JPH09281407A - 双眼鏡 - Google Patents

双眼鏡

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Publication number
JPH09281407A
JPH09281407A JP8833396A JP8833396A JPH09281407A JP H09281407 A JPH09281407 A JP H09281407A JP 8833396 A JP8833396 A JP 8833396A JP 8833396 A JP8833396 A JP 8833396A JP H09281407 A JPH09281407 A JP H09281407A
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JP
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objective lens
binoculars
screen
lens
distance
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JP8833396A
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Osamu Nonaka
修 野中
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】望遠時の見えが良く、構成が単純で瞬時に切替
え可能で、双眼鏡を日常的に使用しない人でも見ている
箇所がすぐに確認可能にすること。 【解決手段】観察時の倍率が高倍率とされる第1の対物
レンズ1、2の間に、観察時の倍率が低倍率とされる第
2の対物レンズ5が配置される。そして、上記第1の対
物レンズ1からの光束及び上記第2の対物レンズ5から
の光束の何れか一方が、ミラー切替部8及びCPU9に
より制御されるミラー7によって、接眼レンズ3を介し
て観察者の目4に導くように光路が切替えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は双眼鏡に関し、よ
り詳細には誰にでも簡単に観察したい所を見つけられる
ように改良したタイプの双眼鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自然との共生や文化的財産の鑑賞
によって精神的な充足感を獲得しようという人達が増
え、余暇をバードウォッチングや森林浴、オペラや劇等
の鑑賞ですごす機会が増加している。そして、より良
く、より細かく対象物を観察することにより、こうした
体験はより身近に、鑑賞はより充実したものとなる。
【0003】このような流れの中で、バードウォッチン
グや観劇等で、観察している鳥の模様や役者の表情等を
はっきりと見るための道具として、双眼鏡を使用する機
会が増加している。
【0004】しかしながら、双眼鏡は日常的にいつも使
っているような道具ではないので、肉眼の視野と双眼鏡
の視野との差に戸惑ってしまうことが多いものであっ
た。つまり、肉眼で見ている視野に対して双眼鏡の視野
は極めて狭いので、双眼鏡を覗いた瞬間に、自分がどこ
を見ているか分からなくなることがある。
【0005】そこで、双眼鏡を動かして対象物を見つけ
ようとするが、双眼鏡の視野は狭いので、少しの移動で
も大きく画面が変化してしまい、なかなか目標物にたど
りつくことができない。
【0006】例えば、図3(a)に示されるように、木
の枝21に止まっている鳥22を見ようとしても、図3
(c)に示されるような画面25が見えた場合、観察者
は左右、上下、何れの方向に双眼鏡を移動させれば目標
とする鳥22が見られるのか瞬時に判断することが難し
いものであった。そのため、観察時の画角が切替えられ
るようにすることが考えられた。
【0007】画角切替え可能な双眼鏡は古くから提案さ
れており、例えば実開昭47−9437号公報に開示さ
れているようにズームレンズを有するもの、また実開昭
53−110151号公報に開示されているように、合
成焦点距離を変更できるように補助レンズを光路内に挿
入可能とした変倍可能なもの等が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
ズームレンズは構成が大掛かりであり、必要なレンズ枚
数も増加する。したがって、明るさやコントラスト等、
見えに影響するので、上記実開昭47−9437号公報
の技術等では、高品位の双眼鏡は提供し難いものであ
る。
【0009】また、補助レンズを出し入れする上記実開
昭53−110151号公報の技術も、変倍用の補助レ
ンズや変倍機構が大掛かりになるといった課題を有して
いた。
【0010】更に、上記した何れのタイプも、倍率の高
い望遠時の画面の観察位置を瞬時に認識するための構成
としては十分とは言えないものである。何故ならば、上
記実開昭47−9437号公報の技術は広角から望遠に
するのに時間がかかり、また上記実開昭53−1101
51号公報の技術は、切替えが不連続であるため広角か
ら望遠に切替えた瞬間に、目標物を見失ってしまうおそ
れがあるものであった。
【0011】この発明は上記課題に鑑みてなされたもの
であり、望遠時の見えが良く、構成が単純で瞬時に切替
え可能で、日常的に使用しない人でも見ている箇所がす
ぐに確認可能な双眼鏡を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、観
察時の倍率を高倍率とする第1の対物レンズと、観察時
の倍率を低倍率とする第2の対物レンズと、上記第1の
対物レンズからの光束及び上記第2の対物レンズからの
光束の何れか一方を接眼レンズに導くように光路を切替
える光路切替手段とを具備したことを特徴とする。
【0013】この発明の双眼鏡にあっては、第1の対物
レンズが観察時の倍率を高倍率とされ、第2の対物レン
ズが観察時の倍率を低倍率とされる。そして、上記第1
の対物レンズからの光束及び上記第2の対物レンズから
の光束の何れか一方が、光路切替手段によって接眼レン
ズに導くように光路が切替えられる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態を説明する。図1はこの発明の第1の実施の
形態を示すもので、双眼鏡の概略構成図である。
【0015】図1(a)に於いて、所定間隔をおいて双
眼鏡の第1の対物レンズとして、高倍率の対物レンズ
1、2が配置されている。上記対物レンズ1は、接眼レ
ンズ3と共にケプラー型の望遠鏡を構成している。尚、
4は観察者の目である。ケプラー型の望遠鏡では像の反
転が起こるので、プリズム等の反転光学系を挟んで像を
正立に戻して使用するが、ここでは簡略化してこの反転
光学系は図示しないものとする。また、対物レンズ2に
対応する接眼レンズも当然必要であるが、説明を簡略化
するためにここでは図示しないものとする。
【0016】上記対物レンズ1と2の間には、第2の対
物レンズとして低倍率の対物レンズ5が配置されてい
る。この対物レンズ5は、ハーフミラー6、ミラー7を
介して、接眼レンズ3と共に、やはりケプラー型の望遠
鏡光学系を構成している。この対物レンズ5が使用され
るときは、対物レンズ1が使用される時と比較して、広
角の視野となるようにしてある。
【0017】上記ミラー7は軸7aを中心に回動可能で
あり、ミラー切替部8の手動の切替機構の操作によっ
て、その位置を変更することができる。このミラー切替
部8からは、上記ミラー7の状態がワンチップマイクロ
コンピュータで構成されるCPU9及び遮光部10に出
力される。この遮光部10は、対物レンズ2の後方に配
置された遮光板11を動作させるためのもので、ミラー
切替部8の操作に連動する機構となっている。
【0018】一方、上記対物レンズ5から導かれてハー
フミラー6を透過した光束は、レンズ12を介して液晶
(LCD)13に入射される。このLCD13は、詳細
を後述する視野枠を表示するためのもので、CPU9及
びLCDドライバ14による電圧の印加制御によって光
学特性を変化させられる素子である。そして、LCD1
3の裏側には、発光ダイオード(LED)15が配置さ
れており、照明回路16を介してCPU9によって通電
制御される。
【0019】すなわち、ミラー7が対物レンズ1と接眼
レンズ3間の光路内に配置される場合は、対物レンズ5
から目標物を観察する。また、対物レンズ1と接眼レン
ズ3の間からミラー6が退避した場合は、対物レンズ1
から目標物を観察するようになっている。
【0020】更に、距離情報入力部17は、例えば図2
に示されるようなピント調節用のダイヤル等から成る距
離情報入力手段である。CPU9に目標物の距離の情報
を入力すると、対物レンズ1と対物レンズ5との視差に
よる観察位置の誤差までを補正演算して画面上に表示す
ることができる。つまり、CPU9は、距離情報により
視差による画面中心の位置ずれを計算し、LCD13の
透過部分をLCDドライバ14を介して制御すれば良
い。
【0021】いま、図3(a)に示されるようなシーン
に於いて、画面20内の木の枝21上の鳥22を観察し
たい時に、望遠時の双眼鏡の画面にて見える部分が、図
中破線で示される枠23のように見えれば、この枠23
内に鳥22が入るように双眼鏡を移動させることによ
り、観察者は容易に思った通りの位置に双眼鏡を向ける
ことができる。つまり、この発明では、図3(a)に示
されるような広角の画面と、図3(b)に示されるよう
な望遠の画面とを切替可能にすると共に、広角時には望
遠時に観察できる範囲(枠)を表示できるようにしてい
る。
【0022】図2は、上述した構成の双眼鏡を観察者が
使用している状態の例を示した図である。観察者19
は、第1の対物レンズである対物レンズ1及び2を介し
て観察すると、高倍率で大きく目標物を見ることができ
る。また、第2の対物レンズ5からの光も、図示矢印B
方向へのミラー切替部8の切替操作によって選択的に接
眼レンズ3に導くことができる。
【0023】そして、第2の対物レンズ5を介して観察
すると、比較的に低倍率、広い視野で観察することがで
き、図3(a)に示されるような画面20を見ることが
できる。一方、第1の対物レンズ1及び2を通して見る
と、図3(b)に示されるような画面24が得られる。
【0024】これら二種の対物レンズから接眼レンズま
での光路は、図1(b)に参照されるように、ミラー切
替部8(レバー8′)の操作により切替えられる。すな
わち、対物レンズ5からの光路で観察する時は、対物レ
ンズ1からの光路で観察するときの視野範囲、つまり図
3(a)の枠23が確認できるように、範囲表示用の表
示部13′が内蔵されている。
【0025】したがって、観察者19は、先ず広角側で
図3(a)に示されるような全体的なシーンを把握し、
良く見たい目標物(鳥22)を画面20内に表示された
枠23内に入れ、しかる後にレバー5を操作して対物レ
ンズを望遠側(対物レンズ1)に切替えれば、確実に目
標物を拡大して見ることができる。
【0026】このように、第2の対物レンズ5を、通常
の第1の対物レンズ1と2の間に配置することによっ
て、限られたスペースを有効に利用することができる。
対物レンズ1、2は、人間の両目に対応して、その間に
は間隙があることが多い。したがって、その間隙のデッ
ドスペースに第2の対物レンズ5を配置すれば、双眼鏡
全体が大型化することがない。
【0027】また、ミラー7を退避させて対物レンズ1
からの光を用いるので、この時ミラーの光学特性には依
存せず、高倍率時には通常の双眼鏡に比べて観察像の品
位を落とすこともない。
【0028】ここで、図3(a)に示されるように、対
物レンズ5を介した広角の画面中に、対物レンズ1を使
用した時の高倍率時の視野を表示するには、ハーフミラ
ー6で反射された像だけでなく、透過された像も見える
ようにすれば良い。したがって、ハーフミラー6後方の
LCD13上に枠を表示するようにする。この枠の部分
だけを透過させ、枠以外は不透明とすれば、LED14
等で照明することによって枠を広角画面と重ねて表示す
ることができる。
【0029】ここで、図4を参照して、上述した視差に
ついて説明する。光軸が異なる位置に配置されたレンズ
では、その光軸は所定の距離でしか交差させることはで
きない。つまり、図4(a)に示されるように、距離L
aで対物レンズ1と2の光軸を交差させると、これらの
対物レンズで得られる画面中心は距離Laでしか一致さ
せることはできない。例えば、観察者19が対物レンズ
1から覗いた場合を考えると、上記距離Laより短い距
離Lcでは、対物レンズ1の光軸中心に対して対物レン
ズ2の光軸中心は視野の左側になる。同様に、距離La
より長い距離Lbでは対物レンズ1の光軸中心に対し、
対物レンズ2の光軸中心は視野の右側になる。これらを
画面と一緒に図示すると、図4(b)及び(c)のよう
になる。
【0030】図4(b)は近距離Lcの場合の画面を示
したもので、対物レンズ1の光軸を1c、画面を26と
して示してある。また、図4(c)は遠距離Lbに於け
る対物レンズ1、2の光軸及び画面を示したものであ
る。対物レンズ2は、対物レンズ1より広角のものを想
定し、各々の画面は20、26として示されている。
【0031】上述した理由により、対物レンズ2の光軸
2bは、対物レンズ1の光軸1cよりも、この距離では
右側にずれてしまう。このように、異なる位置の2つの
対物レンズを使用して観察をする場合は、視差を考慮す
る必要がある。
【0032】例えば、図5(a)に示されるようなシー
ンに於いて、広角画面26を見ながら観察したい目標物
である鳥が画面中央にくるように、同実施の形態の双眼
鏡を構えたとしても、画面を望遠側に切替えた時に必ず
しも画面中央に鳥が捉えられるとは限らない。
【0033】つまり、上述した図4(a)の距離Laの
位置に鳥が存在すれば、図5(a)、(c)に示される
画面27aのように望遠画面でも鳥が中心になる。しか
しながら、双眼鏡から鳥までの距離が、図4(a)の距
離Lcのようにもっと短いものであると、上述した視差
の影響で望遠画面では、図5(a)、(b)に示される
画面27bのように、画面中央からずれてしまうことが
ある。
【0034】観察したい鳥までの距離が、光軸が交差す
る距離Laよりも離れていたり、対物レンズ1、2の間
が離れ過ぎていたりすると、この視差の影響は更に大き
くなる。更に、視差が大きい場合には、望遠にすると鳥
が画面内に存在せず、観察者がそれを見失ってしまうこ
とも考えられる。
【0035】そのため、この発明では、距離によって広
角画面内に表示を行い、望遠時の画面中心位置が分かる
ようにしている。CPU9は、距離環の回転位置や、カ
メラに使用されるようなオートフォーカス(AF)装置
を具備した場合は、その測距結果を入力し、観察する目
標物までの距離と2つの対物レンズ1、2の光軸間距離
や画角、更に光軸交差距離等を用いて広角画面内の望遠
時枠の表示位置を計算し、表示切替え制御を行う。
【0036】図6(a)に示されるような、最も単純に
光軸が並行している場合を考えると、図示の如く光軸間
距離S、対物レンズ2の片側画角φ、該レンズから目標
物までの距離Lより、広角画面中に於ける対物レンズ1
の光軸位置φ1は、以下の式により求めることができ
る。
【0037】φ1=arctan(S/L) 上記広角時の画角φと、この光軸位置φ1との比率か
ら、図6(b)に示されるように、広角画面内の望遠画
面の中心28の位置を算出することができる。
【0038】具体的には、図1に示されるLCD13
を、図7に示されるような複数の枠表示用のパターンで
構成する。そして、上記計算結果に基いて、これら枠表
示用パターンの中から表示したい枠を選択するようにし
ている。上記枠表示用のパターンは、制御用の電極3
1、32、33に、それぞれパターン34a及び34
b、35a及び35b、36a及び36bが接続された
構成となっている。
【0039】図4の例では、視差のない距離Laの場合
にはパターン35a及び35bから成る枠を表示し、距
離Lcの場合にはパターン36たち及び36bから成る
枠を、距離Lbではパターン34a及び34bから成る
枠を表示するように、電極31、32、33を制御すれ
ば良い。
【0040】こうして表示された広角画面の枠内に観察
したい目標物を捉えてから、望遠側の画面に切替えれ
ば、自分の観察したい目標物を見失うことなく、高倍率
で、瞬時に観察が可能となる。
【0041】尚、対物レンズ2を介して広角の観察をす
る場合、左右の視野が異なってしまうので、遮光板11
をもう一方の光路内に挿入して余計なものが見えないよ
うにし、混乱を防ぐようにしている。
【0042】以上のように、この実施の形態によれば、
瞬時に観察者が観察したい目標物を高倍率で観察するこ
とが可能な双眼鏡を提供することができる。また、上述
した実施の形態では、画面24の視野枠を液晶を用いて
表示するようにしたが、これに限られるものではない。
例えば、枠形状のLED等の発光素子を用いても良く、
更に枠形状を機械的に移動させるようにしても良いこと
は勿論である。
【0043】次に、この発明の第2の実施の形態を説明
する。図8(a)は、この発明の第2の実施の形態で、
双眼鏡の概略構成を示したものである。
【0044】この第2の実施の形態は、広角時の画面を
電子映像化したもので、基本的には図1に示される第1
の実施の形態と同様の構成となっている。したがって、
上述した第1の実施の形態と同じ部分には同一の参照番
号を付して、その説明は省略する。尚、第2の実施の形
態に於いても、対物レンズと接眼レンズの間の反転光学
系は図示を省略してある。
【0045】図8(a)に於いて、図1と同様の機能を
有した広角の対物レンズ2の結像位置には撮像素子40
が配置され、この撮像素子40の出力は再生変換回路4
1に供給される。また、ミラー7により反射された像
は、上記撮像素子40が取込んだ電子映像を再生変換回
路41でモニタ42に再生した画面からの像となる。こ
れらの広角時画像は、電子回路43を介して得られるた
め、該回路を動作させるための電源が必要となる。した
がって、この電子回路43に、電池44及び電源スイッ
チ45が接続されている。
【0046】この電子画像は広角時、つまりミラーが光
路中にある場合だけ得られれば良いので、ミラー7の切
替えに同期して電源スイッチ45の制御がなされれば無
駄な電気エネルギーを消費せずに済む。
【0047】ここで、上記ミラー切替部8によるミラー
切替動作について、図9のフローチャートを参照して説
明する。観察者が手動切替え動作により、ミラー7を切
替えて光路中に入れれば、機械的なシーケンスにより、
電子回路43の通電がなされ、電子映像の入力、再生が
なされる(ステップS1)。観察者は、図8(b)に示
されるような画面を見ながら、目標物の位置を確認す
る。次いで、CPU9により、距離環または自動測距装
置(図示せず)の出力結果から該目標物までの距離Lが
入力され(ステップS2)、上述した方法により、距離
Lから画面内の枠表示ポイントが算出される(ステップ
S3)。これにより、枠の表示が行われる(ステップS
4)。
【0048】観察者は、この枠内に目標物が入るように
双眼鏡の向きを調節する。同実施の形態では、電子映像
をモニタ42に映し出すので、図1のような表示用LC
D等は必要なく、CPU9によってモニタ42上に枠表
示が合成されれば良い。
【0049】枠表示の後は、ミラー7の位置に従って上
記電子映像入力再生及び枠表示のフローが繰返されるか
否かが判定される(ステップS5)。ここで、ミラー7
が退避すれば、電源(電池44)がオフされる(ステッ
プS6)。こうして、省エネルギ―設計のミラー切替操
作とすることができる。
【0050】この第2の実施の形態によれば、対物レン
ズ2からの映像情報は電気信号となっているため、該レ
ンズ2の配置に自由度ができ、より小型化が可能とな
る。更に、撮像素子に小型のものを使用すれば、補助的
な広角レンズを小型化することができる。加えて、ミラ
ー7を光路から退避させれば従来の双眼鏡と同様の構成
であるから、余計な光学系を介さず美しい高倍率の画像
を楽しむことが可能である。
【0051】尚、第2の実施の形態に於いては、ミラー
7はハーフミラーである必要はない。こうしてワンタッ
チの画面切替えによって自分が見たいものと双眼鏡の観
察位置を確認でき、瞬時に対象物を高倍率で観察するこ
とが可能な双眼鏡を提供できる。また、広角対象物レン
ズを可動とし、この撮像素子の出力から、公知の先鋭度
検知の方式でピント合わせができるようにすれば、別の
測距装置を具備するまでもない。
【0052】こうした考え方から、以下のような応用も
可能となる。図10は、この発明の第3の実施の形態を
示すもので、図10(a)は測距用の光電変換素子アレ
イを補助観察光学系の撮像センサを兼用した双眼鏡の構
成を示した図である。尚、上述した第1及び第2の実施
の形態と同じ部分には同一の参照番号を付して、その説
明は省略する。
【0053】同図に於いて、対物レンズ1、2、接眼レ
ンズ3、ミラー7、ミラー切替部8も、上述した第1及
び第2の実施の形態と同様の機能を有するものとする。
但し、ミラー7は対物レンズ1からの光も反射可能とし
ておき、光電変換センサアレイ48にも光が入射可能な
構成としている。同様に、対物レンズ2からもセンサア
レイ49上に光が入射するように構成してあり、これら
のセンサアレイ48、49上に結像された像位置の差か
ら、三角測距の原理に従って測距をすれば良い。尚、5
0は再生変換回路、51はモニタ、52は反転光学系、
53は対物レンズ1、2を移動させるレンズドライバで
ある。
【0054】ミラー7の動作から、上述した三角測距を
単純化すると、この時想定している等価的な光路は図1
0(b)に示されるようになる。センサアレイ48a、
48bの上で得られた像位置の差xと光軸間距離S、レ
ンズ焦点距離fから、三角測距の原理にて対象物までの
距離Lを求めることができる。この像位置の差xを検出
するのが、測距情報入力部17の機能である。この差x
から、CPU9は目標物までの距離Lを算出し、例の枠
表示、更に対物レンズ1のピント合わせまでを行えば、
オートフォーカス双眼鏡とすることができなる。したが
って、ミラー7を光路内から退避させたときには、観察
者19はすでにピントの合った高倍率画面を即座に鑑賞
することができる。
【0055】広角画像が電子映像であるのは、上述した
第2の実施の形態と同様であり、センサアレイ49は撮
像機能を有するものとする。したがって、この第3の実
施の形態では、センサアレイ49は、測距用素子として
の機能と撮像素子としての機能を併せ有するものとす
る。
【0056】このように、二種のレンズの視差を利用し
て三角測距的に測距を行えば、レンズ駆動を伴わない高
速の測距が可能となる。以上説明したように、第3の実
施の形態では、AF光学系と補助広角光学系を兼用する
構成としたので、比較的無駄のない設計が可能となり、
肉眼での観察から高倍率での観察までの切替えに違和感
のない、オートフォーカス双眼鏡を小型、廉価で提供す
ることができる。
【0057】このように、この発明は、高倍率での鑑賞
を基本として考え、補助的に人間の視野に準ずる画角の
広角光学系を具備し、人間の視野との感覚的な整合を行
わしめ、肉眼観察時と双眼鏡観察時の橋渡し機能を有す
る双眼鏡の提供を想定している。
【0058】尚、この発明の上記実施態様によれば、以
下の如き構成を得ることができる。 (1) 観察時の倍率を高倍率とする第1の対物レンズ
と、観察時の倍率を低倍率とする第2の対物レンズを有
する双眼鏡に於いて、画角切替操作手段を具備し、上記
両レンズから接眼レンズまでの光路の一部は共通となっ
ており、上記画角切替手段の操作によって、上記両レン
ズから上記接眼レンズに導かれる光路を切替え可能とし
たことを特徴とする双眼鏡。
【0059】(2) 上記第2の対物レンズは、左右両
目用の一対の上記第1の対物レンズの間に配置すること
を特徴とする上記(1)に記載の双眼鏡。 (3) 上記第2の対物レンズでの観察視野内に、上記
第1の対物レンズで観察できる視野部分を表示可能とし
た表示手段を具備した上記(1)に記載の双眼鏡。
【0060】(4) 観察時の倍率を高倍率とする第1
の対物レンズと、観察時の倍率を低倍率とする第2の対
物レンズと、上記第1の対物レンズからの光束及び上記
第2の対物レンズからの光束の何れか一方を接眼レンズ
に導くように光路を切替える光路切替手段とを具備した
ことを特徴とする双眼鏡。
【0061】(5) 上記第1の対物レンズは、一対の
レンズを有し、上記第2の対物レンズは、上記一対の第
1の対物レンズの間に配置されている上記(4)に記載
の双眼鏡。
【0062】(6) 上記光路切替手段は、上記第1の
対物レンズまたは上記第2の対物レンズからの光束を上
記接眼レンズに導くように切替可能な反射鏡を含む上記
(4)に記載の双眼鏡。
【0063】(7) 上記第2の対物レンズによる観察
時に、上記第1の対物レンズの観察視野を表示する表示
手段を有する上記(4)に記載の双眼鏡。 (8) 上記表示手段による上記観察視野は、上記第1
の対物レンズのピント位置または測距手段による測距結
果に応じて、視野位置を変更する変更手段を有する上記
(7)に記載の双眼鏡。
【0064】(9) 上記第2の対物レンズを透過した
光束を受光し、イメージ信号に変換する光電変換手段
と、上記イメージ信号をモニタ画像に変換するモニタ手
段を具備し、上記光路切替手段は上記第2の対物レンズ
からの光束に代えて上記モニタ手段による上記モニタ画
像と上記第1の対物レンズからの光束を切替える上記
(4)に記載の双眼鏡。
【0065】(10) 上記モニタ手段は、上記第2の
対物レンズを介しての観察像を表示する際に、上記第1
の対物レンズによる観察視野を表示する上記(9)に記
載の双眼鏡。
【0066】(11) 上記第1の対物レンズを透過し
た光束を受光する第1の光電変換手段と、上記第2の対
物レンズを透過した光束を受光する第2の光電変換手段
と、上記第1及び第2の光電変換手段の出力に基いて観
察対象までの距離を計算する距離演算手段とを具備する
上記(4)に記載の双眼鏡。
【0067】(12) 上記第2の対物レンズによって
観察する場合には、一対の上記第1の対物レンズを透過
した観察像の一方を遮光する遮光手段を有する上記
(4)に記載の双眼鏡。
【0068】(13) 第1の観察視野と、この第1の
観察視野より広角な第2の観察視野に切替可能な双眼鏡
に於いて、上記第2の観察視野に切替えられた際に、上
記第1の観察視野を表示することを特徴とする双眼鏡。
【0069】この実施態様に於いては、第1及び第2の
観察視野の切替えは、上述の実施の形態のように2つの
対物レンズの光路を切替えることに限らず、1つの対物
レンズに於いて、レンズ等の光学素子を挿入することに
より視野範囲を変えることも含まれる。
【0070】(14) 上記観察視野は、距離情報に基
いて、上記第1の観察視野に応じて変更する上記(1
3)に記載の双眼鏡。 (15) 一対の対物レンズを有する双眼鏡に於いて、
上記対物レンズの観察視野より広い範囲の観察視野を有
する単眼鏡を有し、上記双眼鏡の何れか一方の接眼レン
ズを介して上記単眼鏡の上記視野を観察可能な双眼鏡。
【0071】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、構成が
単純で瞬時に画面の切替えが可能で、見ている所がすぐ
に確認でき、日常的に使用しない人でも見ている箇所が
すぐに確認可能で、尚且つ高倍率で見えが良い双眼鏡を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示すもので、
(a)は双眼鏡の概略構成図、(b)は同図(a)の二
種の対物レンズから接眼レンズまでの光路を説明する図
である。
【図2】図1の構成の双眼鏡を観察者が使用している状
態の例を示した図である。
【図3】(a)は双眼鏡で見える広角の画面の例を示し
た図、(b)は同図(a)の枠23で示される望遠側の
画面の例を示した図、(c)は従来の双眼鏡による広角
側から望遠側に切替えた例を示した図である。
【図4】双眼鏡で発生する視差について説明する図であ
る。
【図5】双眼鏡で発生する視差について説明する図であ
る。
【図6】視差による表示位置の補正について説明する図
である。
【図7】図1に示されるLCD13を複数の枠表示用の
パターンで構成した例を示した図である。
【図8】(a)はこの発明の第2の実施の形態で、双眼
鏡の概略構成を示した図、(b)は同図(a)の構成の
双眼鏡による画面の例を示した図である。
【図9】図8の双眼鏡のミラー切替部8によるミラー切
替動作を説明するフローチャートである。
【図10】この発明の第3の実施の形態を示すもので、
(a)は測距用の光電変換素子アレイを補助観察光学系
の撮像センサを兼用した双眼鏡の構成を示した図、
(b)は三角測距の原理を説明する図である。
【符号の説明】
1、2 対物レンズ(第1の対物レンズ)、 3 接眼レンズ、 4 目、 5 対物レンズ(第2の対物レンズ)、 6 ハーフミラー、 7 ミラー、 7a 軸、 8 ミラー切替部、 9 CPU、 10 遮光部、 11 遮光板、 12 レンズ、 13 液晶(LCD)、 14 LCDドライバ、 15 発光ダイオード(LED)、 16 照明回路、 17 距離情報入力部、 19 観察者、 20、24、25、26、27a、27b 画面、 21 木の枝、 22 目標物(鳥)、 23 枠、 28 画面、 31、32、33 電極、 34a、34b、35a、35b、36a、36b パ
ターン。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観察時の倍率を高倍率とする第1の対物
    レンズと、 観察時の倍率を低倍率とする第2の対物レンズと、 上記第1の対物レンズからの光束及び上記第2の対物レ
    ンズからの光束の何れか一方を接眼レンズに導くように
    光路を切替える光路切替手段とを具備したことを特徴と
    する双眼鏡。
  2. 【請求項2】 上記第2の対物レンズは、一対の上記第
    1の対物レンズの間に配置されていることを特徴とする
    請求項1に記載の双眼鏡。
  3. 【請求項3】 上記第2の対物レンズによる観察時に、
    上記第1の対物レンズの観察視野を表示する表示手段を
    有することを特徴とする請求項1に記載の双眼鏡。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003107366A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Pentax Corp 撮影機能を有する観察装置
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