも小さい記
    録体の通過領域以外のローラ部表面温度を検知する検知
    手段を有し、該検知手段の検知信号に応じて、前記加熱
    手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の定着
    装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱手段を、定着ローラと記録体と
    の接触部の距離が10cm以下となる位置に配設したこと
    を特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱手段が、記録体と接触している
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 前記加熱手段が、前記記録体の搬送方向
    に配設された長さの異なる複数の加熱手段からなること
    を特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記加熱手段が、前記記録体の搬送方向
    に対して直角の方向に積層して形成された複数の加熱部
    からなることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 前記加熱手段と前記記録体との距離を変
    更する距離変更手段を有することを特徴とする請求項1
    に記載の定着装置。
  8. 【請求項8】 前記距離変更手段が、温度により形状が
    変化する素子からなることを特徴とする請求項7に記載
    の定着装置。
  9. 【請求項9】 前記加熱手段における加熱部材が、前記
    記録体のガイド板を兼ねることを特徴とする請求項1に
    記載の定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009003380A (ja) * 2007-06-25 2009-01-08 Ricoh Co Ltd 画像形成装置形品

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JP2007017495A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
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