JPH09278833A - セルロース含有高分子 - Google Patents

セルロース含有高分子

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JPH09278833A
JPH09278833A JP8647696A JP8647696A JPH09278833A JP H09278833 A JPH09278833 A JP H09278833A JP 8647696 A JP8647696 A JP 8647696A JP 8647696 A JP8647696 A JP 8647696A JP H09278833 A JPH09278833 A JP H09278833A
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cellulose
water
vinyl
graft
polymer
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JP8647696A
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Manabu Tsuruta
学 鶴田
Masahiko Mitsuzuka
雅彦 三塚
Hiroto Kawabata
裕人 川畑
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B24/00Use of organic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. plasticisers
    • C04B24/24Macromolecular compounds
    • C04B24/38Polysaccharides or derivatives thereof
    • C04B24/383Cellulose or derivatives thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/0045Polymers chosen for their physico-chemical characteristics
    • C04B2103/0059Graft (co-)polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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  • Materials Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 水溶性セルロースエーテルにビニルアル
コールカルボン酸エステルをグラフト重合させた新規な
セルロース含有高分子であり、またこれをけん化して得
られるセルロース含有高分子である。 【効果】 本発明により新規なセルロース含有高分子が
得られ、従来のセルロース誘導品にない、または従来よ
り機能が改良された製品が利用できるようになる。これ
は、コンクリート用増粘剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリマ
ー、親水性ポリマー、水溶性ポリマーまたは各種の増粘
剤として有用な新規なセルロース含有高分子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から水溶性セルロースエーテル類は
優れた熱的・化学的安定性、生体への親和性、水溶液の
高い粘性などから主として増粘剤として用いられてきた
が、フィルムなどへの成形性が乏しいことなどから用途
が限られてきた。また増粘剤としては、高流動コンクリ
ート用増粘剤や押し出し成形セメント板用増粘剤などの
建材用途に用いるには高価であるという問題点があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は新しい
セルロース含有高分子を提供し、新規な熱可塑性ポリマ
ーや増粘剤としてセルロース誘導体の用途を拡大し産業
界に貢献することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(1) 水溶性セルロースエーテルにビニルアルコール
カルボン酸エステルをグラフト重合させてなるセルロー
ス含有高分子、(2) ビニルアルコールカルボン酸エ
ステルとして酢酸ビニルを用いた(1)記載のセルロー
ス含有高分子、(3) グラフト重合としてO/W型エ
マルジョン重合を用いる(1)又は(2)記載のセルロ
ース含有高分子、(4) 水溶性セルロースエーテルに
ビニルアルコールカルボン酸エステルをグラフト重合さ
せるセルロース含有高分子の製造方法、(5) ビニル
アルコールカルボン酸エステルとして酢酸ビニルを用い
る(4)記載の製造方法、(6) O/W型エマルジョ
ン重合を用いて重合させる(4)又は(5)記載の製造
方法、(7) (1)記載のグラフト共重合体をけん化
して得られる水溶性セルロース含有高分子、(8)
(7)記載の水溶性セルロース含有高分子を主成分とす
るコンクリート用増粘剤に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いる水溶性セルロース
エーテルは、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、エチルセルロースなどが例として挙げられる水
溶性セルロースエーテル類である。これらのセルロース
エーテル類は単独で用いても複数の種類のセルロースエ
ーテルを混合して用いてもよい。本発明で用いるグラフ
ト重合のモノマーであるビニルアルコールカルボン酸エ
ステルは式(1)〔化1〕
【0006】
【化1】 CH2=CH−O−C(=O)R (1) (Rは直鎖ないし分岐のアルキル基)で表される。例を
挙げれば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビ
ニル、イソ酪酸ビニル、n−吉草酸ビニル、イソ吉草酸
ビニル、エチルメチル酢酸ビニル、トリメチル酢酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニルなどのエステ
ル類等、炭素数が1〜7の直鎖ないし分岐のアルキル基
であるものが挙げられる。また該アルキル基Rの水素の
一部ないし全部がハロゲンで置換していてもよく、例を
挙げればクロロ酢酸ビニル、ジクロロ酢酸ビニル、トリ
クロロ酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、3−クロ
ロプロピオン酸ビニル、2、3−ジクロロプロピオン酸
ビニル、3−クロロ−2−メチルプロピオン酸ビニル、
ヘプタフルオロ酪酸ビニルなどが挙げられる。これらの
ビニルエステル類は単独で用いても複数の種類のビニル
エステルを混合して用いてもよい。
【0007】本発明により得られるセルロース含有高分
子は、上記水溶性セルロースエーテルに上記ビニルアル
コールカルボン酸エステルがビニル重合によりグラフト
したものである。
【0008】グラフト重合は水溶性セルロースエーテル
上の水素引き抜きによるラジカルをグラフトの開始点と
して行い、開始剤ラジカルによる連鎖移動、ポリマーラ
ジカルからの連鎖移動、またレドックス反応等によるセ
ルロースエーテル上に直接ラジカルを発生させる等の方
法で行うことができる。グラフト重合の方法としてはモ
ノマー及び水溶性セルロースエーテルともに溶解する有
機溶剤を用いた均一系での溶液重合や無溶媒でセルロー
スエーテルをモノマー中に分散させた不均一系での分散
重合で行うことができる。また、セルロースエーテル水
溶液を用い、モノマーを分散、懸濁、乳化させた懸濁重
合、分散重合、乳化重合で行うことができる。特に水溶
性セルロースエーテルの水溶液中にモノマーであるビニ
ルアルコールカルボン酸エステルを乳化、分散させたO
/W型エマルジョンで、水溶性重合開始剤を用いて重合
させると好結果が得られ特に好ましい。重合方法は常圧
ないし加圧のエマルジョン重合の際に通常行われる方法
が有効に用いられる。モノマーは液状で水溶液に加えて
もよいし、気化させて水溶液に吹き込んでもよい。水溶
性セルロースエーテルはそれ自身が界面活性能を有する
のでモノマーの分散は容易であるが、必要があれば補助
的に各種界面活性剤を用いることができる。
【0009】本発明で用いる水溶性セルロースエーテル
の分子量は目的物の分子量や高分子物性によっても異な
り特に限定するものではないが、平均分子量1万〜15
万程度のものが有効に用いられる。
【0010】水溶性セルロースエーテルの水溶液を用い
る場合その濃度は目的物のグラフト率により異なるが、
水溶液濃度で0.1〜50重量%、より好ましくは1〜
10重量%が適当である。0.1%重量未満ではグラフ
トポリマーの収率が低下する。また50%重量を超える
と低分子量のセルロースエーテルを用いても溶液粘度が
高すぎて重合が均一に進行しにくい。
【0011】加えるモノマーの量は目的物のグラフト率
により異なるが、水溶性セルロースエーテルに対して1
〜10000重量%が適当である。より好ましくは10
〜2000重量%、更に好ましくは50〜1000重量
%である。1%未満では得られるポリマーのグラフト率
が低く、特性がもとのセルロースエーテルとあまり変わ
らない。10000%を超えるとホモポリマーの生成が
多くなり目的物の収率が低下する。
【0012】モノマーとしては、該ビニルアルコールカ
ルボン酸エステルにおよそ40重量%まで他のビニルモ
ノマーを加えて共重合することができる。共重合できる
ビニルモノマーとしてはエチレン、プロピレン、ブテ
ン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィンや塩化ビ
ニル、スチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル
酸エステルやメチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル
などのビニルエーテル類などの水への溶解度が低いモノ
マーが挙げられる。
【0013】モノマーの反応容器への仕込みは、セルロ
ース水溶液との一括仕込みでも、重合中にモノマーを連
続的に導入する方法でもよい。反応圧力は反応温度とモ
ノマーの蒸気圧によっても異なるが、常圧でも加圧でも
よい。
【0014】重合開始剤としては4価セリウム塩や過硫
酸塩−酸性亜硫酸塩、過硫酸塩−1価銀塩、過酸化水素
−金属塩、過硫酸塩ー金属塩、過硫酸塩−ハロゲン化リ
チウムなどのレドックス系開始剤や過沃素酸塩、過マン
ガン酸塩、過硫酸塩などの無機系酸化剤や有機酸過酸化
物などの有機系酸化剤などの、ラジカル重合に一般的に
用いられる開始剤を用いることができる。本発明におい
ては、中でも水溶性で連鎖移動性が高くグラフト共重合
の開始剤として有効な過硫酸塩系の開始剤や、セルロー
ス誘導体からの水素引き抜き能力の高い4価セリウム塩
を用いることがより好ましい。開始剤の導入は原料とと
もに一括仕込みでもよいが、連続的に反応容器に導入し
てもよい。レドックス系では酸化剤と還元剤の一方を一
括仕込みし、他方を連続的に導入する方法が一般的であ
る。
【0015】重合開始剤の添加量は用いる開始剤の種類
によっても異なるが、典型的には対モノマー比で0.0
1〜10モル%、より好ましくは0.05〜2モル%程
度が適当である。少なすぎるとモノマーの重合率が低下
する。また生成物がゲル化し易い。多すぎるとモノマー
のグラフト効率が低下する。また経済的でない。
【0016】重合度を調節するために、必須ではない
が、連鎖移動剤(連鎖停止剤)を用いることができる。
油溶性の化合物が好ましく、高級アルコール類やメルカ
プタン類が例として挙げられる。またアリルアルコー
ル、アリルエーテル類、アリルエステル類、アリルアミ
ン類などのアリル化合物やジエチルアミン、ブチルアミ
ンなどのアミン類やクロロホルム、四塩化炭素などの塩
化物はモノマーのグラフト効率の低下が少ないのでより
好ましい。添加量は目的とする重合度により異なるが、
対モノマー比で0.01〜10モル%程度が適当であ
る。
【0017】反応温度は用いる重合開始剤やモノマーの
種類により異なるが、典型的には0〜90℃、より好ま
しくは10〜60℃である。0℃より低いと溶液粘度が
高くなり好ましくない。また90℃以上ではセルロース
エーテルが熱ゲル化し易い。反応時間は反応温度、用い
る重合開始剤やモノマーの種類、原料や重合開始剤の導
入方法などにより異なるが、典型的には1〜10時間程
度である。
【0018】生成物はグラフト率やモノマーの種類によ
り水溶性や非水溶性でありうる。従って精製方法は限定
的ではなく、生成物の性質により通常一般に用いられる
方法から適時選択すればよい。一例を挙げれば、反応液
にエーテルを加え未反応モノマーを抽出し、非水溶性の
生成物は沈殿として濾過後水洗し乾燥する。水溶性の生
成物はメタノール中で沈殿させ濾過後乾燥する。
【0019】得られた高分子のグラフト率は原料仕込み
量や開始剤の量により異なるが、典型的には1〜100
000%のものが得られる。特にグラフト率10〜10
000%のものは好収率で得られる。分子量は用いた原
料やグラフト率により異なるが1万〜500万程度であ
る。
【0020】得られた高分子はエマルジョンでまたは溶
液で繊維加工、捺染などの糊として、また塗料原料、紙
サイズ剤などとして用いられる。また熱可塑性樹脂とし
てフィルムや成形体に加工して用いることができる。ま
た、水溶液系増粘剤、有機溶媒系溶液増粘剤、ラテック
ス等の乳化液、分散液等の増粘剤として使用できる。更
に、本発明で得られる高分子をけん化することが可能
で、けん化することにより親水性の高い水溶性セルロー
ス含有高分子とすることもできる。
【0021】けん化の方法は特に限定するものではな
く、一般に公知の以下の方法で行うことができる。アル
コール溶液中で水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の
アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、ア
ルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ
金属炭酸塩などの塩基性物質によるけん化反応、アルコ
ール溶液中での酸によるけん化反応等が上げられる。け
ん化反応に用いる水溶性セルロースエーテルへのビニル
アルコールカルボン酸エステルのグラフト共重合体のア
ルコール溶液の濃度は、特に限定される物ではないが概
ね10%〜70%の範囲である。また、合成後のエマル
ション状態でも、濃縮した物でも、乾燥固化した物でも
変わらず用いることができる。けん化反応時の系内の水
の量は特に限定される物ではないが0%〜70%が好ま
しい。反応系内に水が多くあると副反応により効率が低
下するので系内の水を0%〜10%と少なくし、アルカ
リ、酸触媒によるアルコールとのエステル交換反応によ
るけん化を行うのがより好ましい。
【0022】けん化反応の溶媒として用いるアルコール
には特に限定はなく、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール等を用いることができるのが
費用的な面と、反応性からメタノールを用いることが好
ましい。触媒として用いる酸、アルカリの濃度は、系内
の水分量、得ようとするけん化度により一概にはいえな
いが、概ねグラフトしたビニルアルコールカルボン酸エ
ステルの10モル%〜200モル%の範囲で用いる。け
ん化反応の温度は特に限定される物でなく、概ね0℃か
ら用いたアルコールの沸点の範囲で行われる。けん化の
程度は部分けん化でも完全けん化でも可能である。生成
ポリマーの新水性など物性が異なるので目的に応じて選
択できる。部分けん化品はモルタル中のような強アルカ
リ下では不安定なので、モルタルないしコンクリート用
の増粘剤として用いる場合には、ほぼ完全にけん化した
ものがより適している。
【0023】モルタルないしコンクリート用の増粘剤と
してはアルカリ中で安定なこと、セメントの水和に悪影
響を与えないこと、モルタルないしコンクリートの粘度
や流動性が良好なことなどの理由によりセルロースエー
テル類が用いられているが、比較的高価なために、より
安価な増粘剤が求められてきた。一方、ポリビニルアル
コールはより安価な水溶性高分子であるが、コンクリー
ト用増粘剤として充分な水溶液粘度を得るにはセルロー
スエーテル類の数〜数十倍の添加量が必要であり、実際
上用いることができなかった。本発明の増粘剤は添加量
を低減でき、なおかつ増粘剤中のセルロースエーテルの
占める割合が低いのでより安価に提供できる。用途とし
てはモルタル用増粘剤、水中コンクリート用増粘剤、高
流動コンクリート用増粘剤(材料不分離剤)や押し出し
成形セメント板用増粘剤(成形助剤)などが挙げられ
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 (セルロースエーテルへの酢酸ビニルのグラフト重合)
ビニルアルコールカルボン酸エステルモノマーとして酢
酸ビニルを用いた製造例を示す。濃度は特に断らないか
ぎり重量%である。分子量の分析はGPC法により、カ
ラムはShodexOH-pak SB-80M+SB-804(Na2HPO4-KH2PO4(5
0mM)-NaNO3(0.1M), pH6.5)、RI検出器を用い、プル
ランを標準物質として求めた。
【0025】実施例1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学メトロ
ーズ65SH−50、2%溶液粘度49cpのもの)の
3%溶液300g(固形分9g)に酢酸ビニルモノマー
90g、過硫酸アンモニウム(APS)0.707gを
溶解させた10mlの水溶液を加え、ホモゲナイザーを
用いて乳化させた。これを撹拌機、冷却管、温度計、窒
素吹き込み管の付いた1L丸底フラスコに仕込み、窒素
を1時間バブリングさせて脱気した。反応容器を10℃
に冷却し溶液を撹拌しながら、亜硫酸水素ナトリウム
(SBS)の0.484gを溶解した水溶液30mlを
2時間かけて滴下した。滴下終了後50℃に昇温し3時
間後続反応させた。
【0026】反応液に残モノマーがないことをガスクロ
マトグラフィーにより確認した。反応液の200gを取
り、これにメタノール400mlを加えると透明な均一
溶液となった。この溶液をエバポレーターで200ml
まで濃縮し、これを水中へ注ぐと沈殿物が得られた。こ
の沈殿物を濾過し風乾後真空乾燥させた。収量50gで
乳白色固体が得られた。この化合物はメタノールに可
溶、水、エーテル、炭化水素に不溶であった。
【0027】(分析結果) GPC: Mw Mn Mw/Mn 281,000 55,000 5.1 IRスペクトル(図1):3300〜3500cm-1から
ヒドロキシル基を、また、1740cm-1付近の吸収から
エステル基を、さらに1124cm-1付近の吸収からエテ
ール基を含むポリマーであることを確認できる。 元素分析: C(%) H(%) N(%) 54.4 6.9 0
【0028】実施例2 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(実施例1と同
じ)の3%溶液300g(固形分9g)に酢酸ビニルモ
ノマー90gを加え、ホモゲナイザーを用いて乳化させ
た。これを撹拌機、冷却管、温度計、窒素吹き込み管の
付いた1L丸底フラスコに仕込み、窒素を1時間バブリ
ングさせて脱気した。反応容器を10℃に冷却し溶液を
撹拌しながら、第二硝酸セリウムアンモニウム(CA
N)0.567gの1規定硝酸水溶液20mlを添加した。
添加終了後30℃で2時間反応を継続し、さらに50℃
に昇温し23時間後続反応させた。
【0029】反応液にエーテル100mlを加え残モノ
マーを抽出した。撹拌後エーテル層をデカンターション
で除いた。エーテル層に残モノマーがないことをガスク
ロマトグラフィーにより確認した。残った反応液の50
%を取り、アセトン100mlを加えると透明な均一状
態で溶解した。これを水中に投入すると、白色の生成物
が沈殿した。この沈殿を濾過し水洗後真空乾燥させた。
収量45gで乳白色粉末が得られた。この化合物はメタ
ノールに可溶、水、エーテル、炭化水素に不溶であっ
た。
【0030】(分析結果) GPC: Mw Mn Mw/Mn 400,000 105,000 3.8 IRスペクトル(図2):実施例1と同様に3300〜
3500cm-1からヒドロキシル基を、また、1740cm
-1付近の吸収からエステル基を、さらに1124cm-1
近の吸収からエテール基を含むポリマーであることを確
認できる。 元素分析: C(%) H(%) N(%) 54.8 6.4 0
【0031】実施例3 (グラフト重合物である証明)実施例1で得られた高分
子の90mgを100mlガラス製フラスコにとり、蒸
留水12mlを加え、マグネチックスターラーで撹拌し
ながら90℃で1時間加熱し、高分子を溶解した。室温
まで放冷後、溶液を2ml分取し溶液Aとした。残りの
溶液に1規定硫酸15mlを加え120℃で2時間加熱
した。室温まで放冷後、炭酸バリウム粉末4.0gを加
え中和した。沈殿を遠心分離後上澄みをとり溶液Bとし
た。
【0032】GPC法によりA液、B液中の高分子の分
子量を測定した。 A液と比較してB液の分子量が低下している。
【0033】原料のセルロースエーテルはここで用いた
検出系では検出されない。またPVAホモポリマーは上
記の処理により分子量が変化しないことは確認したの
で、この結果は硫酸により幹ポリマーであるセルロース
エーテルのグルコキシド結合が解裂し、グラフトしてい
たポリビニルアルコールの分子量が測定されたためと解
釈され、従ってセルロースエーテルへのグラフト重合が
確認された。
【0034】水溶性セルロースエーテルへのビニルアル
コールカルボン酸エステルのグラフト共重合体として酢
酸ビニルがグラフト共重合したメチルセルロースを用
い、これをけん化した例を示す。濃度は特に断らないか
ぎり重量%である。
【0035】実施例4 実施例1の方法により得られた酢酸ビニルがグラフト共
重合したメチルセルロースの50gをメタノール200
mlに溶かし、苛性ソーダを5g加え50℃に加温し2
0分間撹拌しけん化した。沈殿を濾過し、減圧乾燥後白
色固体27gが得られた。
【0036】(分析結果) GPC: Mw Mn Mw/Mn 183,000 54,000 3.4 IRスペクトル(図3):図1のスペクトルと比較し
て、1740cm-1付近の吸収が小さくなっていることか
らエステル部分がけん化されたポリマーであることが確
認できる。 元素分析: C(%) H(%) N(%) 52.3 8.6 0
【0037】実施例5 (モルタル増粘剤)実施例1で得られた高分子の水溶液
をモルタルに添加し、二重円筒型回転粘度計を用いてモ
ルタルの降伏応力と塑性粘度を測定した。モルタルの配
合は水/セメントが0.65、標準砂/セメントが2.
0である。 添加量(対水重量%) 降伏応力(g/cm2) 塑性粘度(ポアズ) 0 0.2 18 0.5 0.6 65 1.0 2.3 160 高分子を添加することによりモルタルの粘度が増加して
いる。モルタルおよびコンクリート用増粘剤として有用
であることが示された。
【0038】
【発明の効果】本発明により新規なセルロース含有高分
子が得られ、従来のセルロース誘導品にない、または従
来より機能が改良された製品が利用できるようになっ
た。また従来のセルロース誘導品より安価な製品が利用
できるようになった。また、このけん化製品はコンクリ
ート用増粘剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1により得られたセルロース含有高分子
のIRスペクトル
【図2】実施例2により得られたセルロース含有高分子
のIRスペクトル
【図3】実施例4により得られた水溶性セルロース含有
高分子のIRスペクトル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性セルロースエーテルにビニルアル
    コールカルボン酸エステルをグラフト重合させてなるセ
    ルロース含有高分子。
  2. 【請求項2】 ビニルアルコールカルボン酸エステルと
    して酢酸ビニルを用いた請求項1記載のセルロース含有
    高分子。
  3. 【請求項3】 グラフト重合としてO/W型エマルジョ
    ン重合を用いる請求項1又は2記載のセルロース含有高
    分子。
  4. 【請求項4】 水溶性セルロースエーテルにビニルアル
    コールカルボン酸エステルをグラフト重合させるセルロ
    ース含有高分子の製造方法。
  5. 【請求項5】 ビニルアルコールカルボン酸エステルと
    して酢酸ビニルを用いる請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 O/W型エマルジョン重合を用いて重合
    させる請求項4又は5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のグラフト共重合体をけん
    化して得られる水溶性セルロース含有高分子。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の水溶性セルロース含有高
    分子を主成分とするコンクリート用増粘剤。
JP8647696A 1996-04-09 1996-04-09 セルロース含有高分子 Pending JPH09278833A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100611889B1 (ko) * 2001-04-18 2006-08-11 주식회사 효성 셀룰로오스 섬유의 제조방법
BE1026186B1 (nl) * 2018-09-07 2019-10-30 RDS Group bvba Een isolerende en waterbestendige mortel
CN112250799A (zh) * 2020-10-19 2021-01-22 上海是大高分子材料有限公司 一种有机硅改性聚羧酸盐分散剂及其制备方法和应用

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