JPH0928110A - 作業用走行車 - Google Patents

作業用走行車

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JPH0928110A
JPH0928110A JP21000995A JP21000995A JPH0928110A JP H0928110 A JPH0928110 A JP H0928110A JP 21000995 A JP21000995 A JP 21000995A JP 21000995 A JP21000995 A JP 21000995A JP H0928110 A JPH0928110 A JP H0928110A
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Tatsuhiko Nojima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光に基づいてブレードを自動昇降制御
するものにおいて、障害物によるレーザ光の遮断、もし
くは投受光器の故障等に基づいてレーザ光が消失した場
合に、ブレードを無駄に昇降させて作業精度を却って低
下させるような不都合を解消する。 【解決手段】 受光器15の中間部で検出されていたレ
ーザ光が上下に変位することなく突然消失した場合に
は、障害物によるレーザ光の遮断、もしくは投受光器の
故障であると判定してブレード9の昇降作動を停止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業機械、建設機
械等の作業用走行車の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】近来、この種の作業用走行車を用いて整
地、均平等の作業を行うにあたり、作業現場の所定箇所
に、水平方向もしくは傾斜方向にレーザ光を投光する投
光器を設置する一方、作業用走行車の作業部に、前記レ
ーザ光を受光する受光器を設けてレーザ光を基準とする
作業部の絶対高さを検出し、この絶対高さ検出に基づい
てブレード等の作業部を自動的に昇降制御する所謂レー
ザ制御システムを採用することが提唱されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来のレー
ザ制御システムでは、受光器がレーザ光を見失った場合
(受光器の検出信号が消失した場合)に、その原因を判
定することができないため、適切な処理を実行できない
許りか、作業部を無駄に昇降させて却って作業精度の低
下を招く可能性があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの課題を解決することができる作業用走
行車を提供することを目的として創作されたものであっ
て、投光器から水平方向もしくは傾斜方向に投光された
レーザ光を、作業部に設けられる受光器のレーザ光検出
範囲で受光すると共に、その受光高さ信号を制御部に入
力して作業部の自動昇降制御を行う作業用走行車におい
て、前記制御部は、レーザ光検出範囲の中間部受光信号
が端部受光信号を経ることなく消失した場合に、作業部
の昇降作動を停止させる昇降作動停止手段を備えるもの
である。つまり、レーザ光検出範囲の中間部受光信号が
端部受光信号を経ることなく消失した場合には、障害物
によるレーザ光の遮断、もしくは投受光器の故障である
と判定して昇降作動を停止するため、作業部を無駄に昇
降させて作業精度を却って低下させるような不都合を解
消することができ、しかも、端部受光信号を経た後、受
光信号が消失した場合には、作業部の昇降作動を許容す
るため、通常の昇降制御を妨げる不都合がない。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つ
を図面に基づいて説明する。図面において、1はクロー
ラ走行装置2を備えるトラクタの走行機体であって、該
走行機体1の後部には、昇降リンク機構3を介してロー
タリ耕耘式等の後部作業機4が昇降自在に連結されてい
る。そして、後部作業機4は、リフトアームシリンダ5
の伸縮作動に伴うリフトアーム6の上下揺動に基づいて
昇降する一方、リフトアーム6と昇降リンク機構3との
間に介在するリフトロッドシリンダ7の伸縮作動に基づ
いて左右に傾斜するが、これらの基本構成は何れも従来
通りである。
【0006】8は前記走行機体1の前部に上下揺動自在
に枢支される左右一対の支持アームであって、該支持ア
ーム8の前端部には、整地、均平等の作業を行うための
ブレード9が設けられている。そして、ブレード9は、
リフトシリンダ10の伸縮作動に伴うリフト動作(昇降
動作)、アングルシリンダ11の伸縮作動に伴うアング
ル動作(ブレード9の左右何れかを前後に変位させる動
作)、チルトシリンダ12の伸縮作動に伴うチルト動作
(ブレード9の左右何れかを上下に変位させる動作)等
が可能であるが、本実施形態で採用するブレード9には
複数の孔9aが適所に開設されているため、ブレード9
に作用する土圧を逃がして前記各シリンダ10〜12の
作動荷重を低減することができるようになっている。
【0007】13は前記ブレード9のチルト角(左右傾
斜角)を検出するためのチルトセンサであって、該チル
トセンサ13は、ブレード9の略左右中央で、かつブレ
ード9の上端部後方に位置するように配設されている。
即ち、最も揺れ幅が小さく、かつ押土の影響を受けにく
い位置であるため、安定した検出を行うことができる許
りでなく、押土の影響による破損等も防止でき、しか
も、本実施形態では、前記各シリンダ10〜12の油圧
ホースをブレード9の左右中央部から機体側に配管して
いるため、チルトセンサ13の配線を油圧ホースに沿わ
せることも可能になる。
【0008】14は前記ブレード9に立設されるマスト
であって、該マスト14の上端部には、上下方向に所定
の受光幅を有する受光器15が設けられている。一方、
作業現場や圃場の所定箇所には、水平方向もしくは任意
の傾斜方向にレーザ光を回転投光する投光器16が設置
されており、該投光器16から投光されたレーザ光を前
記受光器15で受光すると共に、受光器15における受
光高さ検出に基づいてレーザ光を基準とするブレード9
の高さ、つまり絶対高さを検出するが、前記受光器15
は、マスト14に対して上下位置調整自在であり、この
上下位置調整に基づいて後述するブレード制御の制御高
さ(設定高さ)を変更するようになっている。
【0009】17は前記マスト14の中間部に左右揺動
自在に設けられる振り子体であって、該振り子体17
は、ブレード9のチルト角(絶対左右傾斜角)が水平で
ある場合にはマスト14に重合する一方、チルト角が左
右何れかに傾いている場合にはマスト14に対して左右
に振れるため、これを目視することでブレード9のチル
ト角を容易に確認することができるようになっている。
しかも、振り子体17は、ボールジョイント17aを介
してマスト14に支持されるため、所定の範囲で前後方
向の振れも許容されている。つまり、マスト14が前後
方向に傾斜した場合に、振り子体17の基端部に大きな
モーメント荷重が作用することを回避できるようになっ
ている。
【0010】ところで、前記ブレード9の中央部上端に
は、マストブラケット18が一体的に設けられており、
該マストブラケット18に左右方向を向いて溶着される
パイプ18aに、一対のU字ボルト19を用いて前記マ
スト14が着脱自在に取り付けられている。そして、U
字ボルト19を弛めた状態では、マスト14の前後傾斜
が許容されるため、マスト14の前後取付角度を自由に
設定することができ、また、前述した後部作業機4のパ
イプ部4aに装着して後部作業機4の絶対高さも検出す
ることができるようになっている。
【0011】20は運転席21の近傍に設けられる表示
器であって、該表示器20は、前記受光器15から入力
した検出信号に基づいてレーザ光を基準とするブレード
9の高さ表示を行うものである。つまり、表示器20の
表示面には、複数の発光表示部20a〜20eが並設さ
れており、そして、レーザ光に対するズレ量が第四エリ
ア内(例えば、−5mm〜+5mm)である場合には、
表示面の中央に位置する緑色発光表示部20aを点滅作
動させ、また、ズレ量が第三もしくは第五エリア内(例
えば、−5mm〜−30mm、+5mm〜+30mm)
である場合には、前記緑色発光表示部20aの上下に隣
接する黄色発光表示部20b、20cのうち、ズレ方向
に対応するものを点滅作動させ、また、ズレ量が第二も
しくは第六エリア内(例えば、−30mm〜−95m
m、+30mm〜+95mm)である場合には、前記黄
色発光表示部20b、20cのうち、ズレ方向に対応す
るものを点灯作動させ、さらに、ズレ量がレーザー光検
出範囲外である第一もしくは第七エリア(例えば、−9
5mm以下、+95mm以上)を越える場合には、表示
面の上下両端部に位置するLED発光表示部20d、2
0eのうち、ズレ方向に対応するものを点灯作動させる
ように構成されているが、表示器20に入力される受光
器15の検出信号は、所定のインタフェース回路を介し
て後述する第一制御部22にも入力されるようになって
いる。
【0012】23は前記運転席21の側方に配設される
サイドパネルであって、該サイドパネル23の前部に
は、後部作業機4を昇降操作するためのポジションレバ
ー24が配設される一方、後部には、後述する耕深自動
制御をON−OFF操作するための耕深自動スイッチ2
5、後述する傾斜自動制御をON−OFF操作するため
の傾斜自動スイッチ26、傾斜自動制御の目標傾斜を設
定するための傾斜設定ボリューム27等の操作具類が開
閉自在な透明カバー28に覆蓋される状態で配設される
が、さらに、サイドパネル23の中間部には、後部作業
機4をワンタッチ操作で昇降させるための昇降操作スイ
ッチ29と、他の操作具に比べて大型な摘み部を有する
耕深設定ボリューム30とが配設されている。そして、
前記各操作具の操作信号は、後部作業機4を制御対象と
する第二制御部31に入力されるが、上記したサイドパ
ネル23の構成、機能については、実開平4−4242
5号公報のものを援用している。
【0013】32はブレード操作パネルであって、該ブ
レード操作パネル32には、ブレード9を昇降操作する
ためのブレードリフトレバー33、レーザ制御(後述す
るブレード制御およびロータリレーザ制御)をON−O
FF操作するためのレーザ自動スイッチ34、該レーザ
自動スイッチ34に組込まれる第一モニタランプ34
a、後述するチルト自動制御をON−OFF操作するた
めのチルト自動スイッチ35、該チルト自動スイッチ3
5に組込まれる第二モニタランプ35a、レーザ制御の
対象(ブレード9もしくは後部作業機4)を切換えるた
めの作業機切換スイッチ36等の操作具が設けられる
が、前記第一および第二モニタランプ34a、35a
は、ブレードリフトレバー33の後方近傍に配置される
ため、ブレード操作パネル32の側方後方に位置する運
転席21から容易に目視することができるようになって
いる。
【0014】37〜40は前述のアングル動作およびチ
ルト動作を行うためのスイッチであるが、各スイッチ3
7〜40は、前記ブレードリフトレバー33の握り部に
設けられるため、単一のブレードリフトレバー33にお
いて、ブレード9のリフト動作、アングル動作およびチ
ルト動作を行うことができるようになっている。
【0015】41は前記リフトシリンダ10、アングル
シリンダ11およびチルトシリンダ12を作動させる油
圧バルブアッシーであって、該油圧バルブアッシー41
には、各シリンダに対応した切換バルブ42、43、4
4が組込まれるが、各切換バルブ42、43、44のス
プールには、ポジショナシリンダ42a、43a、44
aが連結されている。そして、各ポジショナシリンダ4
2a、43a、44aは、パイロット操作油路に介設さ
れる電磁バルブ45〜50の切換えに基づいて作動して
スプール位置を制御することになるが、リフトシリンダ
用切換バルブ42のスプール位置を差動トランス(差動
変圧器)51で検出すると共に、その検出信号を差動ト
ランス検出回路およびA/Dコンバータを介して第一制
御部22にフィードバックするようになっている。
【0016】前記第二制御部31は、所謂マイクロコン
ピュータを用いて構成される既存のものであるが、この
ものは、リヤカバー4bの接地揺動角に基づいて後部作
業機4の耕深(対地高さ)を検出する耕深センサ(対地
センサ)54、リフトアーム6の上下揺動角を検出する
アーム角センサ55、リフトロッドシリンダ7のロッド
長を検出するロッド長センサ56、機体の左右傾斜を検
出する傾斜センサ57、ポジションレバー24のレバー
角を検出するポジションセンサ58、さらに前記サイド
パネル23に設けられる操作具類等から信号を入力する
一方、これらの入力信号に基づく判断により、リフトア
ームシリンダ5、リフトロッドシリンダ7、耕深自動モ
ニタランプ59等の作動信号を出力するようになってい
る。即ち、第二制御部31では、ポジションレバー24
の設定高さを維持するようアーム角センサ42の検出信
号に基づいて後部作業機4を昇降制御するポジション制
御(対機高さ制御)、耕深設定ボリューム30で設定さ
れた設定耕深を維持するよう耕深センサ41の検出信号
に基づいて後部作業機4を自動的に昇降制御する耕深自
動制御(対地高さ制御)、傾斜設定ボリューム27で設
定された設定傾斜を維持するよう傾斜センサ57の検出
信号に基づいて後部作業機4を自動的に傾斜制御する傾
斜自動制御等の制御が実行されるようになっている。
【0017】一方、前記第一制御部22もマイクロコン
ピュータを用いて構成されるものであるが、このもの
は、前述したチルト角センサ13および受光器15、ブ
レード9のリフト角を検出するリフト角センサ60、ブ
レードリフトレバー33のレバー角を検出するレバー角
センサ61、前記ブレード操作パネル32に設けられる
操作具類等から信号を入力し、これらの入力信号に基づ
く判断により、リフトシリンダ10、アングルシリンダ
11、チルトシリンダ12等の作動信号を出力するよう
になっている。即ち、第一制御部22は、リフトシリン
ダ用切換バルブ42の中立基準値を補正する中立基準値
補正制御、ブレードリフトレバー33の操作に基づいて
ブレードを昇降させる手動昇降制御、受光器15のレー
ザ検出高さを一定に維持するようブレード9を自動的に
昇降制御するレーザ自動制御(絶対高さ制御)、水平姿
勢に維持するようチルト角センサ13の検出信号に基づ
いてブレード9を自動的にチルト制御するチルト自動制
御等を実行するものであるが、前述した様に受光器15
を後部作業機4に装着すると共に、第一制御部22を第
二制御部31に接続した状態では、第一制御部22と第
二制御部31との併用で後部作業機4を自動昇降制御
(受光器15の検出信号に基づくロータリレーザ制御、
もしくはロータリレーザ制御と前記耕深自動制御との併
用による複合耕深制御)することが可能であり、以下、
前記各制御の手順をフローチャートに基づいて説明す
る。
【0018】前記中立基準値補正制御では、まず、運転
始めか否かを判断し、該判断がYESである場合には、
作動トランス51の検出信号に基づいてリフトシリンダ
用切換バルブ42のスプール位置を判断する。そして、
スプール位置が適正範囲である場合には、作動トランス
51の現在の検出値を中立基準値にセットする一方、ス
プール位置が適正範囲外である場合には、予め設定され
る標準値を中立基準値にセットするようになっている。
つまり、スプールが運転始めに中立に位置することに着
目し、運転始めのスプール位置検出値に基づいて中立基
準値を補正するが、運転始めのスプール位置検出値が不
適正(中立以外)である場合には、予め設定される標準
値を中立基準値にセットするため、中立以外の検出値が
中立基準値に誤ってセットされることを防止できるよう
になっている。
【0019】さらに、中立基準値補正制御では、運転始
めのスプール位置が適正である場合には、前記第一モニ
タランプ34aを第一のパターンで点灯作動させる一
方、スプール位置が不適正である場合には、第一モニタ
ランプ34aを第二のパターンで点灯作動させるように
なっており、このため、中立基準値が補正されたことを
第一パターンのランプ点灯に基づいて認識できる一方、
第二パターンのランプ点灯に基づいてリフトシリンダ用
切換バルブ42の異常を認識できるようになっている。
【0020】手動昇降制御では、ブレードリフトレバー
33の操作角が何れの操作エリア(U1〜U3、D1〜
D3もしくは不感帯)に含まれるかを判断する。そし
て、操作エリアU1(後方かつ操作角小)の場合はブレ
ード9を低速上昇、操作エリアU2(後方かつ操作角
中)の場合はブレード9を中速上昇、操作エリアU3
(後方かつ操作角大)の場合はブレード9を高速上昇、
操作エリアD1(前方かつ操作角小)の場合はブレード
9を低速下降、操作エリアD2(前方かつ操作角中)の
場合はブレード9を中速下降、操作エリアD3(前方か
つ操作角大)の場合はブレード9を高速下降等の処理を
実行するが、前記操作エリアは、操作角が大きい側ほど
範囲が狭くなるように設定されている。即ち、低速操作
エリアが広くなるため、微妙な操作が容易になる許り
か、誤ってブレードリフトレバー33を動かした場合に
ブレード9が高速で作動する可能性を可及的に低減させ
るようになっている。
【0021】レーザ自動制御(ブレード)では、前述し
たレーザ光検出エリアが何れのエリアに含まれるかを判
断する。そして、第一エリアの場合はブレード9を高速
上昇、第二エリアの場合はブレード9を中速上昇、第三
エリアの場合はブレード9を低速上昇、第四エリアの場
合はブレード9の昇降作動を停止、第五エリアの場合は
ブレード9を低速下降、第六エリアの場合はブレード9
を中速下降、第七エリアの場合はブレード9を高速下降
する等の処理を実行するが、第一エリアもしくは第七エ
リアの場合は、隣接するエリア(第二エリアもしくは第
六エリア)を通過したか否かを判断すると共に、該判断
がNOである場合にはブレード9の昇降作動を停止する
ようになっている。つまり、受光器15の中間部で検出
されていたレーザ光が上下に変位することなく突然消失
した場合には、障害物によるレーザ光の遮断、もしくは
投受光器の故障であると判定してブレード9の昇降作動
を停止するようになっている。
【0022】一方、隣接するエリア(第二エリアもしく
は第六エリア)を通過したと判断した場合には、ブレー
ド9を高速で上昇もしくは下降させることになるが、所
定時間T1が経過(または、所定量移動)しても第二エ
リア〜第六エリアに移行しない場合には、ブレード9の
昇降作動を停止するようになっている。つまり、ブレー
ド9を高速で昇降させても受光器15がレーザ光を受光
しない場合には、何らかのトラブルが発生したと判断し
てブレード9の昇降作動を停止するようになっている。
【0023】さらに、レーザ自動制御では、第三エリア
もしくは第五エリアであると判断した場合、第五エリア
から第四エリアを通ることなく第三エリアに移行したか
否か、もしくは、第三エリアから第四エリアを通ること
なく第五エリアに移行したか否かを判断し、該判断がY
ESの場合には、所定時間T2のあいだブレード9の昇
降作動を停止するようになっている。即ち、受光器15
の検出位置が第四エリアを挟む微小範囲で変動している
場合には、リフトシリンダ動作が間に合わずに所謂ハン
チングが発生する可能性があるため、リフトシリンダ動
作を意識的に停止させて制御を安定させるようになって
いる。
【0024】また、チルト自動制御では、まず、チルト
スイッチ39、40のOFFを判断し、該判断がNOで
ある場合には、チルトシリンダ12を対応する方向に作
動させる一方、YESである場合には、チルトセンサ1
3の検出角に基づいてチルトシリンダ12を自動的に作
動させることになるが、チルトシリンダ12を自動制御
するにあたり、レーザ自動制御がONで、かつ受光器1
5の検出エリアが第七エリアである場合には、チルトシ
リンダ12の制御流量を小さくしてブレード9のチルト
動作をゆっくりと行うようになっている。即ち、ブレー
ド9が作業エリア(第一〜第六エリア)に位置する状態
では、チルト動作を迅速に行って制御精度を優先する一
方、ブレード9が上昇した非作業エリア(第七エリア)
に位置する状態では、チルト動作をゆっくりと行って機
体の安定性を優先するようになっている。
【0025】一方、受光器15を後部作業機4に装着し
た場合に実行されるモード切換制御では、レーザ自動ス
イッチ34がONで、かつ作業機切換スイッチ36が後
部作業機位置にセットされているか否かを判断し、両判
断が何れもYESである場合には、さらに耕深自動スイ
ッチ25のON−OFFを判断する。そして、耕深自動
スイッチ25がOFFである場合には、受光器15の検
出信号に基づくロータリレーザ制御を実行する一方、耕
深自動スイッチ25がONである場合には、ロータリレ
ーザ制御と前記耕深自動制御との併用による複合耕深制
御を実行するようになっている。即ち、既存の耕深自動
スイッチ25を利用してロータリレーザ制御と複合耕深
制御との切換えを行うようにしたため、専用のスイッチ
を増設するする必要がない許りか、切換操作が直感的に
認識し易いものとなる。
【0026】また、前記耕深自動モニタランプ59を制
御する耕深自動モニタ制御では、まず、後部作業機4の
制御モード(ロータリレーザ制御、複合耕深制御もしく
は既存の耕深自動制御)を判断すると共に、制御モード
に対応したパターン(第一〜第三)で耕深自動モニタラ
ンプ59を点灯作動させるようになっている。このた
め、耕深自動モニタランプ59の点灯パターンに基づい
て後部作業機4の制御モードを容易に認識できることに
なるが、耕深センサ54の検出信号を利用する複合耕深
制御もしくは既存の耕深自動制御であると判断した場合
には、さらに耕深センサ54が接続状態であるか否かを
判断し、該判断がNOである場合には、耕深自動モニタ
ランプ59を第四のパターンで点灯作動して耕深センサ
54の接続忘れを報知するようになっている。
【0027】また、ロータリレーザ制御では、始めに、
レーザ自動スイッチ34がONで、かつ作業機切換スイ
ッチ36が後部作業機位置にセットされていることを確
認した後、作業始めフラグ(デフォルトはセット状態)
に基づいて作業始めであるか否かを判断する。そして、
この判断がYESの場合には、ポジションセンサ58の
検出値とアーム角センサ55の検出値が一致したか否か
を判断すると共に、後部作業機4(受光器15)の高さ
がレーザ光検出範囲内であるか否かを判断し、両判断が
YESになるまで後部作業機4の自動昇降制御を規制す
るようになっている。即ち、作業始めにおいては、ポジ
ションレバー24で後部作業機4を下降操作することを
要求すると共に、受光器15がレーザ光を検出した時点
から自動昇降制御を実行するため、エンジン始動と同時
に自動昇降制御に基づいて後部作業機4が昇降動作する
ことを防止できるようになっている。
【0028】そして、上記の両判断がYESとなった場
合には、作業始めフラグをリセットし、後部作業機4を
レーザ光基準で自動昇降制御することになるが、自動昇
降制御中にポジションレバー24が操作された場合に
は、自動昇降制御に優先して前述のポジション制御を実
行し、また、ポジションレバー24の上昇操作に基づい
てレーザ光検出エリアが第七エリアに入った場合には、
機体旋回等に伴う作業中断であると判断して作業始めフ
ラグをセットするようになっている。
【0029】さらに、70はブレード9の前方に平行リ
ンク機構71を介して装着可能な転輪付きフレームであ
って、該転輪付きフレーム70には、さらに前記マスト
14および受光器15を装着することができるようにな
っている。即ち、前記転輪付フレーム70を装着して作
業現場を走行した場合には、転輪70aを介して接地す
る転輪付きフレーム70が作業現場の凹凸に応じて上下
動し、その上下位置を受光器15で検出することにより
作業現場全体の高低値を測定することができるようにな
っている。また、72はブレード9の側面に突設される
ストッパであって、該ストッパ72は、ブレード9が上
昇した場合、平行リンク機構71に接当して転輪付きフ
レーム70を一体的に上昇させるようになっている。
【0030】次に、前記転輪付きフレーム70を用いた
測定作業の手順を説明する。但し、第一制御部22を測
定モードに切換えると共に、車軸回転センサ等の距離計
測信号を第一制御部22に入力するものとし、また、作
業現場の四隅には測定開始位置および測定終了位置の目
印となるポストA〜Dが設置されているものとする。さ
て、測定作業は、所定のピッチ2Bを存する並列行程を
旋回を繰り返しながら走行する往路走行と、往路行程と
半ピッチBずれた並列行程を走行する復路走行とからな
り、走行中に検出される受光器15の検出データは、走
行距離データと共にメモリに格納される。そして、測定
作業が終了した後は、格納データを利用して作業現場の
高低値を示す図面等の作成が可能になり、また、走行機
体1に表示画面(液晶ディスプレイ等)を備えるもので
は、測定結果を直ちに画面表示することが可能になる。
即ち、走行距離データに基づいて測定位置のX座標およ
びY座標を演算すると共に、演算したX座標およびY座
標に基づいて画面上の表示位置を決め、この位置に測定
データを表示すれば、表示画面に作業現場全体の高低具
合が表示されることになる。
【0031】叙述の如く構成されたものにおいて、投光
器16から投光されたレーザ光をブレード9に装着され
る受光器15で受光すると共に、その検出信号に基づい
てブレード9を自動昇降制御するが、受光器15の中間
部で検出されていたレーザ光が上下に変位することなく
突然消失した場合には、障害物によるレーザ光の遮断、
もしくは投受光器の故障であると判定してブレード9の
昇降作動を停止することになり、この結果、ブレード9
を無駄に昇降させて作業精度を却って低下させるような
不都合を解消することができる。
【0032】また、受光範囲の上下両端エリア(第二エ
リアもしくは第六エリア)を通過してからレーザ光が受
光範囲から外れた場合には、受光範囲に向けてブレード
9を高速で上昇もしくは下降させることになるが、所定
時間T1が経過(または、所定量移動)しても受光エリ
ア(第二エリア〜第六エリア)に移行しない場合には、
何らかのトラブルが発生したと判断してブレード9の昇
降作動を停止するため、ブレード9の高速昇降を継続し
て作業精度を却って低下させるような不都合を解消する
ことができる。
【0033】また、第五エリアから第四エリア(不感
帯)を通ることなく第三エリアに移行した場合や、第三
エリアから第四エリアを通ることなく第五エリアに移行
した場合、所定時間T2のあいだブレード9の昇降作動
を停止することになる。つまり、受光器15の検出位置
が第四エリアを挟む微小範囲で変動している場合には、
リフトシリンダ動作が間に合わずに所謂ハンチングが発
生する可能性があるため、リフトシリンダ動作を意識的
に停止させて制御を安定させることができる。
【0034】また、マスト14の中間部には、左右揺動
自在な振り子体17が設けられるため、マスト14に対
する振り子体17の振れ量に基づいてブレード9のチル
ト角を容易に確認することができる。
【0035】また、後部作業機4の制御モード(ロータ
リレーザ制御、複合耕深制御もしくは既存の耕深自動制
御)に応じたパターン(第一〜第三)で耕深自動モニタ
ランプ59を点灯作動させるため、耕深自動モニタラン
プ59の点灯パターンに基づいて後部作業機4の制御モ
ードを容易に認識でき、しかも、耕深センサ54の検出
信号を利用する制御モードにおいては、耕深センサ54
の非接続状態を判断して耕深自動モニタランプ59を第
四のパターンで点灯させるため、耕深センサ54の接続
忘れも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの側面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】ブレードの要部斜視図である。
【図4】後部作業機の要部斜視図である。
【図5】振り子体の作用(チルト水平状態)を示すトラ
クタの正面図である。
【図6】振り子体の作用(チルト左上り状態)を示すト
ラクタの正面図である。
【図7】振り子体の正面図である。
【図8】同上一部切欠き側面図である。
【図9】表示器の斜視図である。
【図10】サイドパネルおよびブレード操作パネルを示
す斜視図である。
【図11】ブレード操作パネルの平面図である。
【図12】同上側面図である。
【図13】油圧バルブアッシーの油圧回路図である。
【図14】第一および第二制御部の入出力を示すブロッ
ク図である。
【図15】中立基準値補正制御のフローチャートであ
る。
【図16】手動昇降制御のフローチャートである。
【図17】レーザ自動制御のフローチャートである。
【図18】チルト自動制御のフローチャートである。
【図19】モード切換制御のフローチャートである。
【図20】耕深自動モニタ制御のフローチャートであ
る。
【図21】ロータリレーザ制御のフローチャートであ
る。
【図22】測定作業状態を示す説明図である。
【図23】測定作業時の走行経路を示す説明図である。
【符号の説明】
1 走行機体 4 後部作業機 9 ブレード 15 受光器 16 投光器 22 第一制御部 32 第二制御部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投光器から水平方向もしくは傾斜方向に
    投光されたレーザ光を、作業部に設けられる受光器のレ
    ーザ光検出範囲で受光すると共に、その受光高さ信号を
    制御部に入力して作業部の自動昇降制御を行う作業用走
    行車において、前記制御部は、レーザ光検出範囲の中間
    部受光信号が端部受光信号を経ることなく消失した場合
    に、作業部の昇降作動を停止させる昇降作動停止手段を
    備える作業用走行車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN106922227A (zh) * 2017-03-13 2017-07-07 钟浪雅 一种工作后便于清理且减震保护液压泵的激光平地机

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