JPH09278893A - シリコーン系剥離コーティング剤組成物 - Google Patents

シリコーン系剥離コーティング剤組成物

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JPH09278893A
JPH09278893A JP8343933A JP34393396A JPH09278893A JP H09278893 A JPH09278893 A JP H09278893A JP 8343933 A JP8343933 A JP 8343933A JP 34393396 A JP34393396 A JP 34393396A JP H09278893 A JPH09278893 A JP H09278893A
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キュハ・チョン
Simon Hurford
サイモン・ハーフォード
Bhukandas Parbhoo
ブカンダス・パルブー
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Dow Silicones Corp
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Dow Corning Corp
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C09D183/04Polysiloxanes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剥離コーティング剤組成物の剥離力を調節す
るのに有用な剥離改質剤組成物を提供する。 【解決手段】 パーフルオロアルキル基及び少なくとも
3つのケイ素結合された水素原子を有するフルオロシリ
コーン化合物、並びに、少なくとも1つのアルケニル基
を有するMQ樹脂からなる、剥離改質剤を配合した組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーン系剥離
コーティング剤組成物に関するものである。より詳細に
は、本発明は、シリコーン系剥離改質剤、ならびにシリ
コーン系剥離改質剤を含有するシリコーン系剥離コーテ
ィング剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】様々な
基材の上にコーティングされ、硬化させられるシリコー
ン系剥離コーティング剤は、非常に剥離力が低いことが
しばしばある。多くの用途において、或る量の接着性挙
動を維持するか、又は、剥離力の異なる幾つかの剥離ラ
イナーを備えていることが重要であるので、剥離力を低
くすることがいつでも望ましいことであるわけではな
い。添加剤を、接着性ラベルを剥がすのに必要とされる
剥離力の増加を引き起こす、シリコーンベースの剥離コ
ーティング剤に混合することが知られている。この様な
添加剤は、制御された剥離添加剤又は「CRA」と、ま
たある場合には、高剥離添加剤又は「HRA」と呼ばれ
ている。これらのタイプの添加剤はまた、剥離改質剤又
は「RM」と記載されており、これは本明細書中で主に
使用される用語である。
【0003】剥離改質剤としてしばしば使用されている
物質としては、シリコーン樹脂、例えば、1価の(M)
シロキサン基(R3 SiO1 /2基、式中Rは1価の炭化
水素基である。)及び4価の(Q)シロキサン基(Si
4 /2基)のみからなるシロキサン樹脂、他の言い方を
すると、MQ樹脂として知られているものである。シリ
コーン系剥離コーティング剤への添加剤としてのシロキ
サンMQ樹脂は、当該技術分野において記載されてい
る。例えば、Keilの米国特許第3527659号明細書
には、エラストマー、並びに、R3 SiO1 /2単位及び
SiO4 /2単位からなる共重合体に架橋可能な、ジメチ
ルポリシロキサンベースの配合物からなる、基材用の剥
離剤が開示されている(式中、Rは、メチル、エチル、
ビニル、又はエチニルであり得り、メチルが好まし
い。)。Keilの剥離剤は、中程度の範囲の剥離特性を有
するとして記載されている。
【0004】Blizzardの米国特許第4322518号明
細書には、ケイ素結合されたヒドロキシル基を含有し、
かつ、R3 SiO1 /2単位及びSiO4 /2単位からなる
樹脂性共重合性オルガノポリシロキサン、並びに、ケイ
素結合されたビニル基及び/又はケイ素結合されたヒド
ロキシル基を含有するポリジオルガノシロキサンからな
る均一な混合物を形成させ、この均一な混合物を加熱す
ることからなる方法によって調製された、液状の共重合
性オルガノポリシロキサンからなる、架橋性シリコーン
組成物が教示されている(式中、Rは、メチル基等のア
ルキル基、ビニル基等のアルケニル基及び液状のオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンである。)
【0005】欧州公開特許第108208号明細書に
は、マレイン酸ジブチル、デシルビニルエーテル、カン
フェン又はC16〜C18のα−オレフィン等の有機反応性
希釈剤中に分散させられた、MQ樹脂又はビニル官能性
MQ樹脂からなる剥離改質剤が開示されている。欧州公
開特許第108208号明細書には更に、アルケニル又
はシラノール官能性ポリジオルガノシロキサン、ポリメ
チルハイドロジエンシロキサン、貴金属触媒、及び、或
るカルボン酸エステル抑制剤からなる、非溶媒シリコー
ン系剥離コーティング剤組成物に、これらの剥離改質剤
が有用であることをも開示している。
【0006】他のアルケニルMQ樹脂はまた、シリコー
ン系剥離コーティング剤組成物への有用な添加剤として
も開示されている。例えば、Keryk 等の米国特許第46
09574号明細書には、(CH33 SiO1 /2
位、アルケニルジメチルシロキサン単位、及び、SiO
4 /2単位からなる共重合体である、トルエン可溶性のシ
ロキサン樹脂が、炭素原子を6以上有する高級アルケニ
ル基を含有する、架橋性シリコーン系剥離コーティング
剤用の剥離改質剤として特に有用であることが、開示さ
れている(式中、アルケニル基は、一般式−R’(CH
2m CH=CH2 によって表される。(式中、R’は
−(CH2n −、又は、−(CH2p−CH=CH
−を表し、は1、2又は3の値を有し、は3〜6の
値を有し、は3、4又は5の値を有する。))。
【0007】欧州公開特許第523660号明細書に
は、アルケニルシロキサン共重合体、ケイ素結合された
水素原子を有するオルガノポリシロキサン、及び、適す
る触媒からなる、架橋性組成物が教示されている。な
お、アルケニルシロキサン共重合体は、(a)一般式R
a Si(OR1b4-(a+b)/2 からなる単位(式中、
RはC1-18の炭化水素であり、R1 はC1-4 のアルキル
基であり、及びは、0、1、2又は3であり、か
つ、a+bは3未満である。)、(b)一般式ARc
iO3-c/2 からなる少なくとも1つの単位(式中、A
は、基−CH2 CHR32 (CR3 =CH2x-1
ある。(式中、R2 は、2、3又は4価のC1-25の炭化
水素基であり、R3 は、水素又はC1-6 のアルキル基で
あり、xは2、3又は4である。)、及び、(c)シル
カルバン環を有する平均で少なくとも1つの或る単位を
有している。加えて、MQ樹脂、ビニル官能性MQ樹
脂、又はシリコン結合された水素基を含有するMQ樹脂
等の制御剥離剤も開示されている。
【0008】多くの他の特許には、MQ樹脂、ビニル官
能性MQ樹脂、又はアルケニル官能性MQ樹脂を、架橋
性シリコーン系コーティング剤組成物に混合させて、そ
れらの剥離特性を改質することが開示されている。例え
ば、米国特許第4652096号明細書、同第4774
111号明細書、同第4961963号明細書、同第5
036117号明細書、同第5125998号明細書、
及び、同第5273946号明細書が挙げられる。
【0009】より近年では、剥離改質剤の他のタイプが
開示されている。例えば、欧州公開特許第652257
号明細書には、(i)本質的に一般式SiO2 及びR3
SiO1 /2からなる単位からなるMQ樹脂(式中、R
は、炭素原子を3つまで有する、1価の炭化水素基、水
素原子、一般式−R’CH=CH2 からなるアルケニル
基を表すが、但し、MQ樹脂分子当たり少なくとも1つ
の基−R’CH=CH2が存在すること。(式中、R’
は炭素原子を0〜3まで有するアルキレン基であ
る。))、及び、(ii)一般式CH2 =CH−(CH
2n −CH=CH2 からなるα,ω−ジオレフィン
(式中、は4〜18の値を有する整数を表す。)から
なる剥離改質剤が開示されている。この剥離改質剤は、
先行技術の剥離改質剤と比較して、優れた剥離力を与え
るとして、開示されている。また、剥離改質剤に加え
て、SiH基を有するシロキサン及び触媒をベースとし
た非溶媒剥離剤組成物も開示されている。
【0010】欧州公開特許第652258号明細書に
は、本質的に一般式SiO2 (Q)及びR3 SiO1 /2
(M)からなる単位からなるMQ樹脂(式中、Rは、炭
素原子を3つまで有する、1価の炭化水素基、水素原
子、一般式−R’CH=CH2 からなるアルケニル基、
又は、一般式−OR’CH=CH2 からなるオキシアル
ケニル基を表すが、但し、MQ樹脂分子当たり少なくと
も1つの基−R’CH=CH2 又は1つの基−OR’C
H=CH2 が存在し、かつ、全てのMの50%未満しか
この様な基を有さないこと。(式中、R’は炭素原子を
4〜12個有するアルキレン基を表す。))を含有す
る、シリコーン系剥離剤組成物用の剥離改質剤が開示さ
れている。また、剥離改質剤に加えて、SiH基を有す
るシロキサン及び触媒をベースとした非溶媒剥離剤組成
物も開示されている。
【0011】しかしながら、従来のMQ樹脂及びアルケ
ニル官能性MQ樹脂は、全てのそれらの要求に対する解
決手段を産業界に提供していない。継続的に、高い剥離
力を与える改良された剥離改質剤への要望がある。低速
度での層間剥離の際及び高速度での層間剥離の際に、制
御可能な剥離力を与える剥離改質剤を見出す、特定の要
望がある。
【0012】フルオロシリコーン化合物はまた、当該技
術分野において記載されている。例えば、Blizzard等の
米国特許第4465805号明細書には、(a)(i)
本質的にR3 SiO1 /2単位及びSiO4 /2単位からな
る或るオルガノシリコン樹脂(式中、Rは1価の炭化水
素基である。)、及び(ii)ポリオルガノハイドロジェ
ンシロキサンの反応生成物、(b)ビニル基又はヒドロ
キシル基を含有するフルオロシリコーン、及び、(c)
触媒を含有する、炭化水素液体に耐性のある、フルオロ
シリコーンが開示されている。
【0013】Brown 等の米国特許第4736048号明
細書、同第4889753号明細書、及び同第4842
902号明細書には、(a)平均で、水素、ヒドロキ
シ、及びアルケニルからなる群から、1分子当たり、少
なくとも2つのケイ素結合された架橋基、及び、フルオ
ロシリコーン重合体中のシロキサン単位のトータル数を
基準にして、フッ素化されたシロキサン単位を少なくと
も2モル%含有するフルオロシリコーン重合体、及び、
(b)フルオロシリコーン重合体用の効果量の架橋剤と
から本質的になる架橋性混合物からなる、コーティング
剤組成物が開示されている。Brown 等は更に、これらの
コーティング剤組成物は、感圧接着剤用の剥離ライナー
として有用であることも開示している。
【0014】Kendziorski の米国特許第4968766
号明細書、同第4980440号明細書、及び同第49
80443号明細書には、当該技術分野において開示さ
れているものよりも、長い浴寿命を有する、より早い架
橋性コーティング剤組成物の調製をさせる、独特の特性
を有する新規なフルオロシリコーン重合体が開示されて
いる。Kendziorski には、金属含有ヒドロシリル化触媒
と触媒抑制剤と混合する際に、新規な重合体は、シリコ
ーンベースの感圧接着剤を保護するための剥離剤ライナ
ーを調製するのに有用な改良されたコーティング剤組成
物を提供することが、開示されている。
【0015】浜田等の米国特許第5356719号明細
書には、1分子当たり、少なくとも1つのフッ素含有有
機基と少なくとも2つのアルケニル基を含有するオルガ
ノポリシロキサン、それぞれの分子中に少なくとも2つ
のケイ素結合された水素原子を有するオルガノハイドロ
ジエンシロキサン、1分子当たり、少なくとも1つのフ
ッ素含有有機基を有するオルガノポリシロキサン(但
し、それはアルケニル基も、シリコン結合された水素基
も含有しない。)、及び、触媒量のヒドロシリル化触
媒、を含有するフルオロシリコーン系剥離剤組成物が開
示されている。
【0016】
【課題を解決するための手段】我々は、或るフルオロシ
リコーン化合物が、剥離改質剤として、又は、或る剥離
コーティング剤組成物に使用する際の、剥離改質剤組成
物中で、有用であることをここで見出した。この様なフ
ルオロシリコーン系剥離改質剤を含有する剥離コーティ
ング剤組成物は、新規であり、改良された剥離特性を示
す。
【0017】本発明によると、 (A)下記一般式(1)を有するフルオロシリコーン化
合物(i)からなる、剥離コーティング剤組成物の全重
量を基準にして、少なくとも0.05重量%からなる、
剥離改質剤組成物:
【0018】
【化5】
【0019】(式中、R’は、炭素原子を1〜20個有
する、1価の芳香族又は飽和脂肪族炭化水素基を表し、
Aは、R’又は水素を表し、R1 は少なくとも炭素原子
を2つ有するアルキレン基であり、及び、Bは炭素原子
を4〜8個有するパーフルオロアルキル基であり、
0〜100の値を有し、は1〜100の値を有し、
は1〜100の値を有し、但し、/(l+m+n)が
0.08以上の値を有し、かつ、化合物(i)当たり少な
くとも3つのケイ素結合された水素原子が存在する。) (B)1分子当たり少なくとも3つのケイ素結合された
水素を有するオルガノシリコン化合物; (C)アルケニル基とケイ素結合された水素基との間の
付加反応を促進し得る、効果量の貴金属触媒;及び、 (D)一般式Y02 SiO(X2 SiO)x (XYS
iO)y SiX20 を有する、ポリジオルガノシロキ
サン(式中、Xは、独立にフェニル基又は炭素原子を1
〜10個有する飽和の1価の基を表し、Yは、炭素原子
を6個まで有するアルケニル基を表し、Y0 は、X又は
Yを表す。)、からなるシリコーン系剥離コーティング
剤組成物が提供される。上記の及びの合計トータル
の平均値は、成分(D)のシロキサン重合体の25℃で
の粘度が、少なくとも10mPa.sになるような値で
ある。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明によるコーティング剤組成
物に使用される剥離改質剤は、上記した一般式のフルオ
ロシリコーンを含有する。それぞれR’基は独立に、炭
素原子を1〜20個有する、1価の芳香族又は飽和脂肪
族炭化水素基である。適するR’基としては、メチル、
エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル及びデ
シル等のアルキル基;シクロヘキシル等の環状脂肪族
基;フェニル、トルイル及びキシリル等のアリール基;
及び、ベンジル及びフェニルエチル等のアラルキル基等
が挙げられる。大いに好ましいR’基は、メチル又はフ
ェニルである。
【0021】それぞれのパーフルオロアルキル基Bは、
基R1 によって、ケイ素原子に結合されており、その基
は直鎖状の構造であっても、分岐状の構造であってもよ
い。適するR1 基の例としては、−CH2 CH2 −、−
CH2 CH2 CH2 −、−CH(CH3 )CH2 −、−
(CH24 −、−CH(CH3 )CH2 CH2 −、−
(CH25 −、−(CH26 −、−CH2 CH2
H(CH2 CH3 )CH2 −、−(CH28 −、−
(CH210−、−(CH218−、又は、(−C6
4 CH2 −)等が挙げられる。R1 が、−CH2 CH2
−又は−CH2 CH2 CH2 −から選択されるのが好ま
しい。
【0022】パーフルオロアルキル基Bは、通常の構造
であっても、分岐状の構造であってもよい。適するB基
の例としては、−(CF2 )CF3 、−CF2 CF(C
32 、−C(CF33 、又は、−CF(CF3
CF2 CF3 等の−C49基、−(CF24 CF3
等の−C511基、−CF2 (CF24 CF3 等の−
613基、−(CF2 CF23 CF3 等の−C7
15基、及び、−C817基等が挙げられる。パーフルオ
ロアルキル基Bが、−(CF23 CF3 、−CF2
F(CF32 、−C(CF33 、及び、−CF(C
3 )CF2 CF3 から選択されるのが好ましい。
【0023】上記のフルオロシリコーン化合物の一般式
において、m+nの値が20〜80であるのが好まし
い。/(m+n)の値が0.6〜0.8であるのが、ま
た好ましい。及びのこれらの値は、平均値であり、
当該技術分野において充分に認識されているとおりであ
り、及びの値が、平均値よりも非常に少ないか、又
は非常に多い場合、恐らくオルガノハイドロジェンポリ
シロキサン化合物が存在していることに、注目されるべ
きである。の値は0であるのが、また好ましい。本発
明の剥離改質剤に使用されるフルオロシリコーン化合物
は、それらの調製方法と同様に、公知である。R1 B基
及びケイ素結合された水素基を有するシリコーン重合体
は、例えば、参照として引用する、米国特許第4980
443号明細書に開示されるとおりのKendziorski の方
法によって、調製され得る。
【0024】シリコーン剥離コーティング剤組成物中の
成分(B)は、架橋剤成分又は付加反応によってアルケ
ニル官能性物質の硬化剤として存在している。架橋剤成
分に適するオルガノシリコン化合物は、1分子当たり少
なくとも3つのケイ素結合された水素原子を有してお
り、好ましくは3つの別々のケイ素原子に結合してい
る。好ましいオルガノシリコン化合物(B)は、実質的
に直鎖状であるか又は環状の化合物である。しかしなが
ら、少量の3官能性又は4官能性のシロキサン単位も存
在していてもよい。この様な単位は、一般式SiO2
びR3 SiO3 /2(式中、R3 は、炭素原子を10個ま
で有するアルキル基又はアリール基、若しくは、水素原
子を表す。)を有するが、それらは、オルガノハイドロ
ジェンシリコン化合物中に、存在する全単位数を基準に
して、3%までの量だけ存在するのが好ましく、それら
は全く存在しないのがより好ましい。
【0025】(B)として好ましい化合物は、下記一般
式(2)を有するオルガノシリコン化合物である:
【0026】
【化6】
【0027】(式中、R2 は、炭素原子を10個まで有
するアルキル基又はアリール基を表し、R3 は、上記に
て定義したとおりであり、は0〜20の値を有し、
は1〜70の値を有し、かつ、1分子当たり少なくとも
3つのケイ素結合された水素原子が存在する。) ケイ素結合された水素原子が末端のケイ素原子上にある
かないかは、それほど重要ではない。R2 は、炭素原子
を3個以下有する低級アルキル基を表すものが好まし
く、最も好ましくはメチル基である。R3 は、好ましく
はR2 基を表す。好ましくはは0であり、は6〜4
0、より好ましくは8〜20の値を有するか、又は、環
状のオルガノシリコン物質を使用する場合は、3〜8で
ある。架橋成分は、記載した様な幾つかのオルガノシリ
コン化合物の混合物からなっていてもよい。剥離コーテ
ィング剤組成物が高粘度の重合体からなる場合は、粘度
を低く保持するのが好ましく、基材に組成物を塗工する
のに有益な、剥離コーティング剤組成物の全粘度が適度
に低く保持されるように、特には成分(D)の粘度を低
く保持するのが好ましい。成分(B)に適する粘度は、
0.1Pa.s未満であり、好ましくは0.05Pa.s未
満であろう。適するオルガノシリコン化合物(B)は、
当該技術分野においてよく知られており、それらの製造
方法と同様に、多くの刊行物に記載されている。
【0028】剥離コーティング剤組成物で使用される架
橋成分(B)の量は好ましくは、組成物中のアルケニル
基の数と比較して、ケイ素結合された水素原子の数の比
が、約1/1、即ち、化学量論的な量を与えるのに充分
な量である。考慮されなくてはならないアルケニル基と
しては、剥離コーティング剤組成物中の成分(D)に存
在しているもの、適用できる場合は、付加成分、例えば
以下に記載される様なMQ樹脂中のアルケニル基、メチ
ルビニルシクロ−シロキサン等の剥離改質剤に加えて存
在する希釈剤又は他の物質中に存在するもの等が挙げら
れる。しかしながら、組成物の架橋を完全にするのを確
実にするために存在する、幾分化学量論的に過剰のSi
H基を有するのが、より好ましい。好ましいSiH/ア
ルケニル比は、1.1/1〜1.8/1であり、より好ま
しくは1.1/1〜1.4/1である。
【0029】成分(C)は、ケイ素結合された水素原子
とアルケニル基との付加反応を促進させるのに適する触
媒である。触媒のなかには、通常既に成分(A)中に存
在しているものもあるが、特に多量の成分(D)及び少
量の成分(A)を使用する場合に、更なる量の触媒を成
分(C)として添加してもよい。即ち、適する触媒は、
それに応じて、貴金属をベースとするものであり、特に
はルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イ
リジウム及び白金等の第8族の金属である。好ましくは
触媒は、よく知られた白金化合物、又は、広く使用され
ている錯体である。なぜなら、それらは、本発明の組成
物に対して、向上した剥離力という点に関して、より好
ましい効果を与えるからである。
【0030】適する白金化合物及び錯体としては、塩化
白金酸、アセチルアセトナート白金、エチレン、プロピ
レン、オルガノビニルシロキサン及びスチレン等の不飽
和化合物との白金ハライドの錯体、PtCl2 、PtC
3 、PtCl4 、及びPt(CN)3 等が挙げられ
る。好ましい白金触媒は、米国特許第2823218号
明細書に教示されるとおりの、一般に手入できる6水和
物形又は無水の形の、塩化白金酸の形である。他の特に
有用な触媒は、米国特許第3419593号明細書に開
示される様な、塩化白金酸がジビニルテトラメチルジシ
ロキサン等の脂肪族不飽和オルガノシリコン化合物と反
応する際に得られる組成物である。触媒(C)を、剥離
コーティング剤組成物の全重量を基準にして、白金金属
の重量で20〜500ppmを与える量で使用されるの
が好ましい。
【0031】成分(D)は、一般式Y02 SiO(X
2 SiO)x (XYSiO)y SiX20 を有する、
ポリジオルガノシロキサンである(式中、Xは、独立に
フェニル基又は炭素原子を1〜10個有する飽和の1価
の基を表し、好ましくはアルキル基又はシクロアルキル
基等の飽和の炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロ
ピル、ブチル及びシクロヘキシルである。)。ポリジオ
ルガノシロキサンの全てのX置換基の少なくとも90%
がメチル基であるのが好ましく、最も好ましくは全てが
メチル基である。Yは、上記に特定された炭素原子を6
つまで有するアルケニル基を表し、またY0 は、X又は
Yを表す。成分(D)中のそれぞれのアルケニル基Yが
ビニル基又はヘキセニル基であるのが好ましい。硬化さ
せる際に、余りに多くの剥離コーティング剤組成物を架
橋させる可能性があるので、シロキサンの全単位中1%
以下がアルケニル基を有する単位であるのが好ましい。
【0032】可能ではあるが、他の置換基が少量(存在
する全ての置換基の1%未満)、例えばヒドロキシル基
等が存在するのは好ましくない。本発明の組成物中の成
分(D)として適するポリジオルガノシロキサンは、実
質的に直鎖状の重合体であるが、少ない単位数(全単位
数の1%未満)は重合体を分枝状にするのは許容でき
る。この様な単位は、4官能性(SiO2 )又は3官能
性(Y0 SiO3 /2)であるであろう。この様な単位は
存在しないのが好ましい。
【0033】上記の及びの合計トータルの平均値
は、成分(D)のシロキサン重合体の25℃での粘度
が、少なくとも10mPa.sになるような値である。
好ましくは、25℃での粘度は、0.05〜5Pa.sの
範囲であり、最も好ましくは、0.2〜0.5Pa.sで
ある。この様なポリジオルガノシロキサンは、それらの
調製方法と同様に、当該技術分野においてよく知られて
いる。
【0034】しかしながら、従来技術はフルオロシリコ
ーン化合物(i)はケイ素結合されたビニル基を有する
フルオロシリコーン重合体の存在が必要であると指摘し
ていると思われるので(例えば米国特許第498044
3号明細書に開示される様に)、ポリジオルガノシロキ
サン(D)をフルオロシリコーン化合物(i)と共に使
用し得るということは、驚くべきことである。
【0035】我々はまた、上記に記載したとおりのフル
オロシリコーン化合物を或る樹脂状物質と混合する場合
に、改良された挙動を有する剥離改質剤組成物を製造す
るということも見出した。これらの剥離改質剤組成物は
それ自身新規であり、本発明の他の見地を形成する。
【0036】本発明のこの見地によると、(i)本発明
の前の見地において記載されたとおりの、下記一般式
(1)を有するフルオロシリコーン化合物、及び(ii)
本質的に一般式:SiO2 (Q)及びR3 SiO1
/2(M)からなる単位からなるMQ樹脂(式中、Rは炭
素原子を1〜20個有する1価の芳香族又は飽和脂肪族
炭化水素基、水素原子、又は炭素原子を2〜20個有す
るアルケニル基から選択されるものであるが、但し、M
Q樹脂分子当たり末端不飽和を有する少なくとも1つの
アルケニル基があること。)を含有する、剥離改質剤組
成物が提供される。
【0037】
【化7】
【0038】本発明による剥離改質剤組成物中のフルオ
ロシリコーン化合物(i)に添加して使用するのに適す
るMQ樹脂は、上記に示したとおり、本質的に1価及び
4価のシロキサン単位からなり、好ましくはそれらはそ
の様な単位のみからなる。しかしながら、悪影響を引き
起こさない程度の少量で、存在する他の単位を有するこ
とは、許容できる。余分な単位としては、HOR2 Si
1 /2単位(式中、Rは上記にて定義したのと同様であ
る。)、及び2価及び3価のシロキサン単位等が挙げら
れるが、但し余分な単位は、MQ樹脂の分子中の全単位
数の3%以上をなしてはいけない。R基がアルキル基で
あるのが更に好ましく、最も好ましくはメチル基であ
る。
【0039】本発明による剥離改質剤組成物中で使用す
るのに適するMQ樹脂は、好ましくは、Q単位に対する
M単位の比で、0.2/1〜4/1を有する。0.2/1
よりも比が低い場合、MQ樹脂の粘度は適度に高く、そ
れは剥離改質剤組成物の取扱性、混合及び塗工をより困
難にする。比が0.2/1よりもはるかに低い場合、M
Q樹脂は、通常の温度及び圧力条件下で固体であるであ
ろう、そしてそれは、もしかすると、多量の可溶化剤が
剥離改質剤組成物中で必要とされるので、樹脂を使用す
るのがかなり困難になるであろう。可能性のある可溶化
剤としては、キシレン又はトルエン等の有機溶媒が挙げ
られる。しかしながら、この様な溶媒を有さないのが好
ましい。
【0040】4/1より高い比の場合は、樹脂の粘度が
非常に低くなるであろう、そして樹脂が容易に取り扱わ
れるにも係わらず、基材への塗工が困難になる可能性が
ある。剥離改質剤組成物中の粘度は、25℃で、少なく
とも約100mPa.sである。本発明の剥離改質剤組
成物中のMQ樹脂は、Q単位に対するM単位の比が、
0.6/1〜1.8/1であるのが好ましく、より好まし
くは1.2/1〜1.6/1であり、最も好ましくは1.
4/1である。
【0041】MQ樹脂のR基は好ましくは、炭素原子を
1〜20個有する、1価の芳香族又は飽和脂肪族炭化水
素基、又は、炭素原子を2〜20個有するアルケニル基
から選択されるものである。R基の例としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル及
びデシル等のアルキル基;シクロヘキシル等の環状脂肪
族基;フェニル、トルイル及びキシリル等のアリール
基;ベンジル及びフェニルエチル等のアラルキル基等が
挙げられる。大いに好ましいR基は、メチル又はフェニ
ルである。
【0042】末端不飽和を有するアルケニル基、即ち少
なくともC=C二重結合が、それが結合しているケイ素
原子から最も離れた、最も遠い炭素原子と2番目に遠い
炭素原子との間に生じるところは、ビニル又は一般式−
(CH2a CH=CH2 (式中、は1〜18の値を
有する。)を有する高級アルケニル基、又は、一般式−
(CH2b CH=CH−(CH2c CH=CH2
(式中、は1〜9の値を有し、は1〜9の値を有す
る。)を有する高級アルケニル基から選択されるのが好
ましい。上記一般式中のは、好ましくは4〜12の値
を、は3〜5の値を、または1〜3の値を有する。
従って、高級アルケニル基としては、5−ヘキセニル、
6−ヘプテニル、7−オクテニル、8−ノネニル、9−
デセニル、10−ウンデセニル、4,7−オクタジエニ
ル、5,8−ノナジエニル、5,9−デカジエニル、
6,11−ドデカジエニル及び4,8−ノナジエニル等
が挙げられる。ビニル、5−ヘキセニル、7−オクテニ
ル、9−デセニル、10−ウンデセニル、5,9−デカ
ジエニル、及び、6,11−ドデカジエニルから選択さ
れるアルケニル基が好ましい。
【0043】本発明の剥離改質剤組成物中のためのMQ
樹脂において、1個以下のアルケニル基がどれかのケイ
素原子に置換されており、かつ、全てのM単位の50%
以下がアルケニル基を有するのが好ましい。より好適に
は、全てのM単位の10〜35%、最も好適には15〜
25%のアルケニルを有する。
【0044】本発明による剥離改質剤組成物を混合する
剥離剤組成物に起因する、架橋された剥離コーティング
剤にとって、最も効率的な剥離力の増加は、剥離改質剤
組成物中のMQ樹脂のアルケニル基の重量割合が、MQ
樹脂の全重量の25%以下である時に得られる。重量割
合が、8〜18%の範囲であるのがより好ましく、最も
好ましくは12〜16%である。R基の1つがアルケニ
ル基である、1価の単位の、4価(SiO2 )のシロキ
サン単位に対する比が、0.05/1〜0.5/1、より
好ましくは0.1/1〜0.4/1、最も好ましくは0.
2/1であるのも好ましい。
【0045】本発明による剥離改質剤組成物に特に有用
なMQ樹脂の例としては、以下の一般式を有するもので
ある(即ち、下つき文字は、異なる単位(ユニット)の
数比を表す。)。なお、式中、Mは(CH33 SiO
1 /2単位を表し、Mn は〔CH2 =CH−(CH2
n 〕〔(CH32 〕SiO1 /2を表す(式中は、ア
ルケニル基中の2価の−CH2 −単位の数を表し、Q
は、SiO2 基を表す。:M0.96 0.2Q、M1.28
0.2Q、M1.44 0.4Q、M110 0.3 Q、及び、M1
12 0.3 Q。
【0046】本発明による剥離改質剤組成物での使用に
適するMQ樹脂は、多くの方法によって調製され得る。
1つの方法としては、多くのシラノール基を有するMQ
樹脂を作り、次いでその樹脂を、有機基の一部又は全て
がメチル又はビニルであるヘキサオルガノジシラザン等
のキャッピング基と反応させる方法が挙げられる。特に
有用なキャッピング基は、ヘキサメチルジシラザン及び
テトラメチル−ジビニルジシラザンである。大きめのア
ルケニル基、例えばペンテニル基又はヘキセニル基が必
要とされる場合、それらを、SiH基のオレフィン的に
不飽和な化合物への付加反応を促進する触媒の存在下
で、ジアルケンの、その1価の単位の1つの中の、少な
くとも1つのケイ素結合された水素原子を有するMQ樹
脂への付加反応によって作ることが可能である。
【0047】最も便利な方法は、SiH基のオレフィン
的に不飽和な化合物への付加反応を促進する触媒の存在
下で、一般式CH2 =CH−R0 −CH=CH2 (式
中、R0 は炭素原子を2〜10個有するアルキレン基を
表す。)のジアルケンの、ケイ素結合された水素原子を
有する少なくとも1つの1価の単位を有するMQ樹脂へ
の付加反応である。ケイ素結合された水素原子を有する
MQ樹脂は、公知の物質であり、それらを製造する方法
と同様に、多くの刊行物に記載されている。例えば欧州
公開特許第389138号明細書を引用して参照する。
この反応に使用され得る好適なジアルケンは、一般式C
2 =CH−R0 −CH=CH2 のジアルケンである
(式中、R0 は上記にて定義したと同様である。)。
【0048】適するジアルケンの例としては、α,ω−
ヘキサジエン、α,ω−デカジエン、α,ω−ウンデカ
ジエン及びα,ω−ドデカジエン等が挙げられる。付加
反応は、白金をベースとした触媒等の適する付加触媒の
存在下で、当業者に知られている条件下で行われ得る。
全てのケイ素結合された水素原子はジアルケンと反応さ
れ、SiHがMQ樹脂中に存在しない事実に帰するのが
好ましいが、少量の残渣のSiHが樹脂中に存在し得る
のも可能である。
【0049】本発明による剥離改質剤組成物中で使用す
るのに適するMQ樹脂を製造する代わりの方法は、Si
H基とCOH基の間の縮合反応を促進し、副生成物とし
て水素を与える触媒の存在下で、一般式HO−R”−C
H=CH2 (式中、R”は、炭素原子を4〜12個有す
るアルキレン基である。)中のα−オール、ω−エンで
ある、不飽和アルコールと、その1価の単位に、少なく
とも1つのケイ素結合された水素原子を有するMQとの
縮合反応である。この反応に適する触媒は、スズベース
の触媒である。適するα−オール、ω−エンの例として
は、HO−(CH26 −CH=CH2 、HO−(CH
28 −CH=CH2 、及び、HO−(CH212−C
H=CH2 等が挙げられる。
【0050】本発明による剥離改質剤組成物はまた、他
の成分を含有していてもよいが、好ましくは非溶媒であ
る。適する成分としては、希釈剤、好ましくはシロキサ
ン物質が挙げられる。特に好ましいシロキサン物質は、
直鎖状のアルケニル置換されたポリジメチルシロキサン
物質であり、例えば、10〜500、好ましくは15〜
100、最も好ましくは20〜50のシロキサン単位の
鎖長を有する、ビニル基で末端をブロックされたポリジ
メチルシロキサン又はヘキセニル基で末端をブロックさ
れたポリジメチルシロキサンであろう。
【0051】本発明による剥離改質剤組成物はまた、触
媒を含有していてもよい。剥離改質剤組成物は、ケイ素
結合された水素原子を有するオルガノシリコン化合物と
の付加反応による、架橋されたシロキサンコーティング
の形成を意図されているので、適する触媒は、その付加
反応を促進する触媒であろう。適する触媒は、剥離コー
ティング剤組成物の成分(C)として上記に記載されて
いる。
【0052】本発明による剥離改質剤組成物はまた、抑
制剤を含有していてもよい。抑制剤は、触媒の触媒活性
を抑制するために使用されると知られているか、又は、
使用され得るいかなる物質でもよい。適する抑制剤の例
としては、エチレン性又は芳香族不飽和アミド、アセチ
レン化合物、エチレン性不飽和イソシアネート、オレフ
ィン性シロキサン、不飽和炭化水素ジエステル、共役エ
ン−イン、ハイドロパーオキサイド、ニトリル及びジア
ジリジン等が挙げられる。
【0053】好ましい抑制剤としては、エチレニルシク
ロヘキサノール及びメチルブチノール等の、米国特許第
3445420号明細書に開示されているようなアセチ
レン性アルコール、マレイン酸ジアリル、マレイン酸ジ
メチル及びマレイン酸ブチルアリル等の不飽和カルボン
酸エステル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジアリル及び
マレイン酸ビス−(メトキシイソプロピル)等の、米国
特許第4562096号明細書及び同第4774111
号明細書に開示されているような、マレイン酸エステル
及びフマル酸エステル、及び、米国特許第446581
8号明細書、同第4472563号明細書及び同第45
59396号明細書に開示されているような、共役エン
−イン等が挙げられる。
【0054】一般式〔(D)2 SiO〕w (式中、Dは
低級アルキル基、好ましくはC1-4のアルキル基、及び
低級アルケニル基、好ましくはビニル基又はアリル基か
ら選択される基を表し、は、3〜8の値を有する。)
を有する、環状シロキサンもまた、本発明の剥離改質剤
組成物中の抑制剤として適する。それぞれのケイ素原子
が1つのアルキル基と1つのアルケニル基、好ましくは
メチル基とビニル基、を有するそれらの環状シロキサン
が最も好ましい。好ましくは、の値は、4又は5であ
る。最も好ましいシロキサンの例としては、メチルビニ
ルテトラシクロシロキサン及びメチルビニルペンタシク
ロシロキサンである。上記抑制剤の2又はそれ以上を、
本発明による剥離改質剤組成物中に存在させ得ること
も、本発明の概念の中である。
【0055】本発明による剥離改質剤組成物は、上記に
示したMQ樹脂を10〜95重量%及びフルオロシリコ
ーン化合物(i)を40〜0.05重量%含有しているの
が好ましい。剥離改質剤組成物中、より好ましくは、4
0〜80重量%、最も好ましくは50〜75重量%が、
MQ樹脂で占められる。より好ましくは、フルオロシリ
コーン化合物の量は、0.5〜30重量%、最も好まし
くは1〜10重量%である。しかしながら、100%ま
での残りを、任意の成分、好ましくは、剥離改質剤組成
物中のMQ樹脂を可溶化させるのを助ける、アルケニル
官能性ポリシロキサン、及び、触媒によって、占められ
ていてもよい。
【0056】充分な量の触媒を、この組成物を均一に
し、効果的な架橋をさせるために使用すべきである。白
金触媒の好ましい割合は通常、剥離改質剤組成物が使用
される全コーティング剤組成物中で使用される混合され
た架橋成分百万重量部当たり、Ptを約20〜約500
重量部、より好ましくは50〜150部、最も好ましく
は100〜130部与える量である。
【0057】更に他の見地において、本発明は、上記に
記載された剥離改質剤組成物を混合する、シリコーン剥
離コーティング剤組成物を提供する。剥離改質剤組成物
中のMQ樹脂を含有する剥離コーティング剤組成物は、
すでに存在するアルケニル−置換されたシロキサン物質
を有し、これは上記に定義されるとおりの成分(D)型
の化合物の使用が、これらの剥離剤組成物中において任
意になることを意味している。
【0058】(i)下記一般式(1)を有するフルオロ
シリコーン化合物、及び、(ii)本質的に一般式:Si
2 (Q)及びR3 SiO1 /2(M)からなる単位から
なるMQ樹脂(式中、Rは、炭素原子を1〜20有す
る、1価の芳香族又は飽和脂肪族炭化水素基、水素原
子、又は炭素原子を2〜20有するアルケニル基から選
択されるものであるが、但し、MQ樹脂分子当たり末端
不飽和を有する少なくとも1つのアルケニル基があるこ
と。)を含有する、(A)剥離改質剤組成物:
【0059】
【化8】
【0060】(式中、R’、A、R1 、B、
、及び、/(l+m+n)は、上記に定義したと同
様であるが、但し、化合物(i)当たり少なくとも3つ
のケイ素結合された水素原子を有する。) (B)1分子当たり少なくとも3つのケイ素結合された
水素を有するオルガノシリコン化合物;(C)アルケニ
ル基とケイ素結合された水素基との間の付加反応を促進
し得る、効果量の貴金属触媒;及び、任意に(D’)ポ
リジオルガノシロキサン分子(D’)当たり、少なくと
も2つのケイ素結合されたアルケニル官能性基を有する
ポリジオルガノシロキサン、を含有するシリコーン系剥
離コーティング剤組成物が提供される。剥離改質剤組成
物(A)、その成分(i)及び(ii)、成分(B)及
び、成分(C)は、上記に定義したと同様である。
【0061】成分(D’)は、1分子当たり、少なくと
も2つのケイ素結合されたアルケニル官能性基を有する
ポリジオルガノシロキサンである。アルケニル基は、シ
クロアルケニル基であっても、直鎖状のアルケニル基で
あってもよく、好ましくは、ヘキセニル、シクロヘキセ
ニル、ビニル、アリル及びペンテニルによって例示され
る様な、炭素原子を6つまで有するものである。シクロ
ヘキセニル、ヘキセニル、ビニル、又は、アリル基がよ
り好ましく、最も好ましくはビニル又はヘキセニルであ
る。好ましいポリジオルガノシロキサンは、上記の成分
(D)として記載されたと同様の一般式を有する。
【0062】本発明の前記の見地による剥離コーティン
グ剤組成物は、成分(A)、(B)及び(C)のみから
なっていてもよい。この様な組成物において、(C)
は、触媒量で存在し、一方(A)及び(B)は上記に記
載したと同様のSiH/アルケニル比を与えるような量
で存在するであろう。しかしながら、剥離コーティング
剤組成物はまた、成分(D’)を含有するのが好まし
い。成分(A)に関して、成分(D’)の量は、架橋さ
れた剥離コーティング剤の所望の剥離特性に依存し、因
子の数はこの量に影響する。それは、混合された成分
(A)、(C)、及び、(D’)の全重量を基準にし
て、成分(A)の重量%として表現されるのが最も容易
である。これは、1〜99.9%の範囲をとり得るが、
より典型的には、10〜80重量%の範囲にある。この
組成物で使用されるそれぞれの成分の量は、定義された
剥離速度での、使用中の最終生成物の剥離力、必要とさ
れる架橋時間及び温度、並びに、滑り−粘着(slip-sti
ck)挙動に影響を与える。
【0063】任意に、本発明の剥離コーティング剤組成
物は、更なる成分を含有する。1つの有用な成分は、α
−オレフィンであり、特にはテトラデセン、オクタデセ
ン及びエイコセン等の炭素原子を12〜20有するオレ
フィンである。他の特に有用な成分は、上記にて定義し
たと同様の架橋抑制剤である。
【0064】本発明による剥離コーティング剤組成物は
また、参照される米国特許第5036117号明細書に
記載されるもの等の、室温で架橋反応を更に遅らせるの
に充分なトータル量で、浴寿命増量剤を含有していても
よい。適する浴寿命増量剤化合物の例としては、1又は
それ以上の第1級又は第2級アルコール基を含有する化
合物、カルボン酸(水に曝されるとカルボン酸を生じる
化合物を含む)、環状エーテル、及び水等が挙げられ
る。第1級又は第2級アルコール、好ましくは炭素原子
10未満のものが、本発明のこの組成物に最も好まし
い。
【0065】それらの例としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、i−プロパノール、1−ブタ
ノール、2−ブタノール、i−ブタノール、及び、ノル
マル−、セカンダリー−、及びイソ−ペンタノール、ヘ
キサノール、ヘプタノール、及びオクタノール、テトラ
デカノール及び他のアルカノール;ベンジルアルコー
ル、フェノール、及び、メチルフェニルカルビノール等
の他の芳香族アルコール、及び2−フェニルエチルアル
コール;アリルアルコール及びシクロヘキサノール等が
挙げられる。浴寿命増量剤がベンジルアルコール又は水
であるのが、非常に好ましい。使用されるべき浴寿命増
量剤の量は、混合される成分(A)(ii)及び(D’)
の重量を基準にして、10重量%程度の高さであり、よ
り好ましくは0.1〜5重量%、最も好ましくは1〜3
重量%であり得る。他の添加剤としては、着色剤、染
料、保存剤及び香料等が挙げられる。
【0066】本発明による剥離コーティング剤組成物
を、成分を混合することからなるいかなる公知の方法に
よって調製してもよい。貯蔵安定性の目的のために、成
分(A)(ii)及び(C)を、貯蔵中、成分(A)
(i)及び(B)から離して保存するのが好ましい。こ
れは、例えば、第一の混合物として成分(A)(ii)、
(C)及び成分(D’)の一部を混合し、次いで第二の
混合物として成分(A)(i)及び(B)を成分
(D’)の残りと混合することによって、達成され得
る。その代わりに、それぞれの成分を別々に貯蔵して、
供給してもよい。更に他の選択で、第一の部分として成
分(A)(ii)を供給し、第二の部分として成分(A)
(i)及び(B)を、そして第三の部分として成分
(C)及び成分(D’)の混合物を供給する。それぞれ
の部分は、上記に記載した他の更なる成分例えば抑制
剤、の幾つかを含有していてもよい。基材に塗工するた
めの組成物を使用する直前に、異なる部及び/又は混合
物を、例えば2部で組成物を貯蔵する場合は、1/1、
10/1又は100/1等の、要求される割合で混合し
得る。
【0067】本発明はまた他の見地において、接着性物
質が剥離され得る表面を与えるための、基材のコーティ
ング方法を提供し、その方法は上記に記載したとおりの
シリコーン系剥離コーティング剤組成物を基材に塗工
し、その後基材及び塗工された組成物を熱に曝すことか
らなる。
【0068】いかなる固体状の基材でも本発明の方法に
よって処理されて、基材から接着性物質の剥離をおこし
得る。適する基材の例としては、紙、厚紙及び木等のセ
ルロース系物質、アルミニウム、鉄及びスチール等の金
属、セラミック、ガラス及びコンクリート等のシリカを
含む物質、並びに、ポリエステル及びポリエポキシド等
の合成品等が挙げられる。架橋性のシリコーン系剥離コ
ーティング剤の適当な架橋及び接着を確実にするため
に、それが塗工される基材を洗浄し、例えばアミン、メ
ルカプタン及びホスフィンを含有する物質等の、望まし
くない剥離コーティング剤の架橋を阻害する物質をなく
するべきである。
【0069】本発明の方法は、紙、アルミニウムホイル
及びテープ等の可撓性物質にコーティングして、攻撃的
なアクリル酸系接着剤等の感圧性接着剤物質の剥離力を
制御するために特に有用である。
【0070】架橋性シリコーン系剥離コーティング剤組
成物を、コーティングされた表面が約1g/m2 となる
多目の量でコーティングするために、可撓性の基材の表
面に、薄層に塗工してもよい。紙コーティング技術にお
いて、使用される剥離コーティング剤の量は一般に、表
面の0.1〜2.0g/m2 であるであろう。
【0071】本発明による方法において、架橋性シリコ
ーン系剥離コーティング剤組成物を、刷毛塗り、浸し塗
り、スプレー塗り、ローラ塗り及び/延展等の適する手
段によって、基材に塗工し得る。紙等の可撓性の基材
を、所望のとおりのトレーリングブレードコーティン
グ、キスロール、グラビアロール及びオフセット印刷ロ
ール等によって、よく知られているローラ塗り法によっ
てコーティングし得る。
【0072】基材への塗工後、シリコーン系剥離コーテ
ィング剤及び基材を熱に曝す。熱は通常、300℃未満
の温度に、好ましくは200℃未満の温度に限定され、
いかなる適する手段によって達成されてもよい。しかし
ながら、シリコーン系剥離コーティング剤組成物を、塗
工よりかなり前には加熱するべきではない。多くの場
合、本発明によるシリコーン系剥離コーティング剤組成
物は、先行技術の組成物よりも速く、汚れず、移行せ
ず、またこすれて落ちることが無くなるのに充分な状態
まで架橋されるであろう。
【0073】本発明によるシリコーン系剥離コーティン
グ剤組成物は、例えば0.5m/分の低い層間剥離速度
又は高い層間剥離速度で、滑らかに剥離するコーティン
グを与える。以下に、多くの例を示すが、それらの例に
おいて全て部及び%は、他のことわりがない場合は、重
量によるものである。本明細書中の実施例において、M
eはメチル基を表し、Viはビニル基を表し、またHe
xはヘキセニル基を表す。
【0074】
【実施例】実施例1 シリコーン系剥離コーティング剤を、シリコーン系剥離
コーティング剤(表1中ではコーティング剤Aと表され
ている)、MQ樹脂(表1中ではMQ1と表されてい
る)又はMQ樹脂とフルオロシリコーン化合物との組み
合わせ(表1中ではフルオロSiと表されている)、及
び、ケイ素結合された水素原子を含有するオルガノシリ
コン化合物(表1中ではSiHとして表されている)
を、10分間、回転式混合機で混合することによって、
調製した。これらの成分を下記の表1に示される量で混
合した(重量部)。6つのシリコーン系剥離コーティン
グ剤を調製した。剥離改質剤を含有していなかったCR
EL1、剥離改質剤としてMQ樹脂のみをを含有してい
たCREL2、及び、他の4つは(REL1〜REL
4)は本発明によるものであり、MQ樹脂とフルオロシ
リコーン化合物の両方を含有していた。
【0075】コーティング剤Aは、ヘキセニル基を2モ
ル%有し、重合度が約150の、一般式HexMe2
iO(Me2 SiO)x (MeHexSiO)y SiM
2Hexを有する化合物約97.29g、白金触媒(塩
化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンから形成
される、約0.70%の白金を含有する可溶性白金錯
体)約1.9g、及び、マレイン酸ビス(2−メトキシ
−1−メチルエチル)約0.81gを含有する混合物で
あった。
【0076】MQ1は、重合度約30の、一般式Hex
Me2 SiO(Me2 SiO)x SiMe2 Hexを有
する化合物約41.2g、及び、1官能性(M)単位及
びSiO2 (Q)単位として(なお、Q単位に対するM
単位のモル比は約0.7/1であり、樹脂共重合体は約
1.75〜2.3重量%のビニル基を含有している。)、
トリメチルシロキシ単位とジメチルビニルシロキシ単位
を有するMQ樹脂約58.5gを含有する混合物であっ
た。
【0077】フルオロSi、フルオロシリコーン化合物
は、一般式Me3 SiO(MeRSiO)12(MeHS
iO)28SiMe3 (式中Rは、基−CH2 CH2 CF
2 CF2 CF2 CF3 を表す。)を有する化合物であっ
た。SiHは、全平均重合度が約40で、シロキサン鎖
に約70モル%のメチルハイドロジェン部分を有する、
トリメチル−シロキシで末端をブロックされたポリジメ
チル−シロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共
重合体であった。
【0078】
【表1】
【0079】6つの得られるシリコーン系剥離コーティ
ング剤組成物を次いで、S2Sクラフトペーパー上に、
ハンドロールブレードコーターを使用して、約0.7ポ
ンド(317g)/連の厚みで、コーティングした。
【0080】コーティングされた紙を、15秒間300
℃で、パイロットコーターの強制空気オーブン中で架橋
させた。商業的に入手可能なプレキャスト熱溶融感圧接
着剤でコーティングされたプラスチックフィルムを、5
ポンド(2.26kg)の硬質ゴムがコーティングされ
たローラーを使用して、新規に調製された剥離コーティ
ング剤表面の上に再び積層した。コーティングは、積層
前に室温で1日間熟成された。積層物もまた、更に1日
圧力下で室温で熟成された。積層物を、剥離力測定のた
めに、約1インチ(2.54cm)幅の小片に切った。
剥離力試験を、Imass(R)高速剥離試験機を使用
して、3つの層間剥離速度、即ち、0.3m/分、10
m/分、及び、300m/分で行った。それぞれの速度
での剥離力の4つの測定の平均を取り、得られる平均値
を、それぞれの試料毎に、以下の表2に示す。剥離力
(g)を表2に報告する。
【0081】
【表2】
【0082】シリコーン系剥離コーティング剤を、シリ
コーン系剥離コーティング剤(下記表3中ではコーティ
ング剤A又はBと表されている)、1又はそれ以上のM
Q樹脂(下記表3中ではMQ1又はMQ2と表されてい
る)、及び、フルオロシリコーン化合物(下記表3中で
はフルオロSiと表されている)を混合することによっ
て、調製した。これらの成分を下記の表3に示される量
(g)で混合した。7つのシリコーン系剥離コーティン
グ剤を調製した。それらのうちの幾つかは、比較の剥離
コーティング剤(表3中ではCRELで表されている)
であり、他のものは本発明によるものであった(表3中
ではRELで表されている)。
【0083】コーティング剤Bは、重合度が約150
の、一般式ViMe2 SiO(Me2SiO)x SiM
2 Viを有する化合物約97%、白金触媒(塩化白金
酸とジビニルテトラメチルジシロキサンから形成され
る、約0.70%の白金を含有する可溶性白金錯体)約
2%、及び、メチルビニルシクロシロキサン約1%を含
有する混合物であった。
【0084】コーティング剤Cは、約1.6重量%ケイ
素結合された水素含量を有し、粘度が約30mm2 /s
の、トリメチルシロキシで末端をブロックされたポリメ
チルハイドロジェンシロキサンを約75%、平均一般式
Me3 SiO(MeHSiO)5 (Me2 SiO)3
iMe3 を有する化合物を約20%、及び、3,5ジメ
チル−1−ヘキシン−3オールを約5%含有する混合物
であった。
【0085】MQ2は、一般式M1.28 0.2Q(式中、
Mは(CH33 SiO1 /2単位を表し、Mn は〔CH
2 =CH−(CH2n 〕〔(CH32 〕SiO1 /2
を表す(式中は、アルケニル基中の(CH2 )単位の
数を表し、Qは、SiO2 基を表す。))を有するMQ
樹脂を約97%、白金触媒(塩化白金酸とジビニルテト
ラメチルジシロキサンから形成される、約0.70%の
白金を含有する可溶性白金錯体)約2%、及び、メチル
ビニルシクロシロキサン約1%を含有する混合物であっ
た。
【0086】MQ3は、重合度が約25の、一般式Vi
Me2 SiO(Me2 SiO)x SiMe2 Viを有す
る化合物約48%、及び、1官能性(M)単位及びSi
2(Q)単位として(なお、Q単位に対するM単位の
モル比は約0.7/1であり、樹脂共重合体は約1.75
〜2.3重量%のビニル基を含有している。)トリメチ
ルシロキシ単位とジメチルビニルシロキシ単位を有する
MQ樹脂約52%、白金触媒(塩化白金酸とジビニルテ
トラメチルジシロキサンから形成される、約0.70%
の白金を含有する可溶性白金錯体)約2%、及び、メチ
ルビニルテトラシクロシロキサン約1%を含有する混合
物を97%含有する混合物であった。
【0087】フルオロSi、フルオロシリコーン化合物
は、一般式Me3 SiO(MeRSiO)12(MeHS
iO)28SiMe3 (式中Rは、−CH2 CH2 CF2
CF2 CF2 CF3 を表す。)を有する化合物であっ
た。剥離コーティング剤1〜11(REL1〜REL1
1)において、コーティング剤Cを約91.5部、及
び、フルオロSi約8.5部を、他の成分の添加前に予
め混合した。
【0088】
【表3】
【0089】全てのシリコーン系剥離コーティング剤組
成物を次いで、Glassine(登録商標)(AV1
00)ペーパーに、300m/分のライン速度で、製造
規模のコーターで、塗工し、200℃で、汚れず、移行
せず、またこすれて落ちることが無い状態(NNN)ま
で架橋させた。NNNまで架橋された時に、全ての更な
る試験を、これらの試料で行った。積層物を、標準のT
ESA(登録商標)テープを使用して、架橋後直ちにオ
フラインで調製した。3つのテープを特に使用した:ア
クリル酸系接着剤を使用するTESA(登録商標)74
75、及びゴム系接着剤を使用するTESA(登録商
標)4154及び7476。紙シートからテープの層間
剥離は、層間剥離速度0.3m/分で、Lloyd(登
録商標)装置層間剥離機を使用して行った。
【0090】室温(20℃)で4週間、積層された紙を
貯蔵した後、層間剥離を行った。剥離力を測定し、表4
に示す。剥離の滑らかさの表示である滑り−粘着係数
(slip-stick factor)もまた測定した。滑り−粘着係
数は、平均の剥離力(平均荷重Mean Load)に対する平
均最大剥離力(平均最大荷重 Mean Max Load)(10点
の平均)として計算した。
【0091】この係数が低ければ低いほど、層間剥離は
スムーズである。1.10未満の係数が通常、滑らかな
剥離として取られる。下記表4には、剥離力を、TES
A(登録商標)7475、及び、TESA(登録商標)
7476テープに対しては、g/20mmで、TESA
(登録商標)4154テープに対してはg/25mmで
示し、層間剥離速度をm/分で示す。
【0092】
【表4】
【0093】
【表5】
【0094】上記のデーターから、一般的に本発明の剥
離改質剤組成物を含有するシリコーン系剥離コーティン
グ剤は、従来の剥離コーティング剤と比較して、標準の
テープに対抗して高い剥離力を与え、またゆっくりとし
た層間剥離速度で非常に滑らかに剥離することが明らか
である。本発明の剥離改質剤組成物を含有するシリコー
ン系剥離コーティング剤はまた、従来の剥離コーティン
グ剤よりも高い効率を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 590001418 ダウ・コ−ニング・コ−ポレ−ション DOW CORNING CORPORA TION アメリカ合衆国ミシガン州ミッドランド (番地なし) (72)発明者 キュハ・チョン アメリカ合衆国、ミシガン州、ミッドラン ド、トレイル・ウッド・サークル・ノース 4707 (72)発明者 サイモン・ハーフォード イギリス国、サウス・グラモーガン、カー ディフ、リスヴェイン、セフン・オン・メ ドーズ 31 (72)発明者 ブカンダス・パルブー イギリス国、サウス・グラモーガン、バリ ー、アスク・ウェイ 43

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)フルオロシリコーン化合物を含有
    する剥離改質剤組成物であって、該剥離剤組成物はま
    た、(ii)本質的に一般式SiO2 (Q)及びR3 Si
    1 /2(M)からなる単位からなるMQ樹脂(式中、R
    は、炭素原子を1〜20個有する、1価の芳香族又は飽
    和脂肪族炭化水素基、水素原子、及び炭素原子を2〜2
    0個有するアルケニル基から選択されるものであり、但
    し、MQ樹脂分子当たり末端不飽和を有する少なくとも
    1つのアルケニル基があること。)を含有し、かつ、該
    フルオロシリコーン化合物(i)が下記一般式(1)を
    有することを特徴とする、剥離改質剤組成物: 【化1】 (式中、R’は、炭素原子を1〜20個有する、1価の
    芳香族又は脂肪族飽和炭化水素基を表し、Aは、R’又
    は水素を表し、R1 は少なくとも炭素原子を2つ有する
    アルキレン基であり、及び、Bは炭素原子を4〜8個有
    するパーフルオロアルキル基であり、は0〜100の
    値を有し、は1〜100の値を有し、は1〜100
    の値を有し、但し、/(l+m+n)が0.08以上
    の値を有し、かつ、化合物(i)当たり少なくとも3つ
    のケイ素結合された水素原子が存在する。)
  2. 【請求項2】 MQ樹脂(ii)中、4価の(Q)単位に
    対する1価の(M)単位の比が、0.2/1〜4/1で
    あり、Rがメチル基を表し、かつ、(ii)中のアルケニ
    ル基が、ビニル、一般式−(CH2a CH=CH2
    (式中、は1〜18の値を有する。)を有する高級ア
    ルケニル基、及び、一般式−(CH2b CH=CH−
    (CH2c CH=CH2 (式中、は1〜9の値を有
    し、は1〜9の値を有する。)を有する高級アルケニ
    ル基から選択されることを更に特徴とする、請求項1記
    載の剥離改質剤組成物。
  3. 【請求項3】 剥離改質剤組成物中、成分(ii)の量が
    10〜95重量%であり、かつ、成分(i)の量が0.0
    5〜40重量%であることを更に特徴とする、請求項1
    記載の剥離改質剤組成物。
  4. 【請求項4】 (A)剥離改質剤組成物、(B)1分子
    当たり少なくとも3つのケイ素結合された水素を有する
    オルガノシリコン化合物、(C)アルケニル基とケイ素
    結合された水素基との間の付加反応を促進し得る、効果
    量の貴金属触媒、及び、任意に(D’)ポリジオルガノ
    シロキサン分子当たり、少なくとも2つのケイ素結合さ
    れたアルケニル官能性基を有するポリジオルガノシロキ
    サンを含有するシリコーン系剥離コーティング剤組成物
    であって、前記剥離改質剤組成物が、(i)下記一般式
    (1)を有するフルオロシリコーン化合物、及び、(i
    i)本質的に一般式SiO2 (Q)及びR3 SiO1 /2
    (M)からなる単位からなるMQ樹脂(式中、Rは、炭
    素原子を1〜20個有する、1価の芳香族又は飽和脂肪
    族炭化水素基、水素原子、及び炭素原子を2〜20個有
    するアルケニル基から選択されるものであるが、但し、
    MQ樹脂分子当たり末端不飽和を有する少なくとも1つ
    のアルケニル基があること。)を含有することを特徴と
    する、前記シリコーン系剥離コーティング剤組成物: 【化2】 (式中、R’は、炭素原子を1〜20個有する、1価の
    芳香族又は脂肪族飽和炭化水素基を表し、Aは、R’又
    は水素を表し、R1 は少なくとも炭素原子を2個有する
    アルキレン基であり、及び、Bは炭素原子を4〜8個有
    するパーフルオロアルキル基であり、は0〜100の
    値を有し、は1〜100の値を有し、は1〜100
    の値を有し、但し、/(l+m+n)が0.08以上
    の値を有し、かつ、化合物(i)当たり少なくとも3つ
    のケイ素結合された水素原子が存在する。)
  5. 【請求項5】 成分(B)が、下記一般式(2)を有す
    るオルガノシリコン化合物であることを更に特徴とす
    る、請求項4に記載のシリコーン系剥離コーティング剤
    組成物: 【化3】 (式中、R2 は、炭素原子を10個まで有するアルキル
    基又はアリール基を表し、R3 は、R2 又は水素原子を
    表し、は0〜20の値を有し、は1〜70の値を有
    し、かつ、1分子当たり少なくとも3個のケイ素結合さ
    れた水素原子が存在する。)
  6. 【請求項6】 基材から接着性物質を剥離する能力を有
    する基材にするための、基材のコーティング方法であっ
    て、(i)下記一般式(1)を有するフルオロシリコー
    ン化合物、及び、(ii)本質的に一般式SiO2 (Q)
    及びR3 SiO1 /2(M)からなる単位からなるMQ樹
    脂(式中、Rは、炭素原子を1〜20個有する、1価の
    芳香族又は飽和脂肪族炭化水素基、水素原子、及び炭素
    原子を2〜20個有するアルケニル基から選択されるも
    のであるが、但し、MQ樹脂分子当たり末端不飽和を有
    する少なくとも1つのアルケニル基があること。)を含
    有する(A)剥離改質剤組成物: 【化4】 (式中、R’は、炭素原子を1〜20個有する、1価の
    芳香族又は脂肪族飽和炭化水素基を表し、Aは、R’又
    は水素を表し、R1 は少なくとも炭素原子を2個有する
    アルキレン基であり、及び、Bは炭素原子を4〜8個有
    するパーフルオロアルキル基であり、は0〜100の
    値を有し、は1〜100の値を有し、は1〜100
    の値を有し、但し、/(l+m+n)が0.08以上
    の値を有し、かつ、化合物(i)当たり少なくとも3個
    のケイ素結合された水素原子を有する。) (B)1分子当たり少なくとも3個のケイ素結合された
    水素を有するオルガノシリコン化合物、(C)アルケニ
    ル基とケイ素結合された水素基との間の付加反応を促進
    し得る、効果量の貴金属触媒、及び、任意に(D’)ポ
    リジオルガノシロキサン分子当たり、少なくとも2つの
    ケイ素結合されたアルケニル官能性基を有するポリジオ
    ルガノシロキサンを含有するシリコーン系剥離コーティ
    ング剤組成物を基材に塗工し、かつその後該基材及び塗
    工された組成物を熱に曝すことを特徴とする、前記基材
    のコーティング方法。
JP8343933A 1995-12-23 1996-12-24 シリコーン系剥離コーティング剤組成物 Withdrawn JPH09278893A (ja)

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