JPH09278796A - 熱安定性が増強したエクオリン改変体 - Google Patents

熱安定性が増強したエクオリン改変体

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JPH09278796A
JPH09278796A JP8094035A JP9403596A JPH09278796A JP H09278796 A JPH09278796 A JP H09278796A JP 8094035 A JP8094035 A JP 8094035A JP 9403596 A JP9403596 A JP 9403596A JP H09278796 A JPH09278796 A JP H09278796A
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JP
Japan
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apoaequorin
aequorin
amino acid
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JP8094035A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Mochizuki
月 博 望
Toru Yamakawa
川 徹 山
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Mochida Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Mochida Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性が高く、凍結乾燥を行わずとも、液体状
態で保存ができ、試薬や検査薬に応用した場合の保存方
法の簡便化や保存期間の延長を可能にするエクオリン改
変体の提供。 【解決手段】野生型アポエクオリンのアミノ酸配列中5
9位および182位のリジン残基のうち少なくとも1つ
を他のアミノ酸残基に改変したアポエクオリン改変体、
および該タンパク質をコードするDNA、さらに該タン
パク質を用いて得られるエクオリン改変体、エクオリン
改変体複合体、合わせて該タンパク質および該タンパク
質複合体の保存溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なアポエクオリ
ン改変体、該タンパク質を含有する新規なエクオリン改
変体、新規なアポエクオリン改変体をコードするDN
A、該DNAを含む新規な組み換えDNA、該組み換え
DNAによる形質転換体、該形質転換体を利用した新規
なアポエクオリン改変体の製造方法、新規なアポエクオ
リン改変体又はエクオリン改変体で標識した特異的結合
体を有する試薬、該試薬を用いる分析方法に関し、特に
耐熱性に優れ、凍結乾燥によらなくても長期保存が可能
なエクオリン改変体を提供する。また、エクオリン改変
体またはエクオリン改変体複合体を保存することができ
る保存溶液も提供する。ここで、アポエクオリン改変体
とは、野生型のアポエクオリンのアミノ酸配列の一部を
置換した組み換え体、アミノ酸配列の一部が脱落した組
み換え体、アミノ酸配列にオリゴペプチドが付加あるい
は挿入された組み換え体、あるいはそれらの組合わさっ
た組み換え体などである。さらに、発光以外の機能を持
つタンパク質と融合した組み換え体もアポエクオリン改
変体である。
【0002】
【従来の技術】エクオリンは発光オワンクラゲ(Aequor
ea victoria )の傘周辺に存在する生物発光タンパク
質複合体であり、1962年、Shimomura らにより精製され
た(J.Cell Comp. Physiol. 59: 223-239, 1962; Metho
ds in Enzymol. 57: 271-328,1978 )。エクオリンはタ
ンパク質部分のアポエクオリンと発光基質であるセレン
テラジン、および分子状酸素からなる複合体であり(J.
Chem. Soc. Chem. Comm.: 1566-1568, 1986)、カルシ
ウムイオンとの結合により発光するタンパク質複合体で
ある(Pharmacol. Rev. 28: 1-93, 1976; Biochem. Bio
phys. Res. Comm. 211: 359-363, 1995 )。1985年には
Charbonneauらがアポエクオリンのアミノ酸配列を決定
し(Biochemistry 24: 6762-6771, 1985)、Cormier ら
(Biochem. Biophys. Res. Comm. 126: 1259-1268, 198
5;特開昭 61-224989号)および Inouye ら(Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 82: 3154-3158, 1985; 特開昭 61-1
35586号)がアポエクオリン遺伝子をクローニングし、
その塩基配列を明らかにした。その後、エクオリンの機
能解析を行うため、いくつかのエクオリン改変体が作製
され、知見が得られた。例えば、システイン残基をセリ
ン残基に改変することで還元剤なしでもエクオリン再構
成ができること(Proc. Natl. Acad. Sci. USA86: 80-8
4, 1989; 特開昭 63-291586)、EFハンド内の Asp119Al
aの改変によりカルシウムイオン親和性は低下するが発
光強度はかわらないこと(Biochem. Biophys. Res. Com
m. 187:1091-1097, 1992)、C 末端プロリン残基は安定
性および発光強度に重要であること(Biochem. J. 293:
181-185, 1993; FEBS lett. 295: 63-66, 1991 )、Tr
p86Pheの改変は発光スペクトル変化をもたらすこと(FE
BSlett. 301: 197-201, 1992 )、Asp124Ser 、Glu135S
er あるいはGly129Ala の改変により発光強度が増加す
ること(USP 5360728 )、および His169 は酸素分子の
結合位置であること(FEBS lett. 320: 267-270, 1993
)が報告されている。
【0003】エクオリンはその発光量子収率が約 0.15
と高く(Nature 227: 1356-1357, 1959; Science 195:
996-998, 1976 )、分析方法の高感度標識として有用で
あり、イムノアッセイへの各種応用が報告されている。
例えば、エクオリン標識物の作製に関しては、エクオリ
ンを抗体に直接標識する方法(Biochem. Biophys. Res.
Comm. 174: 1331-1336, 1991;国際公開番号 WO-94/183
42号)、抗体や Protein Aとの融合タンパク質とする方
法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 2047-2051, 199
0; Biochem. Biophys. Res. Comm. 171:169-174, 199
0)、さらにDNAプローブ分析方法(Biochemistry,3
1,1433-1442(1992))、およびビオチン標識する方法(Bi
ochemistry 31: 1433-1442, 1992)が、またエクオリン
標識抗体で作製したイムノアッセイが高感度となること
(Bioluminescence and Chemiluminescence p320-327,
edited by AA Szalay, LJ Kricka and P Stanley, JOHN
WILEY& SONS 1993)が報告されている。
【0004】また、エクオリンはカルシウムイオンとの
結合により発光を生じることから、カルシウムイオン濃
度の測定に用いられている。これを用いて、細胞内カル
シウムイオン濃度の測定を行うことができ、アポエクオ
リン遺伝子のトランスジェニック植物に刺激を与え細胞
内カルシウムイオン濃度の変動を観察する方法(Natur
e,352,524-526(1991))が報告されている。
【0005】しかしながら、エクオリンは安定性が乏し
く、一般に保存は凍結乾燥状態でなければならない。Fl
anaganらはエクオリンの安定性について、エクオリンの
残存発光活性は最適条件で、溶液状態において室温で5
6日保存後32〜37%、35℃で9日保存後40%、
と報告されている(Bioluminescence and Chemilumines
cence p60-63, edited by AA Szalay, LJ Kricka and P
Stanley, JOHN WILEY& SONS 1993)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は耐熱性の高い
エクオリン改変体を提供することにより、凍結乾燥を行
わずとも、液体状態でエクオリンの保存ができるように
し、試薬や検査薬に応用した場合の保存方法の簡便化や
保存期間の延長を可能にすることを目的とする。さらに
本発明によれば、現在天然から少量しか得ることができ
なかったエクオリンを工業的に大量生産することが可能
になる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
ついて鋭意検討を重ねた結果、アポエクオリン中の特定
部位のアミノ酸を改変することにより、上記課題を解決
し得ることを見い出した。
【0008】すなわち、本発明は、野生型アポエクオリ
ンのアミノ酸配列中59位および182位のリジン残基
のうち少なくとも1つを他のアミノ酸残基に改変したア
ポエクオリン改変体を提供する。そのうち、前記他のア
ミノ酸残基がグルタミン、グルタミン酸、アルギニンお
よびヒスチジン残基から選ばれるアミノ酸残基であるア
ポエクオリン改変体が好ましく、特に、前記他のアミノ
酸残基がグルタミンおよびアルギニン残基から選ばれる
アミノ酸残基であるアポエクオリン改変体が好ましい。
【0009】さらに、上記アポエクオリン改変体をコー
ドするDNAも提供するし、該DNAを含むことを特徴
とする組み換えDNA、該組み換えDNAで形質転換さ
れたことを特徴とする形質転換体、該形質転換体を培養
し、その培養物よりアポエクオリン改変体を採取するこ
とを特徴とするアポエクオリン改変体の製造方法を提供
する。このような新規アポエクオリン改変体および、セ
レンテラジンまたはその誘導体からなり、カルシウムイ
オンにより発光反応を誘導されるエクオリン改変体が提
供される。
【0010】また、前記アポエクオリン改変体と特異的
結合体とが結合したアポエクオリン改変体複合体、該ア
ポエクオリン改変体複合体およびセレンテラジンまたは
その誘導体からなり、カルシウムにより発光反応を誘導
されるエクオリン改変体複合体を提供する。さらに、上
記アポエクオリン改変体複合体を含む試薬、および上記
エクオリン改変体複合体を含む試薬を提供する。また、
グルコース、マグネシウム、および塩化カリウムのうち
少なくとも1つを含有し、前記エクオリン改変体または
エクオリン改変体複合体を保存することができる保存溶
液ならびに、前記エクオリン改変体または前記エクオリ
ン改変体複合体を含む該保存溶液、特に10〜40%グ
ルコースおよび20〜200mMマグネシウム塩を含有
する該保存溶液を提供する。合わせて、試料中の標的物
質を測定する特異的結合分析方法であって前記のエクオ
リン改変体複合体から生じる発光活性を測定することを
特徴とする特異的結合分析方法も提供する。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のアポエクオリン改変体は野生型アポエクオリンの
アミノ酸配列中59位および182位のリジン酸基のう
ち少なくとも1つを他のアミノ酸残基に改変した新規な
タンパク質である。本発明のアポエクオリン改変体の具
体例を上げると配列表の配列番号1の下記のアミノ酸配
列を有する新規なタンパク質が挙げられる。改変後の好
ましい他のアミノ酸残基としては、リジン残基と同程度
の側鎖を持てば野生型アポエクオリンの機能が保存され
やすいと考えられるので、例えばグルタミン、グルタミ
ン酸が好ましく、あるいは、リジン残基と同じ正電荷を
持っても野生型アポエクオリンの機能が保存されやすい
と考えられるので、例えば、アルギニン、ヒスチジンが
好ましい。 Val Lys Leu Thr Ser Asp Phe Asp Asn Pro Arg Trp Ile Gly Arg 5 10 15 His Lys His Met Phe Asn Phe Leu Asp Val Asn His Asn Gly Lys 20 25 30 Ile Ser Leu Asp Glu Met Val Tyr Lys Ala Ser Asp Ile Val Ile 35 40 45 Asn Asn Leu Gly Ala Thr Pro Glu Gln Ala Lys Arg His X1aa Asp 50 55 60 Ala Val Glu Ala Phe Phe Gly Gly Ala Gly Met Lys Tyr Gly Val 65 70 75 Glu Thr Asp Trp Pro Ala Tyr Ile Glu Gly Trp Lys Lys Leu Ala 80 85 90 Thr Asp Glu Leu Glu Lys Tyr Ala Lys Asn Glu Pro Thr Leu Ile 95 100 105 Arg Ile Trp Gly Asp Ala Leu Phe Asp Ile Val Asp Lys Asp Gln 110 115 120 Asn Gly Ala Ile Thr Leu Asp Glu Trp Lys Ala Tyr Thr Lys Ala 125 130 135 Ala Gly Ile Ile Gln Ser Ser Glu Asp Cys Glu Glu Thr Phe Arg 140 145 150 Val Cys Asp Ile Asp Glu Ser Gly Gln Leu Asp Val Asp Glu Met 155 160 165 Thr Arg Gln His Leu Gly Phe Trp Tyr Thr Met Asp Pro Ala Cys 170 175 180 Glu X2aa Leu Tyr Gly Gly Ala Val Pro 185 189 ここでX1 aa およびX2 aa は、それぞれ、Lys
、Gln 、Glu 、Arg およびHis から選ばれた1つのア
ミノ酸を表す。但しX1 aa 、X2 aa 共にLys で
ある場合を除く。その具体的な組合せは、下記表1で○
が記載されている組合せである。 表1のうち、X1 aa 、X2 aa の少なくとも1つ
がGln またはArg であることが好ましく、特にX1 aa
(59位)がGln で、X2 aa (182位)がArg
であるアポエクオリン改変体が好ましい。本発明のアポ
エクオリン改変体は上記構成を取ることによって野生型
アポエクオリンより2〜4倍耐熱性が高い。
【0012】本発明のアポエクオリン改変体をコードす
るDNAは上記のアポエクオリン改変体をコードするも
のである。その使用コドンは特に限定されず、縮重の範
囲も含まれる。具体的には配列表の配列番号2の下記の
DNAの塩基配列で示される。 GTC AAG CTG ACA TCA GAC TTC GAC AAC CCA CGT TGG ATT GGA CGT 45 CAC AAG CAT ATG TTC AAT TTC CTT GAT GTC AAC CAC AAT GGA AAA 90 ATC TCT CTT GAC GAG ATG GTC TAC AAG GCA TCT GAT ATT GTC ATC 135 AAT AAC CTT GGA GCA ACA CCT GAG CAA GCC AAA CGT CAC N1N2N3GAT 180 GCT GTA GAA GCC TTC TTC GGA GGA GCT GGA ATG AAA TAT GGT GTG 225 GAA ACT GAT TGG CCT GCA TAT ATT GAA GGA TGG AAA AAA TTG GCT 270 ACT GAT GAA TTG GAG AAA TAC GCC AAA AAC GAA CCA ACG CTC ATC 315 CGT ATC TGG GGT GAT GCT TTG TTT GAT ATC GTT GAC AAA GAT CAA 360 AAT GGA GCC ATT ACA CTG GAT GAA TGG AAA GCA TAC ACC AAA GCT 405 GCT GGT ATC ATC CAA TCA TCA GAA GAT TGC GAG GAA ACA TTC CGT 450 GTG TGC GAT ATT GAT GAA AGT GGA CAA CTC GAT GTT GAT GAG ATG 495 ACA CGT CAA CAT TTA GGA TTT TGG TAC ACC ATG GAC CCT GCT TGC 540 GAA N4N5N6CTC TAC GGT GGA GCT GTC CCG TAA 570 本発明のアポエクオリン改変体をコードするDNAの好
ましい例は上記配列中のN1N2N3およびN4N5N6がAAA 、AA
G 、CAA 、CAG 、GAA 、GAG 、CGT 、CGC 、CGA 、CGG
、AGA 、AGG 、CAT およびCAC から選ばれるいずれか
の配列である。ただしN1N2N3とN4N5N6が共にLys を表す
AAA またはAAG である場合を除く。上記組合せのうちN1
N2N3およびN4N5N6の少なくとも1つがCAA 、CAG 、CGT
、CGC 、CGA 、CGG 、AGA およびAGG である組合せが
好ましく、特にN1N2N3がCAA で、N4N5N6がCGT である配
列が好ましい。
【0013】本発明のアポエクオリン改変体を得る方法
は、化学合成、遺伝子工学的手法等いかなる方法であっ
てもよいが、以下に記載するように野生型アポエクオリ
ンの遺伝子を得、これを基にして上記のような本発明の
アポエクオリン改変体をコードするDNAを得、さらに
これを用いて遺伝子組み換え法によりタンパク質を発現
させる方法が好ましい。野生型アポエクオリンのアミノ
酸配列およびその遺伝子の塩基配列は既に公知である
(Biochemistry 24: 6762-6771, 1985; Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 82:3154-3158, 1985; 特開昭 61-135586
号; 特開昭 61-224989号)。したがって、野生型アポエ
クオリン遺伝子を得ることは、既知配列を利用し発光オ
ワンクラゲよりクローニングすることでも可能である
し、また既知の配列を基に合成した DNA断片より遺伝子
全長を構築することでも可能である。
【0014】特に後者の方法の場合、以下のように行
う。すなわち、アポエクオリン改変体作製の基となる合
成野生型アポエクオリン遺伝子の塩基配列は Inouye ら
の報告した配列(配列表の配列番号3)を基に、Val よ
り始まる天然に存在する型(V-K-L-T-S-・・・・・・)のタン
パク質をコードし、かつ下記5項目の条件を満たす遺伝
子とする。すなわち、1)分泌発現させるため、大腸菌
のアルカリフォスファターゼ遺伝子のシグナルペプチド
配列(M-K-Q-S-T-I-A-L-A-L-L-P-L-L-F-T-P-V-T-K-A-)
をN末端に付加する、2)翻訳効率を高めるため、mRNA
が強固な2次構造を作らないようにSD配列を含む塩基
配列(AAAAAAGGGTATAAAATAAA)を開始コドンの前に付加
する、3)クローニングサイトとして、5’端に HindI
IIサイト(AAGCTT)、3’端に BamHIサイト(GGATCC)
を設ける、4)大腸菌の codon usage(Nucleic Acid R
es 20: 2111-2118, 1992)を考慮する、5)クローニン
グ上、問題となる制限酵素サイトをなくす、を考慮し、
合成する野生型アポエクオリンをコードする遺伝子の配
列を決定する(配列表の配列番号4)。
【0015】次に、合成野生型アポエクオリン遺伝子を
構築する手段として図1に示すように、まず第一段階と
して、3種の合成野生型アポエクオリン遺伝子フラグメ
ントをサブクローニングするため、化学合成したセンス
鎖およびアンチセンス鎖をアニーリングおよびライゲー
ションしたのち、pUC118ベクターの HindIII/BamHIサイ
トにサブクローニングする。続く第二段階で各合成野生
型アポエクオリン遺伝子フラグメントA (HindIII/Sty
I)、B (StyI/BstXI)、および C(BstXI/BamHI )を
制限酵素で切り出したのち、ライゲーションし、pUC118
ベクターの HindIII/BamHIサイトに導入することによ
り、野生型アポエクオリンをコードする遺伝子全長のク
ローニングを行うことができる。
【0016】野生型アポエクオリンをコードする遺伝子
への変異導入は多くの方法により行うことができる。な
お、変異導入はサブクローニングした合成野生型アポエ
クオリン遺伝子フラグメントに対して行っても良いし、
合成野生型アポエクオリン遺伝子全長に対して行っても
良い。例えば、合成野生型アポエクオリン遺伝子または
合成野生型アポエクオリン遺伝子を含む組み換え体 DNA
に対し、変異原となる薬剤と接触作用させる方法、紫外
線を照射する方法、遺伝子工学的手法等を用いて行うこ
とができる。
【0017】部位特異的改変法は特定の位置に特定の変
異を導入できることから有用であり、方法もKramerらの
方法(Nucleic Acid Res. 12: 9441-9456, 1984 )、Ec
ksteinらの方法(Nucleic Acid Res. 13: 8749-8764, 1
985 )、やKunkelらの方法(Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 82:488-492, 1985 )の方法がある。また、Ito らの
方法(Gene 102: 67-70, 1991 )は PCRを応用した簡便
で高率に変異導入可能な方法である。もちろん、上記遺
伝子改変法の他に、有機合成法や酵素合成法によっても
所望の改変体を得ることができるのは明白である。
【0018】合成野生型アポエクオリン遺伝子フラグメ
ントに対し変異を導入した場合は、その後、上記のごと
く他のフラグメントと連結し、アポエクオリン改変体遺
伝子全長とする必要がある。得られたアポエクオリン改
変体遺伝子は既知の DNAシークエンシング法によってそ
の塩基配列を確認できる。
【0019】こうして得られたアポエクオリン改変体遺
伝子は発現ベクターに組み込み、組み換えDNAを作製
し、これを宿主に導入し形質転換体を作製したのち、そ
の形質転換体を培養することでアポエクオリン改変体タ
ンパク質を生産することができる。本発明における組換
えアポエクオリン改変体の発現は、適切なプロモーター
の下流にアポエクオリン改変体をコードする DNAを接続
し、そのプロモーターが作用しうる宿主にて発現させ
る。
【0020】宿主としては、アポエクオリン改変体を産
生しうるいかなる細胞でもよいが、中でも、哺乳動物細
胞、昆虫細胞、酵母、糸状菌、枯草菌、大腸菌が好まし
い。適切な哺乳動物細胞の例として、 COS細胞、 CHO細
胞、 BHK細胞、 HeLa 細胞、等があげられる。昆虫細胞
の場合には、カイコ体液中にて発現させる方法の他に、
SF9細胞を代表とする培養昆虫細胞であってもよい。ま
た、酵母の場合には、Saccharomyces cerevisiaeSchi
zosaccharomyces pombe Picia apastorisKluyve
romyces lactis 等の菌株、糸状菌の場合には、Asperg
illus oryzaeAspergillus niger 等の菌株、枯草
菌の場合には、Bacillus subtilis Bacillus brevis
等の菌株が好ましい。さらに、大腸菌は古くから組換
えタンパク質発現の宿主として使われており、Escheric
hia coli HB101 、Escherichiacoli JM109 、Escheric
hia coli DH5 α、Escherichia coli BL21(DE
3)、Escherichia coli JE5505等の菌株が好ましい。こ
れらを宿主として形質転換体を作製する。
【0021】これらの細胞を宿主とした場合の発現プロ
モーターの例として、哺乳動物細胞の場合には、 SV40
プロモーター、 HCMV プロモーター、β- アクチンプロ
モーター、 EF-1 αプロモーターが強力なプロモーター
として知られている。昆虫細胞の場合には、バキュロウ
イルスの多角体プロモーターが、酵母の場合には、 GAL
1 プロモーター、 ADH2 プロモーター、 AOX1 プロモー
ター等があげられる。糸状菌の場合には、 ADH3 プロモ
ーター、 tpiA プロモーターが、枯草菌の場合には、細
胞壁タンパク質プロモーターがあげられる。大腸菌にお
いては多数のプロモーターについて知られており、中で
も lac プロモーター、 tac プロモーター、trp プロ
モーター等が強力なプロモーターとして知られている。
【0022】本発明の形質転換体の培養方法は、形質転
換体の作製に用いた宿主に適した公知の方法を用いるこ
とができ特に限定されない。また発現されたアポエクオ
リン改変体は分泌されてもよく、細胞内に包含されても
よい。
【0023】産生されたアポエクオリン改変体は既知の
方法で精製することができる。望ましくは、まず硫安沈
殿や等電点沈殿といった操作でアポエクオリン改変体を
精製濃縮しておいてから、カラムクロマトグラフィーに
て精製する。用いるカラムはその性質に応じて、ゲルろ
過、イオン交換、疎水、逆相、ヒドロキシアパタイト等
のカラムを単独または組み合わせて用いることで、SDS
ーポリアクリルアミドゲル電気泳動にてシングルバンド
まで精製することができる。
【0024】精製されたアポエクオリン改変体は公知の
方法で発光活性を有するエクオリン改変体へと再構成で
きる。例えば、Zenno ら(Biochem.Biopys.Res Comm.17
1:169-174,1990)はアポエクオリン改変体とセレンテラ
ジンを還元剤およびキレート剤存在下、水溶液中で反応
させている。この際、セレンテラジンはその誘導体であ
ってもよく、還元剤は2-メルカプトエタノール(2-ME)や
ジチオスレイトール等、ジスルフィド結合を還元できる
ものであれば良く、キレート剤としてはエチレンジアミ
ン四酢酸やビス(2- アミノエチル) エチレングリコール
四酢酸等、エクオリンの発光をトリガーする金属イオン
をキレートする物質であれば良い。反応条件および反応
時間は最大発光強度が得られるように設定することが望
ましく、通常室温以下の温度にて数分以上数日以下の反
応条件が用いられる。ここで再構成とはアポエクオリン
改変体とセレンテラジン等が酸素を介して複合体を形成
し、発光活性を有するエクオリン改変体が形成されるこ
とを言う。こうして、得られたエクオリン改変体は野生
型エクオリンより耐熱性が2〜4倍高く、従来凍結乾燥
によらなければならなかった保存が液体状態でも可能と
なる。また遺伝子工学的手法をもちいて生産を行うこと
により耐熱性を有するエクオリン改変体を大量に提供す
ることができる。
【0025】得られたエクオリン改変体を分析の標識と
するには、その分析に用いられる特異的結合体に直接あ
るいは間接に標識する必要がある。直接標識するのに
は、Erikaku ら(Biochem. Biophys. Res. Comm. 174:
1331-1336, 1991 )や Stultsら(国際公開番号 WO 94/
18342号)のように化学的に結合させても良いし、バイ
スペシフィック抗体のように特異的結合体との結合以外
のエクオリンへの特異結合能を利用しても良いし、また
遺伝子工学的に抗体や Protein Aとの融合タンパク質
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 2047-2051, 1990;
Biochem. Biophys.Res. Comm. 171:169-174, 1990)と
しても良い。間接標識するには、ビオチン・アビジンシ
ステム(Biochemistry 31: 1433-1442, 1992)のよう
に、他の特異結合ペアを利用する。
【0026】本発明の試薬を構成する特異的結合体と
は、ある物質と特異的に結合する物質をいうが、より具
体的には、抗原−抗体、リガンド−レセプター、糖鎖−
レクチン、核酸−相補的核酸、酵素基質−酵素、酵素イ
ンヒビター−酵素等の特異的結合対の構成要素であり、
例えば、抗体、抗原、ハプテン、ホルモン、蛋白質、ポ
リペプチド、核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオ
チド、オリゴサッカライド、ポリサッカライド等が挙げ
られる。
【0027】また、特異的結合体とエクオリン改変体と
の結合反応液から、それらが結合してなる化合物を得る
には、ゲルろ過法などの方法にて、精製を行なえばよ
く、これも、公知技術に従えばよい。
【0028】アポエクオリン改変体を標識として特異的
結合物質と結合させた後でも、前記の方法で発光活性を
有するエクオリン改変体へと再構成できる。
【0029】このようにして作製したエクオリン改変体
はその高い発光活性により高感度な標識となり、エクオ
リン改変体標識特異的結合体を試薬として用いて、公知
のごとく分析を行うと、高感度な分析方法となる。本発
明の試薬は凍結乾燥による乾燥体、粉体であってもいい
し、液体状の試薬であってもよい。
【0030】エクオリン改変体を含有する試薬を液体状
の試薬とする場合、その保存溶液は、糖、マグネシウム
イオン、塩化カリウム、緩衝液成分、キレート剤、アジ
化ナトリウム、タンパク質を含むことが好ましい。
【0031】糖の具体例としてはグルコース、マンニト
ール、スクロース、セロビオース、ゲンチビオース、ラ
フィノース、スタキオース等の糖が好適であり、1種若
しくは数種の糖を含有してもよい。特にグルコースが好
ましい。含有する糖の濃度は5%以上が好適であり、1
0〜40%が好ましく、特に15〜40%の濃度が好ま
しい。
【0032】マグネシウムイオンは塩化マグネシウム、
酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等として添加する
のが好適であり、1種以上のマグネシウム塩を含有して
もよい。特に塩化マグネシウムが好ましい。含有するマ
グネシウム塩の濃度は20mM以上が好適で、20〜2
00mMが特に好ましい。
【0033】塩化カリウムは1.5M以上含有すること
が好ましく、特に1.5〜3Mの塩化カリウムを含むこ
とが好ましい。
【0034】緩衝液成分としてはトリス、ヘペス、ビス
トリスプロパン、MOPSO(3−(N−モルホリノ)
−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、イミダゾール
などが好適である。2種以上の緩衝液成分を添加しても
よく、特にMOPSOが好ましい。緩衝液成分は10〜
100mM、特に20〜50mMの濃度であるのが好ま
しい。上記の緩衝液成分を使用し、保存溶液のpHは中
性領域が好適で、pH5.5〜9.0が好ましく、特に
pH6.0〜8.0が好ましい。
【0035】キレート剤としてはEDTA、EGTA等
が好ましく、特にEGTAが好ましい。これらは単独で
も混合して用いてもよい。濃度は2〜20mMが好まし
く、特に5〜10mMが好ましい。
【0036】アジ化ナトリウムは0.01〜0.5%の
濃度になるように添加するのが好ましい。
【0037】タンパク質としてはアルブミン、グロブリ
ン、ゼラチン等が好適例として挙げられるが、特に牛血
清アルブミン(BSA)が好ましい。濃度は0.001
〜2.5%が好ましく、特に0.005〜0.05%が
好ましい。保存溶液に上記タンパク質を添加することに
よって、エクオリン改変体の安定性が向上する
【0038】その他、保存液にはエチレングリコール等
の多価アルコール、多糖類、塩化ナトリウム等を含んで
もよい。本保存溶液を使用することによって、含有され
るエクオリン改変体をより安定に保存することができ、
従来の保存溶液に比べて安定性が向上した。本保存溶液
は野生型エクオリンの保存にも好適に使用でき、野生型
エクオリンの安定性を向上することができる。
【0039】本保存溶液の好ましい組成例として、0.
01M エチレングリコール、0.01%BSA、0.
1%アジ化ナトリウム、2.5M 塩化カリウム、50
mM塩化マグネシウム、5mM EGTA、15%グル
コース、20mM MOPSO、pH6.2および0.
03%BSA、0.05%アジ化ナトリウム、3M塩化
カリウム、100mM 塩化マグネシウム、10mM
EGTA、20%グルコース、50mM MOPSO、
pH6.6等が挙げられる。
【0040】本発明の試薬は、血液、尿等の体液や、工
業排水等中に存在する標的物質の測定において、標識特
異的結合体として使用することができる。特に、液性試
料中に存在する標的物質を測定する際に有用である。
【0041】ここで、標的物質とは、被測定物質のこと
であり、具体的には、血液、尿等の体液や、工業排水等
中に存在する様々な物質、さらに具体的には、薬物、代
謝物質、生理活性物質、化学物質、天然物質、抗生物
質、遺伝物質、微生物等を指す。
【0042】本発明の試薬は、いずれの標的物質にも対
応して作製され得るが、これらの試薬を用いて測定する
ことが好適な標的物質としては、抗原、抗体、核酸、ポ
リヌクレオチド、細胞、ホルモン、ウイルス、細菌、原
虫、ハプテン、ポリペプチド、タンパク質、アレルゲ
ン、オリゴサッカライド、ポリサッカライド等が挙げら
れる。
【0043】特異的結合分析方法とは、抗原抗体反応を
利用した免疫測定、糖鎖とレクチンの結合反応を利用し
たアッセイ、リガンドとレセプター、アクセプターの結
合反応を利用したアッセイ、核酸のハイブリダイゼーシ
ョンを利用したアッセイなどを指す。
【0044】本発明には、標識物質として、本発明のア
ポエクオリン改変体もしくはエクオリン改変体が特異的
結合体に直接または間接に結合してなる本発明の試薬を
用い、免疫測定法、レセプター、アクセプターの結合反
応を利用した分析方法、核酸ハイブリダイゼーションを
利用した分析方法等の各種の特異的結合分析方法が包含
される。本発明のエクオリン改変体を用いる分析方法
は、エクオリン改変体の耐熱性が高いので、凍結乾燥し
た野生型アポエクオリンもしくはエクオリンを用いる分
析方法に比べて、常温で保存液中に保存されたエクオリ
ン改変体を用いることができ、このため非常に分析操作
が容易であり、またその活性の低下が少ないので感度が
高い。
【0045】得られたエクオリン改変体はカルシウムと
結合することにより発光するので、直接カルシウム濃度
測定を目的とした分析方法に使用することもでき、特に
invivoまたはin vitroで細胞中に存在さ
せ細胞中のカルシウム濃度又は存在を検出できる。
【0046】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明する。 実施例1.合成野生型アポエクオリン遺伝子フラグメン
トA 、B 、および Cのサブクローニング化学合成したDNAフラグメントの配列. 合成野生型ア
ポエクオリン遺伝子フラグメントA 、B 、および Cを構
成する DNAフラグメント、センス鎖の +1 、+2、+3、お
よびアンチセンス鎖の -1 、-2、-3、-4、の塩基配列は
後に示す図2に示した。各 DNAフラグメントは株式会社
サワデーテクノロジーへ受託合成を依頼した。
【0047】DNA フラグメントのリン酸化. TE (10 m
M Tris-HCl, 1 mM EDTA, pH 8.0 )にて 1μg/μl に調
製した各 DNAフラグメントを滅菌蒸留水(SDW )にて 3
0 倍希釈し、94℃, 5 分加熱したのち、氷水中で急冷し
た。この変性 DNA溶液 30 μl に対し、酵素溶液 20 μ
l を加え、37℃で 1時間リン酸化を行った。なお、酵素
溶液には、10x リン酸化バッファー(最終 50 mM Tris-
HCl, 10 mM MgCl2, 10mM 2-ME, pH 7.6) 5μl 、10 mM
ATP 1 μl 、T4 kinase (10 U/ μl 、宝酒造社製)1
μl 、および SDW 13 μl を含む。合成野生型アポエ
クオリン遺伝子フラグメント A、B 、および Cを構成す
る各リン酸化した DNAフラグメント 7種をプールし、フ
ェノール・クロロホルム抽出を行ったのち、セントリコ
ン 10 (Amicon, Inc.)にて TE へのバッファー交換を
行い、最終約 100μl に濃縮した。
【0048】アニーリング、ライゲーションおよびトラ
ンスフォーメーション. 合成野生型アポエクオリン遺伝
子フラグメントA 、B 、および Cを構成する各リン酸化
された DNAフラグメント溶液 20 μl を、95℃, 2 分加
熱したのち、徐冷(60℃で 10 分保持後、30分かけて 1
0 ℃に冷却)し、アニーリングした。この溶液に等量
(20μl )の enzyme solution I(TAKARA Ligation Ki
t Ver. 2, 宝酒造社製)を加え、16℃で 30 分以上ライ
ゲーション反応を行った。反応後、エタノール沈殿を行
ってから、制限酵素 BamHI(宝酒造社製)および HindI
II(宝酒造社製)で消化させた(37℃, 一夜)。そして
セントリコン 100での過剰 DNAフラグメントの除去、フ
ェノール・クロロホルム抽出、エタノール沈澱を行い T
E に溶解したのち、この各フラグメント(1 μg )およ
び HindIII /BamHI でカットした pUC118 ベクター(0.
1 μg 、宝酒造社製)に対し、等量(5 μl )の enzym
e solution I(TAKARA Ligation Kit Ver. 2)を加え、
16℃で 30 分以上ライゲーション反応を行った。このラ
イゲーションした DNA溶液 2μl にE.coli JM109のコン
ピーテントセル(宝酒造社製) 35 μl を加え、氷中で
30 分静置したのち、42℃で 1分間インキュベイトし、
すぐ氷中で冷却した。その後、10倍量の SOC培地(ライ
フテックテクノロジー社製)を加えたのち、回転させな
がら 37 ℃で 30 分インキュベイトした。この形質転換
したE.coli JM109を適量、IPTG、X-Galおよびアンピシ
リンを含む L-broth寒天培地(Difco 社製)に播種し、
37℃で一夜静置培養し、形質転換体を得た。
【0049】実施例2.サブクローニングした合成野生
型アポエクオリン遺伝子フラグメントの塩基配列確認 得られた白色コロニーを爪楊枝にて採取し反応溶液(M1
3 M4および M13 RV プライマー、宝酒造社製)各 62.5
pmol、10×PCR (最終 10 mM Tris-HCl (pH 8.3), 50
mM KCl, 1.5 mM MgCl2, 0.001% gelatin )バッファー
5μl 、1.25 mM each dNTP 8 μl 、Taq DNA polymera
se(2 U 、ファルマシア社製))50μl中に懸濁した。9
0℃ 2分の加熱にて菌体を破壊したのちPCR (94℃ 30
秒, 55℃30 秒, 72 ℃ 1分, 35 cycles )を Perkin-E
lmer 9600(The Perkin-Elmer社製)により増幅を行っ
た。その後、セントリコン 100にて余分なプライマーを
除去し、フェノール・クロロホルム抽出、エタノール沈
殿後、TE 5μl で溶解し、テンプレートとした。続い
て、Taq Dye Deoxy TM Terminator Cycle Sequencingki
t(Applied Biosystems(ABI )社製)を用いて配列決
定を行った。すなわち、Reaction Premix (Terminator
mix, ABI 社製)9.5 μl,テンプレート 5μl,プライマ
ー(M13 M4または M13 RV )3.2 pmolを含む反応液 20
μl を Perkin-Elmer 9600を用い、96℃ 10 秒, 50℃ 5
秒, 60℃ 4分, 30 cycles のプログラムで増幅反応を行
った。反応液はフェノール・クロロホルム抽出の後、エ
タノール沈澱にて精製した。4 μl の 50 mM EDTA (pH
8.0): フォルムアミド=1:5溶液で溶解したのち、90
℃, 2 分の加熱後急冷し、このサンプルを 373A DNA シ
ークエンサー(ABI 社製)にて塩基配列を確認した。そ
の結果、サブクローニングした合成野生型アポエクオリ
ン遺伝子フラグメントA 、B 、C いずれも設計通りの塩
基配列であることが確認された。
【0050】実施例3.プラスミド調製 設計通りの塩基配列であることが確認された各合成野生
型アポエクオリン遺伝子フラグメントを含むプラスミド
を保有するコロニーについて、いったんシングルコロニ
ーを形成させてから、プラスミド調製を QIAGEN キット
(QIAGEN社製)を用いて行った。すなわち、アンピシリ
ン(10μg/ml)を含む L- broth にて回転(150 rpm )
下、37℃で一夜培養した培養液 100 ml より、6000×g,
15 分の遠心分離にて菌体を回収した。この菌体に P1
バッファー(RNase A (100 μg/ml)を含む 50 mM Tri
s-HCl, 10 mM EDTA, pH 8.0 )10 ml を加え、懸濁液と
してから P2 バッファー(0.2 M NaOH, 1% SDS)10 ml
を加え 4, 5 回転倒攪拌したのち、静置した。5 分後、
冷却した P3 バッファー(3 M potassium acetate,pH
5.5 )10 ml を加え、4, 5回転倒攪拌したのち、氷中で
20 分間静置した。30,000×g 排水, 30分の遠心分離で
上清を得た後、混入する沈査を除去するため、もう一度
30, 000×g 排水 30 分の遠心分離を行い、上清を得
た。この上清を予め QBTバッファー(50 mM MOPS, 750
mM NaCl, 15% ethanol, pH 7.0, 0.15%Trition X100)1
0 ml で平衡化した Qiagen tip 500 カラムに自然落下
にてアプライした。30 ml の QC バッファー(50 mM MO
PS, 1 M NaCl, 15% ethanol, pH8.0 )で 2回洗浄した
後、QFバッファー(50 mM Tris-HCl, 1.25 M NaCl, 15%
ethanol, pH 8.5)15 ml で溶出した。得られた溶出液
に 0.7倍容量の室温のイソプロパノールを加え、緩く攪
拌後、15,000×g 排水, 30分の遠心分離を行い、ペレッ
トを得た。ペレットは冷 70%エタノール 15 mlで洗い、
再び 15,000 ×g 排水, 30分の遠心分離を行ない、自然
乾燥させたのち、TE約 100μl に溶解し、各合成野生型
アポエクオリン遺伝子フラグメントA 、B 、および Cが
挿入されたプラスミド pAEQ-A, pAEQ-B,および pAEQ-C
を得た。標準プラスミド溶液をコントロールとしてアガ
ロースゲル電気泳動にてサイズと濃度を目視判定した。
【0051】実施例4.合成野生型アポエクオリン遺伝
子フラグメントA 、B 、および Cの連結 プラスミド pAEQ-A (3 μg )を K- バッファー(宝酒
造社製)中にて制限酵素 HindIII(16 U)および StyI
(10 U、宝酒造社製)で(37℃, 一夜)、pAEQ-B(3 μ
g )を H- バッファー(宝酒造社製)中にて StyI (10
U)および BstXI(10 U、宝酒造社製)で消化させた
(37℃ 6時間後 55 ℃一夜)。pAEQ-C(3μg )は H-
バッファー中 BstXI(10 U)で消化させ(55℃一夜)、
フェノールクロロホルム抽出、エタノール沈澱を行った
のち、K-バッファー中 HindIII(16U)で消化を行った
(37℃ 4時間)。アガロースゲル電気泳動にて、切断し
た DNA断片を分離し、QIAEX キット(QIAGEN社製)を用
い、ゲルより DNAを回収した。すなわち、切り出したゲ
ル約 300 mg に対して、900 μl QX1 バッファーおよび
10 μl QIAEX 懸濁液を加え、50℃にて 10 分間、2 分
毎に攪拌しながら、インキュベイトした。15,000 rpm 3
0 秒の遠心分離にて得られた沈査を QX2バッファー 500
μl で 2回遠心洗浄を行った。その後、QX3 バッファー
500μl でさらに 2回遠心洗浄を行い、自然乾燥させた
のち、TE 20 μl を加え、懸濁、5 分間の静置後、遠心
分離し、上清として各合成野生型アポエクオリン遺伝子
フラグメントを得た。続いて、フラグメントA (HindII
I/StyI)100 ng(10μl )、フラグメントB (StyI/Bst
XI)100 ng(10μl )、および pAEQ-C の HindIII/Bst
XI消化物(フラグメントC + pUC118ベクター)10 ng
(1 μl )を混合後、Enzymesolution I (TAKARA Liga
tion Kit Ver 2 宝酒造社製) 21 μl を加え、16℃で
ライゲーションを行った(約 4時間)。このライゲーシ
ョン溶液 2μl とコンピーテントセル(E.coli JM109)
50 μl を混合、氷中で 30 分間静置したのち、42℃で
1分インキュベイトし、冷却した。その後、SOC 培地 1
ml を添加し、37℃で 30 分間回転下インキュベイトし
たのち、アンピシリンを含む L-broth寒天培地に播種し
た。得られた形質転換体について、実施例3のようにプ
ラスミドを調製したのち、DNA 塩基配列決定を行い、設
計通りのエクオリン遺伝子塩基配列を有するプラスミド
pAEQ を選択した。なお、配列決定に使用したプライマ
ーは M13 M4 および M13 RV に加え、後に示す図3のセ
ンスおよびアンチセンスプライマーである。
【0052】比較例1.合成野生型アポエクオリン遺伝
子の発現プラスミドへの挿入 野生型アポエクオリンを発現させるため、トリプトファ
ンプロモーターの下流に合成野生型アポエクオリン遺伝
子を挿入したプラスミドを作製し、E.coli JE5505 (国
立遺伝学研究所、(故)広田幸敬博士より分与)を形質
転換した。まず、pAEQ(10μg )を K- バッファー中 H
indIII(48 U)および BamHI(40 U)で消化を行った
(37℃, 10時間)。切り出された pAEQ/HindIII-BamHI
フラグメントは実施例4のように QIAEXキットを用いて
抽出精製した。トリプトファンプロモーターの下流に、
クローニングサイト HindIII/BamHIを持つプラスミド p
M463(Gene 66: 295-300, 1988)を HindIIIおよび Bam
HIで切断したベクター 20 ngに対して pAEQ/HindIII-Ba
mHI フラグメント200 ngを混合し、等量の Enzyme solu
tion I(TAKARA Ligation Kit Ver. 2 宝酒造社製)を
加え、16℃で 1時間ライゲーションさせた。このライゲ
ーション溶液 5μl に対して、E. coli JE5505コンピー
テントセル 100μl を加え、緩く攪拌後、エレクトロポ
レーション法にて形質転換を行った。すなわち、Gene P
ulser (BioRad Laboratories 社製)を用いて、6.2
秒, 400オーム, 25μFDの条件で行った。その後、SOC 培地
1 ml を添加し、37℃で 30 分間回転下インキュベイト
したのち、アンピシリンを含む L-broth寒天培地に播種
した。37℃一夜培養後、挿入された DNAフラグメントサ
イズを PCR後のアガロースゲル電気泳動にて確認し、目
的サイズの挿入が認められるプラスミド pAEQ/E を保有
するコロニーを選択した。
【0053】実施例5.合成野生型アポエクオリン遺伝
子フラグメント A、B 、および Cの部位特異的変異PCR による部位特異的改変. Itoらの方法(Gene 102:
67-70, 1991 )を改変して行った。すなわち、2 種の
(x および y)の PCR反応液(テンプレートとして pAE
Q-A, pAEQ-B,又は pAEQ-C 10 pg 〜1 ng, センスおよび
アンチセンスプライマー各 5 pmol, 10 × PCRバッファ
ー(最終 10 mM Tris-HCl (pH 8.3), 50mM KCl, 1.5
mM MgCl2, 0.001% gelatin )10μl, dNTP 1.25 mM を
それぞれ 16 μl, Taq DNA Polymerase (2.5U) (0.5 μ
l))100 μl のうち、x は変異導入用センスプライマー
(Ps)と M13 RV 、又は変異導入用アンチセンスプライ
マー(Pa)と M13 M4 の組み合わせ、一方 yは、BamHI
サイトを消失させるアンチセンスプライマー(MuBamHI
)と M13 M4 、又は HindIIIサイトを消失させるセン
スプライマー(MuHindIII )と M13 RV の組み合わせ
で、1st PCR (94℃ 30 秒, 55℃ 2分, 72℃ 2分, 25 c
ycles )を行った。各プライマーの塩基配列は後に提示
する図4に示した。その後、TEを用いセントリコン 30
(Amicon)にてバッファー交換を行うことで、過剰なプ
ライマーを取り除いた。x および yの PCR産物(前者又
は後者同志の組み合わせで)を 2μl ずつ、10×PCR バ
ッファー 10μl, dNTP 1.25 mM をそれぞれ 16 μl,お
よび SDW 67.5 μl を混合し、熱変性後徐冷(94℃で 1
0 分変性させた後 30 分で 30 ℃に降温)し、アニーリ
ングさせた。この溶液に Taq DNA Polymerase (2.5 U
)を加え、72℃ 3分反応させ、ヘテロデュプレックス
を完成させたのち、M13 M4および M13 RV のプライマー
各0.5μl (2.5 pmol)を加えて 2nd PCR(94℃ 30 秒,
55℃ 2分, 72℃ 1分, 25cycles )を行った。フェノー
ル・クロロホルム抽出およびエタノール沈殿後、制限酵
素 BamHIおよび HindIIIにて K- バッファー中、37℃に
て一夜消化した。
【0054】ライゲーションおよび形質転換. 消化物は
TE を用いセントリコン 100にて余分なプライマーを取
り除き、フェノール・クロロホルム抽出およびエタノー
ル沈殿後、 TE 10μl で溶解した。その 5μl に HindI
II/BamHIでカットした pUC118 ベクターを 0.02 μg 加
えた後、等量の enzyme solution I(TAKARA Ligation
Kit Ver.2 宝酒造社製)を加え、16℃ 30 分以上ライゲ
ーション反応を行った。このライゲーションした DNA溶
液 2μl にE. coli JM109 のコンピーテントセル 35 μ
l を加え、氷中で 30 分静置したのち、42℃で 1分イン
キュベートし、すぐ氷中で冷却した。その後、10倍量の
SOC培地を加えたのち、回転させながら37 ℃で 30 分
インキュベートした。この形質転換したE. coli JM109
を適量、IPTG、X-Gal およびアンピシリンを含む L-bro
th寒天培地に播種し、37℃で一夜静置培養した。得られ
た形質転換体は前述のように DNA配列決定を行い、目的
変異が導入されていることを確認した。さらに、目的変
異の導入された形質転換体より実施例3に記載のように
プラスミドを調製した。
【0055】実施例6.アポエクオリン遺伝子フラグメ
ントA 、B 、および Cの連結(アポエクオリン改変体遺
伝子の作製)消化、ライゲーションおよび形質転換 . 野生型アポエク
オリンをコードする遺伝子フラグメント、又は目的変異
を有するアポエクオリン遺伝子フラグメントを調製し
た。すなわち、野生型アポエクオリンをコードする、又
は目的変異を有するプラスミド pAEQ-A (または変異
体)(3 μg )を K- バッファー中にて制限酵素 HindI
II(16 U)および StyI (10 U)で(37℃, 一夜)、pA
EQ-B(または変異体)(3 μg )を H- バッファー中に
て StyI (10 U)および BstXI(10 U)で消化させた
(37℃ 6時間後 55 ℃一夜)。pAEQ-C(または変異体)
(3 μg)は H- バッファー中 BstXI(10 U)で消化さ
せ(55℃一夜)、フェノールクロロホルム抽出、エタノ
ール沈澱を行ったのち、K-バッファー中 BamHI(16 U)
で消化を行った(37℃ 4時間)。アガロースゲル電気泳
動にて、切断した DNA断片を分離し、QIAEX キット(QI
AGEN Inc. )を用い、ゲルより DNAを回収した。すなわ
ち、切り出したゲル約 300 mg に対して、900 μl QX1
および 10 μl QIAEX を加え、50℃にて 10 分間、2 分
毎に攪拌しながら、インキュベイトした。15,000 rpm 3
0 秒の遠心分離にて得られた沈査を QX2バッファー 500
μl で 2回遠心洗浄を行った。その後、QX3 バッファー
500μl でさらに 2回遠心洗浄を行い、自然乾燥させた
のち、TE 20 μl を加え、懸濁、5 分の静置後、遠心分
離し、上清として各 DNAフラグメントを得た。続いて、
切り出したアポエクオリン遺伝子フラグメントA 40 ng
、フラグメントB 40 ng 、フラグメントC 40 ng、お
よび HindIII/BamHIでカットした発現ベクター 8 ng を
混合後、enzyme solutionI (TAKARA Ligation Kit Ver
2 )を等量加え、16℃でライゲーションを行った(約
4時間)。このライゲーションした DNA溶液 2μl とコ
ンピーテントセル(E.coli JM109) 25 μl を混合、氷
中で 30 分間静置したのち、42℃で 1分インキュベイト
し、冷却した。その後、10倍量の SOC培地を添加し、37
℃で 30 分回転下インキュベイトしたのち、アンピシリ
ンを含む L-broth寒天培地に播種し、37℃で一夜培養し
た。
【0056】発現ベクターへの挿入配列の確認. 形質転
換体に導入されたプラスミドへの挿入フラグメントサイ
ズを PCRにより確認した。PCR 反応液 20 μl 中には、
10xPCRバッファー 2μl 、dNTP最終 0.2 mM 、センスプ
ライマーおよびアンチセンスプライマー各 20 ng、なら
びに Taq DNA polymerase 0.8 U を含む。この反応液に
白色コロニーから爪楊枝にて採取した菌体を懸濁し、90
℃, 2 分の加熱にて菌体を破壊したのち、PCR 反応を1
サイクル 94 ℃ 30 秒, 55℃ 30 秒, 72℃ 1分を30 cyc
les 行う条件で Perkin-Elmer 9600を用い行った。反応
後、アガロースゲル電気泳動にて増幅フラグメントのサ
イズを調べた。目的サイズの挿入が確認されたコロニー
について、実施例2のように DNA塩基配列決定(但し、
プライマーはセンスプライマーとして U29HindIII, B-2
8,および C-25,アンチセンスプライマーとして D28BamH
I, B-32,および A-33 を使用、後に示す図2参照)を行
い、目的塩基配列であることを確認した後、比較例1と
同様にプラスミド調製を行い、発現プラスミドを得た。
この発現プラスミド 50 ng(約 2μl )とE. coliJE550
5のコンピーテントセル 20 μl を混合し、氷中で 30
分静置した。その後、42℃で 1分インキュベートし、す
ぐ氷中で冷却、10倍量の SOC培地を加えたのち、回転さ
せながら 37 ℃で 30 分インキュベートした。この形質
転換したE. coli JE5505を全量、アンピシリンを含む L
-broth寒天培地に播種し、37℃で一夜静置培養した。得
られたコロニーについて、ベクターへの挿入フラグメン
トサイズを実施例3のように確認した。このように調製
したアポエクオリン改変体生産大腸菌のうち、野生型ア
ポエクオリンの59位のリジンをグルタミンへ、182
位のリジンをアルギニンに改変したアポエクオリン改変
体、つまり配列表の配列番号1のX1 aa がGln でX
2 aa がArg であるK59Q/K182Rを生産する大腸菌JE55
05(pAEQE/K59Q/K182R)の寄託を行った(平成8年3月4
日、工業技術院生命工学工業技術研究所、寄託番号FERM
P-15493)。アポエクオリン改変体遺伝子のうち上記K5
9Q/K182Rの遺伝子を配列表の配列番号5に例示する。
【0057】実施例7および比較例2. アポエクオリン
(野生型および改変体)の分泌発現 アンピシリン(50μg/ml)を含む L-brothで 37 ℃一夜
前培養したアポエクオリン(野生型および改変体)遺伝
子を含むプラスミドを保持するE. coli JE5505を M9CA
培地にて 2% 植菌を行い、37℃にて、バッフルフラスコ
(500 ml容)で回転(150 rpm )培養を行った。培養開
始後、5 時間の時点でインドリルアクリル酸(最終 10
μg/ml)を添加し、発現の誘導を行った。3時間後、培
養上清を6000 ×g 排水, 15分の遠心分離で回収した。
【0058】実施例8および比較例3. アポエクオリン
(野生型および改変型)の精製 培養上清を 4℃まで冷却したのち、70% 飽和となるよう
に硫安を加え、硫安の溶解後 30 分間撹拌してから 2時
間以上静置した。塩析物は 7,730× g, 10分間の遠心分
離にて沈殿を集め、1 M 硫安/50 mM Tris-HCl, 5 mM 2-
ME, pH 8.0で溶解し、透析した。透析物を 10,000 rpm
、10分遠心分離し、上清をグラスウールによりろ過
し、不溶物を除去した。 2 M硫安/50 mM Tris-HCl, 1 m
M 2-ME, pH 8.0を 1/10 量添加し、更にフィルター(0.
5 μm, Millipore Japan社製)でろ過してアプライサン
プルとした。1 M 硫安/50 mM Tris-HCl, 1 mM 2-ME, pH
8.0で平衡化した TSKGEL PHENYL-5PW カラム(φ7.5
×7.5mm )(東ソー社製)へかけ、1 mM 2-ME/DWへのグ
ラジエント(70分)で溶出した(流速 1 ml/分)。1 分
毎にフラクションをとり、各フラクションの吸光度(28
0 nm)および生物発光強度を測定し、アポエクオリン分
画を得た。次に、得られたアポエクオリン分画をセント
リプレップ 10 (Amicon社製)を用いて濃縮した。フィ
ルター(0.5 μm )でろ過した後、0.1 M リン酸バッフ
ァー(PB), 0.2 M NaCl, 5 mM 2-ME, pH 7.7で平衡化
した Superdex 75 pg カラム(φ16×600 mm, Pharmaci
a Biotech 社製)へかけ、流速 1 ml/分で溶出した。1
分毎にフラクションをとり、吸光度および生物発光強度
を測定した。アポエクオリン分画を0.1 M PB, 0.2 M Na
Cl, 2 mM EDTA, pH7.7 にて透析し、これを精製アポエ
クオリンとした。この精製アポエクオリンをエレクトロ
スプレイイオン化マススペクトルで分子量を測定したと
ころ、酸化状態のアポエクオリン(分子内に1ヵ所のジ
スルフィド結合を有する)の理論分子量21457.1 に対
し、実測値は21456.4 であり、またN末端アミノ酸配列
を調べたところ、VKLTSDFDNPRWIGRHK
HMF−という結果が得られ、設計どおりのタンパク質
が分泌発現されていることが確認された。フラクション
検定としての生物発光強度測定は、各フラクション 10
μl に、メタノールで溶解した 1.68 μg/mlセレンテラ
ジン 10 μl 、200 mM DTT 10 μl 、および反応バッフ
ァー(0.03% BSA in 50 mM Tris-HCl, 200 mM NaCl, 0.
5M KCl, 10 mM EDTA, pH 7.6 )を 170μl 加え室温で
約 30 分再構成させた。再構成後、10μl を 96 ウェル
白マイクロプレート Microlite 1(DYNATECH LABORATO
RIES, Chantilly, VA )に分注し、化学発光測定機 Ber
thold LB96P (Berthold Japan社製)にて、トリガー溶
液(4.4% ethanolを含む50 mM Tris-acetate, 10 mM Ca
-acetate, pH 7.5)100 μl 分注直後 3秒間の積算発光
量を測定した。
【0059】実施例9. エクオリン改変体の再構成と生
物発光強度測定 反応バッファーで 200μg/mlに調製したアポエクオリン
(改変型および野生型) 10 μl 、メタノールで 336μ
g/mlに調製したセレンテラジン 10 μl 、200mM DTT 10
μl および反応バッファー(0.03% BSA / 50 mM Tris-
HCl, 200 mM NaCl, 10 mM EDTA, 0.5 M KCl, pH 7.6)1
70 μl を混合後、10℃にて一夜静置反応させエクオリ
ン(改変型および野生型)とした。反応バッファーにて
所定濃度(通常 1×10-10M)に調製したエクオリン(改
変型および野生型)溶液を 96 ウエルマイクロプレート
Microlite 1に10μl/well(1 ×10-15mol)とり、化学
発光測定機 Berthold LB96P にて、トリガー溶液 100μ
l 分注直後 3秒間の積算発光量を測定した。その結果、
図5に示すように野生型に比較し、改変体 K59R, K182R
は同程度の、またK59Q, K182Q, K59Q/K182Rはやや低い
発光強度を示した。
【0060】実施例10. エクオリン改変体の熱安定性 熱安定性試験は、エクオリンを保存溶液 A(0.01 M eth
yleneglycol, 0.01% BSA, and 0.1% NaN3 in 20 mM MOP
SO(3-(N-morpholino)-2-hydroxy propanesulfonic aci
d), 2.5 M KCl, 50 mM MgCl2, 5 mM EGTA, 15% glucos
e, pH 6.2 )にて発光強度が約 100,000カウント/10 μ
l 程度となるよう希釈し、ガラスバイアル(φ=12mm )
に 0.5 ml ずつ分注し、密栓をしたのち、50℃にて 7日
間保存し、残存活性を測定した。その結果、図6に示す
ように改変体 K59Q(配列表の配列番号1 のX1 aa
Gln でX2 aa がLys を表す), K59R(配列表の配列
番号1のX1 aa がArg でX2 aa がLys を表
す), K182Q (配列表の配列番号1がX1 aa がLys
でX2 aa がGln を表す), K182R(配列表の配列番
号1のX1 aa がLys でX2 aa がArg を表す)は
いずれも野生型より活性残存率が高く、なかでも K59Q
および K182Rが高かった。また、これら改変を組み合わ
せた K59Q/K182R (配列表の配列番号1のX1 aa
Gln でX2 aa がArg を表す)は相加的に残存活性率
が向上した。次に、野生型と K59Q/K182R を保存溶液 B
(5% sucrose, 2% BSA, and 0.1% NaN3 in 10 mM Tris-
HCl, 2 mM EDTA, 2.5 mM EGTA, 0.5 M KCl, pH 7.5)に
て希釈したのち、37℃、41℃、45℃における熱安定性試
験を上記のごとく行い、各温度における残存活性率が 7
0%となる日数を算出し、この日数の対数と絶対温度の逆
数を Arrheniusプロットした(医薬品速度論 p52-55 、
山名月中編、南江堂、1979年)(図7)。得られた回帰
式より、10℃および 25 ℃における残存活性が70%とな
る日数を算出したところ、野生型は 10 ℃保存でも1ヵ
月程度であるのに対し、K59Q/K182Rは 25 ℃においてさ
え3ヵ月以上と、保存期間が大幅に延長できることが示
唆された(図7)。下記の表1に、10および25℃で
エクオリンの残存活性が70%に減少するのに要する時
間を野生型とK59Q/K182Rに関してアレニウスプロットよ
り求めた値をそれぞれ示した。
【0061】実施例11. エクオリン改変体標識抗体の
作製 Erikaku らの方法(Biochem Biopys Res Comm 174: 133
1-1336, 1991)を改変して行った。すなわち、100 mM炭
酸ナトリウムバッファー, 200 mM NaCl, 2 mMEDTA, pH
8.0で 3 mg/mlに調製した抗 TSHモノクローナル抗体(A
2102 )100 μl に、同バッファーにて調製した Traut'
s reagent溶液(反応モル比×100 )10μl を加え、撹
拌下、室温で 1時間反応させた。反応後、0.1 M PB, 2
mM EDTA,pH 6.5 で平衡化した NAP-5カラム(Pharmacia
Biotech 社製)にて未反応の Traut's reagentを除去
し、SH基導入抗体とした。一方、100 mM PB, 200 mM Na
Cl, 2 mM EDTA, pH 7.7 にて 1 mg/mlに調製したアポエ
クオリン改変体 300μl に、同バッファーにて調製した
sulfo-SMCC 溶液(反応モル比×20)200 μl を加え、
撹拌下、室温で 1時間反応させた。反応後、0.1 M PB,
2 mM EDTA, pH 6.5で平衡化した NAP-5カラムにて未反
応の sulfo-SMCC を除去し、マレイミド基導入アポエク
オリン改変体を得た。SH基導入抗体およびマレイミド基
導入アポエクオリン改変体のタンパク質濃度は共に、Bi
o-Rad 社のプロテイン分析方法により算出した。このSH
基導入抗体とマレイミド基導入アポエクオリン改変体を
モル比1:2.5で混合させ、撹拌下、室温で 2時間反応さ
せた。その後、0.12 M DTTを約1/20 容添加し、室温で
15 分反応させた後、透析バッファー(50mM Tris-HCl,2
00 mM NaCl, 0.5 M KCl, 10 mM EDTA, pH 7.6 )で透析
を行った。透析後の濃度は透析前の 280 nm の吸収を元
に算出した。アポエクオリン改変体標識抗体から実施例
9に記載の方法に従って再構成を行いエクオリン標識抗
体の調製を行った。
【0062】実施例12. エクオリン改変体標識抗体を
用いた TSH-BLIA (Bioluminescent Immunoassay) 96ウェルマイクロプレート(Microlite 1 )に phospha
te-buffered saline,pH 6.4(PBS )にて 10 μg/mlに
調製した抗 TSH抗体(A2106 )を 100μl/well加え、37
℃で 1時間インキュベイトした。イオン交換水にて洗浄
後、PBS にて調製した 0.5% BSA 溶液を 150μl 加え、
室温で 2時間以上ブロッキングを行った。イオン交換水
にて洗浄後、ウマ血清で希釈した TSHを 50 μl/wellお
よび分析方法バッファー(10% ウサギ血清, 2% Mマウス
血清, 20 mM EGTA, および1.25%チオキシアン酸ナトリ
ウム含有20 mM ヘペス, pH 6.8)で希釈したエクオリン
標識抗 TSH抗体を 50 μl/well加え、室温で 4時間、振
とうしながら反応させた。キレート剤入り洗浄液(2 mM
EDTA を含む生理食塩水, pH 7.5)で 5回洗浄後、化学
発光測定機(Berthold LB96P)にて実施例9のごとく、
生物発光強度を測定した。その結果、改変体 K59Q/K182
R を標識剤とする BLIA は野生型を標識剤とする BLIA
とほぼ同等の S/N比が得られ、充分高感度な BLIA が作
製可能であった(図8)。
【0063】実施例13.保存溶液中の塩化カリウム濃
度の効果 塩化カリウムをそれぞれ0、1.5、3M含有する0.
03%BSA、0.05%アジ化ナトリム、200mM
塩化ナトリム、10mM EGTA、50mMMOPS
O緩衝液、pH6.6にエクオリン改変体を溶解し45
℃24時間保存し残存活性を測定した。1.5、3Mの
塩化カリウムを含有する保存溶液中のエクオリン改変体
の残存活性は、塩化カリウムを含まない保存溶液中のエ
クオリン改変体の残存活性より高い値を示した(図
9)。
【0064】実施例14.保存溶液中の塩化マグネシウ
ム濃度の効果 塩化マグネシウムをそれぞれ0、10、20、30、4
0、80、100、150、200mM含有する0.0
3%BSA、0.05%アジ化ナトリム、200mM塩
化ナトリム、1.5M塩化カリウム、10mM EGT
A、50mMMOPSO緩衝液、pH6.6にエクオリ
ン改変体を溶解し45℃24時間保存し、残存活性を測
定した。100mMまで塩化マグネシウム濃度を増加さ
せることにより残存活性は上昇し、100〜200mM
ではほぼ同じ残存活性を示した(図10)。
【0065】実施例15.保存溶液中のグルコース濃度
の効果 グルコースを0、5、10、20、40%含有する0.
03%BSA、0.05%アジ化ナトリム、3M塩化カ
リウム、100mM塩化マグネシム、10mMEGT
A、50mM MOPSO緩衝液、pH6.6にエクオ
リン改変体を溶解し45℃24時間保存し、残存活性を
測定した。20%までグルコース濃度を増加させること
により残存活性は上昇し、20〜40%ではほぼ同じ残
存活性を示した。(図11)。保存溶液A 0.01M
エチレングリコール、0.01%BSA、0.1%アジ
化ナトリム、2.5M塩化カリウム、50mM塩化マグ
ネシム、5mM EGTA、15%グルコース、20m
M MOPSO緩衝液、pH6.2に溶解した野生型エ
クオリンまたはエクオリン改変体K59Q/K182R
は、保存溶液B2%BSA、0.1%アジ化ナトリウ
ム、0.5M 塩化カリウム、2mMEDTA、2.5
mMEGTA、5%スクロース、10mMトリス緩衝液
に溶解したときに比べて、熱安定試験後の活性残存率が
高かった。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、従来天然から少量しか
得られず、しかも極めて失活しやすいために、優れた発
光活性を持ちながら商業的な利用が進まなかったエクオ
リンを、安定な状態で大量に提供することができる。さ
らに従来はエクリオンは凍結乾燥状態でなければ保存で
きなかったが、本発明によれば液体状態で長期間保存す
ることができる。
【0067】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:189 配列の型:アミノ酸 配列: Val Lys Leu Thr Ser Asp Phe Asp Asn Pro Arg Trp Ile Gly Arg 5 10 15 His Lys His Met Phe Asn Phe Leu Asp Val Asn His Asn Gly Lys 20 25 30 Ile Ser Leu Asp Glu Met Val Tyr Lys Ala Ser Asp Ile Val Ile 35 40 45 Asn Asn Leu Gly Ala Thr Pro Glu Gln Ala Lys Arg His Xaa Asp 50 55 60 Ala Val Glu Ala Phe Phe Gly Gly Ala Gly Met Lys Tyr Gly Val 65 70 75 Glu Thr Asp Trp Pro Ala Tyr Ile Glu Gly Trp Lys Lys Leu Ala 80 85 90 Thr Asp Glu Leu Glu Lys Tyr Ala Lys Asn Glu Pro Thr Leu Ile 95 100 105 Arg Ile Trp Gly Asp Ala Leu Phe Asp Ile Val Asp Lys Asp Gln 110 115 120 Asn Gly Ala Ile Thr Leu Asp Glu Trp Lys Ala Tyr Thr Lys Ala 125 130 135 Ala Gly Ile Ile Gln Ser Ser Glu Asp Cys Glu Glu Thr Phe Arg 140 145 150 Val Cys Asp Ile Asp Glu Ser Gly Gln Leu Asp Val Asp Glu Met 155 160 165 Thr Arg Gln His Leu Gly Phe Trp Tyr Thr Met Asp Pro Ala Cys 170 175 180 Glu Xaa Leu Tyr Gly Gly Ala Val Pro 185 189
【0068】配列番号:2 配列の長さ:570 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: GTC AAG CTG ACA TCA GAC TTC GAC AAC CCA CGT TGG ATT GGA CGT 45 CAC AAG CAT ATG TTC AAT TTC CTT GAT GTC AAC CAC AAT GGA AAA 90 ATC TCT CTT GAC GAG ATG GTC TAC AAG GCA TCT GAT ATT GTC ATC 135 AAT AAC CTT GGA GCA ACA CCT GAG CAA GCC AAA CGT CAC NNN GAT 180 GCT GTA GAA GCC TTC TTC GGA GGA GCT GGA ATG AAA TAT GGT GTG 225 GAA ACT GAT TGG CCT GCA TAT ATT GAA GGA TGG AAA AAA TTG GCT 270 ACT GAT GAA TTG GAG AAA TAC GCC AAA AAC GAA CCA ACG CTC ATC 315 CGT ATC TGG GGT GAT GCT TTG TTT GAT ATC GTT GAC AAA GAT CAA 360 AAT GGA GCC ATT ACA CTG GAT GAA TGG AAA GCA TAC ACC AAA GCT 405 GCT GGT ATC ATC CAA TCA TCA GAA GAT TGC GAG GAA ACA TTC CGT 450 GTG TGC GAT ATT GAT GAA AGT GGA CAA CTC GAT GTT GAT GAG ATG 495 ACA CGT CAA CAT TTA GGA TTT TGG TAC ACC ATG GAC CCT GCT TGC 540 GAA NNN CTC TAC GGT GGA GCT GTC CCG TAA 570
【0069】配列番号:3 配列の長さ:861 配列の型:核酸 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:オワンクラゲ(Aequorea victoria) 配列: A ATGCAATTCA TCTTTGCATC AAAGAATTAC ATCAAATCTC 41 TAGTTGATCA ACTAAATTGT CTCGACAACA ACAAGCAAAC 81 ATG ACA AGC AAA CAA TAC TCA GTC AAG CTT ACA TCA GAC TTC GAC 126 AAC CCA AGA TGG ATT GGA CGA CAC AAG CAT ATG TTC AAT TTC CTT 171 GAT GTC AAC CAC AAT GGA AAA ATC TCT CTT GAC GAG ATG GTC TAC 216 AAG GCA TCT GAT ATT GTC ATC AAT AAC CTT GGA GCA ACA CCT GAG 261 CAA GCC AAA CGA CAC AAA GAT GCT GTA GAA GCC TTC TTC GGA GGA 306 GCT GGA ATG AAA TAT GGT GTG GAA ACT GAT TGG CCT GCA TAT ATT 351 GAA GGA TGG AAA AAA TTG GCT ACT GAT GAA TTG GAG AAA TAC GCC 396 AAA AAC GAA CCA ACG CTC ATC CGT ATA TGG GGT GAT GCT TTG TTT 441 GAT ATC GTT GAC AAA GAT CAA AAT GGA GCC ATT ACA CTG GAT GAA 486 TGG AAA GCA TAC ACC AAA GCT GCT GGT ATC ATC CAA TCA TCA GAA 531 GAT TGC GAG GAA ACA TTC AGA GTG TGC GAT ATT GAT GAA AGT GGA 576 CAA CTC GAT GTT GAT GAG ATG ACA AGA CAA CAT TTA GGA TTT TGG 621 TAC ACC ATG GAT CCT GCT TGC GAA AAG CTC TAC GGT GGA GCT GTC 666 CCC TAA 672 GAAGCTCTAC GGTGGTGATG CACCCTGGGA AGATGATGTG ATTTTGAATA 722 AAACACTGAT GAATTCAATC AAAATTTTCC AAATTTTTGA ACGATTTCAA 772 TCGTTTGTGT TGATTTTTGT AATTAGGAAC AGATTAAATC GAATGATTAG 822 TTGTTTTTTT AATCAACAGA ACTTACAAAT CGAAAAAGT 861
【0070】配列番号:4 配列の長さ:667 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: AAGCTT AAAAAAGGGT ATAAAATAAA 26 ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT 71 ACC CCT GTG ACA AAG GCC GTC AAG CTG ACA TCA GAC TTC GAC AAC 116 CCA CGT TGG ATT GGA CGT CAC AAG CAT ATG TTC AAT TTC CTT GAT 161 GTC AAC CAC AAT GGA AAA ATC TCT CTT GAC GAG ATG GTC TAC AAG 206 GCA TCT GAT ATT GTC ATC AAT AAC CTT GGA GCA ACA CCT GAG CAA 251 GCC AAA CGT CAC AAA GAT GCT GTA GAA GCC TTC TTC GGA GGA GCT 296 GGA ATG AAA TAT GGT GTG GAA ACT GAT TGG CCT GCA TAT ATT GAA 341 GGA TGG AAA AAA TTG GCT ACT GAT GAA TTG GAG AAA TAC GCC AAA 386 AAC GAA CCA ACG CTC ATC CGT ATC TGG GGT GAT GCT TTG TTT GAT 431 ATC GTT GAC AAA GAT CAA AAT GGA GCC ATT ACA CTG GAT GAA TGG 476 AAA GCA TAC ACC AAA GCT GCT GGT ATC ATC CAA TCA TCA GAA GAT 521 TGC GAG GAA ACA TTC CGT GTG TGC GAT ATT GAT GAA AGT GGA CAA 566 CTC GAT GTT GAT GAG ATG ACA CGT CAA CAT TTA GGA TTT TGG TAC 611 ACC ATG GAC CCT GCT TGC GAA AAG CTC TAC GGT GGA GCT GTC CCG 656 TAA TAGGATCC 667
【0071】配列番号:5 配列の長さ:667 配列の型:核酸 核酸の種類:他の核酸 合成DNA 配列: AAGCTT AAAAAAGGGT ATAAAATAAA 26 ATG AAA CAA AGT ACT ATT GCA CTG GCA CTC TTA CCG TTA CTG TTT 71 ACC CCT GTG ACA AAG GCC GTC AAG CTG ACA TCA GAC TTC GAC AAC 116 CCA CGT TGG ATT GGA CGT CAC AAG CAT ATG TTC AAT TTC CTT GAT 161 GTC AAC CAC AAT GGA AAA ATC TCT CTT GAC GAG ATG GTC TAC AAG 206 GCA TCT GAT ATT GTC ATC AAT AAC CTT GGA GCA ACA CCT GAG CAA 251 GCC AAA CGT CAC CAA GAT GCT GTA GAA GCC TTC TTC GGA GGA GCT 296 GGA ATG AAA TAT GGT GTG GAA ACT GAT TGG CCT GCA TAT ATT GAA 341 GGA TGG AAA AAA TTG GCT ACT GAT GAA TTG GAG AAA TAC GCC AAA 386 AAC GAA CCA ACG CTC ATC CGT ATC TGG GGT GAT GCT TTG TTT GAT 431 ATC GTT GAC AAA GAT CAA AAT GGA GCC ATT ACA CTG GAT GAA TGG 476 AAA GCA TAC ACC AAA GCT GCT GGT ATC ATC CAA TCA TCA GAA GAT 521 TGC GAG GAA ACA TTC CGT GTG TGC GAT ATT GAT GAA AGT GGA CAA 566 CTC GAT GTT GAT GAG ATG ACA CGT CAA CAT TTA GGA TTT TGG TAC 611 ACC ATG GAC CCT GCT TGC GAA CGT CTC TAC GGT GGA GCT GTC CCG 656 TAA TAGGATCC 667
【図面の簡単な説明】
【図1】アポエクリオン遺伝子のクローニングの概要を
示した図である。
【図2】エクオリン遺伝子合成に用いた合成DNA断片
を示したものである。
【図3】配列決定に用いたプライマーの塩基配列を示し
たものである。
【図4】部位特異的改変に用いたプライマーの塩基配列
である。
【図5】野生型エクオリンとエクオリン改変体の発光強
度を比較したものである。
【図6】熱安定性を比較するためにバッファーAで希釈
後50℃で7日間保存したのち、各種エクオリンの残存
活性を比較したものである。
【図7】野生型および改変体のエクオリンの残存活性7
0%時のアレニウスプロット分析である。
【図8】イムノアッセイの標識として野生型および改変
体のエクオリンを使用した場合の比較を示したものであ
る。
【図9】塩化カリウム濃度がエクオリン改変体の保存安
定性に与える影響を示したものである。
【図10】塩化マグネシウム濃度がエクオリン改変体の
保存安定性に与える影響を示したものである。
【図11】グルコース濃度がエクオリン改変体の保存安
定性に与える影響を示したものである。
【図12】Inouyeらの報告したエクオリンcDN
A塩基およびアミノ酸配列を示したものである。
【図13】設計したエクオリン遺伝子の塩基およびアミ
ノ酸配列を示したものである。
【図14】エクオリン改変体のアミノ酸配列を示したも
のである。
【図15】合成野生型アポエクオリン遺伝子の塩基配列
およびエクオリン改変体の塩基配列を示したものであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】野生型アポエクオリンのアミノ酸配列中5
    9位および182位のリジン残基のうち少なくとも1つ
    を他のアミノ酸残基に改変したアポエクオリン改変体。
  2. 【請求項2】前記他のアミノ酸残基がグルタミン、グル
    タミン酸、アルギニンおよびヒスチジン残基から選ばれ
    るアミノ酸残基である請求項1に記載のアポエクオリン
    改変体。
  3. 【請求項3】前記他のアミノ酸残基がグルタミンおよび
    アルギニン残基から選ばれるアミノ酸残基である請求項
    1または2に記載のアポエクオリン改変体。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のアポエク
    オリン改変体をコードするDNA。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のDNAを含むことを特徴
    とする組み換えDNA。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の組み換えDNAで形質転
    換されたことを特徴とする形質転換体。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の形質転換体を培養し、そ
    の培養物よりアポエクオリン改変体を採取することを特
    徴とするアポエクオリン改変体の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の製造方法により製造され
    たアポエクオリン改変体およびセレンテラジンまたはそ
    の誘導体からなり、カルシウムイオンにより発光反応を
    誘導されるエクオリン改変体。
  9. 【請求項9】請求項7に記載のアポエクオリン改変体と
    特異的結合体とが結合したアポエクオリン改変体複合
    体。
  10. 【請求項10】請求項9に記載のアポエクオリン改変体
    複合体およびセレンテラジンまたはその誘導体からな
    り、カルシウムにより発光反応を誘導されるエクオリン
    改変体複合体。
  11. 【請求項11】請求項9に記載のアポエクオリン改変体
    複合体を含む試薬。
  12. 【請求項12】請求項10に記載のエクオリン改変体複
    合体を含む試薬。
  13. 【請求項13】グルコース、マグネシウム、および塩化
    カリウムのうち少なくとも1つを含有し、請求項8に記
    載のエクオリン改変体または請求項10に記載のエクオ
    リン改変体複合体を保存することができる保存溶液。
  14. 【請求項14】10〜40%グルコースおよび20〜2
    00mMマグネシウム塩を含有する請求項13に記載の
    保存溶液。
  15. 【請求項15】請求項8に記載のエクオリン改変体また
    は請求項10に記載のエクオリン改変体複合体を含む請
    求項13または14に記載の保存溶液。
  16. 【請求項16】試料中の標的物質を測定する特異的結合
    分析方法であって請求項10に記載のエクオリン改変体
    複合体から生じる発光活性を測定することを特徴とする
    特異的結合分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2827292A1 (fr) * 2001-07-12 2003-01-17 Centre Nat Rech Scient Photoproteines mutees et leurs applications
JP2008073047A (ja) 2006-09-22 2008-04-03 Wacker Chemie Ag 異種タンパク質の製造方法、タンパク質の分泌方法並びに前記方法の実施のためのe.コリ菌株

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